フラワーカンパニーズとPIGGSの異色のツーマンが実現!──グレートマエカワ&プー・ルイが選んだ、濃い音楽を続けるための道
ロックバンド、フラワーカンパニーズと、アイドル・グループ、PIGGSの2組が7月24日に高円寺HIGHにてツーマン・イベント〈SET YOU FREE〜VS SERIES〉を開催する。異色の組み合わせに期待値が高まるなか、OTOTOYでは、フラワーカンパニーズのグレートマエカワ、そしてPIGGSからプー・ルイを招いて取材を実施。実は、メジャーもインディーを渡り歩き、事務所の社長やグループのリーダーでもあるこのふたり。今回は社長という視点でのグループ運営や、メジャーとインディーズの違い、さらにはグループとしての展望など、普段は聞けない話を存分に語ってもらった。7/24の〈SET YOU FREE〉は、これを読んでから行くと100倍面白い!!!
フラワーカンパニーズとPIGGSのツーマン・イベント開催決定!
〈SET YOU FREE~VS SERIES〉
日程:7月24日(水)
OPEN 18:30 / START19:15
会場:高円寺HIGH
出演:フラワーカンパニーズ、PIGGS
前売り¥4800
チケットはイープラスにて6/22発売
フラワーカンパニーズ35周年記念、シングル連続リリース企画第3弾!
30th single『アメジスト/ハートのレース』 *完全生産限定
販売開始:2024年3月3日(日)
販売場所:ライブ会場、webショップ「ニワトリ堂」(https://shop.flowercompanyz.com/)
品番;CSRCD-9
定価:1,100円(税込)
発売元:チキン・スキン・レコード
収録曲
1. アメジスト
2. ハートのレース
PIGGS、7月17日発売のEPより先行リリース
INTERVIEW : グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ)、プー・ルイ(PIGGS)
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
お客さんの「猪突猛進さ」みたいなものを感じました
——2024年7月24日に高円寺HIGHにて、フラワーカンパニーズとPIGGSのツーマンイベント〈SET YOU FREE〜VS SERIES〉が開催されます。かなり異色なツーマンだと思いますが、今回このイベントが決まったきっかけは?
グレートマエカワ(以下、マエカワ):20年くらい前に僕たちがメジャーからインディーズになった後、フラカンの活動を救ってくれた人間のひとりが、この〈SET YOU FREE〉というイベントを主催している千葉(智紹)くんという方だったんです。フラカンとしても〈SET YOU FREE〉に出てから自分たちの道が見えてきましたし、千葉くんからはたくさんアイディア をもらっていました。そんな千葉くんから、去年2023年の〈KUSHIRO KIRI FESTIVAL〉に出たとき、PIGGSのことを紹介してもらって、「いつか垣根を越えた対バンを観たいんですよね」って言ってもらっていたんです。そして今年の春に大阪でPIGGSのライヴを観に行かせてもらって、ライヴの激しさに圧倒されて。「これはおもしろくできそうだな」と思って話がまとまったという経緯ですね。
プー・ルイ:今回実現することが決まって、本当に嬉しいです。
——マエカワさんは、アイドル・グループとの対バンに対して特に抵抗はなかったですか?
マエカワ:僕らは元々頭でっかちの方ではないし、特に信頼する人から薦められたらまず1回やってみて、それからどうしようかとか考えるタイプなので特に抵抗はないですね。PIGGSはバンドのマインドもわかっていると千葉くんからも聞いていたし、ライヴを観てもそう感じられたので、むしろやりやすいのかなと思います。
——マエカワさんはPIGGSのライヴをみて、どういう感想を抱いたんですか?
マエカワ:舞台上も客席も熱量が半端じゃないなと。僕らが若い頃に一緒にやらせてもらったパンクバンドのライヴに近いというか、お客さんの「猪突猛進さ」みたいなものを感じましたね。そのお客さんを見てお互い一緒にできたらなと思ったし、逆にフラカンのお客さんの前でやる PIGGS も見てみたいなと思いました。
——プー・ルイさんからみて、フラワーカンパニーズの魅力はどう映っていますか?
プー・ルイ:フラワーカンパニーズさんのライヴを観ていると、あったかい気持ちになれます。フェスでもワンマンでも、その場にいる人を楽しませている部分やみんなで作り上げる空気感はPIGGSが目指すところなのかなと思って、勉強させてもらっています。以前〈いしがき MUSIC FESTIVAL〉というフェスでお会いしたんですけど、そのときのフラカンさんのライヴがすごく刺さったんです。私がメンタルを崩して復帰した直後だったこともあって、すごく感動したのを覚えています。
——おふたりはアーティスト活動をやりながら事務所の社長を務めていて、メジャーとインディーズ両方を経験しているという共通点があります。そこで今回は、それぞれの経歴や社長としての考え方についてもお訊きしたいです。まずプー・ルイさんは、PIGGSとして活動する前にいくつかのメジャーを渡り歩いていましたが、当時の感覚としてはどうだったんですか?
プー・ルイ:そもそも私はアイドル・グループに所属していたので、メジャー進出に対して自分の意思はなかったんですよ。BiSのときも、そのあとにはじめたLUI FRONTiC 赤羽JAPANというバンドのときも、運営側の大人に従ってやっていた感じでした。でも、「メジャー=良いこと」という印象はあったんですよね。特に最初のBiSのときは、メジャーになってからテレビに出られるようになったし、いろんな方に楽曲提供をしていただいたりしたんです。それはすごく良かったですね。
——それからプー・ルイさんは2020年に会社を立ち上げてPIGGSを結成。2023年には、ソニー(アリオラジャパン)でメジャーデビューしたという経歴があります。メジャー・レーベルと契約した理由を、社長の視点から教えてほしいです。
プー・ルイ:私がBiSで活動していたときのアイドルシーンには、「2年以内にメジャーにいかないと、ダメになる」というジンクスがあったんですよ。だからPIGGSも結成した当初から「2年以内にメジャーにいかなければ」という思いがあって、メジャーにいくことに躍起になっていました。実際にインディーズでのPIGGSの活動に、頭打ち感があったたのも事実ではあるんです。コロナ禍で制限されたキャパではあるものの〈EX THEATER ROPPONGI〉でのライヴのチケットが完売したときに、今のままで埋められる最大キャパはここまでだなと思ったんですよね。そこでチームPIGGSとしてもメジャーの力を借りて、変化しつつ大きく動きたい思いもあったので、ソニーと契約してメジャーデビューすることを選びました。
——なるほど。では次にマエカワさんにもお訊きしますが、フラカンが1回目のソニー(アンティノスレコード)と契約したのはどういった経緯だったんですか?
マエカワ:僕たち最初は地元名古屋で活動していたんですが、次第に本気度も高くなって、あるとき1年後に東京に行こうという話が出たんです。ちょうどその頃にメジャーの話も 来ていたので、上京して、結果ソニーからデビューできたという流れですかね。当時はそこまで自分たちの意思はなかったです。1995年頃のあの時期は、「とにかく東京にいってプロになるんだ」という思いしかありませんでした。
——フラカンはメジャーで活動したあと、2001年からはDIYで活動をはじめます。インディーズのフィールドで、続けていこうと思った理由はなぜだったんですか?
マエカワ:実はそのときはメジャーと事務所をクビになったんですね。理由としては、CDの売り上げとかレコード会社の事情もあって。それからバンドをどうするか話し合ったんですけど、辞めようと言うメンバーがいなかったんです。それなら自分たちでできる限りやってみようと。それからはブッキングも運転も物販も自分たちでやりました。物販とか最初は演者がやるのはどうなんだろうと思ったんですけど、いざやってみたらお客さんの声が直接もらえるし、意外と良いなと思えるようになりました。
——インディーズで動きはじめた当時の状況はどうだったんですか?
マエカワ:当時は流行っていた⻘春パンクのバンドとのライブをすることが多かったんですけど、対バンの熱量がすごかったんですよ。もちろん勝ち負けではないけど、気持ちでも熱量でも負けたなと思いましたね。ヴォーカルの鈴木圭介も「俺たちまだまだ足りねえことが多いな」って言ってきて、運転しながら俺は涙ぐんだりして。やっぱりみんなまだ全然やれてない、負けてられないという思いがあるんだと思った。そこから改めてギアが入って、お客さんも増えるようになったし、インディーズでもまだまだできることがあるなと実感しましたね。