原点回帰する〈夏の魔物2019〉──成田大致が紡いだロック・ヒストリーを全身全霊で体感せよ
9月1日(日)に大阪、9月28日(土)、29日(日)の2日間に埼玉で開催される〈夏の魔物2019〉。ユニットの解散を経て、一度は全てをやめようとまで考えた主催者、成田大致がいま〈夏の魔物〉というフェスで示したい物とは何なのか? オトトイでは、いよいよ来月に〈夏の魔物2019〉の開催を控える成田大致にインタヴューを敢行。日本の音楽史に名を刻むレジェンドから、新進気鋭の若手バンドまで、そのラインナップに込められた成田大致の想いを語ってもらいました。
夏の魔物2019は大阪、埼玉にて開催!
2019年9月1日(日) 夏の魔物2019 in OSAKA
会場 : 大阪・味園ユニバース
時間 : 10:30 開場 / 11:00 開演
出演 : OA : KING BROTHERS /ワッツーシゾンビ / eastern youth / ROLLY / 大槻ケンヂ / マーティ・フリードマン / ////虹////(ex.0.8秒と衝撃。) / ステレオガール / 赤犬 / Hermann H.&The Pacemakers /
HUSKING BEE / 曽我部恵一 / 台風クラブ / どついたるねん / バレーボウイズ / TOMOVSKY / ラフィンノーズ / THE NEATBEATS / うつみようこ / 奇妙礼太郎 / Sundayカミデ / 三上寛 / 掟ポルシェ / クリトリック・リス
2019年9月28日(土)、29日(日) 夏の魔物2019 in SAITAMA 2DAYS
会場 : 埼玉・東武動物公園
時間 : 09:30 開場 / 10:00 開演
出演(DAY1) : THA BLUE HERB / スチャダラパー / BAD HOP / OLEDICKFOGGY / シーナ&ロケッツ / MARIA / Signals(Guitar照井利幸、Drums椎野恭一、Organ細海魚、Bassキタダマキ) / BIM / in-d / DOTAMA / SLANG
OGRE YOU ASSHOLE / ドミコ / imai(group_inou) / ハルカミライ / ステレオガール / 曽我部恵一 / 中村一義 / かせきさいだぁ with 中森泰弘(HICKSVILLE) / TOMOVSKY / SCOOBIE DO / The 5.6.7.8's / 石川浩司(ex.たま) / KOKI(田中聖) / どついたるねん / 2 / キイチビール&ザ・ホーリーティッツ / ロマンポルシェ。 / クリトリック・リス / ザ・ジュアンズ /
Special Guest : 手塚るみ子 / アンドレザ・ジャイアントパンダ / アントーニオ本多 / ゲーセンミカド / and more...
出演(DAY2) : Age Factory / 戸川純 / 町田康 / ラフィンノーズ / TOKYO No.1 SOUL SET / ////虹////(ex.0.8秒と衝撃。) / KYONO(WAGDUG FUTURISTIC UNITY / T.C.L / THE MAD CAPSULE MARKETS) / 鉄アレイ / GARLICBOYS /
LOW IQ 01 / 磯部正文(HUSKING BEE) / KENZI(アコースティック) / ニューロティカ / ROLLY×モーモールルギャバン / 人間椅子 / SA / ザ50回転ズ / オシリペンペンズ / 友川カズキ / ザ・たこさん / GOMA meets U-zhaan / 堕落モーション>FOLK2(安部コウセイ×伊東>真一) / ラッキーオールドサン / CRYAMY / Teenager Kick Ass / NITRODAY / betcover!! / No Buses / Johnnivan /
Special Guest : ぁぃぁぃ / 藤井健太郎 / スーパー・ササダンゴ・マシン / KAMINOGE / ジャスミン×チバニャン(レペゼン地球トラックメーカー) / しゃい(歌い手、DJ社長後輩)×ジェニファー(レぺチキ) / and more...
夏の魔物2019 公式サイトはこちらから!
INTERVIEW : 成田大致
成田大致にとても興味がある。まっすぐで不器用で……。言いたいことも言えず、言ったら燃えちゃうし。でもそのことがわかっているから、ずっと期待しちゃうし、ずっと見ていたいって思わせてくれる。2019年の今年は、フェス『夏の魔物』に集中するそうです。彼の初期の衝動を、そして新天地で! 僕は、成田大致に、故内田裕也氏のように生涯ロックンロールを貫いて欲しいと思っている。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文・構成 : 伊達恭平
写真 : Jumpei Yamada
音楽活動とフェスは別物である
──去年は、成田くんにとって結構辛かった一年だったと思うんですが。
成田大致(以下、成田) : 去年というか、近年は結構憔悴していましたね。
──負のスパイラルにはまっていった?
成田 : 年末まではそうでした。でも、年が明けてからはすぐ準備をしてましたね。あくまで「音楽活動とフェスは別物である」っていうのを明確にして、開催宣言までを計画していたので。
──音楽活動の方では、SILLYTHING名義でEP(『Back in the SILLYTHING』)をリリースされましたよね。これはどういう経緯で生まれたんでしょうか。
成田 : 好きなときに作りたい音楽を作るとか、自分のペースで音楽活動ができればいいなって。
──じゃあこれは成田くんのソロ活動ってことでいいのでしょうか。
成田 : ソロというか、これまではグループとして活動していたけど、やりたいことをその時々でやるっていう方向になりました。
──なるほど。歌詞でも成田くんが叫びそうなことが歌われてるよね。
成田 : 「ドクターQ」と「新・極上。」は塔山(忠臣)さんが作ってくれたんですが、そういう意味でも昔に戻ったというか。自作の曲もやるし、いろんなひとともやるし、いろんな形態でライヴもする。そういうスタイルに拘らない自由さみたいなことがSILLYTHINGでは出来ると思っていたので。あと、いまはまずフェスが中心にあるので、音楽活動は無理せずやれるときにって考えています。今年は自分もフェスに出ないんで。
──出ないのは理由があるの?
成田 : 今回、うちの会社(株式会社MAMONO)主催の一発目なんです。出演すると、その為に気持ちを切り替えないといけないし、もしそこでトラブルが起きたら正しい対応ができるイメージがわかないなと思っていて。
──じゃあSILLYTHINGが出ないのも含めて、今回の〈夏の魔物〉はリスタートって感じなのかな?
成田 : そうですね。来年が15回記念になるので、そのときにどういうものを迎えたいかと考えたんです。背水の陣じゃないけど、もう次はないという覚悟でとにかく納得がいくものを突き詰めてみたくなって。年末に「何もかもやめよう」と思わなかったらそこまでいけてないと思います。
──実際はやめるまではいかなかったんだよね。
成田 : あのときは完全に「全部やめよう」と思ってたんです。まずこれからどうやっていくかとか、ゆっくり考えたいと思って。悩んだ末「ここでこのフェスを終わらせてはいけない」という結論に達しました。
シンプルに良い音楽を伝えるためのイベントだったのに、それが見えてない
──年明けから準備していたなかで、「今年はこんな〈夏の魔物〉にしてやろう」みたいな思いはあるんでしょうか。
成田 : そもそも自分は〈RISING SUN ROCK FESTIVAL〉の初回の熱気を目指していたり、〈AIR JAM〉の映像を何回も観て、「こういう風ないろんなカッコいい音楽が集まるイベントをやりたい」と思ったことや、どういう音楽や作品が好きだとか、最近振り返ってなかったなと思って。今回ゆっくり振り返るタイミングが出来たんですよね。〈夏の魔物〉の意思表示というか、どういうものを見せていくかっていうのを徐々に固めて行きました。
──なるほど、じゃあ今回は具体的に見せたいものがある?
成田 : やっぱり、近年の〈夏の魔物〉のイメージのまま続けていく想像ができなかったんですよね。フェスを立ち上げたときにいつか出て欲しいと思っていた、(甲本)ヒロトさん、マーシーさん(真島昌利)、チバユウスケさん、ベンジー(浅井健一)さんとか、フィッシュマンズが出演するような、そういうフェスになるわけないってようやく気付いて。「じゃあ今回はどうすんの? 」っていうところにいったんです。
──考えた先には何があったんでしょうか。
成田 : 「こういうものに感動した」「こういう熱気を作りたい」というシンプルに良い音楽を伝えるためのイベントだったのに、それが見えてないなと気づいたんです。たとえば近年「メチャクチャなものが〈夏の魔物〉でしょ」みたいなことをよく言われますが、僕自身それはフェスの方向と矛盾してると思っていたのに、そこに対しての意思表示が無さすぎたな、と。
──ちゃんとしたいってずっと言ってるもんね(笑)。
成田 : 誰かに任せている部分とか把握できてない部分があまりにも多くてとにかく反省しました。そんな状態はオーガナイザーとしても失格だなと思って。
──そういう中で今回の〈夏の魔物〉がこのラインナップを揃えた理由は何かあるのかな?
成田 : THA BLUE HERBが今年動くってわかってすぐコンタクトをとりました。で、ブッキングを進めていく中で、BOSSさんにin SAITAMA DAY1のヘッドライナーをお願いして。THA BLUE HERBがトリなら、OLEDICKFOGGYとの「弾丸さえあれば」を実現させたい、そしてSLANGにも絶対いてほしい、と頭の中に星座を作りました。日本語ラップだったりヒップ・ホップに関しても、前からチャレンジしてたけどあまり伝わっていないと感じていたので、今年は魔物的にリベンジの意味も込められています。〈SUMMIT〉の増田(増田 "takeyan" 岳哉 )さんやBAD HOPにどうしても出て欲しい、と話をしたりもしましたね。
で、初日がTHA BLUE HERBなら2日目は若手でしょっていうことで、最近ライヴ行って感動したのがAge Factoryだったので、「今一番カッコいいライブバンドとして出てくれませんか」とお願いして。BRAHMAN、THE BACK HORNと2マンをやったこのタイミング、今しかないと感じたんです。大阪の方も、eastern youthに1時間お願いして、結成20周年のワッツーシゾンビに大トリをお願いしようとすぐ固まりました。
──ブッキングってそういうところが楽しかったり、妙だったりしますもんね。これまではそういうのも出来なかったんだ?
成田 : はい、すべてのアーティストを一人でブッキングするのは久々ですね。「若手ロックバンドをもっとフックアップしたい」とか思っていても、近年はできてなかったので。今回ステレオガールやTeenager Kick Ass、betcover!!など20代の若いアーティストをこれまで以上にブッキングもしています。
バトンを渡していくようなフェスを目指しています
──じゃあ今は充実感はあるってことでしょうか。
成田 : やれることは全部やった、そう言い切れるようになりたくて。ラインナップに関しても、正直日本全国のロック・フェスの中でもかなりロック濃度が高いものになってると思います。あと今回は「原点回帰」ということで自分が何を見てきたのか、何を聴いてきたのかみたいなコアな部分をベースにしたラインナップにしています。なので、集客が以前に比べて落ちたとしても、純粋なロック・フェスとしてまたここから作っていこうと思っていますし、一点の妥協もないイベントにしたいと考えています。それくらいラインナップとしては過去最高という自信があります。
──確かに結構ロック色は強いですよね。
成田 : 今の時代にロックンロールがどのくらい有効かっていうのはすごい気になりますね。
──ちょっと年齢層が高いかもしれないね。でも音楽シーンにこういうフェスがあったら何かが変わる、っていうのを信じてやるしかないと思います。
成田 : たとえば、今回町田康さんが、町田康(a.k.a.町田町蔵)INU SPECIAL SETLISTと題して、INUの曲を沢山やってくれたり、大阪ではROLLYさんがすかんちの恋のウルトラ大作戦の冒頭4曲を再現してくれたり、さらには大槻ケンヂさん、マーティ・フリードマンさんとコラボも行うのですが、自分だったら何があっても観に行くんですけど、どのくらいの人に届けられるかなとか、プロデューサーとして不安なところがありますね。
──でもこういうフェスで大人たちが騒いで、それを見た若い子たちが「この人たち聴いておかないとやばいんじゃないの?」みたいになってくれると最高ですよね。
成田 : そうですよね。いまこそロックの歴史を1日で体感できるフェスが必要だなと思っています。学割や4人券などかなり破格な価格のチケットも用意してますし、とにかく一人でも多くの音楽好きの方に来てくれたら嬉しいです。Age factory、ハルカミライ、ドミコ、ステレオガールとか最先端の若いバンドからレジェンドまで、昭和、平成、令和を代表する尖った面々が集結し、バトンを渡していくようなフェスを目指しています。
──これから成田大致個人としてはどうなりたいんですか?
成田 : まずは〈夏の魔物〉の認知度を上げて、ロック・ファンの誰もが知っているようなフェスにしたいです。
──じゃあ〈夏の魔物〉っていう大きい軸で経済を回したいとかも思っているんですかね。
成田 : あんまりそういう考えはなく、シンプルに、ずっとこのフェスを続けていけるように頑張りたいと考えています。無くならないようにしたい、その一心ですね。
──うまくいけば会場的にも一万人くらい入りますしね。
成田 : 会場のロケハンに行った時に制作の人間に「成田さんもっと借金してこのフェスを大きくしていきましょう!」って真面目に言われて「なんやねん!」ってなったんですけど(笑)、その人がそう言うのも納得できるくらいめちゃくちゃいい会場だったんです。初めての会場で、お客さんがイメージがわいてない段階だとおもうので、来場のし易さをアピールする準備もしています。そんなに遠くないし、電車でも安く来れるよと。
──フェスを大きくしていこうっていうところが、ここ1、2年の基軸になっていくんですね。
成田 : そうですね。来年15回目っていうのもモチベーションになっています。そこにはザ・クロマニヨンズ、The Birthday、浅井健一さんをお呼びできるように今年は全力で成功させたいです。15回目を迎えられるかどうかは今年にかかっているので、とにかく来て、生で体感してほしいですね。
編集補助 : 齋藤由季花
編集 : 伊達恭平
夏の魔物2019
2019年9月1日(日) 夏の魔物2019 in OSAKA
会場 : 大阪・味園ユニバース
時間 : 10:30 開場 / 11:00 開演
出演 : OA : KING BROTHERS /ワッツーシゾンビ / eastern youth / ROLLY / 大槻ケンヂ / マーティ・フリードマン / ////虹////(ex.0.8秒と衝撃。) / ステレオガール / 赤犬 / Hermann H.&The Pacemakers /
HUSKING BEE / 曽我部恵一 / 台風クラブ / どついたるねん / バレーボウイズ / TOMOVSKY / ラフィンノーズ / THE NEATBEATS / うつみようこ / 奇妙礼太郎 / Sundayカミデ / 三上寛 / 掟ポルシェ / クリトリック・リス
2019年9月28日(土)、29日(日) 夏の魔物2019 in SAITAMA 2DAYS
会場 : 埼玉・東武動物公園
時間 : 09:30 開場 / 10:00 開演
出演(DAY1) : THA BLUE HERB / スチャダラパー / BAD HOP / OLEDICKFOGGY / シーナ&ロケッツ / MARIA / Signals(Guitar照井利幸、Drums椎野恭一、Organ細海魚、Bassキタダマキ) / BIM / in-d / DOTAMA / SLANG
OGRE YOU ASSHOLE / ドミコ / imai(group_inou) / ハルカミライ / ステレオガール / 曽我部恵一 / 中村一義 / かせきさいだぁ with 中森泰弘(HICKSVILLE) / TOMOVSKY / SCOOBIE DO / The 5.6.7.8's / 石川浩司(ex.たま) / KOKI(田中聖) / どついたるねん / 2 / キイチビール&ザ・ホーリーティッツ / ロマンポルシェ。 / クリトリック・リス / ザ・ジュアンズ /
Special Guest : 手塚るみ子 / アンドレザ・ジャイアントパンダ / アントーニオ本多 / ゲーセンミカド / and more...
出演(DAY2) : Age Factory / 戸川純 / 町田康 / ラフィンノーズ / TOKYO No.1 SOUL SET / ////虹////(ex.0.8秒と衝撃。) / KYONO(WAGDUG FUTURISTIC UNITY / T.C.L / THE MAD CAPSULE MARKETS) / 鉄アレイ / GARLICBOYS /
LOW IQ 01 / 磯部正文(HUSKING BEE) / KENZI(アコースティック) / ニューロティカ / ROLLY×モーモールルギャバン / 人間椅子 / SA / ザ50回転ズ / オシリペンペンズ / 友川カズキ / ザ・たこさん / GOMA meets U-zhaan / 堕落モーション>FOLK2(安部コウセイ×伊東>真一) / ラッキーオールドサン / CRYAMY / Teenager Kick Ass / NITRODAY / betcover!! / No Buses / Johnnivan /
Special Guest : ぁぃぁぃ / 藤井健太郎 / スーパー・ササダンゴ・マシン / KAMINOGE / ジャスミン×チバニャン(レペゼン地球トラックメーカー) / しゃい(歌い手、DJ社長後輩)×ジェニファー(レぺチキ) / and more...
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夏の魔物2019 公式ツイッターはこちら
PROFILE
SILLYTHING
夏の魔物主催者・成田大致によるバンド。2019年8月14日には、マスタリングを砂原良徳が担当、塔山忠臣(ex.0、8秒と衝撃。)も参加したEP「Back in the SILLYTHING」をリリース。
>>>公式ツイッターはこちら
https://sillything.xyz/
>>>公式ツイッターはこちら
https://twitter.com/mamonoflix