「皆今のうちにおいでよ! いつ辞めるかわからないよ」——LUI FRONTiC 赤羽 JAPANを率いるプールイに聞いた、“いま”
プールイ(ex BiS)のバンド、LUI FRONTiC 赤羽 JAPANが、遂にメジャー・デビューを果たした。プールイにとっては、二回目。でもBiSの時と同じく、なかなか一筋縄ではいかないようだ。でも、ちゃんと目標はある。まずは、10月の恵比寿リキッドルーム。そして立てなかった武道館だ。もちろんワンマン。立ってやろうぜ。みんな彼女の声を信じ、不屈の魂に期待している。OTOTOYも遂にプールイにインタヴューすることができた。なんと、彼女がかなえてくれたのだ!
インタヴュー&文 : 飯田仁一郎
文字起こし : 上野陽子、玉澤香月
待望のメジャー・デビュー・シングル
LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN / リプミー
【販売価格】
1,000円(税込み)
※OTOTOYでの配信はありません。amazonにてお求めください。
【リリース日】
2015年3月4日(水)
【Track List】
1. リプミー
2. 不安なんだよ
INTERVIEW : プールイ
嫌になったら結婚してやろうって思う
——LUI FRONTiC 赤羽 JAPANの現状を教えてください。
プールイ : 2015年1月11日の渋谷CLUB QUATTROまでは、自分たち主導で全国をまわったりスタジオに入ったり楽しくやってたし、ファンの人の顔もよく見えてたんですけど、その状況から一変してしまって。メジャー・デビューできたのは大喜びだったんですけど、最近気持ちに陰りが出てきちゃって。
——どうして?
プールイ : 贅沢な悩みなんですけど… メジャー・デビューが決まったことで、前と比べ物にならないくらいキャンペーンや取材が増えてるんです。それ自体はすごく嬉しいんですけど、なんかチーム感を感じないというか。LUI FRONTiC 赤羽 JAPANをやりたいと思ってる人というか、「一緒に頑張っていこうよ」っていう存在が見えない。それは関わっている人が増えたから更に見えにくくなった部分があるのかもしれないんですけど。
——プールイは2回目のメジャー・デビューですけど、以前は感じなかった?
プールイ : BiSのときは、色んなレコード会社の人がライヴにたくさん通ってくれてメジャー・デビューが決まったんですけど、今回は自分達から売り込みに行ったんです。そこも原因としてあるのかな。ユニバーサルの人は「想像より集客無いんだな」って思っているだろうけど、あんまり感情が見えてこないというか。前のスタッフさん達はバカばっかりだったじゃないですか。良い意味で、気持ちしか無い、みたいな(笑) 。でもその人達とのやり方では武道館に立てなかったのも事実だし、新しいやり方をしなきゃいけなくて。それに、今までの私たちの意識がユニバーサルの人たちのやる気を下げてしまったこともあったと思うんですよ。そこでどうするかって時に、CDを売ることよりも、良いライヴを出来るようにしたいっていう気持ちの方が強くなったんです。
——なぜ? でもレコード会社と契約した以上、ライヴばかりではなくCDを売らないと駄目じゃないですか。
プールイ : もちろんCDに対して手を抜くつもりはないし、リリース・イべントも全力でやりますよ。でもCDを売るために宣伝担当の人の気持ちをこっちに向けるには、もっとお客さんを連れてこないといけない。そのためにもライヴを良くしたいんです。
——なるほど。
プールイ : 今度、バンドの企画ライヴでぽわんと2マンをするんです。こうなる前にもずっと何が出来るかを考えてて、やりたいことを箇条書きにしてみんなに送ったんですよ。企画ライヴがやりたいねって話はメンバー間でも以前から出てたから、やろうかって。今までは「この人と組んだら得だ! 」とかそういうことを考えちゃって、焦ってたところがあったんですよ。けどそれでやっていくと途中でつまらなくなるし、自分たちのやりたい人とやりたいことをやったらいいんじゃないかなって。だから今はイベントがすごく楽しみです。
——それが結果として、バンドやチームの強化になるだろうと。
プールイ : これが私にとって初めてのメジャー・デビューだったら、なんの思惑も無く喜べると思うんですけど、BiSで見てしまった景色があるから、0からのスタートとして捉えられない部分がある。でも最近は気持ちを0からのスタートにした方が良いなって、考えを変えたんです。色んな人と対バンして、その界隈で名前を広げたいし、BiSのプールイは知っててもLUI FRONTiC 赤羽 JAPANのことは知らない人って多いと思うから、そういう人達に向けての活動もしなきゃならない。それはレコード会社じゃなくて私たち現場がやらなきゃいけないです。
——LUI FRONTiC 赤羽 JAPANの曲に関しては、どう感じていますか?
プールイ : 私たちはバンド・プロジェクトとして集まったメンバーだとして始まったから、知らない人が曲を書いてるんですよ。その人達は私たちのことを知らないし、まだお客さんがいない時にバンドのイメージで楽曲をつくったので曲を聴く分にはいいのかもしれないんですけど、ライヴではタケさん(テンペスト竹内)や松隈(ケンタ)さんが書いた曲が圧倒的に人気だし、メンバーが書いた曲はリリースされてないのに楽曲投票した時に音源化されてる曲に勝っちゃうんですよ。だからメンバーが曲を作れるようになったっていうのはいい流れだと思う。
※2015年3月25日のメジャー・デビュー曲「リプミー」の作曲はテンペスト竹内が担当
——それは誰の意向で?
プールイ : ユニバーサルさんです。バンドだからメンバーが書いた方が良いし、今後続けていくならそれがバンドのある形なんじゃないかっていう。そこはすごく良いと思ってます。
——でも良くあるバンドのスタイルの一つとして、インディーズでグルーヴや技術を磨いて、メジャー・デビューして当たるか当たらないかってのもあるじゃないですか。LUI FRONTiC 赤羽 JAPANは、状況だけ先に行ってしまって、やっと今バンドで曲が作れるようになったっていうのは、なかなか厳しいんじゃないですか?
プールイ : うん。でも社長に「リリースは関係ないからライヴ用の曲をどんどん作れ」って言われてたので、タケさん達もずっと曲を書いてはいたんです。それがやっと「リプミー」でコンペに受かって。
——へえ。社長さんは何を狙っているんですかね?
プールイ : 社長はちょっと古いとこがあったりダサいものが好きなところがあって(笑)。だけど発想は面白いんですよ。社長とメンバーの会議が毎週あって、社長は大阪の人で、たまにイラッとする時もあるんですけど、話してみたら「そういうことだったんだ、その考えは私たちにはないな! 」ってこともたくさんあって面白いんです。全部否定するんじゃなくて、メンバーから出た案は全部やれっていう方針でやってくれてて。ただ「投資するのは俺やから文句は言うけどな」みたいな。
——プールイがそんなに企画ライヴにやる気があるのはどうして?
プールイ : 私が勝手に自由にできるから。最近自由にやってることがあんまりないので、楽しいんだと思います。BiSのときは相当自由だったじゃないですか?
——あれは自由という名の…。
プールイ : レールはありましたよ! レールは引いてもらってたけど、その中でご勝手にっていうのがBiSのスタンスだった。だから全く何もないところで「さあどうぞ!」っていう今の状況は、売るための術を知ってるわけではないから、何から始めていいか分からないんです。
——大きい目標を設計して、レールを引いてくれていたプロデューサーが不在なんですね。
プールイ : 不在です。
——それは一大事ですね。プールイがそのポジションに立つっていう考えはない?
プールイ : なれるものならなりたいですけど、なろうと思ってなれるものでもないので。それに自分たちで一から考えて行動しろってことだと思うので、アイデアは色々出すんですよ。クアトロを埋めるための「会いに行くから会いに来て」も私がやりたいって言って考えた企画だったんですけど、突拍子もないことは思いつかないので、スパイスをくれる人、アドバイスをくれる人がやっぱり欲しいなっていうのが本音です。
——ソロ時代、BiS時代をよく知る(渡辺)淳之介さんに関わってもらうことは考えないですか?
プールイ : そういう案もありましたけど、そこは私が巻き込みたくないっていう思いもあって。渡辺さんは、プールイだからってやってくれることもたくさんあると思うんですよ。でもそこには頼りたくないんです。仕事として、こっちから「お願いします!」って言えるんだったら一緒にやりたいですけど、向こうにもこっちにもそれぞれプライドがあるだろうし。
——現状、バンドはプールイが引っ張ってるの?
プールイ : やりたいこととか、小さいアイディアはもちろんたくさんあるんですけど、それはBiSの時もやっていたことで。その後ろで動いてる人、もっと全体を見て「ここで面白いこと」とかトピックを作る人がいない。それを考えるのは私じゃないんじゃないかって思ってるけど、今、それを私に求められてるんじゃないかとも思う。でもそれはやりたくないんです!!
——正直、酷な道だなと思います。
プールイ : まあ結局そうなっていくんだとは思うんですけど。でも大丈夫ですよ。私、嫌になったら結婚してやろうって思うから。
——(笑)。
プールイ : だから皆、今のうちにおいでよ! って。いつ辞めるかわからないよ。
掴み取りたいというか見返したい
——プールイはバンドがやりたいのかアイドルがやりたいのか、今はどっちなんでしょうね。
プールイ : どっちでもいい。それが問題視される時もあるんですけど、その辺は悩みとして通りすぎた。前はすごく拘ってたんですけど、歌が歌えればいいし、みんなが来てくれればいい。どっちもやりたいし、どっちにもなりたい。
——とはいえ、バンド・シーンに根付いたバンドではないじゃないですか。LUI FRONTiC 赤羽 JAPANが目標としているバンドっているんですか。
プールイ : いないかな。この形態のバンドってあんまり成功例がないし。
——そんなことはないんじゃないですか?
プールイ : JUDY AND MARYとか、昔を辿ればいっぱいあると思うんですけど、アイドルからバンドに転身して成功した人っていないって言えるくらい一番険しい道だと思うんです。アイドルとバンドって性質が正反対だから。だけどやっぱりそこを上手いことやらないとダメだなって思いますね。
——上手いことって?
プールイ : どっちもええやんぐらいの心持ちでいないと潰れるなって思う。そのスタンスが叩かれやすいんですけど、叩かれるの慣れてるし(笑)。BiSだって「アイドルなのか! あんなブスが! 」って言われてたけど、ずっと突き進んでやっとアイドルになれたから。中途半端だとも言われるけど、バンドだって3人がそう思ってやっていけばバンドになれるし、今はそんなところにこだわりたくない。
——この前イベント(2015年2月5日「新生BiSHについてBiSの始まりの時を思い出しながらいろいろ語る会」@ロフトプラスワン)に一緒にださせてもらって、誰ももうBiSのことを求めてないんだってことがはっきりしたと思ったんですよね。みんなプールイや渡辺さん、松隈さんが作るかっこいいものが見たい、って思ってると思う。
プールイ : でもBiSHに対する反応を見てて、BiSを求めてる人はいっぱいいるんだなって思いました。でも、私たちには、BiSは求められてない。
——そうですね。でもそれはプールイにとってはいいことじゃない?
プールイ : だから0からやるんだって、お客さんがいなくなったんじゃなくて、活動始めたばかりなんだからいない、これから付けていくんだよっていうスタンスを保ちたい。私がBiSで学んできたことはこれからも生かせるし。昔はラジオでも全く喋れなかったけど、続けていくうちに喋れるようになったり。自分の中に残ってるものもちゃんとあるんですよ。そういうものは全部使えるし、状況としては0からって思うけど、経験値は0ではないから、それが強みではあるなと思います。
——結成時よりどんどん曲がよくなってると思うんですよ。でもBiS時代の曲の良さを知っているから、もっと良い曲が出てきてほしいなと思ってしまいます。
プールイ : それはね、よく言われます。私達の中でも曲が圧倒的に足りてないので、メンバーが毎週曲を提出するってことになったし。
——誰に提出してるんですか?
プールイ : 社長です。他の曲もライブ用にアレンジを変えたりしてます。あと音楽に詳しくない私の意見としては物語も足りてないなって思う。
——何の物語ですか?
プールイ : LUI FRONTiC 赤羽 JAPANの。BiSの「primal.」はいい曲ですけど、なんであんなに感動するかって言ったら、リリースに至るまでのストーリーがあるじゃないですか。それが今はないんです。足りない部分だけど、曲はどんどん生まれてるから、ストーリーはこれから作っていけばいいって思ってます。
——ストーリーって、偶発的なものだったり、積み重ねだったりするじゃないですか。僕がクアトロに行こうと思ったのも、人が集まらなかったら活動休止だったからじゃなくて、プールイが喉を壊したっていう映像がリアルだったからなんですよね。今回の取材も、リアルなところ、今何してるのか、LUI FRONTiC 赤羽 JAPANにとって今一番しんどいのは何なのかを知りたいと思ったんです。本当のストーリーってそこなのかなって。
プールイ : そうですね。あと今はやりたいことがあっても出来なかったりするんですよね。ライブの動画も発信できなかったり。理由は理解してますけど、つまんないなって思っちゃいます。
——そこにプールイは戦いを挑むの?
プールイ : 戦う時は戦うし、いいかなって時は戦わない。OTOTOYでインタヴュー受けるのとかもいっぱい揉めたんですよ。だからこんな遅くなっちゃったんですけど、本当しつこい女なんで自分がやりたいって思ったことに対しては「あれ連絡しました? まだ来てないって言ってましたよ」ってすごい詰めるし。
——メンバー二人のことは信頼してますか?
プールイ : してます。でもぶっちゃけもっと頑張れるんじゃないのって思うことはありますね。二人も私に対してあると思うんですよ。もっと歌が上手くなれとか、音楽的なことを全然わかんなかったりすることに対してとか。
——メンバーには何を求めてるんですか?
プールイ : 最近の話だと、候補曲を3曲出せって言ったら5曲出せよって思っちゃうんです。私はBiSで絶対決めたい時とか見返してやりたい時は、言われたものの倍出すようにしてたんです。今の事務所の社長とも、声をかけていただいた時は薄い関係だったから、「こんな大きい事務所の人が私に声をかけてくれるなんて今しかない、一生ない!」と思って毎日しつこいくらいメールを送ったし、社長におすすめされたものは全部観て、全部感想を送ってたんですよ。それを半年くらいやって今の関係がある。
——掴みとったんだ。
プールイ : そういうのが足りないなって、求めてしまうのはあります。
——今は何を掴み取りたいと思ってるんですか? BiSの時はリキッドルームや横浜アリーナだったし、事務所を決める時は社長の気持ちだったし、以前のLUI FRONTiC 赤羽 JAPANとしてはクアトロだった。
プールイ : 私は今ユニバーサルの気持ちを掴み取りたい。掴み取りたいというか見返したい。悔しい… 反発心ですよね。今までもそうで、BiSの時は世間や渡辺さんに対してそういう時期もあったし。いつでもそうなのかも。むかつくから頑張るっていう性格なのかも。
——そのためには自分たちの状況を変えるしかない?
プールイ : それは私一人の頑張りじゃ足りないし、メンバーの二人にもやってほしいと思う。
全てにおいて全然足りてないと思ってます
——プールイは、今何を頑張ってる?
プールイ : 最近だったら、曲を送ったっていうのは私の中で結構頑張ったことではあって。私は曲出しをしなくてもいいんですけど、とりあえず振り向いて欲しくて、誰にも聴かせられない恥ずかしい鼻歌を送りました(笑)。
——それをユニバーサルの人に送ったんですか?!
プールイ : はい。返事はなかったんですけど、その後ちょっと色々あった時に「あれびっくりしたよ」って言ってくれたのはすごく嬉しかった。結局は人間同士の仕事だから、そういうことの積み重ねなんですよね。
——ライヴは、どんな風によくしていきたいですか。
プールイ : 全てにおいて全然足りてないと思ってます。前にバンドでのライヴが盛り上がらない、盛り上がるけどBiSほど狂気的な空間にはなれてないと思って、いろんなバンドのライヴを観に行ってみたら、バンドのライヴってこれぐらいが普通なんだって思ったんですよ。それをバンドマンの友達に話したら、「それもあるけど、それに慣れない方がいいんじゃないの? せっかく見てきた景色なんだから、バンドでもそうなるようにしたら?」って言われて、眼から鱗でした。そうだなと思って。
——LUI FRONTiC 赤羽 JAPANの目標は何ですか。
プールイ : 第一は武道館。
——もう少し近いところだと?
プールイ : リキッドルームですね。それが本当の勝負だと思います。クアトロは活動休止をかけていたりしたから。次埋めるのは私たちの実力。
LUI FRONTiC 赤羽JAPANによる、渾身のワンマン・ライヴ!!!
『 WALK THIS WAY ~武道館なんてバカだって言われても歩いていくんだ~』
2015年10月2日(金)@恵比寿LIQUIDROOM
OPEN / START : 18:00 / 19:00
料金 : オールスタンディング 3,000円
※学生証提示で会場にて1,000円キャッシュバック
——リキッドルームはね、アイドルの子たちは越えて行くけど、バンドからすると本当に大きい場所だと思いますよ。
プールイ : BiSHもきっとリキッドでやるでしょ。それを考えたら先にやっとかないとね。
——いいね(笑)。僕はプールイの可能性を信じてるんですよ。LUI FRONTiC 赤羽 JAPANは、アーティストとしてプールイに勝負して欲しいなって。その声は武器だと思うし、もっと活かせると思う。だからBiSとかBiSHとかじゃなくて、本当に勝負しないといけないのは、CharaとかUAなんですよ。
プールイ : すごい高いところまでいった(笑)。でも本当に誰もBiSみたいなのは求めてないので。今いるスタッフさんたちは特に。タケさんも松隈さんになる気もないだろうし、自分が作るものに対して自信もあるだろうから、そうなっていくとは思います。気になるのは仕方ないことだから、割り切るしか無いですよね。でも私、結婚したいんですよ!
——結婚したっていいと思いますよ。
プールイ : すぐじゃないですよ。予定もないし。今は私が恋愛の歌を歌っても説得力がないって思われるし、私もそんなこと求められてないなってわかるんです。でも、普通に恋愛をしたり、結婚をしたり、子どもを産んだりっていうことを経て、歌うことが変わっていきたい。
——それはアイドルには出来ないことだと思います。YUKIさんなんかまさにバンドのボーカルを経て結婚して子供を産んで。あの歌声だけで勝負してますからね。
プールイ : そうなりたいと思う。
——タケさんの曲が選ばれたっていうのは、プールイもしくはLUI FRONTiC 赤羽 JAPANにとっては嬉しい出来事だったんですか?
プールイ : すごい嬉しかったです! うち、本当にコンペなんですよ。名前を伏せて、いい曲が選ばれるんですね。だから「リプミー」はタケさんだから選ばれたわけじゃないんですよ。タケさん自身もすっごく喜んでて。それを見て嬉しくなったんです。
——お客さんの反応もいいですよね。
プールイ : 「リプミー」はキーもメロディもめっちゃ歌いやすいです。
——歌詞について聞かせてください。「リプミー」はどういう気持ちを込めましたか?
プールイ : 「瑠璃色の名前」と同じ時期に書いてて、テーマも同じだったんですよ。瑠璃色が陰なら「リプミー」は陽の部分が出たと思ってて。「サビでは前を向くみたいな歌詞にしてください」っていう依頼がきてて、瑠璃色も同じテーマだったから、「同じテーマで二個書くの!?」 って結構大変だったんですけど、「リプミー」は曲調も爽やかで明るかったから、明るく前向きに書けた。ありきたりなこと言ってるし、夢を歌ってる人っていっぱいいますけど、お気に入りの歌詞です。その時の気持ちがめっちゃ出てるっていうか。ポリープ手術後一ヶ月とかで、声は出せるようにはなったけどまだ歌えない時期で。だけどクアトロも決まってるし頑張らなきゃって焦ってた時だったんです。
——カップリングの「不安なんだよ」はいつできた曲?
プールイ : 2014年の年末。時期に差があって、「リプミー」ではすごく前向きなのに、カップリングではめっちゃ不安になってて、2ヶ月で何があったんだっていう(笑)。
——実際、何かあったんですか?
プールイ : 注目されてない不安かも! インストアで地方のいろんなところをまわってて、関西とかガラガラなところもあって、結構堪えたんです。それでどんどん不安になっていった。携帯依存症だからそれがテーマになっています。ないと落ち着かないんですよ。
——揺れてますね。
プールイ : 毎日揺れてます。
——でも本当に、プールイには歌手として、アーティストとしての可能性があると思っています。それはユニバーサルとか社長さんとかも信じてると思うんで。
プールイ : そうやって言ってくれる人がいるから、今もなんとか頑張れてる。
——いい曲を書いて、いい歌詞書いて、一生懸命歌って。すごく基本的なことですけど、本当にそこだなって思う。
プールイ : 松隈さんが、私のためにとってくれている曲があるんですよ。でも渡辺さんは、それをBiSHに使おうとしてたんですよ! その約束を知ってて! それを松隈さんが「淳之介、これはプールイと約束してる曲やけん出さん」って言ってくれて。だから私は、今はユニバーサルに対して発言権を持ってないけど、売れて、「歌いたい曲がある!」って言えるようになるまで頑張りたい。
——それは聴きたい。売れてお茶の間で聴かせてください。
プールイ : ちなみにタイトルは「オーペニス」っていうんです(笑)。
——それはやめたほうがいいですね。お茶の間に出られないから(笑)。
プールイ : 歌詞変えますもん! でも本当に、デモを聴いて泣いたんですよ! それぐらい感動して。
——今やったらいいじゃないですか。
プールイ : 私の気持ち的にもできないですね、それは。ちゃんと自分たちで超えるものを作って、それから迎えにいきたい曲だから。
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the storefront / the daily grind
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2015年4月14日(火)@TSUTAYA O-WEST
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2015年5月3日(日)@大MFP守谷フレンドパーク
『 WALK THIS WAY ~武道館なんてバカだって言われても歩いていくんだ~』
2015年10月2日(金)@恵比寿LIQUIDROOM
OPEN / START : 18:00 / 19:00
料金 : オールスタンディング 3,000円
PROFILE
LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN
コシノジュンコの電撃加入や、100Kmマラソンなど話題の絶えない破天荒アイドル・グループBiSのリーダー、プールイがバンド・プロジェクトを始動!
脇を固める楽器隊にはthe storefront の竹内亮太郎(Gt) と小原晋太郎(Ba) が参加!(ドラムは現状サポートとなる) バンド名「LUI◇FRONTiC◆赤羽JAPAN」(読み方: ルイ フロンティック アカバネ ジャパン) はプールイ、the storefront、松隈ケンタから由来する。
2014年11月19日にオプティマス松隈が脱退。
プールイ、テンペスト竹内、小原just begunの三人体制となったLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANは、2015年1月11日に活動休止をかけた渋谷CLUB QUATTROインディーズラストワンマンライヴに挑む。
このライブをSOLD OUTし、メジャーデビューが決定! 同時にバンド名をLUI FRONTiC 赤羽 JAPANと改名。2015年さらなる飛躍を目指す!