Dogs / Soft
ジョニー・レイネックを中心に、2004年にNYのブルックリンで結成された5人組、SOFTのニュー・アルバムが完成。
1.Bleary Eyes / 2.Blood Stood Still / 3.The Ceiling / 4.Here Comes the Choir
5.Fall Into Sand / 6.Sun Dog / 7.Above All Else / 8.He's A Dog
9.Don't Even Have The Words / 10.The High and the Mighty
★アルバム購入者には、ライナー付きブックレットをプレゼント。(解説 : 小川智宏(rockin’on))
前作『ゴーン・フェイデッド』は日本国内で1万枚を越える大ヒットを記録。UDO MUSIC FESTIVALやMaroon 5のオープニング・アクトとして武道館でのライブも経験しているブルックリンの5人組SOFTが、4年ぶりとなる2ndアルバム『DOGS』を発表。プロデュースは、Yeah Yeah Yeahs、Grizzly BearやTV on the Radio等を手がけるクリス・コーディ、ミックスはBlack Rebel Motorcycle Clubを手がけるリック・パーカーを迎えて制作された。
「ストーン・ローゼズの再来」なんて言葉が10代、20代の若者に響くのかは謎だし、ストーン・ローゼズよりももっと健康的な印象だが、確かにフロント・マン、ジョニー・レイネックのメロディは、イアン・ブラウンやoasisのノエル・ギャラガーに匹敵する。3曲目「The Ceiling」の淡々と響くスネアの音色、ギターのトレモノやフェイザー等は使い古されてはいるが、超絶メロディを活かすようにアレンジされた結果であるし、その骨太なロック・サウンドは、ニュー・レイヴ、ニュー・ゲイズ、そしてブルックリン・ムーヴメント等、相変わらず大騒ぎなロック・シーンを追う若者に新鮮なサウンドとして届く。
本作に付いている小川智宏(rockin'on)のライナーにジョニーの発言は詳しく記載されているが、「メロディーが8割、それ以外が2割」と言い切ってしまうほど、彼自身もその才能を活かすことに重きを置いているようで、本作唯一のピアノ・バラード「Fall Into Sand」は、ジョン・レノンさえも彷彿させる。強いて言うなら、アルバム全曲がメロディ重視なので、通して聞くには重たすぎるし、次回作では、ニュー・ギタリストのマシュー・ダニエル・シスキン等、メンバーの個性も垣間みれるようなアレンジの楽曲を期待する。ジョニーのメロディ・センスを持ってして、96年に終了したバンドの再来なんて言われていてはいけない。今は、2010年。彼らには、そんな小さな枠を飛び出して欲しいものだ。(text by 飯田仁一郎)
SOFTと共に、& recordsの最新作もどうぞ。
Disco Synthesizers & Daily Tranquilizers / Styrofoam
1999年よりアントワープで活動するアーネ・ヴァン・ペテヘムによるユニット。優しく温かなインディー・ポップ meetsエレクトロニカなサウンドが高い評価を得ている。The Postal Service、Death Cab For Cutie、The American Analog Set、Lali Puna、mum、Jimmy Eat WorldやFat Jonらと親交が深く、コラボレーションやリミックスをし合っている。本作は、前作で完成させた「唄ものエレクトロニカ」をさらに発展させ、New Order、Kraftwerk、Depeche Mode、そして初期のエレクトロ・ヒップホップやポスト・パンクへの深い愛情を包み隠さず、エレクトロニック・ミュージックとしての快感度を極限まで追求している。タイムレスなエレクトロニック・アルバム。
★アルバム購入者には、ライナー付きブックレットをプレゼント。(解説 : 金子厚武)