スカパラ主宰JUSTA RECORDからストレートな3ピース・ロック・バンド、The cold tommyがメジャー・デビュー!
ギター、ベース、ドラムの3ピース・ライヴ・バンド、The cold tommy。東京スカパラダイスオーケストラ主宰のJUSTA RECORDからついにメジャー・デビュー。インディーズ時代には、2013年に2枚のミニ・アルバムを、2014年にはシングル1枚、アルバム1枚をタワーレコードのレーベル「SONIC ONE」よりリリースし、あらゆるライヴ会場でその爆発力を発揮してきた彼ら。満を持してリリースされるアルバムについて、メジャーの世界で活動していくことについて、メンバーにインタヴュー。
The cold tommy / FLASHBACK BUG
【配信形態】
AAC / MP3
【価格】
単曲 257円(税込) / まとめ購入 1500円(税込)
【Track List】
01. シロサイは穴掘り / 02. リュカの黒髪 / 03. PLUTO / 04. bobboy〜慣れたら楽園〜 / 05. 気まぐれニーナ / 06. 蟻、巣穴へ帰る
INTERVIEW : The cold tommy
研井文陽が率いるThe cold tommyは、もうほぼ沸点まで到達している。それは、本作『FLASHBACK BUG』でも明確だ。炸裂するギター、ハイトーン・ボーカル、どっしりしたリズム隊に、ロックンロールが持つヤバさ! これは、BLANKEY JET CITY、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、MO'SOME TONEBENDER等の超弩級のロックバンドが新しく生まれたってことだ。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 鶯巣大介
写真 : 大橋祐希
もっと音楽に対して向き合いたいなっていう気分になりました
ーーメジャー・デビューすることになってのいまの率直な気持ちを教えてください。
研井文陽(以下、研井) : 夢が叶ったって思うくらい嬉しいことです。すごく嬉しい。
ーーバンド結成時から大きな舞台で活動したい、売れたいっていう気持ちはあった?
研井 : 変な話ですけど、売れたいって思ったことは正直なくて… ただかっこいい曲を作って、かっこいい気分を味わいたいなぁってことをずっと思ってたんです! ただ、俺広島出身なんですけど、地元のthe OYSTARSってバンドがメジャー・デビューしたときに、周りのみんながその話ばかりをしてたんで、メジャー・デビューってめちゃくちゃすごいことだなっていう気持ちが昔からあって。それを心のどこかにおいた状態で、ただ良いものを作りたいっていうことに今まで取り組んできました。
ーー実際メジャーから作品を出せることになって、なにか心境の変化ってありました?
研井 : もっと音楽に対して向き合いたいなっていう気分になりました。やっぱりメジャー・デビューってことはプロになるってことだと思ってるので。もっと自分の音楽に対して誠実に取り組むということが、自分が思うプロフェッショナルというか。やりたいことをしっかりと掲げていかないといけないなと。
ーーなるほど。そもそもThe cold tommyはどうやって結成されたんですか?
研井 : 昔女性ヴォーカルのバンドでギターを弾いてたんですけど、そのうちに自分で作った曲をやりたいなと思って… 。これだいぶ長くなるんですよね。
榊原ありさ(以下、榊原) : 彼が広島にいた20歳くらいのときに、楽器屋さんでメンバー募集を見たことがきっかけで、女性ヴォーカルのバンドでギターを弾き始めるんです。けど、やってるうちにどうしてもしっくり来なくて、自分で曲を作り始めて。
松原一樹(以下、松原) : 研井は広島から東京に出てきて、最初はサポート・ミュージシャンを連れてソロみたいな活動をしてたんですけど、やっぱりバンドをやりたいってことになって。それで当時僕がインスト・バンドを組んでたんですけど、そのメンバーだった僕とギターとベース、その3人まるごとプラス研井でバンドとしてThe cold tommyという名前で活動していくことになりました。
ーー最初は4人組で、それに榊原さんも加入してなかったんですね。
松原 : はい。それで前のベースが抜けて、最初はサポートという形で榊原が加入することになって。そこからまたギターが抜けてしまって3人組に。いまの体制になったのが2009年のことですね。
ーーギターが1人脱退してしまうって、バンドとしてすごい痛手なのかなと思うんですけど。
研井 : でも当時の音は、すごいぼんやりしてて。
榊原 : なんか4人いる意味を自分たちでも把握してなかったよね。だからアレンジでもなんでもバラバラっていうか、音数という面でごちゃごちゃしすぎてたのかも。とくにディスカッションもなくやってたんで。
松原 : 研井は当時からギタヴォ(ギター / ヴォーカル)だったんですけど、いわゆるギタヴォの人よりもギターが弾けると思うし。その分前いたギターの居所もね。だんだん彼のテンションも低くなっていって。
研井 : そうだね。でも自分も曲を作ってたのに、そこにいるだけだったから、ほんとに当時は全員ぼんやりしていた気がします。
ーーいるだけ、というのは?
研井 : 自分たちのやろうとしていることが絶対かっけぇと思っていたんですけど、その気持ちにも全然なんの根っこもないような状態で。その気分を伝えるとか、それを音にして表現するとか、そういうものは全然ない。だから、ただ「僕の言ってることあってます」って感じでバンドにいただけというか、良い方向に進んでいくために必要なものに自分自身で向き合ってなかったんです。
ーーそれが3人になったことで自分たちの表現したいことに向き合えるようになったと。
研井 : そうですね。3人になったらすげぇ喧嘩も増えたし。でもそれが良かったです。
ーーへぇー! どういうことで喧嘩をするんですか?
研井 : まぁ制作のときのアレンジについてとかかな。おれは音楽的な細かい内容がどうこうっていうよりも、聴いてる人が「うわっ!」と思う勢いというか、自分から自然と出たものを大事に! っていうタイプなんです。
榊原 : 私もそういう自然と胸が熱くなるような音楽をやりたいんですけど、もちろんそれをどうにか具現化しなくちゃいけない。だからその熱をどういう方法で表現しようかって考えて、「ここはこうアレンジしたら?」とか投げるんですけど、「それはどうなのか?」とか「考えて出るもんじゃない」とかっていう言葉のやりとりになっちゃうんです。感覚的なものを、自分ですぐ楽器で表現できればいいんですけど。
ーーなるほど。そういうことで言い合いになってしまうと。松原さんはそのときどうしてるんですか?
松原 : リズムって作曲に絡んできますけど、どういうふうに曲が展開するのかは、コードが占めてる気がしてて。研井と榊原が話していくなかで、そこから自然にリズムってもう生まれてるから、それを自分がどう理解するかとか、自分の色をどうつけるのかを考えます。僕から見ていて、熱いものを熱いままにっていうのが研井で、それを表現するためにどうするかって冷静に考えるのが榊原。結局2人は同じ熱くなる音楽を目指しているのに思考やプロセスが違ったりして、ぶつかるんですね。そのやりとりに自分が加わるとなると、どうなっちゃうのかなと思うし、自分の性格的にもあんまりできないってこともあって、それを腕組んで見てる感じというか。
研井 : 彼は自分に怒りの感情がないって言うんですよ。そんな人いないじゃないですか? でも本当にそうっぽいんですよね。彼は俺らが揉めてても絶対に怒らなくて。僕のことをよく変わってるとか言うんですけど、彼が1番変わってるんですよ(笑)。
ーーバンドにとって超大事なキャラですけどね、どう考えても(笑)。
研井 : そう。彼がいるから、解散もない、ずっとないのかなとも思う。
松原 : でも例えば曲が完成するまでに、自分のそういう面によって、ちょっと回り道しないといけなかったことがあったような気がしてて。もっと真っ直ぐにぶつかりあうことで、近道もあったのかなっていう曲もなかにはある気もします。だからもっと積極的にそのやりとりに入っていきたいとは思っているんですけどね。
研井 : いま客観的に話を聞くと、それはすごくおもしろいね。
松原 : でもどっちも間違ってないことを言ってぶつかってるから、怒るところないんですよね、正直。
音楽に限らずその芯に触れると、人はすごく感動するんですよ
ーーでは作詞はどのようにするんでしょうか? 研井さんは歌詞で情景を歌うのか、それとも考え方をぶつけているんですか?
研井 : うーん… どうだろ。どっちもですかね。
松原 : ね。入り混じってる気がするんですよね。僕は全然作詞に絡んでないんですけど、景色だったり、自分の内なる考えだったり。
榊原 : なんか深層心理を写真に収めるみたいな感じの書き方なのかな。
研井 : あぁーそれすごい分かりやすい。そうですね。ちょっとタロットカードみたいなもんですかね。頭のなかに写真がバンバンバンっていっぱい並んで、パッとめくったら、1個テーマが見えてくるというか。なんかそういう感覚かも。作る時点ではなにか考えてるわけではないですけど、目に見えないテーマというか、この言葉がある必然、そういうものを重視しています。それが感じられない言葉はやっぱ嘘くさいですよね。
ーーなるほど。曲作りの話を聞いてるときにも、ちょっと思ったんですけど、研井さんにとって曲は作るものというよりも生まれてくるものっていう感覚なのかもしれませんね。結構その必然に任してバンドの運営を進めていくタイプですか?
研井 : 完全にそうですね。コントロール不能な部分に任せるというか。
ーーそれはおもしろいですね。研井さんが、普段どんなことを考えているのか気になります(笑)。
研井 : 変態的なことばっかり考えてますね。でもそれ以外だったら、まぁ音楽の未来とか(笑)。
松原 : あははは(笑)。
ーー それはどういうことですか?
研井 : 利己的なものを全部排したときに、胸のなかに最後に残るであろう熱というか、芯のようなものがあるじゃないですか。音楽に限らずその芯に触れると、人はすごく感動するんですよ。でもそこに触れるための方法論があって。例えばくだらない映画とか少女漫画とかもそうだし、その方法論に乗せたものが溢れてると思うんです。人の心の芯に触れるっていうのは容易なことじゃないのに。
ーーなるほど。
研井 : そういうものの存在を分かっている人は別にスルーできるんですけど、例えば子供とか若い人は、そういったものに接して、芯に触れてるって感動しちゃう。でもそれはちょっとなぁと思います。だから自分たちは、そういったものに対して対抗していかなきゃいけない。でもいまそれをするにはパワーが足りてないから、そこにバンドとして取り組んでいかなきゃなと思います。
ーージャンルもぜんぜん違うんですけど、例えばMr.Childrenは彼らなりの方法論でもって多くの人を惹きつけてるじゃないですか。そこに対して思うところがあるってこと?
研井 : いや、それは全然思わないです。僕は大好きなバンドです(笑)。自分のたちの方法、レシピをつくるっていうのは、すごくミュージシャンにとって大事なこと。だからそれはすごく尊敬することなんです。例えばえげつなくお客さんを煽るという行為でも、そこに目的と、自分たちなりのレシピがあれば全部尊敬に値します。
榊原 : 例えばなにかが売れたからってなったときに、なにも考えずにそこに続いていっちゃうと、いいものと悪いものがごちゃまぜになっちゃう。誰かがやったことを、じゃあほかの人はやっちゃいけないのかってわけじゃないですけど。
研井 : 最近思うのは、THE BLUE HEARTSとかブランキー(BLANKEY JET CITY)とか、ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)もそうなんですけど、音楽的な感動みたいなものを俺にくれたんですね。ライヴを観たわけではないので、生の時代の感じとかはわかんないけど、音源を聴いて、衝撃を感じたことがあって。Rage Against the Machineとかも、ライヴの映像とか音を聴いて、それぞれ方法は違うけど、同じ衝動みたいなものがそこにはあるんですよ。だから「うぉー」ってなる表現の方法論って多分いっぱいあるんですよね。そこにいくために、自分たちも回り道をしてる暇はないなと思っています。だからガーンとやりたいです。この音源にもその一歩がこめられたんじゃないかなと。
喧嘩したあとに、必ず1個曲がうまれるんです
ーーなるほど。じゃあいまThe cold tommyにとって、オーディエンスの芯に触れる1番の方法は音源なのか、ライヴになるのか、どっちですか?
研井 : できれば音源でも伝えて、ライヴでも伝えたいですね。
一同 : あははは(笑)。
研井 : もともと俺は音源を作りたくて音楽をやってて、そもそもライヴに興味がなかったんですよ。曲を作りたいっていうか、かっこいい音楽を作りたいなと思ってて。そういう気持ちが根本にあったんです。でもメジャー・デビューって話があって、向き合って考えたときに、めちゃくちゃその考えに至るのが遅いんですけど、やっと最近ライヴがすごく大事なものって分かってきたというか。ミュージシャンが直接コミュニケーションとして音楽というもので、人の感情を持ち上げることができる。そういう表現力を身につけていかないといけない時代だと勝手に思っています。
ーー音楽で人の芯に触れるっていうことに、ここまで強い気持ちを持っているんですね。
研井 : ただまだ言葉先行な気がするんで、早く結果で示したいです。「本当に良かったです」って言ってくれる人の顔をね、早く見ないことには、やれたなって気分にはなれない。
榊原 : はやく形でね。でもこれって一生かけて考えていかなきゃいけない問題なのかもね。
ーーThe cold tommyにとってゴールってあるんですか?
榊原 : 多分いま思うゴールに辿り着いたとしても、そのときはまた違うゴールを目指してると思うんで、一生追いかけっこな感じがします。
ーーじゃあずっと喧嘩し続けなきゃいけませんね(笑)。
榊原 : でも喧嘩したあとに、必ず1個曲がうまれるんです。大爆発が起きて曲が1個うまれてるからチャラになる。
研井 : そうなんです。だから俺は喧嘩最高、しめた! って思ってる(笑)。
松原 : 今回も何曲か、それでうまれた曲あるでしょ。
研井 : あります、あります。
ーー次の作品も楽しみにしてますね!
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今作品には、スカパー! ブラインドサッカー世界選手権2014 / 全日本女子車椅子バスケットボール選手権大会CMソングに起用された「366」や、今年3月11日より全国ラジオ局での先行オンエアで好評を博した「燈る街」、会場限定シングルとしてリリースされた「home」と「明け星」。1曲1曲が異ったベクトルを持つ12曲を収録。
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THE ORAL CIGARETTES / カンタンナコト
奈良にて結成された4人組ロック・バンド、THE ORAL CIGARETTES。出演するフェス会場と配信での限定シングル。関西バンド・シーンが盛り上がる中、直球勝負でひときわ光るTHE ORAL CIGARETTESはBKW(番狂わせ)で全国に規模を拡大中。
LIVE INFORMATION
『FLASHBACK BUG』リリース・ワンマンライヴ
2015年8月2日(日)@下北沢Daisy Bar
『FLASHBACK BUG』リリース・ツアー
2015年8月15日(土)@新栄APOLLO BASE
2015年8月23日(日)@新潟CLUB RIVERST
2015年8月25日(火)@仙台Flying Son
2015年9月4日(金)@梅田Shangri-La
2015年9月6日(日)@高崎club FLEEZ & FLEEZ Asile
2015年10月3日(土)@渋谷TSUTAYA O-Crest
2015年10月14日(水)@小倉FUSE
2015年10月15日(木)@福岡Qublick
MURO FESTIVAL 2015 後夜祭
2015年8月8日(土)@渋谷TSUTAYA O-Crest
ARCHAIC RAG STORE "After the Drawing" Tour Final
2015年年08月27日(木)渋谷TSUTAYA O-Crest
PROFILE
The cold tommy
2009年秋現在の3ピースバンドとしての活動が始まる。都内を中心に飛ぶ鳥を落とし焼いて食う勢いで活動中。
伝えたいのは、誰にでもある日常を ここにしかない言葉と音で 共有する悦び