やっぱり自分のやりたいことをやるのが、いちばん
——メジャーだと宣伝費など、たくさんお金をかけてもらっている分、手元に残るお金は減ってしまうという状況もあると思います。フラカンはこれまで自分たちで資金をやりくりしていたわけですが、資金面についてはどうでしたか?
マエカワ:もちろんお金は欲しいんですけど、メンバー4人と周りのスタッフが生活できればよかったので、資金に関する上昇志向はあまりなかったですね。同じ売上ならインディーズでやっていた方が儲かっていたところもあると思います。かといって“深夜高速”を出したときはインディーズでしたけど、実はそこまで儲かっていないですし。やっぱりライヴがあったことで生活できていたんです。だから、本当にお金に困ったことはライヴができなかったコロナ禍に入るまではなかったですね。コロナ禍は本当にしんどかった。お金のこともですが、何よりライフワークであるライヴができないということが本当に辛かったです。
——そんなコロナ禍も耐え抜いて、フラカンは今年結成35周年を迎えますが、ここまで活動を長く続けられた理由ってどういう部分だと思いますか?
マエカワ:自分たちを卑下するわけでもないんですが、メジャーの人、つまり「売るためのプロ集団」と10年くらい一緒にいたわけだけど、結局自分たちは売れなかった。だからそこの才能はないと思っているんですよ(笑)。でも今日みたいな対談がきっかけになって、新しいお客さんと出会えたり、新しい曲ができたりする。対バン相手を見て良いところは自分たちにも取り入れたり、そういう新しい経験から試行錯誤していこうとする気持ちがずっとあるから、⻑く続けられているのかなと。
プー・ルイ:私もフラカンさんのライヴを見たあと、めっちゃメモりました(笑)。
マエカワ:でもそういうことだと思うよ。僕もPIGGSのライヴを観たときも、「お客さんとの距離はこうやって測っているんだな」とか考えてた。
プー・ルイ:「続ける」といえば最近ぶーちゃんズ(PIGGSファンの総称)の方に「40歳になっても踊ってね」とか言われるんです(笑)。でも体力的なことを考えたら「現実的にできるのか?」とは思っていて。もちろん続けていくことの最終形として、老人ホームにいながら活動することもありかなって思ったりもするんです(笑)。
マエカワ:でもやっぱり自分のやりたいことをやるのが、いちばんだと思うんだよね。自分のやりたいことをやって、お客さんを巻き込んでいきながら活動していこうというのは、僕も若い頃から思っていたかもしれない。昔は40代までアイドルやるなんて考えられない話だったし、50歳を過ぎてバンドやっている人もほぼいなかったわけで。でも今は俺たちより上の人がめちゃくちゃ活動してるし。
プー・ルイ:自分たち次第っていうことですよね…!
マエカワ:ちょっと話が変わるかもしれないんだけど、Hump Backっていうバンドが「妊活します!」って活動休止していたんだけど、この前メンバー3人が同時期に子どもを産んで「おかんバンドになりました」って発表したの。それを見た時にこれは新たな流れができるなって思いましたね。だから40代、50代でアイドルやってもおかしくないと思うし、逆にそのときにしかできないことだってある。メンバー自身がやりたいという気持ちがあれば、いろんな可能性が昔よりもあるんじゃないかなって思ってる。だって羨ましいですよ、今の時代に30代だったらできることたくさんあるなって。今からやろうと思ったことも実現できると思うよ。
プー・ルイ:ありがとうございます。今日お話しさせていただいて、人生の先輩に出会えた感じがします。
マエカワ:こちらこそ、俺からもいろいろアイディアを聞きたいくらいだよ(笑)。
——今回の対談を経て、7月24日のツーマンもすごくおもしろいライヴになりそうですね。
マエカワ:時代的にもジャンルレスになってきていると思うので、まずは1回観にきてほしいですね。
プー・ルイ:やるからにはフラカンさんのお客さんにも楽しんでいただきたいです。「PIGGSかっこよかった」とか「もう1回一緒にやりたいね」って言われるように頑張ります。
編集 : 西田健,草鹿立
フラワーカンパニーズとPIGGSのツーマン・イベント開催決定!
〈SET YOU FREE~VS SERIES〉
日程:7月24日(水)
OPEN 18:30 / START19:15
会場:高円寺HIGH
出演:フラワーカンパニーズ、PIGGS
前売り¥4800
チケットはイープラスにて6/22発売
フラワーカンパニーズ ディスコグラフィー
PROFILE:フラワーカンパニーズ
名古屋が生んだ“日本一のライブバンド”フラワーカンパニーズ。通称フラカン。 Vocal:鈴木圭介、Bass:グレートマエカワ、Guitar:竹安堅一、Drums:ミスター小西の4人組。
1989年、地元の同級生によって結成。1995年にソニー・ミュージック内のレーベル・Antinos Recordsよりメジャーデビュー。
6枚のアルバム&12枚のシングルをリリース後、2001年メジャーを離れ、インディーズレーベル・TRASH RECORDSにて活動。
“自らライブを届けに行く事”をモットーに活動、大型フェスから小さなライブハウスまで日本全国津々浦々…メンバー自ら機材車に乗り込み、年間で100本を超える怒涛のライブを展開(機材車走行距離は年間軽く40000kmを超え、その距離は地球1周分に相当する)。
2008年11月、7年8ヵ月振りに再びソニー・ミュージック内のレーベル・Sony Music Associated Recordsと契約し、メジャーへ復活。以降、コンスタントにライブとリリースを重ね、楽曲「深夜高速」のみを多数のミュージシャンがカヴァーしたコンピレーションアルバム『深夜高速 -生きててよかったの集い-』が発売されるなど、その活動が注目され話題に。
結成26周年目の2015年12月19日、自身初となる日本武道館公演「フラカンの日本武道館 ~生きててよかった、そんな夜はココだ!~」を開催、チケットをSOLD OUTさせ、大成功を収めた。
2017年、再びメジャーを離れ自分たちのレーベル、チキン・スキン・レコードを始動、9月6日に16枚目となるフルアルバム『ROLL ON 48』を発売。
2018年8月に初のアコースティック・セルフカヴァーアルバム『フォークの爆発第1集 ~29~』を発売し恒例のアコースティック・ワンマンツアー「フォークの爆発2018 〜座って演奏するスタイルです〜」を開催、自身最大規模となる17箇所18公演を回る。
2019年4月23日、結成30周年を迎え、同年9月4日に17枚目のアルバム『50×4』を発売。
コロナ禍に見舞われた2020年8月、「何か思い出になるワクワクする企画を!」というメンバーの妄想から始まり実現に至った自身初となる横浜アリーナにて無観客生配信ライブ「フラカンの横浜アリーナ -リモートライヴ編- 〜生き続けてる事は最大のメッセージ!〜」を開催。同年12月に18枚目となるアルバム『36.2℃』を発売、そして2022年9月、19枚目のフルアルバム『ネイキッド!』を発売する。
2024年4月23日、「メンバーチェンジ&活動休止一切なし」4人揃って結成35周年を迎える。
【HP】
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PIGGS ディスコグラフィー
新→古
PROFILE:PIGGS
プー·ルイ、BAN-BAN、SHELLME、KINCHAN、BIBI、SU-RINGからなる “全身全霊アイドル” PIGGS。ピグスハウスで共同生活中。
2020年4月19日始動。元BiSのプー・ルイが会社を立ち上げ社長兼プロデューサー兼メンバーとして自らオーディションで選んだメンバーと共にトップアイドルを目指す。1,000km以上歩きライブハウスを回った「WALK or PORK TOUR」、ノンストップで109回歌って踊るMV撮影、100kmマラソン、激辛料理早食いなど夢を叶えるため何事にも全身全霊で挑戦し逞しく成長中。
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