西島衛(ザ・シックスブリッツ)×ゆーきゃん×飯田仁一郎 鼎談
ザ・シックスブリッツの西島衛は、くるり主催の京都音楽博覧会、10-FEET主催の京都大作戦、そして12年続くBOROFESTAなどのフェスがすでに京都にあるにも関わらず、京都にいままで根付かなかったライヴ・サーキット・イヴェント「いつまでも世界は…」をたちあげた。初の開催であるにもかかわらず400人以上を動員し(京都では凄い数字!)、大成功。他にも多くの有名アーティストが出演したにも関わらず、ラストのザ・シックスブリッツに最も人が集まったとか。そんな「いつまでも世界は…」を、西島は今年も開催を決意した。そこで、今年もこのイヴェントにかける思いを探ってみようとおもう。対談相手は、彼に惚れ込み、イヴェントを手伝う、BOROFESTA主催のゆーきゃん。ちなみに筆者も、BOROFESTA主催。12年続いたフェスの主催者と2年目の主催者。共通点は、みなアーティストであること。
はじめる前に、私見を1つ。企業が、個人が、バンドが行うに関わらず、東京では、もはやフェスティヴァルはあたり前のものになってしまった。ただし、地方はこれからだ。なぜなら、自分の住む街を盛り上げる。そんなすてきな目的があるから。
インタヴュー : 飯田仁一郎(Limited Express (has gone?) / BOROFESTA)
文 : 岩瀬知菜美
photo by 木津翔太
京都の音楽祭! 都市型ライヴ・サーキットの第2弾が開催!
京都のライヴ・ハウス&カフェ8会場で行われるサーキット・イヴェント「いつまでも世界は…」
日時 : 2013年5月19日(日)
開場 : 13:00 / 開演 : 14:00
チケット : 前売 : 2,500円 / 当日 : 3,000円(+1D代 500円)
(※高校生以下フリー)
場所 : 磔磔 / KYOTO MUSE / WELLERS's club /さらさ花遊小路 / cafe and bar Cham / Kitchen Barエイト / ライヴ・ハウス都雅都雅 / 新京極花舞台(※Chamとエイトにはチケットが無くてもフリーでご入場頂けます。(要1Dオーダー))
出演者 : ザ・シックスブリッツ/ キュウソネコカミ / シグナレス / 少年ナイフ / ハンサムケンヤ / 箱庭 / ギャーギャーズ / ヒラオコジョー・ザ・グループサウンズ / ミサト / 片山尚志 / 秋村充 / ズボンズ / 豊田勇造 / THE HAVENOT'S / THREE SEVEN / THE ラブ人間 / 下山(GEZAN) / スーパーノア / 原田茶飯事 / hotel chloe / メガマサヒデ / 岡沢じゅん / 加納良英 / 野村麻紀 / ブラインドミウラストレンジャー / キドリキドリ / シゼンカイノオキテ / Homecomings / 井上ヤスオバーガー / パイレーツカヌー / chori / タカダスマイル / 高木まひこ / SATORI / マサ・タケダ / THE天国カー / 花泥棒 / 近藤智洋with高橋浩司 / MOTORS / THEロック大臣ズ / 中村月子 / 岡田彩香 / ホシヲ(JUNINOR BREATRH) / Beicons… and more
チケット場所 : ぴあ(P : 196-225) / ローソン(L : 53572) / イープラス / 磔磔 / KYOTO MUSE / ライヴ・ハウス都雅都雅
お問い合わせ : KYOTO MUSE(tel : 075-223-0389)
「いつまでも世界は…」official HP
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ザ・シックスブリッツ / いつまでも世界は...2013 EP
01. 夜とダンス / 02. NIGHT MONSTER
【配信形式】: wav / mp3
【配信価格】: 無料
最終的にはSXSWみたいにしたい(ゆーきゃん)
飯田仁一郎(以下、飯田) : まずは第2回開催決定おめでとうございます。第1回をやってみてどうでしたか?
西島衛(以下、西島) : 良かったです。1回やってみて次はどうしようかなって迷ったらやる意味ないなって思ったんですけど、次の目標ができたので。
飯田 : 目標とは?
西島 : ライヴ・サーキットというのは他のイヴェントと違って地域を使う。音楽以外の所に音楽が広がる可能性があると思ったんです。音楽を聴かない人は興味が無いだけで、嫌いな訳じゃない。サーキット・イヴェントだと興味が無い人に興味を持ってもらえるかもしれないなって。
ゆーきゃん : 商店街の中の入場無料スペースで弾き語りのライヴをするので、簡単に色んな人に覗いてもらうことができるんです。
飯田 : 路上とか駅にいる弾き語りの人との違いはありますか?
ゆーきゃん : いろいろなところで同時多発的にやると、なにやっているんだろうって街の人が気にしてくれやすくなるかな。街のあちこちで同時に起こす事が大事なファクターだと思います。
飯田 : それは、SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)みたいに街全体を使ってのイヴェントということですか?
ゆーきゃん : そうです。最終的にはSXSWみたいにしたいですね。
飯田 : そうなんですね。Shimokitazawa Indie Fanclubはあくまで下北沢という街であって東京のフェスという感じはしないし、MINAMI WHEELだと大阪じゃなくてミナミって感じ。「いつまでも世界は...」が大きくなったら京都でやってるっていう感じがして、すごくいいなって思った。京都という街の規模がちょうどいいんでしょうね。僕のサーキット・イヴェントへのイメージは、SXSWやMINAMI WHEELみたいなプロモーション・ベースのものと、Shimokitazawa Indie Fanclubみたいな音楽好きだけの為のものと2つあるんですが、そうではなくて新たなものをっていうイメージなんですか?
西島 : 両方の気持ちがあります。まだまだやりながら考えるって感じですかね。なんとなく思うのは、市場みたいなものが京都にちゃんとできたらいいなって。
飯田 : SXSWは世界中から買い手が集まる場所ですけど、それとは違って京都から発信する感じ?
西島 : 地産地消って感じです。
飯田 : いまの京都では地方だけで存在するっていうのは難しいですか?
ゆーきゃん : 地産地消がきちんとできている場所は、まだ日本にはないと思うんですよね。
飯田 : 地産地消をもう少し詳しく知りたいな。関西から火がついて東京に広がっていったtricotは地産地消ではないんだろうか?
ゆーきゃん : もう少し理想的な話です。tricotが地元の音楽好きの間からあがっていったのは間違いないけど、そのへんのおばちゃんがtricotを知っているわけではないし、ゴールデン・タイムのテレビ番組から情報を仕入れているひとも、音楽好きだとは言うだろうけど、じゃあtricotを知ってるかといわれると怪しい。
西島 : 井上ヤスオバーガーは近いかもしれないですね。しっかり自分で全国を回って、なおかつ地元でもしっかりやっている。
飯田 : 井上ヤスオバーガーみたいに京都でずっとやっている歌うたいが出て、それをきっかけとして音楽好きになるおばちゃんがいたらいいなってこと?
ゆーきゃん: ひとつの目的だとは思います。
ライヴ・ハウスをもっと身近な場所に(西島)
飯田 : ということは、2年目の「いつまでも世界は...」には別の目的もあるんですね。
西島 : ライヴ・ハウスは怖くないよっていうのを浸透させたいですね。ライヴ・ハウスでも周りのお店と仲良く付き合ったりできるような。騒音、人が溜まる、怖そうって今でもまだ疎まれてる部分があるし、そこを無くしたい。そうしたら近所のおばちゃんがライヴ・ハウスに遊びに来るっていうのも実現できるんじゃないかなって。今年は新京極商店街にも協力してもらっているので、地域との繋がりを作れたらいいなって思いますね。
飯田 : オーストラリアのメルボルンが西島さんの理想の街かもしれないですね。朝の5時までおじいちゃん、おばあちゃんがライヴを観てるくらい、すごく音楽が身近な街なんです。
西島 : それ、いいですね! すごい!!
飯田 : 俺の考えは(西島)衛くんとはまったく逆で、ライヴ・ハウスをもっと怖い場所にしたくて。なんで学生が来てんの? っていうくらい。衛くんの考え方はすごくハッピーで、ゆーきゃんが衛くんに魅力を感じてる理由なんだろうなって。衛くんの考えについてゆーきゃんはどう思う?
ゆーきゃん : それについては異論はないです。理想としては異論はないけど、チャージが高すぎるとかドリンクが高すぎるとかいろいろ問題もあるし、実現の可能性はわからない。でもライヴ・ハウスじゃないところで、その街で歌われている歌を当たり前に誰もが聴けるっていうことができるんじゃないかなって。例えばカフェとか、駅構内とか、商店街のテーマ・ソングとか。
飯田 : ライヴ・ハウスに行くのと、街で自然に音楽を聴くのは、全然別のこと?
ゆーきゃん : ベクトルが違う。でも反対なようで、実は一緒なんじゃないかな。
西島 : 僕もなんとなく一緒な気はします。さっき飯田さんが言ってた、ライヴ・ハウスを怖い場所にしたいっていうのは特別な場所にしたいっていうことだと思うんですけど、僕はライヴ・ハウスが、フラットな普通の場所になればいいなって思うんです。カフェでもライヴ・ハウスでもどこでも音楽が鳴っていて、どこにでも普通に行けるっていう状況。
飯田 : でもそれってめっちゃ難しいですよね。俺は最高な場所だと思うけど、一般層に向けたらライヴ・ハウスはカラオケよりもサービス業としては、全てが劣ってる。店員の態度も、酒の味も、値段も、空気の悪さも。
西島 : 京都のライヴ・ハウスにも、分煙になったりとかビールが変わったりとかなかから変えようっていう動きはあると思います。
ゆーきゃん : 最近は、カフェとか、お寺とか、雰囲気を重視しながらライヴ会場を選んできたミュージシャンたちをライヴ・ハウスが呼んで、そのお客さんがライヴ・ハウスにも足を運ぶっていう風潮はあるのでチャンスはあるのかなって。音の良さとか、ライヴ・ハウスの良さの提示を繰り返したら変わってくるかも。
飯田 : 衛くんの理想が、ライヴ・ハウスを普通の場所にしたいっていう事ならば、そこからの改革とか言ってもいいかもね。現状の世の中だと、どうしてもライヴ・ハウスって良い所だぜっていう根拠が希薄なんだよね。でも、目指すならSXSWとかメルボルンみたいになって欲しいなって思います。
音楽を観光事業にしたい(西島)
飯田 : SXSWのもうひとつの側面はトーク・イヴェントとか企業のプレゼンなんだけど、そういった音楽以外のものを絡めていくことは考えてますか?
西島 : 客引きになればいいなと思う。京都自体が観光地なので、音楽でオフ・シーズンにお客さん呼べたらなって。京都っぽいものがどんどん中に入ってきたらいいな。商店とも、しっかりとした関係性を持ちたいです。
飯田 : ブッキングに目指す所はありますか?
西島 : バラバラなのが一番いいと思うんです。いいなーと思える感じにバラバラなのが一番理想ですね。
飯田 : ザ・シックスブリッツの周りのアーティストを基本に、呼びたい人を呼んでるって感じですか?
西島 : そうですね。イヴェントの趣旨を話して、理解してもらえたらいいなって感じで。
飯田 : 目指すのは街全体を使ったイヴェントってことですね。ゆーきゃんが思う「いつまでも世界は...」の特徴は?
ゆーきゃん : 去年はザ・シックスブリッツを中心としたブッキングだったけど、今年はあまり意識せずにあえて撹拌するような感じにしました。ローカルの輪の中から広がるエネルギーがあるし、京都の街でずっとやっているバンドがベースになっている。街の人に音楽が届くっていうことと、地元のバンドを大事にしてる人が集まるのが同時にできそうな気がします。そうでない、キュウソネコカミとかTHE ラブ人間を観に来た人も地元のバンドを発見してくれたら。
西島 : ライヴ・ハウスだけでも楽しめるし、無料の所だけでも楽しめるし、併せて楽しんでもいい。思う通りのイベントの色を出せていると思います。
飯田 : 例えばすごく集客力のあるバンドを呼んで、一気にイヴェントの規模を大きくするようなことは考えていますか?
西島 : 4年後にやろうと思ってます。このライヴ・サーキットをすごく大きくするって話じゃなくて、京都の他のフェスやライヴ・サーキットと同日開催したいんです。既存のイヴェントと一緒にやることで、京都のどこに行っても音楽のイヴェントが行われてるって状況を作りたい。
飯田 : 例えば、KBSホールでBOROFESTA、METROでアニメトロ、nanoでモグランバー、更に「いつまでも世界は...」が同時に行われてるようなイメージ?
※BOROFESTA:2002年より続く、京都のミュージック・フェスティバル。
アニメトロ:京都METROで定期的に開催されている、二次元にスポットを当てたイヴェント。
モグランバー:Livehouse nanoにて毎月第一土曜日と第三日曜日に開催中のDJイヴェント。
西島 : そうです。観光事業みたいにしたいです。
飯田 : なかなかすごいことを考えますね。4年後に設定したのはなぜ?
西島 : 4年後なのは適当です(笑)。オリンピックみたいに4年に1回だったら続けていけるかなって。
飯田 : 4年後に大きいことをやりたいと思った動機は?
西島 : 音楽を好きな人が増えて欲しいです。ライヴ・ハウスに行くよりカラオケに行く人の方が絶対に多いし、僕はただ単純にライヴ・ハウスに遊びに来て欲しいだけなんです。自分も含めてかっこいい音楽をやってる奴らを見て欲しいし、やっぱり人に見てもらわないと続かないから。ライヴ・ハウスはチケットが高いなってすごく思うんです。CDも高い。今の音楽それ相応の価格にならないかなって。
飯田 : というと?
西島 : ライヴ・ハウスに行くのに1000円しかかからなかったらカラオケよりライヴ・ハウスを選ぶ人がちょっとは増えると思うんです。僕は音楽に助成金を取りたいと思っていて、行政とか自治体からお金もらえないかなって。音楽を観光事業にできれば、ライヴ・ハウスにお金が落ちないかなって。
飯田 : 今回CAMPFIRE(クラウドファンディング・サイト)が入っているのがすごく面白いと思ったんですけど、どういった考えで入れたんですか?
西島 : 音楽を金銭価値にできる、そのわかりやすさがとてもいいなって思ったんです。
飯田 : CAMPFIREを入れる事によってどうしたい?
西島 : 実質はただチケットを売っているだけなので、チケットぴあとかと一緒です。でもこういうイヴェントなんですよってもう一回説明できるし、いいなって思ったらチケットを買うっていう、とてもわかりやすい仕組みかなと。このイヴェントが適正価格なのかどうか、をお客さんにダイレクトに問いかけたい。CAMPFIREをきっかけにして、音楽の金銭価値をもう一度考えてもらえたらいいな。
※CAMPFIREとは
クリエイターが作品やプロダクトの予約販売を通して製作に必要な資金をファンから募ることができる国内最大のクラウドファンディング・サイト。
来た人が楽しかったら十分じゃないかなって(西島)
飯田 : 僕らって、「イヴェンターなの? ミュージシャンどっちなの?」って言われるよね?
西島 : このイヴェントをいろんな人に話すと、ロック・バンドなんだからかっこいい曲作ってライヴしてればいいんだよ、やりたい事だけやろうぜって言う人も中にはいるんです。でも、僕は僕でやりたいことやってるんだよー(笑)っていう。
飯田 : この3人だからこそ話せる議題かもしれないですね。ゆーきゃんはどう?
ゆーきゃん : 年々イヴェンターとしての知名度が上がっていくじゃないですか。ジレンマじゃないと言ったら嘘になるかな。「いつまでも世界は...」に関して言うと、主催はザ・シックスブリッツだけど衛くんが勝ち点を稼ぎにいってない。アーティストの主催イヴェントって、もちろん主催アーティストに負担はあるけどプロモーションの為にやるものであって、それを否定はしないしそれがあるべき姿だと思う。衛くんの面白い所はそれをあんまり見ていない所ですよね。裏方なのかアーティストなのかっていうのがジレンマにすらなってない。
西島 : ジレンマって意味が僕はよく分かってないです。
飯田 : イヴェントってスケジュール管理も交渉もしなきゃいけないし、広い目で見ないといけないから社会人が学ぶべきことが全て詰まっているんですよね。アーティストは打ち上げするならイヴェントした方がいい!
ゆーきゃん : そうですよね。自分の場所を作ってそこに人を迎え入れる訳だから、規模はどうあれライヴ・イヴェントなりフェスには普通のライヴと違う物語がある。僕らの中にある主催者としての物語はお客さんに伝わらない事が多いし、お客さんからするとアーティストの方が大事。ミュージシャンとしては割り切れない思いがありますね。
飯田 : 西島さんはそういう気持ちになることは?
西島 : 僕は来た人が楽しかったら十分じゃないかなって。
ゆーきゃん : 実際去年の「いつまでも世界は...」は、最後のザ・シックスブリッツのライヴが一番お客さんが多くて、それが一番の成功だったかなとは思います。
飯田 : 俺は自分が出ないイヴェントでは、ゆーきゃんみたいな思いはある。自分が出るイヴェントだと、もちろんたくさんの人に見て欲しいとは思うけどそこは実力だし、主催のイヴェントはそういうのもリアルでおもしろいところだと思う。そこに関しては三者三様考えがありますね。
西島 : なんだろう… この思いっていうのを僕は理解できてないんです。それはなにに納得がいかないんですか?
ゆーきゃん : オーガナイザーだとイヴェント全体が自分の作品だから引いた気持ちで見れるけど、自分が出るとなるとエゴも出てくるし、自分の知名度の無さに凹んだりもする。オーガナイザーなのかミュージシャンなのかっていう問いかけをされる事自体がすごいストレスで、自分の中でうまくバランスが保てなくなるんです。衛くんはイヴェントをやることで自分が脚光を浴びたいって気持ちがないんだと思うし、それが面白い。
西島 : 目立ちたいなって気持ちはありますよ、トリだってやりたいし。でもまだイヴェントを表現のひとつとか、そういう目で見れてないかな。アーティストとお客さんと使わせてもらってる場所と、みんなが楽しかったらいいと思います。
飯田 : 最後におふたりにひとつずつ訊きます。まず西島さん、今、京都でなにが起きていると思いますか?
西島 : 僕は客観的な見方ができないのかもしれないんですけど、風営法の改正への動きがターニング・ポイントだったのかなって思ってるんです。音楽をやる場所を何とかしようって人が目に見えて出てきたような気がしてます。
飯田 : 風営法の改正への動きは個人的にも大きい影響を受けた?
西島 : Let's DANCE署名委員会が法律相手に頑張ってるなっていうのがすごい。それは、パンク・ロックだぜ! とか言ってるよりもかっこいいことで、すごいことだと思います。その波をもっと盛り上げたいし、ただ個人でかっこいい音楽やってればいいじゃん、ていう考えよりも一旦みんなでやってみない? って。
飯田 : 分かりました。次はゆーきゃんに訊きます。京都のザ・シックスブリッツとはどういう存在なのか?
ゆーきゃん : ザ・シックスブリッツはいち「ロック・バンド」です。これはもちろんいい意味で、それ以上でも以下でもないと思う。でも、ただ音楽をすればいいって時代は終わってきてるんじゃないかなと思ってて、シックスブリッツは音楽の「ありかた」っていうのを考え始めているバンドで、まだそういうバンドはそんなにいないんじゃないかな。集客や成功、という結果とは別に、話を聞いて共感してもらう、物語を共有する、そして仲間になってもらうというプロセスを大事にしてる。ザ・シックスブリッツがなにかを変えるのかはわからないけど、変わりつつある京都の空気をザ・シックスブリッツを通じて感じられるかもしれない。その表れが「いつまでも世界は...」なんじゃないかなと思います。
出演者の音源もチェック!!
PROFILE
ザ・シックスブリッツ
西島衛 (Vo、G)
Ryohei Iwaki (B、Cho)
2000年結成、西島衛(ボーカル・ギター)、岩城亮平(ベース)と様々なアーティストによりライヴ毎に様々な編成を見せる、最新型RPGロックンロール・バンド。ゲーム、青春、ロックンロール!! 涙、感動、オーバードライブ!! ライヴ・サーキット「いつまでも世界は...」主催。
ゆーきゃん
シンガー・ソングライター。いつだってよい音楽を創りたいと思っているけれど、ときどきはひどいライヴもする。駄作も書いた。浮いたり沈んだり、妬んだり焦ったり、人前に立つのも嫌な日さえ、ときどきある。それでも、聞くこと、聴くこと、書くこと、読むこと、見ること、見えること、忘れては思い出して、眠っては目覚め、歩いては立ち止まり、流れては澱み、生きること、言い切ること、そういうこと、こういうこと、すべてを指してゆーきゃんと言うのだと思う。
京都にて10年間続く「ボロフェスタ」主催メンバーのひとり、オンライン・CDストア「サンレインレコーズ」管理人。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のリーダー池永正二とのユニット「シグナレス」、および5人組フォークロック・グループ「欠伸 ACBIS」でも活動中。