ライヴ・ハウスを食い荒らす、噂のパンク・ロック・ガールズ登場!!
1年5ヶ月振りのニュー・ミニ・アルバムがリリース!!
日本マドンナ / バンドやめろ
日本マドンナ、覚醒! 前作より1年5ヶ月、3枚目のミニ・アルバムが遂にリリース! 初期衝動の塊、インパクト500%の剥き出しの世界観とメッセージでリスナーのド肝を抜いてきた日本マドンナ。平均年齢20歳という若さ、そして若さ故の無軌道な破壊力が魅力。今作はそれに加え、社会の不条理を胸元からエグるような切れ味が増し、初期衝動に加えた凄味が正にロックとしか形容できない傑作!
【価格(mp3)】
単曲 : 200円 / アルバム : 1650円
生活そのものが音楽になっている
実体験を元にしたという「バンドやめろ」のPVや、「死ねと言われて安心した」といった過激なタイトル、歯に衣着せぬ歌詞など、わかりやすい部分がクローズ・アップされて語られることの多い日本マドンナだが、僕が彼女たちに感じている魅力はそんなところにはない。過激なものなんて音楽以外にも沢山あるし、理不尽なことは世の中に腐るほどある。じゃあ、なんで彼女たちがこんなに魅力的なのかというと、彼女たちにしか見えていない視野というのが、その音楽から伝わってくるからだ。
自分が高校生だったころ、バンドをやっている友だちは格好よかった。それ以上に、恐かった。バンドをやっている友だちの視野は、あきらかに僕よりも広く、街の路地裏にある暗いライヴ・ハウスで、大人たちとフランクに話している姿に、自分の矮小さを恥じたことは数知れずあった。自分の知らない世界で生きている人たちのことがうらやましくもあり、恐くもあったのである。僕が日本マドンナに感じている魅力というのも、そういう部分にある。
正直、僕は彼女たちのことが恐い。彼女たちは平均年齢20歳だというから、10歳ちかく離れているのに? それは、高校生のころ、友だちのバンドに感じていた恐さと一緒で、彼女たちが自分の知らない世界で生きていると感じているからだ。そのストレートな歌詞とサウンドは、目新しさがあるわけではない。それなのに、僕の胸をえぐるように突き刺さってくるのは、そこに僕が体験したことのない視点があるからに他ならない。
では、その視点とはいったい何なのだろうか? この『バンドやめろ』という作品を聴く限り、それは大きなものに対する抵抗というより、当たり前にある生活に対する抵抗が、彼女たちの視点から実直に描かれているというところにある。歌詞にしても、サウンドにしても、3人の人間性と音楽が直結している。つまり、生活で影響を受けたものが音楽に昇華されるのではなく、生活そのものが音楽になっているのである。ここまでダイレクトに、生活と音楽、それ以外が直結しているのはスゴいことだと思う。もし、そうでなかったとしても、そう思わせるくらいの音楽を作っていることに、素直に感心する。
つまり、今歌われているものが過激なタイトルや歌詞だからこそ、日本マドンナがあるというわけではない。歌詞が落ち着いたものになったとしても、そこに表出されるエネルギー量は変わることがないだろう。なぜなら、彼女たちは大きなものに立ち向かっているというよりも、もっと地に足ついた視野を持っていて、それを音楽が結びついているからだ。日常に対して目を背け、大きなものに対する抵抗を叫ぶロックでもなければ、生活を淡々と歌うわけでもない。あんな(Vo / B)、まりな(G / Cho)、さとこ(Dr)の3人が受けるものを、ノイズや変換なしにサウンドに表すことができる。それが日本マドンナの持っている一番の魅力なのではないかと、そうした視点を持てていない僕は思っている。(text by 西澤裕郎)
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日本マドンナが愛してやまないバンド、ザ・スターリン。『バンドやめろ』では、遠藤ミチロウの「オデッセイ・1985・SEX」の、ソリッドなカバーを披露。今作には、ファースト・シングル「電動こけし/肉」や、ソノシートのみに収録されていた「バキューム」「解剖室」など、貴重な音源を多数収録。日本マドンナを聴いて気になった方は、是非ともそのルーツも聴いて欲しい。
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LIVE SCHEDULE
レコ発ライヴ
2012/6/14(木) 新宿 red cloth
2012/6/16(土) TOWER RECORDS 渋谷店 STAGE ONE(※要イベント参加券)
日本マドンナ『バンドやめろ』発売記念ツアー
2012/7/5(木) 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL
2012/7/6(金) 大阪十三FANDANGO
2012/7/19(木) 新宿 red cloth(ワンマン)
PROFILE
日本マドンナ
2009年3月、高校生だった3人が出会い、バンド結成。あんな(Vo / B)、まりな(G / Cho)、さとこ(Dr)の3人からなるロック・バンド。結成直後から積極的なライヴ活動で話題を呼び、同年開催のアマチュア・アーティスト・コンテスト「RO69JACK 09/10」で優勝。年末の「COUNTDOWN JAPAN 09/10」に出演を果たす。2010年7月、初の全国流通音源である1stミニ・アルバム『卒業制作』をリリース。2011年1月の2ndミニ・アルバム『月経前症候群~PMS~」を経て、2012年6月に3rdミニ・アルバム『バンドやめろ』を発表。反骨精神と初期衝動あふれる歌詞、荒々しいガレージ・サウンド、エネルギッシュなライヴで人気を獲得している。