ついに配信実現!! 素直過ぎる19歳のシンガー・ソングライター、あいみょんによる待望のミニ・アルバム
彼氏への愛が強過ぎるあまり“死”を突きつけたり、はたまた親友の整形を暴露するなど、その過激かつ素直過ぎる歌詞表現で注目を集める、兵庫は西宮在住のシンガー・ソングライターあいみょん。前作のタワーレコード限定シングル発売時は配信できませんでしたが、1stミニ・アルバム『tamago』でついにOTOTOYでの配信が実現! 曇り一つない、まっすぐ伸びる歌声と、ハッとするほどストレートな歌詞は必聴です。
そして、本作発売を記念して再度あいみょんへのインタヴューを実施しました! 気になる、あんな歌詞やこんな歌詞ができたいきさつや、シンガー・ソングライターとしての彼女の素顔に迫りました。歌詞、そして楽曲とともにお楽しみください。
>>あいみょんへのインタヴュー第1弾はこちらから
待望の1stミニ・アルバム
あいみょん / tamago
【配信形態】
16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC / mp3
【販売価格】
単曲 250円 まとめ購入 1,500円(税込)
【Track List】
1. 貴方解剖純愛歌〜死ね〜 / 2. 分かってくれよ / 3. お互い様やん / 4. ○○ちゃん / 5. 夜行バス / 6. 幸せになりたい / 7. 強がりました / 8. ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌
※まとめ購入いただくと、歌詞ブックレットpdfが付属します
INTERVIEW : あいみょん
優れた歌詞というのは、なにげない景色に潜む感情や情景を、さも何ごともなかったかのような顔をして掬いあげてしまう。あいみょんの「分かってくれよ」という曲は、男性の彼女に対する一方的で身勝手なナルシスティックな想いを、独白的に描いた楽曲である。コミックの主人公になったかのような男性の告白はどこかしらけて見える。しかし彼はいたって真剣にその感傷に浸っているわけで、それを一歩ひいたところから切り取り描写してしまうあいみょんの洞察力に、世の男たちはたじろいでしまうことだろう。しかもあいみょんは、この曲を15、6歳のころに書いたという。前回のインタヴューの序文で、「男は一生かけても女のことを理解しきれない」と書いたけど、その想いはより強くなった。しかし、理解しきれないからこそ追いたくなるのも事実。そこで、今回もあいみょん本人に話を訊きにいった。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
私がどうしたいか理解してくれて。だからやりやすかった
——前回の取材から2ヶ月くらいしか経っていませんが、全国各地でライヴをするなど忙しくなってきましたね。昨日も東京でいろいろ巡っていたみたいで。
あいみょん : 東京に来たら余計にいろいろ行動したくなるというか、東京だけにしかないものって滅茶苦茶あるじゃないですか? 今回は、日本カメラ博物館の展示会とルーヴル美術館展とジブリ美術館に行きました。ジブリ美術館は2回目なんですけど、ジブリが好きなんで(笑)。
——元気そうで何よりです(笑)。前回の取材時には、今作『tamago』のレコーディングは終わっていたんですか?
あいみょん : そうですね。今回は、アレンジャーの星野さんのプライベート・スタジオ「SOUND KITCHEN STUDIO」で録ったんです。そもそもレコーディングも全然したことのない状態だったので、これで歌えるかな? みたいに不安だったんですけど、星野さんも私とレコーディングを重ねるにつれて、私がどうしたいか理解してくれて。だからやりやすかったですね。
——特にこうしたい! と思って作った曲はありましたか?
あいみょん : 8曲目の「ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌」ですかね。バブリーな感じで!! とか言って(笑)。この曲は私が死語を使ったとき、星野さんが突っ込んでくれて。「曲作ってみなよ」ってアドバイスを受けて作った曲なので、星野さんに任せようとずっと決めていました。
——あいみょんさんは、どんな死語を使ったんですか?
あいみょん : 「バッチグー」ですね。
——(笑)。久しぶりに聞きました。実際に死語がたくさん入った曲になっていますが、元々知らなかった死語も入ってるんですか?
あいみょん : もう、入りまくってます。でも意外と大抵知ってましたけどね。
——ドロンなんて使わなくないですか(笑)?
あいみょん : 芸人さんがやってるところしか見たことないです(笑)。本当はもっと入れたかった死語とかもあるんですけど。でもこれに落ち着いたというか。
——死語を使って組み合わせながら、ストーリー性もあるっていう不思議な曲になっていますが、こういう曲って今まで作ったことあるんですか?
あいみょん : いや、ないです。初めてだったんですけど、おもしろいなと思って。一応ストーリー性があるように作れてビックリしました(笑)。私の弟がこの曲をめっちゃ好きで、あたり前田のクラッカーをたまに買って来てくれて、可愛いなあと思いました(笑)。
もう1つは自分ってことにしておこうって(笑)
——(笑)。今作は振れ幅のある作品だと思うんですけど、1番古い曲はどの曲になるんですか?
あいみょん : 「分かってくれよ」が一番古いですね。15、6歳ぐらいの時に書いたのかな。 その時仲良しだった友達カップルの女の子から恋愛相談を受けて書いた曲なんです。
——この曲で描かれているのは男性からの視点ですよね? 男のナルシストな感じというか、ちょっと勘違いしてるようなところも上手く描写してるし、聴いていて男の自分がいたたまれなくなってくるというか(笑)。
あいみょん : まさか、15、6歳の頃にそう言われるとは思ってなかったです(笑)。その時は何も意識せずに書いてたので。
——その曲は本人たちに聴かせたりしたんですか?
あいみょん : 特に聴かせてはいないですけど、出来たよとは言いましたね。あと、この曲をYouTubeに上げたことで事務所の方が見つけてくれたんです。私はそんなに好きではなかったんですけど、事務所の方からこの曲を歌ってなかったら声かけてなかったって言われました。いまは、好きな曲になりました。
——「〇〇ちゃん」は友達に頼まれて作った曲で、実在する女の子がモデルになっているんですよね。かなり強烈な子ですけど。
あいみょん : こういう子っていませんか? 音楽をやっている子を見つけたら、曲書いてよみたいな(笑)。実際私に頼んできた子って今まで何人もいるんですよ。そのなかで、なんでこの子を選んだかっていうと、この子が別に可哀想な人生を送ってるとかってわけではないんですけど、個人的に1番インパクトがあって、1番書きやすかったんです。
——実際その子と話して作っていったんですか?
あいみょん : いや、何も話してないです。書いてってサラッと言われて、その子なら曲が書けるかなと思って書いたら、実際スラスラできました。色々思い出しながら。
——〈好きでもない男と寝たこともある〉とかすごい歌詞ですよね。でも最終的に〈将来の夢はお嫁さん〉って歌っていて。これも本人が言っていたことですか?
あいみょん : ずっと言ってます。受験の面接の時、将来の夢を聞かれたらどうしよう? っていうのをその子が悩んでいて、普通に結婚がしたいって言っていました。
——この曲を作ったとき、自分で聴いて泣いてしまったそうですが、それはどういう体験だったんですか?
あいみょん : この曲を作って、聴いたらなぜか泣けてきて。この子はすごくいい子なんですけど、今までやってきた悪さとかのせいで、周りの子からおびえられたりしていて。本当は誰よりもしっかりしてる子なんですけど。そういうことを思うと、何か悲しくなってきて。ちょっと悪さしすぎた部分が出てしまったというか。今は彼氏も出来て幸せそうですけどね。
——本人には聴かせたんですか?
あいみょん : すぐに聴かせました。そしたら「整形の事言ってるやん!」って(笑)。整形してすぐくらいに出来た曲だったので、眼帯して目を腫らしながら、そんなこと言ってましたね。
——てっきり一緒に泣いたのかと思ってました(笑)。
あいみょん : いや、全く(笑)。一緒に泣いたのは、卒業式ぐらいですよ。
——「夜行バス」も昔からある曲ですか?
あいみょん : この曲は、東京に夜行バスで通ってた時代に作ったので古いですね。お金がないから通う手段が夜行バスしかなくて、夜行バスに乗っていた時に作った曲です。私の曲の中では歌詞が普通というか、シンプルな感じの曲ですね。
——〈揺れる揺れる箱の中で ギターかかえて イヤフォンをつけて〉というのは、どういう状況なんですか?
あいみょん : 安いバスって社内が狭いじゃないですか。私は気を使って座席を倒せないタイプなので、ギターを抱えて前にうつむくように寝ていました。お金がなくてハードケースを持っていなかったので、ソフトケースに抱えて寝ていて。
——そして車内で泣いていた?
あいみょん : 恐くて恐くて。お母さんに「帰りたい」ってメールをしたりして。でもメールしすぎると充電もなくなるから、あんまり使えなくて。1回電池が切れて迷子になって、公衆電話からお母さんに「どうしたらいい?」って電話をしたりしていました。つらかったですね。
——〈大好きな五つの音〉っていうのはなにを示唆しているんですか?
あいみょん : あ、これはビートルズを聴いていたんですよ。そのとき、なぜかビートルズを5人だと勘違いして5つって書いていて。いまは開き直って、もう1つは自分ってことにしておこうって(笑)。充電を気にしつつ、ビートルズや、尾崎豊さんとか浜田省吾さんの曲を聴きながら気を紛らわせていました。
——「幸せになりたい」は最近の曲ですか?
あいみょん : これは、1年前にもならないくらいだと思います。たぶん妄想で書いた曲ですね(笑)。なんでこんな曲書いたのかわからないんですけど…。これからは書いたらまとめておこう、書いたときの気持ちとか(笑)。
——あはははは。「お互い様やん」は、カップルがケンカしているようでいて、実はのろけ曲ですね。
あいみょん : 友だちで付き合っている子がいたんですけど、その子が彼氏の愚痴を言うんですけど、結局は好きなんだろ? って(笑)。「お互いさまやで、それ」っていうような相談がよくあるんです。可愛い歌ですね。
お母さんにずっと「男だったよ」って言われたんですよ
——タイトルの『tamago』はどうやってつけたんですか。
あいみょん : 卵がジャケットだから、『tamago』です(笑)。
——そのまんまですね(笑)。
あいみょん : ジャケットもアルバムの名前も、かわいいものが好きだから、そういう理由なんです。集めたくなる感じしませんか?
——卵を?
あいみょん : かわいいじゃないですか?
——そうですか(笑)? あいみょんさんにとって、はじめての全国流通作ということになりますが、ミニ・アルバムを手にとったとき、どんな気持ちでしたか?
あいみょん : さっき手にとったばかりなんですけど、やっぱりいいなと思って。そもそも、全部私が撮った写真を使っているんですけど、ずっと趣味でやってきたものが自分の作品になるっていうのは感慨深かったですね。
——こうやって作品になって、多くの人に聴いてもらう状況ができて、曲が自分のものじゃないって気持ちになったりしますか?
あいみょん : それはないかな。このアルバムの曲は、私にしか書けない、できないんじゃないかと思います。もともと人とかぶるのが嫌なんですよ。常にいろんな発想でやっていきたい。だから、これを手にしたときにはもう次のこと考えていました。
——自分の強みってどういうとこだと思いますか?
あいみょん : 私は作詞が好きなんですよ。詩にはこだわってます。こんなこと自分でいうとあれですけど(笑)。
——同世代のミュージシャンで意識する人とかはいますか?
あいみょん : わたしの歳が近い人でいえば、戸渡陽太さん。はじめてライヴでみたときは衝撃でした。あの声は授かったものですよね。歌詞もいいし。どうやって作っているんですかって聴いちゃいました。あとは、石崎ひゅーいさん。結構男性のアーティストに惹かれることが多いかもしれないです。同性じゃない視点なので、同じ恋愛の曲でも、同じ言い方にならないですし。
——女性のアーティストで気になる人はいますか?
あいみょん : 女性アーティストはみんなライバルだと思っています。いっぱいいるなかでも飛び抜けたいと思っています。ただ、私は男性アーティストに近い感じで見てもらいたいかもしれないです。
——それはなんでですか?
あいみょん : やっぱり女性アーティストが売れているからですかね? 男性アーティストは売れにくいって言われているなか、そういうポテンシャルでいたいなと。 ふざけていきたいというか、男の子の持っている遊び心をふまえて、男の子も女の子も楽しめるものにしたいです。
——そういう意味でいえば、「分かってくれよ」みたいな男性の視点で書けるってことは武器になっていくんじゃないかなと思います。ちなみに、生まれ変わったら男になってみたいとか思います。
あいみょん : 思います! そもそも、私、お母さんにずっと「男だったよ」って言われたんですよ。
——え、どういうことですか?
あいみょん : お腹にいたときは男だったのに、阪神淡路大震災でおちんちんがとれたって。小学校6年生くらいまでそういうふうに言われていて、友だちにも言いふらしていたんですけど「ウソやん」って言われて。だから、こんなに男の子っぽいのかって自分でも思っていたんですよ。髪の毛も短かったし、ドラゴンボールの服とかも着ていて。
——あははは。だから「分かってくれよ」みたいな曲も自然な形で書けるのかもしれないですね。これからツアーもはじまりますが、東京は渋谷eggmanということで、アルバムにかかっているんですね。
あいみょん : 卵にちなんで!! っていうのはウソで、たまたまです(笑)。
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LIVE INFORMATION
あいみょん東名阪対バンツアー
2015年6月23日(火)@梅田Shangri-La
2015年6月24日(水)@名古屋RAD HALL
2015年7月1日(水)@渋谷eggman
インストア・ライヴ
6月21日(日)@タワーレコード梅田NU茶屋店 16:00〜
7月12日(日)@タワーレコード新宿店7Fイベントスペース 15:00〜
PROFILE
あいみょん
1995年生まれ。兵庫県西宮市出身&在住のシンガー・ソングライター。 かつて歌手を夢見ていた祖母や、音響関係の仕事に就いている父親の影響で幼少の頃より音楽に触れて育つ。13歳でエレキギターを手にし、14歳からソングライティングを始める。高校2年生の時、友人が無断で応募した超大型ヴォーカル・オーディションで最終審査まで行ってしまった過去がある。2013年に高校卒業後、フリーターとして主に唐揚げを売るアルバイト をしていたが、たまたま友人がアップロードした自作曲の動画が関係者の目に留まり、シンガー・ソングライターとしてのキャリアがスタート。「ストレート」という言葉の意味をはき違えたかの様な歌詞のインパクトは、個人レベルのミニマルな不満や願望を、ともすれば身勝手とも言えるほどそのまま歌っている。「シンガー・ソングライターの皮を被ったパンクス」という表現のほうがしっくり来るのかもしれない。無名の彼女がYouTubeにアップロードした1本の動画が、2週間足らずで3万回以上再生されたことからもそれを伺うことが出来る。