東日本大震災チャリティ・コンピレーション『PUNK DONATION』先行配信開始!
日本の再建と復興を願い、アメリカ、オーストラリア、スウェーデン、ブラジル、オランダ、イギリス、スペインなど国境を越えて世界中からバンドが集結し、「被災地に音楽を」をテーマに掲げたドネーション・コンピレーション・アルバム『PUNK DONATION』が完成。集まった楽曲数はなんと50曲! 未発表曲、入手困難になっている楽曲も収録されています。アルバムとしても、シーンを牽引するバンドから今後の活躍が期待できるバンドまで、バラエティに富んだ内容に。配信限定リリースとなる本作、OTOTOYではどこよりも早くお届けします! 本作品の売上収益の全額は、被災地にいる方にラジオ、または音楽プレイヤーなどを届ける活動に充てられます。
V.A. / PUNK DONATION
発売日 : 7月11日(一般発売8月11日)
全50曲(M30、50は2011年12月31日までの配信となります)
ファイル形式 : mp3 / wav
価格 : 1500円(まとめ購入のみ)
参加アーティスト
【日本】
DAY TRIPPER / FAT RANDY / FEELFLIP / JT301 / NINE IDEAS / ONC / PIPECUT WEDDING / STACKERS / THE SKIPPERS / TOY LET / PSYCHO FOOD EATERS / THE MEANS
【アメリカ】
AUTHORITY ZERO / BLACKOUT SHOPPERS / COMMON ENEMY / DEATH BY STEREO / FLAG OF DEMOCRACY / GUTTERMOUTH / JASON DEVORE / LIONIZE / MATTHEW SIKORA / MUSKET / SLAB / SPECIAL C / STRUNG OUT / THE BOUNCING SOULS / WULFBANE / UNDERDOG / HUGE / PERICLES / ZEBRAHEAD
【スウェーデン】
ALL SPENT / BOMBSHELL ROCKS / MILLENCOLIN / SAME OLD STORY / THE HEADLINES / TWOPOINTEIGHT / SMALL TOWN / TYSTA MARI
【オーストラリア】
BRITISH INDIA / HUNTING GROUNDS / SPEEDLAB / THE RUMJACKS / PARKWAY DRIVE
【アイルランド】
BLOOD OR WHISKEY
【イギリス】
GBH
【オランダ】
HEIDEROOSJES
【スペイン】
SEGISMUNDO TOXICOMANO
【ドイツ】
RADIO DEAD ONES
【ブラジル】
HERDEIROS DO ODIO
>>もっと詳しく知りたい人はPUNK DONATION特設サイトへ!
内省の時期から行動の時期へ
東日本大震災が発生してから4ヶ月。津波被害からの復興はまだ半ばだし、原発事故は一向に終息のめどがついていない。冬から夏へ。季節の移ろいとともに、地震当時の気持ちは薄れていないか?東京にいる僕は、時よりそんなふうに自分に問いかけないといけないくらい、日常のようなものにぼんやり感覚を鈍らされている。一時期は聴く気にならなかった音楽も当たり前に聴いているし、作品も何事もなかったかのようにリリースされている。日常というのは壊れやすいと同時にそれだけ盤石なものだということもわかったし、長い人生を歩んでいくためにはある程度の鈍感力も必要なのかもしれないとも思う。震災の中心地である東北地方に人々にとって、こんな甘ったるい気持ちを持てる状況ではないことも分かっているけれど、毎日揺れ動くどうしようもない気持ちの中で過ごしている。
『PUNK DONATION』は、PUNKを中心としたミュージシャンの音楽を通して寄付を集めることを第一義に、国の違う50組のバンドが参加したコンピレーション・アルバムだ。音楽コンピレーションの売り上げを寄付金として役立てようというのは、とりわけ新しい試みでもなければ、震災から4ヶ月経った今からしてみればスピード感があるものでもない。OTOTOYでも『Play for Japan』というコンピレーション・アルバムを作ってリリースした。その中で、僕はパンク/ハードコア色の強いvol.4を担当したこともあって、今回の『PUNK DONATION』についても文章を書かせてもらう機会を得た。
先にスピード感があるものではないと書いたが、世界各国から50組ものバンドの参加を募ってまとめることは、本当に大変で骨の折れる作業だ。いくら震災に際して何かをしたいというバンドがいたところで、それをまとめあげる人がいない限り、プロジェクトは動かない。そうした点からも今作をまとめあげたレーベルBANGCHAKの労力は本当に大変なものだっただろうし、今作について書かせてもらえることは光栄なことである。また今回のコンピレーションに関していえば、PUNKというキーワードが冠されていることが大きな特徴だ。『Play for Japan』やDIY HEARTSなどは動きも早かったし、参加アーティストも著名な人たちが多いけれど、アーティストたちにとって音楽性での連帯意識はさほど重要ではなかった。しかし、この作品においてはPUNKという言葉がとても大きな意味を持っている。
50組のバンドを個別に取り出してみれば、けっして全世界的に知られているバンドばかりではない。ZEBRAHEADやAUTHORITY ZEROのような知名度のあるバンドも参加しているけれど、それならば少数のバンドで個別に名前を打ち出したほうがインパクトがあったはずだ。そうではなく、有名無名、新人ベテラン関係なしに混ぜこぜの50組をまとめているのは、もっと大きな総体として復興に寄与したいという気持ちからのことだと思う。そういう点でいえば、精神性や考え方が大きな意味を持っているPUNKは強い繋がりを発揮する可能性がある。
こうして50組のアーティストの曲を通して聴いてみると、社会に対して疑問を呈したり、攻撃的な側面があるように思いがちなPUNKが、とてもポジティヴなエネルギーに溢れたものだということがわかる。もちろんそれがPUNKのすべてだとは言わないけれど、このコンピレーションに収められた50曲は、徹底して外に向かって発せられている。自分たちの葛藤を表す以上に、聴いている人を巻き込んで輪を広げていこうというオープンさを感じるのだ。それはこれまでPUNKが社会に対して何かを発してきたからこそ、同じように外に向けて発することに抵抗感がないことも表している。
昨今チル・ウェイヴやグローファイなど、一種の逃避的な音楽が流行っているが、そうした内面性を志向したものの反動としてPUNKの持つエネルギーをより感じることができる。この50曲を通して聴いてみると、理屈ではないポジティヴさと肉体性を感じることができるのだ。内省の時期から行動の時期へ。季節の移ろいとともに我々も変わっていかなければと感じさせられるPUNKのコンピレーションが届けられた。(text by 西澤裕郎)
ONC『BEER'S RAIN』
PUNK DONATIONにも参加している、ONCの最新リリース作品。
【TRACK LIST】
1. Wanker / 2. Beer's Rain / 3. Welcome To The Darkness / 4. Takeshit Project Featuring Shine5 / 5. Theme Of Youngman
BANGCHAK presents「ATTENTION PUNX vol.11」
7月23日(土)@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
open 18:30 / start 19:00
前売 1,800円 / 当日 2,100円
LIVE : STACKERS / FAT RANDY / NINE IDEAS / レベラーズ・ユナイテッド