東京発・反逆の無国籍ロック集団・ダンボール・バット
リーダー兼ソングライティング担当のAMI(Vo)と、ギター担当のサムソンの二人を中心に1987年頃結成。デヴィッド・ボウイ、ゲンズブール、沢田研二らを師と仰ぐ、無国籍ロック集団・ダンボール・バットの最新作『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』が到着! …写真からしてただ者じゃない雰囲気がプンプン漂っているけれど、一体彼らは何者? 80sニュー・ウェイヴ、グラム、ガレージ、プログレ、昭和歌謡やR&Rなど、様々なサウンドを独自の美学で焙煎・抽出。チープとゴージャスがせめぎ合う、万華鏡の如き唯一無二の世界が、分裂しては大爆発を引き起こす! これまでに横山剣&鈴木慶一プロデュースによるCD発売、和田アキ子トリビュート盤への音源参加、内田裕也主宰「NEW YEAR ROCKフェス」、新宿ロフトでの「DRIVE TO 2010」などのイヴェントにも出場するなど、話題に事欠かない彼ら。OTOTOYだけの配信音源「仮面の昼」をフリー・ダウンロードでお届けします。まずは騙されたと思って再生ボタンを押してみよ!
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ダンボール・バット / 馬鹿ヌーヴェルヴァーグ レーベル : 東京産業レコード
【収録曲】
1. 赤富士(エロチカ・ジャポン) 2. 馬鹿ヌーヴェルヴァーグ / 3. ドライ・フルーツ、ドライ・サン / 4. ファッション革命 / 5. 滿民の敵 / 6. ラスト・カーニヴァル / 7. シュトラウスは夜に殺せ / 8. 渚にて / 9. アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ / 10. 狩人だから / 11. プレシャス・タイム(L.A.ハード・レイン)
「モダンポップの真の伝承者発見! クローゼットの奥から発見されたVHSのごとき、妖しく華麗なサウンドが君を突き抜ける!」(ROLLY(exすかんち))
「ムーンライダーズより、好きだな!」(白井良明(MOON RIDERS))
ダンボール・バット『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』
近ごろ、菊地成孔とミュージックマガジン誌のやり取りが話題になっていたが、個人的におもしろいと思ったのは、菊地のブログの文章が飛び抜けておもしろかったことだ。自分の理解力が足りず、よくわからない部分もあったけれど、文章自体がおもしろいということは、イヤというほど伝わってきた。それを書いたのがミュージシャンである菊地であるという事実に、文章だけを書いてきた自分としては立つ瀬がないというか、まいったなあという感じにも思ったのだけれど、面白いものは面白いと言うしかない。
そういう意味でいうと、ダンボール・バットのフロントマンAMIという男が書く文章も、困ったくらいに面白い。ブログを読んでいると一文一文から目が離せない。その文才を買われ、日本で唯一のトラッシュ・カルチャー・マガジン『TRASH-UP!!!』でライター・デビューをするということだが、今まで世の編集者は何をみていたのかと思ってしまうくらい出版界は惜しいことをしてきたと思う(それをちゃんと拾い上げた、同誌の屑山屑男編集長は言うまでもないが素晴らしい!)。AMIの文章がおもしろいのは、文体のリズムがいいとか、内容がぶっとんでいるとか、そういうことだけではなくて、表現力が独特な点と妙に艶かしいという点にある。そんな魅力溢れる文章を書けることから察するに、ものごとを自分の中で咀嚼して、自分の表現として形にすることに長けている男なのだろう。ホームページの雑然とした感じも、見事にダンボール・バットの世界観を表現している。つまり『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』というアルバムも、ダンボール・バットという世界観を、“たまたま”ではなく、しっかりと意識して具現化させた作品ということになる。チープでB級感漂うような音楽は、闇雲につくられたわけではなく、意識的な作品といって間違いないだろう。
さて、こうやって筆を進めてきたのはいいが、この音楽をどう説明したものかと悩んでいる。単純に音の解説をしたところで、本質的な部分は指の隙間からこぼれ落ちていってしまうに違いない。そこで、同アルバムについているライナーノーツを読んでみると、音楽のことを詳細に語らずとも本質を伝えていることがわかる(読みたい人は、CDも買ってください)。では、自分なりにこのアルバムの本質を書いてみよう。あなたは古本屋街にいる。何となく目についた古本屋に入ってみると、客は自分一人しかおらず出るに出られない。仕方がなく、ほこりまみれの本を手に取って見ていると、意外にもよさげな本がみつかる。しかし、書いてある内容はよく分からない。買わないと店を出づらいということも手伝い、あなたはその本を買って外に出る。家に帰って、軽くめくってみてから本棚に仕舞い、あとで読もうと思う。しかし、その本が開かれることは、数年訪れない。『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』を聴き通したときに感じるのは、そういう一連の物語だ(もちろん、一回聴いて、数年聴かないという意味ではない)。素晴らしい思い出になるのか、しょうもない思い出になるのかはわからない。人に話してもおもしろくも何ともない。でも、自分の中では後々まで覚えているような不思議な一連の流れ。それが『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』には流れている。日常の中にするりととけ込み、普段は大人しくしているけれど、実はすごいクセのあるヤツ。それがダンボール・バットというバンドの本質だと僕は思うのだ。(text by 西澤裕郎)
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デビュー35周年を迎えた日本のキング・オブ・オルタナティブ・ロック・バンド、ムーンライダーズ。1975年の結成以降、常に時代を切り取り、新しいサウンドとテクノロジーを導入して先鋭的な作品を発表し続けてきた彼らが、2011年11月11日、突然の活動休止を宣言。そして休止前にリリースしたラスト・アルバム。キング・オブ・オルタナティブ・ロックバンドに相応しく、斬新で狂気でポップな一枚。
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2008年に久々のアルバム『Whydunit?』をリリースし、ジャパニーズ・ポップス・シーンに一石を投入。そしてライブでは既にお披露目していた新曲をギッちりと詰め込んだの重量級アルバムが完成!
ダンボール・バット PROFILE
AMI(担当 : 作詞作曲/歌唱/甘いワナ)とSAMSONG(担当 : 電気ギター/通訳)の二人組の宅録ユニットとして1987年頃結成。多数のカセット作品をリリース後、同時期にゆらゆら帝国も在籍していたCAPTAIN TRIPより97年にCD「さそりカクテル」、99年にCD「永遠のカクテル」を発売。2002年にP-VINEよりクレイジーケンバンドの横山剣氏&ムーンライダーズの鈴木慶一氏プロデュースによるCD「未来ブティック」を発売。2007年に自主レーベルよりCD「コンピュータ・ベルリン」発売。その間にも多数のMDやCD-Rを限定発売。和田アキ子トリビュート盤、JON<犬>トリビュート盤、幻の名盤開放同盟BOXセット特典盤等への音源参加。内田裕也主宰「NEW YEAR ROCKフェス」、新宿ロフトでの「DRIVE TO 2010」などのイヴェントにも出場。自主企画イヴェントでは巻上公一氏や梅津和時氏らとも共演。2012年1月、約4年ぶりとなるニューアルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」を自主レーベルより発表。録音からミックスまでAMI自身が1年がかりで制作にあたり、しかもPCを一切使わないローテク機材による多重録音技術を駆使した、時代に逆行するようなDIY精神爆発の低予算にして超大作となった。そして、3月には、OTOTOY企画制作による被災地復興コンピアルバム「PLAY FOR JAPAN 2012」へ参加。
80sニュー・ウェイヴ~オルタナティヴ、グラム・ロック、プログレ、昭和歌謡、etc様々なサウンドからの影響を独自のB級的美学センスで抽出&焙煎。クールな情念が宇宙のゴミとなって無国籍にネットリと噴出。チープさとゴーヂャスさという相反する世界がせめぎ合う万華鏡の如き世界は唯一無二。自虐的でHOTなステージにも定評がある。AMIのアイドルはデヴィッド・ボウイ、セルジュ・ゲンズブール、沢田研二、勝新太郎、C,ブコウスキー、などなど。友達、対バン募集中。YouTubeに多数動画公開中。AMIのスタイリッシュなブログ「真夜中は別の顔」好評連載中。地元高円寺を中心に草の根ライヴ展開中。