今年2月に、ニュー・アルバム『Life Goes On』をリリースしたアナログフィッシュ。 ドラマー斉藤州一郎が復帰し、再び3ピースとなった彼らが、アルバム未収録の大名曲「最後のfuture」を、配信限定シングルとしてリリース! 未来を見据えたポジティヴな楽曲です。ototoyでは、HQD(24bit/48khzの高音質WAVファイル)で販売。さらに購入者特典として、メンバー直筆・歌詞入りオリジナル画像をプレゼントします!
※特典のダウンロード期間は終了しました。
アナログフィッシュ / 最後のfuture
作詞 : 下岡晃
作曲 : アナログフィッシュ
REVIEW
昨今の音楽を語る上で欠かせないキーワード、それは<今>である。
数多くのミュージシャンが参加しているtwitterはその顕著な例だろう。基本的な使い方の一つは語尾に<なう>をつけることで、今何をしているかをつぶやくだけだ。それと共に、リアル・タイムにライヴ中継できるU-streamも数多くのミュージシャンに活用されている。生のDJプレイを中継しているDOMMUNEを始め、同時刻に起こっていることを、場所を問わず共有することが主流になりつつある。そういえば、クラムボンのミト氏も早くからtwitterを活用していた。そのクラムボンが2年振りにリリースしたシングル・タイトルは「NOW!!!」。過去を懐かしむのでもなく、未来に憧憬を抱いて妄想するわけでもない。今に目を向け、今を積み重ねていくこと。それが過去の音楽と未来の音楽を結ぶ架け橋へとなっていく。そんな流れを音楽の現場に感じる。
新作『Life Goes On』を発表したばかりのアナログフィッシュも、アルバムの中で<今>を切実に描いている。病気療養中だった斎藤州一郎が復帰し、再び3ピースとなって動き始めた彼ら。アルバム発売時のインタビューで答えているが、最初はアルバム制作を4人体制で始めたというように、結果としてこのアルバムにはいろいろな意味の前向きさが詰め込まれている。そしてその前向きさは、全て<いま>に基づいている。アルバム冒頭曲は「NOW」。「二度と無い今日、戻らない昨日」というフレーズのリフレインから幕を開ける同曲は、最近のライヴでは1曲目に演奏されている。その理由を下岡晃はHPのセルフ・ライナー・ノーツで「その瞬間をその場にいる人たちと最高に楽しめたらいいなぁと思ってそうしています」と語っている。
紆余曲折を経ながらも10周年を迎えたアナログフィッシュ。「遠回りじゃないよ 真っ直ぐな道を蛇行しているだけ」と彼らの歩みも想起させる「Life Goes On」や、「心の有り様で全ては決まる」と歌う「曖昧なハートビート」などから、彼らが10年の経験を経て今の自分たちをストレートに受け入れ、今出来る事を正面から丁寧にやっていこうという意思を持っていることを感じることができる。10年といえば、もう中堅以上のバンドである。実際にインタビューで「長く続けてると、変わってるだけじゃ音楽やれなくなってくるんですよ。変化球も球種が尽きるし(笑)。」と語っているように、少しずつ変化球を覚えながらも最終的にストレートに曲を歌うことを選んでいる。それが『Life Goes On』という作品である。だから、この作品は一部のリスナーに聞かれるだけの作品ではない。出来るだけ多くの人たちに聴かれるべき作品である。これまでのひたむきさに、いい具合に寛容さが加わった、強度を持つ素晴らしいアルバムである。 そして今回『Life Goes On』未収録の「最後のfuture」が配信される。タイトルからも分かるように、ここには<未来>という単語が登場する。しかし、それも<いま>に磁場を置いた未来である。歌詞の中で「未来は誰のもの? 」という問いに対して、「いつだって目を閉じれば/いつか観た夢や思い描いた/新しい朝、素晴らしい夜が/こんなに僕を呼んでいるのに」と歌われる。明るい未来を思い描くだけでなく、今を積み重ねることを通して未来を作り上げよう。そんな決意がこの曲にはある。
10周年を迎え、3ピースとして新たに歩みを始めたアナログフィッシュ。一歩一歩丁寧に足跡を積み重ねていくことで過去と未来は繋がる。いまを生きること。彼らの活動と『Life Goes On』はそれを熱く語りかけている。(text by 西澤裕郎)
Analogfish 2010 "Life Goes On" TOUR
- 4/8(木)@北海道 SAPPORO BESSIE HALL
- 4/10(土)@宮城 SENDAI PARK SQUARE
- 4/15(木)@福岡 DRUM SON
- 4/17(土)@大阪 SHINSAIBASHI CLUB QUATTRO
- 4/18(日)@愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
- 4/23(金)@東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
PROFILE
佐々木健太郎(Vo.B.詞/曲)、下岡晃(Vo.G.詞/曲)、斉藤州一郎(Dr.)からなるツイン・ボーカル/3ピース・バンド。1999年長野県喬木村にて佐々木、下岡の2人で結成。上京後、斉藤と出会い3ピース・バンドに。2人のボーカル/コンポーザーによる楽曲の圧倒的なヴァリエーション、ゆるいキャラクターとは対照的な緊張感と爆発力満載のライブ・パフォーマンスはほかのバンドのそれとは一線を画す。2008年3月ドラムが病気療養のため脱退。しかしサポート・ドラム、キーボードを迎えて精力的にライブ活動を行い、2009年10月にはバンド結成10周年記念イベントを新木場スタジオ・コーストにて開催し大成功を収める。そして同ステージにてオリジナル・ドラムの斉藤がバンドに復帰、盤石の再スタートを切った。
- official site : https://www.analogfish.com/
DISCOGRAPHY
Life Goes On
ザ・ロング・ノット・ワインディング・ロード! 祝バンド結成10周年+ドラマー斉藤州一郎復帰作品。当初、斉藤の脱退後に編成されたキーボードを含む4ピースでのレコーディングが進められたものの、その途中で斉藤の復帰が決定。後を受け継ぐ形で斉藤がレコーディングに参加するという、変則的な形式が採られました。巨大化した新生アナログフィッシュ・ワールドをどうぞ。感涙の大名曲「Life goes on」他、全10曲を収録。
Fish My Life
別れ、悲しみの果てにたくましく進化したアナログフィッシュ。再び立ち上がったとき、より強く、美しく立っている。アクシデントによるドラマー脱退を経ても進むことを止めない2つの才能。その心意気に呼応し集結した7人もの豪華ドラマー陣!遊び心と音楽に対する信念が貫かれたこのアルバムは素晴らしく開かれている。