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2024-12-13

からあげクン東京を救う

その日、僕は仕事帰りに新宿駅西口ローソンに立ち寄った。湿度の高い夜で、街全体が汗ばんでいるように感じられた。何か小腹を満たすものが欲しかったが、食欲はそこまで強くなかった。僕はふと目に入ったホットスナックコーナーに足を止め、何気なくからあげクンの箱を手に取った。

いつもと同じパッケージだ。赤い箱に、小さく愛嬌のある目が描かれている。それを無造作レジへ持って行き、会計を済ませた後、袋を片手に店を出た。

外の空気はむっとしていて、思わず一歩後ずさりしそうになる。僕は駅前の人混みを避け、路地に入り、手軽な夕食を開けた。その瞬間だった。

「やあ。」

――声が聞こえた。

僕は一瞬、自分空耳を聞いたのだと思った。あたりを見回したが、誰もいない。路地は暗く、湿った風がビルの隙間を通り抜けているだけだ。

「こっちだよ。」

今度ははっきりと聞こえた。僕の手の中にあるからあげクンの箱からだ。

ちょっと待ってくれ。」僕は箱を凝視した。「今、喋ったのか?」

「そうさ、ぼくだよ。からあげクン。」箱の中からからあげクンが顔をのぞかせた。その姿は、パッケージに描かれているマスコットのものだ。小さな丸い唐揚げの体に、意外にも生き生きとした目。

「驚いたかい?」

「驚いたも何も、どうして唐揚げが喋るんだ?」

「それはぼくがただの唐揚げじゃないからさ。」からあげクンは小さく跳ねた。「ぼくはホットスナック界の守護者なんだ。今日は君に手伝ってほしいことがあって、こうして話しかけているんだよ。」

僕は呆然としながらもからあげクンの話を聞き始めた。

       ★

東京が、今、ある深い闇に呑まれかけているんだ」と、からあげクンは言った。その声は実に穏やかで、しかしどこか決定的な力をもっていた。「このままいくと、人々の心は冷たさに覆われ、都市は内部から崩れてしまうだろう。原因はサラダチ⚪︎ンだ。」

サラダチ⚪︎ンって、セブンイレブンで売っているあのパック入りの?」

「そう、あの冷たい繊維質の塊さ。彼は東京を凍らせようとしているんだよ。」

からあげクンは歩きながら、彼自身存在意義について話し始めた。

「ぼくらホットスナックは、文字通り人間に“温かさ”を届けるために存在しているんだ。カリッと揚がった衣とジューシーな中身。小さいけれど確かな幸せ。だけど、サラダチ⚪︎ンは違う。彼は冷たいまま人々の心を凍らせる。」

「いや、ただの健康志向象徴なんじゃないの? 脂っこいホットスナックよりもヘルシーだと言われているけど。」

からあげクンは首を振った。「いや、健康に見えるだけなんだ。本当は選択余地を奪っていくんだよ。サラダチ⚪︎ンを選ぶ人は、何かを妥協している。味を、温かさを、そして喜びを。それが積み重なると、東京は本当に冷たくなってしまうんだ。」

       ★

その夜、僕たちはサラダチ⚪︎ンが潜んでいるという噂のセブンイレブンを目指した。からあげクンの話では、彼は冷蔵ケースの奥深くに眠りながら、自らの存在を拡大しているらしい。冷蔵庫が冷たければ冷たいほど、彼の力は増していくのだという。

セブンイレブンに到着すると、店内には妙な静けさが広がっていた。冷蔵ケースから冷たい風が漏れ出し、まるで見えない霧が漂っているようだった。棚の商品はどこか青白く、無機質に見える。

「ここにいるね。」からあげクンは静かに言った。突然、冷蔵ケースの奥から低い音が響いた。それはただの機械音ではなく、何か生き物が潜むような、不気味な音だった。

「来たな、からあげクン。」冷たい声が空気を切り裂くように響いた。

僕は思わず体が震えるのを感じた。冷たい空気が肌を刺すようだった。冷蔵ケースの奥深くからゆっくりサラダチ⚪︎ンが姿を現した。その光沢のあるパッケージと、完璧に整ったフォルムは、一見すると美しかった。だが、その目には底知れない闇が宿っていた。

「君はまだ温かさなどという時代遅れ幻想にすがっているのか。」サラダチ⚪︎ンは冷たく笑った。「この街必要なのは選択肢ではない。合理性だ。冷たく、計算された満足。それが私の力だ。」

「冷たさは心を動かさない。人間には温かさが必要なんだよ。」からあげクン毅然と答えた。「君の合理性は、喜びを奪い、人々を空虚にしてしまう。」

       ★

からあげクンは一歩前に出た。その小さなからは、じわりと温かい光が漏れ始めていた。それはまるでホットスナック特有の、揚げたての熱そのもののようだった。

トルストイはこう言っているよ。『幸福な家庭はみな似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である』ってね。君が作り出す冷たさは、不幸すらも均一化するんだよ。でも、人間には不完全で温かい何かが必要なんだ。それが本当の幸福を生むんだから。」

サラダチ⚪︎ンは冷笑を浮かべた。「詩的だが無意味だな。さあ、冷たい闇に飲み込まれるがいい。」

その瞬間、店内の温度が急激に下がった。冷たい霧が広がり、僕の視界がぼやけた。だが、その中で、からあげクンの光はますます輝きを増していった。

「この冷たさを温めて、消してみせる!」からあげクン叫び、全身を光の塊に変えた。

無駄だ!」サラダチ⚪︎ンが叫ぶ。「冷たさこそが正義だ。この街必要なのは理性と計算だ。お前の光など、その脂ぎった熱など、ただのノイズにすぎない!」

しかし、つややかなパッケージじわじわと膨らみ始め、内部のチキンが熱によって変化していくのが見て取れた。冷たく白かったその表面が、次第に黄金色に変わり、薄くパリッとした衣が彼の体を覆い始めた。

揚げ油の香ばしい匂いが店内に広がり、僕の鼻を刺激した。パッケージが破れ、中から現れたのは、ジューシーで脂ぎった揚げ鶏だった。

       ★

気がつくと、僕たちはローソンの前に戻っていた。近くのセブンイレブンは何事もなかったように営業を続けているが、あの冷たさは消えていた。

東京は救われたのか?」僕はからあげクンに尋ねた。

「少しだけね。でも、冷たい闇はまた現れるかもしれない。そのときはまたぼくが戦うよ。」

彼は静かにローソン自動ドアの中へ戻っていった。その背中は小さなホットスナックのものだったが、そこには何かしら大きな希望が宿っているように見えた。

東京の夜は、再び少しだけ温かさを取り戻していた。

2024-12-08

カフェ弱者男性女子高生が捨てたストローを持って帰っててドン引きした…

この前カフェに行った

女子高生グループも来てた

私が座ってしばらくすると

かの女達はお返しカウンターのところにカップを置いて帰って行った


するとその後、1分後くらい後かな、40半ばくらいのメガネをかけた男がカウンター台の方に向かって行った


凝視してるとその男女子高生達が置いて行ったストローを抜いて自分の席に帰って行った

私はドン引きした…

キモい

2024-12-01

No.102 (1998/2/9)

←前後→

陳という名の中国人メガネの女、そしてぼくを合わせた三人は、チームを組んで働いていた。いや、強制的に働かされていたといった方が正しいだろう。ぼくらの上官は嫌な奴だった。何かと文句をつけては、おかまいなしに殴る蹴るの暴行を加えるのが趣味なのだ。数日前、陳とメガネは耐え切れずに逃亡を企てたことがあったが、見張りに捕まった二人はさらに上官の酷い暴行を受けただけであった。

さて今日は何か集会があるというので、ぼくら労働者たちはホール一角に集められ、椅子に座らされていた。正面の舞台を見渡すと、腕を縛られた見覚えのある数人の仲間の姿が並んでいる。怯えたような表情を浮かべている者もいれば、すっかり諦めて悟り切った様子の者もいる。一体これから何が始まろうとしているのだろうか。やがて指揮官たちと舞台の上の労働者たちの間で二三の短いやりとりが交わされたが、ここからでは遠くて何を言っているのかうまく聞き取れなかった。そして手始めに一番左側の男が後向きに立たされると、突然銃で撃たれてしまった。背中に生々しい傷跡を残して倒れる男。ホールに沸き起こる拍手喝采の渦。ぼくは凝視していることができずに思わず目を背ける。そしてこれが処刑のための集会であることをようやく理解した。処刑は次々と事務的に行なわれていく。左側の労働者から順番に、何か短い問答があり、書記官がそれを書き留める。そして次々と後向きにされ、あっけなく銃殺されるのだ。一番最後の男はすっかり取り乱した様子で走り出したがすぐに取り押さえられ、再び舞台の上に引き戻される。そしてお馴染みの短いやりとりの後、最後には完全に諦め切った様子で、ありがとうございます、などと呟いているのだった。

ようやく全員の処刑が終わった。そのときぼくらの上官が立ち上がり、今日特別に二人の諮問対象者が追加されたと宣言した。続いて舞台に引っ張り出されてきたのは、陳とメガネであった。彼らは逃亡を企てた廉で処刑されることになったというのだ。ぼくはあまりのことに目を見張った。二人は他の者と同様すっかり諦め切った様子でうなだれている。椅子に座らされ、先ほどと同じように短いやりとりが始まった。とそのとき、陳が突然取り乱したように暴れ始めた。同時にぼくは彼が縛られた手の中に何か小さな機械を隠し持っていることに気付いた。そう、彼はまだ諦めていなかったのだ。先ほどのうなだれた様子も、今の取り乱した様子も演技に過ぎない。彼は例の短いやりとりが終わるまでは決して自分処刑が行なわれないことを知っているのだ。ぼくは思わず観客席で短い叫びをあげて立ち上がった。指揮官たちの注意が一瞬こちらに逸れ、ぼくの上官が何か悪態をつきながら走り寄ってきた。一瞬陳と目が合った。互いの意志確認するにはそれで十分だった。上官はぼくの腕をねじ上げると、観客席の後ろまで引きずっていき、いつものように手早く殴る蹴るの暴行を加える。そして再び舞台の方に戻って行った。舞台に目をやると暴れる陳が間もなく取り押さえられようとしているところだった。そして彼の手からはいつの間にか先ほどの機械がなくなっている。うまく混乱を利用して仕掛けたようだ。そしてぼく以外に事の真相に気付いている者は誰もいないらしい。そのときふと周囲を見回すと、ぼくは上官に引きずられてきたせいでホールの出口近くに横たわっていた上、うまい具合に見張りたちも皆すっかり舞台出来事に気を取られているらしいことに気付いた。ぼくは静かに出口に忍び寄ると、ロープを解いて一気に走り出した。

見張りたちが集会に駆り出されていたせいか警備はすっかり手薄になっていた。ぼくは陳とメガネが一度目に逃亡を企てたとき計画を知っていたので、道に迷うこともなかった。もちろん靴と上着を奪うことも忘れてはいない。それから真っすぐに裏口に辿り着くと、軽々と門を飛び越えて外に出た。夕闇の迫る時刻だった。陳とメガネはうまくやっただろうか。ホールからはもうすっかり遠ざかっていたためか、それともぼくが余りに夢中で走っていたからだろうか、予期していた爆発音は聞こえなかった。後ろを振り返り、立ちはだかる巨大な建物の向こうから煙が上がっているのを認めると、ぼくは全てを知って再び走り出した。もうあの二人に出会うこともないだろう、そんなことを考えながら、陽の沈みかけた誰もいない街を走り続けた。

←前

後→

2024-11-26

俺はまだ新札をまだマジマジとよく見てないぜ~

みんなは光に当てて透かしをマジマジと確認したり~

もったいなくて旧札を先に使ってると思うけどしてるけど~

俺はまだ新札凝視したり普段旧札と変わらない同じ感覚で使ってるぜ~

あ、お前いたの?ってかんじ~

みんなも俺みたいな早くなれよ~

あでゅっ!

2024-11-20

メンヘラ女が憎い

希死念慮にのたうちまわり、経済的な苦難に押しつぶされ、ベッドの中ありもしない救いを求めてスマホ凝視していると

ちょうど俺の気持ちに合ったタイトル記事が出てきて、タップすると俺と同じような希死念慮に苦しむメンヘラで、「苦しいよな、そうだよな」と思いつつ見る

そして、急に夫や彼氏が出てくるんだ、そして「無理はしなくていいかから」「焦らなくていいから」「自分が支えるから」と甘い、甘い夢のような事を言う


すぐに閉じ、他に救いを求めて探すも、そういう記事しか見つからなくて、だんだんとドス黒い気持ちが溜まってくるんだ

「俺とメンヘラ女の違いは何なんだ?」「俺が悪いのか?」曰く、全て不条理 俺は戦わなければいけない、誰にも支えてもらえぬ性に生まれついたのが悪いのだ

最悪なことに、俺はそういうメンヘラ女が"男性は楽でいいよね"のような事を宣う所をなんども見たことがあった

実際どんな人間がいようと、男性嫌悪女性嫌悪というのはトラウマ問題で、だから俺は、メンヘラ女が憎くてたまらない


せめて人殺しの顔をしてくれよ、ああ、俺はなぜ生まれてきたのか もう戦いたくない

2024-11-16

コスプレイベントに遭遇してきた

暇だ。

暇なので電車に乗って日帰りできる範囲の近所をブラつくことにした。

まず、通勤方向と反対の電車に乗る。

毎日同じ電車に乗っているが、方向が違うだけで景色が違って新鮮である

あと気のせいだと思うが、車内の広告も趣が変わっている気がする。

(そういえば、8番出口の続編がいつかでるんだっけ?)

特に何をするでもなく、ボーっとしてたら終点にたどり着く。

ごく短い区間私鉄なので、終点と言っても自宅から結構近い。

駅前にはコンビニがあるくらいで、特に面白いものはない。

強いて言えば、コンビニ前で一息ついていたアニメキャラ?のTシャツを着たオッサンが目立っていた。

何のキャラか知らんがまぁ、確かに可愛いね、と思いながら通り過ぎる。

特に行先も目的もないが、空腹感はあったので、飲食店を眺めながらとりあえず歩く。

JRの駅との中間地点に、よさそうな定食屋があるらしい。もし見つけたら入ろうと思い、JRの駅の方角に勘で向かう。

なんというか、寂れているとも言えないが、活気があるとも言えない街並みだな・・・と思いつつ歩く

すると前方から異様な出で立ちの女性が。なんのキャラわからんが、コスプレだろうか。巫女?っぽい?

今まで視界に入る範囲ではそんなイベントをしている気配は全くなかったので、かなりびっくりした。

あぁ、さっきのTシャツおっさんもそのイベント目当てだったんだな、と一人合点する。

さらに駅に向かって歩く。陸橋を渡る。階段を下る。歩く。

特に面白いことも、美味しそうな店も見つからないままJR駅前らしき交差点にたどり着いてしまった。

すると何やらアナウンスが聞こえてくる。

撮影コスプレイヤーさんの許可を得ましょう」

ローアングルでの撮影は辞めましょう」云々。

なるほど、コスプレイベント駅前商店街でやっているらしい。

せっかくなので商店街を見ていくことにする。

入り口では写真撮影をやっていた。

ニコニコしたおっさんがごついカメラを構えて、楽し気にコスプレイヤーと話していた。何のコスプレなのかはわからない。

通り過ぎて商店街突入する。

そこかしこで、写真撮影をしていた。

好きなキャラがいるわけでも、写真撮影趣味なわけでもなく、買い物もする気もないので、凝視するのも申し訳ないなと思い、

横目でコスプレイヤーの皆様を見ながら通り過ぎる。今思えば結構不審者だな。

何故かわからないが、通路中央に車が並べられていた。キャラクターが描かれた、派手な車たち。痛車というやつか?

コスプレイベントって痛車も並べるもんなの?知らなんだわぁ

車を背景にコスプレイヤーがポーズを決めていた。んーあれは、ウマ娘だろうか。やったことないかわからん

一台、やけにクラシカルな車があって、キャラが描かれているわけでもなく、趣旨違わないか?と思ったら

ボンネットガッツリ痛い仕様だった。車のことも分らんけど、旧車を痛くする文化もあるんだろうか。とにかく金がかかりそうだな・・・

車やコスプレイヤーやその他諸々を眺めながら歩く。

えーっと、あれは誰だっけ、初音ミクの親戚?VTuberか何か?うわ、あの人すげぇスタイル良いな。誰か知らんけど。

最近作品はさっぱりだけど、ジブリ作品コスプレは流石にわかった。

サンとすれ違う。クオリティたけぇな。気付いていないだけで雫と聖司もいたのかもしれない。

黒ずくめなのは呪術回戦かな・・・ サングラスは五条先生だろうか。

商店街の終わりが見えてきた。

脇に目をやると、屋台で何かを売っている。店員コスプレしていた。キキとトンボだ。

しませてもらったし、お腹もすいているし、何か買おうかな。

と思ったら、商品おでんと綿菓子だったので、やめておいた。

パンパイを売っていたら100%買ったんだけどな。なんで、おでんなんだよ。

いや、おそらく、パンパイも速攻で売り切れたのであろう。誠に残念である

商店街の出口・・・というか、多分こちらが入口なのだとは思うが、変態仮面が受付にらしき場所に居た。

これはいままでと別の意味直視はしがたい。すごいなぁ。笑いを嚙み潰して通り過ぎる。

空腹感がどうでも良くなってしまったので、そのまま帰ることにする。

電車を使わず、徒歩で帰ろう。

何が言いたいのかと言うと、ジブリって本当にいいもんですね、という話。

2024-11-15

anond:20241115221036

うなぎパイ配るオバハンを増田がずっと凝視しとるから

新人に恐怖心を植え付けるのはやめろ

2024-11-14

エーミール少年の日の思い出を語る

 正しい人でありなさい。

 それが、僕に課せられた唯一にして最大の教条だった。

 幼い頃から、僕は常に「先生の家の子であることを意識させられてきた。両親は僕を品行方正な模範少年に仕立て上げることに腐心していたし、周りの人(大人子どももだ)は皆、僕の素行や成績の優秀さを褒めそやした。

 今思えば、僕は他人眼差しに見張られ、他人の期待に縛られて暮らしていた。だが、当時の僕は、それに不満や苦痛を感じることは(少なくとも意識の上では)全くなかった。むしろ、どんな時も「正しい人」として振る舞うことに、ある種の誇りすら感じていたように思う。

 友達をえり好みするのは「正しくない」ことだ、という両親の教えに従って、僕は誰にでも人当たり良く接していた。その甲斐もあってか、ほとんどの級友は僕に好意的だった。先生たちも僕を気に入っていたようで、贔屓と言われるような特別扱いを受けることも少なくなかったが、誰も文句を言わなかった。僕は何の迷いもなく、己に与えられた特権享受していた。それが自分の「正しさ」に支払われた報酬だと受け止めていたからだ。

 そんな僕が、一人だけ「友達」と呼べない少年がいた。隣の小さな家に住んでいた彼は、見た目も成績もパッとせず、不器用どんくさい、いわゆる劣等生だった。当時の僕にとって「優れていること」と「正しいこと」はほとんど同じ意味だったから、僕は「正しくない」彼のことをうっすらと見下していた(そしてそれを「正当な評価」だと信じていた!)。

 だが、もし彼がただの冴えない少年だったら、僕は彼とも親しくしようとしただろう。僕に「誰かを嫌う」という悪徳を犯させた(当時は本気でそう思っていたのだ)のは、彼の蝶に対する異常な情熱だった。

 あの頃の僕たちにとって、蝶の収集最大級の関心事だった。少年たちは蝶を捕まえては標本を作り、互いに自慢し合っていた。

 はじめのうち、僕はあまり熱心な収集家ではなかった。捕らえた蝶を完璧な標本に仕上げる作業は楽しかったけれど、蝶を捕まえること自体にはさして魅力を感じていなかったのだ。

 だが、彼は違った。彼は「蝶狂い」としか言いようがないほど、生活のすべてを蝶捕りに捧げていた。「蝶を探していた」という理由遅刻して先生に怒られるのは日常茶飯事で、彼の母親が夜に戸口の前で息子が戻ってくるのを待っているのを見たのも一度や二度ではなかった。

 それほど蝶に入れあげているにもかかわらず、彼は自分の標本を他人に見せようとしなかった。標本を級友たちとの「社交」の手段と捉えていた僕は、そんな彼に不気味さすら感じていた。こいつは一体何のために蝶を集めているんだ? 遅刻の罰として教室の前に立たされている彼の、何を考えているかからない顔を見るたび、僕は疑問に思わずはいられなかった。

 ある日、僕は虫取り網を片手に近所の森に出かけた。新しい標本を作るために蝶を仕入れに行ったのだ。あらかじめ目星をつけていた場所で狙い通りの蝶を捕まえ、さっそく家で標本にしようと帰りかけた時、近くでガサガサと物音がした。音の方を見ると、一人の少年が森の奥へ向かっていた。彼だ。彼は僕に気づくこともなく、上の方を見ながら歩みを進めていく。僕はほんの少し迷ったあと、彼の後を追いはじめた。誰かのあとをつけるなんて全く「正しくない」ことだと思いながらも、なぜかそうせずにはいられなかったのだ。

 十分以上歩いただろうか。少し開けた川べりで、彼はようやく足を止めた。僕は木の陰に隠れて、彼の様子をうかがった。彼は静かに網を構え、宙の一点を凝視している。彼の視線を追った先には、一匹のコムラサキがいた。生きたコムラサキを見るのは、これが初めてだった。

 彼はじっと、コムラサキの隙を狙っている。爛々とぎらついた瞳には、きっと蝶の姿しか映っていない。こんなにも獰猛空気を纏った人間を、僕は見たことがなかった。

 不意に、彼が動いた。突き出された虫取り網がひらりと宙を舞い、すぐに地面に伏せられる。彼はかがみこんで網の中を確認した。僕からは蝶の姿は見えなかったが、狩りの結果はすぐに分かった。彼が、長い安堵の息とともに、うっとりと微笑んだからだ。

 彼が立ち上がる前に、僕は踵を返した。早足はいつの間にか駆け足になり、何度も転びかけながら、それでも走り続けた。「逃げなければ」という言葉が、身体の中に繰り返し響いた。何が怖いのか、そもそも全身に満ちたこ感情が恐怖なのか、何もわからないまま、僕は家まで走り通した。捕まえた蝶がいなくなっていたことに気づいたのは、自分の部屋に戻ってからだった。

 それから二ヶ月ほど経った頃、紙箱を手にした彼が僕の家を訪ねてきた。彼が何か言う前から、僕には箱の中身が分かっていた。彼はあの日コムラサキを見せに来たのだ。僕は彼に気づかれないよう息を整えてから、紙箱の蓋を開けた。

 箱の中のコムラサキは、お世辞にも良い状態とは言えなかった。展翅には粗が多く、足も欠けている。褒められたものじゃないな、と思いながら顔を上げると、彼は得意げな笑みを浮かべていた。驚嘆と賞賛を欲しがっている顔だ。それに気づいた途端、胸の中にどす黒い感情が湧き上がった。

 せっかくのコムラサキがこんな不完全な標本になってしまたことへの落胆、その粗雑さに全く無頓着で恥じる素振りもないことへの呆れ、そして何よりこんなやつに一時でもおそれめいた感情を抱いてしまった自分への怒り。そういったものが渾然一体となった感情だったと、今にして思う。だが、子どもだった僕は、それらを「不快もの」として一括りにすることしかできなかった。そして、その不快感を、標本への批判という形で吐き出したのだ。

 僕は、彼のコムラサキ欠点を、ことさら辛辣な言い方で並べ立てた。彼の顔はみるみるうちに曇っていき、最後にはすっかり不機嫌な表情になった。

 紙箱をひったくって部屋を出ていった彼の後ろ姿を見て、僕はかすかな罪悪感を覚えた。人を傷つけるのは、明らかに「正しくない」ことだ。

 違う。僕は彼を傷つけたわけじゃない。僕はただ事実を述べただけなのに、彼が勝手に傷ついたのだ。直すべきことを指摘するのは「正しい」ことだから、僕は何も恥じる必要はない――

 僕は自分にそう言い聞かせた。都合の良い言い訳だと、心のどこかでは分かっていたけれど、気づかないふりをした。僕はただ、「正しい人」でいたかったのだ。

 彼のコムラサキの標本を見てから、僕は本格的に蝶の収集に取り組み始めた。少数の個体完璧に仕上げることで満足していたのが、より多くの種類の蝶を捕まえたいと思うようになったのだ。

 勉強友達付き合いに割く時間限界まで減らし、僕は蝶の採集に出かけた。珍しい蝶も、そうでもない蝶も、とにかく片っ端から捕まえた。両親は泥だらけの服で帰ってくる僕を見て顔をしかめ、級友たちは僕と遊べないことに不満げだった。採集自体も、楽しさより苦痛のほうが大きかったが、やめようとは思わなかった。

 僕の目的は、彼よりも優れた収集家になることだった。彼が捕まえるよりも多くの種類の蝶を、彼が作るよりも美しい標本にする。それは僕にとって、ほとんど初めての私的欲望だった。誰に求められたわけでもないのに、「正しい」ことでもないのに、せずにはいられない。自分でも理由のわからないまま、僕は取り憑かれたように標本作りを続けた。

 時折、蝶を探しに行った先で、彼の姿を見かけることがあった。彼はいつでも心底楽しそうに野山を駆け回っていて、その姿を見るたびに嫌な気持ちになった。僕が彼に声をかけることはなかったが、彼が僕に気づくこともなかった。彼はいつも蝶しか見ていなかった。その事実もまた僕を苛立たせていたのだが、あの頃はそんなことは思いもよらなかった。

 季節がいくつか過ぎる頃、僕は蛹の採集にも手を出していた。森に分け入って成虫を捕まえるよりも、自分の部屋でじっくりと蛹や繭を羽化させる方が性に合っていると気づいたのだ。時には予想外の成虫が出てくることもあったが、それもまた楽しみの一つだった。

 そんななか、とんでもないことが起こった。偶然手に入れた繭からクジャクママユが羽化したのだ。クジャクママユといえば、僕たちの間では秘宝のような扱いの、まさに幻の存在だった。ゆったり広げられた翅に浮かぶ特徴的な斑点を確認した時には、全身の震えが止まらなかった。

 何も考えられない興奮状態の後に、真っ先に頭に浮かんだのは彼の顔だった。彼が教室の片隅で、級友のクジャクママユの話に目を輝かせていたのを見たことがある。あの様子だと、きっと彼はまだクジャクママユを見たことがない、ましてや持っているはずがない。

 千載一遇の好機だと、僕は思った。このクジャクママユを完璧な標本にして、彼に見せるのだ。何が「正しい」標本なのか、誰が「正しい」収集家なのか、彼に見せつけてやるのだ。この思いつきは、僕をひどく高揚させた。

 僕はこれまでにないほど慎重かつ丁寧に、クジャクママユの展翅に取り組んだ。その出来栄えは、今までのどんな蝶よりも素晴らしいと自負できるものだった。もうしばらくすれば、非の打ち所がない美しい標本が仕上がるはずだ。僕はすっかり舞い上がっていた。

 常に地に足をつけていることこそ「正しい」。そう知っていながら、浮かれきった僕は級友にクジャクママユのことを話してしまった。噂はあっという間に広まり大勢少年たちがクジャクママユを見せてくれと押しかけてきた。

 僕は彼らの頼みを「完璧状態で見せたいから」と全て断った。それも嘘ではなかったが、一番の理由でもなかった。最初に見せる相手は彼だと、最初から決めていた。

 僕は実のところ、彼がどうしてもと乞うならば、未完成状態でも見せてやってもいいとさえ思っていた。にもかかわらず、彼は何も言ってこなかった。コムラサキの一件以来、彼が僕を避けているのは分かっていたが、彼の僕への嫌悪感クジャクママユへの興味を凌駕していると考えると、妙に胸がモヤモヤした。

 その日は、何ということのない平凡な一日になるはずだった。少なくとも、蝶の採集を終えて帰宅し、自室に入るまではそうだった。だが、そこで僕を待っていたのは、変わり果てた姿のクジャクママユだった。

 翅がもげていた。触角も片方取れていた。展翅板の上には、粉々になった翅の残骸が散らばっていた。

 どうして。何で。誰が。どうすれば。

 絶望的な言葉の断片が、次々と頭の中に浮かんではぼろぼろと崩れていく。早く直さなければ、と震える手で修復道具に手を伸ばす。今までの経験は「これは無理だ」と告げていたけれど、その声さえ聞こえなかった。

 日が落ちかけた頃、僕はとうとうクジャクママユの修復を諦めた。僕は絶望的な気持ちのまま寝台に倒れこみ、腕で目を覆った。このまま何も考えずに眠ってしまたかった。そして朝になって、すべてが夢だったと気づきたかった。

 そんな幼稚な空想を打ち砕くように、女中さんが僕の部屋の戸を叩いた。彼が来ていると言うのだ。僕はのろのろと起き上がり、玄関に向かった。

 僕の酷い顔を見て驚いたのだろうか、彼は何も言わずこちらを見ていた。僕は半ば操り人形のような心地で、クジャクママユが台無しになったことを告げた。すると彼は、それを見せてくれと言った。僕は頷き、彼と共に重い足取りで階段を上っていった。

 僕はクジャクママユの残骸を彼に示した。ろうそくの明かりでも、彼の顔に全く血の気がないのがわかった。彼はしばらくクジャクママユを凝視していたが、ゆっくりと僕の方を向いて、言った。「ぼくが、やったんだ」と。

 僕は耳を疑った。意味がわからなかった。彼が、これを?

 僕が凍りついていることに気づかず、彼は堰を切ったように喋り始めた。どうしてもクジャクママユが見たくて、僕がいない間に部屋に入ったこと。見ているうちに魔が差して、クジャクママユを盗んだこと。返そうとした時には、クジャクママユがつぶれてしまっていたこと。

 彼の話を聞くにつれ、僕は胸がどんどん冷たくなっていくのを感じた。同時に頭に浮かんだのは「彼は裏切ったのだ」という言葉だった。何を裏切ったのかはわからない、ただ彼が裏切り者だという考えだけが、強く強く繰り返された。

「そうか、そうか、つまり君はそんな奴なんだな」

 そう告げた声は、自分でも驚くほど平板だった。こんなに誰かを軽蔑するのも、こんなに誰かに失望するのも、初めてだった。

 彼は必死に許しを乞うてきたが、僕はありったけの皮肉を添えて彼の謝罪を切り捨てた。彼は一瞬、殺さんばかりの形相で僕を睨みつけた。そんな表情を誰かから向けられたのは初めてだったので、僕はほんの少したじろいだ。だが、彼はそれに気づくことなく、何も言わないまま、僕の部屋から出ていった。

 僕はろうそくを吹き消し、再び寝台に横たわった。毛布に繭のようにくるまると、両目から涙があふれだした。

 僕はどうして泣いているんだろう。当然、大事クジャクママユを失ったからだ。でも、本当にそれだけだろうか。僕は、何を失ったんだろう――嗚咽の合間にそんなことを考えながら、僕の意識ゆっくりと沈んでいった。

 次の日、僕は級友たちに、不手際クジャクママユが駄目になってしまったと話した。彼らは、ぜひとも見たかったのにと嘆き、僕らしからぬ失態に戸惑った様子だった。だがそれも一時のことで、しばらくすると彼らの興味は別のものへ移っていった。

 そして、その日以来、彼を野山で見かけることはなくなった。遅刻することもなくなり、真面目に授業を受けるようになった。ほどなくして、彼が蝶の収集を一切やめて、標本もすべて捨ててしまったらしいという噂が聞こえてきた。級友たちが、あいつとうとう正気に返ったのかとか逆におかしくなってしまったのだとか好き勝手を言っているのを聞き流しながら、僕は教室の隅でぼんやり座っている彼を盗み見た。

 彼は罪を犯した、言い逃れできないほど「正しくない」人間だ。彼の罪を糾弾し、正当な罰を与えることこそが「正しい」行いだ。そう考えながら、僕はそうしなかった。彼をかばうためでも、ましてや許すためでもない。僕はただ、逃げたかったのだ。

 あの夜、僕はまぎれもない被害者で、彼は明らかな加害者だった。誰もが、僕が彼を非難するのは「正しい」ことだと思うだろう。けれども僕はあの時、「正しい」ことをしようと思ったわけではなかった。正しいとか正しくないとかい基準から外れた場所あるむきだしの感情――「彼に裏切られた」という気持ちにまかせて、僕は彼を言葉で刺したのだ。

 思えば、彼に関わる時の僕は、いつも「正しい人」から遠ざかっていた。標本箱の中の蝶のように完璧優等生はいられなくなり、破れた翅で不格好に飛び回る、身も心も薄汚れた自分になってしまうのだ。そして、その先にはいつも彼がいた。僕よりはるかに劣っているはずの彼は、森の中では僕よりはるかに美しく羽ばたいていた。にもかかわらず、彼は自ら泥の中に墜ちていった。それらすべてが許せなくて、耐え難くて、そう感じる自分自身を認めたくなかった。だから、僕は彼との関わりを絶ち、自分が「正しい人」でいられる場所へと逃げ出したのだった。

 結局、僕は逃げ切れなかった。「正しい」ままで生きることな不可能だということを悟り自分の中の「正しくない」ものを受け入れて飼いならすことを覚えた。世間ではそれを「大人になる」と呼ぶのかもしれない。

 彼とは、学校卒業してから顔を合わせていない。今では蝶への興味もすっかりなくなって、作りためた標本はほとんど全て人に譲ってしまった。

 それでも、一つだけ手元に残したものがある。翅のもげたクジャクママユだ。痛々しくて不完全で、なのになぜかひきつけられる。そんなクジャクママユこそ、僕にとっての少年の日の思い出なのだ

2024-11-07

anond:20241107215040

弱者男性はしばしASDADHDを持っていて、低所得なこともあるんだけど…

そういう人たちのアプローチは往々にしてセクハラ判断されやす

https://note.com/beatangel/n/n037e20cb8ef2

そして人間客観的自己判断感覚内省出来ない。具体的には「ある行為セクシャルハラスメントか否か?は行為自体ではなく相手属性に大きくバインドされる」という事を認識出来ないのだ。

実証的な研究を幾つかあげると、

2009年ニュージャージー州において女子大学生128人が、架空男性プロフィール説明されオンラインデート上でメッセージのやり取りをしたところ、「オンラインハラスメント」に対する女性の耐性の最も強力な予測因子は、架空男性の魅力と社会的地位であったという。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19030980

勿論オンラインだけでなく現実空間においても、このような「女性男性言動ハラスメントを感じるか否かの最も強力な予測因子は男性属性である」傾向は示唆されている。アメリカにおいて平均年齢28.11歳の女性1277人に対して「見知らぬ人からの望まない性的注意を受けた事があるか?」「見知らぬ人からキャットコール凝視された経験はあるか?」とのアンケートに加え、それが起きた時の相手の肉体的魅力・人種・年齢、場所、時刻等の17コンテキスト提示した。そのうえで女性がこうした経験を心的外傷を伴うハラスメントとするか、楽しい体験とするか判断する主な要因は「肉体的魅力」「年齢」「人種である事が判明した。

https://www.researchgate.net/publication/225564287_Context_Effects_on_Women's_Perceptions_of_Stranger_Harassment

また別の研究では女性医学生ロックスター等の職業的地位の高い男性による嫌がらせ想像したときの動揺が最も少なく、清掃員や建設労働者等といった職業的地位の低い男性による嫌がらせ想像した時に最も動揺する事が示唆されている。(David Buss & Jennifer Semmelroth 1994)

からミサンドリー弱者男性連帯できないんだな

ちなみに弱者男性女性からきもいと言われたり、無視されたり、ネットで愚か男性として晒上げられた結果、こじらせるんだが、

いじめられたことのある女性カースト上位の女性から攻撃を受けるとなれば…

むろん、普段は抑えているんだが、ストレス限界に達し、ミサンドリーが堪忍袋の緒が切ることで抑えきれなくなり、小田急線車内で女性を〇〇する事件が起きたりもする

2024-11-02

最近悩んでる怪奇現象

畳の部屋の畳の一部が光ること。

はじめは眼鏡が外の光を反射してるのかと思った。

カーテン閉め切ってる真っ暗な部屋の畳の一部が一瞬ホタルみたいに光って見える。

この増田書いてるさっきも光った。

完全に光を遮ってみても光る。

凝視してると光らない。

スマホで録画してると光らない。

その部屋だけなので目の病気とは思えない。

オカルトって全く信じてないのだけど、怪奇現象の部屋に当たるのは人生で2回目なのでもしかしたら幽霊みたいなのがいるかもと思うようになった。

引っ越しするの面倒くさ。

ASD生きづらい

子供が二人ASDで、たぶん自分もそうなんだと思う。

例えば、よく、なにか失敗したりしたときかに、妻や上司

はいじゃねーよ」と詰められる。

興味が無さそうにみられるし、反省して無さそうにみえるらしいる。

「俺になんかようか」

みたいな感じでヤンキーに絡まれる。

知らず知らずのうちに、他人凝視してたりするんだと思う。

生きづらい。

2024-10-31

anond:20241031110612

おめーな、

俺の言ってるような三流アイドル動画見て来いよ

若い肢体のダンス以外に何の価値もない感じのコンテンツだよ

あれの消費者は画面凝視して踊りと体を見てるよ

から歌なんか極論いらねえしせめて生歌はやめろって感じ

あと乳がでかいのはあまりいない

なんでかしらんけどな

乳がでかいと別の場所で売れるからかもな

2024-10-26

利用規約禁止事項もよんで記事を書いたんだが、ban されてしまった。

「〇〇の見分け方」の記事ハラスメントにより消えた後で以下のような記事投稿して、アカウント一時停止の通知が3時間後に来た。

インフォメーションチームから利用規約に反しなければ公開してもいいといわれたので、書いた文章晒してみようと思う。なお、一部分は当該属性の人を傷つける可能性があるので引用の部分以外は伏字にしてあります

このたび、XXXX年XX月XX日までにFINAL FANTASY XIV, The lodestoneで確認されたお客様行為が、以下の禁止事項に該当すると判断いたしました。

停止期間:翌0時より3日間

ファイナルファンタジーXIV禁止事項

ハラスメント行為

卑猥わいせつ表現

ファイナルファンタジーXIVに関連する利用規約については、以下のURLをご参照ください。

https://sqex.to/x5y

そのため、該当箇所を削除し、お客様ファイナルファンタジーXIVの利用を一時停止いたしました。

「〇〇の見分け方」という記事がなぜハラスメントなのか

「〇〇の見抜き方」という記事運営禁止事項によると「その他、他者に深く精神的苦痛を与えると一般的に見なされている行為」に該当するようだ。

環境ハラスメントでは就労環境と書いてあるが、これはゲームに置き換えても成立し、ゲーム自体を阻害するものとなる。これにはチラシや記事も含まれ、当該記事によって〇〇に対するアプローチも当然増えることになる。

労働者の意に反する性的言動により労働者就業環境不快ものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。

 一般的には意に反する身体接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得ます

継続性または繰り返しが要件となるものであっても、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」または「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、就業環境が害されていると判断し得るものです。

また、男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当です。

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/danjokintou/dl/120120_05.pdf

〇〇は一般的弱者××によるアプローチ――話しかけたり、デートに誘うことを非常に嫌う。例えば社会的地位の低いものコミュニケーション能力運動能力が低いもの年収の低いもの容姿が優れていないものの行動は容易にセクハラ判断やすく、そうでないもの――スパダリという――はセクハラ判断しにくくなる。もちろん、スパダリであっても、アウトなラインはあるがデートに誘ったり、話しかけたりするだけではアウトと判断されることはない。

そして人間客観的自己判断感覚内省出来ない。具体的には「ある行為セクシャルハラスメントか否か?は行為自体ではなく相手属性に大きくバインドされる」という事を認識出来ないのだ。

実証的な研究を幾つかあげると、2009年ニュージャージー州において女子大学生128人が、架空男性プロフィール説明されオンラインデート上でメッセージのやり取りをしたところ、「オンラインハラスメント」に対する女性の耐性の最も強力な予測因子は、架空男性の魅力と社会的地位であったという。

勿論オンラインだけでなく現実空間においても、このような「女性男性言動ハラスメントを感じるか否かの最も強力な予測因子は男性属性である」傾向は示唆されている。アメリカにおいて平均年齢28.11歳の女性1277人に対して「見知らぬ人からの望まない性的注意を受けた事があるか?」「見知らぬ人からキャットコール凝視された経験はあるか?」とのアンケートに加え、それが起きた時の相手の肉体的魅力・人種・年齢、場所、時刻等の17コンテキスト提示した。そのうえで女性がこうした経験を心的外傷を伴うハラスメントとするか、楽しい体験とするか判断する主な要因は「肉体的魅力」「年齢」「人種である事が判明した。

また別の研究では女性医学生ロックスター等の職業的地位の高い男性による嫌がらせ想像したときの動揺が最も少なく、清掃員や建設労働者等といった職業的地位の低い男性による嫌がらせ想像した時に最も動揺する事が示唆されている。(David Buss & Jennifer Semmelroth 1994)

これらの研究をまとめて換言すれば「弱者男性存在自体ハラスメントである」ということになるだろう。

https://note.com/beatangel/n/n037e20cb8ef2

だが、出会い厨弱者××ほどなりやすく、

所謂非モテ男性」が彼女を作る方法又はセックスを獲得する方法はあらかた答えが出揃ってしまった。それは雑にまとめれば

女性恋愛アドバイスを真に受けてはならない

・とにかく試行回数を稼げ

自由恋愛市場において相対的強者を独占する事は出来ない

の3原則が基本となっているだろう。

https://note.com/beatangel/n/n357d72ea787d

弱者××に対し、積極的アプローチを推奨する記事が出てしまった以上、これらのアプローチをする人は弱者××と判断されやすくなり、アプローチすること自体セクハラなってしまった。

以上のことにより「〇〇の見分け方」という記事を読んだ弱者××がff14の〇〇と思われるプレイヤーセクハラをすることは容易に想像でき、コミュニティチーム目線だとセクハラを誘発しかねないので、当該記事を書いたプレイヤー処罰したものと思われる。

なお、このルール自体が望ましいかは別問題で、現実でも労働法セクハラ防止義務を定めたり、男女雇用機会均等法セクハラ防止の義務労働者経営者に設けたりしているが、平等性や法適用平等観点からして異論があるのは事実である

興味がある人は「国家試験のためのよくわかる憲法」「国家試験のための行政法」「Vマジック 司法書士 憲法」など解説書があるので、一読するのをお勧めする。

ネットでも「憲法無料テキスト行政書士」など無料記事があったりする。

https://gyosyo.info/%E6%86%B2%E6%B3%95%E3%81%AE%E7%84%A1%E6%96%99%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88%EF%BD%9C%E8%A1%8C%E6%94%BF%E6%9B%B8%E5%A3%AB/

最高裁要件事実民事執行を行うために手引きを 民事裁判教官室、刑事裁判教官室、民事弁護教官室で、公開していたりする。しかも、これがなんとタダである

https://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/sihosyusyu/syusyugaiyou/minsaikyoukan/index.html



この記事を書いた当初は、どこのハラスメント講習でも同じようなことを言われるんで細かく解説することは問題ないと思っていた。

(ある女性講師が「立ち位置を考えないかセクハラになるのです」といっていたのは有名である

だが、処分されたということは何かしらよくない点があるのではないかと思い始め、あるサイト質問をしたところ、以下のような答えが返ってきた。

1.ハラスメントハラスメント

2.お前の考えや文体常識ある人間の書き方じゃねえから

3.お前の文章きもいから適当理由を付けた

4.「〇〇の見分け方」でBANされた奴が出た後でそのような解説をする奴がいるか空気を読め。

かにどれもありそうな答えではあるし…

「〇〇の見分け方」という記事通報したきっかけもこのような感じだったと聞く。

やはり、俺はコミュニティチームや大多数のff14プレイヤーからすると異常者側の人間なんだろうか…?

かに

――GMサポート業務について、いわゆる“監獄案件”で印象に残っていることなどがあれば差し支えない範囲でお聞かせいただけますか?

モルボル氏 印象に残っている案件はいろいろなものがあります個別案件についてのお話は控えさせていただきますが、いわゆる“監獄案件”と呼ばれる、GMが関わるような懲戒処理の大半は人間関係もつれによるものです。これまで長いこと『FF14』でゲームサポートを行ってきましたが、GMから注意を受けたとき改善しようとする人としない人が明確に分かれてくるなあ、と感じております

現在は「あなた活動は周りの方を何らかの意味不快に陥れているので、言動を顧みてほしい」ということで指導を行うことが多いのですが、多くの場合改善していただける一方で、それを受けて改善しようとしない人は「(GM側のポリシーがどうであろうと)どこまでならOKなのか?」と探るようなリアクションをする傾向があります。「どうしたら周りに迷惑をかけないか?」ではなく「どうすればペナルティを受けないか?」という点にフォーカスしてしまっているので、そういう方は再び同じようなトラブルを起こしやすいです。

また、「言ってくれなきゃわからない」「自分発言のどこが暴言なんだ」というような発言をする方もいらっしゃいますが、その一連の発言の中に暴言が含まれているパターンもあったりします。



みたいな傾向はあり、法律を扱う仕事――弁護士司法書士裁判官行政書士土地家屋調査士検察官警察官などはラインを探ったり、GMみたいな仕事をしていたりして、プレザンス事件みたいなことをやる人もいる

おかしいじゃないですかむしろそこからでしょ。

スタートはそれダメでもトライしてじゃあこういう形でやってみますだったらまだ分かりますけれど、あなた場合いきなりその学校法人の貸付だっていう前提で話してるように聞こえるのね。

それって、普通の人が通る行為としておかしいでょ。

はなからあなた社長騙しにかかっていったということになるんだけど、そんなことする普通

いや、そうじゃありませんか。

しないね

普通でなんでそんなことしたの。

https://www.youtube.com/watch?v=MWCbbCePu4Y



プレザンス事件場合伊藤塾刑事訴訟法の古いテキストには被疑者には受忍義務があり、多少の威圧的言葉も取り調べには必要なのでと書いており、被疑者ノート存在やある検事郵便関係事件証拠捏造したりして、アウトなラインが時と場合によっては変わるので、ラインを探らないと検察官として必要仕事はできない。

行政書士だと入管審査基準を読めばある程度はわかるが、それでもわからない場合は調べたりしなければならず、調べて分からない場合入管メールなどで聞いたりするので…。

どうしてもラインを探る癖がついてしまうことがある。そして、ガチトラブルを起こすことがある。たとえば、プレザンス事件だと引用のようなことをしたせいで国家賠償事件に発展し、証拠捏造した検事も何かしらの罰を受けた。司法書士弁護士セクハラパワハラで同僚を自殺させたり、横領する人もたまにいるし、行政書士入管違反虚偽申請で捕まることがある。あと、高橋雄一先生福永克也先生みたいに名誉棄損の判例を熟知し、同定可能性の要件を満たしつつ名誉感情侵害を繰り返している弁護士もちらほらいたりする。

俺も◯◯書士の仕事をしており、仕事上はトラブルを起こしたことはないが、職業病のせいもあってかついついラインを探ってしまう。

やはり、俺はコミュニティチームのトップであるモルボルが言うように異常者のようだ。

コミュニティチームの処分理由文章内容が一致してないので、念のため再調査を求めたが、覆らなかった。

教訓

ライン何となく理解できても具体的に書かないほうがいい。

運営ラインを探るような行いを嫌う傾向にあり、ラインを探る=異常者と考えている。

特にセクハラがらみだと禁止規定にも凶悪犯罪と同じ扱いをすると解釈できるようなことが書いてあり、

ハラスメント行為」は、他者に深く精神的苦痛を与える言動を指します。基本的に「サービスアカウントの一時利用停止」以上のペナルティが科される、非常に重い禁止行為です。

これは、チャット(クイックチャット、マクロ、エモートなども含みます)、マーカー、コメント名称など、すべての表現できる箇所において禁止されていますキャラクター名に関しては、姓名にまたがってハラスメントに該当するフレーズ形成されていたり、反対から読むと意味が成立するようになっていたりする場合などもハラスメント行為とみなされます。また、集団における行為場合、関与した全員がペナルティ対象となります

ファイナルファンタジーXIVで、ハラスメント行為判断するガイドラインは以下のとおりです。

人種国籍思想性別性的指向・性自認に基づく差別的表現

国家宗教職業団体などへの差別的表現

卑猥わいせつ表現

過去事件犯罪に関する内容を用いて精神的苦痛を与える行為

ストーキング行為

現実世界出会いなどを目的として自らの連絡先等を公開・開示等する行為

許可なく他者の連絡先等を公開・開示等する行為

・その他、他者に深く精神的苦痛を与えると一般的に見なされている行為

https://support.jp.square-enix.com/faqarticle.php?kid=68216&id=5381&la=0&ret=rule



間接証拠ハラスメントをしているであろうとうかがわせる証拠)でも処罰し、逆にフラッシュ暗算VCなどほとんどのツールに関しては間接証拠では処罰しない傾向にある。

そして、コミュニティチームのトップであるモルボル空気が読めない人間常識がわからない人間が大嫌いである。

空気を読みましょう。

「◯◯の見分け方」が消された後に「「◯◯の見分け方」がセクハラ理由」を投稿したら、空気が読めないやつという理由で即消される。

2024-10-24

初めて全裸オジサンを見た

昨日の帰り道のこと。

仕事が終わって、ちょっとだるい気持ちでいつもの道を歩いていた。

もうすっかり日が暮れていて、最近は日が沈むのが早くなったよなぁなんて考えながら、閑静な住宅街をぼーっと歩いていたんだ。

そしたら、ふと向こうの方から人の気配がして、なんとなく視線をそっちに向けた。

で、その瞬間、私は完全に動けなくなった。

「え、ちょっと待って、今見間違えたかな?」と自分の目を疑った。

だって、その人、全裸だった。

普通の歩幅で堂々と歩いてくるのは、40歳を超えたぐらいのおじさん。

その人がどんどんこっちに近づいてくる。でも、服を着ていない。いやいやいや、そんなわけないでしょ?と心の中で叫びつつ、パニック状態でしばらくその場に立ち尽くしていた。

体が石みたいに硬くなっちゃって、どうすればいいのか分からないまま、その全裸おじさんを凝視してた。

頭の中はもう混乱しっぱなし。全裸のおじさんなんてそんな存在、本当にいるの?って思ってドキドキしてた。

だって今までは都市伝説とかネタの類だと思ってたんだ。

あの瞬間、私は現実感を失ったような気がした。

おじさんは、まるで何事もなかったかのように私の横を通り過ぎていった。

私の存在なんて完全に無視して、ただの通りすがり普通の人みたいに。

それがまた怖かった。おじさんはどこから来て、どこに行こうとしていたんだろう?

誰もいない暗い住宅街で、あの謎の全裸おじさんが通り過ぎた後、私の心臓バクバクして、冷や汗が背中をつたっていた。

その晩は、家に帰っても全然眠れなかった。

お布団に入って目をつむっても、あのおじさんの姿が頭にこびりついて離れない。

窓の外でガサッと音がするたびに「まさか、また全裸おじさんが...?」って思っちゃって、余計に怖くなる。

でも、不思議なことに、怖さと同時に何かドキドキするような興奮も感じてたんだ。

まるで都市伝説現実のものとなって、私だけがその「非日常」をちょっとだけ体験したみたいな感覚

そんなこと、今までの人生で一度もなかったから。

実際あの全裸おじさんを見た後から、なんとなく世の中の見方が変わった気がする。

もしかして、世の中にはまだ知らないことがたくさんあるんじゃないか?っていう風に。

全裸オジサン実在するなら、ドラゴンとか、ラピュタなんかも、もしかしたらどこかに存在してるんじゃないか?ってそう思えるようになった。

考えすぎかもしれないけど、そう考えるとなんだかワクワクしちゃうんだよね。

私の中であの全裸おじさんは、現実と夢の境界線を揺らすような存在として、いつまでも記憶に残り続けるんだろうな。

2024-10-21

https://ff14net.2chblog.jp/archives/61882227.html

でいわれるように「女性の見抜き方」がなぜアウトになったのか。

それは簡単なことで、サポートガイドラインルール

ハラスメント行為

ハラスメント行為」は、他者に深く精神的苦痛を与える言動を指します。基本的に「サービスアカウントの一時利用停止」以上のペナルティが科される、非常に重い禁止行為です。

これは、チャット(クイックチャット、マクロ、エモートなども含みます)、マーカー、コメント名称など、すべての表現できる箇所において禁止されていますキャラクター名に関しては、姓名にまたがってハラスメントに該当するフレーズ形成されていたり、反対から読むと意味が成立するようになっていたりする場合などもハラスメント行為とみなされます。また、集団における行為場合、関与した全員がペナルティ対象となります

ファイナルファンタジーXIVで、ハラスメント行為判断するガイドラインは以下のとおりです。

・その他、他者に深く精神的苦痛を与えると一般的に見なされている行為

https://support.jp.square-enix.com/faqarticle.php?kid=68216&id=5381&la=0&ret=rule

と書いてあり、厚生労働省環境ハラスメント定義にはこう書いてある。

労働者の意に反する性的言動により労働者就業環境不快ものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。

 一般的には意に反する身体接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得ます

継続性または繰り返しが要件となるものであっても、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」または「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、就業環境が害されていると判断し得るものです。

また、男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、

被害を受けた労働者男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当です。

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/danjokintou/dl/120120_05.pdf

これをゲーム内に当てはめると

プレイヤーの意に反する性的言動によりプレイヤー環境不快ものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどそのプレイヤーゲームする上で看過できない程度の支障が生じることです。

となる。

女性の見抜き方」の記事言及されているのは女性であり、女性被害者の場合女性基準判断するとなる。

女性一般的スパダリでない男性からデートの誘いをセクハラ判断やすく、出会い厨と呼ばれる人は一般的弱者男性が多いとされている。

https://note.com/beatangel/n/n037e20cb8ef2

そして人間客観的自己判断感覚内省出来ない。具体的には「ある行為セクシャルハラスメントか否か?は行為自体ではなく相手属性に大きくバインドされる」という事を認識出来ないのだ。

実証的な研究を幾つかあげると、

2009年ニュージャージー州において女子大学生128人が、架空男性プロフィール説明されオンラインデート上でメッセージのやり取りをしたところ、「オンラインハラスメント」に対する女性の耐性の最も強力な予測因子は、架空男性の魅力と社会的地位であったという。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19030980

勿論オンラインだけでなく現実空間においても、このような「女性男性言動ハラスメントを感じるか否かの最も強力な予測因子は男性属性である」傾向は示唆されている。アメリカにおいて平均年齢28.11歳の女性1277人に対して「見知らぬ人からの望まない性的注意を受けた事があるか?」「見知らぬ人からキャットコール凝視された経験はあるか?」とのアンケートに加え、それが起きた時の相手の肉体的魅力・人種・年齢、場所、時刻等の17コンテキスト提示した。そのうえで女性がこうした経験を心的外傷を伴うハラスメントとするか、楽しい体験とするか判断する主な要因は「肉体的魅力」「年齢」「人種である事が判明した。

https://www.researchgate.net/publication/225564287_Context_Effects_on_Women's_Perceptions_of_Stranger_Harassment

また別の研究では女性医学生ロックスター等の職業的地位の高い男性による嫌がらせ想像したときの動揺が最も少なく、清掃員や建設労働者等といった職業的地位の低い男性による嫌がらせ想像した時に最も動揺する事が示唆されている。(David Buss & Jennifer Semmelroth 1994)

これらの研究をまとめて換言すれば「弱者男性存在自体ハラスメントである」ということになるだろう。

https://note.com/beatangel/n/n357d72ea787d

所謂非モテ男性」が彼女を作る方法又はセックスを獲得する方法はあらかた答えが出揃ってしまった。それは雑にまとめれば

女性恋愛アドバイスを真に受けてはならない

・とにかく試行回数を稼げ

自由恋愛市場において相対的強者を独占する事は出来ない

の3原則が基本となっているだろう。

したがって、当該記事弱者男性によるデートの誘いを誘発しやすく、女性ゲームプレイ妨害するものとなるので、環境ハラスメントに該当する。

から、この記事を書いた人は悔い改めるしかないのだ。

むろん、ルール妥当自体を問う道もあるが、このようなことを言えば、反省されていないと判断され、さら苛烈処罰を受けることになる。

2024-10-17

女性凝視する理由

女性不快になってもらいたいからだよ

そんなのもわかんないの?

つま先から頭まで舐め回すように凝視してずっと目を見ていたい

2024-10-14

痴漢未遂)に遭って思うこと。

その日は彼氏デートだったので、めかし込んでいたわけであるが、如何せん、デート先が中華街だったものでしこたま食べてしまって腹が苦しかったわたしは、帰りの電車は座って帰ることを切望していた。

この時間帯ならガラガラであることは知っていたので、予想通りのガラガラ電車に乗りこみ、わたし椅子に座って帰路についた。

満腹感と電車の揺れが、朝から歩き回って疲弊した身体に心地よく、睡魔わたしを襲う。その睡魔にあらがえずにうとうと、と船をこぐ。

まどろむ感覚が心地よいが、完全に意識を手放す醜態公衆面前晒すわけにはいかなかったので(これは自分プライド美学問題)、なんとか意識を持ち堪えていたときのことである

三人がけの椅子の右端に座っていたわたしは、左端に男が座ってきたことを視界の端で認めた。

 いつもなら人が近くにいることを認識したら、あとはもう何も気に留めないのだが、この日ばかりは違った。

男が、定期的にこちらを向いてくるのが分かったかである。じと、と嫌な汗が首筋を伝った。その嫌な感覚に眠気はぶっ飛び、頭は完全に覚醒する。

スマホを弄ってネサフをして気付いていないフリに努めていたが、明らかに男はこちらを何度も凝視してくるばかりか、柔軟のようにして、身体こちらに向けてくるのがわかった。流石にきもちが悪い……と警戒心を強めた。

しばらくして男が「眠気のために身体が揺れる」演技をしだしたのがわかった。

 何故か演技と断定するのかと言われたら根拠には薄いかも知れないが、電車眠いのを我慢してるときって、身体の揺れって電車の進行方向と逆に体を戻そうとするよね?少なくともわたしはそうだ。

だって重力慣性の赴くままに船を漕いでたら、そのうち車内をスピンしていく羽目になるだろうから怪我したくないから、眠るのを我慢しようとして、眠くても意識的に大きく身体を起こしたり姿勢を正したりするはずだ。

しかしながら、男にはそれが見られない。こちら側のみに身体が揺れるのを繰り返しながら、地味に距離が近寄ってくるのだ。

となると、「あ、こいつ停車の勢いにかこつけて胸に飛び込めるように距離をはかってきてる」となんとなく予想がつく。

肌がピリつくのがわかる。こいつが仕掛けてくるのは一駅後か、二駅後か。ただらぬ緊張感だが、わたしは努めて冷静を装った。

かいにすわるお姉さんが不安そうにわたしを見ている。確かにこんなやついたらそんな顔もするよね、と思う。思っているだけで逃げないのは、過度な緊張感のせいで、「席を移動する」という択がすっぽり頭から抜け落ちていたのだと今にして思う。

そして一駅後、停車のタイミングより一拍おくれて男が倒れ込んでくるのがわかった。

瞬間、わたしは男に対して背中を向け、膝を抱えるようにして限界まで身を小さくした。

 胸、もしくは膝にダイブされるくらいなら背中にぶつかるほうがマシだと感じたし、男のダイブが避けられるなら御の字だと思ったからだ。

 ──男の頭はわたしの抱えた膝のわずか数センチ横を横切り、そして椅子から転落した。

まりの近さに「うっっっわ!!」と叫んでしまったが、それよりもガッドン!!といった鈍い衝撃音もなかなかインパクトがあった。たぶんひっくり返ったから、後頭部から床にダイブしたんだろう。あまりの勢いのよさと痛みに男が足元で呻いている。気持ち悪い。

かいのお姉さんがドン引きしている。そのやや離れた位置に座る男性ドン引きしている。わたしドン引きしている。だって足下やぞ。

男はふらり、と立ち上がった。

ふらふらした足取りは、演技なのかガチなのか。判断がつかないが、向かいのお姉さんのほうへ男がたたらを踏んだ。おいまじか。「ヒィ…」とお姉さんが小さく悲鳴をあげながら、首をすぼめて男の手から逃れようとしていた。

最終的にお姉さんの後方にある窓へ手をついた男は、そのまま無言でふらふらと降車した。

 心臓がバックバクと早鐘のように鼓動している。

かいのお姉さんと男性と目が合う。二人とも強張った顔をしたいた。たぶんわたしも似た顔をしてるだろう。

張り詰めた空気感は、男が降車した直後に扉が閉まり、発車したことで少し和らいだ。ふう、と大きく息をついたことで、失っていた冷静さを取り戻そうとする。

彼氏や男友達、あるいは弟と一緒に居るときにはこんな珍事には遭遇しない。したことがない。決まってエンカウントするときは一人だ。

第三者から見ても知人だとわかる男がいる女には、エンカウントしてこないんだろう。選んでやってるんだろうな。──とわたし辟易とする。

 経験上、白い肌のヒョロガリの男がエンカウントしてくる。今回もそうだった。

体型に恵まれていない男性でも勝てると思って、女性ひとりを狙ってきているのだろうか。

ばかやろう、こちとらパチンコ台抱き上げられる怪力女だぞ!などと胸中でひとりごちていたのだが、ある種の現実逃避だ。直接的な被害はなかったとはいえ、流石に胸に燻るなんとも言えない不快感は消せなかったからだ。

まあ、つまるところ、これを機にボクシングでも習おうかと思って近くのジム体験を申し込んだ。

変質者のソロ討伐出来ないときついな、と思ったのもあるけど、今後ソロ討伐の機会がなくとも、それを習うことによって得られるスキルなどは有益になると思ったからだ。

自衛できるように、手段知識があるに越したことはないだろう。備えあればなんとやら、だ。

しかしながら、備えることの大切さを実感したとはいえ、あのジットリとした嫌な緊張感は不快だった。

全神経を逆立てて警戒するのは、想像以上に精神が摩耗する。自衛のために常在戦場の心構えで警戒しろ、というのはいささか不条理ではなかろうか。そんなの常人ならば耐えられまい。

ただ、警戒することな日常を送りたいだけだ。戦場でもあるまいし、兵士でもないのだから

この日常スパイが紛れ込んでいて、いつ襲われるかわからない!なんてハラハラ感を日常に求めているわけではないのだ。

 性別関係なく「兵士のように精神をすり減らしながら警戒することな日常をおくれる」ということこそが、モラルある人間の成せるものではないだろうか。それこそが正常な人間の営みだと思うのだ。

どちらか一方に配慮負担を強いるのも、理性ある文化的人間的な営みとは言い難いとは思う。

人間モラルが欠如しているというか。人間的に相互に思いやる気持ちがあれば、世界バグを少しでもデバッグできるんじゃないかと思うが、どうやらそうもいかないらしい。ああなんて素晴らしき現世、やってらんねーな。

嫌なエンカウントから思う愚痴が思ったよりも壮大になってしまった。

少なくともわたし自身デバッグ出来るように、他者に思いやりのある人間でありたいと望むが、悪意がある限りは今回のように意図を持って回避、あるいは悪意を返すのだろう。南無三。

2024-10-12

カフェで何か書いてる一人客のおじいちゃんが気になる

ドトールカフェクリエでたまに遭遇する、手書きで何かを書いてる一人客のおじいちゃんが地味に気になる。

書くための道具は人それぞれで、高橋手帳だったりコクヨノートだったり四つ折りにしたコピー用紙だったり、鉛筆だったりボールペンだったり、消しゴムだったり修正テープだったりする。

どれも使い込まれていて、お気に入り文房具なんだな、というのはなんとなく伝わってくる。

本や新聞文章を書き写している人もいれば、手帳マンスリーページに予定を書いてる人もいる。

かと思えば紙が真っ黒になるくらい何かを書き殴っている人もいて、その「何か」が分からなくていつも手元を凝視したくなる。

モーニングを食べながら、コーヒーを飲みながら、買い物中の家族を待ちながら、おじいちゃんはいつも何かを書いている。おそらく誰にも見せることはなく、自分のために書いている。

誰かカフェで何かを書いてるおじいちゃん取材して、統計をとって、このどうってことな日常の謎を解明してくれないだろうか。

2024-10-04

anond:20241004112857

自分理屈優先で他人凝視して嫌がるほうがおかしい扱いしてるけど、正直それ自閉症スペクトラムかなんかでは?

男児から普通当たり前の感覚として本人や家族は思っているけど実は典型的発達障害問題行動であるケースは多そうだ

発達障害支援施設のページに"発達障害のあるお子さまの「性的問題行動」の事例紹介 · ケース1. 電車の中で女性凝視してしまう"なんて例が載ってるぞ

2024-10-01

anond:20241001200242

バブル経済崩壊のちょい後にどっかの山中混浴温泉に同期のバイク乗り仲間と入浴しに行ったことがある

目指して行ったわけでなく、たまたま通りかかった温泉にそんな浴場があり、他にちゃんと男女別の浴場もあったが、せっかくだからというので混浴露天風呂のほうに入浴してみた

プールみたいにだだっ広く白濁してる湯もごくぬるい、まぁわざわざ見られるためにこっち入って来る女性もおらんわなぁ、人生に一度だけ話のネタとして体験しとくのもいいか…と、やたらたくさん入浴している自分も含めた男どものから出ている半裸を見るともなく眺めていたら、

ホントに女が入って来た!!!

しかも男といっしょ、つまりカップルで…

楽しそうに連れの男と笑顔で入湯してきたその女性だが、あまりにも先に入湯していた周囲の男どもがニヤニヤと遠巻きながら凝視しているので、数分もせずしてしかめっ面で退出してしまった

2024-09-30

無性にジャンガレが食いたくなった。

山岡屋とともにずっと気になってはいるけれど、どちらも絶妙アクセスが悪い。車も乗らないし。

日常重力というものは中々強くて、行動圏内を逸脱するのにラーメン屋だけではちょっと弱い。そのためだけにわざわざ足を伸ばすのもなんだかさもしいお出かけに思える。

でも普段のおれの過ごし方も大概だ。

頭に浮かんだ単語自分でこねくり回す事もせず、SNS検索ボックスに放り込む。そこに出る他人がまとめた言葉に乗っかって、何かを考えたような気になる。もしかしたらコミュニケーションをした気になってるのかもしれない。何度も同じ言葉検索したりもする。

反復の日々の中で内容を変化させる刺激もなく、何度も同じ話を繰り返す老人と同じだ。

更新など来てないだろうと分かりながら、YoutubeTVerWeb漫画サイトをぐるぐるローテーションしたりもする。それにも飽きたら過去面白かった回を見たり。同じ回を何度も繰り返し見ていれば味もしなくなってくる。

それか、変わり映えしない手癖でギターを弾くか。頭の中で漂う音を取り出したいが、ろくに技術もない。そのためのセオリーを知ろうと知識検索まではするが、頭に入れようとはしない。開きまくったタブを閉じるのもなんだか惜しくて、ブラウザの隅にグループにまとめられたまま。埃でも積もれば少しはやる気にもなったのかもしれない。

こんな過ごし方なら出かけた方が少しはマシかもしれない。

週末、ジャンガレへ向かう決意をした。

山岡もついでに行きたいが、微妙場所がズレている。まあ折角出かけるのだから両方回ってやろう。

と思っていたが、ベッドでダラダラ過ごしていたら出発時間がズルズル延びていく。

結局山岡家は諦め、比較アクセスのマシなジャンガ新所沢店を目指す。

縦の移動を滅多にしないので気付かないが、埼玉は意外と近い。国分寺から西武に乗り換えればすぐだ。

近場でも県を跨げばなんだか旅行気分になる。それが移動の楽しさでもあり、億劫さを生じてもいる。

国分寺線は車内に電子表示がないらしい。イヤホンつけてスマホ凝視している現代の陰気人間に対して実に優しくない。Yahoo路線googleマップ現在地を神経質に確認しつつ、新所沢駅へと降り立つ。

西友と一体化した駅のロータリーは、郊外平均の生活感漂う趣。決して高円寺やそこらの「生活感」ではない。

都心に住んでる者には田舎郊外に住む者には日常光景ガチ田舎に住む者には割と都会。寂れはせずとも活気もない風景は決して気分の上がるものではない。

ジャンガレを目指し脇の通りに出ると飲み屋が並ぶ。町の息づきを隠しやがって、と思うのも束の間、スタスタ歩いているとそれも一瞬で過ぎ去り国道沿いへと放り出される。歩道車道曖昧さに少し田舎さを感じる。いやむしろ駅に近いからか。

コンビニファミレスか、塾やら車屋やらブックオフやらが点在する、ネットバカにされがちなあの光景

中高生の頃もほっつき回れる範囲は「コレ」か住宅外の二択だった。

晩飯までの時間制限はそのまま距離制限になる。電車あっちこっち行くような金もない。楽しげな景色は全て画面の向こう側だったな。せめて河川敷でもあれば良かったのだけど。

歩行者マイノリティのそういう道を歩く度、当時の事を思い出す。目に入る情報が少ないと意識自分の内に向きがちなのかもしれない。今も昔も。

ジャンガレは駅から離れるとすぐに見つかった。

小綺麗で小さめの店内にもう一軒ラーメンの入った、二店舗だけのフードコート形式

卵なしまそば(790JPY)の食券を購入し、受け渡し口へ。

トッピングを聞かれ、慣れた風にニンニクWとだけ。

店員のおばちゃんの声色と表情が「それだけでええんか……?」的な雰囲気を漂わせる。

別にいいだろ。おれは口の中の味が少ない方が好きなんだよ。

何やらメニュー表の写真を指差しながら説明しているが、ここで掌を返せば自分が不慣れのようではないか。実際不慣れなのだから何ら恥じることはないのだが、意地になってロクに確認もせず「それで大丈夫です」で通す。

そこまで言うからにはよほど質素な素ラーメンが供されるのではないかと若干怯えつつ、10秒程度の駆け引きを済ませる。フードコート特有のブーブー鳴るアレを渡され、テーブル席へ陣取る。

すぐさま脳内自分反省回を開く。おれのトッピングは変だったのだろうか。

数m先のメニュー表を確認することなく、インターネット無料トッピング情報を探る。

ニンニク。入れた。

エビマヨチーズ。いらん。味がゴチャゴチャする。

ベビースター。いらん。カリッとしたもんをわざわざふやかすのは嫌いだ。

辛味。まあ初回だしいらんだろう。

あ、アブラを入れ忘れてた……

まあ致命的なミスはなかろう。

スマホを置き店内を改めて見渡すと、数割の埋まり具合といったところ。

若者連れ、ご婦人ペアソロ中年男性

二郎(系)特有の窮屈で急かされてるような雰囲気はない。もう一軒普通(?)のラーメン屋も入ってるしな。

これを求めてたんだよ。家で手間をかけることもなくゆったり食える。

二郎は好きだけどあのガツガツした空気は嫌いだ。早食い美徳とも思わない。回転率とか店の都合だし 。

ナイトホークスとまでは言わないが、郊外の週末夕方の気怠い空気が心地よい。

地元の店といった趣はむしろアウェイ感すら抱かせるほどだ。

時間がゆったりと流れるような感覚。でも給水器の水の出がやたら遅かったのは多分気のせいではない。

呼び出しのブザーが鳴る。

ネット確認して尚も素ラーメンが出てくるのを若干恐れつつ、受け取りへ。

なんだ、ちゃん二郎系の姿をしてるじゃないか

受け取り口脇で紙エプロンが目につく。周りに目を遣ると着けてる奴はいない。こういう時、なんかお上ぶってるみたいで使うのが恥ずかしい。だが、週末のお出かけだしと着てきたお気に入りの白シャツは守りたい。

と悩んでいると、店員から「よければ紙エプロンどうぞ」の声が。渡りに船。まあ、勧められたなら使っといてやるか。

席へ戻る。卓上のカエシを垂らし、ヤサイを除去するように喰らう。コショウをドバドバ振り撒いてブタを喰らう。ニンニクをかき混ぜて麺を喰らう。

うまい。濃くてうまい。味がしてうまい

他の二郎系と何が違うのかはよく分からんけど、かねてから実行しかねていた欲求をきちんと消化し、しかも美味いのだ。何の不満があろうか。

と、汁がシャツの裾に飛ぶ。ちょうど紙ナプキン範囲外へ。

一気に萎える。

コップの水を紙ナプキンに浸して拭うが、薄まりもしない。

シミ抜きめんどくせえな。忘れないようアラームをつけ、自分で抱えてると気の滅入る記憶を外部委託する。

最後の一啜りを慎重に済ませ、退店。

まだ7時頃だかすっかり日も暮れた。もう夏も終わりか。

道路沿いで光り輝く塾の中でガキ共が勉強してやがる。こいつらは幸せなんだろうか。幸せになれるんだろうか。まあおれの知ったことではない。

完全に一服の口になってきたので、googleマップ喫煙所を探す。駅前タバコ屋があるらしい。

喫煙所のある街は良い所だ。目に楽しい街は傾向的に大体パブリック喫煙所が設置されている。寛容さとか、そういう抽象的な理屈じゃなく。

プライベートサービスの灰皿があるだけとなると、ギリギリ及第点といったところか。まあそれもすぐ消えゆくのかもしれない。

タバコ屋へに辿り着くと、分煙へったくれもなく灰皿だけが置かれたストロングスタイル

くどいラーメン後の一服は実にうまい。肉体作業でもした後ならさぞ染み渡るんだろうな。まあそんなんしなとも十分満足だ。さて帰るか。

駅でオシッコしようとしたら、トイレは仮設らしい。小×2と大×1の窮屈なボックスが3つ並ぶだけ。駅の規模の割に小さい。ええんかこれで。

スッキリした所で、ガラガラ新宿行きへドカッと座り込む。

このまま新宿まで行ってしまおうか。映画でも観て、バスタ高島屋でボーッと夜景でも眺めたら締まりのある週末だ。

乗り換えるまでの数駅分の猶予で、まあ今日はもういいかなと思った。

車窓の向こうは晩夏か初秋の暗闇。団地とタワマンの灯りだけがかぶ

家までの帰り道、せめてもの抵抗ゲーセン寄ってった。

なんというか、西武線に揺られ所沢に降り立ちジャンガレを啜るという全ての体験所沢感、というか郊外感があったな。非日常にすら感じるほどの、絵に描いたような日常。それに抗うつもりでゲーセン行ったのがむしろ更にそれを強める。

これをいつもの週末にしたくはないなって思いと、そうなりそうな予感があった。

帰ってフロがてらシャツのシミをシコシコ落とす。かったるい。汚れてもいいTシャツで近所をうろつくばかりの日々はもうすぐそこまで来てるのかもしれない。

後日山岡家も行った。

瑞穂店。どこだよマジで

最寄りは箱根ヶ崎かい温泉街パチモンみたいな名前しといて、実態八高線田舎駅。ドアの開閉はボタン式。狛犬ポジションの罪は重い。

駅前ロータリーコンビニけが目を引く。

国道沿いの道は片側二車線で、より歩行者の疎外感が強い。リサイクルショップの掲げる「作業靴買い取ります」の文言に色々な想像を浮かべる。

所沢って結構マシだったのかも。

15分ほど歩き山岡家に着く。駐車場はかなり埋まってる。思ってたほど臭くねえ。

醤油大盛り

店内は金髪ツーブロの兄ちゃん家族連れ。一人者にテーブル席は許されず、肩身の狭いカウンターへ。

しばし待たされ着丼。

啜る。なんなシメ雑炊出汁みてえな味がする。気がする。分からん。濃くてうまい

ニンニクコショウをドバドバ入れると、叩かれがちな壱系とあんまり変わらん気がする。まあ美味いのでいい。

帰りに寄る場所もなく、来た道をそっくりそのまま辿る。

おれの人生から日常はどんどん失われて、着実に「これ」へと染まりつつあるのかもしれない。

2ch脳じみた考えもとっくに薄れてきて、そういう日常バカにする気もあんまりなくなってきた。自分楽しいか、満足してるか、納得してるか。それが全てなんだし。

大して違いが分からなくたって、美味いと思えるものが食えたらいい。

別に美術館図書館デパートも行かない。

から出なくたってネットに色んなものが転がってる。

でも楽しい景色はこの目で見たいし、自分の足で踏みしめたいんですよぇ。

2024-09-23

思えばあれは痴漢だったのか

学生の頃帰省高速バスに乗って居眠りしてたら腹にすごい圧がきてむせた。何事かと思って目を開けたらいつのまにか隣に座ってた中年男性が肘掛けを飛び越して私の足に腕を置いていた。膝が腹を押してたんだな。色気もクソもないオエーみたいな声上げながら飛び起きたら知らないおっさんがこっちを凝視してたのは怖かった。よくフィクションで腹殴って気絶させるやつあるけどあんなのやったら吐かない?今でも定期的に思い出してあのオッサン死んでてくれねぇかと思い出す。

弱者男性弱者女性マッチングして6年が経った

失われた時間

夜9時、カズキが眠りについた後、家の中には静寂が訪れた。

しかし、その静けさの中で、リビングにはスマホの画面をタップする音が断続的に響いている。

夫はソファに横たわり、スマホ操作している。妻もまた、ダイニングテーブル椅子に座り、同じようにスマホ凝視していた。

彼女視線は画面の中のSNSに釘付けだ。友人たちの投稿コメント、次々と流れる他人生活に触れ、時間を忘れてスクロールし続ける。

そこで彼女現実の不満や孤独一時的に忘れられるのだ。

母親として、妻としての役割を一旦棚に上げ、ただ画面の中で過ぎ去る時間に身を任せる。育児という責任はすでに頭の片隅に追いやられ、彼女虚構世界に浸る。

カズキが泣き声をあげても、彼女は反応が鈍い。夜中に子どもが寝室からさな足音を立ててやってきたときも、彼女スマホの画面から目を離さない。

父親は、ちらりと子どもを見ただけで、何も言わずにまた画面に目を戻す。結局、カズキは二人の間に挟まれ、静かにソファに座って彼らの顔を見上げたが、誰も何も声をかけることはなかった。

家族としての絆はもはや形骸化しており、親子の間には実際の対話交流ほとんど存在しない。

ただ、スマホの明かりに照らされる無言の時間が過ぎていく。それはまるで、彼らが現実から逃げるために自ら作り出した、無感情牢獄のようだった。

弱者マッチングの始まり

数年前、彼らが「マッチング」された日のことを思い出す。

政府主導の新たな社会政策が大々的に発表された時、孤立し、結婚を諦めていた弱者男性と女性が、一度に大量にマッチングされ、結婚を促進されるというプログラムだった。

そこには理想未来が描かれ、少子化対策経済的な安定・社会全体の調和を目指すという美辞麗句が並べられていた。

彼女はその時、仕事に追われ、将来の見通しに不安を抱いていた。

孤独生活の中で、社会の期待や周囲からの無言のプレッシャーに押されるようにして、参加を決めた。

彼もまた、社会的に疎外され、職場での孤立感に耐えきれず、希望が薄れていく中でこのプログラムに乗り込んだ。

彼らが最初出会ったのは、淡々としたマッチングイベントの会場だった。まるで品定めされるように、テーブル越しに数分間だけの会話を交わした。

しかし、そこでのやり取りは極めて表面的なものだった。互いに特別な印象を持つこともなく、ただ社会的な期待に応えるための形式的時間が流れた。

彼女は彼に対して特別な魅力を感じることはなかったが、経済的な安定や社会的な孤立を避けるためには「結婚」が必要だという思いに駆られていた。

彼も同様に自分未来に対する不安孤立から、この結婚が何かの救いになるかもしれないと考えていた。

結婚という名の契約

彼らの結婚は、愛情感情的なつながりを伴わないまま始まった。

結婚式は小規模なものだったが、それでも形式的に行われ、家族や親しい友人たちが集まった。

笑顔を作り、記念写真を撮り、社会的には「成功」と見なされた。しかし、二人の間にはほとんど会話がなく、結婚という大きな決断に対する感情曖昧なままだった。

彼らは新婚生活を始めたもの感情的な絆は深まることなく、時間が経つごとにお互いの存在が重荷になっていった。

子どもが生まれることで何かが変わるかもしれないという淡い期待もあったが、実際には彼らの関係さらに複雑にするだけだった。

子どもは彼らの生活に新たな責任をもたらしたもののその責任を共有する意識希薄だった。

互いに育児負担押し付け合い、疲れ切った日々の中で、二人とも現実逃避にスマホ世界に没頭するようになっていった。

崩れかけた家族

こうして、建前だけで作られた家族の絆は、日に日に薄れていった。

子どもが何を感じているのか、何を求めているのかに対して、二人は気づこうとしない。

育児という責任あくまで「社会的な役割」であり、愛情を注ぐことはなく、ただ義務感だけが残っていた。

カズキは、そんな家庭の中で日々を過ごしながら、両親の愛情を感じることなく成長していく。

無言の時間と無関心の中で、彼の心の中に小さな孤独の種が静かに芽吹いていた。

孤独クラスルーム

カズキは5歳になり、ついに小さなランドセルを背負って学校に通い始めた。

彼が通う学校は、政府弱者マッチング政策によって生まれ子どもたちが集まる場所でもあった。

同じように、家庭の中で愛情や関心を受けることなく育った子どもたちが大勢まり学校教室には独特の空気が漂っていた。

教室一見すると普通小学校と変わらない。先生が黒板に向かい子どもたちは机に座り、ランドセルを下ろして教科書を開く。

しかし、そこにあるのは静かな孤独空気だった。クラスメートの多くは、家庭での愛情ケアを十分に受けておらず、どこか無感情で無表情。誰も他人積極的に話すことはなく、ただ時間が過ぎるのを待っているような雰囲気が漂っている。

カズキもまた、その一人だった。教室の隅に座り、他の子どもたちとあまり目を合わせることなく、無表情で机に向かっている。

先生が何かを質問しても彼はただ小さくうなずくか、返事をすることな視線を落とすだけだった。彼にとって学校もまた家と同じように、感情のない無機質な場所になっていた。

クラスの子どもたち

クラスメートたちも同様に、家庭での愛情を知らず、感情を抑圧されたまま育った子どもたちだった。

友達同士の会話はほとんどなく、遊び時間ですら誰かが楽しそうに笑うことはほとんどない。まるで、大勢の子どもたちがそれぞれの小さな殻に閉じこもっているかのようだ。

授業中、カズキ先生の話をぼんやりと聞いているが、心の中では何かが欠けていることを感じていた。

家では両親から十分な会話や接触を受けていないため、彼にとって他人との交流信頼関係の築き方がわからない。クラスメートもまた、同じように孤独存在であり、互いに心を開くことができないため、自然と静寂が教室支配していた。

休みになっても、誰かと遊ぼうとする子は少ない。カズキは、ランドセルの中に入っているお弁当を一人で静かに食べる。誰も彼に話しかけず、彼もまた、誰かに声をかけることはない。彼の周りでは、他の子どもたちも同じように無言で食事をしている。カズキはその無表情な顔のまま、スプーン一口ずつ弁当を口に運んでいく。

カズキの心の中

家でも学校でも、カズキ孤独を感じているが、それを言葉にすることはできない。

彼の心の中には常に空虚さがあり、何かが足りないという感覚が消えることはない。しかし、彼にはその感情表現する手段がなく、ただそれを胸の奥に押し込めるだけだ。

学校友達を作る方法も知らず家では両親と感情的なつながりがないまま育ったカズキにとって、周囲の世界はどこか冷たく、無意味に感じられることが多い。

クラスメートも同様に自分たちの孤独を抱えており、互いに心を開くことができない。

それは、家庭の中での愛情不足が原因となり、感情表現信頼関係の築き方を学べなかった子どもたちに共通する問題だった。

放課後になると、カズキランドセルを背負って黙って帰り道を歩く。

家に帰っても両親との交流は期待できず、ただまた同じ日々が繰り返されるだけだ。

彼の頭の中には、誰とも交わらない日々が続き、心の中にある小さな孤独の種が、静かに大きく育っていくのだった。

カズキ学校では彼のような子どもたちが多数を占めているため、クラス全体がどこか感情のない機械的集団のように見える。

彼らは互いに関心を持つことなく、先生が指示するままに動き、誰も積極的自分意思表現しようとはしない。

孤独感や無力感が漂う教室では、笑顔や楽しさ、友情といった感情希薄で、日常淡々と過ぎ去る。

成長したカズキ未来

カズキは15歳になり中学卒業して高校に進学するか、あるいは早々に働きに出るかという選択を迫られる年齢に差し掛かっていた。

しかし彼の中には将来に対する明確なビジョン目標ほとんどなく、家族との感情的な疎遠さや学校での無感情な日々が彼の意欲をすっかり失わせていた。

家庭環境も依然として冷え切ったままで、両親から進路についてのアドバイスや励ましがあるわけでもない。

父親は今も不定期な仕事を続け、母親も相変わらずパート仕事を掛け持ちしている。

彼らの生活経済的に安定しておらず毎月ギリギリ生活費でやりくりしている。

家族全体が経済的な困難に直面していることは、カズキにとっても避けられない現実だった。

働くことへの不安

カズキ学校での成績も特に優秀ではなく、勉強に対する興味を持つこともなかった。

周囲の同級生たちも同じように、家庭や社会からサポートほとんど受けることなく育ってきたため、将来について真剣に考える者は少なかった。

クラスほとんどの生徒は、進学よりも早く働いて家計を助けることを選ぶか、非正規仕事に流れていくのが現実だった。

カズキもその例外ではなく社会に出ることに対する不安と無関心が入り混じった状態だった。

彼の家族は彼がすぐに働きに出ることを期待していたが、それは経済的理由からであって、カズキの将来を心配してのことではなかった。

両親は息子がどのような仕事に就くかに関心を示すことはなく、ただ「家計の足しになるならそれで良い」という態度だった。

カズキ自身も、将来の夢や目標がないまま、やがては自分も両親と同じように、不安定な職に就いて日々をやり過ごす未来ぼんやりと受け入れていた。彼の心には「どうせ自分は何も変えられない」という諦めの感情が根強く存在していた。

経済的問題現実

成長したカズキ社会に出たとき、彼が直面する最も大きな問題は、まさに経済的不安定さだった。

彼は学校卒業してすぐに安定した職に就くことができず、非正規雇用やアルバイト転々とする生活が始まった。

日本全体では弱者男性や女性社会の周縁に押しやられ、正規雇用に就くことが難しい状況が続いており、カズキもその波に飲み込まれていた。

カズキ収入は低く生活費を賄うのがやっとで、将来的な貯蓄や投資などは夢のまた夢だった。

家賃光熱費、食費、そして時には両親から経済的支援を求められることもあり、彼の手元にはほとんど何も残らない。

彼の労働は、社会必要とされるが正当に報われることのない単純作業が多く、心身の疲労が募る一方だった。

また、カズキ家族から社会からも十分なサポートを受けることなく育ったため、将来に対する不安経済的問題対処する力を持っていなかった。

彼は、経済的問題だけでなく、感情的な孤独自己肯定感の欠如にも苦しみ続け、ストレスが重なっていく。

社会との断絶と孤立

カズキが直面するもう一つの大きな問題は、社会との断絶感だった。

彼は家庭でも学校でも十分な愛情支援を受けられなかったため、人間関係の構築やコミュニケーションに対して強い抵抗感を抱いていた。

仕事でも職場人間関係にうまく溶け込めず、孤立したまま日々を過ごしていた。

こうした孤立感はカズキにとって大きなストレスとなり、結果として職場でのモチベーションパフォーマンスにも悪影響を及ぼしていた。

彼は仕事に対する満足感を得られず、ただ生きるために働くという消極的姿勢に陥っていた。

彼のような若者たち社会全体に増え続けており、同じように家庭環境経済的な困難、そして社会的なサポート不足に苦しんでいる。

多くの人々が非正規雇用に追いやられ、低賃金で働くことを余儀なくされ、将来に希望を見出すことができないまま、現実と戦い続けている。

カズキの早期結婚――無感情未来

カズキは、社会との断絶感に押しつぶされながらも、弱者男性と弱者女性マッチング政策によって20代前半でユウコという女性結婚した。

両者とも愛情幸福を求めることなく、ただ社会の仕組みに従い自分たちの未来に対して諦めを抱いていた。

彼らの結婚生活形式的感情的なつながりは希薄で、ただ「結婚している」という事実けが彼らを繋ぎ止めていた。

ユウコカズキと同様に愛情のない家庭で育ち、社会との接点をほとんど持たない女性だった。

彼女もまた孤独を抱えたまま仕事に就き、カズキとともに経済的不安を分かち合うことなくただそれぞれが生きるために必死で働いていた。

カズキ低賃金非正規雇用に押し込まれユウコもまたパートタイムの仕事を掛け持ちする日々。二人の間に交わされる会話は少なく、家の中には沈黙が漂っていた。

カズキの子ども――犯罪の縁で生きる

カズキユウコの間に早くも子どもが生まれ、彼らはその子を「タケル」と名付けた。

しかカズキ自身経験した孤立経済的困難は、さらに厳しい形でタケルに受け継がれることになった。

タケルは幼少期から十分な食事も満足な環境も与えられずに育った。

家には物が溢れ乱雑なままで整理されることはなく、学校では友達を作ることもできなかった。

カズキユウコはどちらも仕事に追われタケルの世話をする時間がなく、彼は放任されるように育っていった。

タケルが中学卒業する頃にはすでに家庭での居場所を見失い、社会からも完全に疎外された存在となっていた。

彼は学校卒業しても就職先が見つからず、社会の隅に追いやられるようにして犯罪スレスレ生活に足を踏み入れていた。

タケルのような若者はこの時代には増え続けており、彼らは生き延びるために小さな詐欺や盗み闇市場での売買に手を染めていたが、それらすらもうまくいかないことが多かった。

犯罪の失敗と絶望

タケルは盗みや詐欺を何度か試みたが、成功することはほとんどなかった。

彼が属する社会底辺は同じような境遇の人々で溢れており、競争は激化していた。

彼が盗もうとした小さな金品はすでに別の誰かに奪われていたり、詐欺を試みる相手もまた騙され慣れていたりするためうまくいかず、むしろ危険さらされることの方が多かった。

ある日、タケルは仲間とともにコンビニ強盗計画したが、あっけなく警察に察知され失敗に終わる。

彼の仲間の一人は逮捕されタケル自身はかろうじて逃れたものの、失敗の連続で心身ともに疲れ果てていた。

彼は犯罪ですら成功しない自分の無力さに絶望し、社会の中で何の価値も持たない存在だと感じていた。

社会に溢れる「タケルたち」

タケルのような若者は、もはや社会の一部を構成する主要な層となっていた。

経済的な困難や家庭崩壊教育の欠如がもたらす無気力若者たち犯罪に手を染め、失敗を重ねながらもその場しのぎで生き延びていた。

街には、そうした「タケルたち」が溢れ、どこに行っても犯罪が起こりそうな張り詰めた空気が漂っているが、実際には成功する犯罪すら少ない。

仕事の機会は減り、低賃金非正規雇用や闇市場での労働を強いられる若者たち

犯罪に走るがすべてがうまくいかず、どんどん貧困の深みにはまり込んでいく。彼らは家庭でも社会でも愛情を受けることなく、常に孤独無力感に苛まれながら、社会底辺で苦しみ続けていた。

タケルはその典型的な一人であり彼もまた未来希望を持てず、犯罪の失敗と絶望の中で、ただ何とかその日を生き延びるだけの生活を続ける。

カズキが直面した孤立感や経済的困難は、さら悪化し、次世代にわたって連鎖的に続いていた。

弱者男性・弱者女性マッチングの再導入

タケルが20代に入った頃、彼が育った社会には新たな「弱者男性・弱者女性マッチング」の仕組みが再び広まっていた。

この制度は表面的には自由意志による選択として進められていたが、実際には経済的不安社会的な孤立に直面する多くの若者にとって、結婚を通じて「安定」を得る以外の選択肢がほとんど残されていなかった。

政府はこのマッチングを「未来への一歩」「パートナーと共に新たな人生を切り開くためのチャンス」として宣伝し、若者たち積極的に参加を促した。

制度のもの強制ではなく形式的には自由参加であったが、現実的には低賃金非正規雇用や Permalink | 記事への反応(1) | 01:21

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