ノイズ・ミーツ・ガール──沖縄電子少女彩って?
アヴァンギャルド・アイドル&ノイズ・ミュージシャン、沖縄電子少女彩をあなたは知っているだろうか? もともとはアイドル・グループに所属、2017年にソロ活動を開始、ノイズ、アンビエントに出会い、今は自ら楽曲制作も行なっているという彼女。そんな彼女がこの度リリースした2ndアルバム『黒の天使』には廣山哲史(RYUKYUDISKO) 、T. Mikawa、ASTRO、ドラびでお、森田潤、魚住有希、宇川直宏などといったジャンルを跨いだ強烈な面々が参加、全17曲入りのフル・ヴォリュームな作品となっている。…そう、ここまで読んであまりの情報量の多さにクラクラしてこないだろうか? そんな混沌とした作品がどうして生まれたのかその一端に迫るべく、彼女とプロデューサーである中村ハジメに初のインタヴューを敢行した。
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INTERVIEW : 沖縄電子少女彩
アヴァンギャルド・アイドル&ノイズ・ミュージシャンとして活動する沖縄電子少女彩の2ndアルバム『黒の天使』が完成した。本作はノイズ、アンビエントを基調にロックやポップス、ヒップホップ、ジャズといった、実に多彩な17の楽曲で構成。アルバムの随所には、沖縄が抱える様々な問題や戦争へのメッセージも散りばめられている。こんな濃厚なアルバムを見事に表現している彼女は、いったい何者なのか。
聞けば、もともとはAKB48を聴いてアイドルに憧れるようになったという。まだあどけなさの残る、一見どこにでもいそうな明るい少女。そんな彼女がいかにしてノイズと出会い、この強烈なアルバムを作るに至ったのか。彩、そしてプロデューサーの中村ハジメに話を聞いた。まだ19歳になったばかり。この末恐ろしい才能に、とにかく一度触れてみてほしい。
インタヴュー : 前田将博
編集 : 高木理太
写真 : 黒羽政士
雑音も音楽になるんだって思うと、すごくおもしろくて
──誕生日(8月7日)を迎えたばかりとのことで、おめでとうございます!
沖縄電子少女彩(以下、彩) : ありがとうございます! 19歳になりました。
──上京するまで、ずっと沖縄に住んでいたんですか?
彩 : はい。沖縄本島の沖縄市で生まれて、昨年の9月まで沖縄にいました。
──多岐にわたる音楽をやられていますが、もともとはどんな音楽を聴いていたんでしょうか。
彩 : 小学生の頃はメイン・カルチャーの音楽が好きでした。いきものがかりとか、AKB48みたいなアイドル系とか聴いていたのですが。でも中学生の時にドビュッシーの“月の光”を聴いてからは、クラシックばかりを聴くようになりました。
──ドビュッシーのどんなところが好きだったんでしょう。
彩 : 心地よく癒される感じがして、そこにすごく惹かれました。小学2年生から5年生までピアノを習っていたこともあって、クラシックは身近なものでしたね。
──ピアノ以外にも習い事をやっていた?
彩 : 歌とダンスがメインな市民ミュージカルに在籍して、戦後の沖縄がテーマの舞台で孤児役をやったりしていました。ダンスはヒップホップがメインでしたけど、アイドル風のダンスもやりました。
──どういうきっかけで始めたんですか?
彩 : 昔から歌ったり踊ったりするのが好きだったんです。あと本格的にダンスをはじめたのは小学5年生のときなんですけど、そのときにAKBがクラスで流行っていたこともあって、アイドルになりたいと思っていました。
──実際にアイドル活動をはじめたのは、Tincyが最初なんですか?
彩 : 実は小学6年のときから事務所に入ってて、中学1年生から超王道のアイドル・グループに所属していたんですよ。そのグループと事務所を辞めたあとに別のスクールに入ったんですけど、そこで指導を受けた先生に紹介されたのがTincyでした。
──Tincyは沖縄・アヴァンギャルド・テクノ・アイドルとのことですが、どのようなグループだったんでしょう。
ハジメP : 琉球音階をもとにしたテクノポップをやっていました。沖縄ってKPOPやJPOP寄りのアイドルさんがほとんどで、沖縄音楽や琉球音階を取り入れているアイドルのグループがいなかったんです。沖縄音楽が好きということもあり、現代の感覚で新しい沖縄音楽をやりたいと思い、それを友人でもある廣山哲史(RYUKYUDISKO)に話したら面白がってくれて、グループを立ち上げました。彩はデビュー1年後に途中から入ってきました。
彩 : 入ってから初めて琉球音階の仕組みを知ったんです。沖縄ってドレミファソラシドのレとラがなくて、そのとおりに弾くと琉球音階になると教えてもらって、すごく感動しました。
──2016年6月に加入して、2017年3月に沖縄電子少女彩名義でソロ活動を始めました。
ハジメP : 当時、Tincyの時にとあるライブを目前にメンバーが急用で出演できなくなり1人になってしまったことがあったんです。その時に初めて1人で急遽ライブすることになったのですが、オリジナル曲ももちろんないので、カヴァー曲やダンスなどを30分見事にこなしてくれたんです。そのステージの頑張りに感動したのと、そこから、いつひとりになるかわからない状況が続いていたので、グループと並行しながら本格的にソロ活動を始めました。
──どんな曲をやってたんですか?
ハジメP : Tincy用に作ったのですがサウンドが激しくダンスの振り付けに苦戦してお蔵入りしていた廣山哲史編曲のインダストリアルでノイジーなドリルンベースにアレンジした沖縄民謡“じんじん”を彩のソロ1弾としてやりました。その曲と、彩が初めて作詞に挑戦したヒップホップ的なポエトリーリーディング曲を入れてCD-Rを出したのが最初のオリジナルですね。
彩 : 当時はノイズやポエトリーリーディングをまったく知らなかったので、すごく不思議だなと思ってやってました。
ハジメP : 3枚目のCDRを作ったときに東京遠征中だったのですが、「遠征中に100枚売れたらアルバムを作ろう」って約束しました。そしたら見事に完売して、アルバムを作ることになりました。アルバムを作るために色々音楽を毎日のように聴かせて勉強させている中で、SPKというオーストラリアのノイズ・バンドを聴かせました。
彩 : SPKを初めて聴いた時、廃墟っぽい音だなって思いました(笑)。SPKのメンバーが精神科医とその患者さんらしくて、そういう感じの音でした。苦しそうだなって。他にも色々なノイズ音楽を聞いたのですが、メロディが無い雑音や自然音でも音楽になることがすごいなって、感動しました。こういう雑音も音楽になるんだって思うと、すごくおもしろくて。
ハジメP : その頃にちょうど会社に、使ってないローランドのリズムマシンがあって、それをいじらせたらリズムマシンなのにノイズが出て、かなり面白く使いこなすので、ライヴで使うようになりました。
──いまは曲も自分で作ってるんですよね。
彩 : 1stアルバムを出す前くらいから作り始めました。ローランドのシンセからPCにコードをつないで、Logicってソフトで主に作曲しています。最近やっと使い方を覚えてきました。
ハジメP : 2018年1月からテーマを設けて、毎月CD-Rを作らせているんです。他にアフリカ音楽とかクラシックとか、ケチャなんかもやっていますね。架空のホラー映画のサントラとかも。
彩 : ノイズやレゲエ、アンビエント、アフリカ音楽、テクノ、ハウス、ミニマル、韓国のポンチャックやサムルノリ、中東音楽、アイリッシュ音楽、ガムランやケチャなどいろんな曲を作って発表しています。
──なぜそんなに、いろんな曲をやらせようと思ったんでしょう。
ハジメP : 世界中にある限りのない、色々な音楽を聴いて、知識を身につけておけば、必ず将来にいかせると思っております。若い10代のうちは吸収も違うと思うので。
──実際にそれを吸収して、アウトプットできているのがすごいですよね。
彩 : スムーズに作れるときもあれば、まったく浮かばないこともあります。アンビエント系は得意なんですけど、リズムがあるポップス系の曲が苦手ですね。
この1年をぶつけるような、オール・ジャンルのアルバムに
──1stアルバムもいきなり全国リリースでしたが、そこからかなりハイペースに活動されていますよね。音源もたくさん出していますし、沖縄に住みながら都内でもライヴをやって。
ハジメP : 最近はアイドル・イベントに出ることも少なくなってきました。機材沢山使うのでセッティングの問題もあると思いますが、ジャンル的にも呼ばれなくなってきた気がします。めちゃくちゃ出演者の多い、演奏時間10~15分で転換時間無しのアイドル・イベントのお誘いメールとか来ると、たぶん彩のステージも見たことないんだなと思ってしまいます。
彩 : 爆音でノイズやったりダークな曲ばっかり歌うからかな。王道アイドル・イベントだと客席の真ん中が空くんですよね(笑)。
──そういうときは、心が折れそうになったりしない?
彩 : Tincyの頃もそういう時があったので、そのときに強くなりました。「空いてますよ! 暇ですよー!」って大声で言ったり、恥も捨てて、慣れましたね。いまはお客さんが引いてたら、「お前ら負けたな。もっと引かせてやろう」って思っちゃうし(笑)。
ハジメP : コールがうちにくいので、なかなか盛り上がらないんですよね。
彩 : Tincyのときにジョン・ケージの「4分33秒」っていう無音の曲をやってたんですけど、音がないのでそのへんの壁を叩いたりしてたんですよ。そのときにファンにマイク向けてみたら、ずっとミックスを入れててくれたことがありましたね。これはまたやりたいです(笑)。
──2017年12月にはDOMMUNEにも出演しました。
ハジメP : これはとても大きかった、今の時点でのターニングポイントですね。
彩 : フォロワー数が一気に増えました。外国の方もフォローしてくれてうれしかった。
──高校に通いながらの活動は大変だったんじゃないですか?
彩 : 学校が通信制だったので出席やレポートは大丈夫だったんですけど、友達と遊びたいなって気持ちは正直ありましたね。でも自分でも音楽活動を優先したい気持ちがあったし、大好きな音楽をやっているから純粋に楽しもうって思いました。
──高3の2018年夏に上京しました。
ハジメP : その頃は遠征でほとんど東京にいる状況だったんですよ。沖縄だと正直、稼げないというのもありました。沖縄はK-POPや王道ポップな曲のアイドルがほとんどで、彩のようなアヴァンギャルドな楽曲を聴くファンの数も限られていました。東京は人口も多く、色々なファンの方がいるので、反応が全然違いました。
──沖縄を離れることに不安はありませんでしたか?
彩 : ありました。でもお母さんがすごく応援してくれてて、今一緒に東京で2人で住んでいるんです。お兄ちゃんが3人いるんですけど、沖縄に置いてきて(笑)。だから、すごく感謝していますね。
──ではもう音楽で生きていくという覚悟も決めて。
彩 : 1stアルバムを出す前くらいには、これからずっと音楽をやって生きていきたいって思っていましたね。
──手応えもあった?
彩 : そういうわけではないです(苦笑)。ただ自分が音楽をやりたいっていうのと、普通の仕事はできないなって。忘れっぽいし、パソコン打てないし…。バイトもしたことがないんですよ。だから、めっちゃがんばらないと。
──そして今回、2ndアルバムがリリースされました。
ハジメP : 黒の服が2人ともすごく好きで、去年、ふと女子高生で殺し屋っぽいイメージを思い浮かべたときに。私が好きな劇画家で映画監督の石井隆さんが監督した『黒の天使」って映画の主人公と彩がマッチングしました。それを今回のアルバムの大まかなコンセプトにしました。それでタイトル曲を作って。あとはこの1年で出会った人や吸収したものをぶつけるような、オール・ジャンルのアルバムにしようという思いがありました。
──17曲入りの大ボリュームで、ゲストもかなり豪華ですよね。
ハジメP : この一年で共演したアヴァンギャルドな尊敬するミュージシャンの方々に声をかけていきました。最初に彩が作曲したアルバムのオープニングとエンディングを飾るインスト曲から外堀を埋め、その間をどう埋めていくかを考えながら作っていきましたね。コジマミノリさんと三嶋道人さんという私が好きなアイドル楽曲を手掛けているお2人にポップ担当で作ってもらったんですけど、ポップスのなかにもアヴァンギャルド感もあるような、ちょっと変わったことをやってほしいと伝えました。
──コジマさんが作った表題曲“黒の天使”と、その次の3曲目に入っている三嶋さん作の“涙の音色”はどちらもポップス寄りですが、まったく違うタイプの曲ですよね。
ハジメP : そうですね。コジマさんにお願いした“黒の天使”はポップでありアヴァンギャルドであり、ノイジーという楽曲をお願いしました。三嶋さんの“涙の音色”は彩の声に合う壮大な曲を作って欲しいということで、ほとんど三嶋さんに丸投げという形でした。丸投げしたのも三嶋さんがプロデュースしているLiLii Kaonaさんと彩で昨年コラボ・ユニットのTOKYO ORGANIC CHEMICALSというグループを結成してライヴやCD-Rリリースもしているので、彩の声の特徴や強みをわかってくれているので安心してお願いしました。
──のびのびとした歌声が印象的なバラードです。
彩 : 楽しかったですね。ポップスもアヴァンギャルドな曲もそれぞれいいところはありますし、全部気に入ってます。声の編集の仕方もあると思いますけど、どの曲もまったく声が違っていて、おもしろいなと思いました。
アーティストでもアイドルでも、自分ではそんなにこだわっていない
──このアルバムを聴いたときに、沖縄への思いも所々に感じました。アルバムを作るにあたってクラウドファンディングを実施したときに「東京に住んでから、沖縄に対して想うことがあり、沖縄の音楽を含めた自分のこの一年で経験したことの集大成のアルバムを作ることになりました」とコメントされていましたよね。
彩 : やっぱり基地とかいろいろな問題を抱えていて、沖縄やそこに住んでいる人たちの未来がどうなるのか気になるというか。東京に来たことで、そういう気持ちがさらに増したんですよね。沖縄のことはすごく好きなので。
──そういうメッセージが込められた歌詞もありますよね。
彩 : “崇元寺~Gusuku Nu Nkashi~”の歌詞には方言も入れているんですよ。「みんな出会ったら兄弟なのに、なんの隔てがあるの」「ひとりひとり助け合っていこうよ」って意味があるんですけど、それも伝えたいなって。
──崇元寺は戦争で燃えてしまったお寺なんですよね。
彩 : 今は公園になってるんですけど、沖縄で一番好きな場所なんです。ど真ん中にガジュマルの木が立っていて。
──“憎悪の階層”にも戦争というワードが出てきます。こちらはノイズを前面に出した曲ですよね。
ハジメP : 作詞が宇川直宏さんで、作曲が森田潤さんなんですけど、今回2人に話をしたところ、80年代にPhewさんが坂本龍一さんと作った“終曲”って歌の話が出たんですよね。そのときの坂本龍一さんってメジャーとインディー、アンダーグラウンドをちょうど行き来していた存在だと思うんです。その頃にPhewさんと作ったノイズワルツみたいな曲が“終曲”で。宇川さんと話していて、あれが彩ちゃんの印象に合うから「終曲」の現代版ってイメージで作ったらいいんじゃないかと。それで、歌い方もPhewさんぽい感じになっています。
彩 : 自分なりに寄せたつもりで歌いました。
──歌詞にも「憎悪を歌うの」とあるように、かなり強い思いが込められているように感じます。
彩 : 実は、あまり憎悪って感じたことがないんです。
──まったく違和感なく聴こえるのですが、普段自分にない感情はどう表現しているんですか?
ハジメP : 見てると、入り込んでいる気がしますね。おばあちゃんがユタなんだよね?
彩 : ユタまではいかないんですけど、お父さん側もお母さん側もそういう家系でした。そういうのも影響してるのかな。
ハジメP : 入り込み方を見ていると、そうなのかなって思いますね。ライヴでも、曲が終わったあとのMCとのギャップがすごいってよく言われますからね。
彩 : 1本の映画を見ているような感じで、お客さんを現実に戻したくないって思いがあって。だから最後の曲が終わるまでMCを入れないんです。
──たしかに話している印象と曲の印象はまったく違いますよね。ノイズをやっているようには見えないですし。
彩 : お客さんに「彩ちゃんのノイズって明るいよね」って言われたことがあるんですけど、たしかに暗い気持ちではやってないんですよ。この音いいな、楽しいなって気持ちでやってるんです。暗い曲が好きだし、はじめて聴いたSPKも暗かったですけど。
ハジメP : 憎悪の塊みたいな曲だもんね(笑)。
彩 : でも自分は明るいんです。変なんですよね(笑)。
──ノイズでいうと、T.MikawaさんやASTROさんが参加している“赤い靴/キャプテンビーフハートに捧ぐ”も強烈な曲ですよね。それこそホラーのような要素もあって。
彩 : 変態曲ですよね! 怖いです。聴いたとき、すっげーって思って、すごくニヤニヤして涙が出ました(笑)。
──童謡がモチーフになりつつも、オリジナルの歌詞も追加されています。
ハジメP : ドラびでおさんに“赤い靴”をやりたいって言われて、トラックを作っていただいていたあとに「異人さんに殺されて 食べられた」の歌詞が送られてきたんです。ドラびでおさんからその歌詞の前に1個を作ってと指示が来ましたので歌詞に合うようなインパクトの詩を作りました。
──彩さんが作詞作曲された“黒い花”なんかは、ノイズが入りつつもキャッチーな要素がありますよね。
彩 : この曲はすごく苦戦したんですよ。プロデューサーに、王道が好きな人でも聴きやすいポップでアヴァンギャルドなノイズ曲を作ってみてって言われて。歌メロが全然浮かばなくて、ずっと悩んでいました。それで、ふとアイドル風のメロディをやってみようと思って、適当に鼻歌を入れてみたら、意外と合うなと思って、やっと完成しましたね。
──元LoVendoЯの魚住有希さんがギターで参加されています。
ハジメP : 彩のギターの先生をやってもらっていて、今回も弾いてもらいました。
彩 : ギターが入って、すごくかっこよくなっていますよね。ちょっと悔しい気持ちもあります。自分でも、このくらい作れるようになりたいですね。
──自由度の高いアイドルシーンにおいてもこれだけの作品を作っている人はなかなかいないと思うのですが、アイドルという肩書についてはどうお考えですか?
彩 : 見る人に任せている感じはあります。アーティストでもアイドルでも、自分ではそんなにこだわっていないですね。
──19歳にしてこれだけ濃いアルバムを作ってしまうと、今後どこに向かっていくのかも気になります。
彩 : 自分はやっぱりサブカルチャーも民族音楽や環境音楽、アヴァンギャルドな音楽が好きなので、その方面の音楽をずっと続けていきたいです。その中でいつかは、ちゃんと音楽をやっている人だって思ってもらいたい。
──メインストリームに行きたい気持ちは、あまりない?
彩 : うーん…あんまりないですね(苦笑)。
ハジメP : 私としては、メジャーを経験させたいと思っていますし、その舞台に一回は立たせます。いずれインディーズに戻ると思いますが。坂本龍一さんや大友良英さんみたいに、メジャーとアンダーグラウンドを行き来して、両方の架け橋となるような存在になってほしいんです。女性ではなかなかいないので。あと今は彩よりも若い10代のすごい才能を持った自分でトラックを作れるミュージシャンの人がたくさんいるので、その人たちにも負けないようになってほしいですね。
──20歳までにしてみたいことはありますか?
彩 : 海外でライヴがしたいですね。
ハジメP : 来年はヨーロッパツアーも決まりました! あと、来年の生誕を9月にクラブチッタでやるんです。17歳のときに出たLOFTのイベントで準優勝になった特典として、チッタに前座で出たんですよね。そのときの動員が3人くらいしかいなかったこともあって、20歳にはここでまたやろうよって話していたんです。まだ動員は少ないですけど、今なら挑戦できるんじゃないかと。
──1年がかりの大きな挑戦になりそうですね。
ハジメP : 眉村ちあきさんの存在は良い影響を受けました。ちょうど去年の前半に初めて眉村さんと共演したのですが、そのときはまだ眉村さんのお客さんも数人くらいだったんですけど、その音楽性とパフォーマンスに個人的にとんでもないくらい感動しちゃって。そのあとも共演したり、沖縄にも来ていただいたりしたんですよ。去年の夏くらいからものすごいスピードで上がっていったじゃないですか。そういう天才が身近にいるのは、いい刺激になっていますね。眉村さんは祭を興せる人ですよね。眉村さんが太陽の陽射しを浴びる昼の祭なら、彩は月明かりに照らされる夜の祭だなって思うんです。
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LIVE INFORMATION
2019年8月24日(土)@タワーレコード新宿店 インストア・ライヴ
2019年8月25日(日)@dues新宿 リリース・ライヴ
2019年9月1日(日)@山梨市民会館大ホール
2019年9月3日(火)@吉祥寺NEPO
2019年9月6日(金)@郡山ピークアクション
2019年9月6日(金)〜9月19日(木)@九州遠征
2019年9月20日以降 全国ツアー&台湾ツアー
PROFILE
沖縄電子少女彩
生年月日 : 2000年8月7日
身長 : 160cm
特技 : 歌・ダンス
2016年6月沖縄アヴァンギャルドテクノアイドルTincyに加入。
沖縄電子少女彩名義で2017年3月より活動開始。沖縄音楽、ノイズ、アンビエント、アブストラクトヒップホップ、フレンチポップなど多岐に渡る楽曲を展開。多岐に渡る東京遠征も成功。
2017年12月DOMMUNEに10代で出演するという快挙をなしとげる。
2017年アイドル三十六房 R-グランプリで『とある星の物語』 が年間12位に選ばれる。
2018年より毎月実験CD−Rリリース中。
2018年1月 ファーストアルバム 『サンジェルマン伯爵からの招待状』全国リリース。
2018年1月 東京、大阪、熊本、福岡のアルバムリリースツアー。
2018年3月 日本最大のノイズフェス GIGANOISE出演。
2018年4月 ギュウ農フェス出演 2018年5月インドネシアのレーベルよりリリース。
2018年7月 四次元フォーク歌手 神田川さや名義でリリース。
2018年10月 スウェーデンのレーベルよりリリース。
2019年2月 中華歌謡&ノイズ&エレクトロの双子の妹 中華電子少女彩ミニアルバムリリース。
2019年3月20日 DOMMUNEにて沖縄電子少女彩5時間スペシャルが放送。
2019年4月 廣山哲史(RYUKYUDISKO)プロデュース新曲リリース!
2019年5月沖縄電子少女彩&AX『CHASTITY』全国リリース。
2019年8月セカンドアルバム『黒の天使』全国リリース。
2019年8月 瀬戸内国際芸術祭出演。
2019年9月 『黒の天使』リリース全国、アジアツアースタート。
2019年ハンガリーとアメリカのレーベルよりリリース決定。
Twitter : https://twitter.com/tincy_saya
Official HP : https://saya.okinawa/