INTERVIEW : 加藤小判(This is Not a Business)
ある日、OTOTOYに見知らぬバンドから1本の音源が届いた。彼らの名前は、This is Not a Business。音源を聴いてみると、ラウドなバンド演奏に最新のデジタル・サウンドをミックスさせた、なんともかっこいい曲!! しかし、バンド名以外の情報はほとんど不明。その後、YouTubeに、「オオカミの次は天狗バンド! 」という衝撃的な言葉とともに、天狗の格好をした5人の白熱した演奏シーンがアップされていた。これは、なんとしても話を聞かなければ! 思い立ってオファーしてみると、なんとかOKをもらうことができた。
インタヴュー当日、そこに現れたのは天狗の風貌をした1人の男。表情が全く読めない! 恐る恐る質問を投げかけてみると、彼は意外なほど腰の低い男だった。話を聞くと、彼らは一度挫折を味わったバンドマンで、夢を諦めきれずにもう一度組んだバンドが、This is Not a Businessだということがわかった。その一方で、「オオカミ」発言は申し訳なかったと語ったり、有名ミュージシャンを模した名前を名乗っていたりと、どこまでが本気でどこまでがネタなのかはわからない。真実は、最後まで天狗の面の奥に隠されたままだ。しかし、彼らが抱いている、自分たちの音楽をより多くの人に聴いて欲しいという思いは確かだし、彼らの作る音楽がすばらしいことも間違いない。この天狗たちが、これからいったいどんなドラマを見せてくれるのか。期待は膨らむばかりである。
インタビュー&文 : 前田将博
This is Not a Businessの1弾シングルをwav音源にて期間限定無料配信
This is Not a Business / WITH A MISSION
【配信形態】
wav : 0円
【配信期間】
2013年5月6日(月)まで
今やったら、かっこいい音楽を作れるんじゃないかっていう気持ちがあったgood
——最初に、お名前を教えてください。
加藤小判(カトウコバン)good!!
——某有名ミュージシャンの名前に似てますね。これは、本名ですか?
本名ではないgood!!
——Twitterでニルヴァーナが好きって言ってましたよね。
一番好きだgood!! 名前を何にしようかなって考えたときに響きがいいと思ったgood!!
——This is Not a Businessのメンバーは、もともと音楽をやってた人たちなんですか?
バンドやってたgood!! CDを出してるやつもいたgood。 でも、一度音楽から離れてしまったgood…。
——なぜ離れていったんでしょう。
なかなか思うように売れなくて、スタッフも一人減り、二人減りって感じになったgood。尻窄みになっていったgood…。
——加藤さん自身も、思うような活動ができなかった。
思うようにいかないことが多くて、どうしてもうまく転がらなかったgood。俺たちは、ミュージック・ステーションに出たかったけど、出られなかったgood。武道館にも行きたかったけど、行けなかったgood…。
——売れなかったのはなぜなんでしょう?
本当の意味でやる気がなかったgood。。。
——それで、一度は音楽をやることを諦めた。
そうgood。みんな普通に働いたり、バイトをしたりしてたgood!!
——そんな人たちが、もう一度音楽をやろうと思ったのはなぜなんでしょう?
飲み屋で、当時の仲間と集まって飲んでたgood。そこで1人1人の悩みとかを話してるうちに、自分たちに何ができるかって考えて、音楽ができるんじゃないかって思ったgood。もう一度やってみようよって話になったgood!! 今やったら、かっこいい音楽を作れるんじゃないかっていう気持ちがあったgood。
——それは、今の音楽シーンを見てて、憤りのようなものを感じていたということですか?
いいバンドはいっぱいいるけど、俺たちもやれるんじゃないかと思ったgood。というかやってみたいと思ったgood!!
——それで、その場にいたメンバーでバンドをやろうと。
そうgood!! そのときは、高尾山の麓で蕎麦焼酎を飲んでたgood!!
——高尾山と言えば天狗ですね。
え?
——高尾山に天狗が住んでるという伝説があるんですけど、ご存じないですか?
天狗がいるなら、会ってみたいgood!! 俺たちも天狗good!!
アンプにプラグを刺した瞬間から、そうgood!! 俺たち天狗だね、みたいなgood!!
——では、他のメンバーについて教えてください。まずは、ギターの否戸田雲仙(ピトタウンゼン)さんから。
否戸田が名字good!! もともとギターが得意みたいgood!! これもバンド仲間の一人で、すごく気さくなお兄ちゃんて感じgood!!
——木須利茶(キスリチャ)さんは?
木須もギタリストgood!! 気弱な兄ちゃんgood!! 一応バッキングが否戸田の方で、木須がリード的な感じgood。
——ベースが、陣下須(ジンシモズ)さん。
気弱な兄ちゃんgood!!
——気弱な方が2人いると(笑)。加藤さんも低姿勢だし、そういう方が多いんですか?
やっぱり負け犬だから、どうしても強気には出られないgood…。
——プログラミングが、序鬼間(ジョオニマ)さん。
序鬼君good!! 彼は不思議な兄ちゃんgood!! 一見暗いけど、実は暗くなかったりとか、ちょっとよくわからないgood。
——ドラマーがいない編成なんですね。
たまたま、飲み会の時にドラマーがいなかったgood。ドラムをどうしようかって話にもなったけど、その場にいたメンバーでやることが大事だと思ったgood!!
——ドラムは全部打ち込みなんですか?
打ち込みで作ってるgood!!
——バンド名には、どのような思いが込められているのでしょうか。
俺たちとしては、売れたいとか金持ちになりたいっていう気持ちもあるけど、それよりもまず音楽を伝えたいgood!! だから曲を無料でダウンロード出来るようにしたgood!! 今まで俺たちは、スタッフさんがついてたりするような環境を経験してて、どうしてもビジネス的になっちゃってたgood。そうじゃなくて、音楽を第一義的に考えられるように出来たらいいなっていう意味を込めて、This is Not a Businessってつけたgood!!
——売れたいという思いはあるけど、まずは純粋に自分たちの音楽を広めたいと。
音楽をやってるからといって、ものすごく儲かるわけでは多分ないgood。俺たちには、本業が他にあるgood。もちろん、これで食っていけるなら食っていきたいgood。でも、最初はそういうことじゃないぞっていうのを、自分たちにも言い聞かせたいgood!! 忘れたくないgood!!
——バンドが出てきた時に「オオカミの次は天狗バンド! 」と打ち出していましたよね。そこはやはりマンウィズ(MAN WITH A MISSION)を意識している?
意識してないと言ったら嘘になるgood。俺は、マンウィズが大好きgood!! 単純にヴィジュアルがかわいいし、音もかっこいいgood!! 今度武道館でライヴをやるし、ミュージック・ステーションに出たときもすごく衝撃的だったgood。インパクトも大きいし、やっぱりオオカミはすごいgood!! あれだけの活躍をされているのは、究極の生命体を持っているあの人たちだからこそっていうのがあると思うgood!! うらやましいgood!! だから、次は天狗って言われたいなって思いを込めて、ああいうふうに書かせてもらったgood。
——リスペクトしてるんですね。
そうgood!!
——みなさんは、究極の生命体とかではないんですか?
俺たちは、普段は人間good。only human good!!
——そもそも、なぜ天狗の格好をしてるんですか?
バンドを始めた時に、気づいたらこういう格好をしてたgood。突然変異みたいなもんgood。アーティストって、やっぱりよくわからないところがあると思うgood。それと同じ感じで、なぜ天狗なのかって聞かれても、俺たちはいつの間にかなってたとしか答えられないgood。その辺は本当にXファイルgood!!
——音を出した時に、気づいたらこの格好だった。
アンプにプラグを刺した瞬間から、そうgood!! 俺たち天狗だね、みたいなgood!!
——ずっと気になってたんですけど、加藤さんは語尾に「good」が付いてますよね。これも、天狗になった時に自然と付いちゃう感じですか?
そうgood!! 気づいたら付いてたgood!!
本当に全世界、全宇宙、太陽系にまで届かせたいgood!!
——実は僕、初めは加藤さんに取っ付きにくくて怖いイメージを持ってたんです。「オオカミの次は天狗」発言も挑発的だと思ってたし、そもそも天狗だし。でもTwitterを見ると、自分たちのことを「負け犬バンド」って表現してたり、書いてある内容も食べたご飯の話とか、結構親しみやすいですよね。これは、人間の時の加藤さんのキャラクターそのままなんですか?
そうgood!! 見た目だけ天狗になっちゃったけど、あくまでonly human good!!
——Twitterを見ると、とても低姿勢ですよね。
やっぱり、天狗になったらいけないなって思うgood。風貌じゃなくて、気持ちまで天狗になったら、モノホン・プレイヤーにはなれないgood!!
——一人一人にリプライを返しているのも、すごいと思いました。
まあ、俺の場合は暇good!! 仕事が不規則なサービス業なので、それなりに時間はあるgood。忙しいときは忙しいgood。本当は全員に返したいけど、ちょっと見落としちゃうこともあるgood。俺はおっちょこちょいな負け犬なので、そこは申し訳ないgood…。
——お客さんを大事にしたいと。
This is Not a Businessに興味を持ってくれている人たちに、より一層理解して欲しいって気持ちがあるgood。でも、絡んでくれるのが嬉しいから返してるっていうのが一番good!!
——リプライをもらっている人の反応を見ても、意外と親しみやすいという意見が多いですよね。
そこは大事にしたいgood!! 聴いてもらえる人あっての音楽good!!
——バンドの活動としては、まず初めにYouTubeにPVをアップしましたよね。
前のバンドでは普通にライヴ活動から始めたので、違う感じで行きたかったgood。それで、曲を作ってPVが出来てから発表しようってなったgood!!
——YouTubeのコメント欄を見ると、賛否両論ですよね。「かっこいい」っていう意見に混ざって、「マンウィズがやってるんじゃないの? 」とか「マンウィズの方がいいじゃん」とか、結構議論になっていました。
最初にオオカミって書いたのがいけなかったのかなって、反省してるgood。失敗しちゃったgood。オオカミさんは単純に好きなだけなので、関係ないgood。誤解させちゃって申し訳なかったgood…。
——曲名も「WITH A MISSION」となっていますが。
俺たちは一回音楽で失敗してるので、自分たちの音楽をとにかく多くの人に伝えたい、音を聴いてもらいたいっていう思いがあったgood!! 昔バンドをやってた頃は、聴いてもらえなかったgood。本当に全世界、全宇宙、太陽系にまで届かせたいgood!! それが一番最初の使命、「WITH A MISSION」good!!
——それは、どちからかと言うと願いや希望に近いですね。
確かにgood…。「WITH A PRAY」とかの方が良かったかもしれないgood。「WITH A HOPE」とか… ちょっとあとで改名するかもしれないgood。
——そういう思いとは別に、使命はなかったんですか? 例えば、自分たちは一度挫折したけど、もう一度バンドで成功することで、多くの人に勇気を与えたいとか。
ないと言ったら嘘になるかもしれないgood。俺の周りでも、やっぱり諦めて普通に仕事だけしてるやつもいるし、ギターをずっと押し入れに閉まったままのやつもいっぱいいるgood。そういうやつらに勇気を持ってもらいたい、まだ出来るんだぞっていうのを伝えたいっていうのはあるgood。使命あったgood!! やっぱり「WITH A MISSION」good!!
——初めの飲み会で、使命を持ってやっていこうと誓ったんですか?
全くならなかったgood!! とりあえず音楽をやりたいねって話になって、じゃあやろうよみたいな軽いノリだったgood!!
最終目標は、紅白歌合戦に出たいgood!!
——この曲の歌詞は、どなたが書いたんですか?
これは俺が大まかに書いて、そのあとにみんなで摺り合わせたgood!!
——曲はどなたが作ってるんですか?
曲はスタジオでセッションして、みんなで作ってるgood!! でも、元を作るのが否戸田の場合もあるし、俺の場合もあるし、曲によって違うgood。歌詞もみんなで書いたり、誰かが書いたものをみんなで直したりして作ってるgood!!
——「WITH A MISSION」は、勢いがあってすごくかっこいい曲ですよね。
1曲目なので、かっこいい曲にしたいねと話したgood!! この曲もみんなで、ドラム・パターンはこんな感じでいこうかとか、こんなベースがいいよね、みたいに話しながら作ったgood。
——ボーカルは結構加工していますよね。
恥ずかしいのでエフェクトを多めにかけたgood!!
——これからライヴをする予定はありますか?
今発表してるのは、6月8日のぐるぐるTOIROと、9月に夏の魔物があるgood!!
——Twitterに、フェスに出たいという話もありましたが。
サマーソニック、ロックインジャパン、ライジングサン、フジロックフェスティバル、全部出たいgood!!
——今、持ち曲はどのくらいあるんですか?
5曲くらい制作に取りかかっているgood!! もうレコーディングをしていて、なんとか5月6月中には10曲くらい溜めて、早くワンマン・ライヴが出来るようにしたいgood!!
——音源のリリース予定は?
時が来れば出したいと思っているgood!! なる早で、なんとか頑張りたいなと思っている次第good!!
——this is not a businessとしての、今後の夢を教えてください。
音楽を知ってもらえるのであれば、なんでもやりたいgood!! そこを軸にやっていきたいgood!!
——具体的には、どんな目標がありますか?
最終目標は、紅白歌合戦に出たいgood!! 国民的な人気になりたいgood!!
——マンウィズを超えたいと思いますか?
もちろん超えないといけないと思うgood!! 常に意識してるgood!!
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