アイドルとしての最終目標は? 「コインロッカーになりたい」──地下アイドル界トップ3鼎談!
地上波のテレビにも登場し活動のフィールドを広げるぱいぱいでか美。「ぼったくり物販」でその名を知らしめた里咲りさ。独自の戦略で熱狂的なファンを多く生み出し続ける絵恋ちゃん。強い個性を放ちながら活動を続ける3人を集めて、鼎談を敢行。ファンとの距離感や、アイドルとしての最終目標など、さまざまなことを語ってくれた。
今回の鼎談に合わせて、ぱいぱいでか美の新作『PPDKM/桃色の人生!』を配信開始。さらに里咲りさが4月にリリースしたトリプルA面シングル『S!NG / 410 / 小年小女』がハイレゾで登場! 音源とともに鼎談をお楽しみください。
約1年半ぶりとなる新シングル!
ぱいぱいでか美 / PPDKM/桃色の人生!
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 270円(税込) / アルバム 756円 (税込)
【収録曲】
1. PPDKM
2. 桃色の人生!
3. 言いたいことはありません
4月5日発売のトリプルA面シングルがハイレゾで登場
里咲りさ / S!NG/410/小年小女 【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?
【配信価格】
単曲 270円(税込) / アルバム 756円 (税込)
【収録曲】
1. S!NG/
2. 410
3. 小年小女
エレニズム満載の10thシングル
絵恋 / 結婚しないとナイト
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?
【配信価格】
単曲 432円(税込) / アルバム 900円 (税込)
【収録曲】
1. 結婚しないとナイト
2. 気さくが世を斬る
3. 許容範囲が広い
鼎談 : ぱいぱいでか美 × 里咲りさ × 絵恋
「有吉反省会」での姿は一般層にも浸透し、高い知名度を誇るぱいぱいでか美。「ぼったくり物販」でその名を知らしめ、巧みな営業手法でCD-Rをオリコンチャートにランクインさせた里咲りさ。そしてインターネットを駆使した独自の戦略で熱狂的なファンを多く生み出し、ライヴの動員を着実に増やしている絵恋ちゃん。3人は三者三様の強い個性を武器に、基本的にはセルフ・プロデュースで活動しながら、最近では地下アイドル界隈にとどまらず活躍の場をどんどん広げている。
イベントでもたびたび共演し、プライベートでも仲が良いというが、これまでメディア上で絡むことはほとんどなかった3人。今回ついに実現した鼎談では、3人の幼少期の様子や現在の関係性、ファン対応での意識の違い、そして自分たちの活動に「リミット」はあるのかなど、さまざまな視点から彼女たちを紐解いた。パワー・ワード連発となったこの企画。彼女たちのことをよく知らなかった人も、これを読み終える頃には、その魅力にどっぷりハマっていることだろう。さあ、こちらの世界へようこそ。
取材&文 : 前田将博
写真 : 大橋祐希
「本当は何歳なんですか?」とか、うざい絡みをいっぱいしてた
──普段からイベントなどでも絡みの多い3人ですが、こういう場で揃うのは初ですよね。
ぱいぱいでか美(以下、でか美) : そうですね。イベントだとお客さんがいるので、言っちゃいけないことバンバン言っちゃうんですけど。
里咲りさ(以下、里咲) : なんか言わなきゃって思っちゃう。
絵恋 : 終わったあと傷だらけだよね。
──そもそも、いつ頃からお互い面識があるんですか?
でか美 : 絵恋ちゃんと私が、、新宿LOFTで誰かしらの運営をゲストに呼んでやっていたイベント(ぱいぱいでか美×絵恋ちゃんの乙女の事情)に、りさちゃんが出てくれたのが、最初にちゃんとしゃべったきっかけかな(里咲が出たのは2015年8月11日)。
絵恋 : まだ全然仲良くなる前にイベントがはじまったんだよね。
でか美 : 絵恋ちゃんとは、そのちょっと前くらいに共演してて。
絵恋 : ゆっふぃー(寺嶋由芙)さんとかが出てた下北沢シェルターかな(2015年4月4日)。
でか美 : そう! それがはじめましてだと思う。でもそのライヴの結構前に、私のライヴを観てくれていたみたいで、「ぱいぱいでか美ちゃんはじめて観たけど、うちのママのおっぱいの方が大きいよ」ってつぶやいていて。私は「出たよ! 100万回言われてるんだよ」って思って。プロフィール見にいったら「顔がかわいいのでアイドルをやっています」って書いてあったので、この子はやばいなと(笑)。
絵恋 : そのときは相手が芸能人だと思っていたので、タモリみたいな感覚で書いてました。エゴサされて「やったー! ぱいぱいでか美からファボきたんだけどwww」みたいなノリ。
一同 : 笑。
でか美 : ライヴの出順は私が先だったんですけど、絵恋ちゃんが「えーめっちゃおもしろい、この後出てきたくないです」って言ってくれたのは覚えています。
絵恋 : しっとりした歌を歌ったあとに「いやー盛り上がりましたね」って言って会場が大ウケしていて、すごいなって思いました。
でか美 : でも絵恋ちゃんはライヴでオタクに反復横跳びさせてて、余裕で超えてきてるじゃんって(笑)。それで好きになったので、その日は珍しくガツガツしゃべりかけた気がします。「本当は何歳なんですか?」とか、うざい絡みをいっぱいしてたと思う(笑)。
絵恋 : 「出たよ! 100万回言われてるんだよ」って思った(笑)。私はその日、ゆっふぃーさんが飲み終わった容器を「ごちそうさまでした」って言いながら捨てていたのが、めっちゃかわいかったというのをよく覚えています。
──絵恋ちゃんと里咲さんは、いつ頃から面識があるんですか?
里咲 : 共演はちょいちょいあったんですけど、お互いあまり話しかけなかったですね。
絵恋 : はじめて話しかけたときに、りさちゃんが持ってたチェキ帳に小池美由さんのステッカーが貼ってあったから「好きなんですか?」って聞いたら、「いや、なんか小池さんからオタクが流れてくるんです」みたいに言われた。
里咲 : 小池さんがライヴをやらなくなってた時期で、テンションをそっちに合わせようと思っていた時期があったんです。でも2~3ヶ月くらいでしたね。「小池じゃない」ってわかって、みんないなくなった……。
でか美 : 残党はいまでもいるよね(笑)。
里咲 : ちゃんと絡んだのは、3人で共演したLOFTの直後に、少女閣下のインターナショナルで町田で対バンしたときかな(2015年8月15日@町田Nutty's)。1回ライヴをやる毎になにかやるって決めていて、運営に「絵恋ちゃんさんとどんぱちするよう頼んでこい」って言われたので、「すみません、ヤンキーぽくケンカしてくれませんか」って絵恋ちゃんに頼んだんです。
絵恋 : ケンカしてくれって言ってきたのにTwitterでは「できな~い」って超ぶりっこだったので、嫌いって思った。
里咲 : 「ふざけるな、ちゃんとしろ」ってリプライがきた(笑)。でもそれにソロのオタクも反応してくれて、そのあと2マンやるようになってから、ちゃんと仲良くなった気がします。
田舎で育ってるから、根がヤンキーなんですよ
──3人は学生時代の立ち位置とかもかなり違ったんじゃないかと思うんですけど、里咲さんは高校時代に生徒会長をやっていたんですよね?
里咲 : やっていました。
でか美 : 私も小学校の頃から生徒会に所属して、高校までそういう感じでした。
──スクールカーストは上位だった?
でか美 : めっちゃ上だったと思います。
里咲 : 私もトップかその周辺。勉強も誰にも負けたくなくて、通知表をオール5にしたかった。でもテストで100点取って提出物も授業も完璧でも、担当の先生に嫌われていると4になるんですよ。理不尽な世の中だなと思ったんですけど、仕方ないから割り切って、嫌われている先生ともなるべく仲良くしようとしてました。
でか美 : 私の場合は、そういう先生に対して勉強でねじ伏せていましたね。ちゃんと点を取っていても4とかをつけられたら、今までのやつ持っていって「おかしいでしょ」って言えばいいと思っていたから。田舎で育ってるから、根がヤンキーなんですよ。
里咲 : それより前にさかのぼると、小学校の低学年くらいまでは人類は全員いい人だと思っていましたね。物心ついた頃から、全員が私のことを愛していて、私も愛するみたいな気持ちで生きていたんです。でも、そうじゃないなってことに小学校5~6年くらいに気づいて。
──先日の水野しずさんとのイベント(3月23日@阿佐ヶ谷ロフトA)でも話していましたけど、絵恋ちゃんは2人とある意味真逆というか。
絵恋 : そうですね。まず先生とよくケンカしてたし、幼少期はすごくぼーっとしてた。マイペースで気分屋で、はじめての運動会とかは帰っちゃったし。協調性がゼロだったから、踊ったりする時間に、みんなが立っているときにひとりだけ座っていて、みんなが座っているときにひとりだけ立っている写真が証拠として残っている。
里咲 : 推せる(笑)!
絵恋 : 親の教育方針が、20歳で成人しなくていい、21歳でも22歳でも絵恋は遅れてていいんだよっていう感じだったから、ずっと自分のペースで生きてます。
一同 : すごくいい話!
里咲 : 私は中学卒業したら大人だと思って生きていましたね。長女だし、とにかく早く稼がなきゃ、自立しなきゃって。
──それは家庭の事情で?
里咲 : うちは裕福な時期と超絶貧乏な時期があったので「お金ってなくなるんだ。働かなきゃ。」って思ったんです。
絵恋 : 私はいまでもないかな。自分の好きなものだけ食べればいいって言われてたし、欲しいものは全部買い与えてもらっていたから、自分でなにかしなきゃって思ったことがない。
里咲 : 私はそういうことがほとんどなくて、欲しいものは自分で作るしかなかったからギターも段ボールで作ったりしてた。人になにかを習う機会もなかったから、自力でやるしかなかった。
でか美 : うちはものすごい放任主義で、楽観的な家庭でしたね。母親はバツイチで異父兄弟の鬱病だし、お兄ちゃんは精神病院に入院しているし、事実だけ箇条書きするとめっちゃ暗そうなんですけど、でもみんな笑っているっていう。芸名がぱいぱいでか美って言ったときも、事前にネットで見て知ってて「覚えやすくていいじゃん」っておもしろがってくれてたし。
一同 : いい話!
でか美 : 選択肢をすごく用意してくれている家庭でした。「習い事しなさい」って言われたことはないけど、「習い事したいことある?」って聞いてくれて、知らないことはいろいろ提案してくれるような親でした。自由に育ててもらって感謝しているので、負担をかけたくないって気持ちはありますね。いつか仕送りとかもしたいなって、すごく思うし。
絵恋 : 偉い。絵恋はまったくない。同い年くらいの友だちが初任給で親になにか買ってあげたって言っていた頃に、パパのボーナスでMacBook買ってました。
一同 : すごい(笑)。
──所謂大人の人への対応なんかも、子どもの頃と繋がっている気がしますね。
絵恋 : 私は関係者のことはゴミみたいに扱っていますからね。
里咲 : 絵恋ちゃん、楽屋にイベントの主催者とかが来て確認事項とかを聞いてきても適当にゴミみたいに扱っているので、ほんとなんだって思いました。
絵恋 : 出させてもらっていることは感謝はしているんだけど、ゴミにしか見えないんですよ。やっぱりオタクより近い距離にいる関係者やバンドマンみたいな男性には、オタクが嫌っているから必要以上に塩対応しちゃうんですよね。
里咲 : そこ誰も見てないのに、仕事に支障あるよって(笑)。でも、絵恋ちゃんだなって感じがする。
絵恋 : えれにすとも、絵恋ちゃんが裏で関係者に媚びていたら嫌だなって思っているでしょうからね。
──里咲さんやでか美さんは、すごく丁寧に対応している印象です。
でか美 : 我々は積極的に媚びています。アップアップガールズ(仮)の武道館ライヴに一緒に行ったんですけど、関係者の方がたくさんいらっしゃってて、「お疲れさま」って言われるのであいさつするんですけど、お互い「さっきのはなんの人?」って聞いても、だいたい「わからない」「みんな同じ顔に見える」って。
里咲 : やばいやばい、仕事減る(笑)!違うんですよ。あの日は本当に流れるようにたくさんの関係者の方がいたので、すれ違った瞬間に声かけてもらって顔もよく確認できていなかったので。でも声をかけてくれたのに適当な態度をとったり、無視したりはできないじゃないですか。だからふたりとも、相手に関わらず常に愛想良くしてた(笑)。
でか美 : あのときは、めっちゃおもしろかった(笑)。
──でか美さんは高校の頃からハロプロや邦楽のバンドが好きで、絵恋ちゃんは今度2マンやる戸川純さんなんかをファンとしても追いかけているじゃないですか。里咲さんは、自分がファンとして夢中になった人っているんですか?
里咲 : ふかわりょうさんくらいじゃないですかね。お父さんが買ってきたROCKETMAN(ふかわのDJ名義)の『愛と海と音楽と』を聴いたら、めちゃくちゃ良くて。いろんな人が歌で参加しているんです。ああ、いいなあって涙出てきて、いつかROCKETMANの曲歌いたいなって思って。高校生くらいのときには東京まで、ふかわさんの本のサイン会みたいなのに参加しに行きました。
──イベントにも行ってたんですね。
里咲 : ほかは”ザ・J-POP”なものを聴いて育ちました。テレビやラジオから流れてくるものが私にとっての音楽だったんですよ。ライヴハウスが存在することも18歳くらいまでよく知らなかった。好きで聴いてきたのはYUIさん、aikoさん、斉藤和義さん、スピッツさん、絢香さんとか。今つくってる音楽にもすごく影響があると思う。
──ライヴには行かなかった?
里咲 : タイミングが合わなかったりで結局行かなかったですね。行ったのはお笑いライヴくらい。
──お笑いもずっと好きなんですよね。バカリズムさんとか。
里咲 : めちゃくちゃ好きです! 東京03さんとか、スピードワゴンさんとかバナナマンさんが大好きで、営業で地方に来たときに観にいったりしていました。あとコントを覚えては、クラスメイトを集めて強制的に観せたり、妹と架空のコンビ組んで台本を書いて漫才したり。人が笑ってくれるのが嬉しかったんです。そういう台本に限らず、とにかく書くことが好きでした。作詞とか、映画やドラマの脚本、小説、絵本も。それを小学生の頃から出版社に送ったりしていましたね。
でか美 : その発想がすごい。営業ですよね。
里咲 : 見ているところがいつも大手なんですよ。中2くらいのときにものすごい憧れを持っていた「N35」という東京の放送作家の事務所に脚本を持っていったんです。ひとりで東京に来て、当時の私にとって大冒険だったんですけど。採用されるわけないと自分でもわかってたので、雪の中とぼとぼ帰った思い出があります。あと、なぜかいろんなアーティストあてに自分のCDを送ったりもしていました。自作の曲と、その人の曲のカバーを1曲ずつ入れて、手当たり次第。今考えたらすごい迷惑(笑)。
でか美 : めっちゃルーツ感ありますね。人格形成された瞬間からもう里咲りさ。
「おまえはミッキーマウスだ」って教わってきた
──相手のカバーも入れるのは、すごい考えていますよね。お客さんへの対応を見ていても、2人と里咲さんは質が少し違う気がします。
絵恋 : りさちゃんはエンターテイナーなんですよ。物販中もずっと里咲りさとして楽しませるみたいな。私とでか美ちゃんは、わりと人間関係なんです。
でか美 : 本当にダメなんですけど、嫌な人には嫌な感じに対応しちゃいますよね。金輪際、来なくていいと思って接しちゃう。それで自浄作用じゃないですけど、そもそもやっかいな人は来なくなった気がします。自分のファンは優しい人が多いので。
里咲 : えれにすとも統制とれている感がすごい。
絵恋 : 最初の頃はガチ恋が多くて、ライヴ中は腕組みして彼氏面してるオタクばっかりであんまり盛り上がらない現場だったんです。このままじゃやばいと思って、「勘違いだよ」とか「出待ちしないで」とか厳しいことも言うようになってから、そういう人は減って平和になったのかな。
──里咲さんの現場は、やっかいな人はいましたか?
里咲 : 全然来ないですね。そういう人が好きになるタイプじゃないのかな。
──2人に比べて、ファンに対して少し距離があるからですかね。
絵恋 : りさちゃんが物販で隣とかだと、「今日楽しかった?」ってずっとテンプレなんですよ。
でか美 : 「今日は楽しかった? ありがとう! またねー!」を繰り返すbotみたいな(笑)。
里咲 : みんなに同じ対応しなきゃいけないって思ってるんですよ(笑)。人によってネタを仕込んだりしていた時もあったんですけど、不公平になるから平等にしようと。私的にはまったく流れ作業じゃなくて、それぞれ違うんです。「この前初めて来てくれた人だ!」とか「今日いつもより楽しそうだったでしょ!」とか、いろんな感情があるけど、物販はハイになってるから出てくる言葉がどうしても「楽しかった?」ってなっちゃう。本当は「楽しかった?」のなかにも、いろんな意味と種類があるんです!
一同 : ああ…(笑)。
──そういう言葉のバリエーションが多いかどうかも、アイドルにファンとして接しているかどうかが大きい気がしますね。
里咲 : そもそもアイドルの接触に行ったことがなかったから、見本がいなくて。みんな仕事とか学校とか私生活とか、いろいろあるなかでチケットを買って足を運んできてくれるわけじゃないですか。だから「よかった」とか「楽しかった」っていう気持ちになってもらえたらそれが1番うれしいなって思います。だから開口一番「楽しかった?」って聞いてしまうんです。でも自分ではそんなつもりなかったので、最近気をつけるようにしてます……。
──でか美さんと絵恋ちゃんは、ファンとの距離感で気をつけていることはありますか?
でか美 : 深入りすることはあっても、深入りさせないようにしているかな。ファンの人が転職したりとか、彼女と別れたりとかすると、すごく真剣に話を聞くけど、自分の芯の部分は言わないようにしていますね。そこを言っちゃうと本当に友だちみたいになっちゃうし、そこの線を自分で引かない限り逆にファンのことを守れないじゃないですか。
絵恋 : 私もバイトしていたことは話していたけど、自分のプライベートで通っている現場とかは絶対に言わないですね。そういうのは自分だけで持っておきたいので。
でか美 : 私は男友達と遊んでてもSNSとかに書いちゃうので、隠しているところはないかな。ぱいぱいでか美と仲井優希(本名)の間に1枚ありますかって聞かれることもあるんですけど、本当になくて。キャラ設定みたいなものもないし。
絵恋 : そのへんの考え方も、絵恋はスタートがメイドで、店長に「おまえはミッキーマウスだ」って教わってきたから、ファンタジーでいなきゃなって意識が強いかも。
里咲 : 絵恋ちゃんのぶれなさは本当に尊敬する。
絵恋 : 本名とかで活動して批判されると、もろ自分のことだから傷ついちゃうけど、絵恋ちゃんを批判されても「絵恋ちゃんが言われてるなあ」としか思わないんですよ。だからっていうのもあります。
里咲 : 最近やっと里咲りさと自分が少し離れられた気がしますね。前に比べるとエゴサして病むことも少なくなったし…… でも、いまもたまに病むかな(笑)。自分の仕事が絶好調でノリノリの時は大丈夫なんですけど、自分が不安になってる時とかだと。そう考えると、いまでもどこまでが素の自分なのかわからない瞬間もあるかも。
でか美 : りさちゃんは家での姿がわからないよね。絵恋ちゃんは家だと暗い部屋で照明も付けずに、コンセントに1番ちかいところでエゴサしているんだろうなって想像つくけど。
絵恋 : すごい、なんでわかったの?遮光カーテン2重にしてる。
一同 : あははは!
でか美 : りさちゃんの場合は、家で「お料理焦がしちゃった! どうしよう!」って言ってるイメージもあれば、カタカタカタってひたすらパソコンいじってるイメージもある。
里咲 : どっちもありますね(笑)。
世界中に木をたくさん植えたい
──3人が出会ってから、シーンも結構変わっているじゃないですか。近くで活動していたグループが解散したり、メンバーが抜けたりとか。ソロだとそういうタイミングがあまりないと思うんですけど、例えば活動を辞めたいと思ったことなどはありますか?
でか美 : 全然ありますね。自分が辞めたら終わりなのでなんとか気持ちを保って、辞めたいって言う気持ち(の原因)は気圧の変化だなくらいに思うようにしているんですけど、最近は結構本気モードでした。いまは大丈夫なんですけど、ももち(嗣永桃子)さんの卒業発表とかがあって、思った以上に自分のゴール設定がそこにあったって気づいたんです。いま共演したくてがんばっているんですけど、それができたとしても、できなかったとしても終わりになっちゃうなって。
里咲 : 会社とかにいたときは、まわりが結婚とか転職とかすると、私も辞めようかなって思うこともありましたね。でもこの活動だけやるようになってからは、辞める選択はなくなったかもしれない。やりたいことがほかにあるかって言ったらないので、もうやったるかって気持ちです。
でか美 : 私も結局ほかにやりたいことがあって辞めたくなるわけじゃないから、ダサいなって。なんとなくで辞めるって言うのは、ファンだけじゃなくて、いままで一緒に仕事してきた人たちにも失礼だし。
絵恋 : 絵恋も、できることが絵恋ちゃんしかないなって思いますね。でも家を出たくないとかはよくあるので、リハーサルとか全然行けないです。
里咲 : 絵恋ちゃんリハいない問題すごいですよね。
絵恋 : 家から出るのにめっちゃ勇気が必要で、動悸がしちゃうんです。それで出番ギリギリに行ってステージに立つと、めっちゃ輝いちゃうんですよ。
一同 : あはははは!
絵恋 : 私にはこれしかないんだなって思う。人生をライヴしているところはありますね。
でか美 : 小見出し狙ってきましたね。私らは定期的に求めてくれる人に会えるっていうのが強いと思いますね。
絵恋 : オタクが好きすぎて依存してる部分はあるかもしれないですけど。逆に自分の代わりはいるし、自分が辞めてもオタクは誰も困らないなとは思います。
でか美 : それは思う。
絵恋 : インフルエンザとかで休んで久しぶりにTwitterを開いたら、自分のオタクがほかの子と撮ったチェキとかを普通にあげていたり、誰々ちゃんのリリイベ行ってきたって書いてたり。私がいなくても世の中はまわるんだけど、私の方がオタクをチェックしちゃう。
──それは代わりがいるってこととは違うと思いますけどね。ほかの現場に行っていたとしても、その人はその人でしかないというか。
でか美 : 極端な話、突然引退したりして、もうなにもかもおしまいだってなって、仕事を辞めて引きこもりになる人はいないと思うんですよ。お互いに代わりがいるというのは、ファンとの関係として逆に美しいことだと思うし。人間に代わりがいないのは確かだし、私もみんなひとりひとりが大事で、来なくなったら寂しいけど他の人がいるわけじゃないですか。それはお互い一緒で、代わりがいなかったらエンタメじゃなくなっちゃうから。
──個人的にはアイドルとか関係なく、少しでも好きなアーティストには、どんな形でもいいからなるべく長く続けてほしいと思いますね。ファンのわがままだとは思いますけど、たとえその人のライヴにあまり行かなくなったとしても、たまに行きたいなと思ったときに現役で活動してくれていると、すごくうれしいです。
でか美 : 長く続けたい気持ちはありますね。でも、長く続けるのが低空飛行じゃ意味ないとも思ってきて。それこそ「有吉反省会」に出るようになって2~3年経つので、ルーティンになってきているんですよね。だからもっと高水準で長く続けられるように、りさちゃんみたいに博打を打つ姿勢はすごいと思うし、自分もやっていかないといけないのかなって思います。
──でか美さんなんかは特に活動スタイルも多様かと思うので、年齢的なリミットもなさそうですよね。
でか美 : 明確なリミットはないですね。でも例えば、いまの状態からまったく変化せずに何年も続いていたら、どこかのタイミングで私の気持ちが先に終わる気はします。
里咲 : 私はまだ上があるなっていうものが見えれば、ずっと続けますね。あえてゼップとかでやるのも、登ってるっていう物語が自分の中であるからだと思うんですよね。だから明確な年齢は決めてないです。毎週何回もライヴをやるみたいな活動は年齢を重ねたらできなくなりそうだし、表現方法はきっと変わってくと思うけど、音楽はずっとやってたいなって思う。あともしお金持ちになったら、音楽作る以外の物欲がないのできっとお金が余っちゃうんですよ。そしたら世界中に木をたくさん植えたい!
絵恋 : 私も長く続ける気でいますね。ずっと絵恋ちゃんでいたい。「絵恋ちゃん推しているのやばくない?」とか「あいつババアじゃん」みたいに私のオタクが笑われはじめたら、14歳とか言うのもどうかなって考えるかもしれないですけど。でも、全部なあなあにしてやっていきたいですね。いまもちょっとずつ自撮りをあげる頻度とかを下げていっているので、いい感じです。年に一回、奇跡のアー写みたいなものを出せればいいかなって。
でか美 : 松田聖子みたいですね(笑)。
絵恋 : 奇跡のアー写と歌声だけになって、最悪身体を壊しても音楽はずっと続けられると思うんです。だから完全に辞めることはないですね。50歳くらいになったら、急にミスiD受けようかな。
でか美 : 続いてるかな(笑)。36年後でしょ?
──最後になにか、お互い聞いておきたいことはありますか?
絵恋 : 最終目標みたいなものはある?
里咲 : 高校生や中学生からお年寄りまで、もっと広く届くタイプの人間になって、AMの深夜ラジオ枠かJ-WAVEでレギュラー番組を持ちたい。ひとりでぼそぼそしゃべって曲を流して、それが癒されるなって思ってもらえる人になれたらいい。あと、もっといい音楽とCD作って、1リリースで最低でも3万枚くらいは売れるようになりたいです。あ、木も植えたい。
でか美 : 当面の目標としては、ももちと共演することですね。あとはもうちょっとライヴの規模が大きくして、ワンマン・メインというか、1回1回もうちょっと重要性が出てくるようにしたいです。わかりやすく言うと、すべてのチケットをイープラスにしたいですね。
里咲 : めっちゃわかる。
でか美 : あと、ももちさんもそうだし、DAIGOさんもそうなんですけど、あのふたりはバラエティと音楽のバランスがちょうど半々で、音楽で蓄えたパワーをバラエティにぶつけたりしている感じなので、ああいう感じになれたらとは思いますね。交流する場も大事にしたいので、売れているのに会えるっていうのが1番いいと思います。
絵恋 : でか美ちゃんみたいに例えるなら、桑田佳祐さんみたいになりたいです。バンドもやっていて、それとは違う感じでソロでもやっていて。桑田佳祐さんって、ドラマとかに出ないで音楽だけやっているじゃないですか。その感じもいいなって思いますね。
──絵恋ちゃんが1番、音楽を中心に考えている気がしますね。
絵恋 : みんなマスコット・キャラクターみたいに思っているみたいですけど、私的には全部、音楽活動だと思ってやっています。ライヴもずっとやっていきたいですね。
でか美 : 絵恋ちゃんが1番アーティスト性が高いですよね。音楽への気持ちとかも。
絵恋 : 将来的には、コインロッカーになりたいんですよ。人の荷物を全部吸収してあげることはできないんですけど、一旦あずけて、ちょっと肩が楽になったなっていう存在になりたいんです。
でか美 : ライヴに行くことで。
絵恋 : そう。それで万が一、超売れたとしても、いまの感じでずっといってても、それはどっちでも良くて。知る人ぞ知る絵恋ちゃんのライヴに行って、おれだけは楽しかったんだって思ってくれる人が1人でもいれば、それでもいいって思います。
里咲 : 三者三様ですね。
絵恋 : だから仲がいいのかもね。
里咲 : 同じだったらぶつかるかもしれないもんね(笑)。
でか美 : 楽しかったね!
過去の特集記事も合わせてチェック!
ぱいぱいでか美『レッツドリーム小学校』リリース記念インタヴュー
>>>夢は「つんく♂プロデュース」たわわなFカップの新星、ぱいぱいでか美が歌手デビュー!
里咲りさ『売れるまで待てない』発売記念、大森靖子との対談
>>>里咲りさ、ソロ・アーティストとして共鳴する大森靖子との相思相愛対談!!
絵恋ちゃん、過去作品を一挙ハイレゾ配信スタート記念インタヴュー
>>>想像の斜め上をいく新世代アーティスト!? 絵恋ちゃんインタヴュー
DISCOGRAPHY : ぱいぱいでか美
DISCOGRAPHY : 里咲りさ
DISCOGRAPHY : 絵恋
INFORMATION : ぱいぱいでか美
LIVE SCHEDULE
〈客前で平然とアイドルの話をするライブ〉
2017年5月10日(水)@新宿ロフトプラスワン
出演 : フットボールアワー岩尾 / キクチウソツカナイ。 / せきしろ / こんにちは計画杉田先生 / ぱいぱいでか美 / ナカG
詳細はこちら
〈WONDER WORLD vol.22〉
2017年5月13日(土)@渋谷Star Lounge
出演 : 校庭カメラギャル / ハッピーくるくる / ぱいぱいでか美 / パンダみっく / ぽわん / YANAKIKU / よいまつり / 柚餅子みこ / 結城リナ / 栗原ゆう / 麻美ゆま / クマリデパート / GANG PARADE / せのしすたぁ / DJねこさん and more
〈南波一海のアイドル三十六房 特別編 〜『ハロプロ スッペシャ〜ル』発売記念 またやっちゃいます! ハロプロトークスッペシャ〜ル〜〉
2017年5月18日(木)@タワーレコード渋谷店 B1F「CUTUP STUDIO」
出演 : 南波一海 / 嶺脇育夫(タワーレコード代表取締役社長) / 宮本佳林(Juice=Juice) / ぱいぱいでか美 / ナカG
詳細はこちら
〈PPD劇場 ぱいぱいでか美の悩める仔羊工房 第33回〉
2017年5月23日(火)@新宿dues 月例
出演 : ぱいぱいでか美 / 西田藍
〈WONDER WORLD vol.23〉
2017年5月27日(土)@心斎橋CLUB DROP
出演 : amiinA / 絵恋ちゃん / GANG PARADE / クマリデパート / せのしすたぁ ぱいぱいでか美 / Yunomi+TORIENA / ぽわん / 柚餅子みこ / 我儘ラキア / 結城リナ / DJねこさん / DJ田辺ユウキ / エミュリボン / 栗原ゆう and more
INFORMATION : 里咲りさ
LIVE SCHEDULE
〈里咲りさワンマンライブ in 新宿ロフト!!! 〉
2017年5月29日(月)@新宿LOFT
〈里咲りさ全国ツアー2017ツアー・ファイナル〉
2017年9月22日(金)@ZeppDiverCity
INFORMATION : 絵恋
LIVE SCHEDULE
〈絵恋ちゃんと楽器、リリースイベント〉
2017年6月28日(水)@下北沢CLUB251※二部制
出演 : 絵恋ちゃんと楽器
詳細後日発表
その他INFO
“絵恋ちゃんと楽器”による絵恋ちゃん楽曲のリレコーディング・アルバム『ERERGY』、アコースティック・アレンジ・アルバム『二度寝るねるね』 2作品同時リリース!
ERERGY特設サイト
二度寝るねるね特設サイト
PROFILE : ぱいぱいでか美
一度聞いたら二度と忘れられない名前と、「言うほどでかくないがそこそこでかい」おっぱいを武器に、場所を選ばず大活躍。
日本テレビ「有吉反省会」、「24時間テレビ」、NHK「紅白歌合戦」への主演、大森靖子プロデュース楽曲の発表やゲスの極み乙女。の幕張ワンマンライヴへのゲスト出演、はたまた週刊プレーボーイでの水着グラビアなど、ジャンルやメディアにとらわれず神出鬼没。
可憐なアイドルとは一味違う等身大の世界観は、自身が作詞作曲を手がける楽曲やライヴ・パフォーマンスやトーク、文章を通していつの間にか観るもの魅了し、気付いたら頭の中は「ぱいぱいでか美」でいっぱい。
退屈な人生を送っていたが、ももちこと嗣永桃子さんに出会って以来人生桃色に。 休みの日はハロプロの動向をつぶさにチェック、もしくは動物園巡り。生涯ベリヲタ。
PROFILE : 里咲りさ
早稲田大学をお金がもったいないという理由で中退。江頭2:50命名のアイドル・ユニットに在籍、裏方や舞台、ナレーター等幅広く経験。ユニットを卒業後、独立して事務所と音楽レーベルを設立。赤裸々な経営事情トークなどで注目を集める。シンガー・ソングライター・アイドルとしてソロ活動を再開と同時期にアイドルグループ「少女閣下のインターナショナル」を立ち上げ、運営兼メンバーとして活躍する。
グループ活動休止後はソロ活動に専念。確かな楽曲クオリティとは裏腹なバラエティ番組などでみせる破天荒なキャラクターと型破りな活動で人気を集める。「ビートたけしのTVタックル」出演以降メディア出演が急増。インディーズのCD-Rながら史上初のオリコン・ランクインを果たしたことなどが話題を呼び、2016年8月現在、テレビ番組やラジオ、雑誌などメディアでも幅広く活動中。愛称はしゃちょー。
PROFILE : 絵恋
まっとうな人生をやってみたいと思っているが、カリスマ性がすごいのでやむをえず音楽活動をがんばっている。愛称は「えったん」。本人に正式名称の概念が無いため、名前は「絵恋でも絵恋ちゃんでもどっちでもいい」と公言しているが、ファンはよくライヴ出演名を見て「"ちゃん"がついてないです、間違ってますよ」とイベンターに指摘している。名前を間違えておぼえてる人のために絵心ちゃんでもエゴサしており、その人たちは一生間違いに気付かないかんじになっている。
ストレスがたまると一時的にニャンや女児になってしまうが、その様子を見てファンは「ママ……」と思っている。