OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.158
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
あのジャケはジョーじゃなくてポール・シムノンだよ
約3ヶ月ぶり、久しぶりに順番が回ってきました。この間にじわじわと追加されていた〈SONY〉のカタログが一通りOTOTOYのストアに並びましたのでご報告です。〈SONY〉のカタログといえば洋邦問わず膨大なアーカイブがあるわけですが、今回はザ・クラッシュを。
言わずもがなのパンクのオリジネーターにして、その多様な音楽性と強いメッセージ。クラッシュを初めて聴いたのは10代中盤くらいにブック◯フで買った1stと『London Calling』だったんですが、当時は全然ピンと来ませんでした。それも当然、もっとスピードも音圧もあるよなパンク・バンドがもうたくさん存在していて、それを求めていた自分にはただ古くさいものにしか聴こえないのもまあしょうがなかったわけです。
そこからレゲエやダブ、ソウルなど色々な音楽を聴くようになったのを経て、久しぶりに聴いたときの「これ、やっぱりすごいぞ…」に気付けるようになったのは少し大人を感じた瞬間かもしれません。そのサウンド・アプローチの多彩さからまた一歩進んだのか戻ったのかは分かりませんが、いまはシンプルにジョー・ストラマーとミック・ジョーンズのソング・ライティング、メロディの素晴らしさに惚れ惚れいたしております。
アルバム単位だとやっぱり『Sandinista!』になるのかなぁ~。いまのサブスク的な価値観からすれば全36曲入り、2時間半近いアルバムなんて若い人聴かないでしょとは思っちゃったりもしますが、本気で向き合いがいのある1枚というか、やっぱり聞くたびに発見はある気がしますね。OTOTOYでは全アルバム、ハイレゾで配信中ですのでぜひとも改めて。
そしてクラッシュが当時歌っていたメッセージから世の中は少しもいい兆しが見えないどころか、差別や格差はひどくなっていくのに加え、ついに戦争まで始まってしまったわけで。だからこそ改めてクラッシュを聞き直すと同時に、どんな理由があれ戦争には絶対反対です。