OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.299 リフレインごと歌って!
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
リフレインごと歌って!
このコラムを書くにあたり、タイトルにプレイリスト1曲目 “夜紛い” の「リフレインごと歌って ねぇ、その喉から全て」という歌詞の一節を引用しました。ボーカルが前に出てきがちなポップ・ミュージック (に限らず) で、人間の声が他の楽器と同列に扱われる、あるいはアンサンブルがボーカルと同列に前に出る、その瞬間がたまらなく愛おしいです。先日のZAZEN BOYSの武道館公演では “ポテトサラダ” が好きでした。
リフの役割は
① 擬音的で楽器のような役割
② 呪文のように繰り返すことで、リスナーをよりディープな領域に導く役割
のふたつがあると思っていて、今回は両方、あるいは中間の曲も入れています。
① は文字に起こせば意味こそ薄いものの、ボーカリストの声を純粋な音色として捉えることができます。3曲目の “頓珍漢の宴” はボカロなので、楽器としての側面が顕著に出ているように思えますが、2曲目の “勘ぐれい” ではアウトロの声が完全に楽器隊の一部に馴染んでいて心地よいです。② は言葉が伴うからこその熱量を感じることができて、ライヴで聴けると最高です。特に10曲目の “沈む体は空へ溢れて” は何度聴いても泣きそうになります。アウトロのリフレイン、なんでこんなにも魅力的なんでしょうか。
OTOTOYの仕様上、試聴では聴けない部分がありますが、淡々と聴くもよし、静かなところで沈んでいくのも良し、です。ぜひ聴いてください。