OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.207
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
楽しさと寂しさの2月
楽しい時間が続けば続くほど、いずれくる別れを想像してしまう。2月はそんな時期な気がする。年が明けたばかりの1月は、お年玉の使い道を考えたり、受験への最後の備えで頭がいっぱい。
3月になれば卒業で少しセンチメンタルになるだけでなく、新生活への準備に向けてあわただしくなる。そんな1月と3月に挟まれた2月、友人や先輩、後輩との最後の思い出作りの期間だと思う。
このプレイリストでは、2月前半、ちょうど今の心境を、とにかく聞いてて楽しい前半の5曲で、2月後半の何とも言えない気持ちとともに聞いてほしい、3月の卒業シーズンまでに知っていてほしい曲を後半の5曲で表した。
まず1曲目はLeon Fanourakisの “BOUNCE”。この曲を聴くときはとりあえず何も考えずに楽しんでほしい。LeonとSANTAWORLDVIEWの二人が持つ独特な世界観の歌詞、とにかくノリノリになれるビート、そのどれをとっても最高だ。まさに1曲目にふさわしい盛り上がりを作ってくれる曲。MVもツッコミどころが多くて面白いので見てほしい。2曲目は「ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド」のOPテーマ。ズキュウウウン、メメタァ、ドドドドド。「これぞジョジョ!」と感じさせる楽曲で気分を盛り上げる。3曲目はYouTuber<この@あ>のオリジナルソング。ゲームBGMのようなメロディにゲームっぽい歌詞を合わせたこの曲は、ゲーム好きには刺さること間違いなし。4曲目は「ラップスタア誕生」に出演中のフィメールラッパー、Lizaの “Damn”。少しマイナスな感情の歌詞と、Lizaの楽曲では珍しい明るいビートがマッチしている。前半最後は和風のビートとdrillの融合、自身のダンス経験で培ったリズム感による独特な乗せかたによる、“OKE”。後半5曲との空気感の違いを、はっきりと感じさせてくれる。
後半最初の曲は、般若の “乱世”。これを知らずに生きているのはもったいないくらいの名曲だ。聞くときの年齢や、その状況次第で受け取るメッセージ、刺さるフレーズが変わる。時代が変わっても常に元気をくれるのだ。7曲目の “ひとりで生きていたならば”。この曲も知らずにいるのはもったいない。ヴォーカル渋谷龍太の力強くて透明感のある優しい歌声と、ギター、ベース、ドラム、それぞれの上品な音が心に寄り添ってくれる。8曲目、Red Eyeの “自分等の唄”。シンプルなビートと、ストレートなリリックが、関わる人すべてに感謝をしながら、やりたいことを精一杯やろうと思える曲。卒業、別れといえばこの曲、乃木坂46の “サヨナラの意味”。特にラスサビ前の歌詞は別れに対して前向きに、その先の未来を見て頑張ろうと思わせてくれ、涙なしでは聞けないだろう。最後の曲の “嬉しい涙” は、コラムのテーマを決めたときに一番に決まった。「しんみりしたまま終わらずに、最後は楽しく笑顔で終わりたい」、そんな気持ちをこの曲で表した。
このプレイリストは順番もこだわった。ラップやアニソン、J-POPを混ぜた理由は、1つ1つの楽曲の世界観を感じてほしいからこそ、ジャンルをミックスした順番で構成した。特に後半の5曲は、どれも感じるメッセージが違うから、1曲ずつ歌詞を見て想像しながら聴いてほしい。
(関光玖斗)