OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.8
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
足元を見るんです
すっかり春ですね。桜も満開になって、外を歩くのも非常に気持ちの良い時期になって来ました。さらに新元号も発表されて、世間は「新しいスタートだ!」といった空気に満ちていますが、こういう時こそ自分の足元を見つめ直すのが大事なのではないでしょうか。というわけで今回は、僕の愛してやまないシューゲイザーバンドを集めたプレイリストになります。一緒に立ち止まって、shoeをgazeしましょう。
シューゲイザーといえばMy Bloody Valentine、RIDE、Slowdiveなどの名前がパッと思い浮かぶかもしれませんが、今回は日本のバンドのみでセレクトしました。
歪んだ轟音のギターに、リバーヴ、ディレイ、コーラス、といった空間系のエフェクト。そこに紡がれるウィスパー・ヴォイスが生み出す浮遊感。聴いていると、この世界感にひとりで深く入り込める様な感覚になるのがこの音楽の魅力だと思っています。ライヴに行って実際にその音に包まれると、周りにいる人たちのことも忘れてしまって自分だけ別の空間にいる様な気持ちになるんですよね。
サウンドから大きな情景が思い浮んだり、凪いだ海を見ているような広大なイメージを彷彿させるにも関わらず、どこかに“孤独感”を感じさせる。そんな美しさがたまりません。
ここ最近のリリースでも、The Novembersの『ANGELS』やSPOOLの『SPOOL』、今回セレクトしたFor Tracy Hyde、17歳とベルリンの壁のメンバーも所属する新バンド「エイプリルブルー」、the stillの『in your youth』など注目作品が非常に多いです。
もうすぐフェス・シーズンにも突入しますし、みんなで手を挙げて盛り上がるのも良いですが、このプレイリストで思いっきり自分だけの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。