JP4377527B2 - 自動原稿送り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置における自動原稿送り装置に関し、特に原稿を一枚ずつ繰り出して自動的に画像読取位置に給送した後、原稿の表裏を反転して再び画像読取位置に給送して原稿両面の画像を読み取るための搬送路を有する自動原稿送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やファクシミリ装置やスキャナ装置等は、給紙トレイ上にセットされた原稿を一枚ずつ繰り出して、その画像を画像読み取り用のプラテン上に自動給紙する自動原稿送り装置を具備する。
【0003】
このような自動原稿送り装置には、プラテン上で原稿画像を読み取った後に、原稿の表裏を反転させて再びプラテン上に搬送して原稿の両面を読み取るものがある。
【0004】
この種の自動原稿送り装置の例として、特開平8−133551号公報には、給紙トレイ上の原稿をプラテン上に給紙し、プラテン上に対して原稿を移動させることによりプラテンの下方に停止された読取手段で原稿の表面画像を読み取り、プラテン上で読み取られた原稿を排紙トレイ上でスイッチバックして再びプラテン上に原稿の表裏を反転して供給し、原稿の裏面画像を読み取るものが開示されており、給紙トレイの下方に排紙トレイを配置し、給紙トレイと排紙トレイの間で原稿をスイッチバックするように構成したことによって小型化された装置を提供している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の自動原稿送り装置にあっては、ジャムした原稿を取り除くために、給紙トレイからプラテンに至る給紙路の駆動ローラ等を避けた一部を開閉して給紙路でジャムした原稿を取り除くように構成し、自動原稿送り装置をプラテンに対して開閉して搬送排紙路でジャムした原稿を取り除くようにしたものがある。
【0006】
しかしながら、特開平8−133551号公報に記載の装置では、原稿の搬送路が複雑となるため原稿のジャムが生じた位置によっては、ジャムした原稿を容易に取り除くのが困難であって煩雑な作業が必要となるという問題があった。特に、搬送方向に短い原稿の場合に原稿のジャムが発生したときには、原稿の一部のみが露出して、原稿が搬送路を構成する原稿を走行させるためのローラ対に挟まった状態になっている場合が多く、露出した一部を把持することができたとしても、その原稿は当該ローラ対間で挟持されているので、無理に原稿を取り出そうとして原稿を破損してしまう場合が多々あった。
【0007】
さらに、原稿をスイッチバックさせて再びプラテンに給紙する循環路(スイッチバック路)で原稿がジャムした場合には原稿が全く露出されず、原稿を取り除くことは非常に困難であった。
【0008】
このような、原稿をスイッチバックさせて再びプラテンに給紙する循環路のジャムした原稿を取り除くために、その経路の一部を開閉するように構成したものがあるが、このような構成にするためには、開閉する循環路の上方の給紙路には給紙ローラ等の給紙手段を配置できないため、循環路の上方を避けて給紙手段を配置しなければならず、この結果、装置が大型化するとの問題が生じていた。
【0009】
本発明は、原稿走行路における如何なる場所で原稿のジャムが生じても、原稿を搬送または走行させるためのローラ対に挟まった状態を解除して、原稿を損傷させることなくジャムした原稿を容易に取り出すことを可能にした原稿自動送り装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、原稿を載置する給紙トレイ上の原稿を1枚に分離する給紙ローラ及び分離部材と、前記1枚に分離された原稿をプラテン上に案内する給紙路と、前記プラテン上で読取られた原稿を前記給紙トレイの下方に配置された排紙トレイ上に案内する搬送排紙路と、前記給紙路の下方に配設されて前記プラテン上から排出した原稿を再び前記給紙路に案内するスイッチバック路と、プラテン上から排出された原稿の搬送方向を前後に逆転して前記スイッチバック路に沿って原稿を送るスイッチバックローラ対と、を備えた自動原稿送り装置において、前記給紙路を形成する一対の給紙ガイド部材の上側給紙ガイド部材と、前記給紙ローラとが、給紙ユニットとして構成され、前記一対の給紙ガイド部材の下側給紙ガイド部材と、前記スイッチバック路を形成する一対のスイッチバックガイド部材のスイッチバック上ガイド部材と、前記分離部材とが、スイッチバックユニットとして構成され、前記給紙ユニットは、前記給紙ローラからの前記給紙路が露出可能になるように前記給紙路の下流側を支点として上方に回動自在に支持され、前記スイッチバックユニットは、前記給紙ユニットの下方に配置されており、前記給紙ユニットが露出した時に前記スイッチバック路が露出可能になるようにスイッチバック路の上流側を支点として前記給紙ユニットの回動方向とは反対廻り方向に回動自在に支持された、ことを特徴とする自動原稿送り装置を提供するものである。
【0011】
ここで、本自動原稿送り装置においては、前記給紙ユニット又は前記スイッチバックユニットの開放により、前記スイッチバックローラ対を構成するローラが離間する、ように構成される。
【0012】
また、前記スイッチバックローラ対は、前記プラテン上で読み取られた原稿を前記排紙トレイに排紙する排紙ローラ対を兼ねるようにしている。
【0013】
また、本自動原稿送り装置は、前記スイッチバック路と前記搬送排紙路は、前記排紙トレイ側の一部を共有し、前記共有する部分に配置されスイッチバックされる原稿の先端をスイッチバック路側に導くためのフラッパ部材を備え、前記スイッチバックユニットを回動することによって前記共有する部分を含む前記スイッチバックガイド部材のスイッチバック下ガイド部材とフラッパ部材の原稿案内面が露出されることとなるのである。
【0014】
さらに、本自動原稿送り装置においては、前記給紙路の前記給紙ローラの下流側にレジストローラ対を設け、前記スイッチバック路を前記レジストローラ対のニップ点で合流させるようにしている。
【0015】
ここで、本原稿送り装置では、前記給紙ユニットの回動によって前記給紙トレイから前記プラテンの手前までの経路の全てが露出されるとともに、前記給紙ユニットを回動して前記給紙路を露出した状態で前記スイッチバックユニットを回動可能とし、前記スイッチバックユニットの回動によって前記スイッチバックローラ対から前記プラテンの手前までの経路が露出されるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る原稿自動送り装置の詳細を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る画像読取装置に搭載された自動原稿送り装置を示す縦断面図であり、図2はその自動原稿送り装置の主要部を示す縦断面図である。
【0018】
図1において、10は画像読取装置本体1に搭載された自動原稿送り装置であり、自動原稿送り装置10は装置本体1のコンタクトガラス2上面を通過するように原稿を搬送するようになっている。装置本体1は、コンタクトガラス2を介してランプ等の光源3からの光を搬送される原稿に照射し、その反射光をミラー4で反射させてCCDなどの読取手段により光電変換した原稿画像を読み取る。
【0019】
すなわち、コンタクトガラス2上面が装置本体1の読取部を構成している。尚、装置本体1は原稿を載置可能な面積のコンタクトガラス5も備えており、自動原稿送り装置10を開閉してコンタクトガラス5上面に載置された原稿を光源3やミラー4などからなる光源ユニットを副走査方向に移動させることによってコンタクトガラス5を介して原稿の画像を読み取ることもできるようになっている。
【0020】
自動原稿送り装置10は、複数枚の原稿を載置可能な給紙トレイ15と、給紙トレイ15上の原稿を1枚づつ分離してコンタクトガラス2に向けて給送する給紙部(給送手段)11と、原稿をコンタクトガラス2上面に沿って通過させる搬送部12と、コンタクトガラス2上面を通過した原稿を受け取って排出する排出部13と、この排出部13から排出される画像を読み取られた原稿を収納する排紙トレイ16と、を備えている。さらに、この原稿搬送装置10は、コンタクトガラス2上面から排出される原稿の排出部13でスイッチバックさせ、再び給送部11に送り込みコンタクトガラス2上面に給送させるスイッチバック部14と、を具備している。ここで、給紙トレイ15は、ある程度の角度で傾斜して、排紙トレイ16の上方に空間を確保して配置されている。
【0021】
給紙トレイ15に載置された原稿は、その側部を規制するサイドガイド17で規制され、ストッパ60に先端を規制されるようになっている。また、給紙トレイ15は、載置された原稿の先端側の15aを支点として、回動自在に取り付けられている。
【0022】
給紙部11は、下降して給紙トレイ15上の原稿の最上面に接し、原稿を繰り出す昇降自在な繰り出しローラ18、繰り出しローラ18で繰り出された原稿を給紙する給紙ローラ19と最上位原稿を1枚のみを通過して2枚目以降の原稿の給紙を阻止する分離パット20で構成された分離手段、この分離手段で1枚に分離された原稿の先端を突き当てて整合した後に下流側に送るレジストローラ対21で構成され、給紙路25に沿って原稿を給紙する。
【0023】
給紙路25は、図3に示すように上ガイド板25aおよび下ガイド25bが対向して形成されており、上ガイド板25aは回動支点10cに回動可能に支持された外装カバー10aに固設されて一体に反時計廻りに回動されることにより開閉することができるようになっている。なお、外装カバー10aには繰り出しローラ18や給紙ローラ19、レジストローラ対21の従動ローラ21b、ストッパ60が配設されて一体に回動するようになっている。これにより、原稿トレイ15の給紙口からコンタクトガラス2の手前までの給紙路25の全てが連続して露出するように開放され、容易にジャム原稿を取り除くができる構成となっている。
【0024】
搬送部12は、コンタクトガラス2の上流側にコンタクトガラス2に原稿を供給する一対の搬送ローラ22、下流側にコンタクトガラス2から原稿を排出する一対の搬送ローラ23を備えており、原稿は本体1側のコンタクトガラス2及びすくい上げガイド6と自動原稿送り装置10側のバックアップガイド26aで形成された搬送路26に沿って搬送される。
【0025】
排出部13とスイッチバック部14は排紙トレイ16側の一部を共有しており、原稿を排紙トレイ16に排紙する排紙ローラ対24が設けられている。この排紙ローラ対24は、後述するが両面モードの際に原稿の後端側をニップした状態で逆回転して原稿をスイッチバックして給紙部11に送るように制御され、さらに排紙ローラ対24はスイッチバック部14から給紙部11及び搬送部12を介して循環される原稿の先後端がすれ違う際に支障なく搬送できるように排紙駆動ローラ24aから排紙従動ローラ24bが離間するように構成されている。また、排出部13とスイッチバック部14の共有部には、原稿を給紙部11に案内するフラッパ29が設けられている。このフラッパ29は、常時付勢バネ(図示せず)で下方に付勢されており、原稿が排紙路27に沿って排紙ローラ対24に送られる際には、排紙される原稿の先端により上方に押し上がり原稿の通過を許容し、排紙ローラ対24にて原稿をスイッチバックする際には下方に位置して排紙路27を塞ぎ、スイッチバック路28に原稿を案内するように構成されている。
【0026】
排紙路27は、コンタクトガラス2に対向して設けられたバックアップガイド26aを延設した排紙上ガイド27aと、排紙トレイ16と一体に樹脂形成された排紙下ガイド27bで形成され、スイッチバック路28は、フラッパ29の原稿案内面に連続して設けられたスイッチバック下ガイド28bとスイッチバック上ガイド28aとで原稿をレジストローラ対21のニップ点に案内するように形成されている。つまり、スイッチバック路28と給紙路25とはレジストローラ対21のニップ点で合流するように構成されており、この合流位置にはレジストローラ対21のニップ点に原稿を誘込むマイラ28cが延設されている。
【0027】
ここで、スイッチバック上ガイド28aは、図4に示すように給紙下ガイド25bと一体に形成されており、この一体ガイドは排紙駆動ローラ24aの回転軸を支点として時計方向に回動可能に支持さている。なお、スイッチバック上ガイド28aと給紙下ガイド25bとを一体としたガイドには分離パット20及び分離パット20の付勢バネ20aが取り付けられ一体に回動するようになっている。これにより、排紙ローラ対24からレジストローラ対21に至るスイッチバック路28の全てが連続して露出するように開放されるので、容易にジャム原稿を取り除くができる。
【0028】
また、外装カバー10aが給紙路25を開放した状態でなければ、スイッチバック路28を開放することができないため、原稿のジャム位置によって適切な処理ができる。
【0029】
次に、各ローラの駆動構成について図5、図6に基づき説明する。なお、自動原稿送り装置10は、正逆転自在な給紙モータM1と搬送モータM2で各ローラを駆動するように構成されており、図5は給紙モータM1の駆動伝達系を示すものであり、図6は搬送モータM2の駆動伝達系を示すものである。
【0030】
まず、給紙モータM1の駆動伝達系は、図5で示すように給紙モータM1の正転駆動はプーリP16からプーリP36にタイミングベルトT16を介して伝達され、プーリP36の駆動はギヤZ17、ギヤZ19、給紙ローラ19の駆動軸に取り付けられたギヤZ18の順に伝達されて、給紙ローラ19が原稿を給紙する方向に回転する。給紙ローラ19の駆動軸には、プ−リP18が設けられており、繰り出しローラ18の軸に設けられたプーリP11との間に張架したタイミングベルトT2を介して繰り出しローラ18にも駆動が伝達される。また、給紙ローラ19の駆動軸には、繰り出しローラ18を支持する昇降アーム18aの一端側が取り付けられており、この駆動軸の給紙方向の回転(給紙モータM1の正転駆動)により昇降アームが回動して繰り出しローラ18が下降し、繰り出しローラが原稿に接触すると、バネクラッチA、バネクラッチBの作用により昇降アーム18aに対して給紙ローラ19の駆動軸は空転するように構成している。このとき、レジスト駆動ローラ21aは、その駆動軸に設けられたプーリP28と、プ−リP36と同軸に設けられたプーリP22に張架したタイミングベルトT3により連結されているが、プーリP28内に設けられたワンウエイクラッチOW1の作用で回転しない。
【0031】
給紙モータM1の逆転駆動は、プーリP16からプーリP36にタイミングベルトT16を介して伝達され、プーリP36と同軸に設けられたプーリ22からタイミングベルトT3を介してレジスト駆動ローラ21aの軸に取り付けられたプーリP28に伝達され、レジスト駆動ローラ21aを給紙方向に回転させる。このとき、給紙ローラ19の駆動軸にも給紙モータM1の逆転駆動が伝達され、昇降アーム18aを反時計回りに回動させることにより繰り出しローラを上昇させるが、給紙ローラ19はその内部に設けられたワンウエイクラッチOW2の作用で回転しない。上昇された昇降アームは規制部材(図示せず)に当接し、バネクラッチCの作用により昇降アーム18aに対して給紙ローラ19の駆動軸は空転するように構成している。
【0032】
このような構成において、給紙ローラ19の駆動軸に取り付けられたギアZ18は、繰り出しローラ18、給紙ローラ19とともに、外装カバー10aに配設されて一体に回動するようになっており、図7に示すように外装カバー10aが回動して給紙路25を開放することによりギヤZ19から離間し、閉鎖することによりギヤZ19と歯合するようになっている。また、給紙路25を閉鎖させる際にギアZ18とギアZ19が円滑で、かつ確実に歯合するように、外装カバー10aの閉鎖時のギヤZ18の中心を外装カバー10aの回動支点10cとギヤZ19の中心とを結ぶ直線上(図7の2点斜線)に位置に設けている。なお、図7中において、実線は外装カバー10aが閉鎖した状態を、点線は開放した状態をそれぞれ示している。
【0033】
次に、図6で示すように搬送モータM2の駆動伝達系は、その駆動軸に設けられたプーリP26からタイミングベルトT4を介してプーリP46に駆動を伝達し、プーリP46の同軸に設けられたプ−リP33からタイミングベルトT6を介して搬送駆動ローラ23aの軸に取り付けられたプーリP32に駆動が伝達されて搬送駆動ローラ23aが正回転または逆回転される。さらに、プーリP32に伝達された駆動は、タイミングベルトT7を介して搬送駆動ローラ22aの軸に取り付けられたプーリP31に駆動が伝達されて搬送駆動ローラ22aが正回転または逆回転されるように構成されている。また、タイミングベルトT4を介してプーリP46に伝達された搬送モータM2の駆動は、プーリP46の同軸に設けられたプ−リP42からタイミングベルトT5を介して排紙駆動ローラ24aの軸に取り付けられたプーリP48に駆動が伝達されて排紙駆動ローラ24aが正回転または逆回転される。
【0034】
さらに、排紙ローラ対24を離間させる駆動源としての圧接ソレノイドSOLが設けられている。この圧接ソレノイドSOLは、圧接ソレノイドSOLを励磁(ON)することにより排紙従動ローラ24bを排紙駆動ローラ24aに圧接する位置に移動させ、励磁を解除(OFF)することにより排紙従動ローラ24bを排紙駆動ローラ24aから離れる方向に付勢する付勢バネの作用で排紙従動ローラ24bを排紙駆動ローラ24aから離間する位置に移動させるように構成されている。
【0035】
ここで、外装カバー10aを回動させ給紙路25を開放状態にすると、インターロックスイッチによって各ローラを駆動する給紙モータM1、搬送モータM2の駆動を断ち、また電磁ソレノイドの励磁を解除している。このように、給紙モータM1、搬送モータM2を断つことによりジャム原稿を取り除く際の安全性を確保できる。さらに、圧接ソレノイドSOLの励磁を解除しているので、排紙ローラ対が離間してスイッチバック路28を開放してジャム原稿を取り除くこと際に排紙ローラ対24から原稿を引き抜くことがないため原稿が損傷することがない。
【0036】
上記ではインターロックスイッチを採用して強制的に給紙モータM1、搬送モータM2、圧接ソレノイドSOLの駆動を切断したが、外装カバーの開閉状態を検出して各ローラを停止するように各モータを制御するとともに、排紙ローラ対24を離間させるように圧接ソレノイドSOLを制御しても良い。
【0037】
また、スイッチバック路28を開放によって作動するインターロックスイッチを設け、給紙路25の開放で給紙ローラM1の駆動を切断し、スイッチバック路の開放で搬送モータM2、圧接ソレノイドSOLの駆動を切断するようにしても良い。
【0038】
原稿トレイ15には、原稿給紙方向に複数のセンサS1,S2,S3(図1)が設けられており、この複数のセンサS1,S2,S3のON−OFF状態により原稿トレイ上に載置された原稿の長さが検出される。また、給紙トレイ15上に載置された原稿の幅方向をサイドガイド17の移動量によって出力が変化するボリューム(図示せず)から検出し、この原稿幅の検出結果と複数のセンサS1,S2,S3によって検出される原稿長さに基づき原稿サイズを判断する。
【0039】
また、原稿を案内する経路中には、給紙トレイ15上に原稿が載置されたことを検出するエンプティセンサS4、給紙路25を給紙される原稿の端部を検出するレジストセンサS5、コンタクトガラス2の手前に設けられ原稿の端部を検出するリードセンサS6(図6)、コンタクトガラス2から排出される原稿の端部を検出する排出センサS7がそれぞれ設けられている。
【0040】
これらの各センサS1〜S7は、装置全体の駆動を制御するCPUに接続されており、各センサからの検知信号に基づいて、上述した各モータM1、M2が駆動されると共に圧接ソレイドSOLの励磁がなされる。
次に、上記構成からなる自動原稿送り装置の原稿搬送制御動作を具体的に説明する。なお、必要に応じて原稿の搬送状態を模式的に示した図8、図9、図10、図11を参照する。
【0041】
まず、原稿の片面を読み取る片面モードについて説明すると、エンプティセンサS4がON状態、すなわち給紙トレイ15上に原稿が載置されたことが検知されると給紙モータM1が正転駆動され、1枚目の原稿D1が給紙される。このとき、繰り出しローラ18と給紙ローラ19は、原稿送り方向に回転されるが、レジストローラ対21はワンウエイクラッチOW1の作用によって回転しない。そして、レジストセンサS5が給送された原稿の先端を検知すると、その検知から所定時間後に給紙モータM1は一旦停止される。給紙モータM1が停止したとき、原稿の先端はレジストローラ対21のニップ部に当て付けられてたわみが形成され、原稿の先端が整合されスキューが除去される(図8(a)参照)。
【0042】
そして、この一旦停止後、給紙モータM1は逆転駆動されると共に、搬送モータM2が駆動され、さらに圧接ソレノイドSOLが励磁される。このとき、繰り出しローラ18は原稿から離間する位置に上昇し、給紙ローラ19は、ワンウエイクラッチOW1の作用によって駆動が断たれ、レジストローラ対21のレジスト駆動ローラ21aは原稿送り方向に回転される。
【0043】
上記モータM1,M2の回転駆動により、原稿D1は給紙路25から搬送路26に搬送され、リードセンサS6が原稿D1の先端の通過を検知した後、所定時間経過して給紙モータM1は停止され、搬送モータM2は一時的に停止される(図8(b)参照)。そして、画像読取装置本体1からの読取搬送信号を受けると搬送モータM2が再駆動される。原稿D1の表面(片面)は読取手段によって副走査され、読み取られる。このとき、原稿D1は、その先端で排紙路27を塞ぐように配置されたフラッパ29の先端を押し上げて排紙トレイ16上に搬送される。
【0044】
原稿D1が送り出された後、レジストセンサS5が原稿D1の後端の通過を検知すると、給紙トレイ15に次の原稿があるか否か確認し、給紙トレイ15に原稿がある場合、1枚目の原稿D1と同様に2枚目の原稿D2の給紙動作が始まる。2枚目の原稿D2の給紙に際しては先の原稿の場合と同様に給紙モータM1の正転駆動により繰り出しローラ18、給紙ローラ19が回転し原稿D2をレジストローラ対21のニップ点に突き当ててスキューの除去がなされる(図8(c)参照)。そして、給紙モータM1が逆転駆動されて、リードセンサS6が次の原稿の先端を検出してから所定時間後に給紙モータM1の駆動は停止され、搬送モータM2も停止する。ここで、原稿D2は、その先端位置がコンタクトガラスの手前で停止した状態となっており、また、1枚目の原稿D1はその後端側を排紙ローラ対24にニップされて停止する(図9(d)参照)。
【0045】
そして、画像読取装置本体1からの読取搬送信号を受けると搬送モータM2が再駆動される。原稿D2の表面は前述した読取手段によって副走査され、読み取られる。この2枚目の原稿D2読み取り中に1枚目の原稿D1は、排紙トレイ16上に排紙されることとなる(図9(e)参照)。
【0046】
原稿D2の後端の通過をレジストセンサS5が検出すると、エンプティセンサS4が次の原稿の存在を検知しているか否か確認し、存在する場合には、2枚目の原稿D2と同様に3枚目の原稿D3の給紙動作を始める。以降、エンプティセンサS4が原稿の存在を検知している限り、原稿D4,D5等のそれ以降の原稿についても同様な処理が行われる。
【0047】
なお、最後の原稿は、排出センサS7が最後の原稿の後端を検知してから排紙トレイ16に排紙されるのに要する時間後に搬送モータM2を駆動が停止、圧接ソレノイドSOLの励磁を解除して、全ての原稿の処理が終了する。
【0048】
次に、まず、原稿の片面を読み取る両面モードについて説明する。給紙トレイ15上に原稿が載置されたことがエンプティセンサS4で検知されると1枚目の原稿D1は片面モードと同様に給紙モータM1の正転駆動により繰り出しローラ18、給紙ローラ19を回転させ、レジストローラ対21のニップ点に原稿を突きあててスキューを除去し、給紙モータM1の逆転駆動と搬送モータM2の正転駆動により搬送される原稿D1は、その先端をリードセンサS6に検知された後に給紙モータM1、搬送モータM2は一時的に停止され、原稿D1はその先端位置がコンタクトガラス2の手前で停止した状態となる。このとき、圧接ソレノイドSOLが励磁されて排紙ローラ対24が圧接される(図10(a)参照)。
【0049】
そして、画像読取装置本体1からの読取搬送信号を受けると搬送モータM2が正転駆動されことにより、原稿の表面はコンタクトガラス2上に送られて読取手段によって副走査され、読み取られて、コンタクトガラス2で読取処理された原稿D1は排紙路27に案内される。
【0050】
排紙路27に案内された原稿D1は、その先端で排紙路27を塞ぐように配置されたフラッパ29の先端を押し上げて排紙トレイ16上に搬送される。この搬送状態で、排紙センサS7が原稿D1の後端を検知してから原稿D1の後端がフラッパ29の位置を通過するのに要する時間が経過すると搬送モータM2の駆動が停止され、原稿D1はその後端側が排紙ローラ対24にニップされて停止する(図10(b)参照)。
【0051】
その後、搬送モータM2は逆転駆動される。これにより、排紙駆動ローラ24aは逆回転し、原稿D1はスイッチバックされ、原稿の通過に伴って排紙路27を塞ぐ位置に移動したフラッパ29の原稿案内面に沿ってスイッチバック路28を案内される。逆転駆動される搬送モータM2は、スイッチバック路28に案内される原稿D1の先端がレジストセンサS5で検知された後に、レジストローラ対21のニップ部でたわみが形成されて、スキューを除去して、所定時間経過後に停止される(図10(c)参照)。このように、本発明の実施例においては、排紙ローラ対24は、原稿をスイッチバックさせるためのスイッチバックローラ機能を兼用しているが、これを別個に設けることも可能である。
【0052】
そして、原稿D1を再給紙するために給紙モータM1を逆転駆動する。給紙モータM1の逆転駆動によりレジスト駆動ローラ21aが給紙方向に回転し、レジストローラ対21に原稿D1の先端が確実にニップする時間経過後に、圧接ソレノイドSOLの励磁を解除し、排紙従動ローラ24bを下方に移動させて排紙駆動ローラ24aから離間させるとともに、搬送モータM2を正転駆動する。
【0053】
原稿D1は給紙路25に沿って反転されて給紙され、その先端がリードセンサS6によって検知されると、搬送モータM2は所定時間後に停止するとともに給紙モータM1を停止する。その後、画像読取装置本体1からの読取搬送信号により搬送モータM2が再駆動され、原稿D1の裏面が読取手段によって副走査されて読み取られる。このとき、排紙トレイ16に送られる原稿D1の先端側と再給紙される原稿D1の後端側が排紙ローラ対24を含む排紙路27とスイッチバック路28の共通部ですれ違うこととなるが、排紙ローラ対24が離間した状態となっているため支障なく搬送ができる(図11(d)参照)。
【0054】
その後、レジストセンサS5が原稿D1の後端を検知したとき、圧接ソレノイドSOLが励磁されて排紙ローラ対24が圧接され、排紙センサS7が原稿D1の後端を検知してから時間t11が経過すると搬送モータM2の駆動が停止し、原稿D1はその後端側が排紙ローラ対24にニップされて停止する(図11(e)参照)。
【0055】
そして、原稿D1は排紙トレイ16に頁順を揃えて排紙するために、搬送モータM2を逆転駆動し、スイッチバック路28にてレジストローラ対21のニップ部に原稿D1の先端を突き当ててスキューを除去し、給紙モータM1の逆転駆動により給紙路25に沿って反転されて送り、リードセンサS6の原稿D1の先端検出により給紙モータM1の駆動を停止する。
【0056】
そして、搬送モータM2を正転駆動とともに圧接ソレノイドSOLを解除して、原稿D1はコンタクトガラス2上に搬送されることになるが、ここでは原稿D1の読取走査しないため、コンタクトガラス2の手前で停止することなく、排紙路27に搬送される。
【0057】
この原稿D1が排紙路27に搬送される過程で、レジストセンサS5が原稿D1の後端を検出すると、圧接ソレノイドSOLが励磁して排紙ローラ対24を圧接するとともに、給紙トレイ15の原稿の有無を確認し、次の原稿D2がある場合、1枚目の原稿D1と同様に2枚目の原稿D2の給紙動作を始める。
【0058】
2枚目の原稿D2の給紙制御の工程は1枚目の原稿D1の場合と同様に給紙モータM1の正転駆動により繰り出しローラ18、給紙モータ19が回転し原稿D2をレジストローラ対21のニップ点に突き当ててスキューの除去がなされる(図11(f)参照)。
【0059】
そして、給紙モータM1が逆転駆動されて原稿D2は給紙路25に沿って送られ、2枚目の原稿D2の読み取り中に1枚目の原稿D1が排紙トレイ16に排紙される。
【0060】
以降、2枚目の原稿D2は、1枚目の原稿D1と同様の制御工程で処理されることとなり、エンプティセンサS4が原稿の存在を検知している限り、原稿D3,D4…についても同様な処理が行われる。
【0061】
なお、最後の原稿は、排出センサS7が最後の原稿の後端を検知してから排紙トレイ16に排紙されるのに要する時間後に搬送モータM2の駆動を停止し、圧接ソレノイドSOLの励磁を解除して、全ての原稿の処理を終了する。
【0062】
上述したように本実施形態では、上ガイド板25aが外装カバー10aに固設されて一体に反時計廻りに回動されることにより開閉することができるようになっており、さらに、外装カバー10aには繰り出しローラ18や給紙ローラ19、レジストローラ対21の従動ローラ21bが配設されて、これらも一体に回動するようになっているので、給紙路25の給紙口からコンタクトガラス2の手前までの給紙路25の全てが連続して露出するように開放され、給紙部25ジャムした原稿を容易にジャム原稿を取り除くができる。
【0063】
また、スイッチバック上ガイド28aとに給紙下ガイド25bとを一体に形成して、この一体ガイドを回動可能に支持し、さらに、このガイドには分離パット20及び分離パット20の付勢バネ20aが取り付けられ一体に回動するようにしたので、排紙ローラ対24からレジストローラ対21に至るスイッチバック路28の全てが連続して露出するように開放され、スイッチバック路28のジャム原稿が容易に取り除くができる。
【0064】
さらに、外装カバー10aを開放することで、圧接ソレノイドの励磁を解除し、排紙ローラ対24を離間されたので、スイッチバック路28でジャムした原稿を取り除く際に原稿を損傷する恐れがない。
【0065】
このように、本発明は、原稿走行路における如何なる場所で原稿のジャムが生じても、原稿を搬送または走行させるためのローラ対に挟まった状態を解除して原稿を損傷させることなくジャムした原稿を容易に取り出すことを実現したのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像読取装置に搭載された自動原稿送り装置の縦断面図である。
【図2】 図1に示す自動原稿送り装置の拡大縦断面図である。
【図3】 図1に示す自動原稿送り装置の原稿搬送経路を開放したときの状態を示す図である。
【図4】 図1に示す自動原稿送り装置の原稿搬送経路を開放したときの状態を示す図である。
【図5】 図1に示す自動原稿送り装置の駆動図である。
【図6】 図1に示す自動原稿送り装置の駆動図である。
【図7】 図1に示す自動原稿送り装置の原稿経路を開閉したときの駆動連結を示す図である。
【図8】 図1に示す自動原稿送り装置の片面モードにおける原稿の搬送状態を模式的に示した図である。
【図9】 図1に示す自動原稿送り装置の片面モードにおける原稿の搬送状態を模式的に示した図である。
【図10】 図1に示す自動原稿送り装置の両面モードにおける原稿の搬送状態を模式的に示した図である。
【図11】 図1に示す自動原稿送り装置の両面モードにおける原稿の搬送状態を模式的に示した図である。
【符号の説明】
10 自動原稿送り装置
10a 外装カバー
11 給紙部
12 搬送部
13 排出部
14 スイッチバック部
15 給紙トレイ
16 排紙トレイ
18 繰り出しローラ
19 給紙ローラ
20 分離パット
20a 付勢バネ
21 レジストローラ対
21b レジスト従動ローラ
25 給紙路
24 排紙ローラ対(スイッチバックローラ)
24a 排紙駆動ローラ
25a 給紙上ガイド
25b 給紙下ガイド
28 スイッチバック路
28a スイッチバック上ガイド
Z18,Z19 ギア

Claims (7)

  1. 原稿を載置する給紙トレイ上の原稿を1枚に分離する給紙ローラ及び分離部材と、前記1枚に分離された原稿をプラテン上に案内する給紙路と、前記プラテン上で読取られた原稿を前記給紙トレイの下方に配置された排紙トレイ上に案内する搬送排紙路と、前記給紙路の下方に配設されて前記プラテン上から排出した原稿を再び前記給紙路に案内するスイッチバック路と、プラテン上から排出された原稿の搬送方向を前後に逆転して前記スイッチバック路に沿って原稿を送るスイッチバックローラ対と、を備えた自動原稿送り装置において、
    前記給紙路を形成する一対の給紙ガイド部材の上側給紙ガイド部材と、前記給紙ローラとが、給紙ユニットとして構成され、
    前記一対の給紙ガイド部材の下側給紙ガイド部材と、前記スイッチバック路を形成する一対のスイッチバックガイド部材のスイッチバック上ガイド部材と、前記分離部材とが、スイッチバックユニットとして構成され、
    前記給紙ユニットは、前記給紙ローラからの前記給紙路が露出可能になるように前記給紙路の下流側を支点として上方に回動自在に支持され、
    前記スイッチバックユニットは、前記給紙ユニットの下方に配置されており、前記給紙ユニットが露出した時に前記スイッチバック路が露出可能になるようにスイッチバック路の上流側を支点として前記給紙ユニットの回動方向とは反対廻り方向に回動自在に支持された、
    ことを特徴とする自動原稿送り装置。
  2. 前記給紙ユニット又は前記スイッチバックユニットの開放により、前記スイッチバックローラ対を構成するローラが離間する、ように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動原稿送り装置
  3. 前記スイッチバックローラ対は、前記プラテン上で読み取られた原稿を前記排紙トレイに排紙する排紙ローラ対を兼ねることを特徴とした請求項1又は2に記載の自動原稿送り装置。
  4. 前記スイッチバック路と前記搬送排紙路は、前記排紙トレイ側の一部を共有し、前記共有する部分に配置されスイッチバックされる原稿の先端をスイッチバック路側に導くためのフラッパ部材を備え、前記スイッチバックユニットを回動することによって前記共有する部分を含む前記スイッチバックガイド部材のスイッチバック下ガイド部材とフラッパ部材の原稿案内面が露出されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の自動原稿送り装置。
  5. 前記給紙路の前記給紙ローラの下流側にレジストローラ対を設け、
    前記スイッチバック路を前記レジストローラ対のニップ点で合流させたことを特徴とした請求項1乃至4の何れかに記載の自動原稿送り装置。
  6. 前記給紙トレイは給紙方向下流側を支点として回動自在に構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の自動原稿送り装置。
  7. 前記給紙ユニットの回動によって前記給紙トレイから前記プラテンの手前までの経路の全てが露出されるとともに、
    前記給紙ユニットを回動して前記給紙路を露出した状態で前記スイッチバックユニットを回動可能とし、前記スイッチバックユニットの回動によって前記スイッチバックローラ対から前記プラテンの手前までの経路が露出されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の自動原稿送り装置。
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