JP3904141B2 - 原稿搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機や印刷機等の画像形成装置により画像を形成するために、原稿を搬送して画像読み込みを可能とする原稿搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなデジタル式の画像形成装置に備えられる原稿搬送装置では、給紙皿上に積載された原稿を1枚ずつ分離して搬送し、原稿の両面を読取部で読取可能なものがある。
【0003】
このような画像形成装置として、図11に示すように、給紙皿100上に積載された原稿を捌き機構101で1枚ずつ分離し、レジスト機構102で原稿を揃えて搬送し、原稿の片面を読み取る場合には、読取部103で読み取り原稿排紙部104から排紙皿105に排紙し、原稿の両面を読み取る場合には、切換ゲート106a,106bで反転部107へ送り反転し、切換ゲート106b,106cの切り換えで原稿の片面を読取部103で読み取り再度反転部107へ送り反転し、原稿の他方の片面を読取部103へ送り、読取部103で読み取り原稿排紙部104から排紙皿105に排紙するものがある。
【0004】
この画像形成装置は原稿を送り出すための送出ローラ101aと、捌き機構101を構成する送り出された原稿を1枚に分離して搬送する分離ローラ101bとを有し、レジスト機構102は、送り出された原稿のタイミング、曲がりを矯正するためのレジストローラ102aを有し、これらのローラ類は第1モータM11で駆動される。また、画像形成装置は、原稿を読取部103へ案内する読取前ローラ103aと、読取部103にて原稿を押さえる読取ローラ103bと、読み取られた原稿を原稿排紙部104に案内する読取後ローラ103cと、原稿を排紙するための排紙ローラ104aとを有し、これらのローラ類は第2モータM12で駆動される。さらに、反転部107は、原稿を反転して読取部103へ搬送するための反転ローラ107aを有し、この反転ローラ107aは第3モータM13で駆動される。
【0005】
この給紙皿100上に積載された原稿を送出ローラ101aにより送出す時には、第4モータM14を駆動して押圧板110を矢印方向へ移動させ、送出ローラ101aと分離ローラ101bに押圧板110が確実に圧力をかけてから、送出ローラ101aと分離ローラ101bを回転させて送出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の画像形成装置では、送出ローラ101aと分離ローラ101bを駆動する駆動源と、押圧板110を駆動する駆動源は別であり、部品点数も多く、各々駆動のスペースまた、タイミングの制御を必要としており、これが小型化の弊害、あるいは制御の複雑化の一原因となっていた。
【0007】
この発明は、かかる点に鑑みなされたもので、部品点数を削減し、配置スペースの確保が容易でコンパクトな構成であり、駆動源も簡単な制御で動作できる原稿搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0009】
請求項1に記載の発明は、『原稿を載置する給紙皿と、この給紙皿に載置された用紙を1枚毎に分離するための分離ローラまで搬送する送出ローラと、この送出ローラに搬送力を与えるための可動式原稿押圧板を有する原稿搬送装置において、
前記可動式原稿押圧板と前記送出ローラの駆動源が同一であり、
前記可動式原稿押圧板の昇降動作はトルクリミッタで規制され、前記可動式原稿押圧板が前記送出ローラに押圧するまで送出ローラに回転駆動を伝達させないための機械式カップリングを有することを特徴とする原稿搬送装置。』である。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、可動式原稿押圧板と送出ローラの駆動源が同一であり、部品点数を削減し、配置スペースの確保が容易でコンパクトな構成である。また、可動式原稿押圧板の昇降動作はトルクリミッタで規制され、機械式カップリングにより可動式原稿押圧板が送出ローラに押圧するまで送出ローラに回転駆動を伝達させないで、機械的に送出ローラと可動式原稿押圧板との動作に時間差を持たせ、しかも駆動源の正逆転の簡単な制御で動作できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、『前記請求項1に記載の原稿搬送装置を備えてなることを特徴とする画像形成装置。』である。
【0012】
この請求項2に記載の発明によれば、可動式原稿押圧板による確実な押圧後、送出ローラを回転させる構成を、同一駆動源で行うことで、部品点数を削減し、配置スペースの確保が容易でコンパクトな構成であり、駆動源も簡単な制御で動作できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の原稿搬送装置を備えた画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。
【0014】
図1は用紙後処理装置FSと原稿搬送装置DFと画像読み取り装置(スキャナ)SCとを装備した画像形成装置1の全体構成図である。
【0015】
図示の画像形成装置本体1Aは、画像処理部2、画像書き込み部3、画像形成部4、高圧電源部5、カセット給紙部6、定着装置7、排紙部8、自動両面コピーのための再搬送手段(ADU)9を備えている。
【0016】
画像形成装置本体1Aの上部には、画像読み取り装置SCと原稿搬送装置DFが搭載されている。画像形成装置本体1Aの図示の左上部の排紙部8側には、用紙後処理装置FSが連結されている。
【0017】
原稿搬送装置DFの原稿台上に第1面を上向きにして載置された原稿dは、矢印方向に搬送され画像読み取り装置SCの光学系により原稿の片面又は両面の画像が読みとられ、CCDイメージセンサC1に読み込まれる。
【0018】
CCDイメージセンサC1により光電変換されたアナログ信号は、画像処理部2において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書き込み部3に信号を送る。
【0019】
画像書き込み部3においては、半導体レーザからの出力光が画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射され、潜像を形成する。画像形成部4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われ、カセット給紙部6から搬送された用紙Sに画像が転写される。画像を担持した用紙Sは、定着装置7により定着され、排紙部8から用紙後処理装置FSに送り込まれる。或いは排紙路切り替え板8Aにより再搬送手段9に送り込まれた片面画像処理済みの用紙Sは、再び画像形成部4において両面画像処理された後、排紙部8の排紙ローラ8Bにより用紙後処理装置FSに送り込まれる。
【0020】
用紙後処理装置FSは、画像形成装置本体1Aの左上部に着脱可能に装着される。用紙後処理装置FSは、用紙搬送手段10、排紙手段20、後処理手段30、昇降排紙手段40からなり、これらは用紙後処理装置本体45に配置される。
【0021】
図1において、画像形成装置本体1A内の右寄り側には、画像形成部4を中心にして、画像形成装置本体1Aの高さ方向下方にカセット給紙部6が、上方に定着装置7、排紙部8が設けられている。この垂直配列構成により、ほぼ垂直方向の用紙搬送路▲1▼が形成される。カセット給紙部6から送り出された用紙Sは、この垂直上方の用紙搬送路▲1▼に沿って搬送されて画像形成装置本体1A外に排出される。
【0022】
この垂直方向用紙搬送路▲1▼にほぼ平行して、再搬送手段9による用紙搬送路▲2▼が形成されている。
【0023】
上記の垂直方向の用紙搬送路▲1▼、▲2▼を形成することにより、カセット給紙部6から排紙部8に至る最短距離の用紙搬送路が構成される。
【0024】
画像形成装置本体1Aの図示の上方の空間部に用紙後処理装置FSの用紙搬送手段10が収容される。用紙搬送手段10の用紙入口部11は、画像形成装置本体1Aの排紙部8の排紙ローラ8Bに接続する。また、この装着状態では、画像形成装置本体1Aの図示の左上方の空間部に、用紙後処理装置FSの排紙手段20及び後処理手段30が収容される。複数の排紙皿(ビンとも称す)41と昇降駆動手段42から成る昇降排紙手段40は、後処理手段30の図示左側に位置する。
【0025】
次に、図2乃至図10に基づいて原稿搬送装置を説明する。図2は原稿搬送装置の断面図、図3は原稿搬送装置の平面図、図4は原稿搬送装置の要部の拡大断面図、図5は切換部の拡大図、図6は駆動系を示す側面図、図7は送出ローラの駆動系を示す平面図、図8は反転ローラの駆動系を示す平面図、図9は片面通紙経路を示す図、図10は両面通紙経路を示す図である。
【0026】
原稿搬送装置DFには、原稿給紙部200、原稿排紙部300及び原稿搬送部400が配置されている。
【0027】
原稿給紙部200は、原稿を複数枚セット可能な給紙皿201を有し、この給紙皿201に原稿の幅方向に位置決めを行なう一対の規制板202が幅方向に移動可能に設けられている。また、給紙皿201には、載置された原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段S11,S12を構成するセンサが2箇所に配置され、サイズが同じ原稿の読み込みを行なう場合に原稿サイズを検知する。
【0028】
原稿排紙部300は、排紙皿301を有し、この排紙皿301は原稿給紙部200の下方位置に配置されている。排紙皿301上に、原稿搬送部400で片面が読み取られるように搬送され、または両面が読み取られるように搬送された原稿が排紙される。
【0029】
原稿搬送部400は、上流側の第1搬送路410と、下流側に分岐した第2搬送路420及び第3搬送路430と、排出部440とを有している。
【0030】
第1搬送路410には、可動式原稿押圧板520、送出ローラ412、分離ローラ413及び重送防止ローラ415が配置されている。可動式原稿押圧板520は毎給紙時に上昇して原稿を送出ローラ412に押し当て分離ローラ413に原稿を押圧し、分離ローラ413及び重送防止ローラ415により原稿が1枚ずつ分離搬送される。このとき、分離ローラ413の回転により原稿dの搬送で重送防止ローラ415が連れ回りする。
【0031】
また、分離ローラ413の下流側には、原稿長さ検知手段S21を構成するセンサが配置され、さらに送り出された原稿のタイミング、曲がりを矯正するためのレジストローラ414が配置されている。
【0032】
第2搬送路420には、原稿を読取部422へ搬送する読取前ローラ421と、読取部422にて原稿を押さえる読取ローラ423と、読み取られた原稿を排出部440に案内する読取後ローラ424が配置されている。
【0033】
読取前ローラ421の下流側には原稿先端検知手段S31を構成するセンサが配置されている。読取前ローラ421、読取ローラ423及び読取後ローラ424は、正逆回転可能である。
【0034】
第3搬送路430には、原稿を表裏反転して読取部422へ搬送するための反転部432が設けられ、反転部432には第1反転ローラ433と第2反転ローラ434とが配置されている。第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434は正逆回転可能である。排出部440には、排紙ローラ441が配置されている。
【0035】
送出ローラ412、分離ローラ413、レジストローラ414及び第1及び第2反転ローラ433,434は、第1モータM1で駆動される。この第1モータM1による駆動系を説明する。第1モータM1による駆動系は、画像形成装置本体1Aの奥側に配置されている。第1モータM1のモータ軸500からの回転力が駆動ギア501、タイミングベルト502を介して上方に配置された駆動軸503の従動ギア504に伝達され、駆動軸503に固定されたプーリ505を回転する。
【0036】
このプーリ505の回転によりタイミングベルト506を介してプーリ507を回転し、このプーリ507と同軸上のギア508を回転し、クラッチ機構600に伝達される。クラッチ機構600は、クラッチ軸601と、クラッチ軸601に回動可能に設けられたクラッチギア602と、クラッチ軸601上に配置された電磁クラッチ603から構成される。電磁クラッチ603の接続でクラッチギア602の回転でクラッチ軸601が一体に回転し、解除でクラッチギア602の回転がクラッチ軸601に伝達されない。
【0037】
クラッチ軸601の回転で、クラッチ軸601上に設けられたギア510,511が一体に回転し、ギア510に噛み合うギア512からギア513,514が連動して回転し、ギア514の中間軸515に設けられたプーリ516を回転する。プーリ516の回転は、タイミングベルト517を介してプーリ518から駆動軸519に伝達される。
【0038】
駆動軸519の回転により可動式原稿押圧板520が上下動し、可動式原稿押圧板520上の原稿を送出ローラ412に押し当てる。駆動軸519にはトルクリミッタ521が配置されている。可動式原稿押圧板520の昇降動作はトルクリミッタ521で規制され、可動式原稿押圧板520の原稿押圧力を調整している。
【0039】
クラッチ軸601のギア511の回転でギア522,530が連動して回転する。ギア522の回転で駆動軸536が回転し、駆動軸536に設けられた分離ローラ413の下側ローラが回転する。また、ギア530を介して駆動軸531が回転し、駆動軸531の回転は機械式カップリング532を介してローラ駆動軸533に伝達される。このローラ駆動軸533の回転で分離ローラ413の上側ローラを回転すると共に、タイミングベルト534を介して送出ローラ駆動軸535を回転する。この送出ローラ駆動軸535の回転で送出ローラ412が連動して回転する。
【0040】
機械式カップリング532は、図7(b)、(c)に示すように、ローラ駆動軸533に設けたカップリング532aのピン溝532bに、駆動軸531の先端に設けたピン532cを係合する構成である。また、駆動軸531とカップリング532aとの間にはカップリング戻しバネ532dが設けられ、カップリング戻しバネ532dはピン532cが常に図7(c)のピン溝532bの端部532b1に当接するようにカップリング532aを付勢している。
【0041】
給紙皿201に載置された原稿の送出しが終了すると、第1モータM1を逆転させて可動式原稿押圧板520を下降させて、図2に実線で示す位置に移動すると共に、駆動軸531が逆転しカップリング戻しバネ532dによりカップリング532aによりピン532cが図7(c)の二点鎖線で示す位置に移動し、ピン532cがピン溝532bの端部532b1に当接して保持される。
【0042】
再度、給紙皿201に原稿を載置して送出す際に、第1モータM1を正転すると、駆動軸531が正転するが、ピン532cが図7(c)の二点鎖線で示す位置にあるために、カップリング532aが回転してピン532cがピン溝532bを移動して端部532b2に当接まで伝達されず、ピン532cがピン溝532bの端部532b2に当接することで、カップリング532aを介してローラ駆動軸533に回転が伝達される。
【0043】
このように、ピン溝532bによりカップリング532aの回転方向に伝達を遅らせ、可動式原稿押圧板520が原稿に圧を掛けるまで分離ローラ413の上側ローラに回転駆動を伝達しないようになっており、機械的に分離ローラ413と可動式原稿押圧板520との動作に時間差を持たせ、駆動源である第1モータM1を正転、逆転させる簡単な制御で動作することができる。
【0044】
また、可動式原稿押圧板520と、送出ローラ412及び分離ローラ413は、第1モータM1により駆動され、駆動源が同一であることで、部品点数を削減し、配置スペースの確保が容易でコンパクトな構成である。
【0045】
クラッチ軸601のギア511の回転でギア540,541が連動して回転し、さらにレジストローラ駆動軸542のギア543が回転し、このレジストローラ駆動軸542の回転でレジストローラ414の下側ローラが回転し、上側ローラが連動して回転する。
【0046】
また、駆動軸503にはギア550が固定され、このギア550は駆動軸519に回転可能に支持された駆動筒551のギア552を回転する。このギア552の回転で駆動筒551のプーリ553からタイミングベルト554、プーリ555を介して駆動軸556を回転する。駆動軸556の中央部には駆動ローラ557が設けられ、この駆動ローラ557により第2反転ローラ434の上側ローラを回転し、下側ローラを連動して回転する。
【0047】
駆動軸556の端部にはギア558が設けられ、ギア558の回転でギア559,560が回転し、ギア560により駆動軸561が回転する。この駆動軸561には第1反転ローラ433の上側ローラが設けられ、この上側ローラと下側ローラが連動して回転する。
【0048】
読取前ローラ421、読取ローラ423、読取後ローラ424及び排紙ローラ441は、第2モータM2で駆動される。この第2モータM2による駆動系を説明する。第2モータM2による駆動系は、画像形成装置本体1Aの奥側に配置されている。第2モータM2のモータ軸700のプーリ701、読取前ローラ421の駆動軸702のプーリ703、読取後ローラ424の駆動軸704のプーリ705にはベルト706が掛け渡され、読取前ローラ421、読取後ローラ424が連動して回転する。このベルト706にはアイドルローラ707で圧力調整が行なわれる。
【0049】
読取前ローラ421の駆動軸702のプーリ710と、読取ローラ423の駆動軸711のプーリ712にはベルト713が掛け渡され、読取前ローラ421と読取ローラ423とが連動して回転する。
【0050】
読取後ローラ424の駆動軸704にはギア714が設けられ、このギア714の回転でギア715,716を介して駆動軸717のギア718に伝達され、駆動軸717の回転で排紙ローラ441の下側ローラと上側ローラが連動して回転する。
【0051】
また、第1搬送路410には、第1搬送路410から下流側の第2搬送路420と第3搬送路430とに切り換え可能な第1切換部材450が備えられている。この第1切換部材450は、支持軸453と一体に回動可能に設けられている。支持軸453の一端部にはアーム453aが設けられ、他端部にはアーム453bが設けられ、アーム453aはバネ451により付勢され、第1切換部材450は第2搬送路420を開き、第3搬送路430を閉じるようになっている。また、アーム453bはソレノイド452によりバネ451に抗して作動し、ソレノイド452が作動すると第2搬送路420を閉じ、第3搬送路430を開くようになっている。
【0052】
さらに、支持軸453には、一体に形成された第2切換部材460と第3切換部材470とが回動可能に軸支されている。第2切換部材460と第3切換部材470はバネ471により付勢され、第2切換部材460は第2搬送路420を開き、第3切換部材470が第3搬送路430を閉じるようになっている。
【0053】
第2搬送路420には、第1搬送路410と第3搬送路430の両側から搬送を可能とする1方向に付勢された第2切換部材460が配置され、この第2切換部材460はバネ471により第1搬送路410からの搬送を許容し、第3搬送路430からの搬送を規制するように付勢されているが、第3搬送路430から原稿が搬送されると、この原稿の搬送によって自動的に開いて搬送可能である。
【0054】
また、第3搬送路430には、第1搬送路410と第2搬送路420の両側から搬送を可能とする1方向に付勢された第3切換部材470が配置され、この第3切換部材470はバネ471により第1搬送路410からの搬送を規制し、第3搬送路430からの搬送を許容するように付勢されているが、第1搬送路410から原稿が搬送されると、この原稿の搬送によって自動的に開いて搬送可能である。
【0055】
第1切換部材450、第2切換部材460及び第3切換部材470は、第1搬送路410、第2搬送路420、第3搬送路430の合流部に配置された同一軸の支持軸453を支点として開閉動作可能であり、1箇所で配置スペースの確保が容易で、小型化が可能である。
【0056】
また、読取部422の下流側には、反転部432と排出部440とに切り換え可能な第4切換部材490が支持軸493と一体回転可能に備えられている。支持軸493の一端部にはアーム493aが設けられ、他端部にはアーム493bが設けられ、アーム493aはバネ491により付勢され、排出部440の入口440aを開き、反転部432の入口432aを閉じるようになっている。また、アーム493bはソレノイド492によりバネ491に抗して作動し、ソレノイド492が作動すると排出部440の入口440aを閉じ、反転部432の入口432aを開くようになっている。
【0057】
この実施の形態で原稿dの片面の読み込みを行なう場合には、図10に示すように、原稿dの片面を読取部422で読み取り排紙する片面通紙経路P1を搬送する。
【0058】
即ち、給紙皿201上に積載された原稿dを1枚ずつ分離して搬送し、第1切換部材450は第3搬送路430を閉じているから、原稿dは第1搬送路410から第2搬送路420に搬送され、読取部422で原稿dの片面を読み取りを行なう。この読み取りが行なわれた原稿dは、第4切換部材490が反転部432の入口432aを閉じ、排出部440の入口440aを開いているから、排出部440を通って排紙皿301上に排紙される。
【0059】
原稿dの両面の読み込みを行なう場合には、図10に示すように、原稿dの片面を反転部432に導き反転して搬送し、読取部422で読み取り反転部432に導き、この反転部432で再度反転して搬送し、原稿dの他方の片面を読取部422で読み取り排紙する両面通紙経路P2を搬送する。
【0060】
即ち、給紙皿201上に積載された原稿dを1枚ずつ分離して搬送し、ソレノイド452が作動して第1切換部材450は第3搬送路430を開いており、原稿dは第1搬送路410から第3搬送路430に搬送される。第3搬送路430に配置される第3切換部材470は、第3搬送路430を閉じているが、搬送される原稿dによって押されてバネ471に抗して開き、原稿dが通過すると閉じる。
【0061】
この第3搬送路430では、クラッチ機構600の駆動が接続しており、第1モータM1を正転して反転部432の第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434が正転して原稿dを搬入し、クラッチ機構600の駆動を解除して第1モータM1を逆転する。これにより、第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434が逆転して原稿dをスイッチバックして搬送し、第2切換部材460及び第3切換部材470を介して第3搬送路430から第2搬送路420に搬送され、読取部422で原稿dの片面を読み取る。
【0062】
この読み取りが行なわれた原稿dは、ソレノイド492が作動して第4切換部材490が反転部432の入口432aを開き、排出部440の入口440aを閉じているから、第1モータM2を逆転して読取前ローラ421、読取ローラ423、読取後ローラ424を逆転し、第1モータM1を正転して反転部432の第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434が正転し、反転部432の入口432aを通って反転部432に送られる。
【0063】
この第1モータM1の正転では、クラッチ機構600の駆動が接続されており、送出ローラ412、分離ローラ413及びレジストローラ414が回転し、両面原稿を反転して、読取部422へ搬送するタイミングで次の原稿をレジストローラ414まで搬送し、搬送を終了している。
【0064】
そして、クラッチ機構600の駆動を解除して第1モータM1を逆転して第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434が逆転して原稿dをスイッチバックして搬送し、第2切換部材460及び第3切換部材470を介して第3搬送路430から第2搬送路420に搬送し、読取部422で原稿dの他方の片面を読み取る。この両面原稿を反転して、読取部422へ搬送するタイミングで次の原稿をレジストローラ414まで搬送し、搬送を終了することで、生産性を向上することができる。
【0065】
この読み取りが行なわれた原稿dは、第4切換部材490が反転部432の入口432aを閉じ、排出部440の入口440aを開いているから、排出部440を通って排紙皿301上に排紙される。
【0066】
この原稿dの片面と原稿dの両面とを読み取り可能な原稿搬送装置は、読取部422の上流かつ反転部432の下流に配置した一対のローラにて原稿先端を突き当てて揃える原稿レジスト機構Aを有し、この原稿レジスト機構Aは読取前ローラ421で構成される。原稿レジスト機構Aを読取部422の上流かつ反転部432の下流に配置し、この原稿レジスト機構Aの一対のローラにて原稿先端を突き当てて揃える。
【0067】
この原稿レジスト機構Aにより原稿dを揃える時に生じる原稿dのループを許容するレジストループ形成空間SP1が片面通紙経路P1に形成され、レジストループ形成空間SP2が両面通紙経路P2に形成され、原稿レジスト機構Aにより原稿を揃える時に生じる原稿dのループをレジストループ形成空間SP1,SP2で許容することで、原稿dの片面、両面共に確実な曲がり補正ができる。
【0068】
また、原稿レジスト機構Aの上流側に原稿位置検知手段S41が配置され、片面通紙経路P1と両面通紙経路P2との合流点直後に、原稿の位置を検知する原稿位置検知手段S41を配置することで、原稿dの片面、両面共に原稿dの位置を検知することができる。
【0069】
また、第1搬送路410から下流側の第2搬送路420と第3搬送路430とに切り換え可能な第1切換部材450を有し、第2搬送路420には、第1搬送路410と第3搬送路430の両側から搬送を可能とする1方向に付勢された第2切換部材460が備えられ、また第3搬送路430には、第1搬送路410と第2搬送路420の両側から搬送を可能とする1方向に付勢された第3切換部材470が備えられている。
【0070】
さらに、第2搬送路420に配置された読取前ローラ421、読取ローラ423、読取後ローラ424が正逆回転可能な一対の搬送ローラであり、また第3搬送路430に配置された第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434が正逆回転可能な一対の搬送ローラであり、また排出部440の排紙ローラ441も正逆回転可能な一対の搬送ローラである。
【0071】
サイズの異なる原稿dを給紙皿201に載置して読み取りを行なう場合に、給紙皿201に載置した状態では原稿サイズの判定ができないことから、第1搬送路410から第2搬送路420に搬送して原稿長さ検知手段S21により原稿サイズの判定を行なう。
【0072】
この原稿サイズの判定が終了すると、第2搬送路420に配置された読取前ローラ421、読取ローラ423及び読取後ローラ424を逆転し、さらに排出部440の排紙ローラ441も逆転し、また第3搬送路430に配置された第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434を逆転し、原稿dを第2搬送路420から第3搬送路430へ戻す。そして、第3搬送路430に配置された第1反転ローラ433及び第2反転ローラ434を正転し、第2搬送路420に配置された読取前ローラ421、読取ローラ423及び読取後ローラ424を正転し、さらに排出部440の排紙ローラ441も正転してスイッチバックし、第3搬送路430から第2搬送路420に搬送し、読取部422で原稿dの読み込みを行なう。
【0073】
第1モータM1により送出ローラ412、分離ローラ413、レジストローラ414及び第1反転ローラ431と第2反転ローラ432を駆動し、第2モータM2により読取前ローラ421、読取ローラ423、読取後ローラ424及び排紙ローラ441を駆動し、送出ローラ412と分離ローラ413とレジストローラ414の駆動を接続、解除可能なクラッチ機構600を備えており、原稿の給送のときにはクラッチ機構600を接続して送出ローラ412と分離ローラ413とレジストローラ414の駆動と、第1反転ローラ431と第2反転ローラ432の駆動を行ない、反転のときにはクラッチ機構600を解除して送出ローラ412と分離ローラ413とレジストローラ414の駆動を行なわない。
【0074】
このように、原稿の給送と反転を共通の第1モータM1で駆動することでモータを削減し、しかもクラッチ機構600を追加する安価でコンパクトな構成でなおかつ生産性を向上することができる。
【0075】
なお、本発明の実施の形態では、複写機に接続した原稿搬送装置を示したが、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置や、これらの複数の機能を有する複合機及び軽印刷機等と接続して使用する原稿搬送装置にも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、可動式原稿押圧板と送出ローラの駆動源が同一であり、部品点数を削減し、配置スペースの確保が容易でコンパクトな構成である。また、可動式原稿押圧板の昇降動作はトルクリミッタで規制され、機械式カップリングにより可動式原稿押圧板が送出ローラに押圧するまで送出ローラに回転駆動を伝達させないで、機械的に送出ローラと可動式原稿押圧板との動作に時間差を持たせ、しかも簡単な制御で駆動源を駆動することで動作することができる。
【0077】
請求項2に記載の発明では、可動式原稿押圧板による確実な押圧後、送出ローラを回転させる構成を、同一駆動源で行うことで、部品点数を削減し、配置スペースの確保が容易でコンパクトな構成であり、駆動源も簡単な制御で動作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙後処理装置と原稿搬送装置と画像読み取り装置を装備した画像形成装置の全体構成図である。
【図2】原稿搬送装置の断面図である。
【図3】原稿搬送装置の平面図である。
【図4】原稿搬送装置の要部の拡大断面図である。
【図5】切換部の拡大図である。
【図6】駆動系を示す側面図である。
【図7】送出ローラの駆動系を示す平面図である。
【図8】反転ローラの駆動系を示す平面図である。
【図9】片面通紙経路を示す図である。
【図10】両面通紙経路を示す図である。
【図11】従来の原稿搬送装置の断面図である。
【符号の説明】
DF 原稿搬送装置
1 画像形成装置
1A 画像形成装置本体
201 給紙皿
412 送出ローラ
413 分離ローラ
414 レジストローラ
520 可動式原稿押圧板
M1 第1モータ
M2 第2モータ

Claims (2)

  1. 原稿を載置する給紙皿と、この給紙皿に載置された用紙を1枚毎に分離するための分離ローラまで搬送する送出ローラと、この送出ローラに搬送力を与えるための可動式原稿押圧板を有する原稿搬送装置において、
    前記可動式原稿押圧板と前記送出ローラの駆動源が同一であり、
    前記可動式原稿押圧板の昇降動作はトルクリミッタで規制され、前記可動式原稿押圧板が前記送出ローラに押圧するまで送出ローラに回転駆動を伝達させないための機械式カップリングを有することを特徴とする原稿搬送装置。
  2. 前記請求項1に記載の原稿搬送装置を備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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