はてなキーワード: インゴールとは
残暑もようやくその勢いを失いつつある9月半ばの初秋、月曜未明のキックオフは普通だったら観戦するのを躊躇する時間帯だが、幸いにも日本は今日、3連休の最終日だ。
フランスで開幕したラグビーW杯は2週目、日本代表はラグビーの母国、イングランドと対戦する。
このイングランド、対戦成績でいうと、日本は勝てたことがない。
ただ「勝てたことがない」でいうと日本は南アフリカにもアイルランドにも勝ててなかったわけで、それがいつ「勝ったことがある」に変わるかはわからない。
実際、日本はすでに全ての国に警戒されるまで地位を上げてきており、強豪国といえど研究を重ね、策を練って当たるようになってきている。
国際的に認知されている日本の強みといえば、ボールを保持しての素早い展開であり、保持しての攻めは強豪国も手を焼くものだ。
なので、増田としては多くの人が予想する「キックをぶつけてくる」のではなく、イングランドは「保持して渡さない」という戦術を予測した。
まったく主流でない予測だが、保持された方が日本としては対応がないように思えたのだ。
果たしてイングランドはどういった戦術を取ってくるか、そして日本は。
イングランドはアルゼンチンとの初戦、戦慄のキックで全得点を叩き出したジョージ・フォードだけでなく、フロントローもベテランで固めてきた。
もし予想外のことがあっても、素早く修正してくるだろう。
対する日本も通常リザーブ出場が多いラスボス堀江をフッカースタメンに起用。
スタット・ド・ニースのピッチはマイクで拾っているはずの中継の声も聞こえづらいほどの大歓声。
観客もこの1戦が、過去の対戦成績やランキング通りの結果で簡単に予想できるものではないものになると期待しているのかもしれない。
不評を受けて今回から合唱だけでなく伴奏付きに選択できるようになった国歌斉唱は、双方が伴奏アリを選択し、聴き慣れた君が代とゴッド・セイブ・ザ・キングに続いて大一番はキックオフとなった。
イングランドのキックオフで始まった大一番は、開始直後にFBマシレワがインゴールでノックオン。
いきなり危機にさらされた日本は最初のスクラムを見事止め被トライを防いだが、その後イングランドにペナルティを獲得されPG。
その後もフォードのロングキックでエリアを取ってくるイングランド。
増田はイングランドの戦術としてホールドしてくるのもアリかと思ったが、気を衒わず利があるキックをぶつけるのが最善、ということなのだろう。
イングランドが蹴ってエリアを獲得してくるので、FBはキックを処理しなくてはならず、マシレワの今日の仕事は多いのだが、そのマシレワがキック処理後に不運にも右脚を負傷。
早々にレメキと交代となった。
交代カードをあまり早く切ると、その分消耗が早くなったり、戦術の替え場をコントロールできなくなったりするのだが、怪我ではしょうがない。
ただ、マシレワは蹴った後にハムストリングを痛めたように見えたので、次戦以降にどうなるのかが心配だ。
さて大方の予想通りキック主体に攻め入るイングランドに対して日本はというと、こちらは意外と言うか、蹴り返して応戦する。
この蹴り合いは、テリトリーではやや押されている場面があるものの、あまり決定的なゲインを許していない。
「ラスボス」堀江がコントロールするスクラムいまのところは互角に見える。
20分にはフォードのキックをチャージしてイングランド陣内に深く侵入、ペナルティを獲得して松田のキックでスコアを先行した。
その直後の24分、今度はミスを見逃さずキックで深く侵入したイングランドにトライを被るが、対する日本も再びキックを有効活用して深く侵入してPGをかえし、1点差まで詰め寄る。
日本代表は出来過ぎなくらい上手く戦っている。
ほぼ差のないまま後半に入ることができればこの大一番の勝利もうっすらと見えてくる。
なので、前半終了間際にゴールライン側まで大きく押し込まれたシーンはピンチだ。
日本は守りたいところだし、イングランドとすればトライで突き放して気勢を削ぎたい。
前半最後の攻防は41分まで粘った日本からPG獲得、イングランドがわずかだが確実なアドバンテージをもち帰り、4点差での折り返しとなった。
それにしてもイングランドが蹴るのは予想の範囲内だったが、日本がこれだけ蹴るとは、そして蹴り合いとなって僅差で前半を折り返すとは誰が想像したろう。
蹴り合いのゲームはハマれば消耗が少ない。
日本はスタミナを温存して後半に臨むことができる。
前半に予想外の戦術をとり、後半をどう戦うか注目された日本だが、50分を過ぎても流のボックスキックなど、キックで前進。
前半最後の1本を帳消しにする松田のPGで再び1点差まで詰め寄る。
前半よりキックを使う回数は多いくらいだ、大方の予測通りに蹴ってきたイングランドに対して、日本もこの試合では徹底的に蹴るつもりかもしれない。
ゴールライン手前までイングランドが押し込んでから、ジョー・マーラーの金髪モヒカン頭に当たったボールがコートニー・ローズの手元に入り、ノックオンかと日本の選手の脚が止まったなかでこれがトライ。
日本は堀江がスクラムで存在感を見せているが、イングランドのベテランは強運で思わぬアシスト引き寄せ、ラグビーの母国がこの試合初めて1トライ分以上の点差をつける。
ここでノックオンのセルフジャッジをして足を止めた一瞬は、日本にとってのちに響く大きな差となった。
日本代表選手の集中が少しだけ切れたのか、見えない流れがイングランドに渡ったのか、蹴り合いの後のボールを獲得できない日本に対して、ゴールではなくライン側を狙ってもイングランドの名手のキックが冴え渡る。
64分にはフォードのキックパスが長身フレディ・スチュワードにピンポイントで渡り、見るものを感嘆せしめるトライで安全圏の2トライ以上の差をつける。
67分で15点差はこちらに展開を持ってくることができれば追いつけない差ではない、しかしラグビーの母国の選手たちは抜け目なく、挑戦者にチャンスを与えない。
残り時間が減っていく中で、日本は狙うべき現実的なターゲットが逆転から、同点、7点差以内敗戦のボーナスポイントへとズルズルと下がっていく。
78分で自陣で相手ボールのスクラムになってしまえば、15点差から8点をとってボーナスポイントを狙うのももう無理だ。
苦い味のする最後のケーキは相手にボーナスポイントを渡さない被トライ3以下。
しかし、妥協しないイングランドはこれすらも許さず、81分に日本は4トライ目を献上してしまった。
キックに自信をもつイングランドに蹴り合いを挑み、前半を互角に戦った日本だが、勝ち点の上では完敗とも言える結果、どこで、どのように流れがイングランドに渡ったのだろうか?
試合のスタッツを見てみよう。
キャリーメートル数:イングランド 533m -324m 日本 に対して、
キックゲイン:イングランド 1177m - 938m 日本だからお互い蹴ったゲームだった
試合全体のテリトリーはイングランド 61%-39% 日本、ボール支配率はイングランド 66%-34% 日本。
大きく押し込まれていたことを示す数字だが、これらの数字がイングランドに傾いたのはおそらく後半だろう。
ラインアウトはイングランド 成功10/13 - 成功8/12 日本。
イングランドもミスはしていたものの、日本が失った4本を成功できていれば、ここを起点にもっと前進できたかもしれない。
スタッツで取られないところだが、ハイボールの競り合いも日本がクリーンにとれていたところがあまりなく、イングランドが局面で優勢だった印相。
ディティールではこの辺りでイングランドに流れが渡ったように思える。
ノックオンになればスクラムだが、ベテランを起用した日本のスクラムは抜群に安定しており、組み負けてPGを取られるという悪い展開にならなかった。
キックを多用した戦術選択は、このスクラムの自信と、滑る手元でボールを動かすことの不確実性が考慮されたのかもしれない。
戦術の選択についてたらればを言うのは本当におこがましいのだが、ハイボが入らない、ラインアウトが完全に支配できないという状況で、個人的には後半のもう少し早くにボールを保持して、イングランドが前進できる機会を減らすというオプションがあったらどうなっていただろう、という感想はもった。
ただ、試合後の選手のインタビューでは、プランというより、遂行の面での不備を振り返るものが多く、実際にもプランがそこまで破綻した場面はないように見えたので、増田の感想はあくまで素人考えの域をでないだろう。
「落ち込む時間もない。10分ぐらい落ち込んで、次の10日間でサモア戦に向けて準備したい。」
10日後に日本代表とまみえるサモアは23日に先立ってアルゼンチンとも対戦する。
この結果はどちらに転んでもプールDに大きな混沌をもたらしそうだ。
そしてその帰趨ともに、次戦の結果で日本がこの混沌に潜む魔物の犠牲者となるか、他国にとっての死神となるかが決まるだろう。
混戦を抜け出す勝利を掴むことはできるだろうか、日本 vs サモアは29日未明、日本時間4:00にキックオフだ。
1人、2人、、、4人をかわしそれでもまだ向こうにはフルバックの他4人ほど並んでいる。
相手のフルバックはプロップ並みの体格をしているが、足は速そうだ。
ゴールラインがもうすぐ目の前というところまで到達した。
味方にパスしようと左を確認した瞬間、敵のセンターバックが体勢を崩した。
その瞬間、敵センターバックとフルバックの間を突きゴールラインへ。
その瞬間大きな音を立てて、自室の床に叩きつけられていた。
大きく突き上げた右手は羽毛布団を吹っ飛ばし、右手首と床との間になり手首の負傷は免れた。
仰向けの状態から立ち上がる事もなくあれほど飛ぶことなどできるのだろうか、と思うほど吹っ飛んでいた。
床に叩きつけられた時は自分でも驚くほどの音で、それで目が覚めたほどだ。
寝ぼけながらも布団を抱えてベッドに戻り横たわると、隣の部屋から女房が来た。
「なに!今の音!何が有ったの?」
「はぁあ?」
「かくかくしかじかで、気が付いたらベッドからそっちの壁近くまで吹っ飛んでたんだよ。
「まだ5時前よ。夢見てベッドから落ちたって事ね。驚いたわよ。骨折はしてなさそう?」
「取りあえず大丈夫だと思う。もう少し寝る。」
ベッドから落ちる時は、ボテッっと落ちるもんだと思ってた。
あんなに勢いよく落ちる事なんて有るのだろうか。
着地点は枕~頭部でおよそ1.7mほど離れていた。
何となく覚えているのは、仰向けから少し回転した状態で腕を伸ばした瞬間、
羽毛布団を思いっきり跳ね上げた事。
そして次の瞬間には腕から落ちていた事、立ち上がった記憶は一切ない。
(密閉されたような状態の羽毛布団は負圧でも掛かっているかのように、
いきなり持ち上げようとしてもゆっくりとしか持ちあがらず、意外に重く感じる。)
頼みの綱のワクチンも製造段階で遅延が発生、夏までの安定供給は絶望的。
あの菅総理でさえも、会見でオリンピック開催を口に出すことが無くなってきてしまった。
窓の外では桜のつぼみが開花を今か今かと待つかのように膨らみつつあった。
そしてついに菅総理が会見でオリンピック中止を発表する日が来た。
「延期が続いているオリンピックについてであります」という菅総理の言葉を聞きながら森は会見場をゆっくり見渡した。
会場には「開催の判断を待つ」という理由で延期され続けてきた聖火リレーのトーチも飾られていた。
本来であれば今頃、あれが日本中を駆け巡り、人々に喜びを、希望を繋いでいたはずなのだ。
…本来であれば?
そうだまだ、オリンピックは中止になっていないのだ。
今からでも遅くない!
森の異変に気が付かず「苦渋の決断ではありますが…」と続ける菅首相を、横からドーンと突き飛ばす森。
「聖火リレー、始めるぞ!」
止められてはまずい。
森はすぐさま飾られているトーチをひっつかむと報道陣を突き飛ばしながら会見場を飛び出した。
追ってくる記者も何人かいるが、若いとはいえいつもデスクにへばりついているような足で、元ラグビー部の森の足にはかなわない。
まさに森の独走、森は高々とトーチを掲げながら国立競技場を後にする。
走りながら森は高揚感を覚えていた。
俺のやるべきことは、インタビューや会見でしゃべることじゃない、こうやって俺自身が先頭に立って走ることだったんだ!
大学時代、ボールを脇に抱えインゴールラインを目指して走ってた自分の姿が脳裏に蘇ってきた。
俺がまずオリンピックのためのワン・フォー・オールにならねば。
降りしきる桜の花びらにほほえみながら森は走り続けた。
5年後。
除幕を前に語りあう報道陣達。
「まあなんていうか、良い逝き方だったっすよね」
「結局オリンピックは中止になったけど、彼の中では大成功だったんじゃないかな」
みんなが空を見上げると、そこにはあの日と同じく、満開の桜が揺れていた。
ファンファーレとともに幕が下りるとそこにはトーチを片手に走る森の銅像が。
台座にはこう書かれていた。
9月20日に幕を開けたラグビーW杯2019日本大会は、43日を経て今夜、最終日を迎える。
予選4プールから20チームで争われたトーナメントで最後に勝ち残り、ウェブ・エリス・カップへの挑戦権を得た2チームは、白衣のイングランドと緑のジャージの南アフリカ。
4年間を最高の形で締めくくるのはどちらのチームとなるだろう。
そして、決勝はどのような戦いになるのだろうか。
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小細工なしの真っ向勝負で勝ち上がってきた南アは、この決勝も自分たちの強みを最大限に活かしてぶつかっていくいだろう。
ただ小細工はしないと言ったが、プランがないとは言っていない。
南アで注目すべきはスタメンとリザーブの顔ぶれ、とりわけリサーブの3人、HOマルコム・マークス、PRヴィンセント・コッホ、スティーブン・キッツォフだ。
この第一列は、本来だったら1本目のフロントローなのだが、ノックアウトラウンドに入ってからとういうもの、彼らをリザーブに回して後半から登場させている。
ディフェンシブで硬いラグビーを得意とする彼らにとって、ディフェンスとともにセットプレーは生命線だ。
最強のフロントローを後半に登場させて、インテンシティ(強度)をおとさずゲームを支配するのがその目論見だ。
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また、通常80分を超えると最後のワンプレーを残してゲームが終了するのがラグビーだが、勝敗をつけなければならないトーナメントに限っては、80分で決着がつかなかった場合、延長戦に突入する。
そうなった時、どちらがスクラムで勝ってペナルティーゴールを獲得するかは勝敗に直結する。
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ただ、それでも南アが好みの試合展開になるかどうかはわからない。
準々決勝や準決勝でとったようにハイパントを多用して着地点でのフィジカルバトルを挑んでも、ボールを保持した敵が蹴り合いに応じずキープしつづければ、南アは非常に低いポゼッションの中から得点のチャンスを探さないといけない。
相手がフィジカルに大きな強みを持たない日本やニュージーランドならともかく、今日の相手は自分たちと劣らぬ屈強さを誇るイングランドなのだ。
キープされ続けながら真っ向勝負の激しいフィジカルバトルで互角以上に持ち込まれるビジョンにも現実性がある。
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地上戦のフィジカルバトルでディフェンスが巻き込まれれば、突きつけられるランの脅威も増すだろう。
フィジカル優位が自明であったり、強みの優劣がそのまま結果に反映された今までとは難易度のレベルが違う。
南アはスクラムはもちろん、ラックやモールでも80分間、絶対優位で試合を運んだ上に、一瞬のわずかな隙に手を突っ込んでこじ開けてくるイングランドの一撃を封じないといけない。
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さらに言うと今回のイングランドは何を仕掛けてくるかわからない。
「ここまで来れば、コーチし過ぎないことが大事。選手を精神的にも肉体的にもフレッシュな状態にし、ゲームプランを提示して、チャンスがつかめるように持っていく」と語ったイングランドのエディー・ジョーンズHC。
自然体で当たるとも取れる発言だが、あくまでコーチングの話であって、稀代の戦略家がノープランで決戦に臨むとは思えず特別なプランがあるのかもしれないが、それだって言葉の裏を考えすぎて迷いが生じれば勝負師の思う壺。
賽は投げられた、もうやるしかない。
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観客が声を合わせる光景はもうお馴染みとなったが、今日の歌声はより大きく、スタジアムは大合唱となった。
大歓声のなかキックオフの瞬間を迎えた。
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南アフリカのキックオフで始まった試合は、イングランドの応援歌、スイングロウ・スィートチャリオットが響き渡る中、開始早々イングランドのPRカイル・シンクラーが味方LOマロ・イトジェと交錯し脳震盪で交代。
早くも激闘を予想させる幕開けとなる。
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続くマイボールのファーストスクラムに組み勝った南アが大きく展開して攻め込み、押し込まれたイングランドは自陣からボールを回し押し返すが、南アもすぐさま切り返して展開する。
今までとは打って変わってランで展開して攻める南ア。
イングランドがキックで地域を返挽回してもキックとランを織り交ぜて攻めていく。
さらにスクラムでも圧倒し、地上戦で優位を示しながらスタートを切った。
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8分、敵陣深くでボールに噛んだ南アがペナルティゴールを獲得。
決勝初の得点はSOハンドレ・ポラードのキックから生み出され、3-0。
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予測の逆の展開にペースをつかめずにいたイングランドは21分、初めて敵陣深く侵入してラインアウトからのセットプレーでフェイズを重ねた攻撃からペナルティゴールを獲得、これをオーウェン・ファレルが決め3-3。
この攻防の中で、今度は南アHOボンギ・ンボナンビが脳震盪で、LOルード・デヤハーも肩を痛めて交代する。
激しい試合だ。
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25分、この試合の大きなファクターとなっていくスクラムで組み勝った南アがペナルティゴールを獲得し6-3。
イングランドも待っていたために後手を踏んでいたディフェンスを激しく前にでるものに変え、身体を当てながら前進し、6分に渡る攻めでペナルティーゴールを獲得し6-6とする。
流れを持っていかれたくない南アは36分に獲得したペナルティと前半最後のスクラムでプレッシャーをかけ、ともに獲得したペナルティゴールを決めて12-6で前半を折り返した。
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前半、獲得したスクラムの全てに勝って4本のペナルティーゴールを決めた南アの首尾は上々だ。
終了間際にもフェルミューレンが真正面からぶち当たり、気持ちでもペースを渡さない。
対して予想外のランでの展開に待ってしまったイングランドは、攻めてもボールが手につかず噛み合わない。
想像以上の強さの前に明らかな劣勢に立たされてしまっているのに、南アはまだ最強のフロントローを残しているのだ。
25分過ぎから少しだけ流れを取り戻したが、未だビハインドは6点。
スコア以上に悪い状況を挽回するため、エディーはどのような策を授けるだろうか。
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後半、キックオフからランで攻めるイングランドだが、素晴らしい集中力を発揮する南アのディフェンスの上がりが早く突破できない。
スクラムでも南アが予定通りフロントローにコッホとキッツォフの2枚をいれ、本来の最強のフロントローで制圧にかかってくる。
この圧倒的な力押しでペナルティゴールを奪われ15-6。
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その後のキックオフからの攻めでも、早くて強いディフェンスで立ち往生を食ってからのスクラムで跳ね返される。
スクラムで決定的な優位を証明した南アは3点をちらつかせつつイングランドの攻撃を跳ね返しつづける。
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圧力に苦しむイングランドはなんとかスクラムを一本返してしてペナルティゴールで15-9とするが、陣地に進入してきた南アにペースを強奪され、ペナルティゴールで突き離される。
追いすがるイングランドもすぐさまペナルティゴールかえしてし18-12とした64分、劣勢のスクラムからついにディフェンスが破綻、ここからの展開でマカゾレ・マピンピにインゴールに飛び込まれ、初のトライを奪われる。
増田も含めてきっと多くの人間が勘違いしていた、イングランドが仕掛けて、南アが受けてたつと。
でも地上戦は体を当てて前に出て相手にキックを蹴らせ、ボールを持ってはFWの強度で集めてランで止めを刺す、イングランドがとれる戦術は、南アだってできたのだ、だってそうじゃないか、FWもバックスも駒は揃っている!
この戦いは自分の置かれた状況を素早く理解したものが制する勝負だった!
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70分をすぎ、もうトライを取るしかないイングランドはセットプレーで攻めるも集中力が切れない南アがラインを押しかえし、そして73分、170cmのポケットロケット・チェスリン・コルビが大男をかわしながら走り抜け、勝負を決定づけるトライ!
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そのまま80分、南アがイングランドを陣地に磔にしたままボールは蹴り出された。
スタジアムが歓声に包まれ、栄冠を手にした戦士たちが抱擁を交わす。
南アフリカは戦略家の予想を上回る戦術と、それでも決して忘れなかった自らの強みで、80分間ラグビーの母国を封じ込めつづけた。
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試合後、安堵したような表情でインタビューに答えるラッシー・エラスムスHCに対し、序盤の違和感からペースを一度も渡してもらえずの敗戦に珍しく失意を隠さないエディー・ジョーンズHC。
自国開催での屈辱の予選プール敗退から4年間、白いジャージをここまで連れてきて、黒衣の王者にさえ何もさせなかったが、緑の巨人が立ちはだかり、栄冠には手が届かなかった。
しかし、その手腕を証明した名将はいつかまた帰ってくるだろう。
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審判団や準優勝のイングランドへの表彰を経たセレモニーの最終章、44日間、いやもっと大きく見れば4年の間争われたウェブ・エリス・カップは、秋篠宮皇嗣から南アキャプテンのシア・コリシに手渡され、緑の戦士たちがその所有者となった。
南アフリカにとって、ラグビーは初の優勝から民族融和の象徴として特別な意味を持つ。
黄金のカップの下、戦士たちが喜びのステップを踏む中、大会は幕を閉じた。
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今日でこのレビューも終わるが、最後に少しだけ話をさせてほしい。
ラグビーの面白さを知ってもらいたい、そして一緒に盛り上がりたい、そんな思いから始めたレビューがこんなにも多くのブクマとブコメをいただき、まるでみんなと一緒にW杯をみているようだった。
それは小さい事だけれども夢だと言っていいし、それがかなった最高の44日間だった。
夢を叶えてくれたのは、増田に場所をくれたのは、ここに集うみんなだ。
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そしてこのレビューを多くのブクマカの勧めに従い、noteでまとめて公開することにした。
増田よりその分内容が増えていると言えるが、ここでしか書けない一言がある。
夢を叶えてくれただけでなく、増田に新しい学びの機会をくれたブクマカやはてなユーザーにありったけの感謝をしたい。
みんなが最初だ。
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そして、また4年間が始まる。
次はフランスだ。
また一緒に、ラグビーで盛り上がろう!
11月最初の週末は、ラグビーW杯2019日本大会、最後の週末だ。
ラグビー伝統国以外での、そしてアジア初開催となったこのトーナメントも残すところは2試合を残すのみ。
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大会を振り返った時、3位のチームを覚えている人は少ないだろう。
地上波放送もなかったし、3位決定戦自体の存在意義に疑義を唱える関係者もいると聞く。
しかし、今回、不可抗力で中止になった試合こそあるものの、W杯の開催地に最後まで残って、参戦したときに行う可能性のある7試合全てを戦えるのはここまで残った4チームにのみ許された権利だし、この大舞台で戦う経験を積む新星、そして代表戦の舞台から去るベテランたちにとってこの一戦は大きな意味を持っている。
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ニュージーランドのWTBリーコ・イオアネや、ウェールズのSHトモス・ウィリアムズ、CTBオーウェン・ワトキンはこの3位決定戦で次の4年に向けた新たな一歩を踏み出し、No8キアラン・リード、FBベン・スミス、CTBライアン・クロッティ、FLマット・トッド、そしておそらくはこのステージで残された時の少ないLOアラン・ウィン・ジョーンズといった伝説たちが、代表として有終の美を飾るための戦いに臨む。
また、スティーブ・ハンセン、ウォーレン・ガットランド両HCも退任が決まっており、これらはこの試合が1つのサイクルの終焉と新たなサイクルの始動を繋ぐものであることも意味している。
強豪国として名をはせる両国は今夜、どのような「終わりと始まり」を見せてくれるだろうか。
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若手に経験を積ませたりベテランの花道を作ってやりたいとは思っても、負ける気など全くないウェールズ。
伝統の固いディフェンスと激しいタックルは若手にも浸透しているであろうが、相対するのは攻めてくるのを待っていて勝てる相手ではない。
ウェールズは攻撃的守備を遂行しつつ、ペナルティーキックやセットプレーなどの一瞬の勝機を何度ものにできるかが問われる一戦となる。
対してスタメンを大幅に入れ替えても世界的なビッグネームばかりという層の厚さを誇るオールブラックスは、完全に封じられれた準決勝の苦い思い出を払拭し、自信を取り戻さないといけない。
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国家斉唱を前にこの試合で黒衣を脱ぐキアラン・リードの頬に笑顔が漏れる。
スタジアムが純粋にラグビーを楽しむ祝祭的なムードに包まれる中、両国の代表と観客が声を合わせて歌う国歌。
特別な試合、原則マオリの血を引くものが務めるとされるハカのリードはキアラン・リードだった。
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いよいよキックオフ、増田の予想に反してウェールズは試合開始から果敢にランで展開しつつ攻めるが、これを止めたオールブラックスがペナルティを獲得、外れたゴールキックの攻防からボールをつなぎ、なんとPRのジョー・ムーディーが激走してトライ!
つづく12分にもラインアウトからのセットプレーでクロスパスを受けたFBボーデン・バレッドがディフェンスをすり抜けてトライ。
14-0。
オープンな展開から2トライを奪ったオールブラックスが序盤をリードする。
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対するウェールズも深く攻め込んでからのセットプレーを取り切ってトライ、その後もペナルティーゴールを獲得し14-10とやり返していく。
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しかし、ボールをもってもキックを使わず走るウェールズが挑んだ攻めあいはオールブラックスの土俵で、32分にはセットプレーからターンオーバが連続する混乱をベン・スミスが走り抜けてトライ。
銅鑼のなった40分すぎにまたもベン・スミスがインゴール右隅に飛び込み、28-10として前半を終了した。
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スタンドに観戦にやってきていた上皇夫妻に送られる拍手と歓声。
トーナメントを勝ち上がってきたキック主体の戦術を使わずランでのオープンな展開で攻めたウェールズだが、オールブラックスの得意な混乱からの打ち合いを誘発してしまう。
ウェールズは今日が代表最後となるベン・スミスの2トライなどで大幅リードを許して前半を折り返した。
後半は締めていくのか、覚悟を決めて引き続き果敢に攻めるのか。
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後半開始早々、オールブラックスはまたもベン・スミスがディフェンスをすりぬけてチャンスメイクし、ソニー・ビル・ウィリアムス一流のオフロードでつなぎ、ライアン・クロッティが飛びこみトライ。
今大会を若い力で駆け上がってきたオールブラックスは、3位決定戦でみせたベテラン3人のアンサンブルで35-10。
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ウェールズは残された大舞台最後の時間を観客とともに全力で楽しむように、後半もキックを使わずランで攻める。
オーソドックスな展開攻撃だけではなかなかビックゲインができなかったが、辛抱強くボールを繋ぎつづけ、インゴールライン間際の攻防からジョッシュ・アダムズが頭を突っ込んだ!
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ゲームは選手の交代が相つぐ時間となり、大歓声で送られるウェールズのアラン・ウィン・ジョーンズやオールブラックスのソニー・ビル・ウィリアムズ。
最もセクシーなアスリートと世の女性にもてはやされながら、前大会で得た金メダルを興奮してフィールドに降り駆け寄ってきたファンの子供にあげてしまうなど、セクシーの期末試験があったら記述問題に採用したい振る舞いがノータイムで出せる伊達男ソニー・ビルは、13人制でカナダからのオファーがるという。
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腕を痛めたウェールズSOリース・パッチェルの交代で怪我の穴埋めにとことん縁のあるダン・ビガーがフィールドに降り立ち、同じく交代で入ったSHガレス・デービスがややキックを増やしたことで後半の展開は均衡したが、やはりオープンなゲームであることは終盤になっても変わらない。
観客にラグビーの楽しさを示すように攻め合いになったゲームは、75分にウェールズ陣深い位置からのスクラムからオールブラックスSOモウンガが、その均衡を破るトライで40-17として、このスコアのままゲームは終了した。
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おそらくは互いに最後のW杯となるアラン・ウィン・ジョーンズ、キアラン・リード両キャプテンが晴れ晴れとした表情でインタビューに答える。
準決勝の苦い敗戦を払拭し、最後の試合を飾ったスティーブ・ハンセンHCは大歓声に送られ、花火大会の打ち上げ本数で上回られたウォーレン・ガットランドHCは少しだけ悔しそうな表情で、しかし歳月を噛みしめるようにウェールズを鍛え上げた日々への思いを語った。
今大会で堂々オールブラックスの司令塔を務めた新星モウンガは試合前に「先輩たちのために今日は戦う」と語ったという。
ウェールズの選手たちも同じ気持ちではなかったのだろうか、去る者の思いは若い戦士たちに受け継がれていく。
4年後には彼らが先頭に立ってチームを引っ張っていくのだろう。
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決戦の1試合を残して大会を去った彼らだが、大会後にはキアラン・リード、ライアン・クロッティ、マッド・トッド、ブロディ・レタリック、サム・ホワイトロック、リーアム・スクワイアなど、多くの選手が日本にやってくる。
あと、W杯が始まってからというもの、どうにも悪役キャラのようなセリフを吐きまくるエディーがまた口を滑らせたおかげで、スティーブ・ハンセンが次に指揮を執るのがトヨタヴェルブリッツであることも明らかになった。
日本代表の躍進をその屈強な身体で支えた姫野を擁し、元オールブラックスのキャプテンとHCがやってくるトヨタは台風の目になるだろう。
W杯を沸かせた彼らのプレーや采配を間近で見ることのできる、トップリーグのスタンドにも是非足を運んでほしい。
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そして、日付が変わって11月2日、2019年大会を制するチームがついに決定する。
追憶と希望をのせたトライの花火と歓声が夜空を彩った今夜だったが、次の夜はもっとシリアスなものが飛び交うだろう。
44日間の激闘を見守ってきたウェブ・エリス・カップは、白と緑、どちらのユニフォームの上で輝くのか。
10月も最終週を迎え、ラグビーW杯も3試合を残すのみとなった。
準々決勝で日本が大会を去り、バラエティ番組などでは「大会お疲れ様」という雰囲気も流れているが、四年後の話をするにはまだ早い。
ウェブ・エリス・カップを巡って決勝を戦うチームは今夜決まるのだ。
日本代表がいない大会でも、まだみんながラグビーを楽しんでいてくれて嬉しい。
増田ももうすこしだけ試合をレビューしてみんなの力になりたいと思う。
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さて、ラグビーの母国イングランドが黒衣の王者ニュージランドを下した昨日の対戦を「事実上の決勝戦」と表現する声もあったが、そう言われては今日戦う2チームは立つ瀬がない。
今夜行われる対戦は、2度のW杯チャンピオンに輝いた南アフリカと、直近の欧州王者ウェールズだ。
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日本と因縁浅からぬ南アフリカは、その圧倒的なフィジカルを利して日本を封殺しただけでなく、予選プールでもニュージランドに敗れた1試合以外は30点差以上の点差をつけて危なげなく勝ちあがってきた。
ただ、予選で1敗でもしたチームがW杯で優勝したことはなく、準決勝に臨んで得点源の一人である「ポケットロケット」チェスリン・コルピを怪我で欠くのも気がかりだ。
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対するウェールズはここまで薄氷の勝利を積み上げてきたものの、ツーブロックに長いドレッドのFLジョシュ・ナビディ、多くのチャンスを演出してきたFBリーアム・ウィリアムスを失い満身創痍だ。
激しい戦いのせいか怪我に悩まされるウェールズ代表は、今回だけでなく前回W杯でも大会前から予選プールにかけて大量の離脱者を出し、ベスト8に終わった。
その時に敗れた相手が南アフリカで、こうなってくるとラグビーの神様が赤いドラゴンに試練を与えているのではないかと疑いたくなる。
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ただ、そういった方面の話には朗報もあって、昨日、神様の中でも黒い服を着たやつを、そういう事あんまり気にしないパワハラおじさんがお仕置きしてくれたので、これ以上のイタズラは心配しなくても良いかもしれない。
全力をもって今夜の戦いに臨むだけだ。
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南アフリカは圧倒的なフィジカルと勤勉さを盾にした鉄壁のディフェンスとハイパント、これまた強力なフィジカルで圧力をかけてからの展開や、キックで得点を狙うチームだ。
対するウェールズも、赤い壁と表現されるディフェンスと、一撃必殺のセットプレー、アタッキングキックを用いた奇襲、突如繰り出すドロップゴールなどで対抗する。
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お互いぶつ切りの展開になれば自分たちのラグビーに持ち込めるが、それは相手も同じで、強みにフォーカスすると相手の強みも誘発してしまいかねない。
がっぷり四つの対戦になるだろうか、相手の強みを消しにいくだろうか。
ウェールズのウォーレン・ガッドランドHCは「世界一美しい試合というわけにはいかない」とキックの多いゲームを示唆したが、そのキックにつながる地上の密集戦がどちらのものになるかが重要で、これを制圧した方がゲームをより優位に進めるのではないだろうか。
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17:45、フィールドに屈強な男たちが降り立ち、黙祷に続く国歌の斉唱。
代表チームのキャンプ入りの際、地元の子供の合唱という形で歓迎を受けたウェールズ国歌、「ランドオブ・マイファーザー」は今夜も場内の多くのファンが声を合わせた。
「神よ、アフリカに祝福を・南アフリカの呼び声」も同様で、それは美しい光景だった。
国にかかわらず皆が声を合わせ、会場に響き渡る国歌、これはこのW杯で日本がホストとして成し遂げた成果かもしれない。
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いよいよ試合開始、前半、南アフリカのキックオフは、蹴り返されて自分たちに戻ったボールをいきなりハイパントし、そのキックが展開を予想させるものとなった。
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開始早々、ウェールズがボールを持てば南アが力任せに抱え上げて立往生を食らわせ、南アボールの密集になればウェールズのLOアラン・ウィン・ジョーンズが地上戦でボールを引っこ抜いて攻守交代。
双方フィジカルで一歩も引かず、硬いディフェンスのうえ、どちらも攻撃の展開にも複雑なオプションがない。
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簡単に突破できないのでキックに活路を見出し、2分に1回はどちらかがハイパントをあげてはスクラム、という展開のなか、その流れで南アが獲得したマイボールスクラムに組み勝って2度のペナルティーゴールを獲得。
しかし、ウェールズもランから進入してやり返し、これまたペナルティゴールを獲得する。
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異様に回数が増え、序盤の鍵を握る事になったハイパントは、横浜国際総合競技場上空に強い風が吹いているためボールの行方が安定しない。
徐々にランに切り替える南アだが、地上戦では度々攻守の交代を食らわされ、ウェールズがジワジワと前進してくる。
後退の原因は起点となる地上の密集戦を制圧しきれないことだ。
30分を過ぎ、南アにとって息苦しいような時間帯になっていく。
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強みを見つけて流れをつかみかけたウェールズだが、やはり神様はしつこいようで、35分、突進してくる南ア・フェルミューレンにいった単純なタックルでPRトマス・フランシスが肩を痛め、その直後にWTBジョージ・ノースがハムストリングに悲鳴をあげて交代、ここにきて負傷者が相次いでしまう。
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キック合戦でゲームが動かないまま40分が過ぎ、6-3のスコアで前半は終了したが、ウェールズはまたも襲ってきたこの試練を乗り越え、後半の40分を自分たちのものにすることができるだろうか。
そして大方有利とみなされながらも赤い壁に阻まれウェールズを引き離すことができなかった南アは、流れを引き寄せるプランを立てられるだろうか。
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ウェールズのキックオフから始まった後半も、火を吹くようなフィジカルのぶつかり合いとなり、小柄なデクラークもエキサイトして自分よりはるか大柄な選手に摑みかかる。
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そのデクラークのミスに乗じた敵陣でのセットプレーから、ウェールズはペナルティーゴールを得て9-9。
スコアは振り出しに戻り、試合は点数の上でも一進一退の攻防となる。
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ここで南アはゲームを動かすべくマルコム・マークスを投入し、制圧していると言い難いスクラムで優位を作ることも目論む。
南アはこのゲームでまだ相対的な強みを見つけられていなかったのだ。
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すると53分、そのテコ入れしたスクラムで組み勝ち、続くセットプレーでCTBデアリエンティが膠着を破るトライ!
ついに南アは均衡したゲームに決定的な差を生み出す事に成功した。
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しかし、まだ試合は終わらない、今度は地上戦でボールを引っ抜いたウェールズがペナルティーキックで南アインゴール間際まで前進。
21フェイズに及ぶ力押しでペナルティを得て、なんと選択は先ほど組み負けたスクラム。
位置的に中央なので有利とはいえ、明らかにスクラムは南ア有利なのに、相手の強みであってもぶつかっていって勝負の流れを引き寄せにかかる。
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64分、ここからの必殺のセットプレーでWTBジョッシュ・アダムズがインゴールに飛び込みトライ!
コンバージョンも決めて16-16。
お互いの限界を試すような勝負、これでその行方は全く分からなくなった。
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ゲームは終盤、1ゴールを争うような展開のなか、ドロップゴールをチラつかせながらFWでフェイズを重ね前進するウェールズ。
攻める方も守る方も我慢比べ、70分を過ぎてどちらのフィジカルとメンタルが破綻するかという場面だ。
しかし、ここで南アが機械の歯車に噛むようなジャッカルで決定的な攻守交代!
勝ちを大きく引き寄せるペナルティーゴール得て、スコアを19-16とする。
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だがウェールズは何度もこんな場面で勝ちを手繰り寄せてきた。
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終了間際の78分、自陣深くから一瞬の勝機にかけるウェールズボールのラインアウト、しかし弧を描いたボールは南アLOモスタートの長い手に触れた。
ボールは南アのものとなり、最後のスクラムに組み勝った南アが息詰まるシーソーゲームを制した。
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相手の強みを徹底的に封じ込めたニュージーランド×イングランド戦と打って変わって、お互いの強みを正面からぶつけ合い、見ているもの心と身体を熱くさせるような展開となったこの試合。
他球技に比べ実力が結果に反映されやすいとはいえ、プランがはまって相手を翻弄できれば一方的に封殺もできるラグビーにあって、今夜は最後まで勝敗の行方が分からず、どちらが勝ってもおかしくはなかった。
ただ、連戦で積み上げた身体的負担、気候、その他フィールドのプレーよりも大きな数々のファクターが命運となって一戦を左右した。
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タイトロープを歩きながらここまで勝ち上がって、南アフリカを追い詰めたウェールズはこれで3位決定戦に回るが、今夜の敗戦を笑うものはいないだろう。
彼らは胸を張って1週間後に備えるのがふさわしい。
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そして、頂への三度目の挑戦権を得た南アフリカ。
10月の第4週、関東はまたも台風21号から変化した温帯低気圧が大雨をもたらし、千葉では河川の氾濫が起きた。
自然災害の多い日本だが、今年の秋はそれがもたらす結果が深刻だ。
ラグビーW杯でも、予選プールの2試合が台風のリスクで中止になったが、その判断は正しかったように思う。
日本が初のノックアウトラウンドに進出したことで話題になったラグビーW杯だが、その他にもこの台風による試合中止や、ティア1の伝統国でないアジア初開催など、2019年大会は歴史に残るW杯になるだろう。
その大会に、史上初の3連覇という新たな歴史が生まれるだろうか。
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対戦するのは黒衣の絶対王者ニュージーランドと、白のジャージに身を包んだイングランド。
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前大会、自国開催でありながら予選プール敗退という屈辱を味わったイングランドは、勝負師エディー・ジョーンズをHCに迎え、破竹の勢いで準決勝まで勝ち上がってきた。
前任の日本でチームにW杯で初となる3勝をもたらしたことでも有名なこの名将は、その激しい気性と独自すぎる指導アプローチで数々のエピソードを持つ。
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南アフリカ戦の最後の場面で自らのキックの指示に反しスクラムを選択した選手の判断をみて激昂し、インカムをコーチボックスの壁に叩きつけ破壊したなどというのは可愛いもので、日本代表合宿で毎朝6時からの練習を強いて吐き気がするほど走らせた上、うまく行っている練習のシーンでもいきなりブチ切れて選手の不確実性への対処を見たり、イングランド代表合宿に柔道家を招聘して代表選手の顎の骨を骨折させたり、その狂気のエピソードは枚挙にいとまがない。
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2015年大会の結果を受けて、著書がビジネスマンに大受けしたエディーだが、こんな滅茶苦茶がまかり通るのは指導相手がナショナルクラスのフィジカルエリートであり、彼自身教員免許を持った上で三度もナショナルチームのHCを歴任して指導メソッドを磨き上げたからであり、凡百の経営者が彼の真似をしたら社員の8割は辞めると思う。
ちなみにエディーの指示をサラッと無視してブチ切れさせたリーチ・マイケルは、今大会の合宿でそのエディーが考案した「石鹸水でボールをヌルヌルにしたパス練習」をやろうとして、ジェイミーにすげなく却下されている。
こっちはこっちで会社の先輩だったら、なんかちょっとめんどくさい感じだ。
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一方、3連覇を目指すオールブラックスのHCスティーブ・ハンセン。
元警官の彼が激しい感情をあらわにしたのを増田は見たことがない。
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試合前にエディーが「練習をスパイされていたのでは」という記者の質問に対して否定も肯定もせず「まあでも誰かわかんないけど撮ってる奴はいたけどね」などと言わなくていいことを言っても「私は心理戦なんかやりませんよ。エディーがとても賢い人だということは、よく知っています。そんな事をしても、何の意味もありません」と泰然自若として受け流した。
聞くところによると宇宙飛行士というのは、どんな状況にあっても感情的にならず、そのときに最適な解決方法を考えて淡々と実行しなければ務まらないものらしく、それに近いメンタリティの持ち主なのかもしれない。
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注目の準決勝第一試合は、破茶滅茶パワハラおじさんとベテラン宇宙飛行士の名将対決となった。
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HCのキャラが濃すぎて説明に字数を取られてしまったが、ここでゲームプランについて考えてみよう。
伝統の強力FWに加えて、BKの展開ラグビーでもトライが取れるイングランドだが「出来るからといってそれをするべきなのか」という問題がある。
イングランドの展開ラグビーは、どこからでもかけられる圧力を相手に晒した上で、順目順目にオーソドックスに展開したり、ディフェンスラインのわずかに広めな隙間にパワフルランナーが走り込んでこじ開ける、といったもので、シンプル強力ではあるが意外性はない。
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この展開でボールを持ち続けてしまうと、いつターンオーバーされるかがわかりづらい。
オールブラックスは世界一のアンストラクチャーラグビーのチームだ。
突然始まったような攻守交代からの混乱で彼らを上回ることのできるチームなどありはしない。
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イングランドとしては、むしろボールを計画的に渡してディフェンスで潰してエラーを誘発し、セットプレーの展開に持ち込んだ方が、数々のチームをねじ伏せてきた必殺のモール攻撃を繰り出せる。
しかし、それだってディフェンスがちょっとでも遅れれば何をされるかわからない。
オールブラックスは本職LOの長身スコット・バレッドをフランカーに起用してラインアウト対策を取り、その上フィールドでは抜け目のない黒子、モウンガが目を光らせているのだ。
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エディーはこの難解なパズルに解を見つけることができただろうか。
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この試合でも、台風被害に遭われた方への黙祷が捧げられ、両国の国歌が斉唱されたのち、オールブラックスがウォークライ、ハカを行う。
これにイングランドはその三角の陣形を包囲するかような翼型の陣形を取って受けて立つ。
いつもはシリアスで怖い表情のCTBオーウェン・ファレルが不敵な笑顔で視線を送る。
その笑顔もやっぱり怖かった。
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これが自分たちにボールが戻るセットプレーとなり、ここから大幅にブレイク、順目のパワフルな攻撃を攻めきってわずか1分30秒、イングランドは王者から先制のトライを奪った。
この攻撃でイングランドはキックを蹴らず地上戦で取り切り、これはこの後の展開を予想させるものだった。
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その後も身体をぶつけながら前進、攻撃も防御も出来のいいイングランドに対し、ディフェンスの上がりが悪いオールブラックスは切り返すこともできずに序盤一方的に攻められてしまう。
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オールブラックスは17分、18分と二度敵陣に進入してのセットプレーを得るが、これを強力ディフェンスで凌ぎきられる。
待望の切り返しの機会を得て攻撃しても、イングランドのラインを押し上げる早いタックルの前に下げられてしまい、アンストラクチャーラグビーを全くさせてもらえず、自分たちボールのラインアウトもいい形でボールが出ない。
ポゼッションはイングランドが6割、プレーエリアは半分以上オールブラックス陣内だ。
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前半最後の38分、オールブラックス得意の切り返し攻撃も不発におわり、逆にイングランドがペナルティゴールを獲得、スコアは10-0で前半を折り返した。
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ぶつ切りのゲームを挑むのではないかという増田の予想を覆し、ほとんどキックを蹴らず、横に展開しつつ地上のフィジカルバトルを制圧して前進するイングランド。
スコット・バレッドを入れてのラインアウト対策をスカした上に、そのラインアウトでも幾度も競り勝ち、エディーに言わせれば「してやったり」という展開だ。
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予想したかしないか、全くボールを渡してもらえない上、守れば押され、攻めても包囲されるかのようなディフェンスの早いチェックと激しい当たりで前進できないオールブラックス。
前3メートルのスペースがあるところでボールが欲しい、しかしそれが全くできないのだ。
前に出られないディフェンスと噛み合わない攻撃を修正できるだろうか。
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機能しなかったスコット・バレッドを外し、地上戦を制圧するためにFLサム・ケインに交代。
しかし49分、それでもイングランドの圧力の前にペナルティゴールを献上、13-0とされてしまう。
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オールブラックスは苦戦していたラインアウトをテコ入れするため、HOデイン・コールズを投入。
経験豊かなSH TJペレナラ、CTBソニービル・ウィリアムズも投入し修正を図る。
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すると、54分、相手陣深くに進入し、相手ボールのラインアウトの一瞬のミスをついたFLアーディー・サヴェアがインゴールに飛び込み、オールブラックスが待望のトライを奪った。
コンバージョンも決まって13-7。
ほとんど表情が変わらないスティーブ・ハンセンHCは注意しないとわからないくらい少しだけ頬が緩んだ。
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だが簡単に流れは変わらない。
ここで試合を戻したいイングランドがまたも力押しで前進し、60分にペナルティゴールを獲得し、16-7。
コーチボックスでは勝負を左右する時間帯に追加点を得ても、緊迫した表情のエディー・ジョーンズ。
ここから先はフィットネスが切れる可能性があるのだ、そうなれば独創的な攻撃を誇るオールブラックスに9点差などあっという間にひっくり返されてしまう。
傍らで見るアシスタントコーチにしてみれば、フィットネスが切れるも心配だが、エディーの方だっていつキレるかわからないので全く油断ができない。
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しかし噛み合わないオールブラックスは反則がかさみ、主審のナイジェル・オーウェンスさんから注意を受け、終盤に差し掛かる68分にもイングランドにペナルティゴールを与えて、19-7とされてしまう。
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トライを取るしかないオールブラックスはボールを持って前進するが、終盤になってもフィットネスの切れる気配がないイングランドの高速ディフェンスの網を全くかいくぐれない。
勝負師エディーのプランは「地上で展開してボールを渡さず押し下げて、ボールを奪われるたら前進ディフェンスで潰しまくるね、それも80分ね、Go!走る!走るね!」というものだった。
ラグビーの研究が進み、ボールを展開するだけでは突破できない現実に、キックからのアンストラクチャー攻撃という回答を見せて絶対王者に君臨したオールブラックス、それに対する解は「前に出る攻撃的防御、展開しながらの防御的攻撃、その狭間からの一撃」だった。
元から恵まれたフィジカルをさらにいじめ抜いて徹底的に鍛え上げたからこそ取れるプランだ、ラグビーの母国に渡っても、やっぱりエディーはエディーだった。
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勝負は決しても一矢報いたいオールブラックスが最後の猛攻を見せるが、80分、ボールは蹴り出され、黒衣のディフェンディングチャンピオンを封じ込めたイングランドが準々決勝、準決勝にについで、三度の一番乗りを重ねて決勝に進出を決めた。
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33%しか地域獲得率を与えることなく、オールブラックスに試合をさせなかったイングランド。
試合後のインタビューに日本語で答えるエディー・ジョーンズの顔は笑っているが目が全然笑っていない。
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「ありがとうございます、みなさん」
4年前、日本代表を率いて世紀の番狂わせを演じた勝負師、その目が見据えるのは優勝だ。
3度目のナショナルチームのHCとしての挑戦にして、ついに視線の先に収めたウェブ・エリス・カップ。
あと一勝だ、もう逃がさない。
「先に我々のメンバーを見たことで、相手が作戦を変更してきても、それは私がどうこうできることではない。関係ありません」試合3日前に登録メンバーを発表した南アフリカのエラスムスHCは言った。
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ラグビーワールドカップは予選プール1ヶ月の激闘の後、ノックアウトラウンドが始まり、準々決勝の2試合が行われた初日は、イングランドとニュージランドがそれぞれ圧倒的な強さでオーストラリアとアイルランドを封じ込めて準決勝進出を決め、今日行われたトーナメントの反対の山、ウェールズ×フランスは激闘の末にウェールズが勝負をひっくり返し、わずか1点差で試合を制した。
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そして夜、準決勝の最後の椅子を巡って日本×南アフリカの対戦が行われる。
日本と南アフリカといえば、4年前のW杯を思い起こさずにはいられれない。
世界中に全く注目されない中、日本は大会の良い試運転になると目論んでいた南アフリカを撃破し、世界中に衝撃を与えた。
南アフリカの選手はあの夜、試合が終わったあと呆然として芝に座り込んでいた。
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あれから多くのプレーヤーが来日し、ジャパンラグビー・トップリーグでプレーした。
日本にやってくる外国人選手というと口さがない人はすぐ「金目当てだ、日本リーグに純粋なスポーツ価値なんてあるわけない」という。
しかしきっとそれだけではない。
彼らは日本ラグビーをリスペクトし、何が起きているのかこの目で確かめるためにやってきたに違いない。
長年かけて準備をしてきたのは日本だけではない。
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4年前の南アフリカ代表は試合前、日本に対して特別な事はしていないと言ったと記憶している。
字面だけ見れば似たように見える今年の言葉、だけど今回はきっと込められた意味が違う。
意訳するとこうだ。
「我々はもう君たちを知っているぞ」
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台風19号の被害は甚大で七十人を超える死者を出し、この試合でも冒頭に黙祷が行われた。
さらに今日10月20日は日本ラグビーの象徴、平尾誠二の命日でもある。
日本はもう居ない人たちへの思いと、今いる多くの人たちの未来への希望を背負って戦いに挑む。
流は国歌斉唱で泣いていたがそれはまだ早い、今夜はどんな結果になろうとどのみちまた泣く事になるのだから。
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日本は取った田村が自陣深くからいきなりキックパスし、対する南アもデクラークがハイボール、キックの応酬となる立ち上がりとなった。
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3分、南アボールのファーストスクラムで、日本はわずかに押されて下がりながらのディフェンス、こうなると守るのが難しい。狭いサイドをマピンピが鋭くつきこの試合初めての得点となるトライをとり0-5。
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リスタートからまたもハイパンを上げるデクラークに対して日本もハイパンで応酬、落下点で競るが今日は日本のキャッチが当たっている。
ラインアウトからのセットプレーでも蹴る日本は直前のテストマッチで単純な地上戦ではディフェンス突破ができないと踏んだか。
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最初の15分、強みを見せつけて「力押しとパワフルラン」といういつもの攻めをする南アフリカと、多彩なキックを活用して撹乱を狙う日本、狙いは混乱から前進し複雑さを突きつける「アンストラクチャーラグビー」だ。
今日はハイボを松島がよく取り、そこから始まる日本の早くて複雑なプレーを前に南アはズルズルとディフェンスラインを下げるが、日本はエラーで最後まで詰め切れない。
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ただ、まだ流れを持っている日本は18分にスクラムで初めて組み勝ってペナルティゴールを獲得、3-5。
雄叫びをあげる具智元。
その後、日本はペナルティ獲得で南ア陣22mにも侵入し、ここから繰り出す複雑なプレーで南アディフェンスを圧倒する。
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南アはボールを持つチームではない、でもポゼッション21%はいくらなんでも低すぎだ。
ハイボが取れないだけでなく運もなく、30分台に訪れた2回のほぼ決定的なチャンスも偶発的なエラーで逃す。
小柄なデクラークが一人気を吐く中、全く攻め切れず3-5で前半終了。
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複雑な攻めを突きつけてペースを握るもエラーで取り切れなかった日本だが、より深刻なのは南アだ。
取れるところ、取るべきところでことごとく点数を取れていない。
問題を起こしているのはエラーなので修正のしようはあるかもしれないが、40分やって2点差というのはまずい。
残り40分、南アは体力の限界が訪れる前に勝負を決めないと、4年前の再現となってしまう。
対する日本は自分たちが試合を動かせる60分まで南アを封じ込めることができるだろうか。
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後半、フィールドに先に現れ、円陣を組む日本は予選突破でやりきったなんてとんでもない、もっと勝ち続ける気満々だ。
だが淡々としていたように見えていた南アは、10分の間に着実に自分たちのプレーを修正していた。
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後半の南アはミスが少なくなり、ブレイクダウンの激しさとデクラークのアグレッシブなタックルで地上を制圧する。
40分台、南アは2度のマイボールスクラムで組み勝ってペナルティゴールを獲得、2回ともチャンスを確実に決めて3-11。
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何が起きていたのかわからずに混乱していた4年前とは全く違い、シンプルプレーを悉く繰り返す南アは、「自らの強みを疑わない信念」と「身体の強さ」で強引に命運を引き寄せた。
対する日本は自分を取り戻した南アの前に地上戦でボールを得ることができないだけでなく、ラインアウトも失い、流れがが逃げていく。
こうなっては起点がないので複雑なサインプレーにも、アンストラクチャーの走りあいにも持ち込めない。
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勝負を分ける60分台には南アがこれも強みであるモールで20mあまりも前進したあと、今日大活躍のデクラークが鋭いランでインゴールに飛び込みトライ、コンバージョンも決まって3-21。
欲しい時間帯で最も得意なプレーで取る、これは取った側は大きな自信になり、取られた側は大きなショックとなった。
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着々と試合終了が迫る中、18点差を追う日本は、南ア陣深くラインアウトを得るが、試合を蘇らせる最後のチャンスにこれを切り返されて、逆に南アが勝利を決定的に引き寄せるトライ!
3-26。
75分を過ぎて23点差は日本にとってはもはや逆転不能な数字だし、南アにとってはもう命運は逃げていかない。
だが日本は諦めないし、最後にボールを得た南アは待つだけで手に入る簡単な勝利を拒否するように攻め続ける。
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勝敗の帰趨は決まっていても、双方最後まで激しく戦った80分、ボールはタッチに蹴り出され、ついに南アが勝利を手にした。
4年前のショックはW杯直前のテストマッチで払拭したと語ったエラスムスHC。
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大量点を取り合うラグビーでは、残り10分ではもう勝負の帰趨が決まっていることも多い。
増田がラグビーを好きな理由の一つは、刻々と迫ってくる決着の時を前に、勝者も敗者もどのように結末を迎えるかの姿勢が問われ、そこにドラマを見ることができるからだ。
それは強がりであったり、自分を抑える意思であったり、時に激しく溢れる感情だったりする。
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「自分たちのできることはやったんで」たくさんの勝ちと負けを突きつけられてきた堀江は、試合後のインタビューでいつものように淡々と答える。しかし、少し、少しだけ悔しそうな表情だった。
トンプソン・ルークは「ちょっと寂しい」と語った、その「ちょっと」は4回のW杯を戦った16年の日々を振り返った「ちょっと」だった。
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予選プールで立て続けにアップセットを演じ、大きな成果を得た日本代表の旅はここで終わったが、W杯はまだ続きがある。
来週には異次元の強さを見せつけたニュージーランドが進化したフィジカルラグビーのイングランドと相まみえ、今夜日本を破った南アフリカは自らの鏡写しのような強力ディフェンスを誇るウェールズと対戦する。
3位決定戦も含めても、2019年のW杯はもう4試合しかない。
決勝を争う最後の2つの椅子には、どのチームが座るのか、白、黒、赤、緑、どのユニフォームの上でウェブ・エリス・カップは掲げられるのだろうか。
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試合後の円陣で泣いていた流、その涙が嬉し涙でなかったのは残念だが、流にはまだ時間がある。
4年後、4年後だ。
「私たちは胸を張っていきたい。間違いなく大きな体験で、感極まってしまうほどだ。私たちのパフォーマンスが祖国のパワーになれば」
プールA、0勝4敗で大会を去る事になったロシア代表、ワシリー・アルテミエフキャプテンは、試合後、晴れ晴れと語った。
「素晴らしいチームと試合をする機会が失われたことは辛い。こんな決定はおかしい。日本に台風が来るのは珍しくないのだから、他のやり方を用意していないのはおかしい」
台風19号の影響で試合中止、ニュージーランドと勝ち点2を分け合い、W杯史上最高の勝ち点を獲得しながらプール敗退となったイタリア代表、セルジオ・パリセキャプテンは言った。
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ラグビーW杯は大会23日目、プール戦の帰趨が次々と決まっている。
勝負事である以上、必ず敗者が出るのがスポーツだが、勝ち負けや勝ち点の勘定が全てであるなら、こんなセリフは出ないと思う。
当事者にとって、この大会と試合はただ単に「勝ち負け」以上の意味や物語がある。
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この試合の結果でノックアウトラウンド進出を勝ち取れば、そのチームは勝者と見ていいだろう。
結果を掴み取った国では勝者のドラマが語られるに違いない。
プールAの突破をかけた大一番は台風で開催が危ぶまれた事でキックオフの前から波乱模様だ、この1戦はどのような物語を双方にもたらすのだろうか。
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スコットランドはプール突破のためには勝ち点5か、日本に惜敗ボーナス1を与えない上での勝ち点4が必要で、つまりは大量トライか、日本を寄せ付けない展開での勝利が求められる。
裏を返せば、日本は勝利はもちろん、試合をロースコアに抑えるか、食らいつければプールが突破できるという状況だ。
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しかし、「計算して試合をロースコアに抑える」というのがラグビーでは難しい。
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考えられる日本の戦術としては、キックを多用してエラーを誘い、スクラムやラインアウトを増やして、セットアップなどに時間がかかる、ぶつ切りでスローなラグビーをするというのがある。
しかし、スコットランドと比べると日本は相対的にセットプレーが強くない。
また、キックからの切り返しはスコットランドの得意とするところで、相手の強みを出すリスクがある。
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もう一つ考えられる方法が、アイルランド戦のように、一度もったボールをなるべく離さず攻め続けることで、自分たちが時間を使うというプランだ。
この場合は密集でのコンタクトが増えるので、フィジカルやフィットネスが求められる。
身体の衝突は消耗するので、それをどう抑えるかという工夫が求められる。
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あるいは、それらコントロールの難しいスローな展開を捨てて、日本の攻撃力を最大に活かすオープンな点の取り合い、走りあいを挑むという線も全くないとは言えない。
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勝ち点、日程を含めて日本に有利な状況に変わりはないが、そもそもスコットランドには日本を圧倒する地力がある。
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自力で勝るスコットランドの不安材料は勝点以外にもあり、それは中3日のスケジュールだ。
ロシア戦で多くの選手を休ませたとはいえ、スコッドの上限は31人。
一試合23人の登録メンバーなので、どうしたって8人は前試合からの連戦となる。
少なくないメンバーが準備に時間をかけられない事は、後半に効いてくるかもしれない。
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試合前、台風の被害にあった方のため黙祷が捧げられ、続いて両国の国家が斉唱される。
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試合はまず前半6分、日本のキックオフからのペナルティ絡みの攻防で、ゴール前まで攻め込んだスコットランドが先制のトライを奪った。
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8分、日本はリスタートのキックオフからペナルティを獲得しスクラムを選択する。
増田はこの浅い時間帯にペナルティゴールを狙わなかったことに驚いた。
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ここからの攻防は日本のノックオンでスコットランドボールのスクラムとなる。
有利な状況から、ランでの突破を狙わず、キックで攻めるスコットランドだが、これが日本にボールを渡すだけの結果になってしまう。
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ここまで、日本はボールを蹴らず、ペナルティーゴールのチャンスにスクラムを選択してまで走りあっている。
対するスコットランドのキックはサモア戦で日本が使ったものに近く、アンストラクチャーからの攻防を狙っているというより、衝突を避け、消耗から逃げているようにも見える。
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これはずれたが、18分、日本はディフェンスラインをブレイクした福岡からパスを受けた松島がトライ!
コンバージョンも決まって7−7。
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21分、スコットランドボールのスクラムで日本としては痛いことに具智元が負傷交代となる。
しかし、交代で入ったヴァルアサエリ愛の活躍でこれに組み勝ってペナルティを獲得、切り返しの連続の攻防から稲垣がゴールエリア中央に飛び込みトライ!
コンバージョンも決まって14−7。
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そして38分、日本はスクラムで再び組み勝ちペナルティーゴールを獲得、これは外れたが、その後のドロップアウトから日本はラインをブレイクした福岡堅樹がインゴールに飛び込みトライ!
コンバージョンも決まって21−7で前半を折り返した。
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前半、日本はキックを蹴れる場面でも徹底的にキープして地上戦を挑み、対するスコットランドは消耗を避けて後ろに走らせる意図でキックを繰り出した。
しかし、スコットランドの選択は思わしくない結果をもたらし、寄せ付けずに終えなければならなかった前半で2トライ分のビハインドを負ってしまった。
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後半のスコットランドはプール突破のためフィットネスの不安を跳ね返して3トライ以上取らなければいけない。
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後半、キックオフからの攻防でペナルティーを得て深く攻め込むスコットランド。
しかしラインを突破できないだけでなく、日本に攻守を切り返されてしまい、しかも悪いことに、ボールが渡ったのがおそらくこの大会でも最速のランナーの一人である福岡堅樹。
全く追いつく事ができずにトライとコンバージョンを献上し、28−7とされてしまう。
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スコットランドは大変悪い状況で、レイドローがスクラムからハイパントをあげても誰も落下点までチェイスに行くことが出来ない。
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その後5分にわたる長い攻めで7点を返して28−14としたが、プール突破に向けた3トライは非常に厳しい目標だ。
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50分、日本は田中と山中を投入し、試合のペースをコントロールしにかかる。
意図的にロースコアにするのは難しいとはいったが、残り30分で14点のアドバンテージを持っての事なら話が違う。
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53分、トライを狙うしかないスコットランドは、ペナルティを得てもゴールを狙わずランで攻撃、これを攻め切って待望のトライ。
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試合の分水嶺になることが多い60分に激しいフィジカルバトルを挑む日本。
これを守りきったスコットランドだが、攻撃回数21フェイズに及ぶ我慢比べはスタミナを大きく削った。
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62分、日本ボールのスクラムからの攻めを切り返してもスコットランドのランナーはディフェンスを振り切ることが出来ない。
最終局面でやっと自分達好みのアンストラクチャーな展開になったのに、ここまでで背負ったものが大きすぎた。
67分には苛立って掴み合いまで演じ、このペナルティで自陣深く攻め込まれてしまう。
70分には密集で押し負けるという屈辱的なターンオーバーからまたも自陣に張り付けられ時間を使われてしまう。
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72分、スコットランドにとっては試合を蘇らせる最後のチャンス、ペナルティーを得て前進して攻め込むが、日本のディフェンスを突破できない。
74分、日本はFWと田中が織りなす伝統芸能「ゆっくりスクラム」で時間を潰す。
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77分、スコットランドにとってのタイムアウトが迫る中、最後のスクラムを切り返した日本、インゴール間際で時間を潰し、迎えた80分、ドラが鳴った直後にボールをタッチの外に蹴り出した。
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日本は相手のして欲しくないことを徹底的に仕掛けつづけ、対するスコットランドは限られた選択の中で取り得るプランで臨んだとはいえ、前半の消極性で負ったビハインドが悔やまれる敗戦となった。
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4年前、スコットランドは中3日のスケジュールで挑んできた日本を下したが、今回は初戦の雨や決戦前の台風による開催不安に苛まれ、そして今度は自らが背負った中3日での連戦の不利の前に涙を飲むことになった。
試合開催前の運営批判など、議論を呼んだ発言もあったが、命運を引き寄せるため全ての人々が全力を尽くしたのだったと信じたい。
最後まで諦めなかった誇りは傷付けられるべきではないと思う。
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彼らの旅はこれで終わったが、日本はこれで史上初の決勝トーナメントに進出し、ベスト4を争うことになる。
運命という言葉はチープだが、多くの人がまた、楕円球で行われる陣取り合戦以上のドラマを見るのだろう、その相手は、4年の月日を経て再びW杯の舞台で相見える、南アフリカだ。
前回、オーストラリア×ウェールズの試合をパブリックビューイングの模様とともにお伝えしたが、1日遅れのレビューもたくさんの人に読んでもらえて嬉しい。
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先週、プール最大の強敵アイルランドを下してどこか祝祭的ムードが漂う日本だが、体重100kgオーバーでありながら50m・6秒台を叩き出す「巨漢超特急」を並べる今夜の相手、サモアは決して侮れない。
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4年に一度のW杯、増田としても全試合を追えれば最高なのだが、サモアに関しては実際の試合を見たのは24日のロシア戦のみ。
その試合のサモアは、スコアだけ見れば34-9の圧勝なのだが、内容といえば両軍合わせて3枚のイエローカードが乱れ飛ぶ乱戦で、サモアは1時期13人で戦っていた。
また、トライを積み上げたものの、それは個々の突破力で取ったものであり、キックを織り込んだりセットプレーのような準備が必要な高度な戦術は取れていない印象があった。
おそらくその荒さが、30日に戦ったスコットランド相手には格好の付け入る隙と写り、0-34という結果を呼んだのではないだろうか。
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ちなみに出なきゃ最高のイエローカード、出てしまうと10分間の退出となり、当該選手はペナルティーボックスに送られ、チームは1人少ない状態で戦わなければいけない。
Sin-binと呼ばれるそれは直訳すると「罪の箱」、意訳なら「留置所」とでもいうのだろうか、全く身も蓋もない表現である。
直前のイングランド×アルゼンチンでは、イエローどころか、わずか17分で試合からの完全退場となるレッドカードが飛び出した。
フィジカルに要求される強度が高いラグビーでは、長時間少ない人数で戦うのは危険が伴うと思う。
日本はいろんな意味で「『当たれば』デカい」サモアを封じ込めて、プール突破に前進できるだろうか。
ここで個人的な趣味を挟むと、増田はどことなくかりゆしを思わせるサモアコーチ陣の衣装がなんか好きだ。
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国歌斉唱に続いて、サモアによるウォークライ・シバタウが演じられる。
先週の敗戦からチームを作り直さないといけないサモアだが、それがうまく運んだようにも映る一糸乱れぬ見事なパフォーマンスだった。
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日本はその後の攻防で攻め込み、後手を踏むサモアの反則を誘ってペナルティーゴールを獲得。
これを決め3-0。
6分には自陣のスクラムから一気に深く攻め込む日本、またもサモアのディフェンスの反則を誘い、再びペナルティーゴールで6-0。
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13分にもサモアはマイボールスクラムからペナルティーを獲得し、前進。
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20分、キックから始まる攻防のプレッシャーの掛け合いで、日本は敵陣ラインアウトを獲得し、セットプレー。
ここからディフェンスの反則を誘い、ペナルティーゴールで9-6。
リードこそしている日本だが、今日のサモアはいい集中力を発揮し、ペナルティーゴールの応酬で振り切ることができない。
地上戦のレフェリングの解釈と、サモアの集中力で、密集戦での冷静さと我慢が鍵を握る試合になってきた。
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24分、フォワード、TJ・イオアネが松島に対する、遅すぎてかつ相手をしっかり掴んでいない危険なタックルでイエローカード。
シンビンだ、サモアはこの試合でも14人での戦いを強いられる。
27分、この数的優位を活かし、最終的に大幅に攻守の人数差を作り出したプレーで日本はトライを獲得。
コンバージョンも決まって16-6。
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離されたくないサモアは、33分、キックオフから反則がらみの展開でペナルティーゴールを獲得、16-9として前半を終了。
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その結果、ハイボールのコンテストからの攻守の入れ替わりが激しい。
常にリードはしているものの、攻守のキワでのペナルティーが多く、サモアにキックでついてこられているのは気がかりだ。
後半どう修正していくのだろうか。
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後半の修正に注目していた増田だが、後半の日本は前半に増して徹底的に蹴る。
前への圧力が強いサモアだが、そのせいかラインの後ろが大きく開いていて、今日の日本のキックはそこに蹴って走らせるのを狙っているのかもしれない。
これがいつ効いてくるか。
試合の均衡は突如崩れるかもしれない。
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43分、密集で反則を獲得したサモアはペナルティーゴールで16-12に迫る。
50分、今度は反則がらみからの攻防で、密集戦に手を突っ込んだ日本FW・姫野がサモアの「ボールを置けない」反則を誘い、ペナルティーゴールを獲得し19-12。
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サモアは脚が止まってきて、日本のランに完全に後手を踏み始めた。
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ここでキックでサモアを撹乱していた山中にかえ福岡堅樹を投入、この時間から走りあいを挑む気だ。
対するサモアはここで、37歳の大ベテラン、トゥシ・ピシを投入して流れをもっていかれないようにする。
59分にはキックオフから大きく攻めたサモアだが、これを力負けで押し返されてしまう。
サモアにとってはリソースも少ない中、嫌な時間で押し切れなかった。
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60分すぎ、日本はSH流に変わって田中史朗を投入、体力もメンタルも追い込まれている今のサモアにとっては、流れを読んだ上で一番してほしくないことをしかけてくる、最悪に近いいやらしさを持つ男がピッチに現れた。
続く67分、接点でも押し負けはじめているサモアに対して日本が投入したのが重機のように前進するヘル・ウヴェ。
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なんとか試合を蘇らせたいサモアは70分、日本陣深くのセットプレーからついに待望のトライを獲得。
コンバージョンも決まって26-19。
しかし75分、日本はもう蹴る時間じゃない、キックオフからの連続攻撃でロケットのように加速する福岡堅樹にボールが渡りトライ!
31-19。
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80分すぎのラストプレー、サモアがゴールラインを背にしてマイボールスクラムという、1週間前のカーボンコピーのような展開になったが、予選突破の望みをつなぐため、ここで試合を終わらせる合理性はないサモア、予選突破に向けもう1トライ欲しい日本。
似た状況で全く違う意味を持つ状況となった。
お互い試合を切れないスクラム合戦の中、この攻防で日本がスクラムを獲得、最後の最後まで相手に我慢を押し付けて、ここからの攻めで松島がインゴールに飛び込んだ。
日本は80分の試合を大きく捉えたゲームデザインで、しっかりとチームを立て直してきたサモアをさながら詰将棋のように沈めた。
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さて、第3戦目も終わり、そろそろ星取り勘定も気になってくる。
今日の結果でノックアウトラウンド進出がなくなったサモアとロシアを除けば、勝ち点状況は日本14、アイルランド11、スコットランド5。
水曜日に行われる試合で、スコットランドがロシア相手に敗戦するとは考えづらく、仮にこの試合を大勝して勝ち点5を獲得すれば、日本14、アイルランド11、スコットランド10となる。
スコットランドにしてみればロシア、日本の両方相手に大量得点を積み上げて勝ち、ボーナスポイントも取りこぼさず、かつ日本のトライを封じないといけなくなった。
「オープンなプール」と目されていたプールAは、その突破をかけ、目を離せない緊迫した状況のまま最終戦を迎えることになる。
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前回W杯、3勝しながらボーナスポイントの不足で涙を飲んだ日本。
沈めたのはスコットランドだった。
そこからの4年で大きく進化し、今夜獲得したボーナスポイント1は非常に大きな意味を持つ。
はたして13日のプール最終戦、日本とスコットランドにどんな結果がもたらされるのだろうか。
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すわ予選1位通過なら相手はニュージランドで17-145の屈辱を注ぐ再戦だ、いやもしかしたらリベンジに燃える南アフリカと戦うことになるかもしれないぞ、という声もし始めたが、その話はまだ早い。
1週間後、極上のドラマが待っている。
湯気と入れ墨と楕円球
著名な温泉町なので、賑わっていると思った別府だが、19時台はもうすっかり落ち着いている。
窓の外を見ても時折湯気が上がっている以外は何の変哲も無い地方の山村といった風情で、昨日までの賑やかさを考えると全く別世界に来た感じがする。
そう言えば、大分駅前で、来年のラグビーW杯のサイネージ広告を見た。
44日に及んで熱戦が繰り広げられるW杯は、北海道から九州まで、日本各地で開催される。
大分で行われる初戦は絶対王者ニュージーランドが登場する豪華なカードで、多くの外国人が観戦ついでにここ別府温泉を訪れる事になろうが、温泉のタトゥー対策はどうなるのだろうか。
辿り着いた鉄輪温泉は人通りも殆どなく、入湯施設と飲み屋以外は閉まっていた。
やはり大分は全体的に夜が早いらしい。
自分も少しだけ温まって、ネットでおすすめのひょうたん温泉に向かった。
ひょうたん温泉はさすがに賑わっており、日本語の他にも中国語や韓国語も聞こえてくる。
逞しい胸板に豊かな胸毛を蓄えた欧米人もいた。
脱衣所で着替えてミシュランでも紹介された湯に向かう。
関東のスーパー銭湯の様なオシャレさと無縁の無骨な作りだが、蒸し風呂、檜風呂、岩風呂、歩行風呂、高さ3mから浴びる打たせ湯、この施設の名前の由来にもなっているひょうたん風呂など、風呂の種類は多岐にわたり、豪華な野趣という様な趣が感じられた。
と、洗い場を見ると、隣のお兄さんの右肩に鮮やかな和彫が。
しばらくすると、ウェットスーツの様に全身を覆う和彫の兄さんもいる。
この状況ならやってくるのが欧米人のデザインタトゥーだろうが、マオリやパシフィックアイランダーのトライバルタトゥーだろうがどうって事はない。
要は柄の種類が増えるだけの話だ。
11月の夜の空気はひんやりしているが、さすがは音に聞こえし別府温泉、山道を下ってホテルに帰る間も、さっぱり感と温かさが持続している様に感じられる。
明日は昼前に再び訪れよう、その為にも早く寝るかなどと思い、部屋に帰って何気なくテレビをつけると、ラグビー日本代表が、母国イングランド代表と聖地トゥイッケナムスタジアムで対峙していた。
旅行中は観られないと諦めていたカードだったので、嬉しい偶然だ。
歴史も実績も歴然とした差があるイングランドだが、日本代表は3年かけて磨き抜いたテンポの速いラグビーで奮戦。
日本の仕掛ける高速ラグビーについていけず、ミスを連発するイングランドのディフェンスラインを突破してトライを重ね、日本は前半を15-10のリードで折り返した。
後半、日本はさらにゲームスピードを上げることを目論み、早い配給でもって鳴らす若手スクラムハーフ、流大を投入する。
対するサイドからは、眉に異様に近い目から鋭い眼光を送る、亜麻色の髪の角刈りが姿を現した。
前回のW杯、予選プール敗退の悔しさを乗り越え、今や欧州最高選手との呼び声も高い司令塔、オーウェン・ファレルだ。
前半に日本のスピードについて行こうとしてボールも人も前後左右に動かしたプレーと一転、一度手にしたボールに巨躯の男達が殺到し、力づくで押し込んでくる。
その動きは重鈍で、一気に振り切られるようなスピードはない。
しかし、重機のような圧力を前に日本代表はジリジリと後退させられる。
イングランド代表が一体になって前進するその姿は「これこそが我々だ」という確信を掴み取ろうとしているように見えた。
ついには快速自慢のバックスまでもが一塊りになってインゴールに雪崩れ込み、日本代表はトライを献上。
結局、自らを見つけ直したイングランドを相手にして流れが再び戻る事はなく、日本代表は15-35で屈した。
やはり己を知り、信じる者は強く、世界の頂はまだ遠い。
来年のW杯、大分では予選プールだけでなく、決勝トーナメント 準々決勝 プールCとDの1・2位突破チームのカードが組まれる。
死の組と噂されるプールCに組み込まれたイングランドだが、その実力を持ってすれば2大会ぶりの決勝トーナメント進出の可能性は濃厚だ。
後半に登場して日本代表を締め上げた鋭い目つきのファレル選手も、別府温泉にやってくるかもしれない。
生まれて初めてラグビー観戦に行ったら、全然楽しくなかったのでもう二度と行かないだろうと思った話。
https://naoya160.blog.jp/archives/1060803764.html
上記ブログ主と全然違う場所と対戦カードで観たら、凄く楽しかったので、
「ラグビー観戦は楽しいよ(ただし条件が揃えば)」というレポを。
自分が観たのは、ジャパンラグビートップリーグ 第4節 於:秩父宮ラグビー場 サントリー×パナソニック。
試合は、今期に4連覇をかけるパナソニックを、捲土重来を期すサントリーが圧倒、
トライラッシュで45―15と、サントリーがパナソニックを降した。
ポイント1:観戦料が安い
秩父宮の観戦料金はS席4,000円〜自由席1,800円まで(ペアなら一人1,500円)。
しかし、席の値段がそのまま見やすさや楽しさに反映しているかというと、秩父宮においてはそうでもなく、
試合が一番動くハーフウェーラインの比較的近くも1,800で観られる。
むしろ、スタンドの高さがフィールドに近いので、展開によってはプレーを間近に観られるくらいだ。
さらに、この入場料金は「1日」なので、1日2試合行われるとそのまま観る事が出来る。
映画1本の料金で2試合観られるのはなかなかコスパが高いと言えるのではないだろうか。
バックススタンド側は、双方の応援団が陣取る事が多く、これがなかなか楽しい。
自分が観戦した試合の前には、実は 豊田自動織機×NEC というシブい試合も行われており、
しかし、自動織機はNECのディフェンスの前にわりとなす術無しといった感じで、
隣りの、会社から動員されたと観られる織機の帽子を被ったおっさん応援団が愚痴るわ愚痴るわ。
一転、お目当ての サントリー×パナソニック は、人気チーム同士と言ったこともあり、
また、サントリーは多分、動員された社員以外に、純粋なファンが相当数いて、「優勝狙おうってチームは違うな」などと感じたり。
良いプレーには大盛り上がり、トライが決まれば、サントリーサンゴリアスタオルをバナーのように掲げるファン、おい見えねーよ、そして大漁旗が踊る。
それが「プレーのスピード感」だ。
ラグビーは「ボールを持った選手が抱えて走る事が出来る」数少ない球技だ。
複雑なコントロールをしてない分、ボール周りのトップスピードは他のスポーツと比較にならないくらい速い。
グラウンドで観ると、このスプリントの凄まじい速さを実感できる。
現地で観ると「はやいはやいはやい」と口から工夫のない感想が飛び出してくるほどだ。
ギュウギュウ押さえつけられた肉体が、一瞬のほころびから爆発的なスピードを開放する。
(まあしかし、ここら辺は自分が観たサントリー、パナソニックの双方とも鋭いスプリントで一気にインゴールを陥れるチームなので、観た試合が恵まれたのかもしれない)
ブログ主には同情する。
秩父宮なら、スタンドの外には売店や屋台が出ているので、ポテトやドリンクを買って、
だらだら食いながら観る事が出来る。
ポイント5:時々、現地でしか分からない変な盛り上がりポイントがある(秩父宮限定)
ラグビーには、サッカー等と違い、微妙な判定の際にビデオ判定を利用できる。
このTMO、月寒のようなビジョンのない競技場では退屈な時間だが、
秩父宮では現地で観る事が出来る。
このとき、テレビでは分からないが、現地では盛り上がっている。
なぜか。
TMOの提供が、ベッドの世界的メーカー、マニフレックスであるからだ。
TMOが起こるたびに、ラガーマンがボールを抱えてマニフレックスのマットレスにダイブする提供タイトルが流れる。
これが繰り返されると癖になってくる。
秩父宮では「ベッドキター!」と変な盛り上がりを見せていて、こういうのはスタンドに行かないと分からないものだ。
テレビ越しでは分かり辛いが、現地にいくと、選手の肉体の圧が半端ない。
あのフィールドにいる選手はだいたい180以上の大男で、腕なんか、自分の太ももくらいある。
試合後に、スタンド前に一列にならんで挨拶に来る選手を観れば、
まあつーわけで、観戦する場所が秩父宮であるならば、ラグビー観戦はかなり楽しいものであると感じた。
観客席もまあまあピースな感じで、そんなに感じ悪くもない。
都内近郊であるなら、是非一度、秩父宮に足を運んでみてはいかがだろう。
やっぱ一番客を呼びやすい秩父宮に常時1万人以上入っていたら、もっと全体も盛り上がるし、
観戦も楽しいと思うんだよなー。
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まず、自分が今どこにいて、いつまでに、どこへ行くのか確かめる。
※ゴールの形を複数設定する。成長と努力のどちらも実感しながら進む。最大の成果・最低の合格ラインを想定する(ベストシナリオとワーストシナリオ)。理想は高く掲げる。でも思い通りにならないのが現実で、それでもたどり着けるところまで進む。
※ゴールした後のことを考える。目標達成で燃え尽きてしまわないために。油断しないために。反対に、挫折してもまた先を見据えて立ち上がる力にするために。
自己満足で終わらせないために、客観的な評価の仕方・基準を用意する。あるいは、評価してくれる人を探す。
カウントダウンをするために、締め切りの日を「○月○日何時」ときちんと設定する。
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失敗したなら、計画を改善する必要がある。もっと細かく分解できる作業が必ずあるはず。チェックリストを洗い直す。達成した場合でも、もし「もう一度挑戦するなら」と考えてみる。もっと賢く、もっと早く達成するための工夫を止めない。
作業を記録するために進捗日誌をつける。進み具合を毎日必ず記録に残す。主観的でいいので、今日の達成度に数字を振る。数字を積み上げている実感が得られる。
内容の記録