俳優、石渡真修が挑戦する新しい表現の形──アーティスト・デビュー作『Flavor』
舞台を中心に様々な活躍を見せる俳優、石渡真修がアーティストとして、デビュー・ミニ・アルバム『Flavor』をリリース。芸能生活10周年の節目に、新たな挑戦を行う彼は、今作にどのような想いを込めたのか。音楽的なルーツも含めて、インタヴューでじっくり訊きました。
俳優、石渡真修の新たな一面
INTERVIEW : 石渡真修
俳優、石渡真修がひとりのアーティストとして作り上げたミニ・アルバム『Flavor』は、彼の様々な一面を感じられる作品に仕上がっている。これは、彼が1曲1曲それぞれに、役者として演技をするように歌で表現しているからだ。優しさ、強さ、ミステリアスさ、爽やかさと楽曲ごとに違った表情で歌っている。しかし、そんな楽曲が並ぶなかで、自身が作詞を担当した楽曲“my STORY”では、タイトルの通りこれまでの彼の役者としての物語をそのまま歌詞にしている。彼のストレートな言葉がそのまま伝わる楽曲だ。今作『Flavor』は、石渡真修のアーティストデビュー作ではあるが、きっと彼にとっての第二の人生のはじまりの記念碑となるだろう。新たな表現の扉を開けた彼が、ひとりの人間として、これからどんな風に生きていくのか、楽しみだ。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : 西村満
役者だからこそ色々な歌い方、表現の仕方ができる
──石渡さんは、今年が芸能生活10周年とのことですが、今回がアーティストとしてはデビュー作になるんですよね。
石渡真修:歌をメインにやろうというのは全然自分のなかにはなかったんですが、今回アーティストとしての活動についてのお話をいただきまして。30歳手前で、芸能生活10周年の節目にまた新しい挑戦をさせてもらえるなら、ぜひやりたいなと。得意というわけではないんですけど、歌は本当に好きだったんです。
──歌を歌うことについては、どのような思いがありますか?
石渡真修:ミュージカルや舞台で歌う時は、「役」があってその役の気持ちを理解して歌うんですよ。それとはまた別で、今回は石渡真修として歌うので新鮮でしたね。どういうふうに歌えばいいのかすごく迷いました。でも、ゼロからのスタートって感じで、新たな挑戦という気持ちでやらせていただきました。
──ミュージカルで歌っているときとは、感覚としては全然違いますか?
石渡真修:全然違うんだろうなっていうふうに思っていたんですけど、歌ってみたら根本は一緒でしたね。伝えようとか、表現しようとか、役者としてやるからには、役とか曲のイメージを自分の中に演技として落とし込んでやろうかなという感じはあります。
──1曲ごとに役を演じているみたいな感覚があるんですか?
石渡真修:そうですね。今回収録されている『Flavor』は6曲それぞれが、全然違うタイプの曲になったので表現のしがいがありました。
──音楽にはいつごろから興味があったんですか?
石渡真修:うちの家族がみんな音楽をやってるんですよ。うちの親父はギターが大好きで、母がゴスペルとか地元の集まりみたいなのに入っていて、姉がアーティストを目指していました。弟は何にもやってないんですけど(笑)。僕は途中でサッカーの道に行ったんですけど、自分も小5までピアノをやっていました。あとは教会も行っていたので、讃美歌を歌う機会もたくさんあって。音楽は常に周りにある状態でしたね。
──音楽一家だったんですね。
石渡真修:そうですね。うちに防音室もありますし(笑)。まさか自分がアーティストとして歌をメインにしてソロでアルバムを出すなんて思っていなかったんですけど、家族は大喜びでしたね。
──趣味のアコースティック・ギターはどれくらいからやられているんですか?
石渡真修:ギターは中学の頃にモテたくてはじめたんです(笑)。最初はコブクロさんの“赤い糸”を弾いたりしていました。姉もピアノをやっていたので、そのコード本をみて必死にやっていました。
──学生自体はどのようなアーティストが好きだったんですか?
石渡真修:高校の時に好きな子がいて、その子が好きなアーティストがEXILEさんだでした。その人が好きだったから、EXILEさんも好きになりました。それから清木場俊介さんのことを知って好きになりました。清木場さんの、力強い感じがかっこよくて。
──今作にも、清木場俊介さんのような力強さを感じる楽曲も収録されていますよね。
石渡真修:いままでの僕の舞台を応援してきた方や、自分のひととなりを知っている方は、多分優しい歌を歌っているイメージがあると思うんです。でも、今回はそれを破りたくて。1曲目の“ZERO”も2曲目の“Flavor”も、割と自分の殻を破るような歌なんですよ。力強さだったり、ミステリアスで色気がある部分も今回出してみました。