歌とダンスで届ける、新たな電音部の魅力──〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉ゲネプロ潜入レポート
バンダイナムコエンターテインメントが仕掛ける本格的なダンスミュージックを中心とした、音楽原作のキャラクタープロジェクト〈電音部〉。「新たなカルチャーとの遭遇体験」をイベントで提供する試みのひとつとして開催される〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉のゲネプロにOTOTOYが潜入。どのようにして、ライヴを作り上げていくのか。そのレポートとメンバーの意気込みをお届けします。
〈電音部〉の音源、配信中!!
REPORT :〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉ゲネプロ
取材&文 : 西田健
2021年10月30日〜10月31日の2日間、立川ステージガーデンにて行われる〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉。いよいよ間近に迫った本イベントについて、そのゲネプロに潜入した。
今回、行われる〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉は、プロジェクトのスタートからのテーマであった「新たなカルチャーとの遭遇体験」を、イベントという形で提供するという試みのひとつ。コンポーザーやトラックメイカーらが登場する「PARTY」や、AIによる部員のDJプレイが楽しめる「GAME」と合わせて、電音部のイベントの柱のひとつとなる。
リハーサル・スタジオに入ると、演出担当のJUNGO氏をはじめとする一流のスタッフたちが、この公演を成功に導くため、綿密なミーティングが行われていた。もちろん当日まで1週間前のため、緊張感はひしひしと伝わってくるのだが、時折冗談も交えながら和やかなムードで進行していた。
この日、先に始まったのはハラジュクエリア神宮前参道學園のリハーサル。桜乃美々兎役の小坂井祐莉絵、水上雛役の大森日雅、犬吠埼紫杏役の長谷川玲奈が、それぞれのキャラクターをモチーフにした衣装に身を包んでいる。まずは、それぞれの歌唱チェックからスタート。彼女たちの歌声を聴いていると、もう完璧に歌いこなしているように聞こえるのだが、さらなる高みを目指すために何度も微調整を重ねながら、仕上げていく。印象的だったのは、振り付けに関して「この手の動き方だと、かわいらしさが半減する気がするんですよね」、「確かにそうかも、こっちの動きの方がいいかも」と調整していたところ。ハラジュクエリアには、「カワイイ」要素は欠かせない。それを十二分に発揮するために、じっくりと考えられていたのだった。まさに、「カワイイ」のプロフェッショナルである。当日は、そのプロの仕事を見せつけられることだろう。
休憩を挟んで続いては、アキバエリアのリハーサルへ。アキバエリアもハラジュクエリアと同様に、日高零奈役の蔀祐佳、東雲和音役の天音みほ、茅野ふたば役の堀越せなは、それぞれ外神田文芸高校をイメージした衣装に着替えての登場。スタート前は、ダンス部のメンバーやスタッフたちと「ここ、かわいいですねー!」「似合ってますよ!」と談笑していた。ネタバレになるので、あまり詳しくは言えないが、細部までしっかりこだわり抜いた衣装も、注目ポイントのひとつだ。歌唱チェックがはじまると、演出のJUNGO氏も「すごいよ! こんなに全力で歌えるなんて!」と感嘆の声を上げていた。ライヴであることを意識した、彼女たちの全力パフォーマンスは必見である。アキバエリアは、途中休憩の間にも、メンバー3人でステップや振り付けの確認を行っているのが印象的だった。今回のライヴを通して、彼女たちのチームワークはますます強固になっていくのではないだろうか。
ダンスミュージックを主体とし、出演者によるDJプレイも話題となった電音部だが、今回の〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉では、DJは挟まず、歌唱のみのパフォーマンスとなる。歌唱のみということは、より楽曲や歌がフィーチャーされるということでもある。今回のライヴの最大のみどころは、やはり生歌であるということ。電音部の楽曲の魅力は、それぞれのコンポーザーの個性が爆発した一癖も二癖もある楽曲たちである。さらには、それぞれの部員としての声の演技も重要となるため、歌いこなすとなると、かなりのスキルとテクニックが必要だ。彼女たちは、どのように表現していけば、オーディエンスにしっかり伝わるのかを意識して、全員が真摯に考えていた。
また、〈電音部 1st LIVE -Make Waves-〉では、ダンス部と称されるダンサー陣によるパフォーマンスも注目だ。それぞれのチームごとに異なるダンサーたちが集結し、歌唱に彩りを加える。その躍動感あふれる動きから繰り出される身体表現には、きっと目を奪われるはず。電音部のテーマである「新たなカルチャーとの遭遇体験」は、こういう部分にも味わうことができるのではないだろうか。
今回は、ハラジュクエリアとアキバエリアのゲネプロのみに潜入したが、シブヤエリアやアザブエリアも、このライヴでのみで味わうことのできる最高のパフォーマンスを用意していることだろう。ゲネプロでは、歌と音源まわりのチェックが行われていたが、当日は、迫力のある映像も加わり、大満足のステージが期待される。
電音部は、いままさに40週連続の新曲リリースの真っ只中である。毎週毎週新たな楽曲が配信されていくなかで、どんどん楽曲の幅も広がってきた。いったいどの曲が披露されるかを予想するのも楽しい。オンラインでの配信チケットはまだまだ、販売中。歴史的瞬間が訪れる、その最初の第一幕を、ぜひその目で確かめて欲しい。