JP4057743B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を目的の駐車終了位置に駐車すべく、車両を駐車終了位置に対して予め設定された所定の位置関係を有する駐車開始位置から進行方向切換位置まで前進移動させた後に、車両を駐車終了位置まで後進移動させる運転操作を支援するための車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる車両の操舵装置は特開平3−74256号公報、特開平4−55168号公報により既に知られている。これらの車両の操舵装置は、従来周知の電動パワーステアリング装置のアクチュエータを利用し、予め記憶した車両の移動距離と転舵角との関係に基づいて前記アクチュエータを制御することにより、バック駐車や縦列駐車を自動で行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来の車両の操舵装置は、車両が駐車開始位置から進行方向切換位置まで前進移動する区間だけでなく、車両が進行方向切換位置から駐車終了位置まで後進移動する区間においても操舵輪をアクチュエータで自動的に転舵するので、車両の移動距離を検出するセンサや操舵輪の転舵角を検出するセンサに高い精度が要求され、僅かな検出誤差が存在するだけで車両の移動軌跡がずれて駐車終了位置に正しく誘導できなくなる場合があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、精度の高いセンサを必要とせずに駐車のためのドライバーの運転操作を効果的に支援できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両を目的の駐車終了位置に駐車すべく、車両を駐車終了位置に対して予め設定された所定の位置関係を有する駐車開始位置から進行方向切換位置まで前進移動させた後に、車両を駐車終了位置まで後進移動させる運転操作を支援するための車両の操舵装置であって、操舵輪を転舵するアクチュエータと、駐車開始位置から進行方向切換位置までの車両の前進移動軌跡を、車両の移動距離に対する操舵輪の転舵角の関係として予め設定する移動軌跡設定手段と、ドライバーのステアリング操作に代えてアクチュエータで操舵輪を転舵することにより、移動軌跡設定手段により設定された前進移動軌跡に沿って車両を前進移動させる制御手段とを備えてなり、前記進行方向切換位置は、前記移動軌跡設定手段により設定された該進行方向切換位置における操舵輪の転舵角を保持したまま車両を後進移動させたときに、車両が駐車終了位置に到達するように設定されていることを特徴とする車両の操舵装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、車両を駐車終了位置に対して予め設定された所定の位置関係を有する駐車開始位置から進行方向切換位置まで前進移動させる間、移動軌跡設定手段により車両の移動距離に対する操舵輪の転舵角の関係として予め設定された前進移動軌跡に沿って車両が前進移動するようにアクチュエータが制御されるので、ドライバーはステアリング操作を行うことなく、車両を正確に進行方向切換位置に導いて停止させることができる。従って、ドライバーは進行方向切換位置における転舵角を保持したまま進行方向切換位置から駐車終了位置まで車両を後進移動させるだけで、車両を正確に駐車終了位置に導いて停止させることが可能となり、ドライバーの操作負担が大幅に軽減される。
【0007】
また駐車開始位置から進行方向切換位置までの前進移動軌跡が車両の移動距離に対する操舵輪の転舵角の関係として設定されるので、車両の前進移動中に車速が変化しても前進移動軌跡に誤差が発生するのを防止することができる。
【0008】
また進行方向切換位置での車両の停止位置に若干の誤差が存在しても、進行方向切換位置から駐車終了位置まで車両が後進移動する間にドライバーがステアリングホイールを操作して進行方向を微調整すれば、前記誤差を補償して車両を駐車終了位置に正しく導くことができる。従って、駐車開始位置から進行方向切換位置までの自動操舵を行うための各種センサに高精度のものを使用する必要がなくなり、コストダウンに寄与することができる。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、進行方向切換位置における操舵輪の転舵角は限界転舵角であることを特徴とする車両の操舵装置が提案される。
【0010】
上記構成によれば、進行方向切換位置における操舵輪の転舵角が限界転舵角であるので、車両が進行方向切換位置から駐車終了位置まで後進移動する間の旋回半径が最小になって狭い場所での車庫入れが可能になるだけでなく、ステアリングホイールを保持するドライバーの操作が容易になって転舵角の変動が防止される。
【0011】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、車両が進行方向切換位置を通り越して前進移動した場合、車両が前記進行方向切換位置を通り越してから停止するまでの間、前記制御手段は進行方向切換位置における操舵輪の転舵角を保持することを特徴とする車両の操舵装置が提案される。
【0012】
上記構成によれば、車両が進行方向切換位置を通り越して前進移動しても、車両が進行方向切換位置を通り越してから停止するまでの間、進行方向切換位置における転舵角のままに保持されるので、車両が停止位置から後進移動する過程で、ドライバーが転舵角をそのままに保持していれば、車両は進行方向切換位置を自動的に通過して駐車終了位置に正しく導かれる。
【0013】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、進行方向切換位置における操舵輪の転舵角は限界転舵角よりも若干小さい転舵角であり、車両が進行方向切換位置から駐車終了位置まで後進移動する間に、転舵角が増加する方向および減少する方向の両方向へのステアリング操作が可能であることを特徴とする車両の操舵装置が提案される。
【0014】
上記構成によれば、進行方向切換位置における操舵輪の転舵角を限界転舵角よりも若干小さい転舵角としたので、車両が進行方向切換位置から駐車終了位置まで後進移動する間に、転舵角が増加する方向および減少する方向の両方向へのステアリング操作を行うことで、車両の進行方向の微調整が一層容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図4は本発明の一実施例を示すもので、図1は操舵装置を備えた車両の全体構成図、図2はバック駐車/左モードの作用説明図、図3はバック駐車/左モードの移動距離Xに対する規範転舵角θrefの関係を示すテーブル、図4はモード選択スイッチおよび自動駐車スタートスイッチを示す図である。
【0016】
図1に示すように、車両Vは駆動輪であると同時に操舵輪である一対の前輪Wf,Wfと、従動輪であると同時に非操舵輪である一対の後輪Wr,Wrとを備える。ステアリングホイール1と操舵輪である前輪Wf,Wfとが、ステアリングホイール1と一体に回転するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2の下端に設けたピニオン3と、ピニオン3に噛み合うラック4と、ラック4の両端に設けた左右のタイロッド5,5と、タイロッド5,5に連結された左右のナックル6,6とによって接続される。ドライバーによるステアリングホイール1の操作をアシストすべく、あるいは後述する車庫入れのための操舵を行うべく、電気モータよりなるステアリングアクチュエータ7がウオームギヤ機構8を介してステアリングシャフト2に接続される。
【0017】
操舵制御装置21は制御部22と記憶部23とから構成される。制御部22には、ステアリングホイール1の回転角に基づいて前輪Wf,Wfの転舵角θを検出する転舵角検出手段S1 と、ステアリングホイール1の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段S2 と、従動輪である左右の後輪Wr,Wrの回転角を検出する後輪回転角検出手段S3 ,S3 と、セレクトレバー11により選択されたシフトレンジ(「D」レンジ、「R」レンジ、「N」レンジ、「P」レンジ等)を検出するシフトレンジ検出手段S4 とからの信号が入力される。
【0018】
後輪回転角検出手段S3 ,S3 は、後輪Wr,Wrが所定角度回転する毎にパルスを出力するもので、検出されたパルス数に後輪Wr,Wrの半径に応じて決定される定数を乗算することにより車両Vの移動距離Xを算出することができる。尚、一対の後輪回転角検出手段S3 ,S3 の出力は、そのハイセレクト値、ローセレクト値、あるいは平均値が採用される。
【0019】
更に制御部22には、ドライバーにより操作されるモード選択スイッチS6 および自動駐車スタートスイッチS7 が接続される。図4から明らかなように、モード選択スイッチS6 は、2種類の駐車モード、即ちバック駐車/右モードおよびバック駐車/左モードの何れかを選択する際に操作されるもので、各モードに対応する2個のスイッチボタンを備えている。自動駐車スタートスイッチS7 は、モード選択スイッチS6 で選択した何れかのモードによる自動駐車を開始する際に操作される。
【0020】
前記記憶部23は本発明の移動軌跡設定手段を構成するもので、そこには前記2種類の駐車モードのデータ、即ち車両Vの移動距離Xに対する規範転舵角θrefの関係が、図3に示すように、予めテーブルとして記憶されている。
【0021】
而して、制御部22は前記各検出手段S1 〜S4 およびスイッチS6 ,S7 からの信号と、記憶部23に記憶された駐車モードのデータとに基づいて、前記ステアリングアクチュエータ7の作動と、液晶モニター、スピーカ、ランプ、チャイム、ブザー等を含む操作段階教示装置12の作動とを制御する。
【0022】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0023】
自動操舵制御を行わない通常時(前記自動駐車スタートスイッチS7 がONしていないとき)には、操舵制御装置21は一般的なパワーステアリング制御装置として機能する。具体的には、ドライバーが車両Vを旋回させるべくステアリングホイール1を操作すると、操舵トルク検出手段S2 がステアリングホイール1に入力された操舵トルクを検出し、制御部22は前記操舵トルクに基づいてステアリングアクチュエータ7の駆動を制御する。その結果、ステアリングアクチュエータ7の駆動力によって左右の前輪Wf,Wfが転舵され、ドライバーのステアリング操作がアシストされる。
【0024】
次に、バック駐車/左モード(車両Vの左側にある車庫にバックしながら駐車するモード)を例にとって、本実施例の作用を説明する。
【0025】
先ず、図2に示すように、車両Vを駐車しようとする車庫の近傍に移動させ、車体の左側面を車庫入口線にできるだけ近づけた状態で、予め決められた目印M(例えば、ドアの内側に設けられたマークやサイドミラー)が車庫の中心線に一致する駐車開始位置P1 に停止させる。このとき、車両Vの中心線と車庫の中心線とが直交するようにする。そして、モード選択スイッチS6 を操作してバック駐車/左モードを選択すると、操作したスイッチボタンが点灯し、操作段階教示装置12がスピーカで「左バック駐車です」とドライバーに報知する。操作したスイッチボタンに誤りがないことを確認したドライバーがステアリングホイール1から手を放して自動駐車スタートスイッチS7 をONすると、そのスイッチボタンが点灯して自動操舵制御が開始され、操作段階教示装置12がスピーカで「ゆっくり前進してください」とドライバーに報知する。
【0026】
自動操舵制御が行われている間、操作段階教示装置12の液晶モニターには自車の現在位置、駐車開始位置P1 、進行方向切換位置P2 、駐車終了位置P3 、駐車開始位置P1 から駐車終了位置P3 までの自車の予想前進移動軌跡等が表示される。
【0027】
自動操舵制御により、ドライバーがブレーキペダル9を緩めて車両Vをクリープ走行させるだけで、あるいはアクセルペダル10を僅かに踏んで車両Vを走行させるだけで、ステアリングホイール1を操作しなくても、モード選択スイッチS6 により選択されたバック駐車/左モードのデータに基づいて前輪Wf,Wfが自動操舵される。即ち、図3に示すように、駐車開始位置P1 から進行方向切換位置P2 まで車両Vが前進移動する間は、前輪Wf,Wfは先ず右に自動操舵された後に中立位置を経て左に自動操舵され、車両Vが進行方向切換位置P2 に達したときに前輪Wf,Wfの転舵角θは左の限界転舵角θmaxになる。
【0028】
その間、制御部22は記憶部23から読み出したバック駐車/左モードのデータに、後輪回転角検出手段S3 ,S3 の出力に基づいて算出した車両Vの移動距離Xを適用して規範転舵角θrefを検索する。そして前記規範転舵角θrefと転舵角検出手段S1 から入力された転舵角θとに基づいて偏差E(=θref−θ)を算出し、その偏差Eが0になるようにステアリングアクチュエータ7の作動を制御する。このとき、規範転舵角θrefのデータは車両Vの移動距離Xに対応して設定されているため、自動操舵制御中の車速に多少の変動があっても、前記移動距離Xが正しく検出されている限り車両Vは常に前記前進移動軌跡上を移動することになる。
【0029】
上述した自動操舵制御は、ドライバーがモード選択スイッチS6 をOFFした場合に解除されるが、それ以外にもドライバーがステアリングホイール1を操作した場合、車速が所定値を越えた場合に解除され、通常のパワーステアリング制御に復帰する。
【0030】
而して、自動操舵により車両Vが進行方向切換位置P2 に達すると、操作段階教示装置12がスピーカで「停止してシフトチェンジしてください」とドライバーに報知する。ドライバーが車両Vを停止させてセレクトレバーセレクトレバー11を「D」レンジから「R」レンジに切り換え、これが後輪回転角検出手段S3 ,S3 およびシフトレンジ検出手段S4 により検出されると、操作段階教示装置12がスピーカで「終了します」とドライバーに報知する。
【0031】
このようにして自動操舵が終了したとき、前述したように前輪Wf,Wfの転舵角θは左の限界転舵角θmaxになっており、ドライバーがステアリングホイール1を保持して転舵角θを左の限界転舵角θmaxに固定したまま車両Vを進行方向切換位置P2 から後進移動させるだけで、その車両Vを駐車終了位置P3 に正しく導くことができる。言い換えると、転舵角θを左の限界転舵角θmaxに保持したまま車両Vを後進移動させれば車両Vが正しく駐車終了位置P3 に導びかれるように、車両Vの前進移動軌跡、即ち進行方向切換位置P2 が予め設定されている。
【0032】
このように、進行方向切換位置P2 から駐車終了位置P3 まで車両Vを後進移動させる間は自動操舵が行われないため、車両Vの位置がずれて駐車終了位置P3 に正しく導かれないと判断したときに、ドライバーは自発的にステアリングホイール1を操作して進路を微調整し、車両Vを駐車終了位置P3 に正しく導くことができる。従って、進行方向切換位置P2 における車両Vの停止位置の精度は、駐車開始位置P1 から駐車終了位置P3 までの全行程で自動操舵を行う場合に比べて低くすることができ、転舵角検出手段S1 や後輪回転角検出手段S3 ,S3 に特別高精度のものを使用する必要がなくなってコストダウンに寄与することができる。
【0033】
また車両Vが進行方向切換位置P2 から後進移動する間に転舵角θを限界転舵角θmaxに保持するので、車両Vの旋回半径が最小になって狭い場所での車庫入れが可能になるだけでなく、ステアリングホイール1を保持するドライバーの操作が容易になって転舵角θの変動を防止することができる。
【0034】
またドライバーのブレーキ操作の遅れ等によって車両Vが進行方向切換位置P2 を通り越して停止する場合があるが、その場合には進行方向切換位置P2 から実際の停止位置までの間は転舵角θが限界転舵角θmaxに保持される。従って、車両Vが実際の停止位置から後進移動する過程で、ドライバーが転舵角θを限界転舵角θmaxに保持してさえいれば、車両Vは必ず進行方向切換位置P2 を通過することになるため、最終的に駐車終了位置P3 における位置ずれの発生が防止される。
【0035】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0036】
例えば、実施例では進行方向切換位置P2 における転舵角θを限界転舵角θmaxに設定しているが、それを限界転舵角θmaxよりも若干小さい転舵角θに設定することも可能である。このようにすれば、車両Vが進行方向切換位置P2 から駐車終了位置P3 まで後進移動する間に、転舵角θが増加する方向および減少する方向の両方向にステアリングホイール1を操作することが可能となり、車両Vの進行方向の微調整が一層容易になる。
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、車両を駐車終了位置に対して予め設定された所定の位置関係を有する駐車開始位置から進行方向切換位置まで前進移動させる間、移動軌跡設定手段により車両の移動距離に対する操舵輪の転舵角の関係として予め設定された前進移動軌跡に沿って車両が前進移動するようにアクチュエータが制御されるので、ドライバーはステアリング操作を行うことなく、車両を正確に進行方向切換位置に導いて停止させることができる。従って、ドライバーは進行方向切換位置における転舵角を保持したまま進行方向切換位置から駐車終了位置まで車両を後進移動させるだけで、車両を正確に駐車終了位置に導いて停止させることが可能となり、ドライバーの操作負担が大幅に軽減される。
【0037】
また駐車開始位置から進行方向切換位置までの前進移動軌跡が車両の移動距離に対する操舵輪の転舵角の関係として設定されるので、車両の前進移動中に車速が変化しても前進移動軌跡に誤差が発生するのを防止することができる。
【0038】
また進行方向切換位置での車両の停止位置に若干の誤差が存在しても、進行方向切換位置から駐車終了位置まで車両が後進移動する間にドライバーがステアリングホイールを操作して進行方向を微調整すれば、前記誤差を補償して車両を駐車終了位置に正しく導くことができる。従って、駐車開始位置から進行方向切換位置までの自動操舵を行うための各種センサに高精度のものを使用する必要がなくなり、コストダウンに寄与することができる。
【0039】
また請求項2に記載された発明によれば、進行方向切換位置における操舵輪の転舵角が限界転舵角であるので、車両が進行方向切換位置から駐車終了位置まで後進移動する間の旋回半径が最小になって狭い場所での車庫入れが可能になるだけでなく、ステアリングホイールを保持するドライバーの操作が容易になって転舵角の変動が防止される。
【0040】
また請求項3に記載された発明によれば、車両が進行方向切換位置を通り越して前進移動しても、車両が進行方向切換位置を通り越してから停止するまでの間、進行方向切換位置における転舵角のままに保持されるので、車両が停止位置から後進移動する過程で、ドライバーが転舵角をそのままに保持していれば、車両は進行方向切換位置を自動的に通過して駐車終了位置に正しく導かれる。
【0041】
また請求項4に記載された発明によれば、進行方向切換位置における操舵輪の転舵角を限界転舵角よりも若干小さい転舵角としたので、車両が進行方向切換位置から駐車終了位置まで後進移動する間に、転舵角が増加する方向および減少する方向の両方向へのステアリング操作を行うことで、車両の進行方向の微調整が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 操舵装置を備えた車両の全体構成図
【図2】 バック駐車/左モードの作用説明図
【図3】 バック駐車/左モードの移動距離Xに対する規範転舵角θrefの関係を示すテーブル
【図4】 モード選択スイッチおよび自動駐車スタートスイッチを示す図
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
7 ステアリングアクチュエータ(アクチュエータ)
22 制御部(制御手段)
23 記憶部(移動軌跡設定手段)
P1 駐車開始位置
P2 進行方向切換位置
P3 駐車終了位置
V 車両
Wf 前輪(操舵輪)
X 移動距離
θ 転舵角
θmax 限界転舵角
Claims (4)
- 車両(V)を目的の駐車終了位置(P 3 )に駐車すべく、車両(V)を駐車終了位置(P 3 )に対して予め設定された所定の位置関係を有する駐車開始位置(P1 )から進行方向切換位置(P2 )まで前進移動させた後に、車両(V)を駐車終了位置(P3 )まで後進移動させる運転操作を支援するための車両の操舵装置であって、
操舵輪(Wf)を転舵するアクチュエータ(7)と、
駐車開始位置(P1 )から進行方向切換位置(P2 )までの車両(V)の前進移動軌跡を、車両(V)の移動距離(X)に対する操舵輪(Wf)の転舵角(θ)の関係として予め設定する移動軌跡設定手段(23)と、
ドライバーのステアリング操作に代えてアクチュエータ(7)で操舵輪(Wf)を転舵することにより、移動軌跡設定手段(23)により設定された前進移動軌跡に沿って車両(V)を前進移動させる制御手段(22)と、
を備えてなり、
前記進行方向切換位置(P 2 )は、前記移動軌跡設定手段(23)により設定された該進行方向切換位置(P 2 )における操舵輪(Wf)の転舵角(θ)を保持したまま車両(V)を後進移動させたときに、車両(V)が駐車終了位置(P3 )に到達するように設定されていることを特徴とする車両の操舵装置。 - 進行方向切換位置(P2 )における操舵輪(Wf)の転舵角(θ)は限界転舵角(θmax)であることを特徴とする、請求項1に記載の車両の操舵装置。
- 車両(V)が進行方向切換位置(P2 )を通り越して前進移動した場合、車両(V)が前記進行方向切換位置(P 2 )を通り越してから停止するまでの間、前記制御手段(22)は進行方向切換位置(P2 )における操舵輪(Wf)の転舵角(θ)を保持することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両の操舵装置。
- 進行方向切換位置(P2 )における操舵輪(Wf)の転舵角(θ)は限界転舵角(θmax)よりも若干小さい転舵角(θ)であり、車両(V)が進行方向切換位置(P2 )から駐車終了位置(P3 )まで後進移動する間に、転舵角(θ)が増加する方向および減少する方向の両方向へのステアリング操作が可能であることを特徴とする、請求項1に記載の車両の操舵装置。
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