JP2003237002A - 積層体及び容器 - Google Patents

積層体及び容器

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JP2003237002A JP2002003263A JP2002003263A JP2003237002A JP 2003237002 A JP2003237002 A JP 2003237002A JP 2002003263 A JP2002003263 A JP 2002003263A JP 2002003263 A JP2002003263 A JP 2002003263A JP 2003237002 A JP2003237002 A JP 2003237002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、耐ブロッキング性、柔軟性等に優れる
とともに、121℃滅菌可能な高い耐熱性を有し、且つ
シール部の衝撃強度が従来よりも格段に向上したポリエ
チレン系樹脂積層体及びこれからなる医療用容器又は食
品容器等を提供する。 【解決手段】内層と外層に高密度ポリエチレンを含む樹
脂材料を用い、中間層に密度0.920g/cm3
満、MFR0.1〜50g/10分、25℃におけるo
−ジクロロベンゼン可溶分の量X(質量%)と密度d
(g/cm3)及びMFR(g/10分)がX<9.8
×103×(0.9300−d+0.008logMF
R)2+2.0であり、且つ組成分布のパラメーターC
bが1.08〜2.00であるポリエチレン系樹脂Iを
主体とする樹脂材料を用いた積層体及び該積層体の内層
をヒートシール層とした容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ブロッキング
性、透明性及び柔軟性に優れ、高いシール部衝撃強度を
有する、血液、薬液等を充填しうる医療用容器又はレト
ルト食品用容器等に使用される好適な積層体及び容器に
関する。医療用容器としては、血液バッグ、血小板保存
バッグ、輸液(薬液)バッグ、医療用複室容器(2種類
以上の医薬液を接着部により隔離された別々の収容室で
保存し、使用時には接着部を剥離することによって該複
数の医薬液を密封状態で混合する)、人工透析用バッグ
等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】血液、薬液等を充填する医療用容器とし
ては、異物の混入有無の確認や薬剤配合による変化等を
確認しやすくするための透明性、滅菌処理等に耐えられ
るような耐熱性、内溶液の排出等を容易にするための柔
軟性等が要求される。
【0003】従来、このような性能を満たす医療用容器
またはレトルト用食品容器には、軟質塩化ビニルのほ
か、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のポリエチレン系、ポリプロピレン系材料等が用
いられてきた。しかし、エチレン・酢酸ビニル共重合体
は耐熱性が劣り、塩化ビニル樹脂は可塑剤が薬液へ溶出
するなどの問題がある。ポリプロピレンは柔軟性に乏し
く、高圧法低密度ポリエチレンは強度が劣るなどの欠点
がある。また、線状低密度ポリエチレンは、透明性や柔
軟性を満たすために密度を低くする必要があるが、密度
を低くすると耐熱性が不足する傾向にあり、また樹脂の
低分子量成分等がブリードアウトしたりするなどの問題
があった。
【0004】最近、耐衝撃性、透明性に優れるシングル
サイト系触媒で製造された直鎖状ポリエチレン材料が開
発され、医療用容器又はレトルト用食品容器に応用しよ
うという動きがある。また、それらを組み合わせて2
層、3層等に積層して用いる方法も提案されている(特
開平8−309939号公報、特開平7−125738
号公報、特開平8−244791号公報等)。
【0005】しかしながら、それら提案されている積層
体においても、透明性がなお不十分であり、またヒート
シール部の衝撃強度が充分とはいえず、落袋時等にヒー
トシール部が破損する場合があることから改良が望まれ
ていた。さらに、水冷インフレーション法あるいはTダ
イ法等により成形すると、得られるフィルム、シートは
特に表面が平滑になり、フィルム、シート同士がブロッ
キングし、これを剥がすときに表面に白化傷等が発生
し、外観が著しく低下する場合があった。現在、121
℃滅菌可能な容器の需要も増加しており、耐熱性もこれ
まで以上に必要とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、耐
ブロッキング性、柔軟性等に優れるとともに、121℃
滅菌可能な高い耐熱性を有し、且つシール部の衝撃強度
が従来よりも格段に向上したポリエチレン系樹脂積層体
及びこれからなる医療用容器又は食品容器等を提供する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
行った結果、特定の樹脂材料により構成した内層と中間
層と外層を組み合わせた積層体とすることによって、上
記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、内層と中間層と外層
を少なくとも有する積層体であって、前記内層が高密度
ポリエチレンを含む樹脂材料(A)からなり、かつ前記
中間層がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと
を共重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重
合体で、以下の物性(a)〜(d)を備えたポリエチレ
ン系樹脂Iを主体とする樹脂材料(B)からなり、かつ
前記外層が高密度ポリエチレンを含む樹脂材料(C)、
からなることを特徴とする積層体及び該積層体から構成
される医療用容器を提供するものである。 (a)密度が0.920g/cm3未満であること (b)MFRが0.1〜50g/10分であること (c)25℃におけるo−ジクロロベンゼン可溶分の量
X(質量%)と密度d(g/cm3)及びMFR(g/
10分)が次の関係を満たすこと X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0 (d)組成分布のパラメーターCbが1.08〜2.0
0であること
【0009】また、本発明の好ましい積層体は、前記内
層を構成する樹脂材料(A)が高密度ポリエチレンのみ
からなるものである。
【0010】また、本発明の好ましい積層体は、前記内
層を構成する樹脂材料(A)が、高密度ポリエチレン
と、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重合体
で、以下の物性(e)〜(h)を備えたポリエチレン系
樹脂IIとを配合してなる樹脂組成物であることを特徴
とする。 (e)密度が0.920g/cm3以上0.960g/
cm3未満であること (f)MFRが0.1〜50g/10分であること (g)25℃におけるo−ジクロロベンゼン可溶分の量
X(質量%)と密度d(g/cm3)及びMFR(g/
10分)が次の関係を満たすこと イ)d−0.008logMFR≧0.93の場合 X<2.0 ロ)d−0.008logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0 (h)組成分布のパラメーターCbが2.00未満であ
ること
【0011】また、本発明の好ましい積層体は、前記内
層を構成する樹脂材料(A)が、高密度ポリエチレン
と、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重合体
の場合、α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−1,
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、デセン−1、ドデセン−1からなる群より選ばれる
1種又は2種以上のものであることを特徴とする。
【0012】また、本発明の好ましい積層体は、前記ポ
リエチレン系樹脂IIを構成するエチレン・α−オレフ
ィン共重合体において、該α−オレフィンの該共重合体
中の含有量が、30モル%以下であることを特徴とす
る。
【0013】また、本発明の好ましい積層体は、前記内
層を構成する樹脂材料(A)が、前記高密度ポリエチレ
ン40〜99質量%と、前記ポリエチレン系樹脂II6
0〜1質量%とを配合してなる樹脂組成物であることを
特徴とする。
【0014】また、本発明の好ましい積層体は、前記樹
脂材料(A)の高密度ポリエチレンが、MFRが0.1
〜20g/10分、密度が0.940〜0.970g/
cm 3を有するものである。
【0015】また、本発明の好ましい積層体は、前記中
間層を構成する樹脂材料(B)が前記ポリエチレン系樹
脂Iのみからなることを特徴とする。
【0016】また、本発明の好ましい積層体は、前記中
間層がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを
共重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重合
体の場合、α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−
1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1、ドデセン−1からなる群より選ばれ
る1種又は2種以上のものであることを特徴とする。
【0017】また、本発明の好ましい積層体は、前記の
ポリエチレン系樹脂Iが、前記物性(a)〜(d)を満
たし、かつ以下の物性(i)と(j)を備えていること
を特徴とする。 (i)Mw/Mnが1.5〜3.5であること (j)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0018】また、本発明の好ましい積層体は、前記中
間層を構成する樹脂材料(B)が前記ポリエチレン系樹
脂Iと前記ポリエチレン系樹脂IIとを配合してなる樹
脂組成物であることを特徴とする。
【0019】また、本発明の好ましい積層体は、中間層
を構成する樹脂材料(B)が、前記ポリエチレン系樹脂
I50〜99質量%と、前記ポリエチレン系樹脂II5
0〜1質量%とを配合してなる樹脂組成物であることを
特徴とする。
【0020】また、本発明の好ましい積層体は、前記中
間層を構成する樹脂材料(B)が、前記ポリエチレン系
樹脂Iと、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共
重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体からな
る群より選ばれるものを少なくとも1つ配合してなる樹
脂組成物であることを特徴とする。
【0021】また、本発明の好ましい積層体は、前記中
間層を構成する樹脂材料(B)が、前記ポリエチレン系
樹脂I及び密度0.935g/cm3以上の樹脂との樹
脂組成物であることを特徴とする。
【0022】また、本発明の好ましい積層体は、前記外
層を構成する樹脂材料(C)が高密度ポリエチレンのみ
からなることを特徴とする。
【0023】また、本発明の好ましい積層体は、前記外
層を構成する樹脂材料(C)が、高密度ポリエチレンと
前記のポリエチレン系樹脂IIとを配合してなる樹脂組
成物であることを特徴とする。
【0024】また、本発明の好ましい積層体は、前記外
層を構成する樹脂材料(C)が、前記高密度ポリエチレ
ン95〜5質量%と、前記ポリエチレン系樹脂II5〜
95質量%とを配合してなる樹脂組成物であることを特
徴とする。
【0025】また、本発明の好ましい積層体は、外層
が、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点ピーク温
度が130℃以上である耐熱性樹脂材料で構成される樹
脂材料(D)からなることを特徴とする。
【0026】また、本発明の好ましい積層体は、前記樹
脂材料(D)を構成する耐熱性樹脂材料が、中密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンラン
ダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル、からなる群より選ばれるも
のを少なくとも1つ配合してなる樹脂組成物であること
を特徴とする。
【0027】また、本発明の好ましい積層体は、全体の
厚みが0.01〜1mmであることを特徴とする。
【0028】また、本発明の好ましい積層体は、各層の
厚み比が、内層/中間層/外層=30〜1/40〜98
/30〜1(全体の合計を100とする)、であること
を特徴とする。
【0029】また、本発明の好ましい積層体は、水冷式
共押出多層インフレーション成形法または共押出多層T
ダイ成形法により得られることを特徴とする。
【0030】また、本発明の容器は、上記いずれかの積
層体からなるものである。また、本発明の好ましい容器
は、前記積層体の内層の少なくとも一部がヒートシール
層としてヒートシールされてなることを特徴とする。
【0031】また、本発明の好ましい容器は、前記積層
体の内層同士をヒートシール層として四方をヒートシー
ルし、袋状に加工されてなることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は、以下の内層、
中間層及び外層を少なくとも有する。 I.内層 本発明の積層体における内層は、高密度ポリエチレンを
含む樹脂材料(A)からなる。樹脂材料(A)は、高密
度ポリエチレンのみからなるものであってもよいが、高
密度ポリエチレンと所定の物性を備えたポリエチレン系
樹脂IIとを配合してなる樹脂組成物であってもよい。
【0033】(1)高密度ポリエチレン 前記内層に用いられる高密度ポリエチレンは、従来公知
の方法、例えばスラリ−法、溶液法または気相法により
製造されるエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素
数3〜12のα-オレフィンとの共重合体及びそれらの
混合物であり、具体的なα-オレフィンとしてはプロピ
レン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙
げることができる。
【0034】高密度ポリエチレンのMFRは一般に0.
1〜20g/10分程度であり、好ましくは 0.1〜
10g/10分である。MFRがこの範囲内であれば組
成物の溶融張力が適切な範囲となりフィルム成形がしや
すい。密度は一般に0.940〜0.970g/cm3
程度であり、好ましくは0.945〜0.970g/c
3である。密度がこの範囲内であれば耐熱性を保持す
ることができるという利点がある。
【0035】(2)ポリエチレン系樹脂II 本発明で用いられるポリエチレン系樹脂IIは、以下の
物性(e)〜(h)を備えたものである。 (e)密度 前記ポリエチレン系樹脂IIの密度は0.920g/c
3以上0.960g/cm3未満である。密度がこの範
囲未満ではブロッキングするので好ましくない。一方、
密度がこの範囲を超えると柔軟性が低下するので好まし
くない。より好ましい密度範囲は0.920〜0.95
0g/cm3、特に好ましい密度範囲は0.920〜
0.945g/cm3である。
【0036】(f)MFR 前記ポリエチレン系樹脂IIのMFRは0.1〜50g
/10分である。MFRがこの範囲未満では成形性が低
下するので好ましくない。一方、MFRがこの範囲を超
えると強度が低下するので好ましくない。より好ましい
MFRの範囲は0.1〜20g/10分である。
【0037】(g)25℃におけるο−ジクロロベンゼ
ン可溶分 前記ポリエチレン系樹脂IIは、その25℃におけるo
−ジクロロベンゼン(以下「ODCB」と略す)可溶分
の量X(質量%)と密度d(g/cm3)及びMFR
(g/10分)が所定の関係を満たすものである。
【0038】ここで、25℃におけるODCB可溶分
は、次の方法により測定する。試料0.5gを20mL
のODCBにて135℃で2時間加熱して試料を完全に
溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で
一晩放置後、テフロン(登録商標)製フィルターでろ過
し、ろ液を採取する。このろ液について赤外分光計を用
いてメチレンの非対称伸縮振動である波数2925cm
-1付近の吸収ピーク面積を求め、あらかじめ作成した検
量線により試料濃度を算出する。この値より、25℃に
おけるODCB可溶分を求めることができる。
【0039】前記ポリエチレン系樹脂IIの25℃にお
けるODCB可溶分の量X(質量%)と密度d(g/c
3)及びMFR(g/10分)の関係は次のとおりで
ある。 イ)d−0.008logMFR≧0.93の場合は、
Xは2質量%未満であり、好ましくは1質量%未満であ
る。 ロ)d−0.008logMFR<0.93の場合は、
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0、好ましくはX<7.4×1
3×(0.9300−d+0.008logMFR)2
+1.0、さらに好ましくは、X<5.6×103×
(0.9300−d+0.008logMFR)2
0.5の関係を満たすことである。ここで、上記不等式
の右辺の密度d及びMFRはそれぞれ単位を除いた数値
を意味する。従って、25℃におけるODCB可溶分の
量X(質量%)は、上記不等式の右辺の式にポリエチレ
ン系樹脂IIの密度d及びMFRの数値のみを代入して
得られる値よりも小さい関係を満たすことが必要であ
る。
【0040】25℃におけるODCB可溶分は、主とし
てポリエチレン系樹脂に含まれる高分岐度成分及び低分
子量成分である。この含有量は、衛生性の問題や成形品
内面のブロッキングを引き起こす原因となるため、少な
いことが望ましい。ODCB可溶分の量はコモノマーの
含有量及び分子量に影響される。従って、これらの指標
である密度及びMFRとODCB可溶分の量が上記の関
係を満たすことは、樹脂全体に含まれる共重合成分(α
−オレフィン)の偏在が少ないことを意味する。本発明
において、前記ポリエチレン系樹脂IIがODCB可溶
分に関する上記関係を満たすと、耐熱性、衛生性及び耐
ブロッキング性が良好となるので好ましい。
【0041】(h)Cb 前記ポリエチレン系樹脂IIは、その組成分布のパラメ
ーターCbが2.00未満である。組成分布のパラメー
ターCbの測定方法は以下のとおりである。すなわち、
酸化防止剤を加えたo−ジクロロベンゼン(ODCB)
に、試料濃度が0.2質量%となるように135℃で試
料を加熱溶解する。この溶液を、珪藻土(セライト54
5)を充填したカラムに移送し、0.1℃/分の速度で
25℃まで冷却し、試料をセライト表面に沈着させる。
次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、
カラム温度を5℃きざみに130℃まで段階的に昇温
し、試料を溶出させて分別する。溶出液にメタノールを
混合し、試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度にお
けるフラクション試料を得る。各温度における溶出試料
の質量分率及びその分岐度(炭素数1000個あたりの
分岐数)を同位炭素核磁気共鳴装置(13C−NMR)に
より測定する。
【0042】30℃から90℃のフラクションについて
は次のような分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温度
に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小
自乗法で直線に近似し検量線を作成する。この近似の相
関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フ
ラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上
の成分については溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係
が成立しないので、この補正は行わず実測値を用いる。
【0043】次に、それぞれのフラクションの質量分率
iを、溶出温度5℃当たりの分岐度biの変化量(bi
−bi-1)で割って相対濃度Ciを求め、分岐度に対して
相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成
分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメ
ーターCbを算出する。
【0044】
【数1】
【0045】ここで、Cjとbjはそれぞれj番目の区分
の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターCb
は試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分
布が広がるに従って値が大きくなる。
【0046】本発明で用いられる前記ポリエチレン系樹
脂IIの組成分布パラメーターCbは2.00未満であ
り、好ましくは1.04〜2.00の範囲にある。Cb
が2.00以上では、耐ブロッキング性が劣り、ヒート
シール特性も不良となる。また、低分子量成分等の樹脂
表面へのブリードアウトが生じやすくなり、衛生上の問
題が生じる。
【0047】かかるポリエチレン系樹脂IIとしては、
エチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。α−
オレフィンとしては、炭素数3〜20、好ましくは炭素
数3〜12のものである。具体的には、プロピレン、ブ
テン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられ、
これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
また、これらα−オレフィンの共重合体中の含有量は通
常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲と
するのが望ましい。
【0048】ポリエチレン系樹脂IIの製造方法 ポリエチレン系樹脂IIの製造方法は特に限定されず、
上記物性を満たす限り如何なる方法で製造されたもので
あっても使用可能であるが、好ましくはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子を0個、1個または2個含む
周期律表第IV族の遷移金属化合物を必須成分として含
む触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のα−オレ
フィンとを共重合させることにより得られるものが用い
られる。より好ましくは、前記ポリエチレン系樹脂II
は以下に示す触媒により製造されるが、下記に限定され
るわけではない。例えば、周期律第IV族から選ばれる
遷移金属を有する、シクロペンタジエニル誘導体を0
個、1個または2個含有する有機遷移触媒とこれと反応
してイオン性の錯体を形成する化合物または/及び有機
アルミニウムオキシ化合物からなる触媒系である。該触
媒系には必要に応じて、有機アルミニウム化合物を使用
することも可能である。また、該有機遷移触媒は必要に
応じて無機化合物、微粒子等に担持して使用することも
できる。
【0049】例えば、特開平11−293054、特開平11−31
0607、特開平8−309939、特開平10−77370などの公報に
開示されている触媒を使用して製造することができる。
但し、これらに限定されるわけではない。
【0050】(3)樹脂材料(A) 樹脂材料(A)は、上記高密度ポリエチレンを含有する
ものであり、該高密度ポリエチレンのみからなるもので
あってもよく、該高密度ポリエチレンとポリエチレン系
樹脂IIとの樹脂組成物であってもよい。
【0051】樹脂組成物の場合、前記樹脂材料(A)中
における高密度ポリエチレンとポリエチレン系樹脂II
との配合割合は、高密度ポリエチレンが40〜99質量
%、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは60
〜99質量%である。高密度ポリエチレンの配合割合が
上記範囲未満であると、シ−ル部の衝撃強度が低下する
ので好ましくない。一方、配合割合が上記範囲を超える
と強度が低下するので好ましくない。
【0052】特に、本発明においては、内層として高密
度ポリエチレンを50質量%以上配合した該高密度ポリ
エチレンを主体とする樹脂材料により構成することによ
り、驚くべきことに、上記物性(e)〜(h)を備えた
エチレン・α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂材
料により構成した場合に比べ、耐熱性が向上するととも
に、格段にヒートシール特性、特にシール部の衝撃強度
が向上する。
【0053】なお、前記樹脂材料(A)には、本発明の
効果を著しく損なわない範囲において、通常用いられる
公知の添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、
アンチブロッキング剤、防曇剤、有機あるいは無機系の
顔料、紫外線吸収剤、分散剤などを適宜必要に応じて配
合することができる。
【0054】II.中間層 本発明の積層体における中間層は、以下の物性(a)〜
(d)を備えたポリエチレン系樹脂Iを主体とする樹脂
材料(B)からなる。
【0055】(1)ポリエチレン系樹脂I (a)密度 前記ポリエチレン系樹脂Iの密度は0.920g/cm
3未満である。密度がこの範囲を超えると透明性、柔軟
性が低下するので好ましくない。より好ましい密度範囲
は0.880〜0.920g/cm3、特に好ましい密
度範囲は0.890〜0.918g/cm3である。
【0056】(b)MFR 前記ポリエチレン系樹脂IのMFRは0.1〜50g/
10分である。MFRがこの範囲未満では成形性が低下
するので好ましくない。一方、MFRがこの範囲を超え
ると強度が低下するので好ましくない。より好ましいM
FRの範囲は0.1〜10g/10分である。
【0057】(c)ODCB可溶分 前記ポリエチレン系樹脂Iは、その25℃におけるOD
CB可溶分の量X(質量%)と密度d及びMFRが所定
の関係を満たすものである。ここで、25℃におけるO
DCB可溶分は、上述した測定方法により求めることが
できる。前記ポリエチレン系樹脂Iの25℃におけるO
DCB可溶分の量X(質量%)と密度d(g/cm3
及びMFR(g/10分)の関係は、次のとおりであ
る。 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0、好ましくはX<7.4×1
3×(0.9300−d+0.008logMFR)2
+1.0、さらに好ましくは、X<5.6×103×
(0.9300−d+0.008logMFR)2
0.5の関係を満たすことである。ここで、上記不等式
の右辺の密度d及びMFRはそれぞれ単位を除いた数値
を意味する。従って、25℃におけるODCB可溶分の
量X(質量%)は、上記不等式の右辺の式にポリエチレ
ン系樹脂Iの密度d及びMFRの数値のみを代入して得
られる値よりも小さい関係を満たすことが必要である。
本発明において、前記ポリエチレン系樹脂IがODCB
可溶分に関する上記関係を満たすと、耐熱性、衛生性及
び耐ブロッキング性が良好となるので好ましい。
【0058】(d)Cb 前記ポリエチレン系樹脂Iは、その組成分布のパラメー
ターCbが2.00未満であり、好ましくは1.08〜
2.00の範囲である。Cbが上記範囲内の場合は耐ブ
ロッキング性、ヒートシール特性に優れるという利点が
ある。一方、Cbが2.00以上では、耐ブロッキング
性が劣り、ヒートシール特性も不良となる。また、低分
子量成分等の樹脂表面へのブリードアウトが生じやすく
なり、衛生上の問題が生じる。なお、組成分布のパラメ
ーターCbの測定方法は上述したとおりである。
【0059】かかるポリエチレン系樹脂Iとしては、エ
チレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。α−オ
レフィンとしては、炭素数3〜20、好ましくは炭素数
3〜12のものである。具体的には、プロピレン、ブテ
ン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられ、こ
れらのうち一種又は二種以上を用いることができる。ま
た、これらα−オレフィンの共重合体中の含有量は通常
30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲とす
るのが望ましい。
【0060】(2)好ましいポリエチレン系樹脂I 本発明で用いられるポリエチレン系樹脂Iの、より好ま
しいものとしては、上記物性(a)〜(d)を満たし、
さらに以下に示す物性(i)及び(j)を満たすものが
挙げられる。
【0061】(i)Mw/Mn 本発明の好ましいポリエチレン系樹脂Iは、分子量分布
(Mw/Mn)が1.5〜3.5、好ましくは2.0〜
3.0である。ここで、Mw/Mnの算出方法は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求
め、この比Mw/Mnを求めるものである。Mw/Mn
が上記範囲未満では成形加工性が劣り、上記範囲を超え
ると耐衝撃性が劣る。
【0062】(j)TREFによる溶出温度−溶出量曲
線のピーク 本発明の好ましいポリエチレン系樹脂Iは、その連続昇
温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線
のピークが複数個存在するものである。さらに好ましく
は、そのうち少なくとも1つのピークが85〜100℃
の間に存在することが特に好ましい。このピークが存在
することにより、成形体の耐熱性が向上する。
【0063】ここで、TREFの測定方法は、次のとお
りである。試料に酸化防止剤を加えたODCBに試料濃
度0.05質量%となるように135℃で加熱溶解す
る。この試料溶液5mLを、ガラスビーズを充填したカ
ラムに注入し、0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷
却し、試料をガラスビーズ表面に沈着させる。次に、こ
のカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温
度を50℃/hrの一定速度で昇温し、試料を順次溶出
させる。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチ
レンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸
収を赤外分光計で連続的に測定する。この値から、溶液
中のエチレン・α−オレフィン共重合体の濃度を定量分
析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TREF分
析は極少量の試料で温度変化に対する溶出速度の変化を
連続的に分析できるため、分別法では検出できない比較
的細かいピークの検出が可能である。
【0064】(3)ポリエチレン系樹脂Iの製造方法 ポリエチレン系樹脂Iの製造方法は特に限定されず、上
記物性を満たす限り如何なる方法で製造されたものであ
っても使用可能であるが、好ましくはシクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子を0個、1個または2個含む周
期律表第IV族の遷移金属化合物を必須成分として含む
触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとを共重合させることにより得られるものが用いら
れる。
【0065】より好ましくは、前記ポリエチレン系樹脂
Iは以下に示す触媒により製造されるが、下記に限定さ
れるわけではない。例えば、周期律第IV族から選ばれ
る遷移金属を有する、シクロペンタジェニル誘導体を0
個、1個または2個含有する有機遷移触媒とこれと反応
してイオン性の錯体を形成する化合物または/及び有機
アルミニウムオキシ化合物からなる触媒系である。該触
媒系には必要に応じて、有機アルミニウム化合物を使用
することも可能である。また、該有機遷移触媒は必要に
応じて無機化合物、微粒子等に担持して使用することも
できる。例えば、前記公報に開示されている触媒を使用
して製造することができる。但し、これに限定されるわ
けではない。
【0066】重合方法としては、気相法、スラリー法、
溶液法等いずれを用いてもよく、また一段重合法であっ
ても多段重合法であってもよい。
【0067】(4)樹脂材料(B) 前記樹脂材料(B)は、ポリエチレン系樹脂Iを主体と
するものであり、好ましくは該ポリエチレン系樹脂Iの
みからなるが、本発明の効果を損なわない範囲において
該ポリエチレン系樹脂I以外の他の樹脂が配合されてい
てもよい。かかる他の樹脂としては、ポリエチレン系樹
脂II、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合
体、エチレン-プロピレンブロック共重合体等が挙げら
れる。他の樹脂を配合する場合、ポリエチレン系樹脂I
の割合は、50質量%以上、好ましくは60質量%以上
とするのが望ましい。ポリエチレン系樹脂Iの割合が5
0質量%未満では強度が低下するので好ましくない。ま
た、他の樹脂のうち、密度0.935g/cm3以上、
好ましくは0.940g/cm3以上の樹脂が積層体の
耐熱性が向上するため好ましく、このような樹脂の具体
例としてはポリエチレン系樹脂II、直鎖状低密度ポリ
エチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる密度0.
935g/cm3以上の樹脂などが挙げられ、とりわけ
高密度ポリエチレンが好ましい。
【0068】前記樹脂材料(B)には、本発明の効果を
著しく損なわない範囲において、通常用いられる公知の
添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、アンチ
ブロッキング剤、防曇剤、有機あるいは無機系の顔料、
紫外線吸収剤、分散剤などを適宜必要に応じて配合する
ことができる。
【0069】III.外層 本発明の積層体における外層は、高密度ポリエチレンを
含む樹脂材料(C)からなる。該樹脂材料(C)は、高
密度ポリエチレンのみからなるものであってもよいが、
該高密度ポリエチレンと、上述したポリエチレン系樹脂
II及び/または高圧法低密度ポリエチレンとを配合し
てなる樹脂組成物であってもよい。かかる高密度ポリエ
チレンとポリエチレン系樹脂IIは、上述した内層を構
成する高密度ポリエチレンとポリエチレン系樹脂IIと
して使用できる樹脂の中から選択することができる。
【0070】外層として、前記高密度ポリエチレンと前
記ポリエチレン系樹脂IIとからなる樹脂組成物を用い
る場合、その配合割合は、ポリエチレン系樹脂II5〜
95質量%、好ましくは15〜85質量%、より好まし
くは30〜70質量%である。ポリエチレン系樹脂II
の配合割合が上記範囲未満であると強度が低下するので
好ましくない。一方、配合割合が上記範囲を超えるとブ
ロッキングするので好ましくない。外層として、前記高
密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンとからな
る樹脂組成物を用いる場合、その配合割合は、高圧法低
密度ポリエチレン5〜95質量%、好ましくは15〜8
5質量%、より好ましくは30〜75質量%である。高
圧法低密度ポリエチレンの配合割合が上記範囲内である
と、成形性が改善され、しわ等の外観不良が起こりにく
くなり外観に優れたものを得ることができる。
【0071】前記外層はまた、示差走査熱量計(DS
C)で測定した融点ピーク温度が130℃以上を示す耐
熱性の樹脂材料(D)により構成されていてもよい。ピ
ークが複数個存在する場合には、最も高温のピークが1
30℃以上を示すものである。かかる樹脂材料(D)と
しては、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレン
ブロック共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合
体(EVOH)、6−ナイロンや6,6−ナイロン等の
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。
【0072】外層を構成する樹脂材料(C)、(D)に
は、それぞれ本発明の効果を著しく損なわない範囲にお
いて、通常用いられる公知の添加剤、例えば帯電防止
剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防曇
剤、有機あるいは無機系の顔料、紫外線吸収剤、分散剤
などを適宜必要に応じて配合することができる。
【0073】IV.積層体 (1)層構成 本発明の積層体は、内層と中間層と外層(内層がヒート
シール層)をこの順に有するものであれば、その他の層
構成については特に限定されない。層の数については、
前記外層/中間層/内層からなる3層が最も好ましい
が、それに限られず、外層/中間層/内層における中間
層の中にさらに層を構成させた外層/中間層/最中間層
/中間層/内層という層構成や、外層と中間層、又は中
間層と内層との間に必要に応じて適宜他の層を設けるこ
とができる。そのような他の層としては、接着層、ガス
バリヤー層、紫外線吸収層等が挙げられる。例えば、外
層/ガスバリヤ−層/中間層/接着層/内層といった5
層構造をとることもできる。また、外層のさらに外側に
新たに層を設けることもできる。
【0074】なお、接着層を構成する接着剤としては、
ポリウレタン系接着剤、酢酸ビニル接着剤、ホットメル
ト接着剤、あるいは無水マレイン酸変性ポリオレフィ
ン、アイオノマー樹脂等の接着性樹脂が挙げられる。層
構成に接着層を含める場合は、内層、中間層等の必須構
成層を、これらの接着剤とともに共押出することにより
積層することができる。
【0075】本発明の層構成として最も好ましいもの
は、内層/中間層/外層=高密度ポリエチレン/上記物
性(a)〜(d)及び(i)、(j)を備えたポリエチ
レン系樹脂Iと上記物性(e)〜(h)を備えたポリエ
チレン系樹脂IIとを配合してなる樹脂組成物/高密度
ポリエチレンと上記物性(e)〜(h)を備えたポリエ
チレン系樹脂IIとを配合してなる樹脂組成物、であ
る。
【0076】かかる層構成をとることにより、驚くべき
ことに、耐熱性及びシール部衝撃強度が格段に向上す
る。これは、この特定の層構成をとるときに特に発揮さ
れる効果であって、内層を構成する樹脂材料として上記
物性(e)〜(h)を備えたポリエチレン系樹脂IIを
単独で用いた場合には得られないものである。このよう
な効果が発揮される理由は必ずしも明確ではないが、内
層のみでなく中間層及び場合により外層の物性(強度)
が、内層同士をヒートシールしたときのシール部の強度
に影響を与えるものと思われる。このような特定の樹脂
材料からなる層の組み合わせにより得られる利点につい
ては先行技術に記載も示唆もされていないものである。
【0077】(2)各層の厚み 本発明における積層体の全体厚みは特に限定されず、必
要に応じて適宜決定することができるが、好ましくは
0.01〜1mm、より好ましくは0.1〜0.5mm
である。全体の厚みが上記範囲内であれば、透明性、柔
軟性に優れるという利点がある。
【0078】各層の厚み比は特に限定されないが、密度
0.920g/cm3以下の樹脂材料を使用した低密度
層(中間層)が厚みの点で主たる中心層となるように構
成するのが好ましい。より好ましくは、内層 :中間
層:外層=1〜30:40〜98:1〜30(厚み比)
程度(ただし、全体の合計を100とする)がよい。
【0079】(3)積層体の製造方法 本発明の積層体の製造方法は特に限定されないが、水冷
式又は空冷式共押出多層インフレーション法、共押出多
層Tダイ法、ドライラミネーション法、押出ラミネーシ
ョン法等により積層フィルム又はシートとする方法が挙
げられる。これらの中で、水冷式共押出多層インフレー
ション成形法又は共押出多層Tダイ成形法を用いるのが
好ましい。特に、水冷式共押出多層インフレーション成
形法を用いた場合、透明性、衛生性等の点で多くの利点
を有する。また、多層中空成形法により成形して多層中
空成形品としてもよい。
【0080】積層フィルム又はシートとした場合は、さ
らにヒートシールにより袋状に加工し、多層中空成形に
よるものはそのままあるいは栓等を取り付けて容器と
し、使用することができる。特に、本発明の積層体とし
ては、フィルム又はシート状の積層体の少なくとも一部
を、内層をヒートシール層としてヒートシールした袋状
のものが好ましい。
【0081】V.用途 本発明の積層体は、特に内層をヒートシール層としてヒ
ートシールし袋状に加工した場合に、例えば前記ヒート
シール部を温度155℃でシールしたときのシール部衝
撃強度が、700kJ/m2以上、さらに800kJ/m2
以上、特に900kJ/m2以上といったような高い値を
有するものが得られる。また、本発明の積層体は、特に
医療用容器や食品容器等に必要な滅菌処理等の熱処理を
行った後も高いシール部衝撃強度を維持することができ
る。すなわち、例えば滅菌処理(121℃、20分)を
行った場合、該滅菌処理後のシール部衝撃強度は、例え
ば500kJ/m2以上、さらに600kJ/m2以上、特
に700kJ/m2以上といったような高い値を有するも
のが得られる。なお、ここでいうシール部衝撃強度は、
ヒートシール条件としてシール温度155℃、シール時
間5秒、シール圧力0.4MPaの条件でヒートシール
を行った場合の値である。
【0082】このように、本発明の積層体からなる容器
は、滅菌処理等の熱処理後も高いシール部強度を保持す
ることができる。よって、滅菌処理後も高いシール部強
度が求められる医療用容器やレトルト用袋等の食品用容
器等に好適である。特に、医療用輸液バッグ等の医療用
容器、すなわち例えば、血液バッグ、血小板保存バッ
グ、輸液(薬液)バッグ、医療用複室容器(2種類以上
の医薬液を接着部により隔離された別々の収容室で保存
し、使用時には接着部を剥離することによって該複数の
医薬液を密封状態で混合する)、人工透析用バッグ等に
好適に用いることができる。
【0083】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例及び比較例での物性評価
方法は次のとおりである。 (1)MFR;JIS−K6760に準拠して測定し
た。 (2)密度;JIS−K6760に準拠して測定した。
【0084】(3)ODCB可溶分 試料0.5gを20mLのODCBにて135℃で2時
間加熱して試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却し
た。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィル
ターでろ過し、ろ液を採取した。このろ液について赤外
分光計を用いてメチレンの非対称伸縮振動である波数2
925cm-1付近の吸収ピーク面積を求め、あらかじめ
作成した検量線により試料濃度を算出した。この値よ
り、25℃におけるODCB可溶分を求めた。
【0085】(4)Cb 酸化防止剤(2,6,-Di-t-Butyl-p-Cresol, 0.1%)を加え
たo−ジクロロベンゼン(ODCB)に、試料濃度が
0.2質量%となるように135℃で試料を加熱溶解し
た。この溶液を、珪藻土(セライト545)を充填した
カラムに移送し、0.1℃/分の速度で25℃まで冷却
し、試料をセライト表面に沈着させた。次に、このカラ
ムにODCBを1mL/分で流しながら、カラム温度を
5℃きざみに120℃まで段階的に昇温し、試料を溶出
させて分別した。溶出液にメタノールを混合し、試料を
再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度におけるフラクショ
ン試料を得た。各温度における溶出試料の重量分率及び
その分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を13
−NMRにより測定した。次に、それぞれのフラクショ
ンの重量分率wiを、溶出温度5℃当たりの分岐度bi
変化量(bi−bi-1)で割って相対濃度Ciを求め、分
岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得
た。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、上記式より
組成分布パラメーターCbを算出した。
【0086】(5)Mw/Mn ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を
求め(PS標準試料による検量線法による)、この比M
w/Mnを求めた。詳細な条件は以下の通りである。 GPC;ウォーターズ社製、150型 溶離液;ODCB カラム温度;135℃ カラム;東ソー(株)製GMMHR−H(S)
【0087】(6)TREFピーク数 酸化防止剤(2,6,-Di-t-Butyl-p-Cresol, 0.1%)を加え
たODCBに試料濃度0.05質量%となるように13
5℃で試料を加熱溶解した。この試料溶液5mLを、ガ
ラスビーズを充填したカラムに注入し、0.1℃/分の
冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面
に沈着させた。次に、このカラムにODCBを1mL/
分で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度
で昇温し、試料を順次溶出させた。この際、溶剤中に溶
出する試料の濃度を、メチレンの非対称伸縮振動の波数
2925cm-1に対する吸収を赤外分光計で連続的に測
定した。また、測定装置としてはクロス分別クロマトグ
ラフ(三菱化学株式会社製)を用いた。この値から、溶
液中のエチレン・α−オレフィン共重合体の濃度を定量
分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求めた。それから
溶出温度−溶出量曲線を作成しピ−ク数を数えた。
【0088】(7)シール部衝撃強度 内層をヒートシール層として、圧力0.4MPa、シ−
ル温度155℃、シ−ル時間5秒でヒートシールした。
そのシール部分についてシール界面が中央になるように
引張衝撃試験方法(ASTM−D1822)で使用する
s−タイプ試験形状に打ち抜いた。滅菌処理(121
℃、20分)後、シール界面を境にT字状に開き、23
℃で引張衝撃試験機で測定した。
【0089】(8)耐ブロッキング性 巾20mmの短冊にカットしたフィルムを長さ5cmだ
け2枚重ね、10kgの重りをのせて50℃に保たれた
オ−ブン中に48時間放置後、23℃で状態調節し、2
枚フィルムを引き剥がしその剥離面を目視により観察し
た。 ○:表面が白化していない ×:表面が白化している
【0090】(9)耐熱性 長さ20cm、幅20cmのフィルムをカットし、三方
をシール後、内部に水を入れ、残りの一方をシ−ルして
四方シールされた水入りの袋を作製し、121℃、20
分滅菌処理後、外観を目視で評価した。 ◎:変形、シワが無い ○:変形していないが、シワが少しある ×:変形し、シワが多い。
【0091】実施例1〜12、比較例1〜3 表1に示す樹脂により構成される内層、中間層及び外層
からなる積層フィルムを、水冷式共押出多層インフレー
ション成形を用いて製造した。各層の厚みは内層側から
10μm/225μm/15μmとした。耐熱性、耐ブ
ロッキング性、シール部衝撃強度の測定結果を表2に示
す。
【0092】実施例及び比較例に使用した樹脂を下記に
記す。 (1)s−LL1;シングルサイト系触媒を用いたエチ
レン・ヘキセン−1共重合体(密度:0.898g/c
3、MFR:1.0g/10分、Mw/Mn:2.7) (2)s−LL2;シングルサイト系触媒を用いたエチ
レン・ヘキセン−1共重合体(密度:0.905g/c
3、MFR:1.2g/10分、Mw/Mn:2.
8) (3)s−LL3;シングルサイト系触媒を用いたエチ
レン・ヘキセン−1共重合体(密度:0.901g/c
3、MFR:0.8g/10分、Mw/Mn;2.
3) (4)s−LL4;シングルサイト系触媒を用いたエチ
レン・ヘキセン−1共重合体(密度:0.924g/c
3、MFR:2.1g/10分、Mw/Mn:2.
6) (5)s−LL5;シングルサイト系触媒を用いたエチ
レン・ヘキセン−1共重合体(密度:0.942g/c
3、MFR:1.2g/10分、Mw/Mn:2.
2) (6)HD1;高密度ポリエチレン(密度:0.945
g/cm3、MFR:2.8g/10分) (7)HD2;高密度ポリエチレン(密度:0.952
g/cm3、MFR:3.5g/10分) (8)LD1;高圧法低密度ポリエチレン(密度:0.
927g/cm3、MFR:1.5g/10分) (9)PP1;プロピレン・エチレンランダム共重合体
(密度:0.900g/cm3、MFR:4.0g/1
0分) (10)PP2;プロピレン・エチレンブロック共重合
体(密度:0.900g/cm3、MFR:2.5g/
10分)
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【発明の効果】このように、本発明の積層体は、滅菌処
理等の熱処理後も高いシール部強度を保持することがで
きる。よって、滅菌処理後も高いシール部強度が求めら
れる医療用容器やレトルト用袋等の食品用容器等に好適
である。特に、医療用輸液バッグ等の医療用容器、すな
わち例えば、血液バッグ、血小板保存バッグ、輸液(薬
液)バッグ、医療用複室容器(2種類以上の医薬液を接
着部により隔離された別々の収容室で保存し、使用時に
は接着部を剥離することによって該複数の医薬液を密封
状態で混合する)、人工透析用バッグ等に挙げられる好
適に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 30/22 B65D 30/22 G 65/40 65/40 D 81/32 81/32 D // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 9:00 B29L 9:00 22:00 22:00 (72)発明者 江崎 知彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工プラスチックプロダクツ株式会社川 崎研究室内 (72)発明者 坂田明彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工プラスチックプロダクツ株式会社川 崎研究室内 (72)発明者 大竹 功 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工プラスチックプロダクツ株式会社川 崎研究室内 Fターム(参考) 3E064 AA05 BA24 BA36 BA54 BB03 BC01 BC13 BC18 BC20 EA07 FA04 HN05 HT07 3E086 AA23 AB02 AC07 AC22 AD01 BA04 BA15 BB41 BB51 BB58 BB85 CA01 CA27 DA08 4F100 AK05A AK05C AK06B AK06C AK42C AK46C AK48C AK62A AK62B AK62C AK64A AK64B AK64C AK65A AK65B AK65C AK68C AL02B AL02C AL05A AL05C BA10A BA10C DA01 EH20 GB16 GB23 GB66 JA04C JA06A JA06B JA07C JA13A JA13B JC00 JJ03C JK10 JK17 JL00 JN01 4F207 AA03E AA04C AA05 AG03 AG07 AR15 AR17 AR18

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層と中間層と外層を少なくとも有する積
    層体であって、前記内層が高密度ポリエチレンを含む樹
    脂材料(A)からなり、前記中間層がエチレンと炭素数
    3〜20のα−オレフィンとを共重合させて得られるエ
    チレン・α−オレフィン共重合体で、以下の物性(a)
    〜(d)を備えたポリエチレン系樹脂Iを主体とする樹
    脂材料(B)からなり、かつ前記外層が高密度ポリエチ
    レンを含む樹脂材料(C)、からなることを特徴とする
    積層体。 (a)密度が0.920g/cm3未満であること (b)MFRが0.1〜50g/10分であること (c)25℃におけるo−ジクロロベンゼン可溶分の量
    X(質量%)と密度d(g/cm3)及びMFR(g/
    10分)が次の関係を満たすこと X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
    logMFR)2+2.0 (d)組成分布のパラメーターCbが1.08〜2.0
    0であること
  2. 【請求項2】前記内層を構成する樹脂材料(A)が高密
    度ポリエチレンのみからなることを特徴とする請求項1
    に記載の積層体。
  3. 【請求項3】前記内層を構成する樹脂材料(A)が、高
    密度ポリエチレンと、エチレンと炭素数3〜20のα−
    オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・α−オ
    レフィン共重合体で、以下の物性(e)〜(h)を備え
    たポリエチレン系樹脂IIとを配合してなる樹脂組成物
    であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。 (e)密度が0.920g/cm3以上0.960g/
    cm3未満であること (f)MFRが0.1〜50g/10分であること (g)25℃におけるo−ジクロロベンゼン可溶分の量
    X(質量%)と密度d(g/cm3)及びMFR(g/
    10分)が次の関係を満たすこと イ)d−0.008logMFR≧0.93の場合 X<2.0 ロ)d−0.008logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
    logMFR)2+2.0 (h)組成分布のパラメーターCbが2.00未満であ
    ること
  4. 【請求項4】請求項3のα−オレフィンが、プロピレ
    ン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
    1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1からなる
    群より選ばれる1種又は2種以上のものであることを特
    徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 【請求項5】前記ポリエチレン系樹脂IIを構成するエ
    チレン・α−オレフィン共重合体において、該α−オレ
    フィンの該共重合体中の含有量が、30モル%以下であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  6. 【請求項6】前記内層を構成する樹脂材料(A)が、前
    記高密度ポリエチレン40〜99質量%と、前記ポリエ
    チレン系樹脂II60〜1質量%とを配合してなる樹脂
    組成物であることを特徴とする請求項3に記載の積層
    体。
  7. 【請求項7】前記内層を構成する樹脂材料(A)の高密
    度ポリエチレンが、MFRが0.1〜20g/10分、
    密度が0.940〜0.970g/cm3であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 【請求項8】前記中間層を構成する樹脂材料(B)が前
    記ポリエチレン系樹脂Iのみからなることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  9. 【請求項9】請求項1に記載のα−オレフィンが、プロ
    ピレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセ
    ン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1から
    なる群より選ばれる1種又は2種以上のものであること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  10. 【請求項10】請求項1に記載のポリエチレン系樹脂I
    が、前記物性(a)〜(d)を満たし、かつ以下の物性
    (i)と(j)を備えていることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の積層体。 (i)Mw/Mnが1.5〜3.5であること (j)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  11. 【請求項11】前記中間層を構成する樹脂材料(B)が
    前記ポリエチレン系樹脂Iと前記ポリエチレン系樹脂I
    Iとを配合してなる樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  12. 【請求項12】中間層を構成する樹脂材料(B)が、前
    記ポリエチレン系樹脂I50〜99質量%と、前記ポリ
    エチレン系樹脂II50〜1質量%とを配合してなる樹
    脂組成物であることを特徴とする請求項1〜7及び9〜
    11のいずれかに記載の積層体。
  13. 【請求項13】前記中間層を構成する樹脂材料(B)
    が、前記ポリエチレン系樹脂Iと、高密度ポリエチレ
    ン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、
    直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
    −プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン
    ブロック共重合体からなる群より選ばれるものを少なく
    とも1つ配合してなる樹脂組成物であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  14. 【請求項14】前記中間層を構成する樹脂材料(B)
    が、前記ポリエチレン系樹脂I及び密度0.935g/
    cm3以上の樹脂との樹脂組成物であることを特徴とす
    る請求項1〜7及び11〜13のいずれかに記載の積層
    体。
  15. 【請求項15】前記外層を構成する樹脂材料(C)が高
    密度ポリエチレンのみからなることを特徴とする請求項
    1〜14のいずれかに記載の積層体。
  16. 【請求項16】前記外層を構成する樹脂材料(C)が、
    高密度ポリエチレンと請求項3に記載のポリエチレン系
    樹脂IIとを配合してなる樹脂組成物であることを特徴
    とする請求項1〜14のいずれかに記載の積層体。
  17. 【請求項17】前記外層を構成する樹脂材料(C)が、
    高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンとを配
    合してなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1
    〜14のいずれかに記載の積層体。
  18. 【請求項18】前記外層を構成する樹脂材料(C)が、
    前記高密度ポリエチレン95〜5質量%と、前記ポリエ
    チレン系樹脂II5〜95質量%とを配合してなる樹脂
    組成物であることを特徴とする請求項1〜14のいずれ
    かに記載の積層体。
  19. 【請求項19】外層が、示差走査熱量計(DSC)で測
    定した融点ピーク温度が130℃以上である耐熱性樹脂
    材料で構成される樹脂材料(D)からなることを特徴と
    する請求項1〜14または請求項17のいずれかに記載
    の積層体。
  20. 【請求項20】前記樹脂材料(D)を構成する耐熱性樹
    脂材料が、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
    レン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピ
    レンブロック共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
    重合体(EVOH)、6−ナイロンや6,6−ナイロン
    等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
    チレンテレフタレート等のポリエステル、からなる群よ
    り選ばれるものを少なくとも1つ配合してなる樹脂組成
    物であることを特徴とする請求項19に記載の積層体。
  21. 【請求項21】全体の厚みが0.01〜1mmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の積層
    体。
  22. 【請求項22】各層の厚み比が、内層/中間層/外層=
    30〜1/40〜98/30〜1(全体の合計を100
    とする)、であることを特徴とする請求項1〜21のい
    ずれかに記載の積層体。
  23. 【請求項23】水冷式共押出多層インフレーション成形
    法または共押出多層Tダイ成形法により請求項1〜22
    のいずれかに記載の積層体を得ることを特徴とする積層
    体の製造方法。
  24. 【請求項24】請求項1〜22のいずれか1項に記載の
    積層体からなる容器。
  25. 【請求項25】前記積層体の内層の少なくとも一部がヒ
    ートシール層としてヒートシールされてなることを特徴
    とする請求項24に記載の容器。
  26. 【請求項26】前記積層体の内層同士をヒートシール層
    として四方をヒートシールし、袋状に加工されてなるこ
    とを特徴とする請求項24または25に記載の容器。
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