JP4567637B2 - 空調制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、空調機の構成図である。空調機1は、ビル用のマルチタイプの空気調和装置であって、1つ又は複数の空調室外機2に対して複数の空調室内機3が並列に接続され、冷媒が流通できるように、圧縮機111、四路切換弁112、室外熱交換器113、室外膨張弁114、室内膨張弁115、室内熱交換器116、ガス閉鎖弁118および液閉鎖弁119などの機器が接続されて冷媒回路10が形成されている。
図2は、空調機の運転モードの構成図である。空調機1の運転モード701は、検査用の運転モードと、通常の運転モードに分類される。検査用の運転モードは、製造現場の検査工程で運転されるモードであり、以降、検査運転モード801と呼ぶ。通常の運転モードは、据付現場で通常に運転されるモードであり、以降、通常運転モード901と呼ぶ。
マイコン5は、内外伝送ライン50を介して、空調室外機2と空調室内機3との間で内外伝送を行わせている。但し、製造現場の検査工程では、空調室内機3の替わりに検査設備(図示せず)が内外伝送ライン50に接続されるので、マイコン5は、検査設備から送信されてくる送信元情報によって、検査設備が接続されたことを認識し、運転モード701を検査運転モード801へ切り替える。
一方、マイコン5は、空調室内機3が接続されたことを認識すると、運転モード701を通常運転モード901へ切り替える。通常運転モード901は、複数の制御モード911〜921で構成されている。
図3は、運転モード選択制御のフローチャートである。マイコン5は、ステップS1で内外伝送を開始する。内外伝送ライン50に接続される機器は、通常は空調室内機3であるが、製造現場の検査工程では検査設備が接続される。したがって、内外伝送が開始されると、内外伝送ライン50に接続された機器の正体を知らせるための送信元情報が送信されてくる。ステップS2では、送信元情報が検査設備であるか否かが判定される。
ここでは、異常発生時の運転モードと運転情報とから異常要因を絞り込むプロセスについて説明する。
マイコン5は、閉鎖弁118,119開け忘れ、過度のガス不足などの要因で低圧側圧力が異常低下し、圧縮機111が内部温度上昇によって焼き付きを引起すことを未然に防止するため、低圧側圧力が低くなれば圧縮機111を異常停止させる制御を行なっており、これを低圧異常の異常確定制御と呼ぶ。一方、過渡的な低圧側圧力の低下で異常停止してしまうことを防止するために、異常となる前に強制的に圧縮機111を停止させて過渡的であるか否かを判断する低圧待機制御も行なっており、低圧待機の回数が低圧待機カウンタ(図示せず)によって計数されている。そして、低圧待機が所定回数に達した場合は低圧異常となる。なお、低圧待機となる条件は複数あるが、ここでは一部のみを引用する。
次に、HPS不良と高圧異常を例として異常要因の絞込みについて説明する。HPSとは、圧縮機111の吐出側に設けられた高圧側圧力スイッチ71(図1参照)の略称である。本実施形態では過度の高圧上昇による機器の破損を防止するため、HPSが動作すれば高圧異常として空調機1を異常停止させている。論理的には、高圧異常は圧縮機111の運転中に発生する異常である。
次に、平滑コンデンサ異常を例として異常要因の絞込みについて説明する。平滑コンデンサとは、交流電源の出力を直流出力へ変換する直流回路に並列接続されている電解コンデンサ(図示せず)であり、制御装置4に設けられている。本実施形態では、平滑コンデンサの端子間電圧を監視して異常を検知している。しかし、平滑コンデンサの異常は、端子間が短絡した場合と、端子間が過電圧となった場合との2種類が存在し、端子間短絡は回路異常であり、平滑コンデンサの端子間過電圧は圧縮機111の地絡の可能性が高い。
次に、LPS不良を例として異常要因の絞込みについて説明する。LPSとは、圧縮機111の吸入側に設けられた低圧側圧力スイッチ72(図1参照)の略称である。LPS不良には2つの現象があり、一方は、LPSの内部接点が開状態のときに発生する接点開側不良であり、他方は、LPSの内部接点が閉状態のときに発生する接点閉側不良である。このため、LPS不良だけでは、接点開側不良と、接点閉側不良との区別がつかない。
(1)
制御装置4は、マイコン5とメモリ6を備えている。マイコン5は、空調機1を製造現場の検査工程で運転させる検査運転モード801と、空調機1を据付現場で運転させる通常運転モード901とを実行し、空調機1の運転状態が所定条件を満足していない場合に異常と確定して空調機1を異常停止させる。そして、マイコン5は、空調機1を異常停止させる際に、空調機1を異常停止させるまでの間に取得した所定の運転情報と、空調機1の異常発生時に実行していた運転モードとをメモリ6に記憶させる。
制御装置4では、通常運転モード901が、複数の制御モード911〜921から成る。マイコン5は、空調機1を異常停止させる際に、空調機1の異常発生時に実行していた制御モード911〜921をメモリ6に記憶させる。制御モード911〜921が判明することによって、その制御モード911〜921でしか起こり得ない異常が特定される。或は、その制御モード911〜921では起こり得ない異常が異常要因の分析対象から除外される。このため、異常要因の絞込みが容易になる。
制御装置4では、マイコン5が、空調機1の空調室外機2と、空調機1の空調室内機3との間で内外伝送を行わせ、空調室内機3側から送信されてくる送信元情報に基づいて、空調室内機3、検査設備のどちらが内外伝送ライン50に接続されているのかを判断し、検査設備が接続されているときは、運転モード701を検査運転モード801へ切り替え、空調室内機3が接続されている場合は、運転モード701を通常運転モード901へ切り替える。検査運転モード801における異常の場合、検査工程での再現が可能であり、異常要因の絞込みが容易になる。
4 制御装置
5 マイコン
6 メモリ
701 運転モード
801 検査運転モード
901 通常運転モード
911 停止中制御モード
912 起動前均圧制御モード
913 起動制御モード
914 試運転制御モード
915 定常制御モード
916 油戻し制御モード
917 ポンプダウン制御モード
920 デフロスト制御モード
921 デフロスト後制御モード
Claims (10)
- 圧縮機(111)を含む冷媒回路(10)を有する空調機(1)の空調制御装置であって、
前記空調機(1)の室外側と、前記空調機(1)の室内側または検査設備との間で信号の送受信を行わせ、前記室内側または前記検査設備から送信されてくる送信元の正体を証明する送信元情報に基づいて、前記空調機(1)を製造現場の検査工程で運転させる検査用の運転モード(801)と、前記空調機(1)を据付現場で運転させる通常の運転モード(901)とを切り替えて実行し、前記空調機(1)の運転状態が所定条件を満足していない場合に異常と確定して前記空調機(1)を異常停止させるマイコン(5)と、
前記マイコン(5)からの命令によって所定情報を記憶するメモリ(6)と、
を備え、
前記通常の運転モード(901)は、複数の制御モード(911〜921)から成り、
前記マイコン(5)は、
前記検査用の運転モード(801)の実行中に異常を検知した場合、前記空調機(1)を異常停止させる際に、前記空調機(1)を異常停止させるまでの間に取得した所定の運転情報と、異常発生時に実行していた運転モードが前記検査用の運転モード(801)であったことをメモリ(6)へ記憶させ、
前記通常の運転モード(901)の実行中に異常を検知した場合、前記空調機(1)を異常停止させる際に、前記空調機(1)を異常停止させるまでの間に取得した所定の運転情報と、異常発生時に実行していた運転モードが前記通常の運転モード(901)であったことと、前記空調機(1)の異常発生時に実行していた前記制御モード(911〜921)とを前記メモリ(6)に記憶させる、
空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記圧縮機(111)が停止しているときに前記空調機(1)の制御を行なう停止中制御モード(911)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記圧縮機(111)を起動させる前に高圧側と低圧側との圧力差を解消する起動前均圧制御モード(912)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記圧縮機(111)を起動させる起動制御モード(913)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記空調機(1)据付後の試運転を行なわせる試運転制御モード(914)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記圧縮機(111)が起動した後に前記空調機(1)の定常運転を行なわせる定常制御モード(915)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記冷媒回路(10)に滞留した冷凍機油を前記圧縮機(111)へ強制的に回収する油戻し制御モード(916)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記空調機(1)の運転停止時に前記冷媒回路(10)内の液冷媒を所定容器に溜めるポンプダウン制御モード(917)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記空調機(1)の暖房運転中の着霜時に除霜を行なうデフロスト制御モード(920)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。 - 前記複数の制御モードには、前記空調機(1)の暖房運転において除霜終了後の制御を行なうデフロスト後制御モード(921)が含まれている、
請求項1に記載の空調制御装置(4)。
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