JP2008086495A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

【課題】パンツ型使い捨ておむつの接合部の硬質部分をなくす。
【解決手段】接合部の長手方向に沿って多数の単位融着部が一定間隔で配列され、かつ、接合部のシート積層数の相違する区間毎に前記単位融着部の高さ寸法が相違している、パンツ型使い捨ておむつにより解決される。
【選択図】図３

Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関し、特に、前身頃と後身頃との両脇縁部を接合することなどにより形成されたウエスト開口部および左右一対のレッグ開口部を有する後処理可能なパンツ型使い捨ておむつに関する。

パンツ型使い捨ておむつは、前身頃と後身頃とを股下部を介して折り畳んで重ね合わせ、前身頃と後身頃の相対する長手方向両側縁部を接合してウエスト開口部と一対のレッグ開口部を形成し、さらに、おむつを着用者の身体にフィットさせるために適宜ウエスト開口部とレッグ開口部に沿って弾性伸縮部材を配置して形成されている。
また、パンツ型使い捨ておむつは、一般に透液性表面シート、不透液性裏面シートとの間に吸収体を介在させた基本層構造を有し、これに適宜の位置に追加的に防漏シートなどを配置した積層構造を有する。
そして、特に、ウエスト開口部近傍においては、例えば背漏れ防止シート、補強シートなどが配置され積層シート数が多くなっており、反対にレッグ開口部近傍においては足の動きを阻害しないように積層シート数が少ない、積層構造が採られる。
従って、パンツ型使い捨ておむつの接合部では、積層シート数が相違する部分が存在しているのが多々ある。
また、接合部に層構造を有さないものでも、ウエスト開口部とレッグ開口部近傍では、配される弾性伸縮部材の配置密度などが相違することが多々あり、これによって必要な接着力が相違する。
特開２００２−２９１８０１ 特開２００１−１７８７７０

しかし、従来のパンツ型使い捨ておむつは、接合部における部分的なシート積層枚数の相違等に関係なく、最も接合強度が必要となる部位を基準として一律に接合部を熱融着していたため、接合部のレッグ開口部側縁に近い位置など、比較的シート積層数が少ない部分や弾性伸縮部材密度が少ない部位が、不必要に硬質となっており、当該硬質部分が装着者の足等に当たって痛みの原因となることが多々あるという問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、接合部の硬質部分を少なくして、当該部分によって装着時又は装着状態時に装着者の痛みが生じないようにするとともに、特に製造時における融着の安定性をも改善した、パンツ型使い捨ておむつを提供することにある。

上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
（請求項１記載の発明）
前身頃と後身頃とが側部で接合され、ウエスト開口部と左右一対のレッグ開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつであって、
前身頃と後身頃との側部の接合部が、単位融着部が多数一定の間隔で配列されて形成され、かつ、同一の高さ寸法の単位融着部が連続している単位融着部群を有し、さらに高さ寸法の相違する単位融着部群毎で区間分されている、ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項２記載の発明）
前記接合部は、ウエスト開口部側端からレッグ開口部側端に向かって、上部区間と下部区間とに分けられ、これら区間はそこに位置する単位融着部の高さ寸法が相違しているとともに、区間間の熱融着部の高さ寸法の関係が、（上部区間に位置される熱融着部の高さ寸法）＞（下部区間に位置される高さ寸法）の関係にある、請求項１記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項３記載の発明）
上部区間と下部区間とでは積層シート枚数が相違されており、かつ、積層シート枚数が上部区間＞下部区間の関係にある、請求項２記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項４記載の発明）
上部区間、下部区間の距離の比率が、１〜３：１〜２である請求項２又は３記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項５記載の発明）
上部区間における単位融着部の高さ寸法が０．５〜５ｍｍであり、下部区間における単位融着部の高さ寸法が０．１〜２ｍｍである、請求項２〜４の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項６記載の発明）
前記接合部は、ウエスト開口部側端からレッグ開口部側端に向かって、腰部区間、脇上部区間、脇中間部区間、脇下部区間の４区間に分けられ、
これらの区間は、積層シート数及び単位融着部の高さ寸法が脇上部区間＞腰部区間≧脇中間部区間＞脇下部区間の関係にある、請求項１記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項７記載の発明）
腰部区間、脇上部区間、脇中間部区間、脇下部区間の距離の比が、４〜６：２〜４：２０〜２４：５〜７である請求項６記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項８記載の発明）
単位融着部の高さ寸法が、腰部区間で０．３〜３ｍｍ、脇上部区間で０．５〜５ｍｍ、脇中間部区間で０．３〜３ｍｍ、脇下部区間で０．１〜２ｍｍである、請求項６又は７記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項９記載の発明）
前記接合部の幅が７〜１０ｍｍ、長さが１００〜３５０ｍｍである、請求項１〜８の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項１０記載の発明）
単位融着部間の間隔が０．１〜５ｍｍである請求項１〜９の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

（請求項１１記載の発明）
接合部の接合強度が、２．０〜５．０ｋｇ／５０ｍｍの範囲にある、請求項１〜１０の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

本発明によれば、接合部の硬質部分が少なくなり、装着時又は装着状態における装着者の痛みの原因が改善された、パンツ型使い捨ておむつが提供される。
また、単位融着部が均等間隔で配列されているため、安定した熱伝導率で融着できる。
従って、単位融着部の高さ寸法の変更をもって所望の接着力を確保しつつ剛性感の調整を行うことができるようになる。
なお、本発明における単位融着部とは、融着部と非融着部とが交互に配されてなる融着処理部における、その一つの融着部のことである。また、単位融着部群とは、同一高さ寸法の単位融着部が連続的に配されて一つの纏まった部分となっている部分のことである。

以下、本発明を図面に示す実施の形態によってさらに詳説する。
＜本発明が対象とするパンツ型紙おむつの基本構成例＞
図１はパンツ型おむつ例の展開状態を示し、図２は図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図、図３は製品の概略斜視図である。図４は接合部の拡大図、図５は図４のＶ−Ｖ線矢視図である。
ここに、図１を用いておむつ各部名称の意味について説明すると、先ず、「縦方向」とは、腹側と背側を結ぶ方向を意味し、「周方向」とは前記縦方向と直交する方向（または製品幅方向）を意味する。図３に示すとおり、「ウエスト開口縁」とはウエスト開口部ＷＯの縁を意味し、「レッグ開口縁」とはレッグ開口部ＬＯの縁を意味する。「レッグ開口始端」とはレッグ開口部ＬＯのレッグ開口縁と接合部３０と交差する位置を意味し、レッグ開口縁の始まり個所の意味である。「胴周り領域」Ｔとは、ウエスト開口縁からレッグ開口始端に至る長さ範囲の全体領域を意味する。胴周り領域Ｔは、概念的に「ウエスト部」Ｗと「腰下部」Ｕとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なるが、ウエスト部Ｗは３０〜７０ｍｍ、腰下部Ｕは４５〜２２０ｍｍである。「股部領域」Ｌとは、レッグ開口部を形成する範囲、すなわち前身頃側のレッグ開口始端から後身頃側のレッグ開口始端に至る長さ範囲の全体領域を意味する。また、「中央部」とは、製品の中央線を含む側部を除く中間領域を意味する。「脇部」とは、胴周り領域Ｔにおける両側部を意味する。

次に構造について説明すると、本例の紙おむつは、おむつ外形をなす最外面シート５と、この最外面シート５の内面にウエスト部Ｗを除く部分を覆うように固定された押えシート６と、この押えシート６の内面に固定され、おむつ幅方向中央において股間部４を中心として前後方向に延在する吸収体ＡＢと、吸収体ＡＢの前端部および後端部のそれぞれからウエスト部Ｗまで且つ外形に沿う幅で延在する前後漏れ防止シート１１と、を主体として構成されている。

また特に本例では、最外面シート５の背側および腹側がウエスト開口部ＷＯにおいておむつ最内面にそれぞれ折り返され、その折り返し部分５ｉが漏れ防止シートのウエスト部Ｗの上面に固定されている。この折り返し部分５ｉの縦方向幅は、３０〜７０ｍｍとするのが望ましい。

また、良く知られているように使い捨て紙おむつにおいては、体へのフィット性を高めるために、適所に糸ゴム等の弾性伸縮部材が配置固定される。本例では図３にも示すように、ウエスト部Ｗにおいては、最外面シート５における外面部分と折り返し内面部分５ｉとの間、ならびに最外面シート５の外面部分と漏れ防止シート６との間に、５〜１０本程度のウエスト伸縮部材８が縦方向に１〜１０ｍｍ程度の間隔をおいて周方向に沿って伸張下に配置固定されている。また、腰下部Ｕにおいては、胴周りのフィット性を高め尿の前後漏れを防止するために、最外面シート５と押えシート６との間に、周方向に沿って５〜１５本程度の腰下部伸縮部材７が縦方向に５〜１５ｍｍ程度の間隔をおいて周方向に沿って伸張下に配置固定されている。

さらに、脚周りのフィット性を高めるために、腹側および背側のそれぞれにおいて一方側の側縁部３０から脚周りを通り、股間部４を通り、他方側の脚周りを通り他方側の側縁部３０まで延在する３〜５本程度の脚周り伸縮部材９が、側縁部３０および股間部４においては間隔をあけずに且つ脚周り部においては３〜５ｍｍの間隔をあけて、最外面シート５と押えシート６との間に配置固定されている。
なお、以上に説明したシート相互の固定ならびにシートに対する伸縮部材の固定は、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いて行うことができる。

他方、吸収体ＡＢは、特に図２に示すように、たとえば、不織布などからなり着用者の肌に直接触れる透液性トップシート１と、ポリエチレンなどのプラスチックフィルムや撥水処理を施した不織布からなる不透液性バックシート２との間に、綿状パルプを主体とする吸収コア３を必要によりこれを吸収紙３Ａ，３Ｂで包み、周縁部分を例えばホットメルト接着剤などにより接着して一体化したものとして形成することができる。

さらに本例では、図２にも示すように、かかる吸収体ＡＢの両側部には脚周りバリヤーカフス２０，２０が設けられている。このバリヤーカフス２０は、折り返して二重にしたバリヤーシート２１から構成されており、バリヤーシート２１の内側面の基端部がバックシート２にホットメルト接着剤により固定されているとともに、バリヤーシート２１の外側面の延在部が本体バックシート５にホットメルト接着剤などにより固定されている。

バリヤーシート２１の折り返し自由縁部の近傍には、帯状ゴムや糸状ゴムなどからなる単数又は複数の先端部伸縮部材２２が伸長下でホットメルト接着剤などにより固定されている。また図示のようにバリヤーカフス２０は起立する自由部のほぼ中央において先端側が外側に折り返されて外向き部が形成されており、この折り返しがなされていない内向きの基端部側（根元側）に単数又は複数の基端部伸縮部材２２Ａが伸長下でホットメルト接着剤などにより固定されている。

このような構成で、図１に示す展開状態のおむつ半製品を製造した後の製造工程の最終段階で、前身頃Ｆと後身頃Ｂとの両側縁部の長手方向全体を超音波シールや熱溶融などの融着手段により接合する（この接合部を符号３０としてある）ことにより、図３に示されているようにウエスト開口部ＷＯおよび左右一対のレッグ開口部ＬＯが形成される。

＜第１の実施の形態＞
本形態の紙おむつＺ１は、上述の基本構成のもと、本発明に従って図４に示すように、接合部３０が、方形の単位融着部Ｍ，Ｍ…が多数一定の間隔Ｐで配列されて形成されている。
この単位融着部Ｍは長手方向に沿う方向（縦方向）に高さ寸法Ｍｈと、製品幅方向に幅寸法Ｍｗとを有する。
前記接合部３０は、先に示したとおりの各シートの配置形態を採ることから、ウエスト開口部側端からレッグ開口部側端に向かって、積層シート数に応じて概念的に、腰部区間Ｓ１、脇上部区間Ｓ２、脇中間部区間Ｓ３、脇下部区間Ｓ４の４区間に分けられる。
すなわち、図５から明らかなとおり、一方身頃につき、腰部区間は最外面シート５とこれの折り返し部分５ｉと漏れ防止シート１１とで構成される合計３層の積層シート数であり、脇上部区間では最外面シート５とこれの折り返し部分５ｉと漏れ防止シート１１と押えシート６とで構成される合計４層の積層シート数であり、脇中間部区間では最外面シート５と漏れ防止シート１１と押えシート６の合計３層の積層シート数であり、脇下部区間では、最外面シート５と押えシート６の合計２層の積層シート数である。
そして、本形態では、各区間における単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈが積層シート数に応じて、脇上部区間Ｓ２＞腰部区間Ｓ１＝脇中間部区間Ｓ３＞脇下部区間Ｓ４となるように構成されている。

ここで、上述のとおり単位融着部間Ｍの間隔Ｐは一定であり、区間間における高さ寸法が異なる単位融着部間の間隔も、同一区間における高さ寸法の同じ単位融着部間の間隔も、すべて等しく接合部全体において等しくなるように構成されている。
このように区間毎に単位熱融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈを異ならしめるとともに、単位融着部間の間隔Ｐを等しくすることで、接合部３０の接合安定性を確保しつつ適宜区間毎の硬質感（柔らかさ）を調製することができる。

ここで、腰部区間Ｓ１、脇上部区間Ｓ２、脇中間部区間Ｓ３、脇下部区間Ｓ４の距離の比は、４〜６：２〜４：２０〜２４：５〜７であるのが望ましい。係る、比率とすることにより、好適なフィット姓を確保できるとともに、足回りなどの硬質感を減じて装着感が良好なものとならしめる。

単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈは、腰部区間で０．３〜３ｍｍ、脇上部区間で０．５〜５ｍｍ、脇中間部区間で０．３〜３ｍｍ、脇下部区間で０．１〜２ｍｍとするのが望ましい。かかる範囲設定とすることにより、通常必要な接合強度が確保されるとともに、各区間に好適な硬質感（柔らかさ）となる。

＜第２の実施の形態等＞
上記の第１の実施の形態では、接合部３０において積層シート数の相違する部分毎に区間分けされているが、本発明は、接合部３０に積層シート数の相違する区間が必ずしも存在していなくてもよい。さらに、例えば、積層されたシートの合計厚や合計の剛性等を考慮して区間分けして、そこに配する単位融着部の高さ寸法を定めることもできる。

ここで、第２の実施の形態として、特に接合部３０に積層シート数の相違する部分がない形態を示す。
図６に本形態の接合部３０の正面図、図７にそのＶＩＩ−ＶＩＩ矢視図が示されるとおり、本形態の紙おむつは、少なくとも接合部３０においては最外面シート５と押えシート６のみからなる。最外面シート５はウエスト開口縁Ｗｅで折り返されていないし、漏れ防止シートも配されていない。従って、接合部３０は、全区間で最外面シート５と押えシート６が積層された二層構造となっている。
かかる層構造において、本形態の接合部３０は、長手方向に沿って方形の単位融着部Ｍ，Ｍ…が多数一定の間隔Ｐで配列されて形成されている。

そして、本第２形態における接合部３０は、ウエスト開口部側端からレッグ開口部側端に向かって、任意の上部区間Ｓ５、下部区間Ｓ６に分けられており、これらの区間における各単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈが上部区間Ｓ５＞下部区間Ｓ６の関係にあるように構成されている。もちろん、区間間における高さ寸法が異なる単位融着部間の間隔も、同一区間における高さ寸法の同じ単位融着部間の間隔も、すべて等しく接合部全体において等しい間隔Ｐとなるように構成されている点は第１の形態と同様である。

かかる関係とすると、単位融着部Ｍの間隔Ｐが均一であることから、上部区間Ｓ５、下部区間Ｓ６とで熱融着の接着維持力について差が殆どなく融着安定性に優れ、また、特に足に当たって硬質感を感じやすいレッグ開口始端ＳＴを含む下部区間Ｓ６に配する単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈが相対的に小さくなることから、下部区間Ｓ６が柔らかく、上部区間Ｓ５がしっかりとした感じとなり、フィット性、装着性に優れるようになる。

ここで、上部区間Ｓ５、下部区間Ｓ６の距離の比率は、任意でありおむつの大きさ、形状によって適宜選択するものであるが１〜３：１〜２程度であるのが望ましい。
また、本例に従って、上部区間Ｓ５、下部区間Ｓ６の二区間に分けるのであれば、上部区間Ｓ５における単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈが０．５〜５ｍｍであり、下部区間Ｓ６における単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈが０．１〜２ｍｍであるのがよい。当該範囲とすると、やわらかさ感と剥離強度のバランスがよくなる。

なお、シート積層態様以外の構成、例えば、吸収体や弾性伸縮部材の配置態様については、上述の基本構成例と同様の構成を採る。
もちろん、本形態を適宜変更して、接合部における積層シート枚数が上部区間＞下部区間の関係にあるように構成してもよい。

『その他の構成について』
ここで、本発明においては、第１の形態及び第２の形態として示すものにかかわらず、接合部の幅３０Ｗは７〜１０ｍｍ、長さが１００〜３５０ｍｍであるのが望ましい。接合部の幅３０Ｗが７ｍｍ未満であると、通常使用に必要な所望の接合力を得るのが困難となる。１０ｍｍを超えると、本発明従っても柔らかさを発現させるのが困難となる。
また接合部の長さ３０Ｌが１００ｍｍ未満であるとのフィット性が悪くまたウエスト開口縁からの漏れのおそれが高まる。３５０ｍｍを超えても冗長であって着脱行為がしにくくなる。
また、単位融着部間の間隔Ｐは、０．１〜５ｍｍであるのがよい。０．１ｍｍ未満では、単位融着部Ｍの高さ寸法Ｍｈを異ならしめた区間を形成しても、区間毎の柔らかさの相違が発現しにくく、５ｍｍを超えると単位融着部間の非融着部位からの体液漏れの恐れが高まる。
さらに、接合部３０の接合強度は、２．０〜５．０ｋｇ／５０ｍｍの範囲にあるのが望ましい。２．０ｋｇ／５０ｍｍ未満であると通常使用時に接合部で剥離するおそれがあり、５．０ｋｇ／５０ｍｍを超える廃棄時や交換時における接合部での裂開操作がしにくくなる。
ここで、本発明にいう接合部の接合強度は、次のようにして測定することができる。（Ａ）先ず接合部３０の各区間において、腹側および背側にそれぞれ周方向長さ６０ｍｍかつ幅５０ｍｍの部分を切り取り、これを試験片とする。（Ｂ）次いで、この試験片をおむつ周方向に相当する方向へ引っ張るように引張試験機にセットする。この際、幅１０ｍｍの上下各端部を図示しない引張試験機の上下チャックにそれぞれ挟み固定する。また試験機の作動条件を、クロスヘッドスピード５００ｍｍ／ｍｉｎ、チャック間距離１００ｍｍにセットする。しかる後、引張試験機を作動させて接合部が破断するまで測定を行い、その結果得られるチャートから破断点を読み取り、これを接合部強度とする。
なお、本発明においては好適に接合部の接合強度を規定しているが、その意味はすべての測定部位で当該範囲にあることを意味する。
なお、接合部の接合強度の調整は、接合部３０の構成要素（上記例では、最外面シート５、押えシート６、漏れ防止シート１１、伸縮部材７，８，９および接着剤）の種類、有無、数、材質や、接合温度等を適宜変更することによって本発明の条件を満足するパンツ型紙おむつを製造することが可能であり、それらも本発明に含まれることはいうまでもない。例えば、後述の実施例からも明らかなように、接合部におけるシート相互等の接着のための接着剤の使用量を減らすと、接合強度を増加させることができる。

パンツ型使い捨て紙おむつ例の内面側展開図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図である。 パンツ型使い捨て紙おむつ例の正面斜視図である。 接合部の拡大正面図である。 図４のＶ−Ｖ線矢視図である。 第２の実施の形態にかかる接合部の正面図である。 図６のＶＩＩ−ＶＩＩ断面図である。

符号の説明

ＡＢ…吸収体、Ｆ…前身頃、Ｂ…後身頃、ＷＯ…ウエスト開口部、ＬＯ…レッグ開口部、１…透液性トップシート、２…不透液性バックシート、３…吸収コア、５…最外面シート、５ｉ…折り返し部分、６…押えシート、７…腰下部伸縮部材、８…ウエスト伸縮部材、９…脚周り伸縮部材、１１…漏れ防止シート、２０…バリヤーカフス、２１…バリヤーシート、３０…側縁接合部、Ｓ１…腰部区間、Ｓ２…脇上部区間、Ｓ３…脇中間部区間、Ｓ４…脇下部区間、Ｓ５…上部区間、Ｓ６…下部区間、Ｍ…単位熱融着部、Ｍｈ…単位融着部の高さ寸法、Ｍｗ…単位融着部の幅寸法、Ｐ…単位融着部間間隔、Ｚ１…パンツ型使い捨ておむつ。

Claims (11)

1. 前身頃と後身頃とが側部で接合され、ウエスト開口部と左右一対のレッグ開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつであって、
   前身頃と後身頃との側部の接合部が、単位融着部が多数一定の間隔で配列されて形成され、かつ、同一の高さ寸法の単位融着部が連続している単位融着部群を有し、さらに高さ寸法の相違する単位融着部群毎で区間分されている、ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
2. 前記接合部は、ウエスト開口部側端からレッグ開口部側端に向かって、上部区間と下部区間とに分けられ、これら区間はそこに位置する単位融着部の高さ寸法が相違しているとともに、区間間の熱融着部の高さ寸法の関係が、（上部区間に位置される熱融着部の高さ寸法）＞（下部区間に位置される高さ寸法）の関係にある、請求項１記載のパンツ型使い捨ておむつ。
3. 上部区間と下部区間とでは積層シート枚数が相違されており、かつ、積層シート枚数が上部区間＞下部区間の関係にある、請求項２記載のパンツ型使い捨ておむつ。
4. 上部区間、下部区間の距離の比率が、１〜３：１〜２である請求項２又は３記載のパンツ型使い捨ておむつ。
5. 上部区間における単位融着部の高さ寸法が０．５〜５ｍｍであり、下部区間における単位融着部の高さ寸法が０．１〜２ｍｍである、請求項２〜４の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
6. 前記接合部は、ウエスト開口部側端からレッグ開口部側端に向かって、腰部区間、脇上部区間、脇中間部区間、脇下部区間の４区間に分けられ、
   これらの区間は、積層シート数及び単位融着部の高さ寸法が脇上部区間＞腰部区間≧脇中間部区間＞脇下部区間の関係にある、請求項１記載のパンツ型使い捨ておむつ。
7. 腰部区間、脇上部区間、脇中間部区間、脇下部区間の距離の比が、４〜６：２〜４：２０〜２４：５〜７である請求項６記載のパンツ型使い捨ておむつ。
8. 単位融着部の高さ寸法が、腰部区間で０．３〜３ｍｍ、脇上部区間で０．５〜５ｍｍ、脇中間部区間で０．３〜３ｍｍ、脇下部区間で０．１〜２ｍｍである、請求項６又は７記載のパンツ型使い捨ておむつ。
9. 前記接合部の幅が７〜１０ｍｍ、長さが１００〜３５０ｍｍである、請求項１〜８の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
10. 単位融着部間の間隔が０．１〜５ｍｍである請求項１〜９の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
11. 接合部の接合強度が、２．０〜５．０ｋｇ／５０ｍｍの範囲にある、請求項１〜１０の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

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