JPH11124392A - C−グリコシル化されたアリールスズ化合物 - Google Patents

C−グリコシル化されたアリールスズ化合物

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JPH11124392A
JPH11124392A JP9288847A JP28884797A JPH11124392A JP H11124392 A JPH11124392 A JP H11124392A JP 9288847 A JP9288847 A JP 9288847A JP 28884797 A JP28884797 A JP 28884797A JP H11124392 A JPH11124392 A JP H11124392A
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JP
Japan
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group
compound
methyl
reaction
aryl
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JP9288847A
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English (en)
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Susumu Sato
佐藤  進
Takeshi Kuribayashi
健 栗林
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アリール C−グリコシル化合物を合成するた
めの中間体を提供する。 【解決手段】 下記一般式[I]で表わされる化合物、 【化1】 [Ar:アリール環、ヘテロアリール環;R1 :H、ハ
ロ、水酸基、CN、アミノ、カルボキシル、カルボキシ
メチル、アルキル、アルコキシ;R2 :アルキル、フェ
ニル;R3 :糖残基;m:1〜4;n:1〜3]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリール C−グ
リコシル化合物の合成のための中間体に関する。これら
の中間体から、例えば、下記のようにアリール C−グ
リコシル化合物を製造することができる。
【0002】
【化4】
【0003】[式中、「Ac」はアセチル基を意味し、
「Bu」はn−ブチル基を意味し、「Me」はメチル基
を意味する。]
【0004】
【従来技術】WO9730984には、アリール C−
グリコシル化合物が開示されているが、それらは、芳香
性の化合物をグリコシル化することにより製造されてお
り、アリール C−グリコシル化合物自体を更に化学的
に修飾する手法は採用されていない。
【0005】アリール C−グリコシル化合物を化学的
に修飾して別の誘導体を製造する方法としては、松本ら
[J.Am.Chem.Soc., 113巻, 6982-6992 頁(1991 年)]の報
告があり、下記構造式A(式中、「Me」はメチル基を
示し、「TBDMS」は、tert−ブチルジメチルシリル
基を示す。)で表される化合物が中間体として用いられ
ている。しかしながら、この中間体から導かれる最終生
成物(下記構造式B)は抗生物質であり、その最終生成
物の効果は、本発明者らが製造を意図する化合物の効果
(即ち、細胞表層の糖鎖複合分子やオリゴ糖鎖に対する
作用)とはまったく異なるものである。
【0006】
【化5】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、アリー
ル C−グリコシドの合成法について鋭意検討を重ねた
結果、これらアリール C−グリコシドに効率的にスズ
原子を導入できることを見出し、更に このようにスズ
原子が導入されたアリール C−グリコシル化合物は、
パラジウム触媒下、各種有機ハロゲン化物並びにその等
価体と温和な条件下反応し、アリール部分の置換基を異
にする、様々なアリール C−グリコシド誘導体へと導
くことができることを見出して本発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 下記
一般式[I]で表わされる化合物、その塩またはそのエ
ステル:
【0009】
【化6】
【0010】[式中、Ar は、アリール環またはヘテ
ロアリール環を表わし、R1 は、水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、保護された水酸基、シアノ基、アミノ基、
保護されたアミノ基、カルボキシル基、カルボキシメチ
ル基、C1 −C10アルキル基または低級アルコキシ基を
表し、R2 は、低級アルキル基またはフェニル基を表
し、R3 は、下記一般式(II−a)または(II−
b)を有する糖残基:
【0011】
【化7】
【0012】(式中、pは、1乃至4の整数を表し、q
は、0または1を表し、R4 は、水素原子または水酸基
の保護基を表わし、R5 は、水素原子またはアシル基を
表わし、R6 は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチ
ル基、保護されたヒドロキシメチル基またはカルボキシ
ル基を表し、この糖残基は、1位の炭素原子でArと直
接結合し、その結合形態は、αまたはβ結合である。)
を表し、mは、1ないし4の整数を表し、nは、1ない
し3の整数を表し、mが2ないし4の整数であるとき、
複数の基R1 は同一の基でもそれぞれ相違する基であっ
てもよく、nが2または3であるとき、複数の基R3
同一の基でもそれぞれ相違する基であってもよく、pが
2ないし4の整数であるとき、複数の基−OR4 は同一
の基でもそれぞれ相違する基であってもよい。
【0013】但し、下記構造式A(式中、「Me」はメ
チル基を示し、「TBDMS」は、tert−ブチルジメチ
ルシリル基を示す。)で表される化合物を除く。
【0014】
【化8】
【0015】]に関する。
【0016】本発明において、Arの定義における「ア
リール環」とは、6ないし18個の炭素原子を含有する
モノアリール、ビアリールもしくはトリアリールを示
す。そのような環の例としては、ベンゼン、ナフタレ
ン、アントラセン、フェナンスレン、インデンのような
単環もしくは縮合環芳香族炭化水素;フルオレン、イン
ダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、9,
10−ジヒドロアントラセン、9,10−ジヒドロフェ
ナンスレン、芳香族ステロイド(例えば、エストラジオ
ール等)のような多環芳香族炭化水素が部分的に飽和し
た環;ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエタ
ン、スチルベン、ジフェニルエーテルのようなビアリー
ル;またはトリアリールをあげることができる。好適に
は、6ないし10個の炭素原子を含有する単環もしくは
縮合芳香族炭化水素またはビアリールである。
【0017】Arの定義における「ヘテロアリール環」
とは、硫黄原子、酸素原子および窒素原子から選択され
る1乃至3個のヘテロ原子を含有する、単環もしくは多
環の5乃至14員複素芳香環;または6乃至18個(好
適には6乃至12個)の炭素原子を含有するbi- ヘテロ
アリールもしくはtri-ヘテロアリールを示す。そのよう
な環の例としては、キサンテン、フラン、ベンゾフラ
ン、ジベンゾフラン、クロマノン、フラボン、チオフェ
ン、チアナフテン、ピロール、ピラゾール、イミダゾー
ル、オキサゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、
チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、トリアゾ
ール、テトラゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリ
ダジン、ピリミジン、プラジン、インドール、インダゾ
ール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、
ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリ
ン、プテリジン、カルボゾール、カルボリン、フェナン
スリジンおよびアクリジンをあげることができる。これ
らのうち、好適には、単環もしくは多環の、5乃至10
員複素芳香環であり、更に好適には、1乃至2個の硫黄
原子および/または酸素原子を含有する環であり、特に
好適にはフラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、クロ
マノン、フラボン、フラバノン、チアナフテンまたはチ
オフェンである。
【0018】R1 の定義における「C1 −C10アルキル
基」とは、炭素数1乃至10個の直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキル基を示し、そのような基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−
ペンチル、3−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチ
ルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチ
ルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、2
−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチ
ルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチル
ブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブ
チル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチ
ルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、ヘプチ
ル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、3,
3−ジメチルペンチル、オクチル、2−メチルヘプチ
ル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチル、ノニル、2−ノニル、3−ノニル、4−ノニ
ル、5−ノニル、2−メチルオクチル、3−メチルオク
チル、4−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6−
メチルオクチル、7−メチルオクチル、8−メチルオク
チル、6,6−ジメチルヘプチル、デシル、2−デシ
ル、3−デシル、4−デシル、5−デシル、2−メチル
ノニル、3−メチルノニル、4−メチルノニル、6,6
−ジメチルオクチルなどをあげることができる。好適に
は、炭素数が1乃至6個である「低級アルキル基」であ
り、更に好適には、炭素数1乃至4個のアルキル基であ
り、より更に好適には、メチル、エチルである。
【0019】R1 の定義における「低級アルコキシ基」
とは、上記「低級アルキル」が酸素原子に結合した基を
示し、そのような基としては、例えば、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、s−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2−メ
チルブトキシ、3−メチルブトキシ、1,1−ジメチル
プロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジ
メチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、2−ヘキシルオキ
シ、3−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、
3−メチルペンチルオキシ、4−メチルペンチルオキ
シ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブト
キシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブ
トキシ、2,3−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチル
ブトキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,
2,2−トリメチルプロポキシなどをあげることができ
る。好適には、炭素数1乃至4個のアルコキシ基であ
り、更に好適には、メトキシ、エトキシである。
【0020】R1 の定義における「ハロゲン原子」と
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を
示す。
【0021】R4 の定義における「水酸基の保護基」、
並びに、R1 の定義における「保護された水酸基」およ
びR6 の定義における「保護されたヒドロキシメチル
基」の水酸基の保護基とは、加水素分解、加水分解、電
気分解、光分解のような化学的方法により除去され得る
保護基をいう。そのような基としては、好適には、ホル
ミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリ
ル、オクタノイル、ノニルカルボニル、デシルカルボニ
ル、3−メチルノニルカルボニル、8−メチルノニルカ
ルボニル、3−エチルオクチルカルボニル、3,7−ジ
メチルオクチルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ド
デシルカルボニル、トリデシルカルボニル、テトラデシ
ルカルボニル、ペンタデシルカルボニル、ヘキサデシル
カルボニル、1−メチルペンタデシルカルボニル、14
−メチルペンタデシルカルボニル、13,13−ジメチ
ルテトラデシルカルボニル、ヘプタデシルカルボニル、
15−メチルヘキサデシルカルボニル、オクタデシルカ
ルボニル、1−メチルヘプタデシルカルボニル、ノナデ
シルカルボニル、アイコシルカルボニル、ヘナイコシル
カルボニルのようなアルキルカルボニル基、クロロアセ
チル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフ
ルオロアセチルのようなハロゲン化アルキルカルボニル
基、メトキシアセチルのような低級アルコキシアルキル
カルボニル基、アクリルカルボニル、プロピオニルカル
ボニル、メタクリルカルボニル、クロトニルカルボニ
ル、イソクロトニルカルボニル、(E)−2−メチル−
2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等
の「脂肪族アシル基」;ベンゾイル、α−ナフトイル、
β−ナフトイルのようなアリ−ルカルボニル基、2−ブ
ロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲ
ン化アリ−ルカルボニル基、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリ
−ルカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコ
キシ化アリ−ルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、
2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリ−ルカルボ
ニル基、2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのよう
な低級アルコキシカルボニル化アリ−ルカルボニル基、
4−フェニルベンゾイルのようなアリ−ル化アリ−ルカ
ルボニル基等の「芳香族アシル基」;メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブト
キシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、tert−ブト
キシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような低級
アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボ
ニルのようなハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で
置換された低級アルコキシカルボニル基等の「アルコキ
シカルボニル基」;テトラヒドロピラン−2−イル、3
−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシ
テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラ
ン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−
4−イルのような「テトラヒドロピラニル又はテトラヒ
ドロチオピラニル基」;テトラヒドロフラン−2−イ
ル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのような「テト
ラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基」;
トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジ
メチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メチルジ
イソプロピルシリル、メチルジ−tert−ブチルシリル、
トリイソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリ
ル基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリ
ル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプ
ロピルシリルのような1乃至2個のアリ−ル基で置換さ
れたトリ低級アルキルシリル基等の「シリル基」;メト
キシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、
エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメ
チル、ブトキシメチル、tert−ブトキシメチルのような
低級アルコキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル
のような低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基、
2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−ク
ロロエトキシ)メチルのようなハロゲノ低級アルコキシ
メチル等の「アルコキシメチル基」;1−エトキシエチ
ル、1−(イソプロポキシ)エチルのような低級アルコ
キシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチルのよう
なハロゲン化エチル基等の「置換エチル基」;ベンジ
ル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェ
ニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェ
ニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個
のアリ−ル基で置換された低級アルキル基、4−メチル
ベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,
5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−
メトキシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジ
ル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブ
ロモベンジル、4−シアノベンジルのような低級アルキ
ル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ基でア
リ−ル環が置換された1乃至3個のアリ−ル基で置換さ
れた低級アルキル基等の「アラルキル基」;ビニルオキ
シカルボニル、アリルオキシカルボニルのような「アル
ケニルオキシカルボニル基」;ベンジルオキシカルボニ
ル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−
ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベン
ジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカル
ボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニト
ロ基でアリ−ル環が置換されていてもよい「アラルキル
オキシカルボニル基」をあげることができる。好適に
は、前記「アルキルカルボニル基」、前記「シリル基」
または前記「アラルキル基」であり、更に好適には、ア
セチル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチル
シリル基またはベンジル基である。
【0022】R1 の定義における「保護されたアミノ
基」のアミノ基の保護基とは、加水素分解、加水分解、
電気分解、光分解のような化学的方法により除去され得
る保護基をいう。そのような基としては、前記「脂肪族
アシル基」;前記「芳香族アシル基」;前記「アルコキ
シカルボニル基」:前記「アルケニルオキシカルボニル
基」;前記「アラルキルオキシカルボニル基」;前記
「シリル基」;前記「アラルキル基」をあげることがで
きる。
【0023】R2 の定義における「低級アルキル基」と
は、R1 が示す「C1 −C10アルキル基」として例示し
た基のうち、炭素数1乃至6個の基を示す。好適には、
メチル基またはn−ブチル基である。
【0024】R5 の定義における「アシル基」として
は、例えば、前記「脂肪族アシル基」;前記「芳香族ア
シル基」;前記「アルコキシカルボニル基」;ビニルカ
ルボニル、アリルカルボニルのような「アルケニルカル
ボニル基」;ベンジルカルボニル、フェナシル、4−メ
トキシベンジルカルボニル、3,4−ジメトキシベンジ
ルカルボニル、2−ニトロベンジルカルボニル、4−ニ
トロベンジルカルボニルのような、1乃至2個の低級ア
ルコキシ又はニトロ基でアリ−ル環が置換されていても
よい「アラルキルカルボニル基」;メタンスルホニル、
エタンスルホニル、1−プロパンスルホニルのような
「低級アルカンスルホニル基」;トリフルオロメタンス
ルホニル、ペンタフルオロエタンスルホニルのようなフ
ッ素化された「低級アルカンスルホニル基」またはベン
ゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルのような「ア
リ−ルスルホニル基」をあげることができる。好適に
は、前記「脂肪族アシル基」、前記「芳香族アシル基」
または前記「低級アルカンスルホニル基」であり、更に
好適には、前記「アルキルカルボニル基」または前記
「芳香族アシル」基である。また、「アルキルカルボニ
ル基」のうち、好適には、上記「低級アルキル」がカル
ボニル基に結合している低級アルキルカルボニル基であ
る。
【0025】R3 が示す、一般式(II−a)または
(II−b)を有する糖残基としては、好適には、フコ
−ス、ガラクト−ス、グルコ−ス、マンノ−ス、グルコ
サミン、ガラクトサミン、シアル酸、グルクロン酸、ガ
ラクツロン酸、ラムノ−ス、キシロ−ス、リボ−スのよ
うなD系列もしくはL系列よりなる天然型単糖由来の残
基;ピラノ−ス型あるいはフラノ−ス型の非天然糖由来
の残基;並びにそれらが有する水酸基および/またはア
ミノ基が、保護もしくはアシル化された糖残基をあげる
ことができる。
【0026】上記一般式(I)を有する化合物の「塩」
とは、その化合物が分子内に、フェノール性水酸基、カ
ルボキシル基および/またはアミノ基を有する場合、塩
にすることができるのでその塩を示す。アミノ基に基づ
く塩としては、好適には、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化
水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、
硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メ
タンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、
エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸
塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸、りんご酸、フマ
−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸
塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リ
ジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸
塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩をあげること
ができる。一方、フェノール性水酸基またはカルボキシ
基に基づく塩としては、好適には、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ア
ルミニウム塩、鉄塩等の金属塩;アンモニウム塩のよう
な無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン
塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシン
アルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチル
グルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリ
エチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’
−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン
塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジ
ルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルア
ンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン塩のような有機塩等のアミン塩;及び、グリシン塩、
リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸
塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩をあげること
ができる。
【0027】「そのエステル」とは、本発明の化合物
(I)は、エステルにすることができるので、そのエス
テルをいい、そのようなエステルとしては、「カルボキ
シ基のエステル」をあげることができ、エステル残基が
「一般的保護基」であるエステルをいう。
【0028】「一般的保護基」とは、加水素分解、加水
分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂
し得る保護基をいう。
【0029】「カルボキシ基のエステル」に斯かる「一
般的保護基」としては、好適には、前記「低級アルキル
基」;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1
−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プ
ロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニ
ル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メ
チル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−
エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3
−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−
3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−
メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニ
ル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2
−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチ
ル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル1−
ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘ
キセニル、5−ヘキセニルのような低級アルケニル基;
エチニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニ
ル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プ
ロペニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、
2−メチル−2−ブチニル、1−エチル−2−ブチニ
ル、3−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メ
チル−3−ブチニル1−エチル−3−ブチニル、2−ペ
ンチニル、1−メチル−2−ペンチニル、2−メチル−
2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−3−ペ
ンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、4−ペンチニ
ル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−4−ペ
ンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキ
シニル、5−ヘキシニルのような低級アルキニル基;ト
リフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチ
ル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチ
ル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリ
フルオロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチ
ル、2−フルオロエチル、2,2−ジブロモエチルのよ
うな「ハロゲノ低級アルキル」;2−ヒドロキシエチ
ル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプ
ロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、4−ヒドロキシ
ブチルのようなヒドロキシ「低級アルキル基」;アセチ
ルメチルのような「低級脂肪族アシル」−「低級アルキ
ル基」;前記「アラルキル基」および前記「シリル基」
をあげることができる。
【0030】更に、本発明の化合物(I)は、大気中に
放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付い
たり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明
に包含される。
【0031】本発明の化合物(I)は、分子内に不斉炭
素を有し、各々が R配位、S配位である立体異性体が
存在するが、その各々、或いはそれらの任意の割合の混
合物のいずれも本発明に包含される。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のグリコシル化されたアリ
ールスズ化合物は、以下の方法によって製造することが
できる。
【0033】A法
【0034】
【化9】
【0035】上記式において、Ar、R1 、R2 、R
3 、mおよびnは、前記と同意義を示す。
【0036】Yは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子ま
たは沃素原子を示す。
【0037】Xは、通常、求核残基として脱離する基で
あれば特に限定はないが、好適には、水酸基;塩素、臭
素、沃素のようなハロゲン原子;アセトキシ、エチルカ
ルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、ブチルカ
ルボニルオキシのようなアルキルカルボニルオキシ基;
ベンゾイル、ベンジルカルボニルオキシ、フェネチルカ
ルボニルオキシのようなアラルキルオキシカルボニル
基;メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオ
キシのような低級アルコキシカルボニルオキシ基;クロ
ロアセトキシ、ジクロロアセトキシ、トリクロロアセト
キシ、トリフルロアセトキシのようなハロゲン化アルキ
ルカルボニルオキシ基;メタンスルホニルオキシ、エタ
ンスルホニルオキシのような低級アルカンスルホニルオ
キシ基;トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ペンタ
フルオロエタンスルホニルオキシのようなハロゲノ低級
アルカンスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキ
シ、p−トルエンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼ
ンスルホニルオキシのようなアリ−ルスルホニルオキシ
基;ジフェニルホスファート基、P,P−ジフェニル−
N−トシルホスフィンイミダート基、N,N,N’,
N’−テトラメチルホスホロアミダート基、ホスホロジ
アミドイミドチオアート基、ジエチルホスファイト基の
ような含リン脱離基を挙げることができ、更に好適に
は、アルキルカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニ
ルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ハロゲノ低級アル
カンスルホニル基またはアリールスルホニルオキシ基で
あり、最も好適には、アルキルカルボニルオキシ基また
はアラルキルカルボニルオキシ基である。
【0038】Step A1 Step A1は、ルイス酸を含む混合触媒の存在下、
糖誘導体(III)とアリール化合物(IV)との縮合
反応により、アリール C−グリコシル化合物(V)を
製造する工程である。
【0039】ルイス酸触媒としては、通常の縮合反応に
用いられるものであれば特に限定はなく、好適には、四
塩化第一スズ、三塩化ガリウム、臭化亜鉛、四塩化チタ
ンのような金属ハロゲン化物;トリフルオロメタンスル
ホン酸またはトリフルオロ酢酸の銀または水銀塩のよう
な強酸の金属塩;過塩素酸トリメチルシリルエステル、
過塩素酸トリフェニルメチルエステルのような過塩素酸
類をあげることができる。
【0040】反応は、通常、溶媒の存在下に行われる。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質を
ある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例え
ば、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素
類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジ
クロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのよ
うなハロゲン化炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、炭酸ジエチルエステル
のようなエステル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピ
ルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト
キシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルの
ようなエ−テル類;アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メ
チルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドの
ようなアミド類をあげることができる。
【0041】反応温度は、特に限定はなく、反応は、通
常、−80℃(好適には0℃)乃至100℃(好適には
30℃)の範囲で行われる。
【0042】反応時間は、出発原料、試薬および溶媒の
種類ならびに反応温度によって異なるが、反応は、通
常、30分間(好適には3時間)乃至7日間(好適には
2日間)で達成される。
【0043】尚、本反応における、糖誘導体(III)
とアリール化合物(IV)の割合は、特に限定はなく、
通常、8:1乃至1:5[化合物(III):化合物
(IV)]で反応を行うことができ、アリール C−グ
リコシル化合物(V)に導入される、R3 で表される糖
残基の数(即ち「n」)は、本反応における2つの出発
原料のモル比に依存して異なる。更に、一度の反応で導
入される糖残基が一つである場合、所望により上記反応
を繰り返すことにより、複数の糖残基を導入することが
できる。
【0044】更に、本工程はWO97/11066に開
示されているアリール C−グリコシル化反応のための
試薬を用いて行うこともできる。
【0045】Step A2 Step A2は、公知の方法に準じて、アリール C
−グリコシル化合物(V)をハロゲン化し、一般式(V
I)を有する化合物を製造する工程であり、例えば、溶
媒中、触媒の存在下または非存在下、アリール C−グ
リコシル化合物(V)にハロゲン化剤を反応させること
により行われる。
【0046】使用されるハロゲン化剤としては、通常の
反応においてハロゲン化剤として用いられるものであれ
ば特に限定はなく、例えば、フッ素(F2 )、フルオロ
キシトリフルオロメタン、二フッ化キセノン、フッ化硫
酸セシウム、アセチルハイポフルオライト、N−フルオ
ロスルホンアミド、ジエチルアミノサルファトリフルオ
リド(DAST)、N−フルオロピリジニウム塩(例え
ば、N−フルオロピリジニウム、N−フルオロ−2,6
−ジ(メトキシカルボニル)ピリジニウム、N−フルオ
ロ−3,5−ジクロロピリジニウム、N−フルオロ−
2,4,6−トリメチルピリジニウム等)のようなフッ
素化剤;塩素(Cl2 )、N−クロロスクシンイミド、
塩化第二銅、スルフリルクロライド、四塩化チタン、
2,3,4,5,6,6−ヘキサクロロ−2,4−シク
ロヘキサジエノン、2,3,4,4,5,6−ヘキサク
ロロ−2,5−シクロヘキサジエノン、N−クロロトリ
エチルアンモニウムクロライド、ベンゼンセレネニルク
ロライドのような塩素化剤;臭素(Br2 )、塩化臭
素、臭化第二銅、硫酸銀−臭素、テトラメチルアンモニ
ウムトリブロマイド、トリフルオロアセチルハイポブロ
マイト、ジブロモイソシアヌル酸(DBI)、2,4,
4,6−テトラブロモシクロヘキサ−2,5−ジエンオ
ン、臭化水素−ジメチルスルホキシド、N−ブロモスク
シンイミド−ジメチルホルムアミド、2,4−ジアミノ
−1,3−チアゾールハイドロトリブロマイドのような
臭素化剤;沃素(I2 )、一塩化沃素(ICl)、1,
3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、沃素−
モルホリン複合体、トリフルオロアセチルハイポヨーダ
イド、沃素−過沃素酸、沃素−酢酸タリウム(I)、フ
ッ素−沃素、エチレンヨードクロライドのような沃素化
剤をあげることができる。
【0047】使用される溶媒としては、反応を阻害しな
いものであれば特に限定はなく、好適には、ヘキサン、
ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素、クロロトリフルオロ
メタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ−テ
ル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルのようなエ−テル類;アセトニトリル、
プロピオニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリ
ル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホ
ロトリアミドのようなアミド類;ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸のような低級脂肪酸類;ジメチルスルホキシドのよ
うなスルホキシド類;並びにこれらの混合溶媒をあげる
ことができる。
【0048】使用される触媒としては、例えば、塩化ア
ルミニウム、臭化第二鉄のような金属ハロゲン化物;酢
酸水銀のような水銀類;鉄のような金属類をあげること
ができる。
【0049】反応温度は、特に限定はなく、反応は、通
常、−120℃(好適には−10℃)乃至100℃の範
囲で行われる。
【0050】反応時間は、出発原料、試薬および溶媒の
種類ならびに反応温度によって異なるが、反応は、通
常、2分間(好適には1時間)乃至2日間で達成され
る。
【0051】Step A3 Step A3は、公知の方法(例えば下記文献に記載
の方法)に準じて、溶媒中、パラジウム触媒および塩基
の存在下、一般式(VI)を有する化合物にスズ原子を
導入して、グリコシル化されたアリールスズ化合物
(I)を製造する工程である。
【0052】H. Azizian, C.E.Eaborn, A.Pidcock, J.
Organomet. Chem., 215, 49 (1981)、A.N.Kashin, I.G.
Bumagina, N.A.Bumagin, V.N.Bakunin, I.P.Beletskay
a, J. Org. Chem. USSR, 17, 789 (1984)、T. Depauli
s, H.E.Smith, Synthetic Commun., 21, 1091 (1991)。
【0053】溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質
をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例
えば、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素
類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル
類;アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニ
トリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノ
ン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類
をあげることができる。
【0054】使用されるパラジウム触媒としては、パラ
ジウムを含有する触媒であれば特に限定はなく、好適に
は、テトラキス(トリフルオロホスフィン)パラジウム
(0)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)
エタン]パラジウム(0)、ビス[o−フェニレンビス
(ジエチルホスフィン)]パラジウム(0)、ビス(シ
クロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(0)、パラ
ジウム炭素、パラジウム黒、酢酸パラジウム(II)、
アセト酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(I
I)、シアン化パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸
パラジウム(II)、[1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ビス
(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス
(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジ
ウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)フェロシン]ジクロロパラジウム(II)、(2,
2’−ビピリジン)ジクロロパラジウム(II)、(ビ
シクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロ
ロパラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオク
タジエン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(II)などをあげるこ
とができる。
【0055】使用される塩基としては、通常の反応にお
いて塩基として使用されるものであれば、特に限定はな
いが、好適には、ナトリウムメトキシドのような金属ア
ルコキシド類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム
のようなアルカリ金属水酸化物;またはアンモニア水、
濃アンモニア−メタノールのようなアンモニア類;N−
メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジ
ン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4
−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ
(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリ
ン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−
エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.
2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような
有機塩基類が用いられる。
【0056】スズ原子を導入するための試薬としては、
通常の反応においてスズを導入するために用いられる試
薬であれば特に限定はなく、好適には、塩化トリメチル
スズ、臭化トリメチルスズ、塩化トリペンチルスズ、ビ
ス(トリメチルスズ)スルフィド、ビス(トリ−n−ブ
チルスズ)、ビス(トリ−n−ブチルスズ)オキシドの
ようなトリアルキルスズ化合物;塩化トリフェニルス
ズ、ビス(トリフェニルスズ)オキシドのようなトリフ
ェニルスズ化合物をあげることができる。
【0057】反応温度は0℃乃至200℃であり、好適
には、50℃乃至150℃である。反応時間は、主に反
応温度、原料化合物、試薬又は使用される溶媒の種類に
よって異なるが、通常、1時間乃至5日間であり、好適
には、5時間乃至10時間である。
【0058】B法 上記、B法は、一般式(VI)を有する化合物の別途製
法である。
【0059】
【化10】
【0060】上記式中、R1 、R2 、R3 、X、Y、m
およびnは前記と同意義を示す。
【0061】Step B1 Step B1は一般式(IV)を有する化合物をハロ
ゲン化して、ハロゲン化アリール化合物(VII)製造
する工程であり、Step A2に準じて行われる。
【0062】Step B2 Step B2は、ハロゲン化アリール化合物(VI
I)と糖誘導体(III)の縮合反応により、一般式
(VI)を有する化合物を製造する工程であり、Ste
p A1に準じて行われる。
【0063】上記各反応終了後、目的化合物は常法に従
って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物
を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過によ
り除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機
溶媒を加え、水等で洗浄後、目的化合物を含む有機層を
分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去
することによって得られる。得られた目的化合物は必要
ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通常、有
機化合物の分離精製に慣用されている方法、例えば、シ
リカゲル、アルミナ、マグネシウムーシリカゲル系のフ
ロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラ
フィー法;セファデックスLH−20(ファルマシア社
製)、アンバーライトXAD−11(ローム・アンド・
ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化成社
製)ような担体を用いた分配カラムクロマトグラフィー
等の合成吸着剤を使用する方法、イオン交換クロマトを
使用する方法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化シ
リカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー法
(好適には、高速液体クロマトグラフィーである。)を
適宜組合せ、適切な溶離剤で溶出することによって分
離、精製することができる。
【0064】尚、原料化合物については、市販品を購入
するか又は公知の製造方法に準じて容易に合成すること
ができる。
【0065】本発明におけるC−グリコシル化されたア
リールスズ化合物は、パラジウム触媒下、各種有機ハロ
ゲン化物並びにその等価体と温和な条件下反応し、C−
グリコシル化された様々な誘導体へと導くことができ
る。
【0066】有機ハロゲン化物並びにその等価体とは、
酸ハライド、ベンジルハライド、アリルハライド及びア
セテ−ト、ビニルハライド及びトリフレ−ト、アリ−ル
ハライド、α−ハロケトン及びα−ハロエステル等を挙
げることができる。
【0067】更に一酸化炭素存在下、ベンジルハライ
ド、アリルハライド及びアセテ−ト、ビニルハライド及
びトリフレ−ト、アリ−ルハライド等との反応では一酸
化炭素の挿入反応が起こり、相当する誘導体を与える。
【0068】スズ化合物のパラジウムカップリング反応
に関しては以下の総説に詳述されている。
【0069】1. J. K. Still, Ang
ew. Chem. Int. Ed. Engl.,
25, 508, (1986) 2. T. N. Mitchell, Synthe
sis, 803 (1991)
【0070】
【実施例】以下に実施例により、本発明を更に詳細に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
【実施例1】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−フコピラノシル)−5−(トリ−n−
ブチルスタニル)ベンゼン
【0072】
【実施例1(a)】5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−L−フコピラノシル)ベンゼ
テトラ−O−アセチル−L−フコース(9.96mg,
30mmol)、トリフルオロ酢酸銀(9.90g,4
5mmol)、1,4−ジメトキシベンゼン(6.21
mg,45mmol)の塩化メチレン溶液(100m
l)に、四塩化錫の塩化メチレン溶液(1M,90m
l)を加え、0℃で1日間攪拌した。得られた溶液に飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を止めた。こ
れをセライトに通した後、塩化メチレンにて抽出し、有
機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧下留
去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製し、1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−L−フコピラノシル)ベンゼ
ン(6.7g、収率54.5%)を得た。このうち、
4.1g(10mmol)を塩化メチレン溶液(100
ml)に溶解した。これに氷冷下、臭素(0.62m
l、12mmol)をゆっくり滴下後、0℃で2時間撹
袢した。反応終了後、水を加え反応を停止した。塩化メ
チレン100mlで希釈し、これを飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄後、硫酸マグネシウムにて乾燥し減圧下に溶媒
を留去した。
【0073】得られた油状物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン=1/4)で精製
し、目的化合物 3.32g(収率66%)を得た。
【0074】核磁気共鳴スペクトル(270MHz,C
DCl ):δppm:7.07(1H, s), 7.03(1H, s),
5.48(1H, t, J=10.7Hz), 5.37(1H, d, J=2.9Hz),5.21(1
H, dd, J=3.4, 10.1Hz), 4.87(1H, d, J=9.9Hz),3.97(1
H, q, J=6.6Hz), 3.89(3H, s), 3.80(3H, s),2.24, 1.9
9, 1.81(9H, 3*s), 1.22(3H, d, J=6.6Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ : C20
25BrO9 として、 計算値: 488.0682 実測値: 488.0684 旋光度:[α]D =+16.4 (c=1.0, CH2
Cl2
【0075】
【実施例1(b)】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−フコピラノシル)−5−(トリ−n−
ブチルスタニル)ベンゼン 窒素ガス気流下、5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2
−(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−L−フコピ
ラノシル)ベンゼン(6.9g、14.1mmol)、
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(810
mg、0.7mmol)および炭酸カリウム(1.98
g、15mmol)をトルエン150mlに懸濁した。
これにビストリブチルチン(9.28g、16mmo
l)を加え、10時間加熱還流した。反応終了後、反応
溶液を酢酸エチル150mlで希釈し、水、フッ化カリ
ウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムにて乾燥し減圧下に
溶媒を留去した。
【0076】得られた油状物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で精製
し、目的化合物 7.60g(収率77%)を得た。
【0077】赤外吸収スペクトル (液膜法) cm-1:295
6, 2928, 2872, 2852, 1752, 1483, 1464 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:6.88(1H, s), 6.87(1H, s), 5.56(1H, t, J=
9.9Hz), 5.37(1H, d, J=3.2Hz),5.21(1H, dd, J=3.3,
9.9Hz), 4.90(1H, d, J=10.0Hz),3.98(1H, q, J=6.6H
z), 3.81(3H, s), 3.75(3H, s),2.24, 1.99, 1.78(9H,
3*s), 1.6-0.8(27H, m), 1.22(3H, d, J=6.3Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+Na]+ :
32529 NaSn116 として、 計算値: 719.2526 実測値: 719.2527 旋光度:[α]D =+15.3 (c=0.91,CH
2 Cl2
【0078】
【実施例2】1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−フコピラノシル)−6−(トリ−n−
ブチルスタニル)ベンゼン
【0079】
【実施例2(a)】6−ブロモ−1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−L−フコピラノシル)ベンゼ
L−フコ−ステトラアセテ−ト(16.6g、50mm
ol)及び4−ブロモ−1、3−ジメトキシベンゼン
(15.2g、70mmol)を用いて、実施例1
(a)に準じて反応を行い、目的化合物 8.2g(収
率33.5%)を得た。
【0080】融点:172−173℃ 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.59(1H, s), 6.41(1H, s), 5.41(1H, t, J=
9.9Hz), 5.34(1H, d, J=4.3Hz),5.18(1H, dd, J=3.4, 1
0.0Hz), 4.77(1H, d, J=9.8Hz),3.92(1H, q, J=6.6Hz),
3.89(3H, s), 3.85(3H, s),2.25, 1.99, 1.80(9H, 3*
s), 1.21(3H, d, J=6.6Hz) 旋光度:[α]D =+23.3 (c=0.56,CH
2 Cl2
【0081】
【実施例2(b)】1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−フコピラノシル)−6−(トリ−n−
ブチルスタニル)ベンゼン 6−ブロモ−1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−L−フコピラノシル)ベンゼ
ン(4.89g、10mmol)を用い、実施例 1
(b)の方法に従い反応を行い、目的化合物4.02g
(収率57.5%)を得た。
【0082】核磁気共鳴スペクトル(270MHz,C
DCl3 ):δppm: 7.30(1H, s), 6.35(1H, s), 5.60(1H, t, J=10.0Hz),
5.34(1H, d, J=2.3Hz),5.18(1H, dd, J=3.3, 10.0Hz),
4.74(1H, d, J=9.9Hz),3.93(1H, q, J=6.6Hz), 3.86(3
H, s), 3.75(3H, s),2.22, 1.99, 1.75(9H, 3*s), 1.7-
0.8(27H, m), 1.20(3H, d, J=6.3Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+Na]+ :
32529 NaSn116 として、 計算値: 719.2526 実測値: 719.2534 旋光度:[α]D =+22.2 (c=0.8,CH2
Cl2
【0083】
【実施例3】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−5−
(トリ−n−ブチルスタニル)ベンゼン
【0084】
【実施例3(a)】5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)ベンゼン 1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)ベンゼン
(10.6g、22.7mmol)を用い、実施例1
(a)後段に従い反応を行い、目的化合物 8.71g
(収率70.0%)を得た。
【0085】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:347
9, 2964, 2943, 1751, 1495, 1370, 1219 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.08(1H, s), 7.01(1H, s), 5.52(1H, d, J=
3.4Hz), 5.48(1H, t, J=9.9Hz),5.21(1H, dd, J=3.4,
9.9Hz), 4.89(1H, d, J=9.9Hz), 4.19-4.05(3H, m),3.8
8(3H, s), 3.80(3H, s), 2.21, 2.04, 1.99, 1.81(12H,
4*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+H]+ :C
222811Br79として、 計算値: 547.0815 実測値: 547.0810 旋光度:[α]D =+22.2 (c=0.8,CH2
Cl2
【0086】
【実施例3(b)】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−5−ト
リ−n −ブチルスタニル ベンゼン 5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)ベンゼン(8.71g、15.9mmol)を用
い、実施例1(b)の方法に従い反応を行い、目的化合
物 7.25g(収率60.1%)を得た。
【0087】赤外吸収スペクトル(liquid film )cm
-1:2956, 2928, 2872, 2851, 1754, 1483, 1464 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:6.88(1H,s), 6.84(1H,s), 5.55(1H, t, J=1
0.0Hz), 5.51(1H, d, J=3.4Hz),5.20(1H, dd, J=3.4, 1
0.0Hz), 4.91(1H, d, J=10.0Hz), 4.22-4.10(3H, m),3.
80(3H, s), 3.73(3H, s), 2.20, 2.02, 1.98, 1.76(12
H, 4*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+Na]+ :
345411NaSn116 として、計算値: 777.2581
実測値: 777.2585 旋光度:[α]D =−6.1 (c=1.0,CH2
2
【0088】
【実施例4】1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−
(トリ−n−ブチルスタニル)ベンゼン
【0089】
【実施例4(a)】6−ブロモ−1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)ベンゼン D−ガラクト−スペンタアセテ−ト(10.9g、2
7.9mmol)及び4−ブロモ−1,3−ジメトキシ
ベンゼン(6.0ml)より、実施例1(a)に準じて
反応を行い、目的化合物を得た。
【0090】このものは精製することなく次の反応に用
いた。
【0091】
【実施例4(b)】1,3−ジメトキシ−4−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−
(トリ−n−ブチルスタニル)ベンゼン 上記6−ブロモ−1,3−ジメトキシ−4−(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラ
ノシル)ベンゼンを用いて、実施例1(b)に従って反
応を行い、目的化合物1.30g(収率5.8%)を得
た。
【0092】赤外吸収スペクトル(liquid film )cm
-1:2956, 2929, 2872, 2852, 1754, 1593, 1579 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.31(1H,s), 6.39(1H,s), 5.13(1H,t, J=9.9
Hz), 5.53(1H, d, J=3.2Hz),5.20(1H, dd, J=3.2, 9.9H
z), 4.79(1H, d, J=9.9Hz), 4.23-4.04(3H, m),3.89(3
H, s), 3.79(3H, s), 2.22, 2.05, 2.01, 1.79(12H, 4*
s),1.69-1.41(6H, m), 1.38-1.24(6H, m), 1.01(6H, t,
J=7.8Hz),0.91(9H, t, J=7.2Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+Na]+ :
345411NaSnとして、 計算値: 781.2566 実測値: 781.2559 旋光度:[α]D =−12.0 (c=0.77,CH
2 Cl2
【0093】
【実施例5】1,3−ジメトキシ−4−[メチル(5−アセトアミド
−3、5−ジデオキシ−4,7,8,9−テトラ−O−
アセチル−a −D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌ
ロピラノシロネ−ト]−6−(トリ−n−ブチルスタニ
ル)ベンゼン
【0094】
【実施例5(a)】6−ブロモ−1,3−ジメトキシ−4−[メチル(5−
アセトアミド−3、5−ジデオキシ−4,7,8,9−
テトラ−O−アセチル−α−D−グリセロ−D−ガラク
ト−2−ノヌロピラノシロネ−ト]ベンゼン 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセ
チル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−D−ガラク
ト−1−メチル−2−ノヌロソネイト(21.32g、
40mmol)及び4−ブロモ−1,3−ジメトキシベ
ンゼン(10.85g、50mmol)より、実施例1
(a)に準じて反応を行い、目的化合物12.2g(収
率44.2%)を得た。
【0095】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:337
7, 2956, 1746, 1372, 1232 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.73(1H, s), 6.42(1H, s), 5.52(1H, dd, J
=5.2, 10.9Hz),5.47-5.41(1H, m), 5.35(1H, dd, J=2.
0, 5.8Hz),5.28(1H, dt, J=3.0, 5.8Hz), 4.41(1H, dd,
J=3.0, 12.4Hz),4.23-4.10(2H, m), 3.93-3.80(1H,
m), 3.90(3H, s), 3.77(3H, s),3.71(3H, s) 2.94(1H,
dd, J=5.2, 13.3Hz),2.18, 2.10, 2.03, 2.01, 1.90(15
H, 5*s), 1.85(1H, t, J=13.3Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+H]+ :C
283714NBr79として、 計算値: 690.1398 実測値: 690.1382 旋光度:[α]D =−4.6 (c=0.72,CH2
Cl2
【0096】
【実施例5(b)】1,3−ジメトキシ−4−[メチル(5−アセトアミド
−3,5−ジデオキシ−4,7,8,9−テトラ−O−
アセチル−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌ
ロピラノシロネ−ト]−6−(トリ−n−ブチルスタニ
ル)ベンゼン 6−ブロモ−1,3−ジメトキシ−4−(5−アセトア
ミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5
−ジデオキシ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−1−
メチル−2−ノヌロソネイト)ベンゼン(173mg、
0.251mmol)を用い、実施例1(b)に従い反
応を行い、目的化合物86.2mg(収率38%)を得
た。
【0097】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:326
3, 3219, 3075, 3057, 3022, 3012, 2992, 2956, 2927,
1747 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.73(1H, s), 6.33(1H, s), 5.52(1H, dd, J
=5.1, 10.6Hz),5.42-5.37(2H, m), 5.21(1H, dd, J=2.
8, 6.4Hz),4.45(1H, dd, J=3.0, 12.4Hz), 4.24-4.10(2
H, m), 3.81-3.72(1H, m),3.77(3H, s), 3.75(3H, s),
3.71(3H, s) 2.89(1H, dd, J=5.1, 13.3Hz),2.17, 2.0
5, 1.99, 1.98, 1.90(15H, 5*s), 1.85(1H, t, J=13.3H
z),1.73(1H, dd, J=11.3, 13.3Hz), 1.60-1.48(6H, m),
1.40-1.23(6H, m),1.07-1.01(6H, m), 0.90(9H, t, J=
7.2Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+Na]+ :
40H63O14NaSnとして、 計算値: 920.3164 実測値: 920.3160 旋光度:[α]D =−0.5 (c=0.82,CH2
Cl2
【0098】
【実施例6】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)−5−(ト
リ−n−ブチルスタニル)ベンゼン
【0099】
【実施例6(a)】5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ル)ベンゼン 1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)ベンゼン
(2.60g、5.22mmol)を用い、実施例1
(a)後段に従い反応を行い、目的化合物 2.29g
(収率80%)を得た。
【0100】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:294
7, 1754 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.07(1H, s), 6.95(1H, s), 5.36(1H, t, J=
9.2Hz), 5.30(1H, t, J=9.2Hz),5.23(1H, t, J=9.2Hz),
4.92(1H, d, J=9.2Hz),4.27(1H, dd, J=4.9, 12.4Hz),
4.14(1H, dd, J=2.1, 12.4Hz), 3.87(3H, s),3.87-3.7
7(1H, m), 3.80(3H, s), 2.07, 2.06, 2.01, 1.80(12H,
4*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ : C22
27BrO11として、 計算値: 546.0737 実測値: 546.0739 旋光度: [α]D =−18.7 (c=1.0,CHC
3
【0101】
【実施例6(b)】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)−5−(ト
リ−n−ブチルスタニル)ベンゼン 5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ル)ベンゼン(272mg、0.50mmol)を用い
て、実施例1(b)に従い反応を行い、目的化合物 2
51mg(収率67%)を得た。
【0102】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:295
6, 2927, 2872, 2851, 1755 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:6.88(1H, s), 6.79(1H, s), 5.44-5.19(3H,
m), 4.95(1H, d, J=9.7Hz),4.27(1H, dd, J=4.7, 12.3H
z), 4.14(1H, dd, J=2.2, 12.3Hz),3.90-3.80(1H, m),
3.81(3H, s), 3.73(3H, s),2.07, 2.06, 2.01, 1.78(1
2H, 4*s), 1.59-1.42(6H, m), 1.31(6H, m),1.02(6H,
t, J=7.4Hz), 0.87(9H, t, J=7.4Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+Na]+
345411NaSnとして、 計算値: 781.2566 実測値: 781.2559 旋光度: [α]D =−53.1 (c=0.85,CH
Cl3
【0103】
【実施例7】1,4−ジメトキシ−2−(3、4、6−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−2−N−フタルイミド−β−D
−グルコピラノシル)−5−(トリ−n−ブチルスタニ
ル)ベンゼン
【0104】
【実施例7(a)】5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(3,4,6−
トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−N−フタルイ
ミド−β−D−グルコピラノシル)ベンゼン 1,4−ジメトキシ−2−(3,4,6−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−2−N−フタルイミド−β−D
−グルコピラノシル)ベンゼン(1.25g、2.3m
mol)を用い、実施例1(a)後段に従い反応を行
い、目的化合物1.28g(収率89%)を得た。
【0105】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:29
36, 1751, 1721 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.88-7.65(4H, m), 7.04(1H, s), 6.82(1H,
s), 6.13(1H, t, J=10.0Hz),5.64(1H, d, J=10.0Hz),
5.29(1H, t, J=10.0Hz), 4.59(1H, t, J=10.0Hz),4.35
(1H, dd, J=4.9, 12.3Hz), 4.20(1H, dd, J=2.2, 12.3H
z),4.10-4.00(1H, m), 3.88(3H, s), 3.41(3H, s), 2.1
0, 2.08, 1.87(9H, 3*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ : C28
28BrNO11として、 計算値: 633.0846 実測値: 633.0845 旋光度: [α]D =−75.1 (c=0.23,CH
Cl3
【0106】
【実施例7(b)】1,4−ジメトキシ−2−(3,4,6−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−2−N−フタルイミド−β−D
−グルコピラノシル)−5−(トリ−n−ブチルスタニ
ル)ベンゼン 5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(3,4,6−
トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−N−フタルイ
ミド−β−D−グルコピラノシル)ベンゼン(319m
g、0.50mmol)を用いて、実施例1(b)従い
反応を行い、目的化合物 195mg(収率46%)を
得た。
【0107】赤外吸収スペクトル(liquid film )cm
-1:2956, 2928, 2871, 2852, 1752, 1722 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.87-7.56(4H, m), 6.89(1H, s), 6.62(1H,
s), 6.13(1H, t, J=10.0Hz),5.68(1H, d, J=10.0Hz),
5.30(1H, t, J=10.0Hz), 4.65(1H, t, J=10.0Hz),4.34
(1H, dd, J=4.7, 12.2Hz), 4.21(1H, dd, J=2.1, 12.2H
z),4.10-3.98(1H, m), 3.74(3H, s), 3.45(3H, s), 2.1
0, 2.07, 1.87(9H, 3*s),1.50-1.35(6H, m), 1.35-1.18
(6H, m), 0.95(6H, t, J=7.1Hz),0.83(9H, t, J=7.2Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+K]+ :C
405511NKSnとして、 計算値: 880.2453 実測値: 880.2441 旋光度: [α]D =−58.4 (c=0.55,CH
Cl3
【0108】
【実施例8】1,4−ジメトキシ−2−(2、3、4−トリ−O−ア
セチル−β−L−ラムノピラノシル)−5−(トリ−n
−ブチルスタニル)ベンゼン
【0109】
【実施例8(a)】5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−L−ラムノピラノシル)ベン
ゼン 1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−ラムノピラノシル)ベンゼン(960
mg、2.34mmol)を用い、実施例1(a)後段
に従い反応を行い、目的化合物 1.10g(収率96
%)を得た。赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:29
83, 2940, 2851, 1750 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.07(1H, s), 7.00(1H, s), 5.57(1H, dd, J
=1.1, 3.3Hz),5.25(1H, dd, J=3.3, 9.9Hz), 5.14(1H,
t, J=9.9Hz), 4.97(1H, s),3.87(3H, s), 3.79(3H, s),
3.75-3.62(1H, m), 2.08, 1.99, 1.91(9H, 3*s),1.34
(3H, d, J=6.1Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ : C20
25BrO9 として、 計算値: 488.0682 実測値: 488.0680 旋光度: [α]D =+33.9 (c=1.0,CHC
3
【0110】
【実施例8(b)】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−ラムノピラノシル)−5−(トリ−n
−ブチルスタニル)ベンゼン 5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−L−ラムノピラノシル)ベン
ゼン(485mg、0.991mmol)を用い、実施
例1(b)の方法に従い反応を行い、目的化合物 38
5mg(収率56%)を得た。
【0111】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:29
53, 2928, 2869, 2854, 1750 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:6.94(1H, s), 6.79(1H, s), 5.56(1H, d, J=
3.3Hz),5.27(1H, dd, J=3.3, 9.9Hz), 5.15(1H, t, J=
9.9Hz), 5.03(1H, s),3.79(3H, s), 3.74(3H, s), 3.75
-3.62(1H, m), 2.08, 1.98, 1.89(9H, 3*s),1.58-1.40
(6H, m), 1.40-1.20(9H, m), 1.00(6H, t, J=8.1Hz),0.
87(9H, t, J=7.2Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+K]+ :C
32529 KSnとして、 計算値: 735.2266 実測値: 735.2246 旋光度: [α]D =+32.6 (c=0.99,CH
Cl3
【0112】
【実施例9】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−D−キシロピラノシル)−5−(トリ−n
−ブチルスタニル)ベンゼン
【0113】
【実施例(a)】5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−D−キシロピラノシル)ベン
ゼン 1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−D−キシロピラノシル)ベンゼン(200
mg、0.50mmol)を用い、実施例1(a)後段
に従い反応を行い、目的化合物 232mg(収率9
1.3%)を得た。赤外吸収スペクトル(thin film )
cm-1:3014, 2947, 2852, 1755 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.27(1H, s), 7.06(1H, s), 5.35(1H, t, J=
9.4Hz), 5.27(1H, t, J=9.4Hz),5.22-4.97(1H, m), 4.8
1(1H, d, J=9.4Hz), 4.21(1H, dd, J=5.5, 11.0Hz),3.8
6(3H, s), 3.79(3H, s), 3.46(1H, t, J=11.0Hz), 2.0
6, 2.03,1.80(9H, 3*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ : C19
23BrO9 として、 計算値: 474.0526 実測値: 474.0523 旋光度: [α]D =−28.6 (c=0.86,CH
Cl3
【0114】
【実施例9(b)】1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−D−キシロピラノシル)−5−(トリ−n
−ブチルスタニル)ベンゼン 5−ブロモ−1,4−ジメトキシ−2−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−β−D−キシロピラノシル)ベン
ゼン(232mg、0.49mmol)を用い、実施例
1(b)の方法に従い反応を行い、目的化合物 100
mg(収率29.8%)を得た。
【0115】赤外吸収スペクトル (liquid film)c
-1:2956, 2927, 2871, 2853, 1758 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:6.87(1H, s), 6.78(1H, s), 5.36(1H, t, J=
9.3Hz), 5.31(1H, t, J=9.3Hz),5.23-5.09(1H, m), 4.8
4(1H, d, J=9.3Hz), 4.21(1H, dd, J=5.8, 11.0Hz),3.8
1(3H, s), 3.72(3H, s), 3.48(1H, t, J=11.0Hz),2.06,
2.03, 1.78(9H, 3*s), 1.57-1.42(6H, m), 1.42-1.23
(6H, m),1.02(6H, t, J=8.0Hz), 0.87(9H, t, J=7.3Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+K]+ :C
31509 KSnとして、 計算値: 721.2109 実測値: 721.2078 旋光度: [α]D =−30.3 (c=0.73,CH
Cl3
【0116】
【実施例10】4−メチル−2−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−(トリ−n
−ブチルスタニル)アニソ−ル
【0117】
【実施例10(a)】6−ブロモ−4−メチル−2−(2,3,4,6−テト
ラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)アニ
ソ−ル 4−メチル−2−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)アニソ−ル(1.
10g、2.43mmol)を用い、実施例1(a)後
段に従い反応を行い、目的化合物 602mg(収率4
6.6%)を得た。
【0118】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:29
38, 1753 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.36(1H, d, J=1.9Hz), 7.21(1H, d, J=1.9H
z), 5.55(1H, t, J=10.0Hz),5.53(1H, d, J=3.3Hz), 5.
20(1H, dd, J=3.3, 10.0Hz),4.79(1H, d, J=10.0Hz),
4.23-4.05(3H, m), 3.86(3H, s), 2.31(3H, s),2.23,
2.02, 2.00, 1.81(12H, 4*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+H]+ :C
2228BrO10として、 計算値: 531.0866 実測値: 531.0867 旋光度: [α]D =−11.5 (c=0.13,CH
Cl3
【0119】
【実施例10(b)】4−メチル−2−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−(トリ−n
−ブチルスタニル)アニソ−ル 6−ブロモ−4−メチル−2−(2,3,4,6−テト
ラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)アニ
ソ−ル(602mg、1.13mmol)を用い、実施
例1(b)に従い反応を行い、目的化合物 34mg
(収率4.1%)を得た。
【0120】赤外吸収スペクトル (liquid film)c
-1:2957, 2925, 2872, 2855, 1754 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:7.24(1H, d, J=1.9Hz), 7.13(1H, d, J=1.9H
z), 5.58(1H, t, J=10.1Hz),5.53(1H, d, J=3.5Hz), 5.
20(1H, dd, J=3.5, 10.1Hz),4.80(1H, d, J=10.1Hz),
4.22-4.05(3H, m), 3.71(3H, s),2.32, 2.24, 2.01, 1.
99, 1.75(15H, 5*s), 1.57-1.43(6H, m),1.43-1.24(6H,
m), 1.07(6H, t, J=8.2Hz), 0.88(9H, t, J=7.3Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+K]+ :C
345410KSnとして、 計算値: 777.2372 実測値: 777.2357 旋光度: [α]D =+6.9 (c=0.26,CHC
3
【0121】
【実施例11】2,6−ジメトキシ−1−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−5−
(トリ−n−ブチルスタニル)ナフタレン
【0122】
【実施例11(a)】5−ブロモ−2,6−ジメトキシ−1−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)ナフタレン 5−ブロモ−2,6−ジメトキシ−1−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)ナフタレン(1.13g、2.18mmol)を用
い、実施例1(a)後段に従い反応を行い、目的化合物
889mg(収率68.3%)を得た。
【0123】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:29
42, 2844, 1753 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:8.66(1H, d, J=9.5Hz), 8.28(1H, d, J=9.5H
z), 7.29(1H, d, J=9.5Hz),7.27(1H, d, J=9.5Hz), 5.9
1(1H, t, J=9.7Hz), 5.63(1H, d, J=3.2Hz),5.59(1H,
d, J=9.7Hz), 5.29(1H, dd, J=3.2, 9.7Hz), 4.33-4.10
(3H, m),4.02(3H, s), 3.95(3H, s), 2.34, 2.04, 1.9
9, 1.68(12H, 4*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ :C26
29BrO11として、 計算値: 596.0873 実測値: 596.0869 旋光度: [α]D =−44.7 (c=0.73,CH
Cl3
【0124】
【実施例11(b)】2,6−ジメトキシ−1−(2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−5−
(トリ−n−ブチルスタニル)ナフタレン 5−ブロモ−2,6−ジメトキシ−1−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)ナフタレン(565mg、0.95mmol)を用
い、実施例1(b)に従い反応を行い、目的化合物 1
48mg(収率19.3%)を得た。
【0125】赤外吸収スペクトル(liquid film )cm
-1:2956, 2928, 2871, 2853, 1754 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:8.64(1H, d, J=9.3Hz), 7.76(1H, d, J=9.3H
z), 7.19(1H, d, J=9.3Hz),7.16(1H, d, J=9.3Hz), 5.9
5(1H, t, J=10.1Hz), 5.62(1H, d, J=3.2Hz),5.59(1H,
d, J=10.1Hz), 5.28(1H, dd, J=3.2, 10.1Hz), 4.32-4.
20(1H, m),4.20-4.08(2H, m), 3.92(3H, s), 3.87(3H,
s), 2.34, 2.04, 1.99,1.68(12H, 4*s), 1.57-1.43(6H,
m), 1.43-1.23(6H, m),1.15(6H, t, J=8.2Hz), 0.87(9
H, t, J=7.2Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+K]+ :C
385611KSnとして、 計算値: 843.2477 実測値: 843.2469 旋光度: [α]D =−35.2 (c=0.81,CH
Cl3
【0126】
【実施例12】2−メトキシ−1−(2,3,4,6−テトラ−O−ア
セチル−β−D−ガラクトピラノシル))−6−(トリ
−n−ブチルスタニル)ナフタレン
【0127】
【実施例12(a)】6−ブロモ−2−メトキシ−1−(2,3,4,6−テ
トラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)ナ
フタレン β−D−ガラクト−スペンタアセテ−ト(2.0g、
5.12mmol)及び2−ブロモ−6−メトキシナフ
タレン(2.42g、10.2mmol)より、実施例
1(a)に準じて反応を行い、目的化合物 888mg
(収率30.6%)を得た。
【0128】赤外吸収スペクトル(KBr)cm-1:29
42, 1753, 1591 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:8.55(1H, d, J=9.3H
z), 7.91(1H, d, J=2.0Hz),
7.72(1H, d, J=9.1Hz),7.5
4(1H, dd, J=2.0, 9.3Hz),
7.22(1H, d, J=9.1Hz),5.88
(1H, t, J=9.8Hz), 5.62(1
H, d, J=3.2Hz), 5.57(1H,
d, J=9.8Hz),5.28(1H, dd,
J=3.2, 9.8Hz), 4.31−4.19
(1H, m), 4.19−4.07(2H,
m),3.95(3H, s), 2.33, 2.0
5, 1.99, 1.68(12H, 4*s) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M]+ : C25
27BrO10として、 計算値: 566.0788 実測値: 566.0796 旋光度:[α]D =−13.7 (c=0.41,CH
Cl3
【0129】
【実施例12(b)】2−メトキシ−1−(2,3,4,6−テトラ−O−ア
セチル−β−D−ガラクトピラノシル))−6−(トリ
−n−ブチルスタニル)ナフタレン 6−ブロモ−2−メトキシ−1−(2,3,4,6−テ
トラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)ナ
フタレン(830mg、1.46mmol)を用い、実
施例1(b)に従い反応を行い、目的化合物 315m
g(収率27.7%)を得た。
【0130】赤外吸収スペクトル (thin film)cm-1
2957, 2926, 2872, 2853, 1754 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3 ):
δppm:8.56(1H, d, J=8.5Hz), 7.83(1H, s), 7.77
(1H, d, J=9.1Hz),7.52(1H, d, J=8.5Hz), 7.19(1H, d,
J=9.1Hz), 5.96(1H, t, J=9.9Hz),5.62(1H, d, J=3.2H
z), 5.59(1H, d, J=9.9Hz),5.30(1H, dd, J=3.2, 9.9H
z), 4.35-4.23(1H, m), 4.20-4.07(2H, m),3.94(3H,
s), 2.36, 2.05, 1.99, 1.69(12H, 4*s), 1.66-1.50(6
H, m),1.47-1.23(6H, m), 1.10(6H, t, J=8.1Hz), 0.91
(9H, t, J=7.2Hz) 高分解能マススペクトル (FAB+ ) [M+H]+ :C
375510Snとして、 計算値: 775.2813 実測値: 775.2804 旋光度:[α]D =−39.4 (c=1.03,CH
Cl3
【0131】
【発明の効果】下記のように、本発明のC−グリコシル
化されたアリールスズ化合物から、化合物Cを合成する
ことができる。
【0132】
【化11】
【0133】[式中、「Ac」はアセチル基を意味し、
「Bu」はn−ブチル基を意味し、「Me」はメチル基
を意味する。
【0134】また、化合物Cは、P−セレクチンとHL
−60細胞の接着阻害試験[Ishiwata, N., et al., J.
Biol.Chem., 269, 23708-23715 (1994); Ushiyama, S.,
etal., J.Biol.Chem., 268, 15229-15237 (1993)]に
おいて、細胞接着阻害作用を示す。
【0135】即ち、本発明のC−グリコシル化されたア
リールスズ化合物は、細胞表層の糖鎖複合分子(糖脂
質、糖タンパク質、プロテオグリカン)やオリゴ糖鎖に
よる細胞−細胞間/細胞−基質間の相互作用や接着、細
菌やウィルス−宿主相互作用における受容体としての機
能を阻害し、それらが関与するもしくは異常をきたした
場合に現れる様々の治療に有効なアリール C−グリコ
シル化合物の合成中間体として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I]で表わされる化合物、
    その塩またはそのエステル: 【化1】 [式中、Ar は、アリール環またはヘテロアリール環
    を表わし、 R1 は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、保護された
    水酸基、シアノ基、アミノ基、保護されたアミノ基、カ
    ルボキシル基、カルボキシメチル基、C1 −C10アルキ
    ル基または低級アルコキシ基を表し、 R2 は、低級アルキル基またはフェニル基を表し、 R3 は、下記一般式(II−a)または(II−b)を
    有する糖残基: 【化2】 (式中、 pは、1乃至4の整数を表し、 qは、0または1を表し、 R4 は、水素原子または水酸基の保護基を表わし、 R5 は、水素原子またはアシル基を表わし、 R6 は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、保
    護されたヒドロキシメチル基またはカルボキシル基を表
    し、 この糖残基は、1位の炭素原子でArと直接結合し、そ
    の結合形態は、αまたはβ結合である。)を表し、 mは、1ないし4の整数を表し、 nは、1ないし3の整数を表し、 mが2ないし4の整数であるとき、複数の基R1 は同一
    の基でもそれぞれ相違する基であってもよく、 nが2または3であるとき、複数の基R3 は同一の基で
    もそれぞれ相違する基であってもよく、 pが2ないし4の整数であるとき、複数の基−OR4
    同一の基でもそれぞれ相違する基であってもよい。但
    し、下記構造式A(式中、「Me」はメチル基を示し、
    「TBDMS」は、tert−ブチルジメチルシリル基を示
    す。)で表される化合物を除く。 【化3】 ]。
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