JP6468947B2 - 紫外線硬化型液体現像剤及びその製造方法 - Google Patents

紫外線硬化型液体現像剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷などの電子写真方式を利用する画像形成装置に用いられる液体現像剤に関する。
従来から、地域広告や企業内配布資料、大型ポスターのようにある程度の部数を必要とする印刷物の製造には、版を利用した印刷機が用いられてきた。近年、こうした従来の印刷機に代わって、多様化するニーズに迅速に対応できるとともに、在庫を圧縮することが可能なオンデマンド印刷機が利用されつつある。そのようなオンデマンド印刷機としては、乾式現像剤や液体現像剤を用いた電子写真印刷機や高速及び高画質印刷が可能なインクジェットプリンタが期待されている。
乾式現像剤は、固体状態の現像剤を取り扱うので、取り扱い上の有利さにより、現在、現像剤の主流を占めている。しかしながら、乾式現像剤においては、温度や湿度などの環境変化による画像劣化防止の観点から帯電性の環境安定性に問題があり、且つ乾式現像剤では保存時などにおける着色樹脂粒子の凝集が起こりやすく着色樹脂粒子を分散した際の均一性などに問題があった。またこれらの特性は、高解像度を目指し、着色樹脂粒子径を比較的小さくした場合には、上述したような粉体であることによる問題がさらに顕著なものとなる。
一方、液体現像剤では、担体液として電気絶縁性液体を用いることから、乾式現像剤に比べ、保存時における液体現像剤中での着色樹脂粒子の凝集という問題が生じにくく、微細なトナーを用いることができる。その結果、液体現像剤は、乾式現像剤に比べ細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。これらの優れた特長を生かした、液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
従来から、コアセルベーション法を利用して、ポリアミン化合物とヒドロキシカルボン酸自己縮合物との反応物である化合物と酸基含有樹脂との存在下で、着色樹脂粒子を絶縁性炭化水素系分散媒体中に分散させる液体現像剤の製造方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示されているような液体現像剤は、紙やプラスチックフィルムなどの記録媒体上に電気絶縁性液体が残存すると著しい画像品位の劣化を招いてしまう為、電気絶縁性液体を除去する必要がある。電気絶縁性液体の除去には、熱エネルギーを加えて電気絶縁性液体を揮発除去する方法が一般的であるが、その際装置外に揮発性有機溶剤蒸気を放散したり、多大なエネルギーを消費するなど、環境的な観点からは必ずしも好ましいものではなかった。
この対策として、電気絶縁性液体を光重合により硬化させる方法が提案されている。この光硬化型の液体現像剤は、電気絶縁性液体として反応性官能基を持ったモノマー又はオリゴマーを使用し、さらに光重合開始剤を添加溶解したものである。この光硬化型液体現像剤に紫外線などの光を照射することにより重合反応し硬化するもので、高速対応が可能である。このような光硬化型液体現像剤として、ポリアルキレンイミンで表面改質したロジン系樹脂を含むトナー粒子と、液体状のエポキシ変性化合物を含んで構成された絶縁性液体と、カチオン型光重合開始剤とを含む光硬化型液体現像剤が開示されている(特許文献2)。しかし、特許文献2に開示された方法では遊離するポリアルキレンイミンが多く、これらは光重合開始剤と反応してしまうため、重合性液状モノマーの重合を阻害しやすく、十分な硬化性を得るためには非常に多量のカチオン型光重合開始剤を必要とする。
特許第5148621号公報 特許第5277800号公報
本発明は、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性が良好であり、かつ重合性液状モノマーの重合性が良好である紫外線硬化型液体現像剤及びその製造方法を提供する。
本発明は、疎水性カチオン重合性液状モノマー、光重合開始剤、前記液状モノマーに不溶なトナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含む紫外線硬化型液体現像剤であって、
該トナー粒子が酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂を含有し、
該トナー粒子分散剤が、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位と下記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、
該トナー粒子分散剤が、一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有することを特徴とする紫外線硬化型液体現像剤である。
Figure 0006468947
[式(1)中、Kは1級アミノ基を有するユニットである。]
Figure 0006468947
[式(2)中、Qは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
また、本発明は、前記紫外線硬化型液体現像剤を製造する方法であって、
バインダー樹脂を溶解することができる溶剤中に、少なくとも顔料、前記酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂、及び前記トナー粒子分散剤を溶解、又は分散させ、混合液を得る工程、及び
該混合液に、前記疎水性カチオン重合性液状モノマーを混合し、混合液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を析出させる工程を含む製造方法である。
本発明によれば、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性が良好であり、かつ重合性液状モノマーの重合性が良好である液体現像剤及びその製造方法を提供することができる。
実施例で用いた現像装置の概略図
本発明は、疎水性カチオン重合性液状モノマー、光重合開始剤、前記液状モノマーに不溶なトナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含む紫外線硬化型液体現像剤であって、該トナー粒子が酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂を含有し、該トナー粒子分散剤が、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位と下記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、該トナー粒子分散剤が、一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有することを特徴とする紫外線硬化型液体現像剤を提供する。
Figure 0006468947
[式(1)中、Kは1級アミノ基を有するユニットである。]
Figure 0006468947
[式(2)中、Qは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
以下、各材料について詳細に説明する。
<疎水性カチオン重合性液状モノマー>
初めに、疎水性カチオン重合性液状モノマーについて説明する。
疎水性カチオン重合性液状モノマーとは極性部位に対する親和性が低く、かつカチオン重合性を有する液状モノマーであり、好ましくはSP値が7.0以上9.0以下であり、より好ましくはSP値が7.5以上8.5以下であるカチオン重合性液状モノマーである。なお、SP値とは溶解度パラメータのことである。SP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入され正則理論により定義された値であり、溶媒(あるいは溶質)の凝集エネルギー密度の平方根で示され、2成分系溶液の溶解度の目安となる。本発明におけるSP値は、コーティングの基礎と工学(53ページ、原崎勇次著、加工技術研究会)記載のFedorsによる原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積から計算で求めた値である。本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm1/2であるが、1(cal/cm1/2=2.046×10(J/m1/2によって(J/m1/2の単位に換算することができる。
疎水性カチオン重合性液状モノマーは、絶縁性であることが好ましい。具体的には、体積抵抗率が1×10〜1×1013Ωcmであることが好ましい。また、粘度は25℃において0.5〜200mPa・sであることが好ましく、0.5〜30mPa・sであることがより好ましい。
疎水性カチオン重合性液状モノマーとしては特に限定されず、例えば、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物などを用いることができるが、重合速度の観点からはビニルエーテル化合物が好ましい。
ビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル構造(−CH=CH−O−C−)を有する化合物を示す。
ビニルエーテル構造は好ましくは、R−CH=CH−O−C−で表される(Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキルであり、好ましくは水素又はメチルである)。
そのなかでも特に好ましいものとして、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジビニルエーテル、1,2−デカンジオールジビニルエーテルなどが、高抵抗、低粘度、高感度な紫外線硬化性液体組成物が得やすく好ましい。特に、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジビニルエーテルは、感度や硬化後の強度を向上させるべく、紫外線硬化性液体組成物に含有させることが好ましい。
また、例えば、下記式(A)で表されるビニルエーテル化合物が好ましい。
Figure 0006468947
[式(A)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1〜4の整数である。Rはn価の炭化水素基である。]
nは、1〜3の整数が好ましい。
Rは、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、及び炭素数6〜14の芳香族炭化水素基から選択される基を少なくともひとつ含む基であり、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
Rは、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい炭素数5〜12の飽和脂環式炭化水素基、又は炭素数4〜18の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。
疎水性カチオン重合性液状モノマーは、1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
<光重合開始剤>
次に、光重合開始剤について説明する。本発明において、光重合開始剤とは、所定の波長の光を感知して酸を発生するための化合物である。このような化合物としては例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明においては、これら化合物のうちスルホン酸エステル化合物を用いるのが好ましい。
また、本発明においては、特願2013−246808に開示されている、紫外線硬化性液体の体積抵抗率の低下が少ない、下記式(6)で表される光重合開始剤を用いることがより好ましい。
Figure 0006468947
[式(6)中、RとRは互いに結合して環構造を形成する。xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。]
上記環構造としては、5員環又は6員環を例示することができる。具体的には、例えば、コハク酸イミド構造、フタルイミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが挙げられる。また、これらの環構造は、置換基として、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のアリールチオ基などを有していてもよい。
一般式(6)中のCxFyとしては、水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、シクロアルキル基(RF3)、及びアリール基(RF4)が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロn−ヘキシル基(x=6,y=13)、及びパーフルオロn−オクチル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3,y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4,y=9)、及びパーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4,y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5,y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6,y=11)、及びパーフルオロ(1−シクロヘキシル)メチル基(x=7,y=13)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)、及び3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7,y=7)などが挙げられる。
一般式(6)中のCxFyのうち、入手のしやすさ、及びスルホン酸エステル部分の分解性の観点から、好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、及びアリール基(RF4)、さらに好ましくは直鎖アルキル基(RF1)、及びアリール基(RF4)、特に好ましくはトリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)、及びペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)である。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の紫外線硬化型液体現像剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、液状モノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、より好ましく
は0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
<トナー粒子>
次に、トナー粒子について説明する。トナー粒子は、バインダー樹脂及び顔料を構成成分として含有している。
<バインダー樹脂>
該トナー粒子は酸価5mgKOH/g以上である樹脂をバインダーとして含有する。酸価が5mgKOH/gより低いと、トナー粒子分散剤が有するアミン価との結合が十分に形成できず、トナー粒子の分散安定性が低下する。該酸価は、好ましくは5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、より好ましくは5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。また、樹脂の酸価は、例えばビニル樹脂であれば樹脂中のアクリル酸、メタクリル酸の全モノマー中のモル比により、例えばポリエステルの場合であれば、末端基の数、及び末端基の数に占めるカルボン酸基の数により制御することができる。
該トナー粒子に含まれる酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂の種類は特に限定されるものではなく、例えばビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、及びポリカーボネート樹脂などが挙げられる。なお、これらの樹脂を2種以上併用してもよい。
本実施の形態を実現しやすいという観点では、該トナー粒子に含まれる酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂は、好ましくはビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びエポキシ樹脂の少なくとも1つを用いることが好ましく、ポリエステル樹脂、及びビニル樹脂の少なくとも1つを用いることがより好ましい。
本発明に係るバインダー樹脂のSP値は、好ましくは9.0以上15.0以下であり、より好ましくは9.5以上13.0以下である。
前記ポリエステル樹脂は、ジオール及びジカルボン酸をモノマーとして用いるものが好ましい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体および/またはプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フマル酸などが挙げられる。
ビニル樹脂に用いるモノマーとしては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
本発明において、紫外線硬化型液体現像剤中のトナー粒子の濃度は、1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
上記トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1μm以下である。
<顔料>
トナー粒子はバインダーとして含有する樹脂以外に顔料を含有する。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメント
レッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどの分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に顔料分散剤を添加することも可能である。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の顔料分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜100質量部添加することが好ましい。
顔料の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
<電荷補助剤>
上記トナー粒子中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で、電荷補助剤を含有することができる。該電荷補助剤としては、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリ
ン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
<トナー粒子分散剤>
本発明において、トナー粒子分散剤は少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位と下記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有することを特徴とする。
Figure 0006468947
[式(1)中、Kは1級アミノ基を有するユニットである。]
Figure 0006468947
[式(2)中、Qは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
本発明におけるトナー粒子分散剤は、一般式(1)で表される単量体単位を分子の末端以外の位置に有する。すなわち、高分子鎖の末端にのみ1級アミノ基を有する高分子は含まれない。式(1)で表される単量体単位を分子の末端以外の位置に有していれば、末端に該式(1)で表される単量体単位があってもよい。
トナー粒子分散剤の分子量は、トナー粒子分散剤を構成する一般式(1)で表される単量体単位と一般式(2)で表される単量体単位の数に依存するが、数平均分子量が1000〜40000が好ましい。数平均分子量が上記範囲にあることで、トナー粒子の分散安定性が良好になる。
トナー粒子分散剤に含まれる一般式(1)で表される単量体単位の数を1とした場合、トナー粒子分散剤に含まれる一般式(2)で表される単量体単位の数は平均で0.01〜100であることが好ましく、平均で0.1〜10であることがより好ましい。該式(2)で表される単量体単位の数が0.01以上であると疎水性カチオン重合性液状モノマーに対する親和性が十分になり、100以下であるとトナー粒子の分散安定性が良好になる。
トナー粒子分散剤のアミン価は、トナー粒子分散剤を構成する一般式(1)で表される単量体単位と一般式(2)で表される単量体単位の数に依存するが、2mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である場合に特にトナー粒子の分散安定性、定着性、及び現像性が良好である。その理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。トナー粒子分散剤のアミノ基がバインダー樹脂の酸基とイオン結合することによりトナー粒子の分散効果を発揮するが、トナー粒子分散剤のアミン価が2mgKOH/gよりも
低い場合、バインダー樹脂の酸基とのイオン結合が十分ではないと考えられる。一方、アミン価が50mgKOH/gより高い場合、バインダー樹脂の酸基と結合しないアミノ基が多くなり、疎水性カチオン重合性液状モノマーの硬化阻害を引き起こしやすくなると考えられる。該アミン価は、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下がより好ましい。
また、該アミン価は、トナー粒子分散剤中の、一般式(1)で表される単量体単位と一般式(2)で表される単量体単位の比により制御することができる。
トナー粒子に対するトナー粒子分散剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対し、1〜100質量部であることが好ましい。
本発明におけるトナー粒子分散剤は、一般式(1)で表される単量体単位と一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であるが、これ以外の単量体単位を含有する高分子であってもよい。
トナー粒子分散剤の全単量体単位中、一般式(1)で表される単量体単位が1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。また、トナー粒子分散剤の全単量体単位中、一般式(2)で表される単量体単位が30質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
<一般式(1)で表される単量体単位>
上記一般式(1)で表される単量体単位について詳細に説明する。
一般式(1)中のKが有する1級アミノ基とは、−NHで表される基を意味する。本発明者らが鋭意検討した結果、1級アミノ基は2級アミノ基や3級アミノ基と比べて、トナー粒子の分散効果が著しく高いことを発見た。その理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。トナー粒子分散剤のアミノ基がバインダー樹脂の酸基とイオン結合することによりトナー粒子の分散効果を発揮するが、1級アミノ基が酸基とイオン結合を形成する場合の立体障害が、2級アミノ基や3級アミノ基の場合と比べて小さいことによるものと考えられる。
1級アミノ基を有するユニットの構造は特に限定されないが、本発明におけるトナー粒子の分散安定性の観点から、一般式(1)で表される単量体が下記一般式(1−2)で表されることが好ましい。
Figure 0006468947
(式中、Aは、単結合、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルキレン、又はフェニレンである。mは0〜3の整数である。)
また、一般式(1)で表される単量体が下記一般式(3)で表されることがより好ましい。
Figure 0006468947
<一般式(2)で表される単量体単位>
次に、上記一般式(2)で表される単量体単位について詳細に説明する。
一般式(2)中のQが有する置換してもよい炭素数6以上のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基とは、直鎖の−C2n+1、又は環状の−C2n−1で表され、炭素数nが6以上であるアルキル基又はシクロアルキル基を意味する。このうち、疎水性カチオン重合性液状モノマーへの親和性の観点から、炭素数nが12以上であることがさらに好ましい。炭素数nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。また、該アルキル基又はシクロアルキル基の少なくともひとつの水素原子が置換されていてもよい。
Qが有するアルキル基又はシクロアルキル基が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
疎水性カチオン重合性液状モノマーへの親和性、及び製造容易性の観点から、上記一般式(2)で表される単量体単位が下記一般式(4)で表されることが好ましい。
Figure 0006468947
[式(4)中、Rは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基である。Lは二価の連結基を表す。]
は直鎖の−C2n+1、又は環状の−C2n−1で表され、nが6以上であるアルキル基又はシクロアルキル基を意味する。nは12以上であることがより好ましい。一方、nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。
また、Rが有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
Lは二価の連結基を表し、好ましくは、(例えば炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の)アルキレン基、(例えば炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の)アルケニレン基、(例えば炭素数6〜10、好ましくは炭素数6〜10の)アリーレン基である。
一般式(2)中のQが有する置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基とは、直鎖の−C2n−、又は環状の−C2n−2−で表され、炭素数nが6以上であるアルキレン基又はシクロアルキレン基を意味する。このうち、疎水性カチオン重合性液状モノマーへの親和性の観点から、炭素数nが12以上であることがより好ましい。一方、炭素数nの上限は、好ま
しくは30以下であり、より好ましくは22以下である。また、アルキレン基又はシクロアルキレン基のうちの少なくともひとつの水素原子が置換されていてもよい。
Qが有するアルキレン基又はシクロアルキレン基が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
疎水性カチオン重合性液状モノマーへの親和性、及び製造容易性の観点から、上記一般式(2)で表される単量体単位が下記一般式(5)で表されることが好ましい。
Figure 0006468947
[式(5)中、Rは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基である。nは1以上(好ましくは2以上20以下)の整数を表す。Lは二価の連結基を表す。]
は直鎖の−C2n−、又は環状の−C2n−2−で表され、炭素数nが6以上であるアルキレン基又はシクロアルキレン基を意味する。炭素数nは12以上であることがより好ましい。一方、炭素数nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。
また、Rが有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
また、Lの好ましい例は、式(4)と同様である。
<その他の添加剤>
本発明の紫外線硬化型液体現像剤は、必要に応じ下記のような添加剤を含有してもよい。
<増感剤>
本発明の紫外線硬化型液体現像剤には、光重合開始剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化などの目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光重合開始剤1質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部で使用される。
また、本発明の紫外線硬化型液体現像剤には、さらに上記増感剤と光重合開始剤の間の電子移動効率又はエネルギー移動効率を向上する目的で増感助剤を添加してもよい。
具体的な増感助剤の例としては、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトールなどのナフタレン化合物、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、1−メトキシ−4−フェノール、1−エトキシ−4−フェノールなどのベンゼン化合物などが挙げられる。
これらの増感助剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、増感剤1質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部で使用される。
<カチオン重合禁止剤>
本発明の紫外線硬化型液体現像剤には、カチオン重合禁止剤を添加することもできる。カチオン重合禁止剤としては、アルカリ金属化合物及び/若しくはアルカリ土類金属化合物又は、アミン類を挙げることができる。
アミンとして好ましくは、アルカノールアミン類、N,N−ジメチルアルキルアミン類、N,N−ジメチルアケニルアミン類、N,N−ジメチルアルキニルアミン類などであり、具体的には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−エチルアミノエタノール、4−エチルアミノ−1−ブタノール、4−(n−ブチルアミノ)−1−ブタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジメチルウンデカノールアミン、N,N−ジメチルドデカノールアミン、N,N−ジメチルトリデカノールアミン、N,N−ジメチルテトラデカノールアミン、N,N−ジメチルペンタデカノールアミン、N,N−ジメチルノナデシルアミン、N,N−ジメチルイコシルアミン、N,N−ジメチルエイコシルアミン、N,N−ジメチルヘンイコシルアミン、N,N−ジメチルドコシルアミン、N,N−ジメチルトリコシルアミン、N,N−ジメチルテトラコシルアミン、N,N−ジメチルペンタコシルアミン、N,N−ジメチルペンタノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルヘプタノールアミン、N,N−ジメチルオクタノールアミン、N,N−ジメチルノナノールアミン、N,N−ジメチルデカノールアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミンなどが挙げられる。これらの他にも、4級アンモニウム塩なども使用することができる。カチオン重合禁止剤としては、特に、2級アミンが好ましい。
カチオン重合禁止剤の添加量は本発明の紫外線硬化型液体現像剤に対して質量基準で1〜5000ppmであることが好ましい。
<ラジカル重合禁止剤>
本発明の紫外線硬化型液体現像剤には、ラジカル重合禁止剤を添加してもよい。
ビニルエーテル化合物を含有する紫外線硬化型液体現像剤は、経時保存中に光重合開始剤が極々僅かに分解し、ラジカル化合物化し、そのラジカル化合物に起因する重合を引き起こす場合があり、それを防止するために添加することが好ましい。
適用可能なラジカル重合禁止剤としては、例えば、フェノール系水酸基含有化合物、メトキノン(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、ハイドロキノン、4−メトキシ−1−ナフトールなどのキノン類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル フリーラジカル、N−オキシル フリーラジカル化合物類、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、各種糖類、リン酸系酸化防止剤、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体、芳香族アミン、フェニレンジアミン類、イミン類、スルホンアミド類、尿素誘導体、オキシム類、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物、フェノチアジンなどの含硫黄化合物、テトラアザアンヌレン(TAA)をベースとする錯化剤、ヒンダードアミン類などが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の重合による紫外線硬化型液体現像剤の増粘防止の観点から好ましいのは、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシルフリーラジカル化合物類、1,
1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルフリーラジカル、フェノチアジン、キノン類、ヒンダードアミン類であるが、とりわけ好ましいのは、N−オキシルフリーラジカル化合物類である。
ラジカル重合禁止剤の添加量は本発明の紫外線硬化型液体現像剤に対して質量基準で1〜5000ppmであることが好ましい。
<荷電制御剤>
本発明の紫外線硬化型液体現像剤は、必要に応じて荷電制御剤を含んでもよい。荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。具体的な化合物としては、亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどの燐脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
本発明の紫外線硬化型液体現像剤には、上記説明した以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
<紫外線硬化型液体現像剤の製造方法>
本発明の紫外線硬化型液体現像剤の製造方法は特に制限されない。本発明の紫外線硬化液体現像剤に用いる上記トナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法、ミニエマルション重合法などの公知の方法が挙げられる。本発明においては、粒子径、分散安定性の観点から、コアセルベーション法が好ましい。
すなわち、バインダー樹脂を溶解することができる溶剤中に、少なくとも顔料、酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂、及びトナー粒子分散剤、並びに必要に応じて顔料分散剤などの添加剤を溶解、又は分散させ、混合液を得る工程、及び該混合液に該バインダー樹脂を溶解しない疎水性カチオン重合性液状モノマーを混合し、該混合液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を、顔料を内包する様に析出させる工程を含む方法が好ましい。バインダー樹脂を析出させ、得られたトナー粒子の分散液に、光重合開始剤、及び必要に応じて荷電制御剤などの添加剤を加えて、紫外線硬化型液体現像剤を得ることができる。
コアセルベーション法により、顔料以外の材料(バインダー樹脂)が溶解した混合液に、バインダー樹脂の貧溶媒である疎水性カチオン重合性液状モノマーを混合することで、顔料の周囲に顔料以外の材料が析出し、顔料を内包することができる。
上記溶剤としては、バインダー樹脂を溶解する溶剤であれば特に限定されない。例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムなどのハロゲン化物類を挙げることができる。さらに、樹脂の溶解能力がある場合には、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類であってもよい。本発明において、「バインダー樹脂を溶解する」か否かの判断は、例えば、溶剤又は疎水性カチオン重合性液状モノマー100質量部(25℃)に対し、溶解する樹脂が1質量部以下である場合に「溶解しない」と判断する。
溶剤のSP値は、好ましくは8.7以上13.8以下であり、より好ましくは8.8以上12.5以下である。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記述中において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
[測定方法]
以下に本合成例で用いられる測定方法を示す。
(1)分子量測定
本発明の実施にともなうバインダー樹脂、及びトナー粒子分散剤の分子量の測定は、バッチLS法により以下に示すように行った。
サンプル濃度が0.1%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:示差屈折率計 Wyatt Technology製 OptilabrEX
:多角度光散乱検出器 Wyatt Technology製 DAWN HELE
OS
波長:658nm
溶媒:MEK
測定温度:25℃
(2)酸価測定
本発明の実施にともなうバインダー樹脂の酸価は以下の方法により求められる。
基本操作はJIS K−0070に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
Figure 0006468947
(3)アミン価測定
本発明の実施にともなうトナー粒子分散剤のアミン価は以下の方法により求められる。
基本操作はASTM D2074に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。
4)この時のHCl溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のHClの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはHCl溶液のファクターである。
Figure 0006468947
<紫外線硬化型液体現像剤からの、トナー粒子に含まれるバインダー樹脂の酸価測定>
紫外線硬化型液体現像剤中のトナー粒子に含まれるバインダー樹脂の酸価は以下の方法により求められる。
1)紫外線硬化型液体現像剤10g程度を遠心分離し、トナー粒子を沈降させ、上澄みを廃棄する。
2)上記トナー粒子にヘキサンを加えて十分撹拌したものを遠心分離し、トナー粒子を沈降させ、上澄みを廃棄する。これを3回繰り返した後、十分に乾燥させる。
3)2)にテトラヒドロフラン10g、1mol/LのHClのエタノール溶液5gを加えて一晩放置する。これを十分撹拌したのち、遠心分離し、テトラヒドロフラン不溶成分を除去する。上澄みのテトラヒドロフラン可溶成分(バインダー樹脂及びトナー粒子分散剤の塩酸塩の混合物)を十分乾燥させる。
4)3)で得られたテトラヒドロフラン可溶成分に少量のテトラヒドロフランを加えて膨潤させたものに多量のヘキサンを加えて十分撹拌した後、遠心分離してバインダー樹脂を沈降させ、上澄みを廃棄する。これを3回繰り返した後、十分に乾燥させる。
5)4)で得られたヘキサン不溶成分を用いて、上記方法により酸価を測定する。
[実施例1]
[バインダー樹脂の製造例]
[バインダー樹脂(P−1)の製造例]
下記構造を有するバインダー樹脂(P−1)を下記の製造方法により製造した。なお、下記式中「x/y」や「x/y/z」は質量比を表す。
Figure 0006468947
まず、プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン160部、アクリル酸40部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.0部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、(P−1)を得た。
得られたものの分析結果を以下に示す。
[バインダー樹脂(P−1)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=19,930
酸価測定の結果:112mgKOH/g
[バインダー樹脂(P−2)の製造例]
バインダー樹脂(P−1)の製造例において、スチレン160部及びアクリル酸40部を、メタクリル酸メチル168部及びメタクリル酸14部とする以外は、バインダー樹脂(P−1)の製造例と同様の方法で、下記構造を有するバインダー樹脂(P−2)を得た。
Figure 0006468947
得られたものの分析結果を以下に示す。
[バインダー樹脂(P−2)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=19,730
酸価測定の結果:43mgKOH/g
[実施例2]
[トナー粒子分散剤の製造例]
[分散剤(D−1)〜(D−5)の製造例]
バインダー樹脂(P−1)の製造例において、スチレン160部及びアクリル酸40部を、所望の分散剤に応じたモノマーに変更した以外は、バインダー樹脂(P−1)の製造例と同様の方法で、下記構造で表される分散剤(D−1)〜(D−5)を製造した。
Figure 0006468947
Figure 0006468947
得られたものの分析結果を以下に示す。
[分散剤(D−1)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=12,000
アミン価測定の結果:110mgKOH/g
[分散剤(D−2)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=12,120
アミン価測定の結果:105mgKOH/g
[分散剤(D−3)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=11,150
アミン価測定の結果:25mgKOH/g
[分散剤(D−4)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=10,050
アミン価測定の結果:11mgKOH/g
[分散剤(D−5)の分析結果]
GPCの結果:重量平均分子量(Mw)=12,600
アミン価測定の結果:28mgKOH/g
[分散剤(D−6)の製造例]
下記構造を有する分散剤(D−6)を下記の製造方法により製造した。
Figure 0006468947

ディーンスターク管付きフラスコに、キシレン8部、ポリアリルアミン10%水溶液(日東紡績(株)製「PAA−01」、数平均分子量約1,600)10部を加え、160℃で水を留去しながら撹拌した。これにヘプタン酸12部、キシレン50部を160℃まで加熱したものを加え、2時間160℃で反応を行った。
得られたものの分析結果を以下に示す。
[分散剤(D−6)の分析結果]
アミン価測定の結果:28mgKOH/g
[分散剤(D−7)〜(D−11)の製造例]
分散剤(D−6)の製造例において、ヘプタン酸12部を、所望の分散剤に応じた脂肪酸に変更した以外は、分散剤(D−6)の製造例と同様の方法で、下記構造で表される分散剤(D−7)〜(D−11)を製造した。
Figure 0006468947
Figure 0006468947
得られたものの分析結果を以下に示す。
[分散剤(D−7)の分析結果]
アミン価測定の結果:10mgKOH/g
[分散剤(D−8)の分析結果]
アミン価測定の結果:5mgKOH/g
[分散剤(D−9)の分析結果]
アミン価測定の結果:3mgKOH/g
[分散剤(D−10)の分析結果]
アミン価測定の結果:40mgKOH/g
[分散剤(D−11)の分析結果]
アミン価測定の結果:62mgKOH/g
[比較例1]
[比較用分散剤の製造例]
[比較用分散剤(D−101)の製造例]
分散剤(D−6)の製造例において、ヘプタン酸12部を、吉草酸10部に変更した以外は、分散剤(D−6)の製造例と同様の方法で、下記構造で表される比較用分散剤(D−101)を製造した。
Figure 0006468947
[比較用分散剤(D−101)の分析結果]
アミン価測定の結果:52mgKOH/g
[実施例3]
[顔料分散液の製造例]
[顔料分散液(Cy−1)の製造例]
30部のピグメントブルー15:3、15部のバイロンV−280(ポリエステル樹脂、東洋紡(株)製)、180部のテトラヒドロフラン、130部のガラスビーズ(φ1mm)を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過して顔料分散液(Cy−1)を得た。
[顔料分散液(M−1)、(Y−1)及び(Bk−1)の製造例]
顔料分散液(Cy−1)において、ピグメントブルー15:3をそれぞれピグメントレッド122、ピグメントイエロー155、及びカーボンブラックに変更した以外は、顔料分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、顔料分散液(M−1)、(Y−1)及び(Bk−1)を製造した。
[顔料分散液(Cy−2)の製造例
30部のピグメントブルー15:3、15部のスチレンホモポリマー(Mw=20,000)、180部のスチレンモノマー、130部のガラスビーズ(φ1mm)を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過して顔料分散液(Cy−2)を得た。
[実施例4]
[紫外線硬化型液体現像剤の作成例]
まず、湿式粉砕法によるトナー粒子分散体を用いた紫外線硬化型液体現像剤の製造方法について例示する。
[紫外線硬化型液体現像剤(T−1)の製造例]
セパラブルフラスコ中に、バインダー樹脂としてダイヤクロンFC−1565(ポリエステル樹脂、酸価6mgKOH/g、三菱レイヨン(株)製)25部とドデシルビニルエーテル75部を投入し、スリーワンモーターで、200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり−15℃の速度で徐冷し、トナー粒子前駆体を作成した。得られたトナー粒子前駆体は、白色のペースト状であった。
60部の当該トナー粒子前駆体、5.0部のピグメントブルー15:3、0.20部のトリステアリン酸アルミニウムを、0.75部の分散剤(D−8)、及び35.45部のドデシルビニルエーテルを、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(クラシックラインP−6/フリッチュ社)に充填し、室温で4時間200rpmにて粉砕して、トナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体10部に、レシノールS−10(水素添加レシチン、日光ケミカルズ(株)製)0.10部、重合性液状モノマーとしてシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを90部、下記式(A−1)で表される光重合開始剤0.30部、KAYAKURE−DETX−S(日本化薬(株)製)1部を加え、紫外線硬化型液体現像剤(T−1)を得た。
Figure 0006468947
続いて、ミニエマルション重合法によるトナー粒子分散体を用いた紫外線硬化型液体現像剤の製造方法について例示する。
[紫外線硬化型液体現像剤(T−2)の製造例]
スチレンモノマー68部、アクリル酸7.0部、顔料分散液(Cy−2)130部、n−オクチルメルカプタン0.70部、分散剤(D−8)5部、ボントロンE−108(サリチル酸アルミニウム化合物、オリエント化学工業(株)製)2部、ジビニルベンゼン単量体0.10部を、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて5000rpmにて均一に溶解、分散し、溶解液を得た。
ビーカーにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6部、イオン交換液1000部を加えた後、上記分散液を滴下し、この系を機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により80℃で1時間混合分散させて分散液を調製した。その後、速やかに上記分散液をセパラブルフラスコに加え、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、80℃に調温した。次いで、この混合液に、過硫酸カリウム6.0gをイオン交換水250mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃で2時間加熱撹拌することで重合した後、これを30℃まで冷却することにより重合体微粒子分散液を得た。
この重合体微粒子分散液にシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル350部を加えた後、エバポレーターにより水を留去してトナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体にレシノールS−10:0.35部、光重合開始剤(A−1):0.70部、KAYAKURE−DETX−S:3.5部を加え、紫外線硬化型液体現像剤(T−2)を得た。
続いて、コアセルベーション法によるトナー粒子分散体を用いた紫外線硬化型液体現像剤の製造方法について例示する。
[紫外線硬化型液体現像剤(T−3)の製造例]
セパラブルフラスコ中に、バインダー樹脂としてダイヤクロンFC−1565:6.3部、テトラヒドロフラン(SP値9.52):22部、顔料分散液(Cy−1):11部、分散剤(D−8):2部を投入し、スリーワンモーターを用いて200rpmで撹拌しながら、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(B−1)(SP値8.53)23部を30分かけて添加した。そのまま1時間撹拌したのち、エバポレーターによりテトラヒドロフランを留去してトナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体にレシノールS−10:0.046部、光重合開始剤(A−1):0.23部、KAYAKURE−DETX−S:1.2部を加え、紫外線硬化型液体現像剤(T−3)を得た。
[紫外線硬化型液体現像剤(T−4)〜(T−21)の製造例]
紫外線硬化型液体現像剤(T−3)において、バインダー樹脂、顔料分散液、分散剤、疎水性カチオン重合性液状モノマーをそれぞれ表1に従って変更した以外は、紫外線硬化型液体現像剤(T−3)の製造例と同様の方法で、紫外線硬化型液体現像剤(T−4)〜(T−21)を製造した。
Figure 0006468947
[表中、FC−1981はダイヤクロン FC−1981(ポリエステル樹脂、酸価5mgKOH/g、三菱レイヨン(株)製)を表す。また、PB−817はアジスパーPB−817(ポリアリルアミンと12ヒドロキシステアリン酸自己縮合物との反応物、詳しくは、前記式(3)と式(5)の共重合体であり、式(5)中、Lがメチレン基、Rが−(CH10CH((CHCH)−、nが6であり、アミン価が15、味の素ファインテクノ株式会社製)を表す。また、(B−1)、(B−2)はそれぞれシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルを表す。]
[比較例2]
[比較用紫外線硬化型液体現像剤の製造例]
[比較用紫外線硬化型液体現像剤(T−101)〜(T−103)の製造例]
紫外線硬化型液体現像剤(T−3)において、バインダー樹脂、分散剤をそれぞれ表2に従って変更した以外は、紫外線硬化型液体現像剤(T−3)の製造例と同様の方法で、比較用紫外線硬化型液体現像剤(T−101)〜(T−103)を製造した。
Figure 0006468947
[表中、S13940はソルスパース 13940(ポリエチレンポリアミンと12ヒドロキシステアリン酸自己縮合物との反応物、分散剤:濃度40%、ルーブリゾール社製)である。ポリエチレンポリアミンと12ヒドロキシステアリン酸自己縮合物との反応物から得られるアミノ基は、末端のアミノ基以外は全て2級アミノ基、又は3級アミノ基である。すなわち、末端以外に1級アミノ基を有さない。また、V220は、バイロン220(ポリエステル樹脂、酸価<2mgKOH/g、東洋紡(株)製)を表す。]
[実施例5]
本発明で得た紫外線硬化型液体現像剤(T−1)〜(T−20)を下記の方法で評価した。
[分散安定性の測定]
紫外線硬化型液体現像剤を40℃で1ヶ月間保存した。保存前後のトナー粒子の粒子径をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用いて0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径として測定した。トナー粒子の分散安定性を、保存前後のトナー粒子径の比(保存後のトナー粒子径/保存前のトナー粒子径)として評価した。
以下に、分散安定性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:(保存前後のトナー粒子径の比)≦1.1
4:1.1<(保存前後のトナー粒子径の比)≦1.2
3:1.2<(保存前後のトナー粒子径の比)≦1.5
2:1.5<(保存前後のトナー粒子径の比)≦2.0
1:2.0<(保存前後のトナー粒子径の比)
[現像性の測定]
本発明で得た紫外線硬化型液体現像剤を用い、下記の方法によりにより現像を行った。装置は図1に記載のような装置を用いた。
(1)現像ローラ53C、感光ドラム52C、中間転写ローラ61Cが離間され、非接触の状態で、これらを図1の矢印の方向に回転駆動させた。このときの回転速度は250mm/secとした。
(2)現像ローラ53C及び感光ドラム52Cを押し圧一定で接触させ、前述のDC電源を用いてバイアスを設定した。現像バイアスは100〜400の範囲が望ましいため、200Vとした。
(3)感光ドラム52C及び中間転写ローラ61Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(4)均一濃度(2質量%)の現像液を製膜ローラ上に供給し、中間転写部材上の画像を評価した。
以下に、現像性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:高濃度かつ高精細な画像が得られた
4:若干の濃度ムラがある、又は若干の画像ボケが見られる
3:濃度ムラや画像ボケが目立つものの、現像されていることがわかる
2:激しい濃度ムラや画像ボケが発生し、現像不十分であった
1:現像できなかった
[定着性の測定]
25℃において、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記紫外線硬化型液体現像剤をワイヤーバー(No.6)で塗布(厚み8.0μm)し、ランプ出力120mW/cmの高圧水銀ランプにより45mJ/cm(測定波長365nm)の光量を照射して、硬化膜を形成した。硬化直後の膜表面を触指し、表面タック(粘着性)の有無を確認した。
以下に、定着性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
3:タックがまったく認められない
2:わずかにタックが認められる
1:触指時に膜がはがれる、又は硬化していない
評価結果を表3に示す。
[比較例3]
比較用紫外線硬化型液体現像剤(T−101)〜(T−103)について、それぞれトナー粒子径、現像性、定着性を実施例5と同様の方法で評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 0006468947
[表中、比較用紫外線硬化型液体現像剤(T−101)はトナー粒子分散体を得ることができなかったため、評価不能とした。]
表3から明らかなように、本発明の紫外線硬化型液体現像剤は液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性が良好であり、かつ重合性液状モノマーの重合性が良好である。また、表3から明らかなように、当該紫外線硬化型液体現像剤を、本発明で開示したコアセルベーション法によるトナー粒子分散体の製造方法により製造することで、トナー粒子の分散安定性が良好であり、かつ重合性液状モノマーの重合性が良好な紫外線硬化型液体現像剤を得ることができる。
本発明の紫外線硬化性液体組成物を使用することにより、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性が良好であり、かつ重合性液状モノマーの重合性が良好な紫外線硬化性液体
組成物を得ることができる。さらに感度が高く、低粘度で、保存安定性に優れ、安全性が高く、高い光学濃度が得られると共に画像ボケを生じにくく、充分な定着性を有する紫外線硬化型インクジェット用インク、紫外線硬化型湿式電子写真用液体現像剤、及び紫外線硬化型静電インクジェット用インクを得ることができる。
53C:現像ローラ、52C:感光ドラム、61C:中間転写ローラ

Claims (9)

  1. 疎水性カチオン重合性液状モノマー、光重合開始剤、前記液状モノマーに不溶なトナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含む紫外線硬化型液体現像剤であって、
    該トナー粒子が、酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂を含有し、
    該トナー粒子分散剤が、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位と下記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、
    該トナー粒子分散剤が、下記一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有することを特徴とする紫外線硬化型液体現像剤。
    Figure 0006468947
    [式(1)中、Kは1級アミノ基を有するユニットである。]
    Figure 0006468947
    [式(2)中、Qは、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
  2. 前記一般式(2)中、Qが置換基を有してもよい炭素数12以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数12以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数12以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数12以上のシクロアルキレン基を有するユニットである請求項1に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
  3. 前記一般式(1)で表される単量体単位が、下記一般式(1−2)で表される単量体単位である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
    Figure 0006468947
    [式(1−2)中、Aは、単結合、炭素数1〜6のアルキレン、又はフェニレンである。mは0〜3の整数である。]
  4. 前記一般式(2)で表される単量体単位が、下記一般式(4)で表される単量体単位、又は下記一般式(5)で表される単量体単位である請求項1〜3のいずれか一項に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
    Figure 0006468947
    Figure 0006468947
    [式(4)中、R は置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基である。Lは二価の連結基を表す。式(5)中、R は置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基である。nは1以上の整数を表す。Lは二価の連結基を表す。]
  5. 前記一般式(1)で表される単量体単位が下記一般式(3)で表される単量体単位であり、かつ、前記一般式(2)で表される単量体単位が下記一般式(4)で表される単量体単位である請求項1に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
    Figure 0006468947
    [式(4)中、Rは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基である。Lは二価の連結基を表す。]
  6. 前記一般式(1)で表される単量体単位が下記一般式(3)で表される単量体単位であり、かつ、前記一般式(2)で表される単量体単位が下記一般式(5)で表される単量体単位である請求項1に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
    Figure 0006468947
    [式(5)中、Rは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基である。nは1以上の整数を表す。Lは二価の連結基を表す。]
  7. 前記トナー粒子分散剤が、前記一般式(1)で表される単量体単位を末端の位置にも有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
  8. 前記トナー粒子分散剤のアミン価が2mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化型液体現像剤。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化型液体現像剤の製造方法であって、
    前記バインダー樹脂を溶解する溶剤中に、少なくとも顔料、前記バインダー樹脂、前記トナー粒子分散剤を溶解、又は分散させ、混合液を得る工程、及び
    該混合液に前記バインダー樹脂を溶解しない前記疎水性カチオン重合性液状モノマーを混合し、該混合液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を析出させる工程を含む紫外線硬化型液体現像剤の製造方法。
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