JP6318037B2 - 包装袋の検査方法および包装袋の検査装置 - Google Patents

包装袋の検査方法および包装袋の検査装置 Download PDF

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Description

本発明は包装袋の検査方法および包装袋の検査装置に係り、特に、コーヒーやお茶などの食品が充填された抽出バッグ等の製品を収容し周辺をシールした包装袋の、シール箇所に製品が噛み込んでいるか否かを検査する包装袋の検査方法および包装袋の検査装置に関するものである。
例えば、抽出バッグの製造ラインにおいて、抽出バッグの酸化を防ぐために包装袋に収容するようにしたものが知られている。このように包装袋に抽出バッグを収容する場合に包材のコストを下げるために、抽出バッグと包装袋とのクリアランスを小さくすることが好ましいが、抽出バッグと包装袋とのクリアランスが小さいと、包装袋の周縁部をシールする際に、抽出バッグを噛み込んでしまう場合がある。包装袋のシール部に抽出バッグを噛み込んでしまうと、包装袋を破いて抽出バッグを取り出す際に、抽出バッグも一緒に破いてしまうという危険性がある。そのために、抽出バッグを包装袋に収容して周縁部をシールした後に、噛み込んでいるか否かを検査装置により検査して、抽出バッグを噛み込んでシールしたものはリジェクトするようにしている。このような検査装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、物品にX線を照射する照射手段と、物品を透過したX線を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいてX線透過画像を作成する画像作成手段と、前記X線透過画像に基づいてパッケージの封止部分への内容物の噛み込みを判定する判定手段を備え、この判定手段が、前記パッケージの外縁から前記内容物の外縁までの長さを前記X線透過画像に基づいて算出し、算出された長さに基づいて前記内容物の噛み込みを判定する物品検査装置が記載されている。
特許第5324328号公報
ところで、アルミや樹脂製フィルムで製作された包装袋にX線を照射しても、包装袋が熱によって溶着されたシール領域の境界を正確に認識することはできない。前記特許文献1に記載された検査装置は、パッケージの外縁と物品外縁との距離を算出して、パッケージ内に収容された物品がシール部分に噛み込んでいるかどうかを判定している。しかしながら、この特許文献1に記載された構成では、内容物がパッケージのシール部分に接触している場合に、内容物が一緒にシールされているのか否かの判別が困難であり、判断の確実性が欠けるという問題があった。
本発明は、内部に物品が収容され、溶着シールされる領域が形成された包装袋のシール状態を検査するシール検査方法であって、物品が収容された包装袋に放射線を照射して撮影する第1撮影工程と、撮影された包装袋に衝撃を付与する工程と、衝撃が付与された包装袋に再度放射線を照射して撮影する第2撮影工程と、前記第1撮影工程で得られた第2画像と第2撮影工程で得られた第2画像から包装袋の良否を判定する良否判定工程とを有し、前記良否判定工程は、第1画像から認識された包装袋内における物品の位置と第2画像から認識された包装袋内における物品の位置とを比較し、包装袋のシール領域近傍において、位置が変わらない部分を有する物品が収容された包装袋を、シール領域に物品が噛み込んでいると判断することを特徴とするものである。
また、第2の発明は、内部に物品が収容され、溶着シールされる領域が形成された包装袋のシール状態を検査するシール検査装置であって、物品が収容された包装袋に放射線を照射する放射線照射手段と、放射線が照射された包装袋を撮影する撮影手段と、撮影された包装袋に衝撃を与える衝撃付与手段と、前記撮影手段によって得られた画像から包装袋の良否を判定する良否判定手段とを備え、前記衝撃付与手段によって衝撃を付与された包装袋に再度放射線を照射して撮影するとともに、前記良否判定手段は、前記撮影手段によって1回目に撮影した画像から認識された包装袋内における物品の位置と2回目に撮影した画像から認識された包装袋内における物品の位置とを比較し、包装袋のシール領域近傍において、位置が変わらない部分を有する物品が収容された包装袋を、シール領域に物品が噛み込んでいると判断することを特徴とするものである。
さらに、第3の発明は、内部に物品が収容され、溶着シールされる領域が形成された包装袋のシール状態を検査するシール検査装置であって、物品が収容された包装袋を搬送する搬送手段と、包装袋に放射線を照射する第1放射線照射手段と、第1放射線照射手段によって放射線が照射された包装袋を撮影する第1撮影手段と、第1撮影手段によって撮影された包装袋に衝撃を与える衝撃付与手段と、衝撃付与手段によって衝撃が付与された包装袋に再度放射線を照射する第2放射線照射手段と、第2放射線照射手段によって放射線が照射された包装袋を撮影する第2撮影手段と、第1撮影手段によって得られた第1画像と第2撮影手段によって得られた第2画像とから包装袋の良否を判定する良否判定手段とを備え、前記良否判定手段は、第1画像から認識された包装袋内における物品の位置と第2画像から認識された包装袋内における物品の位置とを比較し、包装袋のシール領域近傍において、位置が変わらない部分を有する物品が収容された包装袋を、シール領域に物品が噛み込んでいると判断することを特徴とするものである。
本発明の包装袋の検査方法は、物品が収容された包装袋を撮影した後、この包装袋に衝撃を付与し、その後、再度包装袋の撮影を行い、これら2回の撮影工程によって得られた画像を比較して、包装袋のシール領域の境界の近傍において内部の物品が移動したか否かを判断するようにしたので、外装袋に物品が噛み込んだ状態でシールされたことを確実に検出することができる。また。本発明の包装袋の検査装置は、放射線照射手段から放射線が照射された包装袋を撮影手段により撮影し、この包装袋に衝撃を付与した後、再度包装袋に放射線を照射して撮影手段により2度目の撮影を行って、2回の撮影画像を比較して包装袋の良否を判定するようにしたので、外装袋に物品が噛み込んだ状態でシールされたことを確実に検出することができる。
第1実施例における包装袋の検査装置の全体の構成を簡略化して示す概略構成図である。 包装袋の製造工程を説明する図である。 撮影画像により噛み込んでいるか否かを判断する工程を説明する図である。 第2実施例における包装袋の検査領域を示す図である。 検査領域の撮影画像を示す図である。 図5に示す撮影画像を二値化処理して得られた画像示す図である。 第3実施例における包装袋の検査装置の概略構成を示す平面図である。 第3実施例の要部を示す側面図である。
包装袋の検査装置の上流側で、充填包装装置によって三角形状の面を4つ有する四面体状の抽出バッグが製造され、次の外装袋製造装置で外装フィルム内に前記抽出バッグを挿入し、縦方向および横方向のシールを行った後切断して、抽出バッグを収容した包装袋が形成される。この包装袋が検査装置の第1搬送コンベヤ上に供給されて搬送される。第1搬送コンベヤによる包装袋の搬送経路に、搬送されている包装袋に上方からX線を照射するX線照射装置と包装袋に照射されて透過したX線を受けるラインカメラからなる第1撮影装置が配置されており、この第1撮影装置で撮影された画像を制御装置の画像処理部に送って処理し、良否判定部に送る。
第1搬送コンベヤの下流端の下方に、第2搬送コンベヤの上流部が配置されており、第1撮影装置で第1回目の撮影が行われた包装袋が、第1搬送コンベヤから第2搬送コンベヤ上に落下する。これら第1搬送コンベヤと第2搬送コンベヤとは、落下した包装袋の内部で抽出バッグが移動する程度の衝撃を与えることができる高低差を有しており、これら両搬送コンベヤの高低差が衝撃付与手段を構成している。
第1搬送コンベヤから第2搬送コンベヤに落下して衝撃を付与された包装袋が、第2搬送コンベヤに設けられている第2撮影装置により第2回目の撮影が行われる。この撮影画像も画像処理部で処理された後前記良否判定部に送られる。良否判定部では、第1回目の撮影画像と第2回目の撮影画像とを比較し、包装袋内のシール領域の境界の近傍において、収容されている抽出バッグに位置が変わらない部分がある場合には、シール領域に抽出バッグが噛み込んでいる可能性が高いと判断し、リジェクトする。また、包装袋内のシール領域の近傍において、収容されている抽出バッグに位置が変わらない部分がない場合には、シール領域に抽出バッグが噛み込んでいないので良品と判断する。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1の左側に配置された第1搬送コンベヤ2の上流側に、図示しない充填包装装置が配置されており、この充填包装装置によってコーヒーや茶が充填されてシールされた抽出バッグ4(図2参照)が形成されて、外装袋製造装置(図示せず)に送られる。外装袋製造装置では、帯状の外装フィルム6の長手方向中央部を折り曲げて、上方が開放した二つ折りの状態にし(外装フィルム6は図2の下部側6aが折り曲げられ、上部側6bが開放している)、上部側開放部6bから外装フィルム6内に前記抽出バッグ4を挿入する。その後、外装フィルム6の、抽出バッグ4を挿入した位置の前後を縦シール(縦シール位置を符号6cで示す)し、さらに、上部の開放部6bを横シール(横シール位置を符号6dで示す)した後、縦シール位置6cで切断して、抽出バッグ4が収容され周囲が密封された包装袋8(図2の右端参照)が形成される。この切断された包装袋8が本実施例に係る包装袋の検査装置1に供給される。なお、包装袋8内に収容される抽出バッグ4は、いわゆる三角パックで、三角形状の面を4つ有する四面体の形状をしており、図示しない折り畳み手段により2つ折りされて外装フィルム6へ挿入される。また、三角パックは外表面にタグTが付けられた吊し糸Sが取り付けられている。
この実施例に係る包装袋の検査装置1は、第1搬送手段(第1搬送コンベヤ2)と、この第1搬送コンベヤ2の下流端2aの下方に上流端10aが配置された第2搬送手段(第2搬送コンベヤ10)を有している。第1搬送コンベヤ2は、上流側プーリ(図示せず)と下流側プーリ12に掛け回された無端状ベルト14を有しており、このベルト14上に物品が収容された包装袋8を載せて搬送する。また、第2搬送コンベヤ10は、上流側プーリ16と下流側プーリ(図示せず)に掛け回された無端状ベルト18を有しており、このベルト18上に包装袋8を載せて搬送する。これら第1搬送コンベヤ2と第2搬送コンベヤ10とは、第1搬送コンベヤ2によって搬送されてきた包装袋8が下流端2aから下方の第2搬送コンベヤ10上に落下した際に、包装袋8内に収容されている抽出バッグ4が移動する程度の衝撃を与える高低差を有している。この実施例では、第1搬送コンベヤ2と第2搬送コンベヤ10との高低差により衝撃付与手段11が構成されている。
第1搬送コンベヤ2の包装袋搬送経路に、第1搬送コンベヤ2上を搬送されている包装袋8に放射線(この実施例ではX線)を照射して撮影する第1撮影装置20が配置されている。この第1撮影装置20は、第1搬送コンベヤ2の搬送面の上方に配置された第1X線照射装置22と、搬送面の下側に配置され、包装袋8を透過してきたX線を検出する第1ラインカメラ24を備えている。この第1撮影装置20が配置された位置のやや上流側に、第1搬送コンベヤ2上を搬送されてくる包装袋8を検出する第1センサ26が配置されており、この第1センサ26が包装袋8を検出すると、第1制御装置28の指令部30から第1X線照射装置22に指令信号が送られ、包装袋8に対しX線が照射される。第1搬送コンベヤ2による包装袋8の搬送位置は、エンコーダ32により常時検出されており、このエンコーダ32からの信号によって包装袋8が第1X線撮影装置20の位置に到達したときに、第1X線照射装置22からX線が照射される。なおラインカメラ24に代えて、エリアカメラを用いてもよい。
第1撮影手段20の第1ラインカメラ24によって検出された画像は、第1制御装置28の画像処理部34に送られ、所定の処理をされた後良否判定手段(良否判定部36)に送られる。
第1搬送コンベヤ2の下流側プーリ12の下方に第2搬送コンベヤ10の上流側プーリ16が配置されており、第1搬送コンベヤ2の下流側プーリ12を通過した包装袋8は、下方の第2搬送コンベヤ10の上流端に落下して受け取られる。この第2搬送コンベヤ10の包装袋搬送経路に、搬送されている包装袋8を撮影する第2撮影装置38が配置されている。第2撮影装置38は、第2搬送コンベヤ10の搬送面の上方に配置された第2X線照射装置40と、搬送面の下側に配置され、包装袋8を透過してきたX線を検出する第2ラインカメラ42を備えている。この第2撮影装置38の配置された位置のやや上流側に、搬送されてくる包装袋8を検出する第2センサ44が配置されており、この第2センサ44が包装袋8を検出すると、第2制御装置29の第2指令部31から第2X線照射装置40に指令信号が送られ、包装袋8に対しX線が照射される。第2搬送コンベヤ10による包装袋8の搬送位置は、エンコーダ46により常時検出されており、このエンコーダ46からの信号によって包装袋8が第2撮影装置38の位置に到達したときに、第2X線照射装置40からX線が照射される。
第2撮影装置38の第2ラインカメラ42によって検出された画像は、前記第2制御装置29の第2画像処理部35に送られ、所定の処理をされた後良否判定手段(良否判定部36)に送られる。前記第1撮影装置20から送られた映像と、同一の包装袋8を撮影した第2撮影装置38からの映像を比較して良否判定部36で判定する。良否判定部36で良品と判定された包装袋8は、そのまま第2搬送コンベヤ10によって搬送されて次の工程に送られる。また、第2搬送コンベヤ10の下流部には、リジェクト装置48が配置されており、良否判定部36で不良品であると判定された包装袋8はリジェクト信号出力部50からリジェクト装置48に送られた信号によりリジェクトされる。
この実施例装置では、抽出バッグ4を収容した包装袋8を作成する工程で、外装フィルム6の縦方向と横方向のシール6c、6dを行った後切断するようになっており、シールする際にシール領域(前記シール6c、6dを行った部分であり、図2では黒く塗りつぶしてある)に抽出バッグ4が噛み込んでいるか否かを検査する。例えば、抽出バッグ4が、図3(a)に示す状態(抽出バッグ4の角部A、B、Cが包装袋8のシール領域6c、6dに噛み込んでいない状態)で収容されているときは良品であり、噛み込んでいる場合には不良品と判断する。そのために第1撮影装置20によって一度撮影した包装袋8を、第1搬送コンベヤ2から第2搬送コンベヤ10へ落下させることにより包装袋8に衝撃を与え、その後、第2撮影装置38によって同じ包装袋8の2度目の撮影を行って、これら両画像を比較する。
第1撮影装置20による撮影画像が図3(a)であり、同一の包装袋8に衝撃を与えた後の第2撮影装置38による撮影画像が図3(b)の状態である場合、第1撮影装置20によって撮影された画像図3(a)は第1画像処理部34において抽出バッグ4の3箇所の角部A、B、Cの座標が算出され、第2撮影装置38によって撮影された画像図3(b)は第2画像処理部35において抽出バッグ4の3箇所の角部A、B、Cの座標が算出される。これらの画像データは良否判定部36に送られ、良否判定部36では、これら両画像データを比較して包装袋8内に収容されている抽出バッグ4の3箇所の角部A、B、Cがそれぞれ移動していると認識し、抽出バッグ4は包装袋8のシール領域6c、6dに全く噛み込まれていないと判断して良品と判定する。
また、第1撮影装置20により撮影した包装袋8の画像が図3(c)に示す状態であり、同一の包装袋8に衝撃を与えた後第2撮影装置38によって撮影した画像が、図3(d)に示す状態である場合、第1撮影装置20によって撮影された画像図3(c)は第1画像処理部34において抽出バッグ4の3箇所の角部A、B、Cの座標が算出され、第2撮影装置38によって撮影された画像図3(d)は第2画像処理部35において抽出バッグ4の3箇所の角部A、B、Cの座標が算出される。良否判定部36では、これら両画像データを比較し、抽出バッグ4の3箇所の角部A、B、Cのうち、2箇所の角部B、Cは移動しているが、シール領域6の近傍に位置する角部Aの座標が移動していないので、この抽出バッグ8は包帯袋8のシール領域6に噛み込んでいる可能性が高いと判定する。
図4〜図6は第1実施例と異なる画像処理を行って噛み込みを判断する第2実施例の工程を表す図である。第1実施例で説明した画像処理は第1撮影装置20と第2撮影装置38によって撮影された抽出バッグ4の画像から3箇所の座標を算出して比較を行っていたが、第2実施例では、得られた画像に検査領域を設定して検査領域内に存在する抽出バッグ4の位置により噛み込んでいるか否かを判定するものである。なお、第2実施例と第1実施例とは画像処理のみが異なり、その他の構成は同じである。
図4は検査領域を示す図であり、第1撮影装置20と第2撮影装置38で撮影された画像は、第1画像処理部34と第2画像処理部35によって検査領域が設定される。具体的には、包装袋8の外縁から所定の値内側の領域、例えば、シール領域のバラツキを考慮してシールする予定の領域に数mmほど加えた値をシール領域と設定する。なお、本実施例では、横シール領域6dの設定を5mmとし、5mmに2mmを加算して横シール領域6dの外縁から7mmの領域を横シールの検査領域としている。また、縦シール領域6cの設定を3mmとし、3mmに2mmを加算して縦シール領域6cの外縁から5mmの領域を検査領域に設定している。図4において、斜線部分が横シールおよび縦シールを合わせた検査領域であり、検査領域内に見える線L1は予想される横シールの境界線、L2は予想される縦シールの境界線を示している。第1画像処理部34と第2画像処理部35は得られた画像から検査領域を設定し、検査領域内に抽出バッグ4が存在するか否か、存在する場合はどの位置に存在するかを算出する。
第1撮影装置20による撮影画像が図5(a)であり、同一の包装袋8に衝撃を与えた後の第2撮影装置38による撮影画像が図5(b)の状態である場合、第1画像処理部34では、画像図5(a)に検査領域を設定するとともに、二値化処理を行う。図5(a)では検査領域内に抽出バッグ4がP部分とQ部分に存在しているので、二値化処理を行うと図6(a)のように抽出バッグ4が存在する部分が黒く表示される。また、第2画像処理部35においても、画像図5(b)に検査領域を設定するとともに、二値化処理を行うことにより、抽出バッグ4が存在するR部分が黒く表示された図6(b)の画像を得る。
良否判定部36では、第1画像処理部34と第2画像処理部35から送られてくる図6(a)と図6(b)の画像データを差分処理することによって、抽出バッグ4が包帯袋8内で移動しているか否かを判定する。図6(c)は図6(a)と図6(b)を差分処理した画像であるが、P部分では図6(a)の黒く表示された部分がそのまま残っており、抽出バッグ4が移動したと認識する。それに対してQ部分では、図6(a)や図6(b)で黒く表示された部分のうち、わずかな部分しか残っていないので、Q部分においては抽出バッグ4の大部分が移動していないと認識する。このように、第1撮影装置20による画像の検査領域に抽出バッグ4を認識し、第2撮影画像38による画像と差分処理した結果、抽出バッグ4に移動していない部分があると認識すると、この包装袋8内の抽出バッグ4はシール領域に噛み込んでいる可能性があると判定する。
なお、三角パックのタグTや吊し糸Sの噛み込みを検出することも可能である。また、抽出バッグ4の形状としては三角パック以外の形状の抽出バッグでもよい。
図7は、第3実施例に係る包装袋の検査装置101を示す図である。第1実施例では、第1搬送コンベヤ2上に、抽出バッグ4を収容した包装袋8を撮影する第1撮影装置20を設け、また、第2搬送コンベヤ10上に、同じ包装袋8を撮影する第2撮影装置38を設けるとともに、第1搬送コンベヤ2と第2搬送コンベヤ10との高低差を衝撃付与手段11として利用して衝撃を与えるようにしたが、この第3実施例に係る装置では、1箇所の撮影装置により2回の撮影を行うようにしている。
抽出バッグなどの製品を内部に収容した包装袋108を搬送する搬送コンベヤ102の搬送経路に、第1実施例と同様なX線照射装置とラインカメラを備えた撮影装置122が配置されており、上流側から搬送されてきた包装袋108にX線を照射するとともに撮影を行って検査画像を得る。撮影装置122の下流にはカメラ124が配置されており、搬送コンベヤ102上を搬送される包装袋108の位置を検出する。また、搬送コンベヤ102の側部に衝撃付与手段としてのロボット152が配置されており、カメラ124からの信号を基に撮影装置122による撮影(第1回目の撮影)が済んだ包装袋108を取り上げて何回か振ることにより衝撃を与える(図8参照)。
搬送コンベヤ102の撮影装置122とカメラ124が配置されている位置の下流側から上流側へ包装袋108を搬送することができるリターンコンベヤ(第1リターンコンベヤ154A、第2リターンコンベヤ154B、第3リターンコンベヤ154C)が設けられている。第1回目の撮影が済んでロボット152により衝撃を付与された包装袋108は、ロボット152によって第1リターンコンベヤ154A上に載せられ、第1リターンコンベヤ154Aによって搬送された後、第2リターンコンベヤ154Bおよび第3リターンコンベヤ154Cによって順次搬送されて、搬送コンベヤ102の前記X線照射装置122よりも上流側に戻される。
衝撃を付与された包装袋108は、撮影装置122によってX線を照射されるとともに、2回目の撮影が行われた後、今度はそのまま搬送コンベヤ102によって下流側へ搬送される。このように2回の撮影が行われた包装袋108は、図示しない画像処理部で処理された後良否判定部に送られて2回の撮影画像の比較が行われる。第1実施例や第2実施例と同様に、包装袋108の内部に収容されている抽出バッグの一部がシール領域の近傍で位置が変わらない場合には、噛み込んでいると判断し、位置が変わった場合には噛み込んでいないと判断する。
なお、第1実施例および第2実施例の画像処理において、説明の便宜上、2つに折り畳まれた抽出バッグ4が三角形を呈するとしたが、実際は三角形になることはなく、きちんと折り畳まれるとホームベースの形状になる。また、抽出バッグ4がきちんと折り畳まれない場合は、角がずれるので画像は複雑な多角形となる。
4 物品(抽出バッグ)
6c 溶着シールされる領域
6d 溶着シールされる領域
8 包装袋
11 衝撃付与手段
22 放射線照射手段(第1X線照射装置)
24 撮影手段(第1ラインカメラ)
36 良否判定手段
40 放射線照射手段(第2X線照射装置)
42 撮影手段(第2ラインカメラ)

Claims (3)

  1. 内部に物品が収容され、溶着シールされる領域が形成された包装袋のシール状態を検査するシール検査方法であって、
    物品が収容された包装袋に放射線を照射して撮影する第1撮影工程と、撮影された包装袋に衝撃を付与する工程と、衝撃が付与された包装袋に再度放射線を照射して撮影する第2撮影工程と、前記第1撮影工程で得られた第1画像と第2撮影工程で得られた第2画像から包装袋の良否を判定する良否判定工程とを有し、
    前記良否判定工程は、第1画像から認識された包装袋内における物品の位置と第2画像から認識された包装袋内における物品の位置とを比較し、包装袋のシール領域近傍において、位置が変わらない部分を有する物品が収容された包装袋を、シール領域に物品が噛み込んでいると判断することを特徴とする包装袋の検査方法。
  2. 内部に物品が収容され、溶着シールされる領域が形成された包装袋のシール状態を検査するシール検査装置であって、
    物品が収容された包装袋に放射線を照射する放射線照射手段と、放射線が照射された包装袋を撮影する撮影手段と、撮影された包装袋に衝撃を与える衝撃付与手段と、前記撮影手段によって得られた画像から包装袋の良否を判定する良否判定手段とを備え、
    前記衝撃付与手段によって衝撃を付与された包装袋に再度放射線を照射して撮影するとともに、前記良否判定手段は、前記撮影手段によって1回目に撮影した画像から認識された包装袋内における物品の位置と2回目に撮影した画像から認識された包装袋内における物品の位置とを比較し、包装袋のシール領域近傍において、位置が変わらない部分を有する物品が収容された包装袋を、シール領域に物品が噛み込んでいると判断することを特徴とする包装袋の検査装置。
  3. 内部に物品が収容され、溶着シールされる領域が形成された包装袋のシール状態を検査するシール検査装置であって、
    物品が収容された包装袋を搬送する搬送手段と、包装袋に放射線を照射する第1放射線照射手段と、第1放射線照射手段によって放射線が照射された包装袋を撮影する第1撮影手段と、第1撮影手段によって撮影された包装袋に衝撃を与える衝撃付与手段と、衝撃付与手段によって衝撃が付与された包装袋に再度放射線を照射する第2放射線照射手段と、第2放射線照射手段によって放射線が照射された包装袋を撮影する第2撮影手段と、第1撮影手段によって得られた第1画像と第2撮影手段によって得られた第2画像とから包装袋の良否を判定する良否判定手段とを備え、
    前記良否判定手段は、第1画像から認識された包装袋内における物品の位置と第2画像から認識された包装袋内における物品の位置とを比較し、包装袋のシール領域近傍において、位置が変わらない部分を有する物品が収容された包装袋を、シール領域に物品が噛み込んでいると判断することを特徴とする包装袋の検査装置。
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