JP5679611B1 - 乗客コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】スカート部の開口部と、開口部を通過する移動手摺りとの隙間に異物が入りそうな場合に、異物の種類毎の対応ができる乗客コンベアを提供する。【解決手段】スカート部11の移動手摺り通過用の開口部3に設けられ、スカート部11内部方向に力が加わると変位するインレット部材33と、インレット部材33の変位を検出する安全スイッチ36と、インレット部材33に人が近づいたことを検出する近接センサ32とを備え、近接センサ32がインレット部材33に人が近づいたことを検出し、安全スイッチ36がインレット部材33の変位を検出した場合は、踏段を急停止させ、近接センサ32がインレット部材33に人が近づいたことを検出せず、安全スイッチ36がインレット部材33の変位を検出した場合は、踏段を時間をかけて停止させる。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、乗客コンベアに関する。
乗客コンベアの幅方向両側には欄干が立設されている。欄干の下部はそれぞれスカート部に覆われている。乗客コンベアの移動手摺りは、欄干の周縁部を周回するが、欄干の下部においては、スカート部に入り込み、スカート部の内部を移動する。
ところで、移動手摺りが出入りするためにスカート部に形成された開口部の内壁と、開口部を通過する移動手摺りとの間には、隙間が存在する。この隙間に、移動手摺りの移動に引きずられて、異物が入り込むおそれがある。そこで、一般の乗客コンベアでは、スカート部に形成された開口部に、インレット部材が設けられている(例えば特許文献1参照)。このインレット部材が利用者の指等の異物で押されると、そのことが検出され、乗客コンベアが急停止する。このようにして、前記隙間に異物が入り込むことを防いでいる。
特開2008−156084号公報
しかし、乗客コンベアが急停止すると、乗客コンベアに乗っている利用者は不快に感じる。従って、急停止する必要性が低い場合は、急停止しない方が良い。そして、異物の種類によっては、開口部の内壁と移動手摺りとの間の隙間に入っても、乗客コンベアが急停止する必要性が低い。
そこで、本発明は、前記隙間に異物が入り込みそうになっている場合に、異物の種類によって異なる対応をすることができる乗客コンベアを提供することを課題とする。
実施形態の乗客コンベアは、スカート部の移動手摺り通過用の開口部の内側に設けられ、スカート部内部方向に力が加わると変位するインレット部材と、前記インレット部材の変位を検出する安全スイッチと、前記インレット部材に人が近づいたことを検出する近接センサと、前記安全スイッチ及び前記近接センサの検出に基づき移動手摺りの移動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記近接センサが前記インレット部材に人が近づいたことを検出した状態で、前記安全スイッチが前記インレット部材の変位を検出した場合は、移動手摺りを停止させる第一制御を行い、前記近接センサが前記インレット部材に人が近づいたことを検出していない状態で、前記安全スイッチが前記インレット部材の変位を検出した場合は、移動手摺りを停止させる第二制御を行い、前記第二制御による停止は、前記第一制御による停止よりも時間をかけて行われることを特徴とする。
実施形態に係るエスカレータ1の断面図。 図1のA矢視図。 スカート部11の開口部3の断面図。
乗客コンベアとしてエスカレータや動く歩道が挙げられるが、以下の実施形態ではエスカレータを例にして説明する。
(1)エスカレータ1の構造
図1は本実施形態に係るエスカレータ1の断面図である。トラス20が建物の上階側と下階側に架設されている。トラス20の上階側の機械室25と下階側の機械室26の内部には、それぞれ踏段駆動スプロケット21、22が配置されている。踏段駆動スプロケット21、22には、無端状の踏段駆動チェーン23が巻き掛けられている。踏段駆動スプロケット21は、モータや減速器を有する駆動装置24に連結され、駆動装置24の駆動により回転する。この回転により踏段駆動チェーン23及びもう一方の踏段駆動スプロケット22が駆動する。踏段駆動チェーン23には踏段2が等間隔に隙間無く連結されている。踏段駆動チェーン23が駆動することにより、これに連結された踏段2が図示しないガイドレールに沿って上階側と下階側の間を循環移動する。機械室25の内部には、エスカレータの運転を制御する制御部27が設けられている。
エスカレータ1の幅方向両側には、上階から下階にかけて、欄干10が立設されている。トラス20の内部には、移動手摺り駆動スプロケット12が設けられている。踏段駆動スプロケット21と移動手摺り駆動スプロケット12に無端状の移動手摺り駆動チェーン13が巻き掛けられている。また、欄干10の周縁部と移動手摺り駆動スプロケット12に移動手摺り14が掛けられている。踏段駆動スプロケット21が回転すると、移動手摺り駆動チェーン13及び移動手摺り駆動スプロケット12が駆動し、移動手摺り14が欄干10の周縁部に沿って上階側と下階側の間を循環移動する。欄干10の下部は、上階から下階に亘って設けられたスカート部11に覆われている。スカート部11の上階側と下階側にはそれぞれ開口部3が形成されている。移動手摺り14は、開口部3の内側を通過して、スカート部11の内部に入ったり、スカート部11の外部へ出たりする。
(2)異物検出装置30の構造
スカート部11の、移動手摺り14の移動方向の両側、すなわち上階側と下階側には、図2及び3に示す異物検出装置30がそれぞれ設けられている。
異物検出装置30は、押圧検出装置31と、近接センサ32とを備える。
押圧検出装置31の構造は次の通りである。
開口部3は、スカート部11の外部に現れている開口端3aと、開口端3aから一定距離だけスカート部11の内部方向へ連続する内壁3bとからなる。
スカート部11の開口部3の内側にインレット部材33が設けられている。インレット部材33は、開口部3の内壁3bと、開口部3の内側を通過する移動手摺り14との間の空間を埋める形状をしている。具体的には、移動手摺り14の移動方向から見たインレット部材33の断面形状は、移動手摺り14を下方から覆うように、上向きに開口したC字型をしている。また、インレット部材33は、移動手摺り14の移動方向に伸びている。移動手摺り14とインレット部材33との間には僅かな隙間が存在する。そのためインレット部材33の内方で移動手摺り14が移動できる。また開口部3の内壁3bとインレット部材33との間にも僅かな隙間が存在する。そのためインレット部材33は内壁3bに対して変位できる。インレット部材33のスカート部11の外方の端部は、開口部3の開口端3aよりスカート部11の外方へ突出している。一方、インレット部材33のスカート部11の内方の端部は、スカート部11の内部に位置している。
スカート部11内部には、板状の弾性体固定部材34が固定されている。弾性体固定部材34と、インレット部材33のスカート部11内方の端部とが、バネ35で連結されている。なお、バネ35の代わりに、ゴム等の他の弾性体が用いられても良い。スカート部11内部では、インレット部材33のスカート部11内方の端部に近接して、安全スイッチ36が設けられている。
以上の構造の押圧検出装置31では、インレット部材33がスカート部11の内方へ押されると、インレット部材33はバネ35の弾性に抗してスカート部11の内方へ変位する。すると、安全スイッチ36がインレット部材33を検出し、制御部27へ信号を送る。
なお、安全スイッチ36の具体的な構造は限定されない。例えば、インレット部材33に直接押されることによって変位を検出する押しボタンスイッチ、リミットスイッチ、スライドスイッチ等が用いられる。他にも、インレット部材33との距離を光学的に測定する距離センサや、ポテンショメータ、様々な変位検出器、等が用いられても良い。
近接センサ32は、人の体の一部が接近したことを検出するセンサである。本実施形態では、近接センサ32として静電容量センサが用いられる。近接センサ32が設けられる場所は限定されず、人の体の一部が開口部3に接近したことを検出できる場所であれば良い。本実施形態では、近接センサ32は、インレット部材33のスカート部11の外方の端部に固定されている。静電容量センサの配線は、インレット部材33の内部を通り、制御部27に接続されている。導電率の高い人の体の一部が開口部3に接近すると、静電容量センサがそのことを検出し、制御部27へ信号を送る。一方、導電率の低い傘等の物体が開口部3に接近しても、静電容量センサはそのことを検出しない。
なお、移動手摺り14の移動方向にかかわらず、上階側と下階側の異物検出装置30が共に作動可能状態にあることが望ましい。
(3)異物検出装置30の作動
以上の構造のエスカレータ1において、人の体の一部、例えば指が、インレット部材33に近づいた場合、近接センサ32がそのことを検出する。その後、人の体の一部がインレット部材33にさらに近づいていく間、近接センサ32がそのことを検出し続ける。その状態で、人の体の一部がインレット部材33を押し、インレット部材33がスカート部11内方へ変位すると、安全スイッチ36がそのことを検出する。このように、近接センサ32が人の体の一部を検出し続けている状態で、インレット部材33が押されたことを安全スイッチ36が検出した場合、制御部27は、第一制御を行うべきと判断し、その制御を行う。第一制御とは、踏段2及び移動手摺り14の移動を停止させる制御である。
また、人の体の一部以外の物、例えば傘がインレット部材33に近づいた場合、近接センサ32はそのことを検出しない。その状態で、その物がインレット部材33を押すと、インレット部材33がスカート部11内方へ変位する。インレット部材33が変位すると、安全スイッチ36がそのことを検出する。このように、近接センサ32が人の体の一部を検出していない状態で、インレット部材33が押されたことを安全スイッチ36が検出した場合、制御部27は、第二制御を行うべきと判断し、その制御を行う。第二制御とは、踏段2及び移動手摺り14を、第一制御の場合よりも時間をかけて停止させる制御である。ここで、時間をかけて、とは、踏段2及び移動手摺り14が減速を始めてから完全に停止するまでの時間をかけて、という意味である。例えば、制御部27は、踏段2及び移動手摺り14の移動の速さを徐々に遅くし、一定時間経過後に、踏段2及び移動手摺り14を完全に停止させる。
また、人の体の一部が、開口部3に接近し、かつまだインレット部材33を押していない場合に、警報を発しても良い。例えば、人の体の一部がインレット部材33に近づいたことを近接センサ32が検出し、その時点でインレット部材33が押されたことを安全スイッチ36が検出していない場合に、警報を発しても良い。また、人の体の一部がインレット部材33に近づいたことを近接センサ32が一定時間検出し続け、その一定時間内にインレット部材33が押されたことを安全スイッチ36が検出しない場合に、警報を発しても良い。警報は、ブザーやアナウンス等による聴覚的なものでも良いし、パトライト等による視覚的なものでも良い。
(4)効果
以上の構成のエスカレータ1によれば、人の体の一部、例えば指が、開口部3に接近し、インレット部材33を押した場合、踏段2及び移動手摺り14が停止する。そのため、人の体の一部が開口部3内に巻き込まれるおそれがない。
一方、人の体の一部以外の物、例えば傘が、開口部3に接近し、インレット部材33を押した場合、踏段2及び移動手摺り14が時間をかけて停止する。そのため、踏段2が急停止して、踏段2に乗っている利用者が不快に感じるおそれが無い。しかし、踏段2及び移動手摺り14は最終的に停止するため、開口部3に接近した物がスカート部11の内部深くまで巻き込まれるおそれがない。
このように、エスカレータ1は、開口部3からスカート部11内に異物が入り込みそうになっている場合に、異物の種類によって異なる対応をすることができる。
また、人の体の一部が、開口部3に接近し、かつまだインレット部材33を押していない場合に、警報が発せられれば、その人がインレット部材33を押すまでに開口部3に接近することを防ぐことができる。
人の体及び人が歩行時に身に付けたり持ったりする物の中で、人の体は、導電率が高いものの1つであると考えられる。従って、近接センサ32として静電容量センサが用いられることにより、人の体の一部が接近したことを確実に検出することができる。
本実施形態では、近接センサ32がインレット部材33のスカート部11の外方の端部に固定されているため、開口部3の内壁3bと移動手摺り14との隙間に接近する人の体の一部を確実に検出することができる。
(5)変更例
エスカレータ1は、踏段2及び移動手摺り14の移動方向が変更可能なものであっても良い。その場合、移動手摺り14の移動方向の変更に伴い、移動手摺り14がスカート部11に入る側の開口部3の異物検出装置30が検出可能な状態になり、移動手摺り14がスカート部11から出る側の開口部3の異物検出装置30が検出しない状態になるように、制御されても良い。移動手摺り14がスカート部11から出る側の開口部3には異物が入り難いため、こちら側の異物検出装置30が検出しない状態となっても問題無いと考えられ、また、これにより省エネ効果が得られるためである。
また、エスカレータ1は、踏段2及び移動手摺り14の移動方向が決まっていて変更不可能なものであっても良い。その場合、移動手摺り14がスカート部11に入る方の開口部3のみに、異物検出装置30が設けられていても良い。
近接センサ32の種類は、静電容量センサに限られない。傘等の物体が接近したことを検出せず、人の体の一部が接近したことを検出するセンサであれば良い。そのようなセンサとして、他には例えば赤外線センサが挙げられる。赤外線センサであれば、温度が高い人の体の一部を検出し、温度が低い傘等の物体を検出しないようにすることが可能だからである。
人の体の一部を近接センサ32が検出し、その後インレット部材33が押されたことを安全スイッチ36が検出した場合は、近接センサ32による最初の検出から安全スイッチ36による検出までの間、近接センサ32による検出状態が維持されたか否かにかかわらず、前記第一制御が実施されても良い。ただし、近接センサ32による最初の検出から安全スイッチ36による検出までの時間が一定時間内である場合に限り、前記第一制御が実施されることが望ましい。
以上の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以上の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。以上の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…エスカレータ、10…欄干、11…スカート部、12…移動手摺り駆動スプロケット、13…移動手摺り駆動チェーン、14…移動手摺り、2…踏段、20…トラス、21…踏段駆動スプロケット、22…踏段駆動スプロケット、23…踏段駆動チェーン、24…駆動装置、25…機械室、26…機械室、27…制御部、3…開口部、3a…開口端、3b…内壁、30…異物検出装置、31…押圧検出装置、32…近接センサ、33…インレット部材、34…弾性体固定部材、35…バネ、36…安全スイッチ

Claims (5)

  1. スカート部の移動手摺り通過用の開口部の内側に設けられ、スカート部内部方向に力が加わると変位するインレット部材と、
    前記インレット部材の変位を検出する安全スイッチと、
    前記インレット部材に人が近づいたことを検出する近接センサと、
    前記安全スイッチ及び前記近接センサの検出に基づき移動手摺りの移動を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記近接センサが前記インレット部材に人が近づいたことを検出し、その後、前記安全スイッチが前記インレット部材の変位を検出した場合は、移動手摺りを停止させる第一制御を行い、
    前記近接センサが前記インレット部材に人が近づいたことを検出していない状態で、前記安全スイッチが前記インレット部材の変位を検出した場合は、移動手摺りを停止させる第二制御を行い、
    前記第二制御による停止を、前記第一制御による停止よりも時間をかけて行う、乗客コンベア。
  2. 前記近接センサが静電容量センサである、請求項1の乗客コンベア。
  3. 前記静電容量センサが、前記インレット部材の、スカート部外部方向の先端に設けられている、請求項2の乗客コンベア。
  4. 移動手摺りの移動方向が変更可能な乗客コンベアであって、
    スカート部の移動手摺りの移動方向の両側に、前記インレット部材、前記安全スイッチ及び前記近接センサがそれぞれ設けられ、
    移動手摺りの移動方向の変更に伴い、移動手摺りがスカート部に入る側の前記安全スイッチ及び前記近接センサが検出可能な状態となり、移動手摺りがスカート部から出る側の前記安全スイッチ及び前記近接センサが検出しない状態となる、請求項1〜3のいずれか1項の乗客コンベア。
  5. 前記制御部は、前記近接センサが前記インレット部材に人が近づいたことを検出し、前記安全スイッチが前記インレット部材の変位を検出しない場合は、警報を発する、請求項1〜4のいずれか1項の乗客コンベア。
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