JP2013129524A - 乗客コンベアの安全装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ装置の異常検出時に乗客が乗り込んでも安全性の高い乗客コンベアの安全装置を提供する。
【解決手段】モータ21の駆動を制御して踏段を移動させる制御部42と、踏段の移動を制動するブレーキ装置25と、ブレーキ装置25の異常を検出する異常検出装置50と、乗客コンベアの乗降口に進入する乗客を検出する第1センサ52とを備え、制御部42は、異常検出装置50がブレーキ装置25の異常を検出するとモータ21を停止させ、その停止中に第1センサ52が乗客を検出するとモータ21を駆動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗客コンベアの安全装置に関する。
従来より、乗客コンベアの踏段の移動を制動するブレーキ装置の動作状況を監視し、ブレーキ装置の動作異常を検出する装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)
このような装置において、ブレーキ装置の動作異常を検出すると、踏段を移動させる駆動装置に設けられたモータを停止し、乗客コンベアの運転を停止させる。
しかしながら、ブレーキ装置の異常検出時には、踏段を停止位置に保持することができないため、誤って乗客が乗り込んでしまうと乗客の荷重により下降方向に踏段が移動して危険な状態となる問題がある。
特開平8−54035号公報
以上の問題に鑑みてなされたものであり、ブレーキ装置の異常時に乗客が乗り込んでも乗客コンベアから乗客を安全に搬出することができる乗客コンベアの安全装置を提供することを目的とする。
実施形態に係る乗客コンベアの安全装置は、モータの駆動を制御して踏段を移動させる制御部と、踏段の移動を制動するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置の異常を検出する異常検出装置と、乗客コンベアの乗降口に進入する乗客を検出する第1センサとを備え、前記制御部は、前記異常検出装置が前記ブレーキ装置の異常を検出すると前記モータを停止させ、その停止中に前記第1センサが乗客を検出すると前記モータを駆動することを特徴とする。
第1の実施形態に係る乗客コンベアの安全装置を概略的に示す側面図である。 第1の実施形態に係る乗客コンベアの安全装置を概略的に示す平面図である。 第1の実施形態に係る乗客コンベアの安全装置におけるセンサの検出位置を示す乗降口近傍の平面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に例示する乗客コンベア10は、本実施形態に係る乗客コンベアの安全装置(以下、安全装置という)が適用されるエスカレータである。
この乗客コンベア10は、トラス12が建物の上下階に跨って傾斜して設置され、トラス12の上階側及び下階側にそれぞれ踏段スプロケット14,16が配置されている。これらのスプロケット14,16間には、複数の踏段18が連結された踏段チェーン19が掛け渡されている。
図1及び図2に示すように、上階側のトラス12内に設けられた機械室12aには、モータ21、減速機23及びブレーキ装置25を有する駆動装置20が配設されている。
モータ21の回転軸21aには、減速機23の入力軸23aが連結されており、モータ21で発生した駆動力を減速機23に出力する。減速機23の出力軸23bには第1スプロケット22が固定されており、モータ21から出力された駆動力を増大させて減速機23の出力軸23bより出力する。第1スプロケット22は、上階側の踏段スプロケット14に固定された第2スプロケット26との間で駆動チェーン24が掛け渡されており、減速機23からの出力が第1スプロケット22及び駆動チェーン24を介して第2スプロケット26に伝達される。
駆動装置20は乗客コンベア10全体の制御を司る制御装置40内に設けられた制御部42により駆動制御され、駆動装置20の動力により駆動チェーン24を介して第2スプロケット26が回転する。これにより、第2スプロケット26に連結固定された上階側の踏段スプロケット14が回転駆動されることで、下階側の踏段スプロケット16との間に掛け渡された踏段チェーン19がガイドレール28に沿って上階側の乗降口8と下階側の乗降口9との間で循環移動し、踏段18上に乗っている利用者は下階から上階へ、又は、上階から下階へと運ばれる。
減速機23の入力軸23aには、ブレーキコイル31と、ブレーキコイル31に取り付けられたパッド33と、入力軸23aに固定されたディスク35とを備えるブレーキ装置25が設けられている。ブレーキ装置25は、制御装置40の制御部42からの指令により、ブレーキコイル31が、パッド33をディスク35に当接させて入力軸23aに制動力を付与する制動位置と、パッド33をディスク35から離間させて入力軸23aへの制動力を解除する解除位置との間を移動する。
また、駆動装置20には、ブレーキ装置25の動作異常を検出する異常検出装置50が設けられている。異常検出装置50は、ブレーキ装置25に設けられたブレーキコイル31が、制御装置40の制御部42からの指令とブレーキ装置25に設けられたブレーキコイル31の位置(制動位置、解除位置)が一致するか否か判断し、相違している場合にブレーキ装置25の異常を検出し、検出結果を制御部42へ送信する。なお、本実施形態では、異常検出装置50として、制御部42の指令とブレーキコイル31の位置とが一致するか否かによりブレーキ装置25の異常の有無を検出したが、これ以外にも、例えば、ブレーキ装置25を作動させた時の制動距離からブレーキ装置25の異常の有無を検出するなど、ブレーキ装置25の異常を検出するものであれば特に限定されない。
トラス12上部の幅方向両側には、踏段18の移動方向に沿って左右一対の欄干30が立設されており、欄干30の対向面にスピーカ27が配設されている。欄干30の外周部には、踏段18と同期して循環移動するベルト状の移動手摺32が取り付けられている。
欄干30の下側部分には、トラス12と欄干30との連結部を覆うスカート部34が上階側の乗降口8から下階側の乗降口9の間にわたって設けられている。このスカート部34の長手方向の両側、つまり、欄干30の先端部には正面スカートカバー36が設けられ、内部に第1センサ52及び第2センサ54を収納しつつスカート部34の先端部を閉塞している。
第1センサ52及び第2センサ54は、上下階側の乗降口に設けられた左右の正面スカートカバー36の内部にそれぞれ配設されており、乗客コンベア10の乗降口8,9に進入する乗客を検出するセンサであり、検出した結果を制御装置11の制御部42へ送信する。
具体的には、第1センサ52は、例えば、投光器52aと受光器52bとが対向配置された構造の透過型の光電センサであって、投光器52aから出射されて受光器52bに向かう光が、これら投光器52aと受光器52bとの間を通過する乗客によって遮られることを利用して、乗降口8,9を通過して踏段18に搭乗する直前の乗客を検出する。
第2センサ54は、第1センサ52が乗客を検出する位置より踏段18から離間する位置に進入する乗客を検出するセンサであり、例えば、不図示の受光素子と投光素子とを備える反射光検出式の乗客検出装置である。
受光素子及び投光素子は、いずれもトラス12に取付ブラケットを介して固定されており、投光方向及び受光方向が乗客の進入方向に対して所定角度だけ内方に向け、かつ、水平方向に対して所定角度だけ上方に向けて位置決め固定される。このように配置された第2センサ54は、投光素子から光が発せられ、検出対象物(すなわち、乗客)に向けて投光された光が検出対象物により反射され、その反射した光を受光素子で検出することにより、乗客の有無を検出することができるようになっている。
制御装置40は、制御部42とインバータ制御部44とインバータ回路46と負荷検出装置48を備え、インバータ制御部44及びインバータ回路46が、制御部42の指令に応じて、不図示の電源から供給される交流電流の周波数を変換して、モータ21の運転周波数を制御することで、踏段18及び移動手摺32の移動速度を制御する。負荷検出装置48は、インバータ回路46からモータ21への動力線に設けられたインバータ出力電流(負荷電流)を検出する検出手段を備え、この検出手段の検出電流からモータ21の負荷量を検出する。
本実施形態の安全装置は、制御部42と、ブレーキ装置25と、異常検出装置50と、第1センサ52とを含んで構成され、制御部42が、異常検出装置50と第1センサ52とから送信される検出結果に基づいてブレーキ装置25及びモータ21を制御する。
詳細には、異常検出装置50においてブレーキ装置25の異常を検出すると制御部42がモータ21を停止させる。
そして、異常検出装置50がブレーキ装置25の異常を検出した後であって、保守員などによりブレーキ装置25の異常が解消され制御部42へ送信された異常を知らせる信号がリセットされるまでの間のモータ21が停止している状態で、第1センサ52が乗客を検出すると、制御部42は踏段18が下階側から上階側へ通常運転時の移動速度より遅い速度で上昇運転するようにモータ21を駆動する。
以上のような本実施形態の安全装置では、ブレーキ装置25の異常により踏段18を停止位置に保持することができない場合に誤って乗客が乗客コンベア10に乗り込んでしまっても、第1センサ52により乗客を検出すると乗客コンベア10が上昇運転するようにモータ21を駆動するため、下降方向に踏段が移動して危険な状態となることを防ぐことができ、誤って乗り込んだ乗客を安全に搬出することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一あるいは対応する構成のものについては同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
第2の実施形態の安全装置は、第1の実施形態における安全装置が備える制御部42と、ブレーキ装置25と、異常検出装置50と、第1センサ52に加えて、更に、第2センサ54とスピーカ27を備える。
本実施形態の安全装置では、異常検出装置50においてブレーキ装置25の異常を検出し制御部42がモータ21を停止させた後であって、保守員などによりブレーキ装置25の異常が解消され制御部42へ送信された異常を知らせる信号がリセットされるまでの間のモータ21が停止している状態で、第2センサ54が乗客を検出すると、制御部42が所定の音声情報をスピーカ27より放送して、乗客コンベア10が使用できない状態にあることを報知する。つまり、本実施形態では、スピーカ27が乗客に異常を報知する報知装置として機能する。
そして、スピーカ27より異常を報知しても乗客が更に踏段18に近づき、第1センサ52が乗客を検出すると、上記した第1の実施形態と同様、制御部42は踏段18が下階側から上階側へ通常運転時の移動速度より遅い速度で上昇運転するようにモータ21を駆動する。
本実施形態の安全装置では、第1センサ52が乗客を検出する位置より踏段18から離間する位置に進入する乗客を第2センサ54が検出すると、スピーカ27が乗客に対して異常を報知するため、乗客が踏段18に近づく比較的早い段階で乗客コンベア10に乗り込まないように注意を促すことができ、ブレーキ装置25が異常状態にある乗客コンベア10への乗客の乗り込みを抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一あるいは対応する構成のものについては同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
本実施形態の安全装置は、第1の実施形態における安全装置が備える制御部42と、ブレーキ装置25と、異常検出装置50と、第1センサ52に加えて、更に、負荷検出装置48を備える。
本実施形態の安全装置では、異常検出装置50においてブレーキ装置25の異常を検出し制御部42がモータ21を停止させた後であって、保守員などによりブレーキ装置25の異常が解消され制御部42へ送信された異常を知らせる信号がリセットされるまでの間のモータ21が停止している状態で、第1センサ52が乗客を検出すると、制御部42は踏段18が下階側から上階側へ通常運転時の移動速度より遅い速度で上昇運転するようにモータ21を駆動する。その際、モータ21の駆動力(トルク)が負荷検出装置48で検出されたモータ21の負荷量に一致するように制御部42がモータ21の出力を制御する。
本実施形態の安全装置は、ブレーキ装置25が異常状態にある乗客コンベア10に乗客が誤って乗り込んでも、負荷検出装置48で検出されたモータ21の負荷量に一致するようにモータ21のトルクを制御するため、乗り込んだ乗客の負荷とモータ21の出力とが打ち消しあって踏段18が下階側へ移動することがなくほぼ停止した状態となり、乗客に危険が及びにくく安全に乗客コンベア10から乗客を降ろすことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
8…乗降口 9…乗降口 10…乗客コンベア 11…制御装置
12…トラス 12a…機械室 14…踏段スプロケット
16…踏段スプロケット 18…踏段 19…踏段チェーン 20…駆動装置
21…モータ 21a…回転軸 22…スプロケット 23…減速機
23a…入力軸 23b…出力軸 24…駆動チェーン 25…ブレーキ装置
26…スプロケット 27…スピーカ 28…ガイドレール 30…欄干
31…ブレーキコイル 32…移動手摺 33…パッド 34…スカート部
35…ディスク 36…正面スカートカバー 40…制御装置 42…制御部
44…インバータ制御部 46…インバータ回路 48…負荷検出装置
50…異常検出装置 52…第1センサ 54…第2センサ

Claims (4)

  1. モータの駆動を制御して踏段を移動させる制御部と、踏段の移動を制動するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置の異常を検出する異常検出装置と、乗客コンベアの乗降口に進入する乗客を検出する第1センサとを備え、
    前記制御部は、前記異常検出装置が前記ブレーキ装置の異常を検出すると前記モータを停止させ、その停止中に前記第1センサが乗客を検出すると前記モータを駆動することを特徴とする乗客コンベアの安全装置。
  2. 前記制御部は、前記異常検出装置が前記ブレーキ装置の異常を検出すると前記モータを停止させ、その停止中に前記第1センサが乗客を検出すると前記踏段を上昇させる方向へ前記モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの安全装置。
  3. 第1センサが乗客を検出する位置より前記踏段から離間した位置に進入する乗客を検出する第2センサと、乗客に異常を報知する報知装置とを備え、
    前記制御部は、前記異常検出装置が前記ブレーキ装置の異常を検出すると前記モータを停止させ、その停止中に前記第2センサが乗客を検出すると前記報知装置を動作させて乗客に異常を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベアの安全装置。
  4. 前記モータの負荷を検出する負荷検出装置を備え、
    前記制御部は、前記異常検出装置が前記ブレーキ装置の異常を検出すると前記モータを停止させ、その停止中に前記第1センサが乗客を検出すると前記モータを駆動して前記負荷検出装置が検出した負荷量に一致するトルクを発生させることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の乗客コンベアの安全装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105936468A (zh) * 2015-03-03 2016-09-14 东芝电梯株式会社 乘客输送机
JP2017114584A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 フジテック株式会社 通信抑止装置を備えた乗客コンベア
JP2019116389A (ja) * 2019-04-24 2019-07-18 フジテック株式会社 通信抑止装置を備えた乗客コンベア及び乗客コンベアの組合せ

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