JP5618898B2 - 変位検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光の干渉を利用して回折格子が配置された面の垂直な方向の変位を検出する変位検出装置に関する。
従来から、被測定面に対して垂直な方向の変位を検出する変位検出装置が広く利用されている。このような変位検出装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された変位検出装置では、周波数のわずかに異なる2つの単色光の組を2組用いて、これら各組の2光束を第1の物体及び第2の物体の各回折格子に入射させる。各組の2光束の入射方向は、光軸の両側でその光軸に対して入射角の異なる非対称な方向であって且つ組間では光軸の両側で反転対称となる方向になっている。
次に、光軸の両側における対称な位置から2ビーム以上の光ヘテロダイン干渉させた回折光を取り出す。これにより、両回折格子が配置された面に水平なX方向及び両回折格子が配置された面に垂直なZ方向の位置ずれにより生じる光路差変動量に基づいて、光ヘテロダイン検出信号の位相φxz,φxz ′を検出する。そして、位相φxz,φxz ′の2式の和と差により、両物体のX方向及びZ方向の2次元位相変動量φx ,φz を算出している。
特開平6−241728号公報
しかしながら、特許文献1に記載された変位検出装置では、光ヘテロダイン検出信号に二つの方向の変位情報が位相として同時に含まれるため、Z方向のみの変位を検出するには新たな演算手段を付加しなければならない。これにより、処理回路の複雑化、検出に関わる応答速度の低下及び分解能の低下を招いてしまう。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、回折格子が配置された面の垂直方向の変位のみを容易に検出することができる変位検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の変位検出装置は、照射光学系と、干渉光学系と、受光部と、変位検出部とを備えている。照射光学系は、回折格子の格子構造が周期的に並んでいる方向に垂直な面に対して、異なる方向から2つの光束を回折格子に入射させる。干渉光学系は、回折格子に入射された前記2つの光束うちの一方の光束が入射方向に回折したプラスm次の回折光と他方の光束が入射方向と反対方向に回折したマイナスm次の回折光とを干渉させて干渉光を生じさせる。受光部は、干渉光を受光して干渉信号を検出する。変位検出部は、干渉信号の変化から回折格子が設けられた面の垂直方向の変位を検出する。
また、別の照明光学系は、回折格子の格子構造が周期的に並んでいる方向に垂直な面に対して同一方向から異なる角度で2つの光束を前記回折格子に入射させる。この場合、干渉光学系は、前記回折格子に入射された前記2つの光束が入射方向に回折したプラスm次の回折光どうしまたは入射方向と反対方向に回折したマイナスm次の回折光どうしを干渉させて干渉光を生じさせる。
上記構成の変位検出装置では、照射光学系によって、回折格子の格子構造が周期的に並んでいる方向に垂直な面に対して、異なる角度で2つの光束を回折格子に入射させる。これにより、格子構造が周期的に並んでいる方向(X方向)へ回折格子が移動しても、回折格子に入射された各光束のM次回折光は、位相変化が同相になる。そのため、各光束のM次回折光を干渉させて得られる干渉信号に変化はない。
一方、回折格子が設けられた面が垂直方向(Z方向)へ移動すると、2つの光束の幾何学的な光路長に変化が生じ、各光束のM次回折光における位相がずれる。このとき、各光束のM次回折光における位相のずれ量が異なるため、各光束のM次回折光を干渉させて得られる干渉信号に変化が生じる。この干渉信号の変化は、回折格子が設けられた面のZ方向の変位に比例するため、干渉信号の変化から回折格子が設けられた面のZ方向の変位を検出することができる。
また、上記構成の変位検出装置では、2つの光束を用いて回折格子が設けられた面の垂直方向の変位のみを検出できる。そのため、特許文献1に開示された技術のようにX方向の変位による干渉信号の変化をキャンセルするために二つの干渉計を用いる必要がなく、1つの干渉計を備えていればよい。したがって、部品点数を削減することができ、装置の小型化を図ることができる。
本発明によれば、回折格子が配置された面の垂直方向の変位のみを容易に検出することができる。
回折格子の第1の具体例を示す説明図である。 図2A及び図2Bは回折角と回折次数の定義を示す説明図である。 本発明の変位検出装置に係る入射光と回折光の第1の例を示す説明図である。 図3に示す状態から回折格子を設けた面が垂直方向に移動したときの入射光と回折光の光路を示す説明図である。 本発明の変位検出装置に係る入射光と回折光の第2の例を示す説明図である。 図5に示す状態から回折格子を設けた面が垂直方向に移動したときの入射光と回折光の光路を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第1の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 本発明の変位検出装置の第1の実施の形態に係る第1の入射光及び第2の入射光を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第1の実施の形態に係る第1の回折光を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第1の実施の形態に係る第2の回折光を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第2の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 回折格子が設けられた面のピッチング方向又はアジマス方向への傾きを示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第2の実施の形態による干渉信号を示すグラフである。 回折格子が設けられた面がピッチング方向に傾いた場合に生じる検出誤差を示すグラフである。 回折格子が設けられた面がアジマス方向に傾いた場合に生じる検出誤差を示すグラフである。 本発明の変位検出装置の第3の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 本発明の変位検出装置の第4の実施の形態に係る入射光の入射位置を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第5の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 本発明の変位検出装置の第5の実施の形態における回折光の重なりを示す説明図である。 図19に示す面Eにおける回折光の重なりのずれを示す説明図である。 図19に示す受光面における回折光の重なりのずれを示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第6の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 本発明の変位検出装置の第6の実施の形態における回折光の重なりを示す説明図である。 図23に示す絞り部材における回折光の重なりのずれを示す説明図である。 図23に示す受光面における回折光の重なりを示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第6の実施の形態における絞り部材の変形例を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第7の実施の形態に係る受光部の受光面の例を示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第6の実施の形態において回折格子がピッチング方向へ回転した場合の回折光のずれを示す説明図である。 本発明の変位検出装置の第8の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 本発明の変位検出装置の第8の実施の形態に係る結像光学系の位置を示す説明図である。 回折格子の第2の具体例を示す説明図である。
以下、本発明の変位検出装置を実施するための形態について、図1〜図31を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
〈回折格子〉
まず、被測定面に設けられる回折格子について、図1を参照して説明する。
図1Aは、被測定面に設けられた回折格子の第1の具体例を示す平面図である。図1Bは、回折格子の第1の具体例を示す側面図である。
図1A及び図1Bに示す回折格子100は、被測定面に設けられおり、凹凸の格子構造が所定の方向へ周期的に並ぶように形成されている。以下、格子構造が周期的に並ぶ方向をX方向とし、格子ピッチをΛとする。また、回折格子100が設けられた被測定面を格子面と呼ぶ。
〈回折角と回折次数の定義〉
次に、回折角と回折次数の定義について、図2を参照して説明する。
図2A及び図2Bは、回折光の回折角と回折次数の定義を示す説明図である。
図2A及び図2Bに示すように、本開示では、回折格子100が設けられた格子面の法線Nと入射光とがなす入射角θを常にプラス(+)とする。回折光は、法線Nを基準として入射光側に回折するものを+次数とし、その回折角θをプラス(+)とする。また、法線Nを基準として入射光とは反対側に回折するものを−次数とし、その回折角θをマイナス(−)とする。
入射角θと回折角θは、下記の条件式を満たす。
Figure 0005618898
〈変位検出装置の基本原理〉
次に、変位検出装置の基本原理について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、本発明の変位検出装置に係る入射光と回折光の第1の例を示す説明図である。図4は、図3に示す格子面が垂直方向に移動したときの入射光と回折光の光路を示す説明図である。
図3に示す仮想面F1は、回折格子の格子構造が周期的に並んでいるX方向に沿った直線Sに垂直な面である。仮想面F2は、仮想面F1に垂直であって直線Sを含む面である。これら仮想面F1と仮想面F2が交わる線は、格子面の法線Nになる。また、図3に示す回折格子は、反射型の回折格子である。
入射光A1,B1は、仮想面F1に対してそれぞれ反対の方向から角度θ,θで回折格子の略同一点に入射する。入射光A1,B1は回折格子により回折され、入射光A1の+m次の回折光A2と、入射光B1の−m次の回折光B2が生じる。格子面が直線Sに沿った(+)X方向にxだけ移動すると、回折光A2の振幅Eと回折光B2の振幅Eは、次式で表される。なお、式中のAは、回折光A2の最大振幅であり、Bは、回折光B2の最大振幅である。
Figure 0005618898
上記した式(2)及び式(3)を参照すると、格子面が直線Sに沿った(+)X方向にxだけ移動しても、回折光A2及び回折光B2の位相変化は、同相になる。これにより、回折光A2,B2を干渉させても干渉信号が全く変化しないことが判る。
図4に示すように、格子面が法線Nに沿って(+)Z方向にzだけ移動すると、入射光A1の入射点は、格子面上を(+)X方向にztanθA移動する。一方、入射光B1の入射点は、格子面上を(−)X方向にztanθB移動する。また、回折光A2,B2は、それぞれ幾何学的な光路長の変化ΔLA,ΔLBを生じることにより、回折光A2´,B2´となる。これら回折光A2´,B2´の振幅E,Eは、次式で表される。
Figure 0005618898
そして、回折光A2´,B2´を混合して干渉させると、干渉信号の強度Iは、次式で表される。
Figure 0005618898
式(6)より、格子面のZ方向の変位は、干渉信号の変化として検出できることが判る。また、ΔLA−ΔLBは、次式で表される。
Figure 0005618898
上記の式(7)により、位相の変化は、格子面のZ方向の変位に比例することが判る。
図5は、本発明の変位検出装置に係る入射光と回折光の第2の例を示す説明図である。図6は、図5に示す格子面が垂直方向に移動したときの入射光と回折光の光路を示す説明図である。
入射光と回折光の第2の例では、入射光A1,B1が仮想面F1の一側(同一の側)から角度θ,θで回折格子の略同一点に入射する。入射光A1,B1は回折格子により回折され、入射光A1の+m次の回折光A2と、入射光B1の+m次の回折光B2が生じる。この場合も、第1の例と同様に、格子面が直線Sに沿ったX方向にのみ移動しても、回折光A2及び回折光B2の位相変化は、同相になり干渉信号はまったく変化しない。
図6に示すように、格子面が法線Nに沿って(+)Z方向にzだけ移動すると、入射光A1の入射点は、格子面上を(+)X方向にztanθA移動する。一方、入射光B1の入射点は、格子面上を(+)X方向にztanθB移動する。また、回折光A2,B2は、それぞれ幾何学的な光路長の変化ΔLA,ΔLBを生じることにより、回折光A2´,B2´となる。これら回折光A2´,B2´の振幅E,Eは、次式で表される。
Figure 0005618898
そして、回折光A2´,B2´を混合して干渉させると、干渉信号の強度Iは、次式で表される。
Figure 0005618898
式(10)より、格子面のZ方向の変位は、干渉信号の変化として検出できることが判る。また、ΔLA−ΔLBは、次式で表される。
Figure 0005618898
上記の式(11)により、位相の変化は、格子面のZ方向の変位に比例することが判る。上述の2つの例で説明したように、X方向に垂直な面に対して異なる角度で2つの光束を回折格子へ入射させることにより、格子面が垂直方向(Z方向)に移動したときに干渉信号が変化するようになる。そして、干渉信号の変化は、格子面のZ方向の変位に比例する。その結果、干渉信号の変化から格子面の垂直方向の変位を検出することができる。
なお、本発明に係るM次回折光とは、+m次と−m次を含むものである。つまり、入射光と回折光の第1の例(図3及び図4参照)のように、格子面の法線Nの反対側から入射光A1,B1が入射した場合は、+m次の回折光と−m次の回折光の組み合わせとなる。また、入射光と回折光の第2の例(図5及び図6参照)のように、格子面の法線Nの同じ側から入射光A1,B1が入射した場合は、2つの+m次の回折光あるいは2つの−m次の回折光の組み合わせとなる。
したがって、変位検出装置は、回折格子の格子構造が周期的に並んでいる方向に垂直な面に対して、異なる角度でそれぞれ光束を回折格子に入射させる照射光学系を備える必要がある。さらに、回折格子に入射された2つの光束のM次回折光を干渉させて干渉光を生じさせる干渉光学系と、干渉光を受光して干渉信号を検出する受光部と、干渉信号の変化から格子面の垂直方向の変位を検出する変位検出部とを備えていればよい。
〈変位検出装置の第1の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第1の実施の形態について、図7を参照して説明する。
図7は、変位検出装置の第1の実施の形態の構成を示す概略構成図である。
図7に示すように、変位検出装置1は、照射光学系2と、干渉光学系3と、受光部4と、変位検出部5と、1/4波長板7,8と、ミラー9,10を備えている。また、被測定面(格子面)には、反射型の回折格子100が設けられている。
照射光学系2は、回折格子100の格子構造が周期的に並んでいるX方向に垂直な面に対して反対の方向からそれぞれ光束を回折格子100に入射させる。この照射光学系2は、光源12と、コリメータレンズ13と、偏光ビームスプリッタ14と、ミラー15,16から構成されている。
光源12は、例えば、マルチモードの半導体レーザやLED等から構成されており、可干渉光を出射する。マルチモードの半導体レーザは、周波数が外気温に比例して変化するため、シングルモードの半導体レーザでは避けられないモードホップによる誤差を防ぐことができる。
コリメータレンズ13は、光源12と偏光ビームスプリッタ14との間に配置されており、光源12からの出射光を平行光にする。偏光ビームスプリッタ14は、コリメータレンズ13を通った光源12からの光を第1の入射光A1と第2の入射光B1の2つの光束に分割する。この偏光ビームスプリッタ14は、例えば、光源12からの光のうちのs偏光を反射し、p偏光を透過する。また、偏光ビームスプリッタ14は、光源12の偏光方向に対して45度傾けられているため、入射光A1と入射光B1の光量は、1:1となる。
ミラー15は、入射光A1を反射して回折格子100に入射させ、ミラー16は、入射光B1を反射して回折格子100に入射させる。これらミラー15,16の表面には、金属皮膜が施されている。これにより、一般的な誘電体多層膜で生じる湿度の変化による偏光や波長特性の変化を抑えることができ、安定した変位検出が可能になる。
入射光A1,B1は、ミラー15,16によって光軸方向を変えられ、回折格子100の略同一点に入射される。そして、入射光A1が回折格子100で回折されることにより+m次の回折光A2が生じ、入射光B1が回折格子100で回折されることにより、−m次の回折光B2が生じる。
ここで、入射光A1,B1の回折格子100への入射方向について、図8を参照して説明する。
図8は、変位検出装置の第1の実施の形態に係る第1の入射光及び第2の入射光を示す説明図である。
図8に示すように、直線L及び入射光A1,B1は、仮想面F3上にある。この仮想面F3は、X方向に沿った直線Sを含み格子面の法線Nに対してα度傾いた面である。この仮想面F3の傾斜角度αは、回折格子100からの0次回折光が照射光学系2や干渉光学系3等の光路に混入しない程度の角度にする。これにより、ノイズを少なくすることができ、格子面のZ方向への変位を高精度に検出することができる。
なお、仮想面F3は、格子面の法線に対して平行であってもよい。その場合は、直線Lが格子面の法線Nに一致する。
また、入射光A1,B1は、X方向に垂直な面に対して反対の方向から回折格子100上の略同一点に入射されており、入射角がそれぞれθ,θになっている。入射光A1,B1が回折格子100の略同一点に入射することにより、回折格子100の厚みや屈折率のムラによる影響が少なくなる。具体的には、後述する回折光A2と回折光B2との光路長に差が生じず、格子面のZ方向への変位をより高精度に検出することができる。
次に、回折光A2について図9を参照して説明する。
図9は、第1の回折光である回折光A2を示す説明図である。
図9に示すように、回折光A2は、仮想面F4上にあり、X方向に垂直な面に対してθ’の角度に傾いている。つまり、回折光A2の回折角は、θ’になっている。なお、仮想面F4は、X方向に沿った直線Sを含み格子面の法線に対してβ度傾いた面である。上述したように、入射角θと回折角θ’との関係は、式(1)で表される。また、傾斜角度αと傾斜角度βとの関係は、次式で表される。
Figure 0005618898
上記式(12)から判るように、θ=θ’の場合には、α=βとなり、θ≠θ’の場合には、α≠βとなる。
次に、回折光B2について図10を参照して説明する。
図10は、第2の回折光である回折光B2を示す説明図である。
図10に示すように、回折光B2は、仮想面F5上にあり、X方向に垂直な面に対してθ’の角度に傾いている。つまり、回折光B2の回折角は、θ’になっている。なお、仮想面F5は、X方向に沿った直線Sを含み格子面の法線に対してβ´度傾いた面である。入射角θと回折角θ’との関係は、上述したように、式(1)で表される。また、傾斜角度αと傾斜角度β´との関係は、傾斜角度αと傾斜角度βとの関係と同様に、次式で表される。
Figure 0005618898
上記式(13)から判るように、θ=θ’の場合には、α=β´となり、θ≠θ’の場合には、α≠β´となる。
再び図7を参照して、変位検出装置1の構成について説明に戻る。
図7に示すように、ミラー9は、回折光A2の光路上に配置されており、このミラー9と回折格子100との間に1/4波長板7が配置されている。また、ミラー10は、回折光B2の光路上に配置されており、このミラー10と回折格子100との間に1/4波長板8が配置されている。
1/4波長板7,8の光学軸は、回折格子100によって回折された回折光A2,B2の偏光方向に対して45度傾けられている。
ミラー9,10は、それぞれ回折光A2,B2の光軸に対して垂直に設けられており、回折光A2,B2を反射して回折格子100へ戻す。これらミラー9,10の表面には、ミラー15,16と同様に、金属皮膜が施されている。
ミラー9によって反射された回折光(戻り光)A2は、1/4波長板7を通過して回折格子100へ入射される。これにより、回折格子100で2回回折された2回回折光A3が生じる。
また、ミラー10によって反射された回折光(戻り光)B2は、1/4波長板8を通過して回折格子100へ入射される。これにより、回折格子100で2回回折された2回回折光B3が生じる。
干渉光学系3は、偏光ビームスプリッタ14と、上述したミラー15,16から構成されている。つまり、本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ14及びミラー15,16は、照射光学系2と干渉光学系3を兼ねている。
干渉光学系3としてのミラー15は、回折格子100で2回回折された2回回折光A3を反射して偏光ビームスプリッタ14へ導く。一方、干渉光学系3としてのミラー16は、回折格子100で2回回折された2回回折光B3を反射して偏光ビームスプリッタ14へ導く。
干渉光学系3としての偏光ビームスプリッタ14は、ミラー15,16から反射された2つの2回回折光A3,B3を重ね合わせて干渉させる。具体的には、ミラー15により反射された2回回折光A3を透過し、ミラー16により反射された2回回折光B3を反射することにより、2つの2回回折光A3,B3を干渉させる。
上述したように、1/4波長板7,8の光学軸は、回折格子100によって回折された回折光A2,B2の偏光方向に対して45度傾けられている。そのため、入射光A1を基準にして1/4波長板7を2回通過した光束である2回回折光A3は、偏光ビームスプリッタ14を透過する。また、入射光B1を基準にして1/4波長板8を2回通過した光束である2回回折光B3は、偏光ビームスプリッタ14により反射される。
受光部4は、レンズ18と、1/4波長板19と、ビームスプリッタ21と、2つの偏光ビームスプリッタ22,23と、4つの受光素子24,25,26,27から構成されている。
レンズ18は、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光を絞り、4つの受光素子24〜27の受光面上のスポットを適当な大きさにする。1/4波長板19は、2回回折光A3及び2回回折光B3の偏光面に対して光学軸が45度傾くように配置されている。そのため、1/4波長板19を通過した2回回折光A3及び2回回折光B3は、互いに逆周りの円偏光となる。この互いに逆周りの円偏光は同一光路上にあるため、重ね合わされることにより直線偏光となり、ビームスプリッタ21に入射する。
ビームスプリッタ21は、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光を2つの光束に分割する。偏光ビームスプリッタ22,23は、2回回折光A3及び2回回折光B3の両方の偏光方向に対して、その入射面が45度傾くように配置されている。したがって、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光は、偏光ビームスプリッタ22,23に対してそれぞれp偏光成分及びs偏光成分を有することになる。
例えば、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光におけるs偏光成分は、偏光ビームスプリッタ22によって反射され、第1の受光素子24により受光される。一方、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光におけるp偏光成分は、偏光ビームスプリッタ22を透過して、第2の受光素子25により受光される。第1の受光素子24で光電変換される電気信号と第2の受光素子25で光電変換される電気信号は、互いに180度位相が異なる。
また、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光におけるp偏光成分は、偏光ビームスプリッタ23を透過して、第3の受光素子26により受光される。一方、2回回折光A3と2回回折光B3との干渉光におけるs偏光成分は、偏光ビームスプリッタ23によって反射され、第4の受光素子27により受光される。第3の受光素子26で光電変換される電気信号と第4の受光素子27で光電変換される電気信号は、互いに180度位相が異なる。
本実施形態の偏光ビームスプリッタ22は、偏光ビームスプリッタ23に対して45度傾けて配置されている。そのため、第1の受光素子24と第2の受光素子25により得られる電気信号は、第3の受光素子26と第4の受光素子27により得られる電気信号に対して90度位相がずれている。
第1の受光素子24と第2の受光素子25において得られる電気信号と、第3の受光素子26と第4の受光素子27において得られる電気信号は、変位検出部5の差動増幅器(不図示)により作動増幅され、直流成分がキャンセルされた90度位相の異なる電気信号となる。そして、90度位相の異なる電気信号は、それぞれA/Dコンバータでデジタル信号に変換され、DSP(Digital Signal Processor)等の演算器に入力される。
変位検出部5の演算器は、得られた電気信号(干渉信号)の変化に基づいて、格子面のZ方向の変位を演算する。また、90度位相の異なる電気信号は、変位検出部5に設けられたパルス弁別回路(不図示)により正逆の判別が行われる。つまり、格子面が(+)Z方向と(−)Z方向のいずれに変位したのかが判別される。
本実施の形態では、入射光A1に係る光路長と入射光B1に係る光路長が等しくなっている。具体的には、光源12として可干渉距離が数百μm程度のマルチモードの半導体レーザを採用し、干渉信号のビジビリティが最大になるようにミラー15、16の位置を調整している。これにより、干渉させる2つの光束における光路長の差を小さくすることができるため、光源12の波長変動に起因する検出誤差を最小にすることができる。
次に、変位検出装置1動作について説明する。
図7に示すように、光源12から出射された出射光は、コリメータレンズ13によって平行光となり、偏光ビームスプリッタ14によって入射光A1と入射光B1に分割される。入射光A1は、ミラー15によって反射され、回折格子100に入射される。一方、入射光B1は、ミラー16によって反射され、回折格子100に入射される。このとき、入射光A1と入射光B1は、回折格子100の格子構造が周期的に並んでいるX方向に垂直な面に対して反対側から回折格子100に入射しており、それぞれの入射点が略同一になっている。
入射光A1が回折格子100で回折されると、+m次の回折光A2が生じる。この回折光A2は、1/4波長板7を通過してミラー9で反射され、再び1/4波長板7を通過して回折格子100に入射し、回折される。回折光A2が回折格子100で回折されると、2回回折光A3が生じる。この2回回折光A3は、入射光A1の光路を戻り、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
一方、入射光B1が回折格子100で回折されると、−m次の回折光B2が生じる。この回折光B2は、1/4波長板8を通過してミラー10で反射され、再び1/4波長板8を通過して回折格子100に入射し、回折される。回折光B2が回折格子100で回折されると、2回回折光B3が生じる。この2回回折光B3は、入射光B1の光路を戻り、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
ここで、2回回折光A3,B3の振幅を説明する。
2回回折光A3は、ミラー9により反射されて折り返すことにより、回折格子100で2回の回折を行っている。また、2回回折光B3は、ミラー10により反射されて折り返すことにより、回折格子100で2回の回折を行っている。そのため、回折面が(+)X方向に移動したときの2回回折光A3,B3の振幅E,Eは、次式で表される。
Figure 0005618898
式(14)及び式(15)から判るように、2回回折光A3と2回回折光B3は同相であるため、回折面が(+)X方向に移動したときに、これら2回回折光A3,B3を干渉させても干渉信号は変化しない。
次に、格子面がZ方向に移動した場合について説明する。
格子面がZ方向に移動した場合の入射光A1、B1の入射点の位置ずれは、図4に示すものと同様になるが、回折を2回行っている2回回折光A3,B3の振幅E,Eは、次式で表される。
Figure 0005618898
式(16)に示すΔLA´は、式(4)に示したΔLAの約2倍の値となる。これと同様に、式(17)に示すΔLB´は、式(5)に示したΔLBの約2倍の値となる。
このような振幅となる2回回折光A3,B3は、偏光ビームスプリッタ14によって重ね合わされて干渉する。これにより得られる干渉信号の強度Iは、次式で表され、格子面のZ方向の変位を干渉信号の変化として検出できる。
Figure 0005618898
重ね合わされた2回回折光A3,B3は、レンズ18及び1/4波長板19を通過し、互いに逆周りの円偏光になる。この互いに逆周りの円偏光は同一光路上にあるため、重ね合わされることにより直線偏光となり、干渉光としてビームスプリッタ21に入射する。2回回折光A3,B3の干渉光は、ビームスプリッタ21により分割され、それぞれ偏光ビームスプリッタ22,23に入射する。
偏光ビームスプリッタ22に入射した2回回折光A3,B3の干渉光は、s偏光成分とp偏光成分に分割される。そして、s偏光成分は第1の受光素子24に受光され、p偏光成分は第2の受光素子25に受光される。
これと同様に、偏光ビームスプリッタ23に入射した2回回折光A3,B3の干渉光は、s偏光成分とp偏光成分に分割される。そして、p偏光成分は第3の受光素子26に受光され、s偏光成分は第4の受光素子27に受光される。
各受光素子24〜27によって光電変換された電気信号は、変位検出部5に入力される。変位検出部5では、まず、第1の受光素子24と第2の受光素子25で得られた電気信号を差動増幅器によって差動増幅し、干渉信号の直流成分をキャンセルする。
そして、直流成分がキャンセルされた電気信号を、A/Dコンバータによってデジタル信号に変換し、演算器に送信する。演算器は、受信したデジタル信号に波形補正処理を行った後、例えばA相のインクリメンタル信号を生成する。
また、変位検出部5では、第3の受光素子26及び第4の受光素子27で得られた電気信号を、差動増幅器によって差動増幅し、A/Dコンバータによってデジタル信号に変換し、演算器に送信する。演算器は、受信したデジタル信号に波形補正処理を行った後、A相と位相が90度異なるB相のインクリメンタル信号を生成する。
変位検出部は、生成したインクリメンタル信号の単位時間の位相変化をカウンタによってカウントし、そのカウント値に基づいて格子面のZ方向の変位量を検出する。この変位量は、一方のインクリメンタル信号のみから検出可能であるが、本実施の形態では、位相が90度異なる2つのインクリメンタル信号を用いる。これにより、変位方向を弁別することが可能になり、また、二つの信号からAtanθを演算すること等により、大きな倍率の信号の内挿をすることが可能となり、高い分解能を得ることができる。その結果、変位量を高精度に検出することができる。
また、2つのインクリメンタル信号は、パルス弁別回路等により正逆の判別が行われる。これにより、格子面のZ方向への変位量が、プラス方向であるかマイナス方向であるかを検出できる。
また、変位検出装置1としては、EP−ROM(Erasable Programmable−ROM)等の記憶素子を備えていてもよい。外部の測定器によって測定された格子面のZ方向への変位量に係るデータを記憶素子に記憶することにより、演算器は、検出した変位量と、記憶素子に記憶された変位量に係るデータを比較して、検出値の補正をする事が可能になる。
〈変位検出装置の第2の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第2の実施の形態について、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、変位検出装置の第2の実施の形態の構成を示す概略構成図である。図12は、格子面のピッチング(Pitching)方向又はアジマス(Azimath)方向への傾きを示す説明図である。
図11に示すように、第2の実施の形態の変位検出装置31は、第1の実施の形態の変位検出装置1(図7参照)と同様の構成を有している。この変位検出装置31が変位検出装置1と異なるところは、照射光学系32のレンズ43と、回折光A2,B2の光路上にレンズ44,45を配置した点である。
照射光学系32のレンズ43は、コリメートレンズではなく、偏光ビームスプリッタ14によって分割される入射光A1,B1を回折格子100上に適当な大きさで結像させるレンズである。
また、レンズ44、45は、その焦点位置が回折格子100上に一致するように配置されている。
入射光A1が回折格子100で回折されると、+m次の回折光A2が生じる。この回折光A2は、レンズ44、1/4波長板7を通過してミラー9で反射され、再び1/4波長板7とレンズ44を通過して回折格子100に入射し、回折される。回折光A2が回折格子100で回折されると、2回回折光A3が生じる。この2回回折光A3は、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
一方、入射光B1が回折格子100で回折されると、−m次の回折光B2が生じる。この回折光B2は、レンズ45、1/4波長板8を通過してミラー10で反射され、再び1/4波長板8とレンズ45を通過して回折格子100に入射し、回折される。回折光B2が回折格子100で回折されると、2回回折光B3が生じる。この2回回折光B3は、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
ところで、回折格子100が設けられた格子面は、図12に示すピッチング(Pitching)方向とアジマス(Azimath)方向に傾く場合がある。アジマス方向は、格子構造が周期的に並ぶX方向に沿った軸を中心に格子面が回転する方向である。また、ピッチング方向は、X方向とZ方向(垂直方向)に垂直な方向に沿った軸を中心に格子面が回転する方向である。
変位検出装置31では、上記構成にしたことにより、格子面がピッチング方向やアジマス方向に傾いても、レンズ44、45の焦点位置が回折格子100上にある。そのため、回折光A2,B2は、常にミラー9に垂直に入射し、その戻り光は同一の光路を通過して回折格子100の同一の入射点に入射する。したがって、回折光A2,B2とその戻り光の光路長は、等しくなる。これにより、格子面がピッチング方向やアジマス方向に傾いても、受光素子24〜27が検出する干渉信号の低下を抑制することができる。したがって、格子面に振動やぶれ等があっても安定してZ方向の変位を検出することができる。
なお、変位検出装置31では、格子面がZ方向に移動すると、レンズ44、45の存在によりミラー9,10に反射された回折光A2,B2(戻り光)の回折格子100への入射点が、入射光A1,B1の回折格子100への入射点から少しずれる。そのため、干渉信号の強度Iは、式(14)に示すように単純にはならない。しかし、光線追跡により光路長の変化を求め、変位検出装置31で得られる干渉信号の強度Iを計算したところ、式(11)と同様にZ方向の変位に伴って位相がリニアに変化する結果が得られた。
図13に示すグラフは、光源の波長790nm、格子ピッチ1μm、入射角度θ,θB及び傾斜角度αが約2度の場合の計算結果である。この場合における干渉信号の1周期は、約4μmである。
上記条件で格子面(回折格子100)がピッチング方向に傾いた場合に生じる誤差量の計算結果を図14に示す。また、上記条件で格子面がアジマス方向に傾いた場合に生じる誤差量の計算結果を図15に示す。
図14及び図15のグラフを参照すると、格子面のZ方向の変位がゼロの場合(格子面が基準位置にある場合)は、格子面がピッチング方向及びアジマス方向に傾いても、誤差が生じないことが確認できる。また、格子面のZ方向の変位がゼロではない場合(格子面がZ方向に変位した場合)は、検出誤差が生じることが確認できる。
この場合の「検出誤差」は、格子面がZ方向に変位していないのに、格子面の傾きによって干渉信号の位相が変化することにより生じる。これは、格子面がZ方向に変位したときに格子面が傾いていると、入射光A1,B1の回折格子100上の入射点が1点に重ならなくなり、二つの光路で光路長差が生じることに起因している。
例えば、予め誤差補正テーブルを作成して記憶素子に記憶し、格子面の傾斜角度に基づいて誤差補正テーブルから適正な補正値を抽出することにより、格子面の傾きによる格子面のZ方向への変位量の誤差を補正することができる。なお、格子面の傾きは、例えば、角度センサや回転センサ等により検出できる。
〈変位検出装置の第3の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第3の実施の形態について、図16を参照して説明する。
図16は、変位検出装置の第3の実施の形態の構成を示す概略構成図である。
図16に示すように、第3の実施の形態の変位検出装置51は、第2の実施の形態の変位検出装置31(図11参照)と同様の構成を有している。この変位検出装置51が変位検出装置31と異なるところは、入射光A1の−m次の回折光A2´と、入射光B1の+m次の回折光B2´を用いる点である。
図16に示すように、レンズ44、1/4波長板7及びミラー9は、入射光A1の−m次の回折光A2´の光路上に配置されている。また、レンズ45、1/4波長板8及びミラー10は、入射光B1の+m次の回折光B2´の光路上に配置されている。
1/4波長板7,8の光学軸は、回折格子100によって回折された回折光A2´,B2´の偏光方向に対して45度傾けられている。
ミラー9,10は、それぞれ回折光A2´,B2´の光軸に対して垂直に設けられており、回折光A2´,B2´を反射して回折格子100へ戻す。
入射光A1が回折格子100で回折されると、−m次の回折光A2´が生じる。この回折光A2´は、レンズ44、1/4波長板7を通過してミラー9で反射され、再び1/4波長板7とレンズ44を通過して回折格子100に入射し、回折される。このとき、回折光A2´の戻り光の焦点は、回折格子100上にある。回折光A2´が回折格子100で回折されると、2回回折光A3´が生じる。この2回回折光A3´は、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
一方、入射光B1が回折格子100で回折されると、+m次の回折光B2´が生じる。この回折光B2´は、レンズ45、1/4波長板8を通過してミラー10で反射され、再び1/4波長板8とレンズ45を通過して回折格子100に入射し、回折される。このとき、回折光B2´の戻り光の焦点は、回折格子100上にある。回折光B2´が回折格子100で回折されると、2回回折光B3´が生じる。この2回回折光B3´は、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
変位検出装置51において格子面がZ方向に移動したときの干渉信号と、変位検出装置31において格子面がZ方向に移動したときの干渉信号とは、位相の変化方向が反対になる。つまり、変位検出装置51では、図13に示すグラフの傾きが反対になる。しかし、本実施の形態の変位検出装置51と、第2の実施の形態の変位検出装置とは、格子面の傾きにより生じるZ方向への変位量の誤差は、同じになる。
〈変位検出装置の第4の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態の変位検出装置は、第2の実施の形態の変位検出装置31と、第3の実施の形態の変位検出装置51から構成される。
変位検出装置31における入射光の回折格子100への入射点は、変位検出装置51における入射光の回折格子100への入射点と一致している。例えば、変位検出装置31における入射光は、図7に示す仮想面F3側から入射され、変位検出装置51における入射光は、図7に示す仮想面F4側から入射されている。
また、変位検出装置31における入射光の入射角θ,θは、変位検出装置51における入射光の入射角θ,θと同一になっている。
第3の実施の形態の説明で記載したように、変位検出装置31と変位検出装置51とは、格子面がZ方向に移動したときの干渉信号における位相の変化方向が反対になる。そして、格子面の傾きにより生じるZ方向への変位量の誤差は、同じになる。
したがって、変位検出装置31により検出される干渉信号の位相と、変位検出装置51により検出される干渉信号の位相の差を演算し、その演算結果から格子面のZ方向の変位量を検出する。これにより、格子面の傾きにより生じる変位量の誤差成分をキャンセルすることができる。
次に、第4の実施の形態の変位検出装置の変形例について、図17を参照して説明する。
図17は、変形例に係る入射光の入射位置を示す説明図である。
格子面がピッチング方向に傾いた場合に生じる誤差は、格子面がアジマス方向に傾いた場合に生じる誤差よりも大きくなる(図14及び図15参照)。
そこで、変形例では、格子面がピッチング方向に傾いた場合に生じる誤差のみをキャンセルする。この場合は、図17に示すように、変位検出装置31における入射光の入射点P1と、変位検出装置51における入射光の入射点P2を、X方向とZ方向に垂直な方向に離なす。これにより、格子面がピッチング方向に傾いても、入射点P1,P2において、2つの入射光が重なるため、格子面のZ方向への変位の検出に誤差は生じない。
〈変位検出装置の第5の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第5の実施の形態について、図18を参照して説明する。
図18は、変位検出装置の第5の実施の形態の構成を示す概略構成図である。
図18に示すように、第5の実施の形態の変位検出装置61は、第1の実施の形態の変位検出装置1(図7参照)と同様の構成を有している。この変位検出装置61が変位検出装置1と異なるところは、照射光学系62と、干渉光学系63である。
変位検出装置61は、照射光学系62と、干渉光学系63と、受光部4と、変位検出部5を備えている。また、被測定面には、反射型の回折格子100が設けられている。
照射光学系62は、回折格子100の格子構造が周期的に並んでいるX方向に垂直な面の一側からそれぞれ光束を回折格子100に入射させる。この照射光学系62は、光源12と、コリメータレンズ13と、ビームスプリッタ64と、ミラー15,16から構成されている。
本例の光源12は、例えば、マルチモードの半導体レーザであり、P偏光の光を出射する。コリメータレンズ13は、光源12からの出射光を平行光にする。ビームスプリッタ64は、コリメータレンズ13を通った光源12からの光を第1の入射光A1と第2の入射光B1の2つの光束に分割する。このビームスプリッタ64は、例えば、ハーフミラーであり、入射光A1と入射光B1の光量が1:1となる。
ミラー15は、入射光A1を反射して回折格子100に入射させ、ミラー16は、入射光B1を反射して回折格子100に入射させる。入射光A1,B1は、ミラー15,16によって光軸方向を変えられ、X方向に垂直な面の一側からそれぞれ回折格子100の略同一点に入射される。そして、入射光A1が回折格子100で回折されることにより+m次の回折光A2が生じ、入射光B1が回折格子100で回折されることにより、+m次の回折光B2が生じる。
干渉光学系63は、ミラー65,66と、ダミーガラス67と、1/2波長板68と、偏光ビームスプリッタ69から構成されている。
ミラー65は、回折格子100で回折され回折光A2を反射して偏光ビームスプリッタ69へ導く。また、ミラー66は、回折格子100で回折された回折光B2を反射して偏光ビームスプリッタ69へ導く。これらミラー65,66の角度は、偏光ビームスプリッタ69を通過後の回折光A2,B2が正確に重なるように調整される。
ダミーガラス67は、ミラー66と偏光ビームスプリッタ69との間に配置されており、1/2波長板68と略同一の光路長となるように厚さが設定されている。回折光B2は、ダミーガラス67を通過し、偏光方向が変わらずにp偏光として偏光ビームスプリッタ69に入射する。
1/2波長板68は、ミラー65と偏光ビームスプリッタ69との間に配置されており、回折光A2の偏光方向を90度回転させる。つまり、回折光A2は、1/2波長板68を通過することにより、p偏光からs偏光になる。
偏光ビームスプリッタ69は、1/2波長板68を通過したs偏光の回折光A2を反射し、ダミーガラス67を通過したp偏光の回折光B2を透過することにより、2つの回折光A2,B2を重ね合わせて干渉させる。
なお、受光部4及び変位検出部5については、第1の実施の形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
次に、変位検出装置61動作について説明する。
図18に示すように、光源12から出射された出射光は、コリメータレンズ13によって平行光となり、ビームスプリッタ64によって入射光A1と入射光B1に分割される。入射光A1は、ミラー15によって反射され、入射角度θで回折格子100に入射される。一方、入射光B1は、ミラー16によって反射され、入射角度θで回折格子100に入射される。
つまり、入射光A1と入射光B1は、回折格子100の格子構造が周期的に並んでいるX方向に垂直な面に対して異なる角度で回折格子100に入射しており、それぞれの入射点が略同一になっている。
入射光A1が回折格子100で回折されると、+m次の回折光A2が生じる。この回折光A2は、X方向に垂直な面に対してθ’の角度に傾いている。つまり、回折光A2の回折角は、θ’になっている。回折光A2は、ミラー65で反射され、ダミーガラス68を通過して偏光ビームスプリッタ69に入射する。
一方、入射光B1が回折格子100で回折されると、+m次の回折光B2が生じる。この回折光B2は、X方向に垂直な面に対してθ’の角度に傾いている。つまり、回折光B2の回折角は、θ’になっている。回折光B2は、ミラー66で反射され、1/2波長板67を通過して偏光ビームスプリッタ69に入射する。
回折光A2,B2は、偏光ビームスプリッタ69によって重ね合わされて干渉する。重ね合わされた回折光A2,B2は、受光部4のレンズ18及び1/4波長板19を通過し、互いに逆周りの円偏光になる。
その後の受光部4及び変位検出部5の動作については、第1の実施の形態と同様である。つまり、変位検出部は、生成したインクリメンタル信号の単位時間の位相変化をカウンタによってカウントし、そのカウント値に基づいて格子面のZ方向の変位量を検出する。
本実施の形態の変位検出装置61において、格子面がZ方向に移動した場合の回折光A2,B2の振幅E,Eは、上述の式(8),(9)で表される。そして、干渉信号の強度Iは、式(10)で表される。
ところで、回折格子の周期Λが小さくなり入射光の波長λに近づいてくると、回折光の回折効率が入射光の偏光方向に依存するようになる。そして、p偏光の入射光に対して高い回折効率を示すようになる。本実施の形態では、入射光A1及び入射光B1をp偏光にしたため、高い回折効率を得ることができ、高い分解能の変位検出を行うことができる。
図19Aは、変位検出装置61における回折光の重なりのずれを示す説明図である。図19Bは、図19Aに示すD部の拡大図である。なお、図19A及び図19Bでは、レンズ18から各受光素子24〜27の受光面までの構成要素を省略して、回折光A2,B2の重なりのずれをわかり易く示している。
図20は、図19Bに示す面Eにおける回折光A2,B2の重なりのずれを示す説明図である。図21は、図19Bに示す受光面における回折光A2,B2の重なりのずれを示す説明図である。
図19〜図21に示すように、変位検出装置61では、格子面(回折格子100)がZ方向へ移動した場合に、回折光A2,B2の重なりにずれが生じる。これにより、干渉信号が小さくなるため、検出可能なZ方向の範囲が狭くなってしまう。
本実施の形態では、光源12としてマルチモードの半導体レーザを適用した。これにより、シングルモードの半導体レーザでは避けられないモードホップによる誤差を防ぐことができる。また、マルチモードの半導体レーザは、シングルモードの半導体レーザに比べ可干渉距離が短いため、干渉信号のビジビリティーを最大にすることができる。これにより、干渉させる二つの回折光A2,B2の光路長差を最小にすることが可能となり、半導体レーザの発信波長の変化による誤差発生を軽減することができる。
なお、マルチモードの半導体レーザを適用した場合の可干渉距離は、式(11)で示されるΔLA-ΔLBよりも十分長い必要がある。なぜなら、可干渉距離がΔLA-ΔLBより短いとΔLA-ΔLBにより生じる光路長差によって干渉信号が大きく低下してしまうからである。
また、本発明に係る光源としては、モードホップが発生しないDFB(Distributed Feedback)レーザあるいはDBR(Distributed Bragg Reflector)レーザを用いることも有効である。なお、DFBレーザ及びDBRレーザは可干渉距離が長いため、事前に可干渉距離の短い光源を用いて光路を調整しておくか、DFBレーザあるいはDBRレーザの温度を精密に制御して波長変動による誤差を防ぐことが必要になる。
〈変位検出装置の第6の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第6の実施の形態について、図22を参照して説明する。
図22は、変位検出装置の第6の実施の形態の構成を示す概略構成図である。
第6の実施の形態の変位検出装置71は、第5の実施の形態の変位検出装置61の問題点(図19〜図21参照)を改善するものである。変位検出装置71は、第5の実施の形態の変位検出装置61(図18参照)と同様の構成を有している。この変位検出装置71が変位検出装置61と異なるところは、絞り部材72を備えることである。
図22に示すように、絞り部材72は、偏光ビームスプリッタ69とレンズ18との間に配置されている。絞り部材72の開口は、円形に形成されており、格子面(回折格子100)がZ方向へ移動しても回折光A2,B2の重なっている部分のみが通過可能な径に設定されている。
なお、絞り部材72は、開口の大きさを調整可能なものであってもよい。
図23Aは、変位検出装置71における回折光の重なりのずれを示す説明図である。図23Bは、図23Aに示すD部の拡大図である。なお、図23A及び図23Bでは、レンズ18から各受光素子24〜27の受光面までの構成要素を省略して、回折光A2,B2の重なりのずれをわかり易く示している。
図24は、図23A及び図23Bに示す絞り部材72における回折光A2,B2の重なりのずれを示す説明図である。図25は、図23A及び図23Bに示す受光面における回折光A2,B2の重なりを示す説明図である。
図23及び図24に示すように、絞り部材72を通過する前の回折光A2,B2は、重なりにずれが生じている。そして、絞り部材72は、回折光A2,B2の重なった部分のみを通過させる。
その結果、受光面には、回折光A2,B2の重なった部分のみが入射する。これにより、変位検出装置71では、第5の実施の形態の変位検出装置61よりも広い範囲で干渉信号の大きさを一定にすることができるため、検出可能なZ方向の範囲を広くすることが可能となる。
なお、絞り部材72における回折光A2,B2は、必要な測定範囲で十分な重なり部分を確保できる程度の大きさが必要であり、回折光A2,B2の強度分布はフラットであることが望ましい。また、回折光A2,B2がガウシアン分布を有するような光束の場合は、ホモジナイザーを用いることにより、回折光A2,B2をトップハットの分布になるように変換することも有効である。
また、絞り部材72の位置は、偏光ビームスプリッタ69とレンズ18との間に限定されるものではなく、回折格子100と受光素子との間に配置されていればよい。
図26Aは、絞り部材の第1の変形例を示す説明図である。図26Bは、絞り部材の第2の変形例を示す説明図である。
図26Aに示す絞り部材74は、開口が楕円形に形成されている。また、図26Bに示す絞り部材75は、開口が長方形に形成されている。これら絞り部材74,75の開口は、回折光A2,B2の重なり合う部分に応じた大きさの楕円形又は長方形に形成されている。これにより、回折光A2,B2の重なり合う部分を絞り部材72よりも多く通過させることができ、絞り部材72よりも大きな干渉信号を得ることができる。
なお、図26A及び図26Bに示す絞り部材74,75では、開口を楕円形又は長方形にしたが、本発明に係る絞り部材は、回折光A2,B2の重なっている部分のみが通過可能な開口を有していればよく、開口の形状は適宜設定することができる。
〈変位検出装置の第7の実施の形態〉
次に、変位検出装置の第7の実施の形態について、図27を参照して説明する。
図27Aは、変位検出装置の第7の実施の形態に係る受光素子の第1の例を示す説明図である。図27Bは受光素子の第2の例を示す説明図であり、図27Cは受光素子の第3の例を示す説明図である。
第7の実施の形態の変位検出装置は、第5の実施の形態の変位検出装置61の問題点(図19〜図21参照)を改善するものである。第7の実施の形態の変位検出装置が変位検出装置61と異なるところは、受光素子のみである。そのため、ここでは、第7の実施の形態に係る受光素子について説明する。
図27Aに示す受光素子81は、円形の受光面81aを有している。この受光面81aは、回折光A2,B2の重なる合う部分よりも小さくなる径に設定されている。このような受光面81aは、第6の実施の形態に係る絞り部材の設置と等価であるため、第6の実施の形態と同様に、検出可能なZ方向の範囲を広くすることができる。
図27Bに示す受光素子82は、楕円形の受光面82aを有している。また、図27Cに示す受光素子83は、長方形の受光面83aを有している。受光素子82,83の受光面82a,83aは、回折光A2,B2の重なる合う部分よりも小さくなる大きさに設定されている。これにより、回折光A2,B2の重なり合う部分を受光素子81よりも多く受光することができ、受光素子81よりも大きな干渉信号を得ることができる。
なお、本発明に係る受光素子の受光面は、回折光A2,B2の重なっている部分のみを受光可能な面積を有していればよく、受光面の形状は適宜設定することができる。
〈変位検出装置の第8の実施の形態〉
まず、第6の実施の形態の変位検出装置71において回折光A2,B2がずれる現象について、図28を参照して説明する。
図28Aは、変位検出装置71において格子面(回折格子100)がピッチング方向へ回転した場合の回折光のずれを示す説明図である。図28Bは、図28Aに示すD部の拡大図である。なお、図28A及び図28Bでは、レンズ18から各受光素子24〜27の受光面までの構成要素を省略して、回折光A2,B2の重なりのずれをわかり易く示している。
図28A及び図28Bに示すように、変位検出装置71では、格子面(回折格子100)がピッチング方向へ回転すると、各回折光A2,B2が異なる角度で絞り部材72の開口を通過することになる。そのため、受光素子24〜27における受光面上では、回折光A2,B2にずれが生じてしまう。その結果、受光素子24〜27で得られる干渉信号が小さくなり、格子面のZ方向の変位検出が難しくなる。
次に、変位検出装置の第8の実施の形態について、図29及び図30を参照して説明する。
図29は、本発明の変位検出装置の第8の実施の形態の構成を示す概略構成図である。図30は、本発明の変位検出装置の第8の実施の形態に係る結像光学系の位置を示す説明図である。なお、図29では、レンズ18から各受光素子24〜27の受光面までの構成要素を省略して、回折光A2,B2の重なりをわかり易く示している。
第8の実施の形態の変位検出装置91は、第6の実施の形態の変位検出装置71の問題点(図28参照)を改善するものである。変位検出装置91が変位検出装置61と異なるところは、レンズ18が本発明に係る結像光学系として機能することある。
レンズ18は、絞り部材72における回折光A2,B2の像を受光面に結ぶ位置に配置されている。したがって、絞り部材72の開口を適当な角度で通過した回折光A2,B2は、受光面における絞り部材72の像位置に入射する。その結果、受光面における回折光A2,B2の重なりおよび波面のずれが生じないため、格子面(回折格子100)がピッチング方向へ回転しても干渉信号が低下しないようにすることができる。そして、検出可能なZ方向の範囲を確保することができる。
なお、波面とは、回折光A2,B2の光束内で位相の等しい面のことである。この波面がずれると、干渉させる回折光A2,B2内で位相差が生じるため、干渉信号が低下する。
図30に示すように、絞り部材72からレンズ18の一方の主平面までの距離をs、その空間の屈折率をn、レンズ18の他方の主平面から受光面までの距離をs´、その空間の屈折率をn´とする。なお、主平面とは、レンズの主点を含む面である。したがって、距離sは、絞り部材72からレンズ18の一方の主点までの距離であり、距離s´は、レンズ18の他方の主点から受光面までの距離である。
また、レンズ18の絞り部材72側の焦点距離をf、レンズ18の受光素子24〜27側の焦点距離をf´とする。この場合の絞り部材72、レンズ18及び受光素子24〜27の受光面の位置関係は、次式により示される。
Figure 0005618898
上記式(19)は、近似式であるため、実際には光線追跡等で回折光A2,B2のずれが最小になるレンズ18の位置を調整する。また、開口絞り72における開口の形状は、適宜決定することができ、第6の実施の形態の変位検出装置71と同様に、楕円形や長方形にすることで干渉信号を増大させることができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態では、回折格子の格子構造が直線状に並んだ回折格子100(図1参照)を例にあげて説明した。しかしながら、本発明に係る回折格子は、図31に示す回折格子101のように、格子構造が2次元に繰り返し分布しているものであってもよい。この場合は、Λ,Λのように格子構造の周期が複数存在するので、そのうちのいずれかを回折格子のピッチとして採用すればよい。
また、上述した実施の形態では、反射型の回折格子を用いた場合で説明したが、本発明では、透過型の回折格子を用いることもできる。また、本発明では、明暗を記録した振幅型の回折格子、屈折率変化や形状変化を記録した位相型の回折格子を用いてもよく、回折格子の種類は限定されない。
1,31,51,61,71,91…変位検出装置、2,32,62…照射光学系、3,63…干渉光学系、4…受光部、5…変位検出部、7,8,19…1/4波長板、9,10,15,16,65,66…ミラー、12…光源、13…コリメータレンズ、14,22,23,69…偏光ビームスプリッタ、18,43,44,45…レンズ、21,64…ビームスプリッタ、24…第1の受光素子、25…第2の受光素子、26…第3の受光素子、27…第4の受光素子、67…1/2波長板、68…ダミーガラス、72,74,75…絞り部材、81,82,83…受光素子、81a,82a,83a…受光面、100,101…回折格子、A1,B1…第1の入射光、A2,B2…回折光、A3,B3…2回回折光、F1,F2,F3,F4,F5…仮想面、P1,P2…入射点

Claims (5)

  1. 回折格子の格子構造が周期的に並んでいる方向に垂直な面に対して異なる方向から2つの光束を前記回折格子に入射させる照射光学系と、
    前記回折格子に入射された前記2つの光束うちの一方の光束のプラスm次の回折光と他方の光束のマイナスm次の回折光とを干渉させて干渉光を生じさせる干渉光学系と、
    前記干渉光を受光して干渉信号を検出する受光部と、
    前記干渉信号の変化から回折格子が設けられた面の垂直方向の変位を検出する変位検出部と、
    を備える変位検出装置。
  2. 回折格子の格子構造が周期的に並んでいる方向に垂直な面に対して同一方向から異なる角度で2つの光束を前記回折格子に入射させる照射光学系と、
    前記回折格子に入射された前記2つの光束のプラスm次の回折光どうし、またはマイナスm次の回折光どうしを干渉させて干渉光を生じさせる干渉光学系と、
    前記干渉光を受光して干渉信号を検出する受光部と、
    前記干渉信号の変化から回折格子が設けられた面の垂直方向の変位を検出する変位検出部と、
    を備える変位検出装置。
  3. 前記回折格子と前記受光部との間の光路中に配置され、前記光束の幅よりも小さい開口を有する絞り部材を備える請求項1または2に記載の変位検出装置。
  4. 前記干渉光の像を前記受光部の受光面に結像させる結像光学系を備える請求項1〜3の何れかに記載の変位検出装置。
  5. 前記受光部は、前記光束の幅よりも小さい受光面を有する請求項1〜4の何れかに記載の変位検出装置。
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