JP4918290B2 - パルプモールド緩衝材 - Google Patents

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Description

本発明は、被梱包物を梱包する際に使用する緩衝材、特に、パルプモールドから構成されたパルプモールド緩衝材に関する。
従来、給湯器やガステーブル等の製品を梱包する際に使用される緩衝材として、発泡スチロール製の成型体や段ボールを折り畳んでなる組立体等が使用されてきたが、近年、廃棄処分の問題や自然環境の保護の観点から、資源の再利用として、新聞紙等の古紙を主原料とするパルプモールドからなる梱包材が注目されている。
パルプモールドは、金型を用いることにより、様々な形状に成型可能であり、例えば、図9に示すように、板状体(20)の一方の面(2a)側に、先端に向って縮径する中空キャップ状の突起部(21)を一体的に複数個並列するように突出させた構成のパルプモールド緩衝材(2)として、特許文献1に示すものがある。
このものでは、複数の突起部(21)で被梱包物を点状に支えることにより、良好なクッション性が得られると共に、被梱包物の重量に見合った数の突起部(21)を板状体(20)に設けることにより、充分な剛性も期待できる。
又、突起部(21)と突起部(21)との間を通り且つ相互に直交する2本の折り曲げ線(22)に沿って折り曲げれば、同図に示すように、立体構造に組み立て可能であり、箱状の被梱包体のコーナ部の保護も可能となる。
特開2005−350122号公報 特開2005−263231号公報
しかしながら、上記従来のパルプモールド緩衝材では、折り曲げて、図9に示すような立体構造体を構成しても、材料自体の持つ反発力によって、元の板状に戻ってしまい、立体形状を保持することが困難である。立体構造体を保持するために、粘着テープ等で固定することが考えられるが、余分なコストと手間がかかる上に、廃棄物が増えるという問題がある。
又、予め、立体構造体に製造しておくことも可能であるが、立体構造体のままでは、積層効率が悪く、在庫の保管時や運搬時に嵩高になるといった不都合がある。
本発明はかかる点に鑑みて成されたものであり、『パルプモールド製の板状体から中空の突起部を複数突出させた構成のパルプモールド緩衝材であって、前記板状体を折り曲げることによって立体的に組み立て可能としたパルプモールド緩衝材』において、立体構造体への組み立てを容易とすると共に、組み立て後の立体形状を確実に保持できるようにすることを課題とする。
(1)請求項1に係る発明のパルプモールド緩衝材は、『前記板状体の一辺から所定長さ切り込んで前記一辺に開放する切り込み線を形成し、
前記切り込み線と同一線上に連続するように、第1折り曲げ線が設けられると共に、前記切り込み線の閉塞端部を通り且つ前記第1折り曲げ線に直角な第2折り曲げ線が形成され、
前記切り込み線の両側に位置する各部分を第1、第2緩衝部とすると共に、これら第1、第2緩衝部は、前記立体的に組み立てた状態にて、全域的に重なり合って二重構造を形成する構成とし、
前記第1、第2緩衝部の一方には、両者を重ね合わせたときに、他方に設けられている前記突起部の全てに係合する係合部が設けられ
前記突起部は、先端に向かって縮径されるキャップ状に形成され、
前記係合部は、前記突起部に内嵌可能な大きさ形状の小突起とし、
前記第1、第2折り曲げ線に沿って前記板状体を折り曲げる折り曲げ方向は、前記突起部及び前記小突起が全て外側に突出する方向に設定されていることを特徴とする。
切り込み線と、これに続く第1折り曲げ線と、これらに対して直角な第2折り曲げ線によって、板状体は複数の構成部分に分けられる。第2折り曲げ線よりも切り込み線側で且つ切り込み線の両側に位置する2つの部分をそれぞれ第1、第2緩衝部とすると共に、第1緩衝部に第2折り曲げ線を介して連なる部分を、例えば、第3緩衝部とし、第2緩衝部に第2折り曲げ線を介して連なる部分を、例えば、第4緩衝部とし、第1緩衝部と第3緩衝部、第2緩衝部と第4緩衝部、さらに、第3緩衝部と第4緩衝部とがそれぞれ直角に位置するように、第1、第2折り曲げ線を同じ方向に折り曲げる。これにより、第1、第2緩衝部が全域的に重なり合い、この重なり合った部分と、これに対して直角に位置する前記第3、第4緩衝部から立体構造体が構成される。このとき、第1、第2緩衝部の一方に設けられている突起部に、他方に設けられている係合部の全てを係合させることにより、第1、第2緩衝部は重なり合った状態に保持され、前記突起部と係合部との係合を意図的に解除しない限り、前記立体構造体はその形状を維持することができる。
又、板状体を第1、第2折り曲げ線に沿って折り曲げ易くするために、後述の請求項2に係る発明のパルプモールド緩衝材のように、第1、第2折り曲げ線に沿って溝を設けるほか、ミシン目を形成したり、プレスにより薄肉に形成したりしておくと良い。
尚、突起部は先端に向かって縮径されるキャップ状に構成されており、係合部は前記突起部に内嵌可能な大きさ形状の小突起状に構成されている。前記係合部は突起部と同様な中空のキャップ状であっても良く、前記突起部に内嵌可能であれば、必ずしも中空でなくても良い。
突起部及び係合部が外側に突出するように、第1、第2折り曲げ線に沿って板状体を折り曲げ、第1、第2緩衝部を重ね合わせて、係合部を突起部内に嵌め込むと、請求項1の作用で説明したような、その構成部分の全てから同じ高さの突起部が外方に突出する立体構造体となる。
この立体構造体を被梱包物と共に外箱内に収納すると、立体構造体のうち、突起部が突出していない板状体の内面で被梱包物のコーナ部等を覆うように支持することができると共に、前記板状体の外面は外箱の内面から突起部の高さだけ離れて位置し、被梱包物は前記突起部によって点状に支持される梱包態様となる。
又、小突起も突起部と同様な中空のキャップ状に構成すると共に、突起部と同数設ける場合では、第1、第2緩衝部が重なり合う部分では、板状体が全域的に二重に重なり合うと同時に、全てのキャップ状の突起部が同じくキャップ状の係合部と二重に重なり合って二重キャップ構造が形成される。二重キャップ構造とすることにより、単一キャップ構造よりも高い強度及び緩衝性能を得ることができる。
(2)請求項2に係る発明のパルプモールド緩衝材は、請求項1に記載のパルプモールド緩衝材において、『前記板状体の両面のうち、前記第1、第2折り曲げ線に沿って溝を設けた』ものでは、板状体を、第1、第2折り曲げ線に沿って容易に折り曲げることができる。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、板状体を第1、第2折り曲げ線で折り曲げることにより立体構造体を構成することができ、相互に重なり合う第1、第2緩衝部の一方に設けられている突起部に、他方に設けられている係合部を係合させるだけで、前記立体構造体としての形状を維持することができるようにしたから、立体構造体への組み立てが容易となり、又、その立体形状を確実に保持することができる。これにより、梱包作業の現場での組み立てを容易に且つ迅速に行うことができるから、保管時及び運搬時には、板状のまま積層させておくことができ、嵩低く保管及び運搬することができる。
又、組み立て後の立体構造体としての形状を確実に保持させることができるから、外箱内に立体構造体を予め収納させたとき、被梱包物を収納する前に、立体構造体の形状が崩れて梱包作業に手間取るといった不都合はない。よって、梱包作業の効率が向上する。
上記効果に加えて、突起部を立体構造体の外方に突出させ、突起部が突出していない内面で被梱包物を受けるようにしたから、予め、外箱内に配設させた立体構造体で囲まれた範囲内に被梱包体を収納し易い。
又、梱包状態においては、被梱包体は、同じ高さの突起部で点状に支持されることとなるから、被梱包物は、外箱の底面及び側面から突起部の高さ分だけほぼ均等に離れた状態で収納され、いずれの面からの衝撃も均等に受けることができる。さらに、被梱包物を突起部によって点状に支持させることによって、力が分散されて被梱包物にかかる衝撃を緩和させることができる。
第1、第2緩衝部が重なり合っている部分においては、板状体が二重に重なり合うと同時に、突起部内に小突起状の係合部が内嵌することから、より大きな強度と緩衝性が期待できる。特に、小突起を突起部と同様に中空のキャップ状に形成した場合では、突起部とそれに内嵌する小突起によって二重キャップ構造が形成され、二重にクッション性が一層向上する。このように、第1、第2緩衝部が重なり合う部分は、単一板状体と単一キャップ構造からなる他の構成部分に比べて、二重板状体及び二重キャップ構造による優れた緩衝効果がある。
請求項2に係る発明によれば、板状体を第1、第2折り曲げ線に沿って折り曲げ易くすることにより、材料自体の持つ反発力によって、板状体が元の状態に復帰してしまう不都合を一層防止することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
本発明の第1番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材は、被梱包物として、給湯器設置用のボックス(3)を梱包するためのパルプモールド緩衝材(1)に実施したものであり、図1はパルプモールド緩衝材(1)を用いて、金属製のボックス(3)を外箱(31)に収納させる様子を示す分解斜視図である。
給湯器設置用のボックス(3)は、前方に開放する扉(30)が設けられた直方形の中空箱体であり、マンション等の廊下に面するように各戸毎に設置され、内部に給湯器が収納されて使用される。
ボックス(3)は上方に扉(30)が位置するように横倒しにした状態で梱包され、そのときに下面となる背面の各コーナ部(3a)にパルプモールドを組み立ててなる緩衝材(1)が用いられる。
パルプモールドは、新聞紙等の古紙を溶かして得られるパルプモールドスラリーを金型に吸着させ、脱水、乾燥の各工程を経て得られるものであり、本発明の実施の形態のものは、厚さ約3mmの板状体(10)から複数の中空の突起部(14)が一体的に突出する形状に成型されている。板状体(10)を、図2に示すように、長辺方向に5列、短辺方向に4列の突起部(14)が突設するように、長辺長さ約280mm、短辺長さ約222mmの長方形状に裁断したものを一つのパルプモールド緩衝材(1)とし、各突起部(14)は、先端に向かって縮径するキャップ状に形成されている。
長方形状の板状体(10)の一方の短辺から、前記短辺の中央を通る中心線に沿って、突起部(14)2つ分だけ切り込むことにより、前記一方の短辺に開放する切り込み線(13)が設けられ、切り込み線(13)の閉塞端部から前記中心線に沿って他方の短辺に至るまでの範囲に、第1折り曲げ線(11)が設けられている。又、切り込み線(13)の閉塞端部を通り且つ第1折り曲げ線(11)に直交する第2折り曲げ線(12)が板状体(10)の一方の長辺から他方の長辺にかけて設けられている。
又、第1折り曲げ線(11)及び第2折り曲げ線(12)に沿って、浅い溝(11a)(12a)が設けられている。
これにより、第1、第2折り曲げ線(11)(12)及び切り込み線(13)を境界線として、板状体(10)は4つの部分に分けられ、切り込み線(13)の両側に位置する各部分を第1、第2緩衝部(10a)(10b)とすると共に、第1緩衝部(10a)に第2折り曲げ線(12)を介して連続している部分を、第3緩衝部(10c)、同じように、第2緩衝部(10b)に第2折り曲げ線(12)を介して連続している部分を、第4緩衝部(10d)とする。
第2、3、及び第4緩衝部(10b)(10c)(10d)の各部分に形成されている突起部(14)は、開放端の内径が約50mm、底部の内径が約25mm、高さが約40mmの中空キャップ状であるのに対し、第1緩衝部(10a)に形成されているものは、開放端の外径が約47mm、底部の外径が約30mm、高さが約30mmの、突起部(14)よりも一回り小さい中空キャップ状の小突起(15)とする。
第1折り曲げ線(11)及び第2折り曲げ線(12)には、上述したように溝(11a)(12a)が形成されているため、突起部(14)及び小突起(15)の開放端相互が近接する方向(谷折り)に折り曲げ易くなっている。そこで、第1緩衝部(10a)と第3緩衝部(10c)、第2緩衝部(10b)と第4緩衝部(10d)、そして、第3緩衝部(10c)と第4緩衝部(10d)が、各々直角に位置するように、第1、第2折り曲げ線(11)(12)に沿って谷折りにすると、図3に示すように、第1緩衝部(10a)が第2緩衝部(10b)の上に重なり合って、二重構造の底部(16)が構成されることとなる。
第1緩衝部(10a)と第2緩衝部(10b)とが重なり合う際に、第1緩衝部(10a)に設けられている4つの小突起(15)が、第2緩衝部(10b)に設けられている4つの突起部(14)内に嵌合される。突起部(14)及び小突起(15)は上述した寸法に設定されているから、図4に示すように、小突起(15)は突起部(14)内にちょうど嵌り込み、小突起(15)が突起部(14)から不用意に脱出することはない。このように、この実施の形態では、小突起(15)が係合部として機能することとなり、第1緩衝部(10a)と第2緩衝部(10b)とは重なり合った状態に維持される。
これにより、パルプモールド緩衝材(1)は、図1に示すような、相互に直角に位置する第3緩衝部(10c)、第4緩衝部(10d)、及び底部(16)の3部分からなり、且つ、第3緩衝部(10c)、第4緩衝部(10d)、及び底部(16)の全てから、突起部(14)が外方に向って突出する形状の立体構造体に組み立てられることとなる。
すなわち、本発明実施の形態のパルプモールド緩衝材(1)は、梱包作業の現場で、粘着テープ等の固定部材を用いることなく、容易に立体構造体に組み立てることができ、組み立てた後の立体構造体は不用意に元の平板状に戻ることはないから、確実に立体構造体としての形状を維持させることができる。
このように、パルプモールド緩衝材(1)は、組み立てる前は、図2に示すような平板状であるから、この状態で積載しておくことが可能である。よって、保管時及び運搬時の嵩を低くすることができ、使い勝手が良い。
上述したように、相互に直角に位置する3つの構成部分からなる立体構造体としてのパルプモールド緩衝材(1)を用いて、被梱包物としての給湯器設置用のボックス(3)を外箱(31)へ収納するには、予め、外箱(31)の底部のコーナ部に、立体構造体の底部(16)が下面となり且つ第3、第4緩衝部(10c)(10d)が外箱(31)のコーナ部の側面に対応するように、パルプモールド緩衝材(1)をセットする。
パルプモールド緩衝材(1)は、立体構造体に組み立てられた状態から、不用意に元の平板状に戻ることはないから、外箱(31)の各コーナ部で立体構造体としての形状を維持したまま、セットしておくことができる。
そして、縦断面略L字状で且つ横断面略コ字状の段ボール製の一対の下緩衝板(32)(32)を、外箱(31)の短辺方向の両端に位置させている一対のパルプモールド緩衝材(1)(1)の底部(16)上にそれぞれ架設させ、扉(30)が上面に位置するように横倒し状態にしたボックス(3)を外箱(31)内に収納する。
これにより、ボックス(3)の背面の各コーナ部(3a)が下緩衝板(32)とパルプモールド緩衝材(1)とで保護された態様で外箱(31)内に収納される。コーナ部(3a)の2つの側面は、第3、第4緩衝部(10c)(10d)にそれぞれ6個ずつ突設されている突起部(14)によって支持されると同時に、コーナ部(3a)の下面は、二重の板状体(10)と小突起(15)を内嵌させた4つの突起部(14)によって支持される。
特に、ボックス(3)の重量がかかるコーナ部(3a)の下面を支持するパルプモールド緩衝材(1)の底部(16)は、上述したように、第1、第2緩衝部(10a)(10b)を重ねることにより、二重の板状体(10)と、小突起(15)を突起部(14)に内嵌させてなる二重キャップ構造に構成されているから、単一構造の部分よりも、強度及びクッション性に優れ、大きな緩衝効果を得ることができる。
又、この実施の形態では、立体構造体に組み立てられた状態にあるパルプモールド緩衝材(1)から、同じ高さの突起部(14)が外方に突出する構成としたから、外箱(31)にボックス(3)を収納すると、ボックス(3)は、外箱(31)の面から突起部(14)の高さだけ離れた状態で収納される。
ボックス(3)を外箱(31)に収納後、扉(30)の上方に被覆シート(34)を被覆させ、さらに、その上から上緩衝板(33)(33)を設置した後、外箱(31)の4枚の覆い片(35)で外箱(31)の上方を閉塞すれば、ボックス(3)の梱包作業が終了する。
図5に示すものは、第2番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材(1)の展開図であり、図6は、使用状態を示す説明図である。
このものは、上述した第1番目の実施の形態のものと同様な、中空キャップ状の突起部(14)及び小突起(15)を多数突出させた略長方形状の板状体(10)からなるものであり、板状体(10)の短辺(17)及び長辺(18)に平行に第1、第2折り曲げ線(11)(12)がそれぞれ所定の間隔をおいて2本ずつ設けられていると共に、各第1、第2折り曲げ線(11)(12)の4つの交点から第1折り曲げ線(11)の延長線上に沿って、板状体(10)の両長辺(18)(18)に開放する4本の切り込み線(13)が形成されている。
この実施の形態の板状体(10)は、2本ずつの第1、第2折り曲げ線(11)(12)及び4本の切り込み線(13)によって9つの部分に分けられており、板状体(10)のコーナ部に位置し且つ切り込み線(13)と第2折り曲げ線(12)によって囲まれた部分を、第1緩衝部(10a)とすると共に、両端の第1緩衝部(10a)(10a)間に切り込み線(13)(13)を介して位置する部分を第2緩衝部(10b)とする。言い換えれば、切り込み線(13)の両側に第1、第2緩衝部(10a)(10b)が位置することとなり、同様に、第1緩衝部(10a)に第2折り曲げ線(12)を介して連続している部分が第3緩衝部(10c)となり、第2緩衝部(10b)に第2折り曲げ線(12)を介して連続している部分が第4緩衝部(10d)となる。
そして、4つの第1緩衝部(10a)に、小突起(15)が設けられており、他の第2〜4緩衝部(10b)(10c)(10d)には、小突起(15)が内嵌可能な突起部(14)が設けられている。尚、第2緩衝部(10b)に設けられている突起部(14)の数は、切り込み線(13)(13)を介してその両側に位置する2枚の第1緩衝部(10a)(10a)の小突起(15)の合計数以上設けられている。
この実施の形態では、各第1緩衝部(10a)に小突起(15)を4つずつ設けていると共に、第2緩衝部(10b)には、8つの突起部(14)を設けている。
第1、第2折り曲げ線(11)(12)に沿って板状体(10)を折り曲げると、図6に示すように、第4緩衝部(10d)を底面とし、第2、第3緩衝部(10b)(10c)で4側面が構成される一方開放の箱状の立体構造体が組み立てられる。
このとき、第1緩衝部(10a)と第2緩衝部(10b)とを重ねて、第2緩衝部(10b)内の突起部(14)内に第1緩衝部(10a)の小突起(15)を嵌合させることにより、前記箱状の形状を維持することができ、第2緩衝部(10b)による側面は、第1緩衝部(10a)との二重構造となる。
このものでは、図6に示すように、例えば、矩形状の被梱包体(4)の一端の4つのコーナ部全てを覆うように前記一端に装着させて使用することができる。
図7に示すものは、第3番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材(1)の展開図であり、図8は、その使用状態を示す説明図である。
この実施の形態のパルプモールド緩衝材(1)は、上述した第1番目の実施の形態で採用したパルプモールド緩衝材(1)の第3、第4緩衝部(10c)(10d)の両側に、第2折り曲げ線(12)を介して、第1、第2緩衝部(10a)(10b)をそれぞれ連続させた構成であり、第1、第2緩衝部(10a)(10b)間には、それぞれ切り込み線(13)が形成されている。このものでは、第1、第2折り曲げ線(11)(12)を折り曲げて、立体構造体に組み立てると、第3、第4緩衝部(10c)(10d)からなる断面略L字状体の両端に、第1、第2緩衝部(10a)(10b)からなる二重構造の上下面が庇状に形成される態様となり、図8に示すように、例えば、矩形状の被梱包体(4)の一端の2つのコーナ部を覆うように装着させて使用することができる。
上記各実施の形態では、パルプモールド緩衝材(1)を立体構造体に組み立てるときに、突起部(14)内に収納させる係合部としての小突起(15)も、突起部(14)と同様、中空のキャップ状に構成したが、小突起(15)は必ずしも中空でなくてもよく、中実であっても良い。
尚、少なくとも一つの小突起(15)と突起部(14)との嵌合により、両者を抜け止め状態に維持できる。
又、図示しないが、係合部を小突起(15)ではなく、突起部(14)よりも一回り大きな中空キャップ状の大突起に形成し、突起部(14)が大突起に内嵌されて抜け止め状態に係合されるようにしても良い。
立体構造体に組み立てたときの各構成部分から外方に突出させる突起部(14)の数は、被梱包物の大きさや重量に応じて種々設定すれば良い。
尚、上記実施の形態では、板状体(10)の折り曲げ方向を突起部(14)や小突起(15)が外側に突出する方向に設定したが、内側に突出する方向に折り曲げて良い。
又、上記実施の形態では、第1、第2折り曲げ線(11)(12)に沿って、溝(11a)(12a)が設けられているが、この溝(11a)(12a)に代えて、第1、第2折り曲げ線(11)(12)に沿って、ミシン目を形成したり、プレスによって薄肉に形成したりすることにより折り曲げ易くすることも可能である。
本発明の第1番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材を使用して被梱包物を梱包する梱包構造を示す分解斜視図。 本発明の第1番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の組み立て前の斜視図。 本発明の第1番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の組み立て時の斜視図。 本発明の第1番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の組み立て後の縦断面図。 本発明の第2番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の組み立て前の斜視図。 本発明の第2番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の使用状態を示す説明図。 本発明の第3番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の組み立て前の斜視図。 本発明の第3番目の実施の形態のパルプモールド緩衝材の使用状態を示す説明図。 従来のパルプモールド緩衝材の組み立て状態を示す説明図。
符号の説明
(1) ・・・・・・パルプモールド緩衝材
(10)・・・・・・板状体
(10a) ・・・・・第1緩衝部
(10b) ・・・・・第2緩衝部
(11)・・・・・・第1折り曲げ線
(12)・・・・・・第2折り曲げ線
(13)・・・・・・切り込み線
(14)・・・・・・突起部
(15)・・・・・・係合部(小突起)

Claims (2)

  1. パルプモールド製の板状体から中空の突起部を複数突出させた構成のパルプモールド緩衝材であって、前記板状体を折り曲げることによって立体的に組み立て可能としたパルプモールド緩衝材において、
    前記板状体の一辺から所定長さ切り込んで前記一辺に開放する切り込み線を形成し、
    前記切り込み線と同一線上に連続するように、第1折り曲げ線が設けられると共に、前記切り込み線の閉塞端部を通り且つ前記第1折り曲げ線に直角な第2折り曲げ線が形成され、
    前記切り込み線の両側に位置する各部分を第1、第2緩衝部とすると共に、これら第1、第2緩衝部は、前記立体的に組み立てた状態にて、全域的に重なり合って二重構造を形成する構成とし、
    前記第1、第2緩衝部の一方には、両者を重ね合わせたときに、他方に設けられている前記突起部の全てに係合する係合部が設けられ
    前記突起部は、先端に向かって縮径されるキャップ状に形成され、
    前記係合部は、前記突起部に内嵌可能な大きさ形状の小突起とし、
    前記第1、第2折り曲げ線に沿って前記板状体を折り曲げる折り曲げ方向は、前記突起部及び前記小突起が全て外側に突出する方向に設定されていることを特徴とするパルプモールド緩衝材。
  2. 請求項1に記載のパルプモールド緩衝材において、前記第1、第2折り曲げ線に沿って溝を設けたことを特徴とするパルプモールド緩衝材。
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