JP2016103477A - ナトリウム二次電池用正極材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】希少金属使用量が少なく、高容量で且つ、鉄の重量分率容量に優れたナトリウム二次電池用正極材料を提供することを主な目的とする。【解決手段】O3型層状構造を主相とし、一般式(1):Na1±δFe1−x−yMnxNiyO2[式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]で示される組成を有し、結晶子サイズが平均で30〜60nmである結晶粒を有する化合物を含有する、ナトリウム二次電池用正極材料。【選択図】なし

Description

本発明は、ナトリウム二次電池用正極材料及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は高いエネルギー密度を有する二次電池であることから、携帯電話、ノートパソコン等の小型電源の他、電気自動車等の大型電源等としても実用化されており、今後もさらに需要の拡大が期待される。
リチウム二次電池において、リチウムは電荷担体として使用されており、また、リチウム及びコバルトは、正極材料として通常使用されているコバルト酸リチウム(LiCoO)を構成する材料である。これらリチウム及びコバルトは、希少金属であり、その資源は南米、中国等に偏在しており、原料価格が高く、原料の安定供給にも不安がある。
この課題を解決するため、これらリチウム、コバルト等の希少金属の使用量を低減できる次世代二次電池として、ナトリウム二次電池の検討がなされている。ナトリウム二次電池の電荷担体であるナトリウムは資源量が豊富で且つ安価な材料である。また、ナトリウム二次電池の正極材料として通常使用される鉄酸ナトリウム(NaFeO)を構成するナトリウム及び鉄も、資源量が豊富で且つ安価な材料である。このため、近年、ナトリウム二次電池の実用化が期待されている。特に、鉄酸ナトリウム(NaFeO)は、リチウム二次電池用酸化物正極材料では達成が困難であったFeイオンの酸化還元反応を利用する事が可能で、希少金属を一切含まない材料として注目されている。
例えば、特許文献1には、主に鉄とナトリウムとを含有し、六方晶の結晶構造を有し、かつ2.20Åのピークの強度を面間隔5.36Åのピークの強度で除した値が2以下である複合酸化物からなる正極活物質が記載されているが、充放電の可逆容量はせいぜい60mAh/g程度に過ぎず、また、容量維持率も十分ではない。
このように、鉄酸ナトリウム(NaFeO)を正極材料として用いたナトリウム二次電池は、十分な充放電容量及び容量維持率が得られていない。そのため、正極材料の結晶性の改善、Feの一部又は全部を異種元素で置換する事等によって、特性改善が試みられている。
例えば、非特許文献1には、リチウム二次電池において既に実用化されているLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)OにおけるLiをNaに置き換えたNa(Ni1/3Mn1/3Co1/3)Oを正極材料に用いることが記載されている。
非特許文献2にはNaFeOのFeをMn及びNiで置換したNaFe1−xMnx/2Niy/2を正極材料に用いることによって、高容量化が可能であることが記載されている。
特開2005−317511号公報
M. Sathiya, K. Hemalatha, K. Ramesha, J. -M. Tarascon, and A. S. Prakash, Chemistry of Materials, 24, 1846-1853 (2012). N. Yabuuchi, M. Yano, H. Yoshida, JS Kuze, and S. Komaba, Jounral of the Electrochemical Society, 160, A3131-A3137 (2013).
しかしながら、非特許文献1では、Ni、Co等の希少金属が多く使用されており、原料の安定供給の根本解決には至っていない。また、非特許文献2では、Feの4割以上を置換した材料しか電極特性が示されておらず、置換量を低減した材料の特性は明らかになっていない。また、非特許文献2には、MnとNiが同量置換された材料の特性のみが記載されており、MnとNiの置換量を独立に変化させた材料の特性については検討されていない。さらに、非特許文献2では、NaFeOのFeをMn及びNiで置換した材料は、800℃及び24時間という長時間の熱処理がされており、結晶子サイズが大きいことが示唆され、充放電サイクル特性が不十分であることが示唆される。
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、希少金属使用量が少なく、従来の鉄酸ナトリウムと比べて高容量で且つ、鉄の重量分率容量に優れ、充放電サイクル特性にも優れたナトリウム二次電池用正極材料を提供することである。鉄の重量分率容量とは下記に示される式で算出されるもので、充放電容量への鉄の寄与を示す指標として用いた。この値が高いほど、充放電容量に対して、鉄が有効に利用されているものと考えられる。
鉄の重量分率容量(mAh/g)
= 材料の充放電容量(mAh/g) × 材料中に含まれる鉄の重量分率(%)
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、O3型層状構造を主相とし、特定の組成を有するナトリウム−鉄−マンガン−ニッケル系複合酸化物が、希少金属使用量が少なく、高容量で且つ、鉄の重量分率容量に優れていることを見出した。この複合酸化物を含有する正極材料は、ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を700℃以上(特に結晶粒の大きさが特定の大きさとなる条件)で加熱する加熱工程を備える方法により得られる。本発明は、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。即ち、本発明は、以下の構成を包含するものである。
項1.O3型層状構造を主相とし、一般式(1):
Na1±δFe1−x−yMnNi
[式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]
で示される組成を有し、結晶子サイズが平均で30〜60nmである結晶粒を有する化合物を含有する、ナトリウム二次電池用正極材料。
項2.前記一般式(1)において、0.10≦x+y<0.40である、項1に記載のナトリウム二次電池用正極材料。
項3.充電時にO3型層状構造から単斜晶系結晶構造への構造変化のない、項1又は2に記載のナトリウム二次電池用正極材料。
項4.O3型層状構造を80モル%以上有する、項1〜3のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料。
項5.項1〜4のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法であって、
ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を加熱する加熱工程
を備える、製造方法。
項6.前記加熱工程の加熱温度が700〜1000℃である、項5に記載の製造方法。
項7.前記ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物が、鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物、水酸化物及び炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ナトリウム含有化合物との混合物である、項5又は6に記載の製造方法。
項8.前記ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物が、鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物と、ナトリウム炭酸塩との混合物である、項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
項9.前記鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物が、鉄、マンガン及びニッケルを含む硫酸塩、硝酸塩又は塩化物の水溶液をアルカリ水酸化物水溶液に滴下することにより得られる、項8に記載の製造方法。
項10.項1〜4のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料を含有する、ナトリウム二次電池用正極。
項11.項10に記載のナトリウム二次電池用正極を備えるナトリウム二次電池。
項12.項11に記載のナトリウム二次電池を用いることを特徴とする電気機器。
項13.ナトリウム二次電池の充電時に、ナトリウム二次電池用正極材料がO3型層状構造から単斜晶系結晶構造への構造変化を抑制する方法であって、
O3型層状構造を主相とし、一般式(1):
Na1±δFe1−x−yMnNi
[式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]
で示される組成を有し、結晶子サイズが平均で30〜60nmである結晶粒を有する化合物を含有するナトリウム二次電池用正極材料を使用する、方法。
本発明のナトリウム二次電池用正極材料によれば、従来のリチウム二次電池用正極材料であるコバルト酸リチウム(LiCoO)に対して、希少金属であるリチウムを資源が豊富なナトリウムに置換しているとともに、希少金属であるコバルトの多くを資源が豊富な鉄に置換しているため、希少金属の使用量を低減することができ、原料価格及び原料の安定供給の観点から好ましい。
本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、高容量で、且つ、鉄の重量分率容量に優れ、充放電サイクル特性にも優れているため、ナトリウム二次電池を高容量化しつつ、鉄の性能を十分生かし切ることが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、この様な優れた性能を有する複合酸化物からなるナトリウム二次電池用正極活物質を、比較的容易に製造することができる。さらに、本発明のナトリウム二次電池用正極材料を、鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物、水酸化物及び炭酸塩等と、ナトリウムを含む酸化物、水酸化物及び炭酸塩等とを混合して加熱することにより製造した場合には、充放電サイクル特性を向上させることも可能である。
実施例1−1〜1−4で得られたナトリウム二次電池用正極材料のX線回折パターンである。 充放電試験の測定方法を示す一例としてのグラフ(実施例1−2)である。 充放電試験の結果(容量及び鉄の重量分率容量)を示すグラフである。 比較例1−1で得られた試料の各充電過程でのX線回折図である。 実施例1−2で得られた試料の各充電過程でのX線回折図である。
1.ナトリウム二次電池用正極材料
本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、O3型層状構造を主相とし、一般式(1):
Na1±δFe1−x−yMnNi
[式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]
で示される組成を有し、結晶子サイズが平均で30〜60nmである結晶粒を有する。
本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、O3型層状構造を主相とする。このO3型層状構造は、一般式(1):
Na1±δFe1−x−yMnNi
[式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]
で示され、コバルト酸リチウムLiCoOと同じ結晶構造モデルであり、充電時にナトリウムの脱離とともにO3型層状構造からP3型層状構造に変化し、その後P3型層状構造からO3型層状構造に変化する。この本発明のナトリウム二次電池用正極材料(ナトリウム二次電池用正極材料がO3型層状構造の化合物以外の化合物を有する場合はO3型層状構造の化合物)は、充電時にO3型層状構造から単斜晶系結晶構造への構造変化はしない材料である。このような構造変化を経る複合酸化物を含有する正極材料を採用することで、ナトリウム二次電池は高電位領域でも高い放電容量を示し、放電容量維持率に優れる。O3型層状構造が主相であるか否かは、ナトリウム二次電池用正極材料(上記複合酸化物を含有する化合物)のX線回析測定により確認する。O3型層状構造の存在量は特に限定的ではないが、該複合酸化物全体を基準として80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、単相のO3型層状構造、つまり、O3型層状構造のみからなる材料であってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の結晶構造を有していてもよい。具体的には、β−NaFeO型やP2型層状構造等の結晶構造を、該複合酸化物の20モル%以下程度、特に10モル%以下含有していてもよい。
一般式(1)において、δはナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)中のナトリウムの含有割合に関し、0〜0.10、好ましくは0〜0.05である。δが0.10を超えると、材料中のナトリウム量が少なくなりすぎたり多くなりすぎたりして、十分な可逆容量が得られなくなる。
一般式(1)において、xはナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)中のマンガンの含有割合に関し、0.05〜0.23、好ましくは0.05〜0.20、より好ましくは0.08〜0.20、さらに好ましくは0.10〜0.20、特に好ましくは0.10〜0.17である。xが0.05未満では、容量が低下するのみならず、相対的に鉄の含有割合が上昇することから、鉄の重量分率容量が著しく低下してしまう。xが0.23を超えると、容量は向上するものの、相対的に鉄の含有割合が減少することから、鉄の重量分率容量が著しく低下してしまう。
一般式(1)において、yはナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)中のニッケルの含有割合に関し、0.05〜0.23、好ましくは0.05〜0.20、より好ましくは0.08〜0.20、さらに好ましくは0.10〜0.20、特に好ましくは0.10〜0.17である。yが0.05未満では、容量が低下するのみならず、相対的に鉄の含有割合が上昇することから、鉄の重量分率容量が著しく低下してしまう。yが0.23を超えると、容量は向上するものの、均一混合することが困難になり、また、鉄の重量分率容量が著しく低下してしまう。
なお、本発明において、マンガン及びニッケルは、従来からナトリウム二次電池の正極材料として使用されている鉄酸ナトリウム(NaFeO)における鉄(3価)の置換元素としての位置付けである。これらの元素は理論上、ニッケルが2価、マンガンは平均価数3価〜4価で安定に存在することができる。鉄の一部が置換されたNa1±δFe1−x−yMnNi中においても遷移金属の平均価数は3価であることが好ましく、2価であるニッケルの置換による平均価数の低下をマンガンが4価となることで補償することができる。そのため、xとyの範囲、具体的にはx/yが2以下であれば、遷移金属の価数が平均して3価となり、釣り合いを取ることができ、より高容量で、より鉄の重量分率容量に優れる正極材料が得られる。この観点から、xとyは同程度とすることが好ましい。具体的には、x/yは3.0/1.0〜1.0/1.0が好ましく、2.0/1.0〜1.0/1.0がより好ましい。
一般式(1)において、x+yはナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)中の鉄の含有割合に関する。上記のとおり、xが0.05〜0.23であり、yが0.05〜0.23であることから、x+yは0.10〜0.46であるが、容量及び鉄の重量分率容量の観点から、0.10以上0.40未満が好ましく、0.16〜0.38がより好ましく、0.20〜0.37がさらに好ましく、0.20〜0.35が特に好ましく、0.20〜0.30がさらに特に好ましい。
本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、上記一般式(1)で示される組成を有する化合物を含有しており、主相が上記一般式(1)で示されるO3型層状構造であるが、不可避不純物が含まれていてもよい。このような不可避不純物としては、原料によるものが考えられ、ナトリウム含有化合物としてNaCO、NaOH等の他、Fe、Mn及びNiを1種類以上含む遷移金属酸化物及び水酸化物等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で、10モル%以下程度、特に5モル%以下、さらには2モル%以下含有していてもよい。
上記のような結晶構造及び組成を有する本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、容量及び鉄の重量分率容量の観点から、結晶粒(特に、O3型層状構造を有する結晶粒)を有する。この結晶粒の平均結晶子サイズは、直径30〜60nm、好ましくは直径35〜60nmである。結晶粒の平均結晶子サイズが30nm未満の材料は、合成が困難である。また、結晶粒の平均結晶子サイズが60nmをこえると、充放電サイクル特性が悪化する。材料の結晶子サイズは、X線回折測定において、単相又は主相として観測されるO3型層状構造の(003)面に帰属される回折ピークの半価幅から、Scherrerの式に基づいて算出した。
2.ナトリウム二次電池用正極材料の製造方法
本発明のナトリウム二次電池用正極材料は、例えば、
ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を加熱する加熱工程
を備える製造方法により得ることができる。以下、この方法について具体的に説明する。
(1)原料化合物
本発明の製造方法においては、ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を加熱工程に供する。このナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を得るための原料化合物としては、最終的に混合物中にナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素が所定割合で含まれていればよいが、例えば、ナトリウム含有化合物、鉄含有化合物、マンガン含有化合物、ニッケル含有化合物及び酸素含有化合物を用いることができる。
ナトリウム含有化合物、鉄含有化合物、マンガン含有化合物、ニッケル含有化合物及び酸素含有化合物の各化合物の種類については特に限定的ではなく、ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素の各元素を一種類ずつ含む5種類またはそれ以上の種類の化合物を混合して用いてもよく、あるいは、ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素の内の2種類又はそれ以上の元素を同時に含む化合物を原料の一部として用い、5種類未満の化合物を混合して用いてもよい。
これらの原料化合物は、ナトリウム、鉄、マンガン及びニッケル以外の金属元素(特に希少金属元素)を含まない化合物であることが好ましい。また、原料化合物中に含まれるナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素の各元素以外の元素については、後述する非酸化性雰囲気下での熱処理により離脱・揮発していくものが望ましい。
この様な原料化合物の具体例としては、ナトリウム含有化合物として、金属ナトリウム(Na);水酸化ナトリウム(NaOH);炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)等のナトリウム炭酸塩等が例示でき、鉄含有化合物として、金属鉄(Fe);酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉄(III)(Fe)等の鉄酸化物;水酸化鉄(II)(Fe(OH))、水酸化鉄(III)(Fe(OH))等の鉄水酸化物;炭酸鉄(II)(FeCO)、炭酸鉄(III)(Fe(CO)等の鉄炭酸塩;鉄−マンガン−ニッケル複合酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合水酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む水酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合炭酸塩等の鉄、マンガン及びニッケルを含む炭酸塩等が例示でき、マンガン含有化合物として、金属マンガン(Mn);酸化マンガン(II)(MnO)、酸化マンガン(IV)(MnO)等のマンガン酸化物;水酸化マンガン(II)(Mn(OH))、水酸化マンガン(III)(Mn(OH))等のマンガン水酸化物;炭酸マンガン(II)(MnCO);鉄−マンガン−ニッケル複合酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合水酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む水酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合炭酸塩等の鉄、マンガン及びニッケルを含む炭酸塩等が例示でき、ニッケル含有化合物として、金属ニッケル(Ni);酸化ニッケル(NiO);水酸化ニッケル(I)(Ni(OH))、水酸化ニッケル(II)(Ni(OH))等のニッケル水酸化物;炭酸ニッケル(II)(NiCO);鉄−マンガン−ニッケル複合酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合水酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む水酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合炭酸塩等の鉄、マンガン及びニッケルを含む炭酸塩等が例示でき、酸素含有化合物として、水酸化ナトリウム(NaOH);炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)等のナトリウム炭酸塩;酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉄(III)(Fe)等の鉄酸化物;水酸化鉄(II)(Fe(OH))、水酸化鉄(III)(Fe(OH))等の鉄水酸化物;炭酸鉄(II)(FeCO)、炭酸鉄(III)(Fe(CO)等の鉄炭酸塩;酸化マンガン(II)(MnO)、酸化マンガン(IV)(MnO)等のマンガン酸化物;水酸化マンガン(II)(Mn(OH))、水酸化マンガン(III)(Mn(OH))等のマンガン水酸化物;炭酸マンガン(II)(MnCO);酸化ニッケル(NiO);水酸化ニッケル(I)(Ni(OH))、水酸化ニッケル(II)(Ni(OH))等のニッケル水酸化物;炭酸ニッケル(II)(NiCO);鉄−マンガン−ニッケル複合酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合水酸化物等の鉄、マンガン及びニッケルを含む水酸化物;鉄−マンガン−ニッケル複合炭酸塩等の鉄、マンガン及びニッケルを含む炭酸塩等が例示できる。
これらのなかでも、鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物、水酸化物及び炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種(なかでも鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物、さらには鉄−マンガン−ニッケル複合酸化物、特にスピネル構造を有する複合酸化物)を原料化合物としてナトリウム含有化合物(特にナトリウム炭酸塩)との混合物を使用することにより、得られる本発明のナトリウム二次電池用正極活物質の充放電サイクル特性をより向上させることができる。
なお、本発明において、上記した原料化合物は、市販品を使用してもよいし、別途合成して用いてもよい。
原料化合物を合成する場合、例えば、鉄、マンガン及びニッケルを含むスピネル酸化物は、特に制限されないが、共沈法により合成することができる。具体的には、鉄、マンガン及びニッケルのイオンを含む水溶液(硫酸塩、硝酸塩、塩化物等の水溶液)をアルカリ水溶液中に滴下し沈殿物を生成することにより、鉄、マンガン及びニッケルを含むスピネル酸化物を得ることができる。
鉄、マンガン及びニッケルを含む混合物は、上記説明した原料化合物のうち、必要な材料を混合して得ることができる。
鉄、マンガン及びニッケルを含む混合物における鉄、マンガン及びニッケルの含有割合は、特に制限されないが、容量及び鉄の重量分率容量の観点から、例えば、90〜54モル%:5〜23モル%:5〜23モル%(マンガン及びニッケルの合計含有量は10モル%以上40モル%未満)が好ましく、90〜60モル%:5〜20モル%:5〜20モル%(マンガン及びニッケルの合計含有量は16〜38モル%)がより好ましく、84〜60モル%:8〜20モル%:8〜20モル%(マンガン及びニッケルの合計含有量は20〜37モル%)がさらに好ましく、80〜60モル%:10〜20モル%:10〜20モル%(マンガン及びニッケルの合計含有量は20〜35モル%)が特に好ましく、80〜63モル%:10〜20モル%:10〜17モル%(マンガン及びニッケルの合計含有量は20〜30モル%)がさらに特に好ましい。
アルカリ水溶液としては、特に制限はないが、鉄、マンガン及びニッケルを含むスピネル酸化物の合成のしやすさの観点から、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
この場合、鉄、マンガン及びニッケルを含む混合物を、攪拌しながら、アルカリ水溶液を、10〜50℃(特に20〜30℃)程度の温度で、pHが9〜14(特に12〜14)となるように少しずつ添加し、沈殿物を生成させることが好ましい。アルカリ水溶液を2種以上使用する場合、各水溶液は、別途添加してもよいし、同時に添加してもよい。
これら原料化合物の形状については特に限定はないが、取り扱い性の観点から、粉末状であることが好ましい。また反応性の観点から粒子は微細である方がよく平均粒子径が1μm以下(特に60〜80nm程度)の粉末状であることが好ましい。原料化合物の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM)により測定する。
各原料化合物の混合割合については、特に限定的ではないが、最終生成物であるナトリウム二次電池用正極材料(複合酸化物)が有する組成となるように混合することが好ましい。原料化合物の混合割合については、原料化合物に含まれる各元素の比率が、目的とする複合酸化物中の各元素の比率と同一となるようにすればよい。
(2)製造方法
ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を製造するための混合方法としては、特に制限されるわけではなく、各原料化合物を均一に混合できる方法を採用すればよい。例えば、乳鉢混合、メカニカルミリング処理、各成分を溶媒中に分散させた後に混合する方法、各成分を溶媒中で一度に分散させて混合する方法等を採用することができる。各成分の溶媒への分散及び混合を行う場合には、対象物に超音波を照射する方法が、分散性の向上と均一な混合の観点からより好ましい。これらのなかでも、より均一に混合できる観点から、メカニカルミリング処理が好ましい。
混合手段としてメカニカルミリング処理を行う場合、メカニカルミリング装置としては、例えば、ボールミル、振動ミル、ターボミル、ディスクミル等を用いることができ、中でもボールミルが好ましい。また、この際には、混合と加熱処理を同時に施すことが好ましい。
混合時の雰囲気は特に制限はないが、例えば、Ar、N等の不活性ガス雰囲気、大気雰囲気等が採用できる。
ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を加熱処理するに際して、加熱温度は、得られるナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)の結晶性及び電極特性(容量、鉄の含有分率当たりの容量)をより向上させるためには高温が好ましいが、高温にするほど結晶粒が大きくなる。結晶粒内のナトリウムの拡散距離を程度な範囲とし、ナトリウム正極材料の反応速度を維持するため、結晶粒の大きさは適切な範囲に留めた方がよく、高温にしすぎないことが好ましい。つまり、結晶性及び電極特性(容量、鉄の含有分率当たりの容量)の双方の観点から、加熱処理後に存在する結晶粒の大きさを適度に調整することが好ましい。具体的には、加熱処理後に存在する結晶粒の平均粒子径が30〜60nm、特に50〜60nmとなるような温度及び時間加熱処理することが好ましい。
具体的には、加熱温度を、700℃以上、特に700〜1000℃、さらには800〜950℃とすることが好ましい。なお、鉄含有量が多い場合(一般式(1)において、0.10≦x+y≦0.15の場合)は、加熱温度は低温、特に600〜800℃(特に700〜750℃)とすることが好ましく、鉄含有量がやや多い場合(一般式(1)において、0.15≦x+y≦0.25の場合)は、加熱温度はやや低温、特に600〜900℃(特に650〜850℃)とすることが好ましく、鉄含有量がやや少ない場合(一般式(1)において、0.25≦x+y≦0.35の場合)は、加熱温度はやや高温、特に700〜1000℃(特に750〜950℃)とすることが好ましく、鉄含有量が少ない場合(一般式(1)において、0.35≦x+y≦0.4の場合)は、加熱温度は高温、特に750〜1000℃(特に800〜950℃)とすることが好ましい。
加熱時間については、特に限定的ではないが、例えば、5〜20時間が好ましく、 10〜15時間がより好ましい。
3.ナトリウム二次電池用正極及びナトリウム二次電池
本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)は、上記した優れた特性(容量及び鉄の重量分率容量)を利用して、ナトリウムイオン二次電池、金属ナトリウム二次電池等ナトリウム二次電池の正極活物質として有効に利用できる。特に、本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)は、構造中にナトリウムを含有する材料であるため、充電から充放電を行うことができる材料であり、しかも、高容量及び高い鉄の重量分率容量を有することから、ナトリウムイオン二次電池用の正極活物質として有用である。本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として使用するナトリウムイオン二次電池は、電解質として非水溶媒系電解液を用いる非水電解質ナトリウムイオン二次電池であってもよく、或いは、ナトリウムイオン伝導性の固体電解質を用いる全固体型ナトリウムイオン二次電池であってもよい。
非水電解質ナトリウムイオン二次電池、全固体型ナトリウムイオン二次電池及び金属ナトリウム二次電池の構造は、本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として用いること以外は、公知のナトリウム二次電池と同様とすることができる。
例えば、非水電解質ナトリウムイオン二次電池については、上記したナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として使用する他は、基本的な構造は、公知の非水電解質ナトリウムイオン二次電池と同様とすることができる。
正極としては、上記したナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として用い、導電剤及びバインダーと混合することで作製した正極合剤をAl、Ni、ステンレス、カーボンクロス等の正極集電体に担持させることで製造することができる。導電剤としては、例えば、黒鉛、コークス類、カーボンブラック、針状カーボン等の炭素材料を用いることができる。
負極としては、ナトリウムを含有する材料とナトリウムを含有しない材料共に用いることが可能である。例えば、難焼結性炭素、ナトリウム金属、スズ及びこれらを含む合金等、ナトリウムと反応する物質であれば用いることができる。これらの負極活物質についても、必要に応じて、導電剤、バインダー等を用いて、Al、Cu、Ni、ステンレス、カーボン等からなる負極集電体に担持させて、負極を製造することができる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;フッ素樹脂;ナイロン;芳香族アラミド;無機ガラス等の材質からなり、多孔質膜、不織布、織布等の形態の材料を用いることができる。
非水電解質の溶媒としては、カーボネート類、エーテル類、ニトリル類、含硫黄化合物等の非水溶媒系二次電池の溶媒として公知の溶媒を用いることができる。
また、全固体型ナトリウムイオン二次電池についても、本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として用いる以外は、公知の全固体型ナトリウムイオン二次電池と同様の構造とすることができる。
この場合、電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖及びポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種を含む高分子化合物等のポリマー系固体電解質の他、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質等を用いることができる。
全固体型ナトリウムイオン二次電池の正極としては、例えば、本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として用い、導電剤、バインダー、固体電解質等を含む正極合剤をTi、Al、Ni、ステンレス等の正極集電体に担持させることで製造することができる。導電剤については、非水溶媒系二次電池と同様に、例えば、黒鉛、コークス類、カーボンブラック、針状カーボン等の炭素材料を用いることができる。
さらに、金属ナトリウム二次電池についても、本発明のナトリウム二次電池用正極材料(特にO3型層状構造の複合酸化物)を正極活物質として用いる以外は、公知の金属ナトリウム二次電池と同様の構造とすることができる。
非水電解質ナトリウムイオン二次電池、全固体型ナトリウムイオン二次電池及び金属ナトリウム二次電池の形状についても特に限定はなく、円筒型、角型等のいずれであってもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されないことは言うまでもない。
[合成例1:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=80:10:10)]
共沈法により、Fe:Mn:Ni=80:10:10(モル比)の複合スピネル酸化物を合成した。具体的には、以下の処理を行った。
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=80:10:10(モル比)となるように混合し、得られた混合物に、20℃において、水酸化ナトリウム水溶液を、pHが10以上となるように少しずつ添加し、沈殿物を生成させた。その結果、平均粒子径が60nmで、Fe:Mn:Ni=80:10:10(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[合成例2:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=90:5:5)]
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=90:5:5(モル比)となるように混合すること以外は合成例1と同様に、Fe:Mn:Ni=90:5:5(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[合成例3:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=70:15:15)]
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=70:15:15(モル比)となるように混合すること以外は合成例1と同様に、Fe:Mn:Ni=70:15:15(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[合成例4:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=60:20:20)]
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=60:20:20(モル比)となるように混合すること以外は合成例1と同様に、Fe:Mn:Ni=60:20:20(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[合成例5:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=50:25:25)]
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=50:25:25(モル比)となるように混合すること以外は合成例1と同様に、Fe:Mn:Ni=50:25:25(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[合成例6:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=70:20:10)]
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=70:20:10(モル比)となるように混合すること以外は合成例1と同様に、Fe:Mn:Ni=70:20:10(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[合成例7:Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物(Fe:Mn:Ni=70:10:20)]
市販の硫酸鉄(II)、硫酸マンガン(II)及び硫酸ニッケル(II)を、Fe:Mn:Ni=70:10:20(モル比)となるように混合すること以外は合成例1と同様に、Fe:Mn:Ni=70:10:20(モル比)であるFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物が得られた。
[実施例1:Fe/Mn/Ni=80/10/10]
実施例1−1:加熱温度850℃
合成例1で得たFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物と、市販の炭酸ナトリウム(NaCO)とを、Na:Fe:Mn:Ni=100:80:10:10(モル比)となるように、ボールミルで混合し、大気中850℃で10時間加熱した。その結果、実施例1−1のナトリウム二次電池用正極材料が得られた。
実施例1−2:加熱温度800℃
加熱温度を800℃とすること以外は実施例1−1と同様に、実施例1−2のナトリウム二次電池用正極材料を得た。
実施例1−3:加熱温度750℃
加熱温度を750℃とすること以外は実施例1−1と同様に、実施例1−3のナトリウム二次電池用正極材料を得た。
実施例1−4:加熱温度650℃
加熱温度を650℃とすること以外は実施例1−1と同様に、実施例1−4のナトリウム二次電池用正極材料を得た。
[実施例2]
実施例1−1において、合成例1で得たFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物ではなく、合成例2〜4及び6〜7のいずれかで得たFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物を使用すること、加熱温度を700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、又は950℃とすること以外は同様に、種々の組成のナトリウム二次電池用正極材料を得た。具体的には、後述する表1において、O3型層状構造が「単相」となっている以下の試料を、実施例のナトリウム二次電池用正極材料として得た。
実施例2−1:Fe/Mn/Ni=90/5/5、加熱温度750℃
実施例2−2:Fe/Mn/Ni=90/5/5、加熱温度700℃
実施例2−3:Fe/Mn/Ni=70/15/15、加熱温度950℃
実施例2−4:Fe/Mn/Ni=70/15/15、加熱温度900℃
実施例2−5:Fe/Mn/Ni=70/15/15、加熱温度850℃
実施例2−6:Fe/Mn/Ni=70/15/15、加熱温度800℃
実施例2−7:Fe/Mn/Ni=70/15/15、加熱温度750℃
実施例2−8:Fe/Mn/Ni=60/20/20、加熱温度950℃
実施例2−9:Fe/Mn/Ni=60/20/20、加熱温度900℃
実施例2−10:Fe/Mn/Ni=60/20/20、加熱温度850℃
実施例2−11:Fe/Mn/Ni=60/20/20、加熱温度800℃
実施例2−12:Fe/Mn/Ni=70/20/10、加熱温度950℃
実施例2−13:Fe/Mn/Ni=70/20/10、加熱温度900℃
実施例2−14:Fe/Mn/Ni=70/10/20、加熱温度950℃
実施例2−15:Fe/Mn/Ni=70/10/20、加熱温度900℃。
[比較例1]
実施例1−1において、合成例1〜7と同様の沈殿法にてFeスピネル酸化物を作製し、過酸化ナトリウム(Na)を瑪瑙性乳鉢にて混合し、大気中にて650℃、700℃、750℃で10時間加熱することにより種々の組成のナトリウム二次電池用正極材料を得た。具体的には、後述する表1において、O3型層状構造が「単相」又は「×」(単相ではない)となっている以下の試料を、比較例のナトリウム二次電池用正極材料として得た。
比較例1−1:Fe/Mn/Ni=100/0/0、加熱温度750℃
比較例1−2:Fe/Mn/Ni=100/0/0、加熱温度700℃
比較例1−3:Fe/Mn/Ni=100/0/0、加熱温度650℃。
[比較例2]
実施例1−1において、合成例1で得たFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物ではなく、合成例5で得たFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物を使用すること、加熱温度を800℃又は900℃とすること以外は同様に、種々の組成のナトリウム二次電池用正極材料を得た。具体的には、後述する表1において、O3型層状構造が「単相」となっている以下の試料を、比較例のナトリウム二次電池用正極材料として得た。
比較例2−1:Fe/Mn/Ni=50/25/25、加熱温度900℃
比較例2−2:Fe/Mn/Ni=50/25/25、加熱温度800℃。
[比較例3]
実施例1−1において、合成例1又は2で得たFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物を使用すること、加熱温度を800℃、900℃又は950℃とすること以外は同様に、種々の組成のナトリウム二次電池用正極材料を得た。具体的には、後述する表1において、O3型層状構造が「×」となっている以下の試料を、比較例のナトリウム二次電池用正極材料として得た。
比較例3−1:Fe/Mn/Ni=90/5/5、加熱温度800℃
比較例3−2:Fe/Mn/Ni=80/10/10、加熱温度900℃。
[比較例4]
実施例1−2において、加熱時間を20時間とすること以外は同様に、種々の組成のナトリウム二次電池用正極材料を得た。具体的には、以下の試料を、比較例のナトリウム二次電池用正極材料として得た。
比較例4−1:Fe/Mn/Ni=80/10/10、加熱温度800℃、焼成時間20時間。
[実験例1:X線回折]
実施例1−1〜1−4で得られたナトリウム二次電池用正極材料について、CuKα線を用いたX線構造回折(XRD)を測定した。結果を図1に示す。その他の試料についても同様に試験を行った。それら実施例の結果をまとめたものを表1に、比較例をまとめたものを表2に示す。表1及び2において、「×」は、O3型層状構造の不純物相が多く含まれていたことを意味し、「−」は未実施であることを意味する。また、「単相」はO3型層状構造のみからなることを意味し、「主相」はO3型層状構造以外にごく少量(5重量%以下)の不純物相が含まれていたことを意味する。
[実験例2:結晶粒の結晶子サイズ]
上記実施例及び比較例にて得られた種々のナトリウム二次電池用正極材料中の結晶子サイズは、X線回折測定において、単相もしくは主相として観測されるO3型層状構造の(003)面に帰属される回折ピークの半価幅から、Scherrerの式に基づいて算出した。実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。なお、表1及び2において、結晶子サイズの単位は「nm」で結晶子の直径のことを示し、「−」は未実施であることを示す。
[実験例3:充放電試験(その1)]
上記した実施例1−2で得られたナトリウム二次電池用正極材料を用いて、下記の方法で電気化学セルを作製し、充放電試験を行った。
電極組成は、活物質84質量%、AB8質量%及びPTFEバインダー8質量%を混合した合剤を調製し、アルミニウムメッシュに密着接合させ、次いで、加熱処理(減圧中、220℃、10時間以上)した。対極として、試験電極計算容量の約50倍の容量を有している金属ナトリウム箔を用い、セパレータとしてポリプロピレン微多孔膜、電解液として1mol/L NaPF(EC:DEC=1:1(vol.%))を具備したコインセル(CR2032)を作製した。
充放電試験は、まず、70mAh/gの容量規制をかけて(最大容量を70mAh/gとして)、行った。その結果、図2に示されるように、充電容量と放電容量はほとんど同じであり、70mAh/gの容量においては、ほぼ100%の効率で充放電可能であることが確認できた。
次に、80mAh/gの容量規制をかけて(最大容量を80mAh/gとして)、同様の試験を行ったところ、この場合も同様に、図2に示されるように、ほぼ100%の効率で充放電可能であることが確認できた。
この後、容量規制(最大容量)を10mAh/gずつ増加させていき、ほぼ100%の効率で充放電できなくなるまで試験を続けた。その結果、図2に示されるように、容量規制(最大容量)が100mAh/gまではほぼ100%の効率で充放電することができ、容量規制(最大容量)が110mAh/gとするとほぼ100%の効率での充放電ができなくなった。このことから、ほぼ100%の効率で充放電することができる最も大きな容量である100mAh/gを、実施例1−2のナトリウム二次電池用正極材料の容量とした。
また、他の実施例及び比較例で得た種々のナトリウム二次電池用正極材料についても同様に試験を行い、容量を決定した。実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。なお、表1及び2において、容量の単位はmAh/gである。
上記の表1及び2から、Fe:Mn:Ni=100:0:0(モル比)の場合における最大の容量は70mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は50.5重量%であることから、鉄の重量分率容量は、35.3mAh/gである。
上記の表1及び2から、Fe:Mn:Ni=90:5:5(モル比)の場合における最大の容量は80mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は45.4重量%であることから、鉄の重量分率容量は、36.3mAh/gである。
上記の表1及び2から、Fe:Mn:Ni=80:10:10(モル比)の場合における最大の容量は100mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は40.3重量%であることから、鉄の重量分率容量は、40.3mAh/gである。
上記の表1及び2から、Fe:Mn:Ni=70:15:15(モル比)の場合における最大の容量は120mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は35.2重量%であることから、鉄の重量分率容量は、42.3mAh/gである。
上記の表1及び2から、Fe:Mn:Ni=60:20:20(モル比)の場合における最大の容量は120mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は30.2重量%であることから、鉄の重量分率容量は、36.2mAh/gである。
上記の表1及び2から、Fe:Mn:Ni=50:25:25(モル比)の場合における最大の容量は130mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は25.1重量%であることから、鉄の重量分率容量は、32.7mAh/gである。
上記の結果を図3にまとめた。その結果、Fe:Mn:Ni=90〜56:5〜22:5〜22(モル比)の範囲においては、従来品であるNaFeO(Fe:Mn:Ni=100:0:0(モル比))と比較し、鉄の重量分率容量を向上させることができ、好ましいことが理解できる。なお、Fe:Mn:Ni=80〜70:10〜15:10〜15(モル比)の範囲においては、鉄の重量分率容量を、特に顕著に向上させることができた。
なお、上記表1の実施例2−3〜2−7及び2−12〜2−15に示されるように、Mn及びNiの量を異なるものとした場合には、Mn及びNiの量を同一とした場合と同等又はそれに準ずる結果が得られた。Fe:Mn:Ni=70:20:10(モル比)の場合における最大の容量は120mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は35.3重量%であることから、鉄の重量分率容量は、42.3mAh/gである。Fe:Mn:Ni=70:10:20(モル比)の場合における最大の容量は110mAh/gである。この場合、正極材料中の鉄の重量分率は35.2重量%であることから、鉄の重量分率容量は、38.7mAh/gである。
[実験例4:充放電試験(その2)]
さらに、実施例2−4の試料を用いて、上記実験例3と同様の電気化学セルを用いて、電流密度10mA/gにおいて、カットオフ1.5〜4.0Vにおける定電流測定(110mAh/g容量規制)で充電開始により繰り返し充放電試験を行い、充放電サイクル特性を評価した。
その結果、1サイクル目〜13サイクル目まで容量110mAh/gを維持しており、非常に優れた充放電サイクル特性が得られた。
一方、合成例1〜4で得られたFe−Mn−Ni複合スピネル酸化物を使用するのではなく、市販の炭酸ナトリウム、市販の酸化鉄(Fe;平均粒子径0.4μm)、市販の酸化マンガン(Mn;平均粒子径1μm)、及び市販の水酸化ニッケル(Ni(OH);平均粒子径1μm)を、Na:Fe:Mn:Ni=100:70:15:15(モル比)となるように、ボールミルで混合し、900℃で10時間加熱した場合(実施例3)には、容量110mAh/gを維持できたのは7サイクル目までであった。この結果、実施例1〜2等のように、原料化合物として、Fe−Mn−Ni複合スピネル酸化物を使用することにより、さらに、充放電サイクル特性を向上させることができることが理解できた。
[実験例5:充放電試験(その3)]
さらに、実施例1−2の結晶子サイズの直径が43nmの試料を用いて、上記実験例3と同様の電気化学セルを用いて、電流密度10mA/gにおいて、カットオフ1.5〜4.0Vにおける定電流測定(100mAh/g容量規制)で充電開始により繰り返し充放電試験を行い、充放電サイクル特性を評価した。
その結果、1サイクル目〜20サイクル目まで容量100mAh/gを維持しており、優れた充放電サイクル特性が得られた。
一方、比較例41で得られた結晶子サイズの直径が110nmの試料では、容量100mAh/gを維持できたのは10サイクル目までであった。この結果より、合成試料の結晶子サイズは良好な充放電サイクル特性を得るために重要なパラメータであり、大きすぎると、特性が低下することが確認でした。
[実験例6]
比較例1−1の試料と実施例1−2の試料について充電過程における結晶構造の変化をin situ XRDによって、比較した結果を図4及び図5に示した。比較例1−1の鉄を他の元素で置換していない試料では、充電によりナトリウムを引き抜いていくと引き抜き量が0.32molとなったところから、元のO3型層状構造から単斜晶系結晶構造への構造変化に由来するピークが新たに観察された。ナトリウム引き抜き量0.32molを容量換算するとほぼ77mAh/gとなり、安定な可逆容量が得られるナトリウム引き抜き量と、構造変化が起こるナトリウム引き抜き量がほぼ一致することがわかった。一方、実施例1−2の試料では、充電によりナトリウムを引き抜いていっても、単斜晶系の構造に由来するピークは観察されず、比較例1−1のような構造変化が起こっていないことが確認された。

Claims (13)

  1. O3型層状構造を主相とし、一般式(1):
    Na1±δFe1−x−yMnNi
    [式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]
    で示される組成を有し、結晶子サイズが平均で30〜60nmである結晶粒を有する化合物を含有する、ナトリウム二次電池用正極材料。
  2. 前記一般式(1)において、0.10≦x+y<0.40である、請求項1に記載のナトリウム二次電池用正極材料。
  3. 充電時にO3型層状構造から単斜晶系結晶構造への構造変化のない、請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池用正極材料。
  4. O3型層状構造を80モル%以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法であって、
    ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物を加熱する加熱工程
    を備える、製造方法。
  6. 前記加熱工程の加熱温度が700〜1000℃である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物が、鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物、水酸化物及び炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ナトリウム含有化合物との混合物である、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記ナトリウム、鉄、マンガン、ニッケル及び酸素を含む混合物が、鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物と、ナトリウム炭酸塩との混合物である、請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記鉄、マンガン及びニッケルを含む酸化物が、鉄、マンガン及びニッケルを含む硫酸塩、硝酸塩又は塩化物の水溶液をアルカリ水酸化物水溶液に滴下することにより得られる、請求項8に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料を含有する、ナトリウム二次電池用正極。
  11. 請求項10に記載のナトリウム二次電池用正極を備えるナトリウム二次電池。
  12. 請求項11に記載のナトリウム二次電池を用いることを特徴とする電気機器。
  13. ナトリウム二次電池の充電時に、ナトリウム二次電池用正極材料がO3型層状構造から単斜晶系結晶構造への構造変化を抑制する方法であって、
    O3型層状構造を主相とし、一般式(1):
    Na1±δFe1−x−yMnNi
    [式中、δは0〜0.10;x及びyは同じか又は異なり、xは0.05〜0.23、yは0.05〜0.23である。]
    で示される組成を有し、結晶子サイズが平均で30〜60nmである結晶粒を有する化合物を含有するナトリウム二次電池用正極材料を使用する、方法。
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