JP2006070187A - 珪酸塩蛍光体、発光装置及び該発光装置を用いた表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Br、Sr、Caのうちの1種以上と、MgとZnのうちの1種以上と、Siとから構成される母体がEuで付活されてなる珪酸塩蛍光体の母体中にCu、Ga、Ge、As、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Au、Hg、Tl、Pb、Biの内の1種以上の元素を含有させて高輝度の蛍光体を得、この蛍光体を使用してPDPやランプ等の発光装置及び表示装置を構成する。
【選択図】図2
Description
本発明に関連する蛍光体については、特許文献1、2と非特許文献1に記載があり、これらを用いた発光装置、表示装置については、特許文献3、4に記載がある。
現行のPDP装置の蛍光体には青色蛍光体として一般にアルミン酸塩蛍光体(BaMgAl10O17:Eu、以下「BAM」と称する)が使用されているが、長寿命化、さらなる高輝度化などが望まれている。
PDP装置や希ガス放電ランプに使用可能で、例えば従来青色発光蛍光体であるBAMに比べ長寿命の青色蛍光体として珪酸塩系蛍光体が提案されているが、輝度特性が十分とは言えず、実用化にはもう一段の改善が必要とされている。
そして、該新規な珪酸塩蛍光体を用いて新規な発光装置を構成することを特徴とする。
更に、該新規な発光装置を使用して新規な表示装置を構成することを特徴とする。
そして、本発明に係る表示装置は本発明の発光装置を用いることにより、より高い輝度での表示が可能となる利点がある。
このとき、上記添加元素が添加されうるEuで付活された珪酸塩蛍光体の母体の一般式は下記式(I)で表される。
[式中、M1はBrとSrとCaとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群より選択された1種以上の元素であり、a、b、c、x、yはそれぞれ0.9≦a≦4、0.001≦b≦0.2、0<c≦1.2、0.8≦x≦3、3≦y≦10である。]
そして、本発明において使用可能なEuで付活される珪酸塩蛍光体母体のより具体的な組成式を以下に示す。
すなわち、珪酸塩蛍光体母体に添加され使用可能な上記添加元素はイオンとなって蛍光体中に存在する。そして、それらのイオンはns型イオンと総称され、基底状態がns2の電子配置をとり、励起状態はs2電子が1個p軌道に移ったnsnpの電子配置となる。何れのイオンも独立に蛍光体中に分散されて発光中心ともなりうるものである。
そして、添加元素未添加の場合は、真空紫外線により蛍光体母体が励起された後、その励起エネルギーの一部が発光中心であるEu2+に移動し、Eu2+が励起され、励起状態のEu2+が失活する際に発光する。
以下、本発明を実施するための最良の形態に対応する珪酸塩蛍光体、発光装置及び表示装置の実施例を説明する。
そして、次のようにして合成を行った。
得られた焼成物は粉砕後、水洗、乾燥を行い珪酸塩蛍光体を得た。
その後、147nm真空紫外線励起下での本発明にかかる第一の実施例である珪酸塩蛍光体の発光特性と発光輝度を評価した。発光特性評価により、発光極大の波長が460nmである青色の発光を確認した。
図1は、本発明に係る第一の実施例である珪酸塩蛍光体の発光輝度を比較例である珪酸塩蛍光体と相対比較して示す図である。尚、図1では便宜的に次に説明する本発明に係る第二の実施例である珪酸塩蛍光体の発光輝度のデータも併せて表示している。
評価結果は、図1に示すとおり、Biを含有しない比較対照サンプルの147nm真空紫外線励起下での発光輝度を100%とした場合、第一の実施例である珪酸塩蛍光体の発光輝度は106%であった。
以上より、珪酸塩蛍光体の発光輝度における添加の元素の増感効果を確認できた。
そして、本発明にかかる第一の実施例である珪酸塩蛍光体と同様の方法で以下のようにして合成を行った。
得られた焼成物は粉砕後、水洗、乾燥を行い珪酸塩蛍光体を得た。
評価結果は、図1に示す通り、Biを含有しない第一実施例の比較対照サンプルの147nm真空紫外線励起下での発光輝度を100%とした場合、第二の実施例である珪酸塩蛍光体の発光輝度はほぼ同じ値である99%であった。
よって、珪酸塩蛍光体において発光輝度を高めるため増感効果を期待して添加の元素を含有させる場合、その含有量は付活成分であるEu量以下の量で含有されることが望ましいことがわかった。
図2は、本発明にかかる第一実施例であるBiを含有するユ−ロピウム(2価)付活の珪酸塩蛍光体を用いて構成された発光装置であるプラズマディスプレイパネル(PDP)の画素部分の分解斜視図である。
尚、図2中で示された符合3のラインは電極2(表示電極)と一体となって電極抵抗を低下させるために設けられた銀若しくはCu-Crからなるバスライン3であり、符合4,8の層は誘電体層4,8であり、符合5の層は電極保護のために設けられた保護膜5である。
本実施例であるPDPの製造については,背面基板上に,銀などで構成されているアドレス電極と,ガラス系の材料で構成される誘電体層を形成した後,同じくガラス系の材料で構成される隔壁材を厚膜印刷し,ブラストマスクを用いて,ブラスト除去により,隔壁を形成する。
ここで,各蛍光体層は,赤,緑,青に対応し,赤蛍光体粒子40重量部(ビヒクル60重量部),緑蛍光体粒子35重量部(ビヒクル65重量部),青蛍光体粒子35重量部(ビヒクル65重量部)とし,それぞれビヒクルと混ぜて蛍光体ペーストとし,スクリーン印刷により塗布したあと,乾燥及び焼成工程により蛍光体ペースト内の揮発成分の蒸発と有機物の燃焼除去を行って形成する。なお,本実施例で用いた蛍光体層は,中央粒径が略3μmの各蛍光体粒子で構成されている。
次に,表示電極,バス電極,誘電体層,保護層を形成した前面基板と,背面基板をフリット封着し,パネル内を真空排気した後放電ガスを注入し封止する。本実施例に係るPDPは,そのサイズが3型で一画素のピッチが1000μm×1000μmである。
図3は、本発明にかかる第一実施例であるBiを含有するユ−ロピウム(2価)付活の珪酸塩蛍光体を使用して構成された発光装置であるプラズマディスプレイパネル(PDP)を用いたプラズマディスプレイ表示装置を備えた画像表示システムの例を示すブロック図である。
また,この実施例では赤及び緑の蛍光体に関して,詳細な検討については示していないが,以下に示す各組成の蛍光体でも同様にPDPを作製することができる。
図4は、本発明にかかる第一実施例であるBiを含有するユ−ロピウム(2価)付活の珪酸塩蛍光体を用いて構成された発光装置である希ガス(キセノンガス)放電白色蛍光ランプの構造を示す横断面図である。
また、本実施例のランプをバックライトとし、別に準備した液晶ディスプレイパネルと組み合わせることにより、表示装置として、液晶表示装置120を製造した。
図5は、本発明にかかる第一実施例であるBiを含有するユ−ロピウム(2価)付活の珪酸塩蛍光体を使用して製造された発光装置である希ガス(キセノンガス)放電白色蛍光ランプを用いて構成された液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。
筐体123と蛍光ランプ110との間には、蛍光ランプ110から筐体123側に出射した光を効率良く利用するための反射板124を配設した。また、液晶表示装置における輝度の面内分布を小さくするため、蛍光ランプ110の直上に拡散板126を配置した。
蛍光ランプ110にはインバータ129を接続し、蛍光ランプ110の点灯制御が必要な場合はインバータの駆動によって点灯制御可能となるように構成した。尚、希ガス(キセノンガス)放電白色蛍光ランプ110、筐体123、反射板124、拡散板126、プリズムシート127A,127B、偏光反射板128、インバータ129をまとめてバックライトユニット121と以下で称する。
最後に、バックライトユニット121と液晶パネル122とを重ね合わせ、筐体130でカバーすることにより液晶表示装置を得た。
この本実施例に係る液晶表示装置は、高輝度であり、明るい表示が可能な表示装置であった。
青色蛍光体以外の蛍光体については、緑色蛍光体として2価マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を,そして赤色蛍光体には3価ユ−ロピウム付活酸化イットリウム・ガドリニウム蛍光体を用いた。
また、本実施例の平面型希ガス(キセノンガス)放電白色蛍光ランプを1つ使用して、上記実施例5の欄で説明したものと同様のバックライトユニットを構成し、やはり同様の液晶パネルを同様に配設して液晶表示装置を製造した。
表示装置として、明るい表示が可能な液晶表示装置を製作することができた。
ここでは,まず蛍光膜を形成するガラス基板の内面に均一な透明電極を形成した。次に、青色蛍光膜を構成する青色蛍光体として本発明にかかる第一実施例である2価ユ−ロピウム付活の珪酸塩蛍光体を,緑色蛍光膜を構成する緑色蛍光体として2価マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を,そして赤色蛍光膜を構成する赤色蛍光体として3価ユ−ロピウム付活酸化イットリウム・ガドリニウム蛍光体を順次形成した。
このFEDパネルは高効率,かつ長寿命の特性を示した。
このパネルを用いて,表示装置を構成し,テレビ,ビデオ,自動車などのディスプレイシステムとして使用したところ,高輝度の良好な表示品質が得られることを確認した。
2,9 電極
3 バスライン
4,8誘電体層
5 保護膜
7 隔壁
10 蛍光体層
100 プラズマディスプレイパネル
101 駆動回路
102 プラズマディスプレイ表示装置
103 映像源
104 画像表示システム
110 希ガス放電白色ランプ
111 ガラス管
112 蛍光体
113 電極
120 液晶表示装置
121 バックライトユニット
122 液晶パネル
123,130 筐体
124 反射板
126 拡散板
127A,B プリズムシート
128 偏光反射板
129 インバータ。
Claims (5)
- バリウム(Br)とストロンチウム(Sr)とカルシウム(Ca)とからなる群より選択された1種以上の元素と、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)とからなる群より選択された1種以上の元素と、珪素(Si)とを含んで構成される蛍光体母体がユーロピウム(Eu)で付活されてなる珪酸塩蛍光体において、
該母体中に銅(Cu)とガリウム(Ga)とゲルマニウム(Ge)と砒素(As)と銀(Ag)とカドミウム(Cd)とインジウム(In)とスズ(Sn)とアンチモン(Sb)と金(Au)と水銀(Hg)とタリウム(Tl)と鉛(Pb)とビスマス(Bi)とからなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加元素として含有することを特徴とする珪酸塩蛍光体。 - 請求項1記載の珪酸塩蛍光体において、
上記Euで付活された蛍光体母体の一般式が下記式(I)で表され、上記添加元素は該Euの含有量以下の量で含有されることを特徴とする珪酸塩蛍光体。
(M1a-b・Eub)・(M2)c・SixOy (I)
[式中、M1はBrとSrとCaとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群より選択された1種以上の元素であり、a、b、c、x、yはそれぞれ0.9≦a≦4、0.001≦b≦0.2、0<c≦1.2、0.8≦x≦3、3≦y≦10である。] - 請求項1または2のいずれか記載の珪酸塩蛍光体を用い、該珪酸塩蛍光体からの発光を利用するよう構成されたことを特徴とする発光装置。
- 請求項3記載の発光装置において、
間隔をあけて対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に形成された空間内に封入され放電により紫外線を発生する放電ガスと、該一対の基板の対向面にそれぞれ配置された電極と、該一対の基板の内の一方に請求項1または2のいずれか記載の珪酸塩蛍光体を用いて構成された蛍光体層とからなり、該放電ガスから発生する紫外線により該珪酸塩蛍光体から発生する発光を利用するよう構成されたことを特徴とする発光装置。 - 請求項3または4のいずれか記載の発光装置と、該発光装置から発生する光の量または色を制御する光制御素子とからなり画像表示を行うよう構成されたことを特徴とする表示装置。
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