JP2002500667A - 人間の患者に対して経口的にタキサン類を投薬するための方法及び組成物 - Google Patents

人間の患者に対して経口的にタキサン類を投薬するための方法及び組成物

Info

Publication number
JP2002500667A
JP2002500667A JP50066399A JP50066399A JP2002500667A JP 2002500667 A JP2002500667 A JP 2002500667A JP 50066399 A JP50066399 A JP 50066399A JP 50066399 A JP50066399 A JP 50066399A JP 2002500667 A JP2002500667 A JP 2002500667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
taxane
paclitaxel
administered
cyclosporin
administration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP50066399A
Other languages
English (en)
Inventor
ブローダー,サミュエル
ダッチン,ケニス,エル.
シーリム,セイミ
Original Assignee
ベーカー ノートン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベーカー ノートン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド filed Critical ベーカー ノートン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
Publication of JP2002500667A publication Critical patent/JP2002500667A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/337Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having four-membered rings, e.g. taxol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/12Cyclic peptides, e.g. bacitracins; Polymyxins; Gramicidins S, C; Tyrocidins A, B or C
    • A61K38/13Cyclosporins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/12Drugs for disorders of the urinary system of the kidneys
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • A61P33/02Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
    • A61P33/06Antimalarials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 これまで経口生体利用率が低いか、あるいは全くないものとして示されてきたタキサン抗腫瘍剤が、タキサン応答性疾患状態にかかっている人間の患者に経口的に投与され、治療効果のある血液レベルを達成するのに充分に生体利用性をもたらす。好ましい具体例においては、タキサン、好ましくはパクリタクセルは、経口サイクロスポリン向上剤、好ましくはサイクロスポリンAと共に前記患者に共投与される。好ましい一方法では、経口向上剤の投与量は、タキサンよりも約0.5〜72時間前に投与され、当該向上剤の2回目の投与量は、タキサンの直前、一緒に、又は直後に投与される。タキサン応答性疾患状態にかかっている人間の患者の治療方法も提供されており、同様に、事前投薬を必要とすることなく、過敏症及びアレルギー性反応を防止又は減少させつつ、このような治療をもたらす方法も提供されている。

Description

【発明の詳細な説明】 人間の患者に対して経口的にタキサン類を投薬するための方法及び組成物 発明の背景 本発明は、胃腸管からの吸収の悪い医薬を人間の患者に対して経口的に投薬す るための方法及び組成物、並びに、このような薬剤の経口投与による患者の治療 方法に関するものである。本発明の一つの主要な態様は、パクリタクセル(pacli taxel)および関連のタキサン類(taxanes)を人間の患者に対して経口的に投薬す るための方法及び組成物に関する。 医学的に価値ある活性な化合物には、胃腸管からの全身的吸収が悪いために、 経口経路により効果的に投与できないものが多くある。そのため、これらの医薬 は全て一般に静脈内経路を通じて投与され、医師または他の保健専門家の介入を 要し、患者に相当な不快感と潜在的な局部外傷を与え、ある種の静脈内注入の場 合には外科的手段を有する病院施設での投与を要することもある。 人間に経口的に投薬された際に通常は生物学的利用能のない細胞毒性剤の重要 な種族の一つがタキサン類であり、これには、パクリタクセル、その誘導体及び 同属体が含まれる。パクリタクセル(ブリストル−マイヤース・スクイブ・オン コロジーディビジョンからタクソール(TAXOL、登録商標)として現在市販され ている)は、太平洋櫟(Taxus brevifolia)から単離された天然のジテルペン製 品である。これは、テルペンのタキサン属の一つである。最初、1971年にワ ニらが単離し(J.Am.Chem.Soc.,93:2325,1971)、彼らはその構造を化学的 およびX線結晶学的方法で特徴づけた。その活性の一つの機構は、パクリタクセ ルのチュブリンを結合する能力に関係があり、これによって癌細胞の成長を抑止 する。シッフら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:1561-1565(1980)、シッフ ら、Nature,277:655-667(1979)、クマール、J.Bio.Chem.,256:10435-1044 1(1981)。 パクリタクセルは、米国において難治性の卵巣癌の治療での臨床的使用が認め られている(マークマンら、Yale Journal of Biology and Medicine,64:583, 1991、マガイヤら、Ann.Intern.Med.,111:273,1989)。これは、胸部を含む 種々の種類の腫瘍の化学療法に有効であり(ホームスら、J.Nat.Cancer Inst. ,83:1797,1991)、また肺癌の治療に承認されている。これは、皮膚の腫瘍( アインツィヒら、Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.20:46)および頭部と首部の癌 の治療(フォラスタイアら、Sem.Oncol.,20:56,1990)の潜在的な候補である 。この化合物は、また多嚢胞脾臓疾患(ウーら、Nature,368:750,1994)、肺 癌およびマラリアの治療にも可能性を示す。 パクリタクセルは水に僅かしか溶けず、このことが抗癌化学療法に有用な適切 な注射可能の注入処方の開発に重要な問題をもたらしている。パクリタクセルが 水不溶性であるために、医薬担体としてクレモフォールEL(商標)(ポリエト キシル化ヒマシ油)を使う静脈内注入用のパクリタクセルのいくつかの処方が開 発されてきた。例えば、NCIの保護の下に臨床試験に使用されるパクリタクセ ルは、50%のクレモフォールEL(商標)と50%の脱水アルコール中に配合 されている。しかし、クレモフォールEL(商標)は静脈内投与すると、それ自 体毒性であり、イヌに血管拡張、呼吸困難、倦怠、低血圧および死を起こす。こ れはまた、クレモフォールが存在しない場合でもパクリタクセルがそれ自身で急 性反応を引き起こすことがあるといういくつかの証拠があるが、パクリタクセル の投与の間に観察されるアレルギー性の反応に対して、少なくとも部分的に関与 していると思われる。 パクリタクセルの溶解度を高め、より安全な臨床処方を開発するために、2’ −および/または7−位置が水溶性を高める基で誘導体化されたパクリタクセル 同族体を合成する方向に研究が向けられた。これらの努力の結果、元の化合物よ り水溶性が高く、活性化によって細胞毒性を示す医薬前駆体が得られた。そのよ うな医薬前駆体の一つの重要なグループには、パクリタクセル及びドセタクセル の2’−オニウム塩、特に2’−メチルピリジニウムメシレート(2’−MPM )塩が含まれる。 パクリタクセルは、経口投与(1%未満)した場合には吸収が非常に悪い。ア イスマンら、Second NCI Workshop on Taxol and Taxus(1992年9月)、スタッ フネスら、タクソールの科学と応用(CRC Press 1995)参照。アイスマンらは、 パクリタクセルを経口投与した場合に、生体利用率は0%であることを示してお り、スタッフネスらは、160mg/kg/日までの経口投与では抗腫瘍活性の 証拠が見い出されないので、パクリタクセルの経口投与は可能性がないようであ ると報告している。さらに、パクリタクセルの経口投与(すなわち、パクリタク セルの経口生体利用率の向上法)またはドセタクセルのような抗腫瘍活性を示す 他の経口タキサン類またはパクリタクセル類縁体の有効な投与を可能にする効果 的な方法は開発されなかった。この理由のため、パクリタクセルは現在までのと ころ、ヒトの患者に経口投与されておらず、パクリタクセルに応答する疾患の治 療の過程にほとんど入れられていない。 ドセタクセル(N‐デベンゾイル‐N‐tert‐ブトキシカルボニル‐10‐デ アセチルパクリタクセル)は、肺癌の治療用の非経口形態で、タクソテレ(TAXOT ERE(登録商標)(ローン−プーラン・ローレルS.A.)として市販されてき た。現在までのところ、動物またはヒトへのドセタクセルの経口吸収については 科学文献に引用は行われてはいない。 或る場合には、経口投与の後の医薬(パクリタクセルなど)の経口生体利用率 の悪さ又は無さは、多種薬物の輸送体(multidrug transporter)である膜結合P −糖蛋白(P-glycoprotein)の活性の結果であり、これがエネルギー依存性の輸送 体または流出ポンプ(efflux pump)として作用して、細胞から生体異物を追い出 して、医薬の細胞内の蓄積を減少させるということが推測されてきた。このP− 糖蛋白は、胆汁ライニング、腎臓の基部細管のブラシボーダーのような分泌内皮 の通常組織および血液脳関門(bloodbrain barrier)、胎盤および睾丸を覆う血管 内皮細胞内で同定されている。 P−糖蛋白の流出ポンプは、或る種の医薬化合物が小腸の粘膜細胞を横断する のを阻止し、従って全身への循環へ吸収されることを阻止すると思われる。多数 の公知の非細胞毒性の医薬がP−糖蛋白を阻害することが示されており、その中 にはサイクロスポリンA(サイクロスポラインとも言う)、ベラパミル(verapa- mil)、タモキシフェン(tamoxifen)、キニジン(quinidine)およびフェノチアジン (phenothiazine)などがある。これらの研究の多くは、腫瘍細胞内での静脈内投 与された細胞毒性の医薬の蓄積を多くすることを達成することを目的とした。 事実、パクリタクセル(フィッシャーら、Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.,13:14 3,1994)、ドクソルビシン(バートレットら、J.Clin.Onc.,12:835-842,19 94)、およびエトポシド(ラムら、J.Clin.Onc.,10:1635-42,1992)の薬理 動力学および毒性に対するサイクロスポリンの影響を検討する臨床試験が行われ たが、それらはいずれも多種薬物耐性(MDR,multidrug resistance)を受け やすいことで知られた抗癌剤である。これらの試験の示すところでは、抗癌剤の 前、または一緒に静脈内サイクロスポリンを受けた患者は、多分ボディークリア ランスの減少によって、その医薬の血中レベルが高くなり、かなり低い投与レベ ルで予期された毒性を示した。これらの知見はサイクロスポリンの同時投与がP −糖蛋白のMDR作用を抑え、この医薬の細胞内の蓄積を多くすることができた のを示すものである。P−糖蛋白の阻害剤の臨床使用についての薬理学的意味に 一般的な説明については、ラムら、Drug Resist.Clin.Onc.Hemat.,9:319-33 6(1995);シンケルら、Eur.J.Cancer,31A:1295-1298(1995)を参照されたい 。 医薬の血中レベルの増加のためのサイクロスポリンの使用に関する上記の研究 では、活性な抗腫瘍剤とサイクロスポリンは静脈内に投与された。サイクロスポ リンが、経口投与によって、高い毒性の副作用を示すことなく消化管からの吸収 が悪い経口投与された抗癌剤および他の医薬の生体利用率をかなり増大できると いう示唆はこれらの文献には示されていない。事実、上に引用した1995年の概論 において、ラムらはMDRに依存するMDR阻害剤および化学療法剤の同時静脈 内投与が毒性レベルを増加させ、患者の重篤な副作用を増悪させたことを示して いる。シンケルらは、MDR1およびP−糖蛋白が腸の粘膜細胞に豊富であり、 これがP−糖蛋白の基質医薬の経口生体利用率に影響し得るという事実に簡単に 言及しているが、MDR阻害剤の経口投与が経口で利用できない薬剤の生体利用 率を向上させ得ることは示唆も暗示もしなかった。更に、ラムらと同様に、シン ケルらはP−糖蛋白の阻害剤が化学療法の患者において毒性を劇的に増大させ、 そのため注意して使用しなければならないと警告している。 初期の発表において、シンケルらは、正常なマウスに比べて、MDR1aの遺 伝子の分裂について同形のマウスで経口摂取のイベルメクチン(ivermectin)の吸 収が増加し、この薬剤の生体利用率の低下にP−糖蛋白が重要な役割をすること を示している(Cell,77,491-502,1994)。更に、この研究は種々の組織への ビンブラスチン(vinblastine)の浸透が変異マウスで増加することも示した。 どの発表された研究も、パクリタクセルのような人間に対する生体利用率の低 い医薬の有効な経口投与を実施するための、例えば特定の目標の医薬および生体 利用率向上剤(bioavailability-enhancingagent)のそれぞれの投与範囲及び投与 のタイミングで、各目標医薬または医薬の種類の経口吸収を促進するのに最も適 したものを示す摂生法も提供していない。 今日まで、非経口でのみ投与されてきた医薬の消化管吸収を増加させるために この分野で開示された方法は、一般に促進剤としての、浸透および溶解度向上剤 の使用、または小腸内の管腔内潅流またはP−糖蛋白の静脈内経路による共投与 が中心であり、例えばリューら、Cancer Chemother.Pharmacol.,35:432-436, 1995等である(キニジンの潅流または静脈内注入により、血液から胃腸管の管腔 内へのエトポシドの流出が抑制される)。しかし、これらの方法には多くの欠点 がある。溶解度および浸透性向上剤は、しばしば必要投与量での経口投与には実 際的でないか、効果がなく、目標の医薬の薬理活性を阻害することがある。ヒト への治療投与量(または近似治療投与量)でのP−糖蛋白の阻害剤の非経口投与 は、重篤な臨床的結果をもたらすことがある。例えば、キニジンの場合、静脈内 投与は不整脈、末梢血管拡張、胃腸異常などを起こすことがある。最も重要なの は、これらが、人間に対して経口的に抗腫瘍剤をどのようにして投薬するのかを 全く示唆していないということである。 公開されたPCT出願WO95/20980(1995年8月10日公開)で ベネットらは、経口投与された疎水性の医薬化合物の生体利用率を向上させる方 法を開示している。この方法は、シトクロムP450 3A酵素の阻害剤または P−糖蛋白−仲介の膜輸送の阻害剤から成るバイオエンハンサー(bioenhancer) と同時に、そのような化合物を患者に経口投与することから成る。しかしながら ベネットらは、どの生体利用率向上剤が個々の「目標」医薬化合物の利用率を改 善するかを確認する手段を実際には提示しておらず、その向上剤(enhancer)また は目標薬剤(target agent)の投与のための個々の投与量、スケジュールまたは養 生方法も一切示していない。事実、ベネットの出願には多くの潜在的な向上剤( P450 3A阻害剤)および目標薬剤(P450 3A基剤)を表示している が、実験的証拠で支持される向上剤と目標薬剤の唯一の組み合わせは、向上剤と してのケトコナゾールと目標薬剤としてのサイクロスポリンAだけである。 P−糖蛋白の輸送活性の減少によりバイオエンハンサーとして使用できる化合 物の一般特性を説明するに当たって、ベネットらは、これらが疎水性の化合物で あり、一般に、ただし必ずではないが、二つの共面をもつ芳香族環、正に荷電し た窒素基またはカルボニル基から成り、これには無数の化合物が含まれるが、そ の大部分は、個々の目標薬剤の場合に所望の吸収促進効果をもたらさないことを 示している。さらに、ベネットらが開示している目標薬剤の種類は、医師卓上便 覧(Physicians’Desk Reference)に挙げられた医薬の大部分を含んでいる。これ らの包含の基準は、個々の医薬品を経口投与する安全で実際的かつ有効な方法を 探す上で医療実務者に価値がない。 ベネットらの開示のもう一つの欠点は、経口投与時に吸収の悪い医薬の生体利 用率が改善されたかどうかを決めるために適用される基準である。ベネットらは P−糖蛋白阻害剤が一定の濃度で腸管内に存在する場合、ブラシボーダー膜小嚢 またはP−糖蛋白含有細胞中でのP−糖蛋白によるローダミン123の経膜輸送 を10%以上減少させ、この濃度でバイオエンハンサーと考えられ、彼らの発明 に実施の使用され得る。しかし、そうでなければ吸収されない薬剤の腸管からの 吸収が僅か10%しか増加しないことは、その薬剤をどのような目的にしろ治療 上有効にするのには不適当である。事実、連邦食品医薬局のガイドラインでは、 同じ活性成分を含むが、その生体利用率のレベルが−20%/+25%しか相違 しない2つの医薬製剤は、生物学的に等価なものと考えられている。何故なら、 大抵の医薬で活性成分の血中濃度の−20%/+25%の差は、臨床的に有意で はない からである。治療等価性の評価での認可された医薬製品(Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations,HHS省、第14版,1994 年)。FDAが二つの医薬処方を生物学的に等価と判定した場合、医師および薬 剤師はそれらを自由に置き換えられると考える。 一般に、ベネットらは適切なバイオエンハンサー/目標薬剤を確認するためや また、人間に対する経口投与時に目標薬剤を治療上有効にする個々の治療法やス ケジュールを設計するために、医療や薬理の当業者がフォローできるような教示 を何も与えていない。又、ベネットらは、どのようにして、パクリタクセルや他 のタキサン類が治療効力及び受容可能な毒性を有して人間に対し経口的に投与で きるかに関していかなる示唆をも提供していない。 すなわち、経口で投与したとき充分にまたは首尾一貫して吸収されないので、 非経口的でだけ現在、人間に対して投与されている医薬の経口投与時に全身的な 利用率を上げるための安全で有効な方法が要望されているが、先行技術では提供 されていない。 驚くべきことに、抗腫瘍剤の中のタキサン属(特にパクリタクセル)が、実質 的で治療効果のある血液レベルが達成されるようにして、しかも、副作用を防止 するために薬剤を前投与しない場合であっても、好ましくない毒性がなく、副作 用が観察されない状態で、人間に対して経口的に投与できることが、今ここで見 い出され、実験的に証明された。 本発明は主に、これらの薬剤に応答性のある疾患にかかった人間の患者に対し てタキサン類を1種又は組み合わせて経口投与することに関する。本発明の好ま しい具体例は、細胞マルチドラッグ耐性を抑制するのに効果的な薬剤(向上剤、 enhancing agent)の1種又は組み合わせを経口経路にて人間の患者に、前投与 および/または同時投与することによって、胃腸管または腸管からの吸収が悪い かまたは全く吸収されないタキサン類の、人間に対する経口生体利用率を増加さ せる方法に関する。前投与を使う場合は、生体利用率向上剤は充分な量を、生体 利用率を増加させるべきタキサン(「目標医薬(target drug)」または「目標薬 剤(target agent)」)の投与の前、充分短い時間内に投与して、目標薬剤の投与 時に吸収の部位に充分なレベルの向上剤が残留し、マルチドラッグ輸送物質、代 謝酵素及び/又は、上記目標医薬の腸管吸収を防止するかあるいは抑制する他の ファクターの活性を抑制するのに効果的となるようにしなければならない。 本発明の第2の観点、すなわち具体例は、これまで非経口投与でしか利用され てこなかったタキサン類の経口投与によって、タキサン応答性のある疾患にかか った患者を治療する方法に関する。更に、この他の観点、すなわち具体例は、タ キサン療法を受けている患者における過敏症(hypersensitivity)及びアレルギー 性反応を防止又は減少させるための方法である。 図1は、測定されたサンプルにおけるパクリタクセルの循環レベルを示すグラ フであり、(a)下側の曲線‐経口パクリタクセルだけを投与したラットの第1 グループによって6〜8時間の期間にわたって測定されたもの、及び、(b)上 側の曲線‐経口サイクロスポリンAと経口パクリタクセルの共投与を行う1時間 前に経口的に投与したラットの第2グループによって24時間の期間にわたって 測定されたものである。 図2は、経口サイクロスポリンAの2回投与後に経口パクリタクセルを投与し た人間の患者から採取された血漿試料中のパクリタクセルのレベルを示すグラフ であり、経口サイクロスポリンAの1回目は、パクリタクセル投薬を行う1時間 前に投与され、2回目は、パクリタクセルの直前に投与される。 図3は、図2について記載されているのと同様の養生法によって、経口パクリ タクセルを投与したもう一人の人間の患者から採取された血漿試料中のパクリタ クセルのレベルを示すグラフである。 図4は、経口サイクロスポリンAの2回投与後に経口パクリタクセルを投与し たラット(図1)及び人間(図2及び3)における、24時間に渡って測定され たパクリタクセル血漿レベル曲線の比較を示すグラフである。 本発明は、その主たる側面において、タキサン‐応答性のある疾患にかかった 人間の患者に対して、抗腫瘍剤であるタキサン属、特にパクリタクセル及びその 誘導体、類似物及びプロドラッグ、及び半合成パクリタクセル類似体のドセタク セル(N−デベンゾイル‐N‐tert‐ブトキシカルボニル‐10‐デアセチルパ クリタクセル)を経口的に投与することに関する。本発明の好ましい具体例又は 態様には、(a)治療上の血液レベルを達成するために充分な生体利用率を伴っ て非経口的にしかこれまで投与されてこなかったタキサン類を経口投与するため の方法、(b)タキサン類の経口投与によって、タキサン‐応答性のある疾患に かかった人間の患者を治療するための方法、及び(c)タキサン療法を受けてい る患者における過敏症及びアレルギー性反応を防止又は減少させるための方法が 含まれる。 ここに使用する「生体利用率」という語は、患者へ投与される一定量の医薬の 全身利用率(すなわち、血液/血漿レベル)を言う。 経口吸収プロフィールの悪いタキサン類が、治療の範囲内での血漿レベルを示 すことが達成される、充分な全身吸収及び経口生体利用率で、人間の患者に対し て経口的に投与できることが今ここで発見された。実際には、我々は、癌にかか った人間の患者に対して経口的にタキサンパクリタクセルを実際に投与し、そし て、パクリタクセルの治療上の血液レベルが、広範囲の時間に渡ってこれらの患 者において達成されたことを実証した。 我々は動物実験で、サイクロスポリンAのようなある種の薬剤が、パクリタク セルのような薬剤の直後および/または直前に経口投与された場合、予期されず 驚くべき程度に消化管からの後者の薬剤の吸収を増加させ、治療レベルの達成が 結果として生じることを観察した。しかしながら、これらの観察結果がP−糖蛋 白ポンプの抑制によるものであることは全く明らかではない。 本発明が、人間の患者に対して生物学的利用可能とするために、経口タキサン との共投与のためのいかなる特殊な経口生体利用率向上剤の使用に限定されるも のではないことが強調される。本発明は、幅広く、人間の患者に対してタキサン 類を経口投与することにあり、上記のタキサン類を人間の患者に対する経口投与 に利用可能とするのに、いかなる特殊な向上剤や、投薬量又は養生法又は特殊な 生物学的機構の利用又は製薬上の技術を限定するものではない。 パクリタクセル、その誘導体、類似物及びプロドラッグ及びこの他のタキサン 類の、人間に対する経口投与に関する本発明の方法の好ましい具体例は、血流の 中に損傷を受けていない目標薬剤の吸収量を増加させるために、経口投与と同時 に、又は経口投与の前に、又は経口投与と同時とその前の両方に、人間の患者に 対して経口吸収又は生体利用率向上剤を経口投与することを含む。 本発明の好ましい具体例を実施するのに使用することのできる、経口的に投与 された向上剤は、下記のものを含むが、これらに限定されない: サイクロスポリン類、サイクロスポリンAないしZを含むが、特にサイクロス ポリンA(サイクロスポリン)、サイクロスポリンF、サイクロスポリンD、ジ ヒドロサイクロスポリンA、ジヒドロサイクロスポリンC、アセチルサイクロス ポリンA、PSC−833、SDZ−NIM8111(両方ともサンド・ファー マシューティカル・コーポレーションからのもの)。サイクロスポリンAないし Zの構造は下記の表1に記載されている。 上記の向上剤によってその経口吸収が増加する経口的に投与される目標治療薬 剤の類には、下記のものが含まれるが、これらに限定されない: パクリタクセル、他のタキサン類、ドセタクセルおよび誘導体および上記のす べてのプロドラッグ、特にそれらの2’−MPM塩および他の2’−メチルピリ ジニウム塩。 1SDZ−NIM811は、(Me−lle−4)−サイクロスポリン、抗ウ イルス非免疫抑制性サイクロスポリンの一つ。表1 サイクロスポリンA−Z サイクロスポリン類は、トピクラジウム(Topycladium)、例えばトピクラジウ ム・インフラツム・ガムス(Topycladium inflatum Gams)(以前はトリコデルマ ・ポリスポラム(Trichoderma polysporum)と呼んだ)、トピクラジウム・テリコ ラ(Topycladium terricola)および他の不完全菌類の生産する非極性環状オリゴ ペプチド(このうちのいくつかは免疫抑制活性を有する)の一つのグループであ る。主な成分であるサイクロスポリンA(サイクロスポリンまたはCsA)は、 いくつかの他の少ない代謝産物、例えばサイクロスポリンBないしZと一緒に確 認されてきており、このうちのいくつかはサイクロスポリンAよりもかなり低い 免疫抑制活性を示す。多数の合成および半合成の同族体も製造されてきた。一般 には、ジェゴロフら、Phytochemistry,38:403-407(1995)参照。本発明は、天 然、半合成および合成のサイクロスポリン同族体を包含する。 サイクロスポリン類は、約1200の分子量を持つ天然の親油性の環状のウン デカペプチドである。これは、免疫抑制剤(immunosuppressant)として静脈内ま たは経口で、主に臓器移植および若干の他の条件のために使用される。サイクロ スポリン類、特にサイクロスポリン(サイクロスポリンA)は、P−糖蛋白流出 ポンプ及び他の輸送ポンプ(transporter pump)ならびに若干のP450分解酵素 の公知の抑制剤であるが、現在までこの性質を臨床的に応用するための効果的な 処方は、臨床的および商業的な実現可能性または規制上の認可の点まで開発され てはいない。 本発明の驚くべき発見の一つは、ある種のサイクロスポリンによって観察され る免疫抑制が、治療薬の経口生体利用率の向上に複雑には関連していないという ことである。すなわち、サイクロスポリンFは、文献の報告によれば免疫抑制活 性を示さないにもかかわらず、パクリタクセルの経口生体利用率を高める。ステ ュワートら、Transplantation Proceedings,20:(Supp.3)989-992(1988)、グ ラネリ−ピペルノら、Transplantation,46,53s-60s(1988)。 観察されたパクリタクセルの生体利用率の増加の説明の別の可能性は、サイク ロスポリンおよびパクリタクセルのための医薬代謝性の酵素のレベルでの相互作 用があり得るということである。両方の薬剤はチトクロームP−450系(例え ばP−450 3A)によって高度に代謝されることがわかっており、これは肝 臓および小腸に集中する。最初に投与されたサイクロスポリンがこれらの酵素を 阻害し、非極性で親油性のパクリタクセルが吸収され得たと考えられる。この局 部的な阻害が無い場合、パクリタクセルは代謝されてもっと極性の高い代謝産物 になり、これは粘膜細胞を横断しないと思われる。 目標薬剤の消化管代謝のこのような理論的な阻害は、目標薬剤が静脈内投与さ れた際に、全身的な血液レベルを増加させるのにほとんど効果がないか、全く効 果がない。更に、経口吸収向上剤の主な効果は、消化管腔内での局部効果である ことがあるので、治癒量以下である投与(例えば免疫抑制の点から)は、所望の 効果を達成するのに効果的でなければならない。これは、強力な免疫抑制活性を 持ち、高投与レベルで投与された際に、毒性の問題を起こし得るサイクロスポリ ンのような向上剤の場合に重要な考慮すべき点である。サイクロスポリンFのよ うな非免疫抑制性のサイクロスポリンが経口向上剤としてやはり機能できるとい う我々の知見は、大きな臨床的価値がある。 我々は本発明の基礎を成す作用の機構についての仮説を呈示するが、我々はこ こに述べる驚くべき発見の元となった機構については実際にはわかっておらず、 またこのことは記載された発明の実施から当業者を妨げるものではないことは重 要である。恐らく、提案されている機構のいずれも、これらのうちのいくつか、 又はこれらのうちの全てが、タキサン(特にはパクリタクセル)経口生体利用率 の実験的にも臨床的に確証された増大において役割を果していないものと思われ る。 本発明により目標薬剤と共投与されるべき向上剤の投与範囲は、患者の体重k g当たり約0.1mgないし約20mgである。向上剤の「共投与(co-administ ration)」は、目標薬剤とほとんど同時の投与(0.5時間以内前、0.5時間 以内後または同時)、目標薬剤の投与の約0.5ないし約72時間前、またはそ の両方、すなわち少なくとも0.5時間前に与える同一または異なった向上剤の 一回以上の投与および目標薬剤とほとんど同時(一緒または直前または直後)に 与える一回の投与を包含する。さらに、「共投与」は向上剤の投与の後、72時 間以内に目標薬剤の一回以上の投与を含み、言い換えれば、目標薬剤の投与の前 または一緒に向上剤を投与する必要はなく、治療の過程の間に断続的に投与して もよい。 経口投与の目標薬剤の投与範囲は、その治療指数(therapeutic index)、治療 条件の要件、対象の状況などによって化合物ごとに異なる。本発明の方法は、約 20mg/m2ないし約1000mg/m2(患者の身体表面積に基づく)の範囲 、または約2〜30mg/kg(患者の体重に基づく)の範囲で日に一回または 2〜3回に分けてパクリタクセル及びその他のタキサン類を経口投与し、各経口 投与の後、長時間(例えば8〜12時間)の間、ヒトのパクリタクセルの血漿内 レベルを50〜500ng/mlに保持することを可能にする。これらのレベル は、96時間の静脈内注入タキソール療法(これは患者に大きな不便さ、不快感 、時間のロス、感染の可能性などをもたらす)で達成されるそれに少なくとも匹 敵する。更に、パクリタクセルのそのような血漿内レベルは、所望の目標薬剤の 薬学的活性、例えばチュブリン分解の阻害(約0.1μMまたは約85ng/m lのレベルで起こる)および蛋白イソプレニル化の阻害(約0.03μMまたは 約25ng/mlのレベルで起こる)を与えるのに充分すぎるものであり、それ らはオンコジン機能および細胞成長の制御に重要な役割を演ずる他の信号変換性 の蛋白を阻害することによってその抗腫瘍効果に直接関係するものである。 本発明に従って投与されるパクリタクセル及び他のタキサン類の、好ましい経 口投薬量は、約50〜200mg/m2又は約2〜6mg/kgである。 最初に目標薬剤の高投与量を対象に投与してピークの血中レベルを達成し、そ のあと低い保持投与を行うのが適当な場合もある。 本発明の種々の態様のすべてにおいて、二種以上の異なった向上剤および/ま たは二種以上の異なった目標薬剤を、一緒に、交互にまたは断続的に投与しても よい。 本発明はまた、癌、腫瘍、カポジ肉腫、悪性腫瘍、無制御組織または組織損傷 に二次的な細胞増殖、およびパクリタクセル、タキサン、ドセタクセル、及び/ 又はプロドラッグ及び、パクリタクセル2’−MPMなどの上記のすべての誘導 体、およびドセタクセル2’−MPMに対して応答性のある他のあらゆる疾病状 態にかかった人間の患者を、これらの薬剤の1種以上から成る経口投与形態を用 いて治療する方法も包含する。経口のパクリタクセル、ドセタクセル、他のタキ サン類、およびそれらの医薬前駆体および誘導体で特に効果的に治療できる癌の 種類としては、肝細胞癌および肝転移、および胃腸管、膵臓、前立腺および肺臓 の癌、及びカポージ肉腫(Kaposf's sarcoma)がある。本発明によっ経口投与され るこれらの活性薬剤で有効に治療できる非癌性の疾病状態の例は、無制御組織ま たは組織損傷に二次的な細胞増殖、多嚢胞性腎臓病、炎症疾患(例えば関節炎) および、クロロキン−およびピリメタミン−耐性のマラリア寄生虫を含むマラリ アである(プーベルら、J.Clln.Invest.,44:413-417,1994)。 従来は非経口でしか人間の患者に投与されなかった抗腫瘍剤は、今や本発明に よって経口経路で充分な生体利用率をもって人間に投与でき、一次腫瘍および転 移を持つ患者の治療に特に有効な薬学的活性血中濃度を与える。活性成分は、サ イクロスポリン向上剤の予備投与および/または同時投与の結果として、消化管 壁に浸透し、肝門部の循環によって迅速に摂取されて、一般の全身的循環または 大抵の他の臓器におけるよりも高い化学療法剤の肝臓内の局部初期濃度(静脈内 流入療法で達成されるよりもずっと高い局部濃度)を7日で与える。更に、経口 投与の後の肝臓内でのパクリタクセルの高水準は肝臓の高いファースト・パス効 果(first pass effect)のために血漿中水準の増加に反映されないことに注意す べきである。本発明の方法は、抗腫瘍剤の高い血中濃度を選択的に引き起こすこ とにおいて、肝臓癌(例えば肝細胞癌および肝臓転移)、胃腸癌(例えば結腸、 直腸)および肺癌の治療に特に有効である。 適当な向上剤と一緒に経口投与された活性目標薬剤の血漿レベルは、静脈内投 与で観察されたものと非常に驚くほど類似している。実験動物による一連の研究 で、CsAとの共投与によってパクリタクセルの定常状態の血漿中水準が療法の 3日目で達成されることが示された。定常状態で達成される目標薬剤の水準は、 パクリタクセルの96時間の静脈内注入で患者内に達成されるそれに匹敵した。 3週間毎の連続的な96時間注入で治療した転移性肺癌を持つタキサン不足の患 者に27%の応答率が見い出された(サイドマンら、J.Clin.Oncol.14:1877 ,1996)。本発明の治療方法によって、不快感、不都合および静脈内注入の延長 なしに、同様の結果が達成できると思われる。 図1〜4に表されたデータは、特に注目すべきものであり、驚くべきものであ る。以下に示す実施例において詳細に記述されるように、図1に示されているデ ータは、ラットへのパクリタクセルの投与に関する研究に基づいて作成されたも のであるが、図2および3に示したデータは、本発明に従って、すなわち経口の サイクロスポリン向上剤の同時投与によりパクリタクセルが経口投与された2人 の人間の患者の時間経過における血漿中パクリタクセルの実際の濃度レベルを表 している。ヒトのデータは、それらが文献で見つかった範囲内において、パクリ タクセル治療を必要としているヒトに対してパクリタクセルを初めて経口投与し たということを単に示しているだけでなく、治療レベルの血漿濃度に達し、それ が24時間にわたって保持されたという点で注目すべきである。実際、人間の患 者の血漿で確認された薬剤の濃度は、IV投与で達した濃度に匹敵しており、ま た、その使用方法が重大な局所的副作用または全身性の副作用を引き起こすこと はなかった。 下記の実施例において報告し、図1および図4に示した動物(ラット)試験デ ータとは別に、我々は、ラットにおいて、パクリタクセルおよび他のタキサンを サイクロスポリンAおよび他の生体利用率向上サイクロポリンC、D、Fおよび Gとともに経口投与するという広範囲にわたる一連の研究を行い、その結果を同 時係属中の原出願第08/733,142号に報告し、例証した。さらに、被験 動物に対しサイクロスポリンの経口投与と同時にタキサン、特にパクリタクセル の経口投与効果を、IVルートおよび経口ルートにより、同一の目標薬剤のみの 投与、および可能性はあるがそれほど効力はない他の生体利用率向上剤とその目 標薬剤との同時投与を記載した原出願の内容と比較した。出願番号第08/73 3,142号の明細書内容および実験の実施例は、本明細書において引用文献と して包含される。 サイクロスポリンAと同時投与したパクリタクセルのラットの薬物動態学的性 質が、同一の処置をされた人間の患者におけるプロフィールに完全に匹敵してい ることが証明された。実際、図4は、経口的パクリタクセルと1時間の間隔を置 いた向上剤(サイクロスポリンA)の経口的な2回の同時投与が行われ、その第 2回投与の後の24時間にわたるパクリタクセルに対する血漿濃度曲線を同一グ ラフに重ね合わせたものを表しており、そのデータは、図1に示した24時間に わたるラットの研究と図2および図3に示した人間の患者における研究から導き 出したものである。図4のグラフにおける3つの曲線(1つはラットの曲線、2 つはヒトの曲線)は非常に類似した形であり、これはヒトで得られた結果が、動 物試験の結果の確証的なものであることを表している。 本願が、ラットで得られたデータの重要性および関連性を縮小したり減少させ ることはない。ラットは化学療法剤の薬物動態的性質および吸収性質を評価する ために容認されたモデルである。しかしながら、よく知られている種対種の変種 が原因で、臨床家または開業医は、ヒトの臨床的試験なしに、動物データのみに 基づいた確信でヒトにパクリタクセルあるいは他のタキサンを経口投与すること はできなかった。先行技術における一般的学識に反して、我々はヒトに安全かつ 有効にタキサンを経口投与することができる方法を実際に教示し提供した。医師 の見地から、本発明は先行技術上の大きな改良であり、また、パクリタクセルの ようなタキサンの薬理学的な特性は、静脈内カテーテルおよび病院で過ごす時間 を必要としない医療、あるいは付添人への費用、不便および患者への感染のリス クを伴わなず、さらに過敏性またはアレルギー反応を回避する前投薬および前投 薬自体からの潜在的な副作用を伴わない化学療法において利用することができる ことを示している。 促進剤の同時投与が生体利用率を増強する目標薬剤の経口剤形は、従来のタブ レット、カプセル(ソフトゲルまたはハードゲル)、カプレット、ゲルキャップ (gelcaps)、錠剤、液体(例えば、溶液、懸濁液またはエリキシル)、粉末、 糖衣錠、微粉粒子、あるいは浸透性デリバリーシステム、および製薬技術におい て公知の他の経口剤形であってよい。液体調剤は、例えば、CREMOPHOR ELまたは他のポリエトキシ化されたヒマシ油、アルコール、および(または )ポリエトキシ化されたソルビタンモノオレイン酸塩(例えば、TWEEN(登 録商標)80、ICI Americas.Inc.)からなり必要に応じてフ レーバーを含む賦形剤に、パクリタクセルあるいは他のタキサンを含むことがで きる。各投薬形態は、有効量のタキサン目標薬剤、および経口投与のために製薬 投薬形態にしばしば含まれている薬学的不活性成分、例えば、従来の賦形剤(ex cipient)、賦形剤(vehicle)、充填剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、可溶化剤、甘 味料、着色剤および他の不活性成分を含んでいる。不活性成分のリスト作成直後 に多数のそのような剤形および経口賦形剤が、Remington's Pharmaceutical Sci ences,17th edition(1985年)に発表された。 経口投薬形態中の目標薬剤の各々の正確な量は、患者の年齢、体重、疾病およ び条件に依存して変更される。例えばパクリタクセルまたは他のタキサン投薬形 態は、一回または複数回(2〜3)の一日量として、約20〜1000mg/m2 (患者体表面積に基づいて)あるいは約2〜30mg/kg(患者体重に基づ いて)の一日投薬量を提供するのに十分な量の目標薬剤を含むことができる。好 ましい投薬量は約50〜200mg/m2または約2〜6mg/kgである。 本発明の治療方法、例えば、促進剤と同時投与する経口のパクリタクセル投薬 形態を用いたパクリタクセル応答性疾患の治療に対する投薬スケジュールも、さ らに患者の特性および疾患状態に基づいて調節することができる。経口パクリタ クセルの投与に対する好ましい投薬スケジュールは、(a)約20〜1000m g/m2(体表面積に基づいて)、好ましくは約50〜200mg/m2を与える 1〜3均等分割量のそれらを必要とする患者への毎日の投与であって、その毎日 の投与が2〜3週間毎の連続した1〜4日継続される投与、または(b)各週約 1日の投与である。前者のスケジュールは、2〜3週毎の96時間のパクリタク セル注入の使用に匹敵し、それはいくつかの好ましいIV治療処置によって考慮 される。 現在利用されているIV治療と比較すると、本発明によるタキサンの経口投与 は、実際多くの場合、有毒な副作用を減少させるものと思われる。通常のIV注 入の場合のように血液濃度で突然にかつ迅速に高濃度を生じるよりも、むしろ腸 壁と通じてその活性薬剤が吸収(促進剤によって促進される)されると、血液濃 度でより段階的に出現し、血中濃度を定常状態維持し、また長時間理想的な範囲 内で保留される。 本発明の別の態様においては、定量の少なくとも1つの促進剤および少なくと も1つの目標薬剤を含んでいる混合型経口投薬形態(combination oral dosage f orm)を提供する。例えば、そのような投薬形態は、有効成分として抗腫瘍性また は抗悪性腫瘍性薬剤の生体利用率を促進する有効な経口量を含んでいるタブレッ ト、カプセル、カプレット、ゲルキャップ、錠剤、液体、ロゼンジ(lozemge)、 および他の従来の経口投薬形態からなる。そのような併用製品には、約20〜約 1000mg/m2(平均の患者体表面積に基づいて)の、さらに好ましくは約 50〜200mg/m2のパクリタクセル、ドセタクセル、他のタキサンまたは パクリタクセル2’−MPMまたはドセタクセル2’−MPMのようなパクリタ クセルまたはドセタクセルの誘導体とともに、約0.1〜約20mg/kgの1 つ以上のサイクロスポリンA、D、C、FおよびG、ジヒドロCsA、ジヒドロ CsCおよびアセチルCsAが含まれる。 目標薬剤と促進剤の同時投与は、それら薬剤の経口的生体利用率を促進するだ けでなく、MDRによって高度に保護された部位、例えば、精巣および脳におけ る腫瘍の治療においてそれらが使用できるようにする。従って、本発明の別の態 様は、促進剤および抗腫瘍剤の経口的同時投与を介してMDRによって保護され た腫瘍部位に抗腫瘍薬剤を送り出す方法であり、それによって多形膠芽腫(gliob lastoma multiforme)のような脳腫瘍の治療が可能である。 本発明のさらなる利点は安全性の面にある。その物理化学的の特性により、パ クリタクセルはクレモファー(Cremophor)/エタノール混合物に溶解しなけれ ばならず、その賦形剤は、パクリタクセル治療を行っている患者により試験され た少なくともいくつかのアレルギー型反応に対して信頼のおけるものであるとよ い。他の可溶化剤も使用したが、どれもクレモファー/エタノールのように適当 ではなかった。重い過敏性反応のため恒常的不眠症状態にある場合は、医療スタ ッフにより患者にパクリタクセルをゆっくり投与しなければならない。標準の静 注処置については、ステロイド類とH−1およびH−2ブロッカーの事前投薬が 通常必要である。しかしながら、さらにクレモファー/エタノール可溶化を使用 しない場合には、静注のタキサンは静注使用の後に重い反応をさらに引き起こす ことがあり得る。例えば、ドセタクセル投与は全身浮腫および他の反応に関係し ている。これらの設定において、事前投薬の必要性が除かれる、あるいは軽減さ れる可能性がある治療は臨床的に非常に価値がある。 本発明は、その態様の1つとして、タキサン治療を受ける人間の患者の過敏症 およびアレルギー反応を防止あるいは軽減する方法を提供する。その方法は、前 記の患者へのタキサンの経口投与からなる。本明細書で開示した方法による経口 投与では、静注治療に比べるとそのような副作用を生じることはほとんどありそ うにない。実際、我々は、事前投薬を行わずに(すなわち、H−1またはH−2 ブロッカーまたはステロイド類を用いて)人間の患者にパクリタクセルを投与し (実施例2および実施例3を参照)、治療的循環濃度に達している間に過敏性反 応がないことを確認した。 更に、パクリタクセル使用は、様々な毒性および副作用に関係している。最も 注目すべき2つの毒性は、好中球減少症(neutropenia)と神経障害である。抗腫 瘍活性を最大限にし、かつ副作用、特に好中球減少症を最小限にするため、ある 「ウィンドウ(window)」以内に循環血漿濃度を維持するのが好ましいことを様 々な臨床的なデータが示している。多数の腫瘍の種類に関し、身体中の腫瘍細胞 が低いけれども長期にわたる作用を受けると、臨床的に良好な結果が得られるも のと思われる。約0.03のマイクロモルの血漿濃度は、癌細胞タンパク質のイ ソプレニル化を阻害することが予想され、また約0.1マイクロモルの濃度は、 微小管の分解を阻止すると予想される。循環中、約0.05〜0.1マイクロモ ルの「ウィンドウ」に達するよう数日間にわたって実施された一定の静脈内投与 は、毒性を最小限にし、腫瘍が3時間の注入処置に反応しなかった患者にさえ腫 瘍後退を引き起こすことが可能であったことを示す臨床的データがある。パクリ タクセルの現在承認されている3時間注入処置は、これらの濃度をはるかに超過 する最高血漿濃度に達する。 さらに、本発明は、比較的時間を置いた1日投与(例えば、約2回/日)で、 また、そうでなければ静注ルートが不可能なあるいは実施できないスケジュール に応じてパクリタクセルを投与することが可能である。サイクロスポリンAなど の促進剤を使用すると、第1次投与におけるパクリタクセルの経口的吸収が促進 され、また、その日のうちに第1次の後で第2次のパクリタクセル投与が行われ ることになっている場合、サイクロスポリンAのさらなる追加的使用は必要ない であろう。従って、決定したスケジュール(毎週、各週等)における一回量とし て断続的に、または安全で有効な「ウィンドウ」内の濃度を維持することを目的 として2〜4週毎の連続した日(例えば4日間)にわたって常習的に、パクリタ クセルを投与することができた。 以下の実施例では、本発明の様々な面を例証し、パクリタクセルの経口吸収で の予想外の非常に実質的な増加が達されことを実証する。しかしながら、これら の実施例は、いかなる場合も本発明を制限したり、あるいは本発明の実施にあた り排他的に使用されなければならない特定の向上剤または目標薬剤、投与量の範 囲、試験手順またはその他の要素を記載するものではない。 実施例1 体重がすべて225〜275gであり、約6〜8週齢の6匹の健全SD系ラッ トにパクリタクセルを9mg/kg、一回経口投与した。パクリタクセル投与の 0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間および6時間後に、各ラットの尾 部静脈から血液サンプルを集めた。個々のサンプルを遠心分離し、血清を分離し た。各時間的間隔に対し、6つのサンプルを単一の代表サンプルを調製するため 混合した。すべてのサンプルについて、定量下限50pg/mlでLC/MSに より、変化していないパクリタクセルを分析した。 その研究の結果は、図1の下側の曲線として図示されており、この図は、血清 中の経口投与されたパクリタクセルの生体利用率が1%未満であったことを示し ている。 実施例2 実施例1に記述した研究で使用したのと同じ特性を持つ健全SD系ラット10 匹を、経口のサイクロスポリンA5mg/kgで処置し、1時間後に別の経口の サイクロスポリンA5mg/kgおよび経口のパクリタクセル9mg/kgで処 置した。 パクリタクセルを投与した後、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、 3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間および24時間の時点で、 各ラットの尾部静脈から血液サンプルを集めた。サンプルの適当な処理および群 に対する1つの混合サンプルの試料の調製の後に、各サンプルからの血漿を変化 していないパクリタクセルについて分析した。 この研究の結果は、図1の上側の曲線として図示されている。動物のこの群に おけるパクリタクセルの血漿濃度は、最初の6時間はパクリタクセルを単独で投 与した実施例1のラットの濃度よりも数倍高く、投薬の後8時間は「標的の(ta rget)」治療濃度、またはその濃度以上に濃度が保持されており、また、24時 間通して有意な血漿濃度が維持されていたことが明らかである。 実施例3 3年間、前立腺癌を患っている71歳の高齢者が、サイクロスポリンAの投薬 形態に含まれるパクリタクセルおよび促進剤の経口的投与に合意した。彼の体表 面積2.04平方メートルであり、また体重は約84キログラムであった。一晩 絶食した後、彼にサイクロスポリンA(Sandimmuneを5mg/kg)を1時間あ けて2回経口投与した。2回目の投与の直後に、その患者は、5%デキストロー ス水溶液120mlに溶解された180mg、すなわち、体重1kg当たり約2 .0mg、または体表面積m2当たり90mgののパクリタクセルのクレモファ ー/アルコールを基剤とする溶液の適用量を飲んだ。短期間にタキサンの注入を 行うので、標準の前投薬は行わなかった。その溶液を飲んだ後に、患者は味が不 快であると述べた。数時間の間、彼に下痢気味の便がみられた。また、彼は、投 薬後数時間、抗血圧剤投薬の一時的中断と関係したと思われる多少の紅潮があっ たと報告した。彼の臨床的経過では、その他の点は注意を引かなかった。パクリ タクセルの投与に続いて頻繁に血漿サンプルを採取し、LC/MS/MSによっ て分析した。時間経過の血漿濃度結果を図2に示す。投薬後約4時間でピークに 達し、0.07マイクロモル以上の濃度に約1時間〜5時間達していた。パクリ タクセル(0.05マイクロモル)の96時間静脈注射を受けた乳癌患者で確認 されたものに匹敵する濃度は、約10〜12時間生じていた(Seidmanら、J.Cl in.Oncol.14:1877,1996)。 実施例4 数年間、前立腺癌を患っている75歳の高齢者がパクリタクセルおよびサイク ロスポリンAの経口投薬を受けた。彼の体表面積1.82平方メートルであり、 また体重は約72キログラムであった。一晩絶食した後、彼にサイクロスポリン A(Sandimmuneを5mg/kg)、およびこの患者において約2.5mg/kg または約100mg/m2のパクリタクセルと等しい、経口パクリタクセル(1 80mg)を実施例1の患者と同様に投与した。また、短期間にタキサンの注入 を行うので、標準の前投薬は行わなかった。その溶液を飲んだ後、患者は、味が 不快であると述べた。数時間の間、彼に下痢気味の便がみられた。さらに、投薬 後、彼に、絶食状態および血液採取に対する2次的な血管迷走神経反応に関連し たものと思われるわずかの血圧低下があった。予防措置として、患者に約100 mlの生理的食塩水を静脈注射した。昼食を摂食した後、彼は非常に気分がよく なり、また、彼の臨床臨床的経過では、その他の点は、特に注目に値するもので はなかった。 パクリタクセルの投与に続いて頻繁に血漿サンプルを採取し、これをLC/M S/MSによって分析した。時間経過の血漿濃度結果を図3に示す。ピークの濃 度は約0.3マイクロモルで、投薬後4時間で生じた。0.07マイクロモル以 上の濃度に約1時間〜5時間達していたパクリタクセルの96時間静脈注射を受 けた乳癌患者で確認されたものに匹敵する濃度が、約12〜15時間に渡って示 された。 前述したように、図4は、本発明によって、経口的サイクロスポリンの2回投 与の後1時間間隔を置いて後、経口的にパクリタクセルが投与されたラット(図 1の上部の曲線)およびヒト(図2および図3の曲線)における経過時間に検出 されたパクリタクセル濃度レベルの重ね合わせを表わす。その図では、ヒトにお いて達したの中で達成された濃度レベルは、初めてパクリタクセルを経口的に生 物学的利用可能とする本発明の効能を単に確認するだけでなく、ラットモデルで 達した濃度レベルに優ることが認められた。これらは、予期しない驚くべき結果 であり、我々がヒトにおいて被験者の方法の臨床的な効能を実証するまで、サイ クロスポリンまたは他の可能性のある向上剤に関する、またはパクリタクセル、 その誘導体、類似体およびプロドラッグまたは他のタキサンに関するどんな先行 技術開示に基づいても予測することはできなかった。 このように、本発明の様々な目的を達成し、また、実用の条件を満たすために うまく適応する方法が提供されたことを示した。 上記の発明により数多くの可能な態様が得られる場合、および、数多くの変更 が上述された態様において得られる場合、本明細書に記載されたすべての事項は 実例として解釈されるべきであり、制限を意味するものではないことを理解すべ きである。 新規のものとして請求し、また特許証によって保護されることを要求するもの を、下記の請求の範囲に記載している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 シーリム,セイミ アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92720、アーヴィン、コローニアル 17

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.タキサン応答性のある疾患状態にかかった人間の患者に対するタキサンの 経口投与であって、前記タキサンが、前記の状態を治療するのに有効な量にて投 与されることを特徴とする、タキサン応答性のある疾患状態にかかった人間の患 者に対するタキサンの経口投与。 2.パクリタクセル応答性のある疾患状態にかかった人間の患者に対するパク リタクセルの経口投与であって、前記パクリタクセルが、前記の状態を治療する のに有効な量にて投与されることを特徴とする、パクリタクセル応答性のある疾 患状態にかかった人間の患者に対するパクリタクセルの経口投与。 3.ドセタクセル応答性のある疾患状態にかかった人間の患者に対するドセタ クセルの経口投与であって、前記ドセタクセルが、前記の状態を治療するのに有 効な量にて投与されることを特徴とする、ドセタクセル応答性のある疾患状態に かかった人間の患者に対するドセタクセルの経口投与。 4.パクリタクセル又はドセタクセルの誘導体、類似物又はプロドラッグに対 して応答性のある疾患状態を治療するための、人間の患者への前記誘導体、類似 物又はプロドラッグの経口投与であって、前記誘導体、類似物又はプロドラッグ が、前記の状態を治療するのに効果的な量にて投与されることを特徴とする、人 間の患者への、パクリタクセル又はドセタクセルの誘導体、類似物又はプロドラ ッグの経口投与。 5.前記プロドラッグが、パクリタクセル−2’−MPM又はドセタクセル− 2’−MPMであることを特徴とする請求項4記載の、パクリタクセル又はドセ タクセルのプロドラッグの経口投与。 6.パクリタクセルの前記有効量が、患者の体重に基づいて約2〜30mg/ kgであることを特徴とする請求項2に記載の経口投与。 7.前記有効量が約2〜6mg/kgであることを特徴とする請求項6に記載 の経口投与。 8.パクリタクセルの前記有効量が、患者の身体の表面積に基づいて約20〜 1000mg/m2であることを特徴とする請求項2に記載の経口投与。 9.前記有効量が約50〜200mg/m2であることを特徴とする請求項8 に記載の経口投与。 10.経口的に投与されるタキサンを、タキサン応答性のある疾患状態を治療す るの充分なレベルで人間の患者に対して生物学的利用可能なものとする方法であ って、前記方法が、サイクロスポリンAないしZ、(Me−lle−4)−サイ クロスポリン、ジヒドロサイクロスポリンA、ジヒドロサイクロスポリンC、ア セチルサイクロスポリンAから成るグループより選ばれた経口生体利用率向上剤 の有効量と共に、疾患を治療するのに有効な量のタキサンを前記患者に対して経 口共投与することを含むことを特徴とする、経口的に投与されるタキサンを、人 間の患者に対して生物学的利用可能なものとする方法。 11.前記タキサンがパクリタクセルであることを特徴とする請求項10に記載 の方法。 12.前記タキサンがドセタクセルであることを特徴とする請求項10に記載の 方法。 13.前記タキサンが、パクリタクセル又はドセタクセルの誘導体、類似物又は プロドラッグであることを特徴とする請求項10に記載の方法。 14.前記タキサンが、プロドラッグであるパクリタクセル−2’−MPM又は プロドラッグであるドセタクセル−2’−MPMであることを特徴とする請求項 13に記載の方法。 15.前記の生体利用率向上剤が、サイクロスポリンA、サイクロスポリンC、 サイクロスポリンD、サイクロスポリンF、ジヒドロサイクロスポリンA、ジヒ ドロサイクロスポリンC及びアセチルサイクロスポリンAから成るグループより 選ばれたものであることを特徴とする請求項10に記載の方法。 16.約0.1〜約20mg/kgの前記向上剤が、患者の体重に基づいて投与 されることを特徴とする請求項15に記載の方法。 17.約5mg/kgの前記向上剤が投与されることを特徴とする請求項16に 記載の方法。 18.パクリタクセルの前記有効量が、患者の体重に基づいて約2〜30mg/ kgであることを特徴とする請求項11に記載の方法。 19.前記有効量が約2〜6mg/kgであることを特徴とする請求項18に記 載の方法。 20.パクリタクセルの前記有効量が、患者の身体の表面積に基づいて約20〜 1000mg/m2であることを特徴とする請求項11に記載の方法。 21.前記有効量が約50〜200mg/m2であることを特徴とする請求項2 0に記載の方法。 22.約2〜30mg/kg又は約20〜1000mg/m2のパクリタクセル が、約0.1〜20mg/kgのサイクロスポリンAと共に、前記患者に対して 共投与されることを特徴とする請求項10に記載の方法。 23.前記向上剤が、 a)前記タキサン投与の約0.5〜72時間前、 b)前記タキサン投与の0.5時間以内前、前記タキサン投与と一緒に、 又は前記タキサン投与の0.5時間以内後、又は c)前記タキサン投与の約0.5〜72時間前と、再び、0.5時間以内 前、一緒に、又は0.5時間以内後の両方、 のいずれかで投与されることを特徴とする請求項10に記載の方法。 24.前記タキサンがパクリタクセルであり、しかも前記向上剤がサイクロスポ リンAであることを特徴とする請求項23に記載の方法。 25.前記タキサンと前記向上剤がそれぞれ、個別の経口投薬形態にて投与され ることを特徴とする請求項10に記載の方法。 26.前記タキサンと前記向上剤が、混合型経口投薬形態にて一緒に投与される ことを特徴とする請求項10に記載の方法。 27.タキサン応答性のある疾患状態にかかった人間の患者を治療するための方 法であって、前記方法が、疾患を治療するのに有効な量のタキサンを前記患者に 対して経口共投与することを含むことを特徴とする、タキサン応答性のある疾患 状態にかかった人間の患者の治療方法。 28.前記タキサンがパクリタクセルであることを特徴とする請求項27に記載 の方法。 29.前記タキサンがドセタクセルであることを特徴とする請求項27に記載の 方法。 30.前記タキサンが、パクリタクセル又はドセタクセルの誘導体、類似物又は プロドラッグであることを特徴とする請求項27に記載の方法。 31.前記タキサンが、パクリタクセル−2’−MPM又はドセタクセル−2’ −MPMから成るグループより選ばれたプロドラッグであることを特徴とする請 求項30に記載の方法。 32.パクリタクセルの前記有効量が、患者の体重に基づいて約2〜30mg/ kgであることを特徴とする請求項28に記載の方法。 33.前記有効量が約2〜6mg/kgであることを特徴とする請求項32に記 載の方法。 34.パクリタクセルの前記有効量が、患者の身体の表面積に基づいて約20〜 1000mg/m2であることを特徴とする請求項28に記載の方法。 35.前記有効量が約50〜200mg/m2であることを特徴とする請求項3 4に記載の方法。 36.サイクロスポリンAないしZ、(Me−lle−4)−サイクロスポリン 、ジヒドロサイクロスポリンA、ジヒドロサイクロスポリンC及びアセチルサイ クロスポリンAから成るグループより選ばれた経口生体利用率向上剤の有効量と 共に、前記患者に対して前記タキサンが共投与されることを特徴とする請求項2 7に記載の方法。 37.前記の生体利用率向上剤が、サイクロスポリンA、サイクロスポリンC、 サイクロスポリンD、サイクロスポリンF、ジヒドロサイクロスポリンA、ジヒ ドロサイクロスポリンC及びアセチルサイクロスポリンAから成るグループより 選ばれたものであることを特徴とする請求項36に記載の方法。 38.約0.1〜約20mg/kgの前記向上剤が投与されることを特徴とする 請求項37に記載の方法。 39.約5mg/kgの前記向上剤が投与されることを特徴とする請求項38に 記載の方法。 40.約2〜30mg/kg又は約20〜1000mg/m2のパクリタクセル が、約0.1〜20mg/kgのサイクロスポリンAと共に、前記患者に対して 共投与されることを特徴とする請求項27に記載の方法。 41.前記向上剤が、 a)前記タキサン投与の約0.5〜72時間前、 b)前記タキサン投与の0.5時間以内前、前記タキサン投与と一緒に、 又は前記タキサン投与の0.5時間以内後、又は c)前記タキサン投与の約0.5〜72時間前と、再び、0.5時間以内 前、一緒に、又は0.5時間以内後の両方、 のいずれかで投与されることを特徴とする請求項27に記載の方法。 42.前記タキサンがパクリタクセルであり、しかも前記向上剤がサイクロスポ リンAであることを特徴とする請求項41に記載の方法。 43.前記タキサンと前記向上剤がそれぞれ、個別の経口投薬形態にて投与され ることを特徴とする請求項27に記載の方法。 44.前記タキサンと前記向上剤が、混合型経口投薬形態にて一緒に投与される ことを特徴とする請求項27に記載の方法。 45.前記疾患状態が、癌、腫瘍、悪性腫瘍、組織損傷に二次的な無制御組織ま たは細胞性増殖、多嚢胞性腎臓病及びマラリアから成るグループより選ばれたも のであることを特徴とする請求項10、11、27又は28に記載の方法。 46.前記疾患が、肝細胞性癌、肝臓転移、胃腸管、膵臓、前立腺及び肺の癌、 及びカポージ肉腫から成るグループより選ばれた癌であることを特徴とする請求 項45に記載の方法。 47.タキサン応答性のある疾患状態に対するタキサン療法を受けている人間の 患者における過敏症及びアレルギー性反応を防止又は減少させるための方法であ って、前記方法が、前記患者に対してタキサンを経口投与することを含むことを 特徴とする、タキサン応答性のある疾患状態に対するタキサン療法を受けている 人間の患者における過敏症及びアレルギー性反応を防止又は減少させる方法。 48.前記タキサンがパクリタクセルであることを特徴とする請求項47に記載 の方法。 49.前記タキサンがドセタクセルであることを特徴とする請求項47に記載の 方法。 50.前記タキサンが、パクリタクセル又はドセタクセルの誘導体、類似物又は プロドラッグであることを特徴とする請求項47に記載の方法。 51.前記タキサンが、プロドラッグであるパクリタクセル−2’−MPM又は プロドラッグであるドセタクセル−2’−MPMであることを特徴とする請求項 50に記載の方法。 52.前記タキサンが、過敏症又はタキサンに対するアレルギー性反応を防止す るために、投薬の事前投与を行わずに前記患者に投与されることを特徴とする請 求項47に記載の方法。 53.前記タキサンが、サイクロスポリンAないしZ、(Me−lle−4)− サイクロスポリン、ジヒドロサイクロスポリンA、ジヒドロサイクロスポリンC 及びアセチルサイクロスポリンAから成るグループより選ばれた経口生体利用率 向上剤の有効量と共に、経口的に共投与されることを特徴とする請求項47に記 載の方法。 54.前記の生体利用率向上剤が、サイクロスポリンA、サイクロスポリンC、 サイクロスポリンD、サイクロスポリンF、ジヒドロサイクロスポリンA、ジヒ ドロサイクロスポリンC及びアセチルサイクロスポリンAから成るグループより 選ばれたものであることを特徴とする請求項53に記載の方法。 55.前記の生体利用率向上剤がサイクロスポリンAであることを特徴とする請 求項54に記載の方法。
JP50066399A 1997-05-27 1998-04-22 人間の患者に対して経口的にタキサン類を投薬するための方法及び組成物 Pending JP2002500667A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US86351397A 1997-05-27 1997-05-27
US08/863,513 1997-05-27
PCT/US1998/007776 WO1998053811A1 (en) 1997-05-27 1998-04-22 Method and compositions for administering taxanes orally to human patients

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002500667A true JP2002500667A (ja) 2002-01-08

Family

ID=25341241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50066399A Pending JP2002500667A (ja) 1997-05-27 1998-04-22 人間の患者に対して経口的にタキサン類を投薬するための方法及び組成物

Country Status (23)

Country Link
EP (1) EP0994706B1 (ja)
JP (1) JP2002500667A (ja)
KR (1) KR100615783B1 (ja)
CN (2) CN1550231A (ja)
AR (1) AR012731A1 (ja)
AT (1) ATE308365T1 (ja)
AU (1) AU7130098A (ja)
BR (1) BR9809694A (ja)
CA (1) CA2290446C (ja)
CZ (1) CZ9904244A3 (ja)
DE (1) DE69832173T2 (ja)
DK (1) DK0994706T3 (ja)
ES (1) ES2247690T3 (ja)
HK (1) HK1026637A1 (ja)
HU (1) HUP0003546A3 (ja)
IL (2) IL132992A0 (ja)
NO (1) NO995812L (ja)
PL (1) PL337064A1 (ja)
RU (1) RU2205005C2 (ja)
SK (1) SK157599A3 (ja)
UA (1) UA74767C2 (ja)
WO (1) WO1998053811A1 (ja)
ZA (1) ZA984268B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528875A (ja) * 2009-06-02 2012-11-15 ナイカン ファーマシューティカルズ, エルエルシー 疾患の処置のためのヒトホルミルペプチド受容体の拮抗作用

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6964946B1 (en) * 1995-10-26 2005-11-15 Baker Norton Pharmaceuticals, Inc. Oral pharmaceutical compositions containing taxanes and methods of treatment employing the same
CA2294606A1 (en) * 1997-06-20 1998-12-30 Baker Norton Pharmaceuticals, Inc. Soluble prodrugs of paclitaxel
GB9718903D0 (en) 1997-09-05 1997-11-12 Glaxo Group Ltd Method,compositions and kits for increasing the oral bioavailability of pharmaceutical agents
DE60030283T2 (de) 1999-05-17 2007-09-20 Cancer Research Ventures Ltd. Zusammensetzungen zur erhöhung der bioverfügbarkeit von oral verabreichten pharmazeutischen verbindungen
SK5822002A3 (en) * 1999-10-27 2003-01-09 Baker Norton Pharma Method and compositions for administering taxanes orally to human patients
KR20020013174A (ko) * 2000-08-11 2002-02-20 민경윤 경구 흡수율이 낮은 약물의 흡수율을 증가시키기 위한경구용 조성물
MXPA03006404A (es) * 2001-01-18 2004-12-02 Upjohn Co Composiciones quimioterapeuticas de microemulsion de paclitaxel con biodisponibilidad oral mejorada.
US7115565B2 (en) 2001-01-18 2006-10-03 Pharmacia & Upjohn Company Chemotherapeutic microemulsion compositions of paclitaxel with improved oral bioavailability
UY27185A1 (es) * 2001-02-28 2002-09-30 Bristol Myers Squibb Co Dosificación metronómica de taxanos
SI1372636T1 (sl) * 2001-02-28 2006-12-31 Bristol Myers Squibb Co Metronomsko odmerjanje taksanov za inhibiranje tumorske rasti
US7063977B2 (en) 2001-08-21 2006-06-20 Bristol-Myers Squibb Company Enzymatic resolution of t-butyl taxane derivatives
GB0523659D0 (en) * 2005-11-21 2005-12-28 Novartis Ag Organic compounds
BR112023018826A2 (pt) * 2021-03-17 2024-03-12 Dompe Farm Spa Inibidores de c5ar1 para tratamento de reações de hipersensibilidade a taxanos
EP4059497A1 (en) * 2021-03-17 2022-09-21 Dompé farmaceutici S.p.a. C5ar1 inhibitors for treating hypersensitivity reactions to taxanes

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5411947A (en) * 1989-06-28 1995-05-02 Vestar, Inc. Method of converting a drug to an orally available form by covalently bonding a lipid to the drug
ATE139447T1 (de) * 1990-12-18 1996-07-15 Wellcome Found Mittel zur verstaerkung der wirkung von antitumoralen mittel und zur widerstandsbekaempfung von vielfachdrogen
EP0569380B1 (en) * 1991-01-11 1997-05-28 Laboratoires Glaxo Sa Acridine derivatives
US5567592A (en) * 1994-02-02 1996-10-22 Regents Of The University Of California Screening method for the identification of bioenhancers through the inhibition of P-glycoprotein transport in the gut of a mammal
ATE176464T1 (de) * 1994-07-26 1999-02-15 Indena Spa Semisynthetisch taxal derivate mit antitumor wirkung
TW354293B (en) * 1995-06-06 1999-03-11 Bristol Myers Squibb Co Prodrugs of paclitaxel derivatives
EP0831870A4 (en) * 1995-06-07 1998-09-16 Avmax Inc USE OF ESSENTIAL OILS TO INCREASE THE BIOAVAILABILITY OF ORAL PHARMACEUTICAL COMPOUNDS
US6245805B1 (en) * 1995-10-26 2001-06-12 Baker Norton Pharmaceuticals, Inc. Method, compositions and kits for increasing the oral bioavailability of pharmaceutical agents
WO1997027855A1 (en) * 1996-01-31 1997-08-07 Bristol-Myers Squibb Company A method of making pharmaceutically active taxanes orally bioavailable
AU3486297A (en) * 1996-06-17 1998-01-07 Eli Lilly And Company Drug resistance and multidrug resistance modulators
GB9718903D0 (en) * 1997-09-05 1997-11-12 Glaxo Group Ltd Method,compositions and kits for increasing the oral bioavailability of pharmaceutical agents
DE69931617T2 (de) * 1998-04-01 2007-05-24 Jagotec Ag Taxan-mikroemulsionen

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528875A (ja) * 2009-06-02 2012-11-15 ナイカン ファーマシューティカルズ, エルエルシー 疾患の処置のためのヒトホルミルペプチド受容体の拮抗作用

Also Published As

Publication number Publication date
DE69832173T2 (de) 2006-08-03
CZ9904244A3 (cs) 2001-10-17
ATE308365T1 (de) 2005-11-15
HK1026637A1 (en) 2000-12-22
EP0994706A4 (en) 2001-05-16
WO1998053811A1 (en) 1998-12-03
EP0994706A1 (en) 2000-04-26
ES2247690T3 (es) 2006-03-01
EP0994706B1 (en) 2005-11-02
CN1550231A (zh) 2004-12-01
NO995812L (no) 2000-01-25
SK157599A3 (en) 2002-10-08
IL132992A (en) 2006-08-20
CA2290446C (en) 2008-01-29
ZA984268B (en) 1999-06-23
KR20010013025A (ko) 2001-02-26
AR012731A1 (es) 2000-11-08
CA2290446A1 (en) 1998-12-03
UA74767C2 (en) 2006-02-15
BR9809694A (pt) 2000-10-03
HUP0003546A2 (hu) 2002-11-28
NO995812D0 (no) 1999-11-26
AU7130098A (en) 1998-12-30
CN1261275A (zh) 2000-07-26
HUP0003546A3 (en) 2002-12-28
DK0994706T3 (da) 2006-03-06
PL337064A1 (en) 2000-07-31
KR100615783B1 (ko) 2006-08-25
IL132992A0 (en) 2001-03-19
RU2205005C2 (ru) 2003-05-27
DE69832173D1 (de) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3361102B2 (ja) 医薬の経口生体利用率を増加させるための方法、組成物およびキット
US6395770B1 (en) Method and compositions for administering taxanes orally to human patients
US6964946B1 (en) Oral pharmaceutical compositions containing taxanes and methods of treatment employing the same
JP2002500667A (ja) 人間の患者に対して経口的にタキサン類を投薬するための方法及び組成物
KR20030019296A (ko) 인체 환자에게 탁산을 경구 투여하는 방법 및 조성물
AU784159B2 (en) Method and compositions for administering taxanes orally to human patients
EP1634607A2 (en) Method, compositions and kits for increasing the oral bioavailability of pharmaceutical agents
KR100563824B1 (ko) 제약학적약물의경구생체내이용효율을증가시키기위한조성물및키트
MXPA99010850A (en) Method and compositions for administering taxanes orally to human patients

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20060704

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060925

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20061113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061215

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081209