明 細 書
トナ一と二成分現像剤及び画像形成方法 技術分野
本発明は複写機、 レーザプリンタ、 普通紙 F A X、 カラー P P C、 力 ラーレーザプリン夕ゃカラー F A X及びこれらの複合機に用いられる二 成分現像剤及び画像形成装置に関するものである。
背景技術
近年、 電子写真装置はオフィスユースの目的からパーソナルユースへ と移行しつつあり、 小型化、 高速化、 高画質化、 メンテフリーなどを実 現する技術が求められている。 そのため転写残の廃トナーをクリーニン グせずに現像において廃トナーを回収するクリ一ナーレスプロセスや、 カラー画像の高速出力を可能とするタンデムカラ一プロセス、 また定着 時にオフセット防止のための定着オイルを使用せずとも高光沢性、 高透 光性を有する高精彩なカラ一画像と非オフセット性を両立させるオイル レス定着が良メンテナンス性、 低オゾン排気などの条件とともに要求さ れている。 そしてこれらの機能は同時に両立させる必要があり、 プロセ スのみならずトナーの特性向上が重要なファクターである。
カラープリン夕では、 像担持体(以下感光体と称す)を、 帯電チャージ ヤーによるコロナ放電で帯電させ、 その後各色の潜像を光信号として感 光体に照射し、 静電潜像を形成し、 第 1色、 例えばイェロートナーで現 像し、 潜像を顕像化する。 その後感光体に、 イエロ一トナーの帯電と逆 極性に帯電された転写体を当接し、 感光体上に形成されたイェロートナ 一像を転写する。 感光体は転写時に残留したトナーをクリーニングした のち除電され、 第 1のカラ一トナーの現像、 転写を終える。 その後マゼ ンタ、 シアンなどのトナーに対してもイェロートナーと同様な操作を繰 り返し、 各色のトナー像を転写体上で重ね合わせてカラー像を形成する
方法が取られている。 そしてこれらの重畳したトナー像はトナーと逆極 性に帯電した紙に転写される 4パス方式のカラープロセスが実用化され ている。
また、 帯電器、 感光体、 現像部等を有する像形成ステーションを複数 並べて配置し、 感光体に無端状の転写体を当接させて転写体に順次各色 のトナーを連続して転写させる一次転写プロセスを実行して、 転写体に 多層の転写カラ一トナー画像を形成し、 その後転写体に形成した多層の トナー像を、 一括して紙やオーバ一ヘッドプロジェクター (O H P ) 等 の転写媒体に一括転写させる二次転写プロセスが実行されるよう構成さ れたタンデムカラ一プロセスや、 転写体を用いずに直接紙や O H Pの転 写媒体に連続して転写するタンデムカラープロセスが提案されている。 定着プロセスにおいては、 カラー画像ではカラートナーを溶融混色さ せ透光性を上げる必要がある。 トナーの溶融不良が起こるとトナー画像 表面又は内部に於いて光の散乱が生じて、 トナー色素本来の色調が損な われると共に重なった部分では下層まで光が入射せず、 色再現性が低下 する。 従って、 トナーには完全溶融特性を有し、 色調を妨げないような 透光性を有することが必要条件である。 O H P用紙での光透過性がカラ —でのプレゼンテーション機会の増加で、 その必要はより大きくなつて いる。 カラー画像を得る際に、 定着ローラ表面にトナーが付着してオフ セットが生じるため定着ローラに多量のオイル等を塗布しなければなら ず、 取扱や、 機器の構成が複雑になる。 そのため機器の小型化、 メンテ フリー化、 低コスト化のために、 後述する定着時にオイルを使用しない オイルレス定着の実現が要求される。 これを可能とするため、 シャープ メルト特性を有する結着樹脂中にワックス等の離型剤を添加する構成が 実用化されつつある。
しかしこのようなトナーの構成での問題は、 トナーの凝集性が強い特
質を有するため、 転写時のトナー像乱れ、 転写不良の傾向がより顕著に 生じ、 転写と定着の両立が困難となる。 また二成分現像として使用する 際に、 粒子間の衝突、 摩擦、 または粒子と現像器との衝突、 摩擦等の機 械的な衝突、 摩擦による発熱により、 キャリア表面にトナーの低融点成 分が付着するスベントが生じ易く、 キャリアの帯電能力を低下させ現像 剤の長寿命化を妨げとなる。 長寿命のコートキャリアを提供する目的で, 下記特許文献 1等には、 含窒素フッ素化アルキル (メタ) ァクリレート とビニル系モノマーとの共重合体や、 フッ素化アルキル (メタ) ァクリ レートと含窒素ビニル系モノマーとの共重合体等の樹脂でキャリア芯材 表面をコートする技術が提案されている。 これらには、 含窒素モノマー とフッ素化モノマーとの共重合体あるいはィミド結合を有する溶剤可溶 性含フッ素重合体をキャリア芯材表面に被膜することにより、 比較的長 寿命のコートキャリアを得ることが提案されている。 しかし、 キャリア との接着界面での樹脂接着強度が弱く、 また樹脂の強度が不足するため, 十分な耐衝撃性が得られていない。 またフッ素の帯電性からトナーを負 帯電にすることが困難で、 トナーに十分な帯電を与えることができず、 画像のカブリや濃度ムラを生ずるなどの問題があつた。
下記特許文献 2等には、 高湿度雰囲気でのトナーの帯電量の低下を防 止し、 現像剤の耐久性の改良を目的とし、 成分を限定したトナーとの組 み合わせにおいて、 アミノシランカップリング剤を含有したシリコーン 樹脂で被覆されたキヤリァが提案されているが、 トナーのスペント化防 止に対しては、 充分なものではなかった。
下記特許文献 3には、 正帯電型トナーに対し、 被覆層のシリコーン樹 脂にフッ素置換アルキル基を導入したキヤリァが提案されている。 さら には、 下記特許文献 4では、 高速プロセスにおいて、 現像能力が高く、 それが長期において劣化しないものとして、 導電性カーボンと架橋型フ
ッ素変性シリコーン樹脂を含有するコ—ティングキヤリァが提案されて いる。 シリコーン樹脂の優れた帯電特性を生かすとともにフッ素置換ァ ルキル基によって、 滑り性 ·剥離性 ·撥水性等の特徴を付与し、 摩耗 · はがれ · クラック等が発生しにくい上、 スベント化も防止できるとして いるが、 摩耗 · はがれ ·クラック等についても満足の行くものではない 上に、 正帯電性を有するトナーにおいては適正な帯電量が得られるもの の、 負帯電性を有するトナーを用いた場合、 帯電量が低過ぎ、 逆帯電性 トナー (正帯電性を有するトナー) が多量に発生し、 カプリやトナー飛 散等の悪化が生じ、 使用に耐えるものではなかった。
またトナーにおいて、 種々の構成が提案されている。 周知のように電 子写真方法に使用される静電荷現像用のトナーは一般的に結着樹脂であ る樹脂成分、 顔料もしくは染料からなる着色成分および可塑剤、 電荷制 御剤、 更に必要に応じて離型剤などの添加成分によって構成されている ( 樹脂成分として天然または合成樹脂が単独あるいは適時混合して使用さ れる。
そして、 上記添加剤を適当な割合で予備混合し、 熱溶融によって加熱 混練し、 気流式衝突板方式により微粉碎し、 微粉分級されてトナー母体 が完成する。 また乳化凝集重合法や、 懸濁重合等の化学重合的な方法に より トナー母体が作成される方法もある。 その後このトナー母体に例え ば疎水性シリカなどの外添剤を外添処理してトナーが完成する。 一成分 現像では、 トナーのみで構成されるが、 トナーと磁性粒子からなるキヤ リアと混合することによって二成分現像剤が得られる。
下記特許文献 5には、 融点が 4 0〜 1 5 0 の〇 1 3〜3 9の飽和脂 肪酸, 脂肪酸エステル, 炭素数 C 1 5以上の脂肪族アルコ-ルで表面を 被覆した T i〇2を添加した構成が開示され、 トナーの流動性と耐ケー キング性が向上してクリーニング不良を生じにくくするトナーを提供し
ている。
下記特許文献 6には、 脂肪酸金属塩 (A ) で処理した酸化チタンを含 有するトナーと, フッ素系樹脂 (B ) を被覆したフェライ ト粒子からな るキャリアが開示され、 現像剤の帯電安定性を高め、 かつ新しいトナー を補給しても帯電の立ち上がりを速くする効果が提供されている。
下記特許文献 7には、 表面を脂肪酸または脂肪酸誘導体で処理した平 均粒径が 0 . 0 3〜 2 . 0 である樹脂微粒子が開示され、 転写材の 条件によらず潜像に忠実な画像を得, 特に転写中抜けのない高品質の画 像を得る効果が開示されている。
下記特許文献 8には、 水系中で脂肪酸化合物を加水分解しながら疎水 化処理した無機微粉末と、 水系中でシリコーンオイルで疎水化処理した 無機微粉末を含有するトナーが開示され、 温湿度環境に左右されにくく、 安定した摩擦帯電性を有し、 カプリの無い鮮明な画像特性と耐久性に優 れたカラートナーを提供している。
下記特許文献 9には、 高湿高温環境下でも安定した正帯電性磁性トナ —の画質を得るために、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩又は脂肪酸エステルによ り表面処理された磁性体をポリエステル樹脂に添加する構成が開示され ている。
下記特許文献 1 0には、 脂肪酸金属塩および常温で固体の炭素数 2 0 〜 6 0のアルコールょりなる群から選択される少なくとも 1つの処理剤 で表面処理された無機化合物を添加する構成が開示され、 流動性および クリーニング性が良好で、 環境安定性および耐久性に優れており、 かつ 感光体表面、 二成分現像方式で用いられるキャリア表面、 あるいは一成 分現像方式で用いられる帯電付与部材表面に対してトナーフイルミング 現象の起こらない静電荷現像用乾式トナーを提案されている。
下記特許文献 1 1では、 トナー粒子の表面に、 芯体粒子に長鎖脂肪酸
金属塩を被覆した微粒子を添加させる構成が開示されている。 これによ り画像濃度を維持しながら転写性が良好で文字の中抜け現象の発生しな い画像を提供している。
下記特許文献 1 2では、 脂肪酸アルミニウムで表面処理して疎水化し た超微粉末酸化チタンと、 疎水性シリカを含有する磁性トナーが開示さ れており、 感光体表面にフィルミングが発生することが無く長期にわた り安定した画質を得る磁性トナーを提供している。
しかし、 単に脂肪酸等を表面処理した無機微粒子を添加するだけでは 一定の効果が有するが、 環境特性が十分でなく、 また処理させる量に限 界があり帯電安定性や離型効果が十分に得られない。 またオイルレス定 着を実現するためトナー中に多量の低融点ワックスを配合する構成にお いて、 その流動性保持、 現像画質の安定化には不十分である。
離型剤ワックスとしては、 下記特許文献 1 3では脱遊離脂肪酸型カル ナウバワックス及び/又はモンタン系エステルワックス、 酸価 1 0〜 3 0の酸化ライスワックスの使用、 また下記特許文献 1 4では、 融点 8 5 〜 1 0 0で、 天然ガス系フィッシヤートロプッシュワックスの存在下で 重合されたビニル系共重合体、 下記特許文献 1 5では、 多価アルコール 成分とジカルボン酸及び 3価以上の多価カルボン酸化合物とを縮重合し、 離型剤の平均分散粒子径が 0 . l〜 3 ^ m、 外添剤の粒子径が 4〜2 0 0 n mで 1〜 5重量部添加する旨が開示されている。 下記特許文献 1 6 では、 パーフルォロォクチルメタクリレートなどの有機フッ素化合物で 変性されたポリプロピレンなどのフッ素変性ポリオレフィン系樹脂を含 有する構成により定着性が向上する内容が開示されている。 下記特許文 献 1 7では、 アルキルアルコールまたはァミンと、 不飽和多価アルキル カルボン酸及び合成炭化水素系ワックスから得られる生成物により定着 性、 耐オフセット性、 透光性に優れるトナーを得ることが出来ると記載
されている。 下記特許文献 1 8では、 軟化点が 80〜 140 、 フッ素 を含有する低分子量ポリオレフィン、 低分子量ォレフィンとポリテトラ フルォロエチレンとの溶融混合物を配合することにより定着時の非オフ セット性が向上する内容が開示されており、 定着性向上に効果がある内 容が記載されている。
これらの高分子量成分と低分子量成分をブレンドした、 あるいは共重 合させた樹脂構成に対して、 例えばポリエチレン、 ポリプロピレンヮッ クス等の低融点の離型剤を添加する目的は、 定着時ヒートローラからの 離型性を良くして耐オフセット性を高めることである。 しかしこれらの 離型剤は結着樹脂中での分散性を向上させるのが困難で、 逆極性トナー が発生し易く、 非画像部へのカプリが発生する。 また感光体へフィルミ ングを生じ易い傾向にある。
特に課題なのが、 これらの離型剤を添加したトナーを二成分現像剤と して使用する際にトナー搬送、 帯電部材であるキャリア表面を汚染する 現象 (スベント化) が生じる。 そのため、 帯電付与能力の低下とともに トナーの搬送能力も低下する。 さらにはキヤリァ付着が生じやすくなり, これが中間転写体に傷を生じさせる要因となる。 したがって、 キャリア は一定の使用期間が経過すると交換し、 廃棄されるのが現状で、 ラン二 ングコストが下がらない要因となっている。
[特許文献 1 ] 特開昭 6 1 - 80 1 6 1号公報
[特許文献 2 ] 特許第 26 1 9439号公報
[特許文献 3 ] 特許第 28 0 1 5 0 7号公報
[特許文献 4] 特開 200 2— 2 342 9号公報
[特許文献 5] 特開昭 63— 1 740 6 8公報
[特許文献 6] 特開平 04— 45 2公報
[特許文献 7] 特開平 04— 274443公報
[特許文献 8] 特開平 5— 34 9 84号公報
[特許文献 9] 特開平 5— 7 2 8 0 2号公報
[特許文献 1 0] 特開平 0 5— 1 6 5 2 5 0公報
[特許文献 1 1 ] 特開平 5 - 2 4 1 3 6 7号公報
[特許文献 1 2 ] 特開平 1 0— 1 6 1 3 4 0号公報
[特許文献 1 3 ] 特開平 2 - 2 6 6 3 7 2号公報
[特許文献 1 4] 特開平 9一 2 8 1 7 4 8号公報
[特許文献 1 5 ] 特開平 1 0— 3 2 7 1 9 6号公報
[特許文献 1 6] 特開平 5 - 3 3 3 5 8 4号公報
[特許文献 1 7] 特開 2 00 0— 1 0 3 3 8号公報
[特許文献 1 8 ] 特開平 5 - 1 8 8 6 3 2号公報
発明の開示
本発明は、 定着ローラにオイルを使用しないオイルレス定着トナーを 可能とするため、 トナー中にワックス等の離型剤を使用してオイルレス 定着が可能なトナーと二成分現像剤及び画像形成方法を提供する。 また. ワックス等の離型剤を含有したトナーとの組合せた使用においてもスぺ ント化によるキヤリァ劣化が生じにくく耐久性のある二成分現像剤を提 供する。 さらに転写時の中抜け低減し、 高転写効率を得ることが可能な トナーと二成分現像剤及び画像形成方法を提供する。
本発明のトナーは、 結着樹脂、 着色剤及びワックスを含むトナー母体 と外添剤を含むトナーであって、 前記外添剤が脂肪酸及びその誘導体か ら選ばれる少なくとも一つと、 ポリシロキサンを表面に付着させた無機 微粉末を含むことを特徴とする。
次に本発明の二成分現像剤は、 少なくとも結着樹脂、 着色剤及びヮッ クスを含むトナー母体と外添剤とからなるトナーとキャリアからなる二 成分現像剤であって、 前記外添剤が脂肪酸及びその誘導体から選ばれる
少なくとも一つと、 ポリシロキサンとを表面に処理した無機微粉末を含 み、 前記キヤリァがコア材の表面を被覆する樹脂がァミノシランカップ リング剤を含むフッ素変性シリコーン樹脂を含むことを特徴とする。 次に本発明の第 1番目の画像形成方法は、 感光体と現像ローラ間に直 流バイアスと共に、 周波数が 5〜 1 0 k H z、 バイアスが 1 . 0〜 2 . 5 k V ( p - p ) である交流バイアスを印加し、 かつ感光体と現像口一 ラ間の周速度比が 1 : 1 . 2〜 1 : 2である現像手段を含む画像形成方 法であって、 少なくとも結着樹脂、 着色剤及びワックスを含むトナー母 体と外添剤を含み、 前記外添剤が脂肪酸及びその誘導体から選ばれる少 なくとも一つと、 ポリシロキサンを表面に付着させた無機微粉末を含む トナーを使用することを特徴とする。
次に本発明の第 2番目の画像形成方法は、 少なくとも像担持体と前記 像担持体に静電潜像を形成する帯電手段とトナー担持体を含むトナー像 形成ステ一ションを複数個有し、 前記像担持体上に形成した静電潜像を、 少なくとも結着樹脂、 着色剤及びワックスを含むトナー母体と外添剤を 含み、 前記外添剤が脂肪酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも一つ と、 ポリシロキサンを表面に付着させた無機微粉末を含むトナーにより 顕像化し、 前記静電潜像を顕像化した前記トナー像を、 前記像担持体に 無端状の転写体を当接させて前記転写体に転写させる一次転写プロセス が順次連続して実行して、 前記転写体に多層の転写トナー画像を形成し、 その後前記転写体に形成した多層のトナー像を、 一括して転写媒体に転 写させる二次転写プロセスが実行されるよう構成された転写システムを 具備し、 前記転写プロセスが、 第 1の一次転写位置から第 2の一次転写 位置までの距離、 又は第 2の一次転写位置から第 3の一次転写位置まで の距離、 又は第 3の一次転写位置から第 4の一次転写位置までの距離を d 1 (mm) 、 感光体の周速度を v (mmZ s ) とした場合、 d 1 v
≤ 0. 65 (s e c) の条件を満足することを特徴とする。
次に本発明の第 3番目の画像形成方法は、 少なくとも像担持体と前記 像担持体に静電潜像を形成する帯電手段とトナー担持体を含むトナー像 形成ステーションを複数個有し、 前記像担持体上に形成した静電潜像を、 少なくとも結着樹脂、 着色剤及びワックスを含むトナー母体と外添剤を 含み、 前記外添剤が脂肪酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも一つ と、 ポリシロキサンを表面に付着させた無機微粉末を含むトナーにより 顕像化し、 前記静電潜像を顕像化した前記トナー像を、 順次連続して転 写媒体に転写させる転写プロセスが実行されるよう構成された転写シス テムを具備し、 前記転写プロセスが、 第 1の転写位置から第 2の転写位 置までの距離、 又は第 2の転写位置から第 3の転写位置までの距離、 又 は第 3の転写位置から第 4の転写位置までの距離を d 1 (mm) 、 感光 体の周速度を V (mm/ s ) とした場合、 d l Zv≤ 0. 6 5 ( s e c) の条件を満足することを特徴とする。
図面の簡単な説明
図 1は本発明の実施例で使用した画像形成装置の構成を示す断面図。 図 2は本発明の実施例で使用した定着ュニッ 卜の構成を示す断面図。 図 3は本発明の実施例で使用したトナ一混鍊装置の概略図。
図 4は本発明の実施例で使用したトナー混鍊装置の平面図。
図 5は本発明の実施例で使用したトナー混鍊装置の側面図。
図 6は本発明の実施例で使用したトナー混鍊装置の断面図。
図 7は本発明の実施例で使用したトナー粉碎処理の構成図。
図 8は図 7の I一 I ' 線の断面図。
図 9は図 8の B部分の拡大断面図。
1 : 感光体, 2 : 帯電ローラ, 3 : レーザ信号光, 4 : 現像ローラ, 5 : ブレード, 1 0 :第1転写ローラ, 1 2 :転写ベルト, 14 :第 2
転写ローラ, 1 3 : 駆動テンションローラ, 1 7 :転写ベルトユニット, 1 8 B, 1 8 C, 1 8 M, 1 8 Y :像形成ユニット, 1 8 : 像形成ュニ ッ ト群, 2 0 1 :定着ローラ, 2 0 2 : 加圧ローラ, 2 0 3 : 定着ベル ト, 2 0 5 : インダクションヒータ部, 2 0 6 : フェライ トコア, 2 0 7 : コイル, 5 0 8 : 定量供給機, 5 0 0 :粉砕処理部, 5 0 1 : 回転 体, 5 0 2 : 固定体, 5 0 3 : 原料, 5 0 6 : 凹凸部, 5 0 9 : 冷却器, 5 1 1 : エア一, 5 1 2 :温度計, 5 1 4 :バグフィルター, 5 1 5 : サイクロン, 5 1 6 :風量計, 5 1 7 : ブロア, 5 1 8 : 無機微粉末供 給装置, 5 1 9 : バイブレータ振動装置, 6 0 2 : ロール (RL 1) , 6 0 3 : ロール (R L 2 ) , 6 04 : 口一ル (R L 1 ) 上に巻きついた トナーの溶融膜, 6 0 5 :熱媒体の流入口, 6 0 6 : 熱媒体の流出口 発明を実施するための最良の形態
デジタル高画質化、 高精彩色再現性カラー化、 定着ローラにオフセッ ト防止用のオイルを使用しないで高透光性と耐オフセッ ト性の両立を図 ることができ、 さらには二成分現像におけるキャリアのトナー成分によ るスベントを防止して長寿命化を実現するものである。
( 1 ) 外添剤
脂肪酸等を処理した微粉末を外添処理することにより、 感光体に付着 したトナーの感光体との離型性に優れ、 さらにポリシロキサンと組合せ た処理により トナーの帯電量分布が均一化することにより、 転写時の中 抜け、 逆転写の防止に効果が現れる。 これによりオイルレス定着を実現 するためにワックスを一定量以上添加した凝集性の強くなつたトナーに おいても、 転写時の中抜け、 逆転写を防止できる。 また後述するキヤリ ァゃワックスと組合せた使用により、 離型性に優れ、 ポリシロキサンと 組合せた処理によるトナー帯電量分布の均一化の効果により耐スペント 性をより向上でき、 現像器内でのハンドリング性を向上させトナー濃度
の均一性を上げることができる。 また現像メモリー発生を抑制できる。 また感光体へのフイルミングの防止、 定着加熱部材への融着を防止でき る。 またトナーを小粒径化しても、 転写性とオイルレス定着の両立を図 ることができる。 現像においては潜像をより忠実に再現できる。 そして トナー粒子の転写率を悪化させることなく転写できる。 またタンデム方 式の転写においても再転写を防止でき、 中抜けの発生の抑制が可能とな る。 さらには現像量を少なくしても高画像濃度を得ることができる。 本実施形態では外添剤として、 シリカ、 アルミナ、 酸化チタン、 ジル コニァ、 マグネシア、 フェライ ト、 マグネ夕イ ト等の金属酸化物微粉末、 チタン酸バリウム、 チタン酸カルシウム、 チタン酸ストロンチウム等の チタン酸塩、 ジルコン酸バリウム、 ジルコン酸カルシウム、 ジルコン酸 ストロンチウム等のジルコン酸塩あるいはこれらの混合物が用いられる c これらの無機微粉末を表面処理する脂肪酸、 脂肪酸エステル、 脂肪酸ァ ミド、 脂肪酸金属塩のうち、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩としては、 力プリル 酸、 力プリン酸、 ゥンデシル酸、 ラウリル酸、 ミスチリン酸、 パリミチ ン酸、 ステアリン酸、 ベヘン酸、 モンタン酸、 ラクセル酸、 ォレイン酸、 エル力酸、 ソルビン酸、 リノール酸等が挙げられる。 中でも炭素数 1 5 〜2 0の脂肪酸が好ましい。
また脂肪酸金属塩を構成する金属としては、 アルミニウム、 亜鉛、 力 ルシゥム、 マグネシウム、 リチウム、 ナトリウム、 鉛、 バリウムが挙げ られ、 中でもアルミニウム、 亜鉛、 ナトリウムが好ましい。 特に好まし くはジステアリン酸アルミニウム(Al (OH) (C17H35C00) 2)、 またはモノス テアリン酸アルミニウム(Al (OH) 2 (C17H35COO) )、 等のジ脂肪酸アルミ二 ゥム、 モノ脂肪酸アルミニウムが好ましい。 O H基を有することが過帯 電を防止し、 転写不良を抑えることができる。 また処理時にシリカ等の 無機微粉末との処理性が向上するものと考えられる。
脂肪族アミ ドとしては、 パルミチン酸アミ ド、 パルミ トレイン酸アミ ド、 ステアリン酸アミ ド、 ォレイン酸アミ ド、 ァラキジン酸アミ ド、 ェ ィコセン酸アミ ド、 ベへニン酸アミ ド、 エル力酸アミ ド、 リグリノセリ ン酸アミ ド等の炭素数 1 6〜 2 4を有する飽和または 1価の不飽和の脂 肪族アミ ドが好ましく用いられる。
脂肪酸エステルとしては例えば、 メチル、 ェチル、 プチルゃグリセリ ン、 ペン夕エリスリ トール、 ポリプロピレングリコール、 トリメチ口一 ルプロパンなどのエステルであり、 特に、 脂肪酸ペン夕エリスリ トール モノエステル、 脂肪酸ペンタエリスリ トールトリエステル、 脂肪酸トリ メチロールプロパンエステルが好ましく用いられる。
ヒドロキシステアリン酸の誘導体、 グリセリン脂肪酸エステル、 ダリ コール脂肪酸エステル、 ソルビ夕ン脂肪酸エステル等の多価アルコール 脂肪酸エステル等の材料が好ましく、 一種類又は二種類以上組み合わせ ての使用も可能である。
ポリシロキサンとしては、 ジメチルポリシロキサン、 ジフエニルポリ シロキサン、 メチルフエニルポリシロキサンから選択されるポリシロキ サンが好ましい。 またフエニルハイ ドロジエンポリシロキサン、 メチル ハイ ドロジエンポリシロキサン、 フエニルハイ ドロジェンメチルハイ ド ロジェンポリシロキサンから選択されるポリシロキサンが好ましく用い られる。
表面処理は前記したポリシロキサン及び脂肪酸等をトルエン、 キシレ ン、 へキサン、 アイソパ一等の炭化水素系有機溶剤に溶解し、 それとシ リカ、 酸化チタン、 アルミナ等の微粉末とを分散機にかけ湿式混合して 処理剤により、 微粉末の表面に付着させて、 表面処理を施し、 その後に 溶剤を溜去して乾燥処理を行うことにより生成される。
このときの脂肪酸等と、 ポリシロキサンとの混合割合が 2 : 1〜 1 :
2 0であることが好ましい。 割合が 2 : 1よりも脂肪酸等が多くなると, シリカの帯電量が高くなり、 画像濃度の低下、 二成分現像においてはチ ヤージアップが発生しやすくなる。 1 : 2 0よりも脂肪酸金属塩等が少 なくなると、 転写における中抜け、 逆転写性への効果の低下、 キャリア のスベントが増加する。
好ましい形態としては、 処理される無機微粉末の表面をカツプリング 剤及び Z又はポリシロキサンにて処理を施した後に、 脂肪酸等とポリシ ロキサンの処理を施すことである。 単に親水性シリカの脂肪酸を処理す る場合よりも均一な処理が可能となり、 トナーの高帯電化を図れ、 トナ 一に添加したときの流動性が向上する効果があるためである。
また、 好ましい形態としては、 処理される無機微粉末の表面をポリシ ロキサンにて処理を施した後に、 脂肪酸等の処理を施すことも好ましい 脂肪酸等の処理量を減らせる効果がある。 より均一な処理が可能となり、 トナーの高帯電化を図れることと、 トナーに添加したときの流動性が向 上する効果があるためである。
シランカップリング剤としては、 ジメチルジクロロシラン、 トリメチ ルクロルシラン、 ァリルジメチルクロルシラン、 へキサメチルジシラザ ン、 ァリルフエニルジクロルシラン、 ベンジルメチルクロルシラン、 ビ ニルトリエトキシシラン、 ァーメタクリルォキシプロピルトリメ トキシ シラン、 ビニルトリァセトキシシラン、 ジビニルクロルシラン、 ジメチ ルビニルクロルシラン等がある。 シランカップリング剤処理は、 微粉体 を攪拌等によりクラウド状としたものに気化したシラン力ップリング剤 を反応させる乾式処理又は、 微粉体を溶媒中に分散させたシランカップ リング剤を滴下反応させる湿式法等により処理される。
無機微粉末の平均粒子径は 6 n m〜 2 0 0 n mが好ましく、 その無機 微粉末の添加量はトナー母体 1 0 0重量部に対し 1 . 0〜5 . 5重量部
外添処理する構成が好ましい。 1. 0重量部未満であるとトナーの流動 性が悪化する傾向となり、 転写時の逆転写の発生を抑さえ切れない。 5. 5重量部を超えるとシリカ浮遊や感光体へのフィルミングが生じ易い。 平均粒子径 6 nm未満であると、 シリカ浮遊や感光体へのフイルミング が生じ易い。 2 00 nmを超えると、 トナーの流動性が悪化し易い。 こ のとき表面処理した無機微粉末の強熱減量が 1. 5〜2 5w t %である ことが好ましい。 より好ましくは 3〜2 3w t %、 さらに好ましくは 5 〜20w t %である。 1. 5 w t %未満であると、 処理剤の機能が十分 に発揮されず、 帯電性、 転写性向上の効果が現れにくい。 2 5w t %を 超えると未処理剤が存在し、 現像性や耐久性に悪影響を与え易い。
また好ましい構成としては、 ポリシロキサンと脂肪酸等を処理した無 機微粉末の平均粒子径は 30 nm〜 200 nmが好ましく、 より好まし くは 4 O nm〜 l 4 O nm、 さらに好ましくは 40 nm〜9 O nmであ る。 転写性向上の効果とキヤリアのスベント防止する効果が得られる。 さらには、 平均粒子径が 6 nm〜 2 0 nmの負帯電性シリカ微粉末と組 合せた使用も好ましい。 平均粒子径が 6 nm~20 nmの無機微粉末を トナー母体粒子 1 0 0重量部に対し 0. 5〜2重量部と、 ポリシロキサ ンと脂肪酸等を処理した平均粒子径 30 nm〜 200 nmの無機微粉末 をトナー母体粒子 1 00重量部に対し 0. 5〜3. 5重量部とを少なく とも外添処理する構成が好ましい。 この構成により機能分離したシリカ の使用で、 現像でのハンドリング性、 転写時の逆転写、 中抜け、 飛散り に対しよりマ一ジンが取れる。 またキャリアへのスペントを防止できる。 前記の範囲が外れると、 そのマージン幅が狭まり、 マシンサイ ドでの精 度向上が要求されることになる。
さらには、 平均粒子径が 6 nm〜 20 nm、 強熱減量が 1. 5〜25 w t %である無機微粉末をトナー母体粒子 1 00重量部に対し 0. 5〜
2重量部と、 平均粒子径 3 0 n m〜 2 0 0 n mのポリシロキサンと脂肪 酸等を処理した強熱減量が 1 . 5〜 2 5 w t %である無機微粉末をトナ —母体粒子 1 0 0重量部に対し 0 . 5〜3 . 5重量部とを、 少なくとも 外添処理する構成が好ましい。 シリカの強熱減量を前記の範囲とするこ とにより、 転写時の逆転写、 中抜け、 飛散りに対しよりマージンが取れ る。 また先述したキャリアやワックスと組合せた使用により、 耐スペン ト性をより向上でき、 現像器内でのハンドリング性を向上させトナー濃 度の均一性を上げることができ、 現像メモリー発生を抑制できる。 前記 範囲が外れると、 そのマージン幅が狭まり、 マシンサイ ドでの精度向上 が要求されることになる。 特に転写時の離型作用を安定化でき、 逆転写、 中抜けに対する転写マージンを安定化できる。
平均粒子径が 6 n m〜2 0 n mの強熱減量が 1 . 5 w t %未満である と、 逆転写、 中抜けに対する転写マージンが狭くなる。 2 5 w t %を超 えると、 表面処理がムラになり、 帯電のバラツキが生じ易い。 好ましく は強熱減量が 1 . 5〜 2 0 w t %、 より好ましくは 5〜 1 9 w t %であ る。
さらに、 平均粒子径 6 η π!〜 1 2 0 n m、 強熱減量が 1 . 5〜2 5 w t %である正帯電性無機微粉末をトナー母体粒子 1 0 0重量部に対し 0 . 5〜 1 . 5重量部をさらに組合せて外添処理する構成も好ましい。 トナ 一が長期連続使用の際に過帯電になることを抑え、 より現像剤寿命を延 ばすことが可能となる。 さらには過帯電による転写時の飛散りを抑える 効果も得られる。 正帯電性無機微粉末を添加する効果は、 正帯電性を有 する無機微粉末とをトナーに添加することにより、 トナーの長期連続使 用時の帯電安定化に大きい効果を生ずる。 またタンデム方式の電子写真 方式において、 転写での帯電反発による画像乱れ、 転写不良を抑えるこ とができる。 0 . 5重量部よりも少ないとその効果が得にくい。 1 . 5
重量部を超えると、 現像でのかぶりが増大し易い。 強熱減量は好ましく は 1. 5〜2 5w t %、 より好ましくは 5〜20w t %である。
正帯電性のシリカとしては、 アミノシラン、 ァミノ変性シリコーンォ ィル、 アミノアンモニゥム処理されたシリカ、 酸化チタン、 アルミナ等 が好ましい。 このときトナー母体は負帯電性を示しており、 この構成は トナー母体と逆帯電性を有する無機微粉末を添加する構成となることが 好ましい。
無機微粉末の平均粒子径は電顕写真を拡大し、 約 1 0 0個の粒子を測 定した平均値としている。 また、 外添剤として添加される無機微粉末の 乾燥減量は、 1. Ow t %以下が好ましい。 1. 0 %を超えると、 現像時でのカプリ等の画質劣化を生じ易い。 また疎水化度は 7 0 %以上 であることが好ましい。 70 %未満であると耐湿性が低下し易い。 乾燥 減量 (%) は、 予め乾燥、 放冷、 精秤した容器に試料約 1 gを取り、 精 抨する。 熱風乾燥器 (1 0 5°C± It:) で 2時間乾燥する。 デシケ一夕 中で 3 0分間放冷後その重量を精抨し次式より算出する。
乾燥減量 (%) =乾燥による減量 (g) Z試料量 (g) X 1 00 強熱減量は、 予め乾燥、 放冷、 精秤した磁性ルツポに試料約 1 gを取 り、 精秤する。 50 Ot:に設定した電気炉中で 2時間強熱する。 デシケ 一夕中で 1時間放冷後その重量を精秤し次式より算出する。
強熱減量 (%) =強熱による減量 (g) Z試料量 (g) X I 00 処理された無機微粉末の水分吸着量は、 1 w t %以下であることが好 ましい。 さらに好ましくは 0. 5w t %以下、 より好ましくは 0. l w t %以下、 とくに好ましくは 0. 0 5w t %以下である。 lw t %を超 えると、 帯電性の低下、 耐久時の感光体へのフィルミングを生じ易い。 水分吸着量の測定は、 水吸着装置については、 連続蒸気吸着装置 (B E L S OR P 1 8 : 日本ベル株式会社) にて測定した。
疎水化度の測定は、 2 5 0 m lのビーカー中に装入した蒸留水 5 0 m 1 に試験すべき生成物 0 . 2 gを秤取する。 先端に、 液体中に浸威して いるビュレッ トからメタノ一ルを無機微粉末の総量がぬれるまで滴下す る。 その際不断に電磁攪拌機でゆっく りと攪拌する。 完全に濡らすため に必須なメタノール量 a (m 1 ) から次式により疎水化度が算出される c 疎水化度 = ( a / ( 5 0 + a ) ) X 1 0 0 ( % )
( 2 ) ヮッグス
本実施形態のトナーに添加するワックスとしては、 ヨウ素価が 2 5以 下、 けん化価が 3 0〜3 0 0からなる構成のワックスを、 結着樹脂 1 0 0重量部に対して 3〜2 0重量部添加することにより、 トナー多層転写 時にトナーの電荷作用による反発が緩和され、 転写効率の低下、 転写時 の文字の中抜け、 逆転写を抑えることができる。 また先述したキャリア と組合せた使用によりキヤリァへのスベントの発生を抑制でき現像剤の 長寿命化を可能とできる。 また現像器内でのハンドリング性が向上し、 現像の奥側と、 手前側で画像の均一性が向上する。 また現像メモリ一発 生を低減できる。
この結着樹脂は酸価が 1〜4 O m g K O H Z gであればより好ましい。 好ましくは添加量としては結着樹脂 1 0 0重量部に対して 5〜2 0重 量部添加することが好ましい。 3重量部未満であると、 定着性向上の効 果が得にくく、 2 0重量部を超えると保存安定性に難点がある。
ヨウ素価が 2 5を超えると、 一次転写でのトナー多層転写時にトナー の電荷作用による反発が緩和されにくくなる。 環境依存性が大きく、 ま た長期連続使用時に材料の帯電性の変化が大きくなり画像の安定性を阻 害する。 また現像メモリーも発生しやすくなる。 けん化価が 3 0未満で あると、 不けん化物、 炭化水素の存在が増加し、 感光体フィルミング、 帯電性の悪化を生じ易い。 また電荷制御剤との分散性が不良となり、 フ
イルミングゃ連続使用時の帯電性の低下を招く。 300を超えると樹脂 中でのワックスの分散性が悪化し易く、 トナーの電荷作用による反発が 緩和されにくくなる。 またカプリやトナー飛散の増大を招く。 樹脂酸価 が lmgKOHZg未満であると、 トナー多層転写時にトナーの電荷作 用による反発が緩和されにくくなる。 樹脂酸価が 4 OmgKOHZgを 超えると、 耐環境性が悪化し易く、 かぶり増大を招き易い。
D S C法による融点が 50〜 1 20 のものが好ましい。 より好まし くはヨウ素価が 1 5以下、 けん化価が 5 0〜2 50、 D S C法による融 点が 5 5〜 9 0 :、 さらに好ましくは、 ヨウ素価が 5以下、 けん化価が 7 0〜2 0 0、 D S C法による融点が 6 0〜8 5 のものである。 さらに融点以上の温度での 1 0で変化時の容積増加率が 2〜 30 %の 材料が好ましい。 固体から液体に変わるとき急激に膨張することで定着 時の熱で溶融したとき、 トナー相互の接着性がより強化され、 より定着 性が向上し、 また定着ローラとの離型性も良くなり耐オフセッ ト性も向 上する。 2未満であると効果が少なく、 3 0を超えると混練時の分散性 が低下し易い。
またワックスの 220 における加熱減量は 8重量%以下であること が好ましい。 加熱減量が 8重量%より大きくなると、 加熱混練時に結着 樹脂中に結着樹脂中に残留し、 結着樹脂のガラス転移点を大きく低下さ せトナーの保存安定性を損なう。 現像特性に悪影響を与え、 カブリゃ感 光体フィルミングを生じさせる。 ヨウ素価が 2 5以下、 けん化価が 3 0 〜 300からなる構成のワックスは、 ゲル浸透クロマトグラフィー (G P C) における分子量特性、 数平均分子量が 1 00〜 5000、 重量平 均分子量が 2 00〜 1 00 0 0、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量 数平均分子量) が 1. 0 1〜8、 Z平均分子量と数 平均分子量の比 (Z平均分子量 数平均分子量) が 1. 02〜 1 0、 分
子量 5 X 1 0 2〜 1 X 1 0 4の領域に少なくとも一つの分子量極大ピー クを有していることが好ましい。 より好ましくは数平均分子量が 5 0 0 〜 4 5 0 0、 重量平均分子量が 6 0 0〜 9 0 0 0、 重量平均分子量と数 平均分子量の比 (重量平均分子量 Z数平均分子量) が 1 . 0 1〜 7、 Z 平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分子量 Z数平均分子量) が 1 . 0 2〜 9、 さらに好ましくは数平均分子量が 7 0 0〜4 0 0 0、 重量平 均分子量が 8 0 0〜 8 0 0 0、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重 量平均分子量 Z数平均分子量) が 1 . 0 1〜 6、 Z平均分子量と数平均 分子量の比 (Z平均分子量 数平均分子量) が 1 . 0 2〜 8である。 数 平均分子量が 1 0 0未満で、 重量平均分子量が 2 0 0を超えると保存安 定性が悪化し易い。 分子量極大ピークが 5 X 1 0 2よりも小さい範囲に 位置していると、 ワックスとともに電荷制御剤の分散性が悪化する。 ま た現像器内でのハンドリング性が低下し、 トナー濃度の均一性保持を阻 害する。 トナーの保存安定性の低下、 キヤリアスベントの増大、 感光体 フィルミングを生じ易い。 数平均分子量が 5 0 0 0を超え、 重量平均分 子量が 1 0 0 0 0を超え、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平 均分子量 Z数平均分子量) が 8を超え、 Z平均分子量と数平均分子量の 比 (Z平均分子量/数平均分子量) が 1 0を超え、 分子量極大ピークが 1 X 1 0 4の領域を超える範囲に位置していると、 離型作用が弱くなり 定着性、 耐オフセッ ト性等の定着性機能が低下し易い。
ワックスとしては、 メドウフォーム油誘導体、 カルナゥバワックス、 ホホバ油誘導体、 木ロウ、 ミツロウ、 ォゾケライ ト、 カルナゥバヮック ス、 キャンデリアワックス、 モンタンワックス、 セレシンワックス、 ラ イスワックス等の天然ワックス、 フィッシャートロプッシュワックス等 の合成系ワックス等の材料も好ましく、 一種類又は二種類以上組み合わ せての使用も可能である。 特に D S C法による融点が 7 6〜 9 O t:であ
るカルナゥバワックス、 66〜80でであるキャンデリラワックス、 6 4〜7 8 である水添ホホバ油、 64〜 78 である水添メドゥフォー ム油又は 74〜 90 であるライスワックスからなる群より選ばれた少 なくとも 1種又は 2種以上のワックスもより好ましい。
ゲン化価は、 試料の 1 gをけん化するのに要する水酸化カリウム K〇 Ηのミリグラム数をいう。 酸価とエステル価の和にあたる。 ケン化価値 を測定するには約 0. 5 Νの水酸化力リゥムのアルコール溶液中で試料 をケン化した後、 0. 5 Νの塩酸で過剰の水酸化カリウムを滴定する。 ヨウ素価は試料にハロゲンを作用させたときに、 吸収されるハロゲン の量をヨウ素に換算し、 試料 1 00 gに対する g数で表したものをいう 試料 1 00 gに吸収されるヨウ素のグラム数であり、 この値が大きいほ ど試料中の脂肪酸の不飽和度が高いことを示す。 試料のク口口ホルムま たは四塩化炭素溶液にヨウ素と塩化水銀 (Π) のアルコール溶液又は塩 化ヨウ素の氷酢酸溶液を加えて、 放置後反応しないで残ったヨウ素をチ ォ硫酸ナ卜リゥム標準液で滴定して吸収ヨウ素量を算出する。
加熱減量の測定は試料セルの重量を 0. 1 mgまで精秤(W 1 mg) し、 これに試料 1 0〜 1 5mgを入れ、 0. l mgまで精秤する (W2 mg) 。 試料セルを示差熱天秤にセッ トし、 秤量感度を 5mgにして測 定開始する。 温度制御は下記プログラムにて行う。 測定後、 チャートに より試料温度が 2 2 Ot:になった時点での重量減を 0. lmgまで読み 取る (W3mg) 。 装置は、 真空理工製 TGD— 3 00 0、 昇温速度は l O^Zm i n 最高温度は 220 :、 保持時間は lm i nで、 加熱減 量 (%) =W3ノ (W2 -W 1 ) X 1 00、 で求める。
メドウフォーム油誘導体としては、 メ ドウフォーム油脂肪酸、 メドウ フォーム油脂肪酸の金属塩、 メドウフォーム油脂肪酸エステル、 水素添 加メドウフォーム油、 メドウフォーム油アミ ド、 ホモメ ドウフォーム油
アミ ド、 メ ドウフォーム油トリエステル、 エポキシ化メドウフォーム油 のマレイン酸誘導体、 メドウフォーム油脂肪酸多価アルコールエステル のィソシァネート重合物、 ハロゲン化変性メドウフォーム油がオイルレ ス定着と現像剤の長寿命化、 転写性改良に効果が得られる好ましい材料 である。 これらは 1種又は 2種以上組み合せての使用が可能である。 メドウフォーム油脂肪酸エステルとしては例えば、 メチル、 ェチル、 ブチルやグリセリン、 ペン夕エリスリ トール、 ポリプロピレングリコー ル、 トリメチロールプロパンなどのエステルであり、 特に、 メ ドウフォ ーム油脂肪酸ペン夕エリスリ トールモノエステル、 メドウフォーム油脂 肪酸ペンタエリスリ トールトリエステル、 メ ドウフォーム油脂肪酸トリ メチロールプロパンエステルなどが好ましい。 高温での耐オフセット性 とともに耐コールドオフセット性が良好である。 さらには、 メドウフォ
—ム油脂肪酸とグリセリン、 ペン夕エリスリ トール、 トリメチロールプ 口パン等の多価アルコールとのエステル化反応物を、 トリレンジィソシ ァネート (T D I ) 、 ジフエニルメタン一 4, 4 ' —ジイソシァネート (M D I ) 、 等のイソシァネートで架橋して得られるメ ドウフォーム油 脂肪酸多価アルコールエステルのィソシァネ一ト重合物も好ましく使用 できる。 キャリアへのスベント性が少なく、 二成分現像剤のより長寿命 化が可能となる。
水素添加メドウフォーム油はメドウフォーム油に水素添加して不飽和 結合を飽和結合としたものである。 耐オフセッ ト性とともに、 光沢性、 透光性を向上できる。
メドウフォーム油アミ ドはメドウフォーム油を加水分解した後、 エス テル化することにより脂肪酸メチルエステルとし、 その後、 濃アンモニ ァ水と塩化アンモニゥムとの混合物と反応して得られる。 さらにこれに 水素添加することにより融点を調節することが可能となる。 また加水分
解する前に水素添加することも可能である。 融点が 7 5〜 1 2 の物 が得られる。 ホモメ ドウフォーム油アミ ドは、 メ ドウフォーム油を加水 分解後還元してアルコールとした後、 二トリルを経て得られる。耐オフ セット性とともに、 光沢性、 透光性を向上できる。
ホホバ油誘導体としては、 ホホバ油脂肪酸、 ホホバ油脂肪酸の金属塩, ホホバ油脂肪酸エステル、 水素添加ホホバ油、 ホホバ油アミ ド、 ホモホ ホバ油アミ ド、 ホホバ油トリエステル、 エポキシ化ホホバ油のマレイン 酸誘導体、 ホホバ油脂肪酸多価アルコールエステルのイソシァネ一ト重 合物、 ハロゲン化変性ホホバ油がオイルレス定着と現像剤の長寿命化、 転写性改良に効果が得られる好ましい材料である。 これらは 1種又は 2 種以上組み合せての使用が可能である。
ホホバ油脂肪酸エステルとしては例えば、 メチル、 ェチル、 ブチルや グリセリン、 ペンタエリスリ 卜一ル、 ポリプロピレングリコール、 卜リ メチロールプロパンなどのエステルであり、 特に、 ホホバ油脂肪酸ペン 夕エリスリ トールモノエステル、 ホホバ油脂肪酸ペン夕エリスリ トール トリエステル、 ホホバ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステルなどが 好ましい。 高温での耐オフセッ ト性とともに耐コールドオフセット性が 良好である。
さらには、 ホホバ油脂肪酸とグリセリン、 ペン夕エリスリ ト一ル、 ト リメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化反応物を、 ト リレンジイソシァネート (T D I ) 、 ジフエニルメタン一 4 , 4 '—ジ シソシァネート (M D I ) 、 等のイソシァネートで架橋して得られる ホホバ油脂肪酸多価アルコールエステルのィソシァネ一ト重合物も好ま しく使用できる。 キャリアへのスベント性が少なく、 二成分現像剤のよ り長寿命化が可能となる。 水素添加ホホバ油はホホバ油に水素添加して 不飽和結合を飽和結合としたものである。 耐オフセッ ト性とともに、 光
沢性、 透光性を向上できる。
ホホバ油アミ ドはホホバ油を加水分解した後、 エステル化することに より脂肪酸メチルエステルとし、 その後、 濃アンモニア水と塩化アンモ ニゥムとの混合物と反応して得られる。 さらにこれに水素添加すること により融点を調節することが可能となる。 また加水分解する前に水素添 加することも可能である。 融点が 7 5〜 1 2 0 の物が得られる。 ホモ ホホバ油アミ ドは、 ホホバ油を加水分解後還元してアルコールとした後、 二トリルを経て得られる。 耐オフセット性とともに、 光沢性、 透光性を 向上できる。
また本実施形態では、 ヒドロキシステアリン酸の誘導体、 グリセリン 脂肪酸エステル、 グリコール脂肪酸エステル、 ソルビ夕ン脂肪酸エステ ル等の多価アルコール脂肪酸エステル等の材料が好ましく、 一種類又は 二種類以上組み合わせての使用も可能である。 先述したキヤリアと組合 せた使用により、 オイルレス定着と共に現像剤の長寿命化が図られ、 ま た現像器内での均一性が保持でき、 現像メモリーの発生も抑制できる。 ヒドロキシステアリン酸の誘導体としては、 1 2—ヒドロキシステア リン酸メチル、 1 2—ヒドロキシステアリン酸プチル、 プロピレンダリ コールモノ 1 2—ヒドロキシステアラート、 グリセリンモノ 1 2—ヒド ロキシステアラート、 エチレンダリコールモノ 1 2—ヒドロキシステア ラート等が好適な材料である。 オイルレス定着における紙の巻付き防止 効果と、 フィルミング防止効果がある。
ダリセリン脂肪酸エステルとしてはグリセリンモノステアラート、 グ リセリントリステアラー卜、 グリセリンステアラー卜、 グリセリンモノ パルミタート、 グリセリントリパルミタート等が好適な材料である。 ォ ィルレス定着における低温時のコールドオフセッ ト性緩和と、 転写性低 下防止効果がある。
グリコール脂肪酸エステルとしては、 プロピレングリコールモノパル ミタート、 プロピレンダリコールモノステアラート等のプロピレンダリ コール脂肪酸エステル、 エチレングリコールモノステアラート、 ェチレ ングリコールモノパルミ夕一ト等のエチレングリコール脂肪酸エステル が好適な材料である。 オイルレス定着性とともに、 現像での滑りを良く しキヤリアスペント防止の効果がある。
ソルビ夕ン脂肪酸エステルとしては、 ソルビ夕ンモノパルミ夕一ト、 ソルビ夕ンモノステアラート、 ソルビタントリパルミタート、 ソルビタ ントリステアラートが好適な材料である。 さらには、 ペンタエリスリ ト —ルのステアリン酸エステル、 アジピン酸とステアリン酸又はォレイン 酸の混合エステル類等の材料が好ましく、 一種類又は二種類以上組み合 わせての使用も可能である。 オイルレス定着における紙の巻付き防止効 果と、 フィルミング防止効果がある。
また、 本実施形態では脂肪族アミ ド系のワックスが好適に使用できる。 これによりカラ一画像における透光性を大きく向上できる。 特に定着画 像表面の平滑性を促進させ高画質のカラ一像を得ることが可能となる。 さらには定着時の複写用紙の定着ローラへの巻き付きを防止することが でき、 透光性と耐オフセッ ト性の両立、 転写時の中抜けを防止すること が可能となる。 先述したキャリアと組合せた使用により、 オイルレス定 着と共にスベントの発生を抑制でき現像剤の長寿命化が図られ、 また現 像器内での均一性が保持でき、 現像メモリーの発生も抑制できる。
脂肪族アミ ド系のワックスとしては、 パルミチン酸アミ ド、 パルミ ト レイン酸アミ ド、 ステアリン酸アミ ド、 ォレイン酸アミ ド、 ァラキジン 酸アミ ド、 エイコセン酸アミ ド、 ベへニン酸アミ ド、 エル力酸アミ ド、 リグリノセリン酸アミ ド等の炭素数 1 6〜2 4を有する飽和または 1価 の不飽和の脂肪族アミ ドで、 融点が 6 0〜 1 2 0でが好ましい。 より好
ましくは 7 0〜 1 0 0 、 さらに好ましくは 7 5〜 9 5 である。 添加 量は結着樹脂 1 0 0重量部に対し 5〜2 0重量部が好ましい。 融点が 6 0で未満であると樹脂中での分散性が低下し、 感光体へのフイルミング が発生しやすくなる。 融点が 1 2 を超えると定着画像表面の平滑性 が低下し、 透光性が悪化し易い。 また添加量が 2 0重量部を超えると保 存安定性が悪化し易い。 添加量が 5重量部未満であるとワックスの機能 が発揮しにくレ 。
さらにはメチレンビスステアリン酸アミ ド、 エチレンビスステアリン 酸アミ ド、 プロピレンビスステアリン酸アミ ド、 ブチレンビスステアリ ン酸アミ ド、 メチレンビスォレイン酸アミ ド、 エチレンビスォレイン酸 アミ ド、 プロピレンビスォレイン酸アミ ド、 ブチレンビスォレイン酸ァ ミ ド、 メチレンビスラウリン酸アミ ド、 エチレンビスラウリン酸アミ ド、 プロピレンビスラウリン酸アミ ド、 ブチレンビスラウリン酸アミ ド、 メ チレンビスミリスチン酸アミ ド、 エチレンビスミリスチン酸アミ ド、 プ ロピレンビスミリスチン酸アミ ド、 ブチレンビスミリスチン酸アミ ド、 メチレンビスパルミチン酸アミ ド、 エチレンビスパルミチン酸アミ ド、 プロピレンビスパルミチン酸アミ ド、 ブチレンビスパルミチン酸アミ ド、 メチレンビスパルミ トレイン酸アミ ド、 エチレンビスパルミ トレイン酸 アミ ド、 プロピレンビスパルミ トレイン酸アミ ド、 ブチレンビスパルミ トレイン酸アミ ド、 メチレンビスァラキジン酸アミ ド、 エチレンビスァ ラキジン酸アミ ド、 プロピレンビスァラキジン酸アミ ド、 ブチレンビス ァラキジン酸アミ ド、 メチレンビスエイコセン酸アミ ド、 エチレンビス エイコセン酸アミ ド、 プロピレンビスエイコセン酸アミ ド、 ブチレンビ スエイコセン酸アミ ド、 メチレンビスべへニン酸アミ ド、 エチレンビス ベへニン酸アミ ド、 プロピレンビスべへニン酸アミ ド、 ブチレンビスべ へニン酸アミ ド、 メチレンビスエル力酸アミ ド、 エチレンビスエル力酸
アミ ド、 プロピレンビスエル力酸アミ ド、 ブチレンビスエル力酸アミド 等の飽和または 1〜 2価の不飽和の脂肪酸のアルキレンビス脂肪酸アミ ド系のワックスが好ましい。 これによりカラ一画像における透光性を改 善すると共にローラへの耐オフセッ ト性を向上させることが可能となる c またキヤリァへのスベントの発生を抑制でき現像剤の長寿命化を可能と できる。 添加量は結着樹脂 1 0 0重量部に対し 3〜 2 0重量部が好まし い。 添加量が 3重量部未満であると機能が発揮し得ず、 2 0重量部を超 えるとカプリが増大する。
さらには、 脂肪族アミ ド系とアルキレンビス脂肪酸アミ ド系を 3 : 7 〜 7 : 3の割合でワックスを構成することにより、 定着画像の表面平滑 性を改善できるとともにさらにはカラ一画像の高透光性と耐オフセッ ト 性の両立をより優れたものとすることができる。 そのときの融点は脂肪 族アミ ド系よりもアルキレンビス脂肪酸アミ ド系の方が高いことが必要 である。 アルキレンビス脂肪酸アミ ド系の融点が低くなると耐オフセッ ト性が低下するのみでなく樹脂自体が低軟化の状態となり粉砕時の過粉 砕が進み、 微粉が増大し生産性の低下につながる。
特に脂肪族アミド系は低融点材料であるため、 樹脂への相溶化が進む と樹脂自体が可塑化され、 耐オフセッ ト性、 保存安定性が低下し、 さら には長期使用中に転写の中抜けが悪化する。 そのため脂肪族アミ ド系よ りも高融点材料のアルキレンビス脂肪酸アミ ド系とを組み合わせて使用 することで、 樹脂自体の可塑化が抑えられ、 脂肪族アミ ド系の高透光性 と表面平滑性の効果を失うことなく長期使用時の転写の中抜けを防止で き、 耐オフセット性、 保存安定性を維持することができる。 またキヤリ ァへのスベントの発生を抑制でき現像剤の長寿命化を可能とできる。 また、 G P Cにおける分子量分布において、 重量平均分子量が 1 0 0 0〜 6 0 0 0、 Z平均分子量が 1 5 0 0〜 9 0 0 0、 重量平均分子量と
数平均分子量の比 (重量平均分子量/数平均分子量) が 1 . 1〜 3 . 8 . Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分子量 Z数平均分子量) が 1 . 5 ~ 6 . 5、 1 X 1 0 3〜 3 X 1 0 4の領域に少なくとも一つの分子量 極大ピークを有し、 酸価 5〜 8 0 m g K O H Z g、 融点 6 0〜: 1 2 0 , 2 5でにおける針入度が 4以下である炭素数 4〜 3 0の長鎖アルキルァ ルコールと不飽和多価カルボン酸又はその無水物及び不飽和炭化水素系 ワックスとの反応により得られるワックス、 又は長鎖アルキルァミンと 不飽和多価カルボン酸又はその無水物及び不飽和炭化水素系ヮックスと の反応により得られワックス、 又は長鎖フルォロアルキルアルコールと 不飽和多価カルボン酸又はその無水物及び不飽和炭化水素系ワックスと の反応により得られるワックスは、 薄紙に 3層のカラ一トナーが形成さ れた画像において、 定着ローラやベル卜との紙の分離性向上に特に効果 がある。 高温オフセッ ト性を低下させること無く、 〇H Pの透過性向上 に効果がある。 また、 ワックスの添加により定着特性、 特にはオイルレ ス定着における非オフセッ ト性と高光沢性、 高透光性を発現でき、 高温 保存性を低下させることがない。 また定着ローラにフッ素系やシリコン 系部材を使用しても、 ハーフトーン画像のオフセッ トを防止できる。 先 述したキャリアと組合せた使用により、 オイルレス定着と共にスペント の発生を抑制でき現像剤の長寿命化が図られ、 また現像器内での均一性 が保持でき、 現像メモリーの発生も抑制できる。 さらには連続使用時の 帯電安定性が得られ、 定着性と現像帯電安定性との両立が可能となる。 さらにはこれを結着樹脂中に添加する際の分散の状態向上により、 離型 性、 透光性等の定着性、 帯電安定化等の現像性をより向上することがで きる。 離型剤の添加により他の内添加剤の分散性を低下させる場合が考 えられるが、 本実施形態の添加剤の構成により双方の分散性を低下させ ること無く、 定着性と現像性の両立を図ることができる。
ここで、 ワックスの長鎖アルキルの炭素数が 4未満であると離型作用 が弱くなり分離性、 高温非オフセット性が低下する。 長鎖アルキルの炭 素数が 30を超えると結着樹脂中での分散性が悪化する。 酸価が 5mg KOHZg未満であるとトナーの長期使用時の帯電量低下を招く。 酸価 が 80mgKOH/gを超えると耐湿性が低下し、 高湿下でのかぶりが 増大する。 融点が 60 未満であるとトナーの保存性が低下する。 融点 が 120 を超えると離型作用が弱くなり非オフセット温度幅が狭くな る。 25 における針入度が 4を超えると強靭性が低下し、 長期使用中 に感光体フイルミングを生じる。
重量平均分子量が 1000よりも小さく、 Z平均分子量が 1500よ り小さく、 重量平均分子量 数平均分子量が 1. 1よりも小さく、 Z平 均分子量 数平均分子量が 1. 5よりも小さく、 分子量極大ピークが 1 X I 0
3よりも小さい範囲に位置していると、 トナーの保存性が低下、 感光体や中間転写体にフィルミングを発生する。 また現像器内でのハン ドリング性が低下し、 トナー濃度の均一性を低下させる。 また現像メモ リ一を生じ易くなる。 重量平均分子量が 6000よりも大きく、 Z平均 分子量が 9000よりも大きく、 重量平均分子量ノ数平均分子量が 3. 8よりも大きく、 Z平均分子量/数平均分子量が 6. 5よりも大きく、 分子量極大ピークが 3 X 10
4の領域よりも大きい範囲に位置している と、 離型作用が弱くなり定着オフセット性が低下する。 より好ましくは 重量平均分子量が 1000〜 5000、 Z平均分子量が 1700〜 80 00、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量/数平均分 子量) が 1. 1〜2. 8、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分 子量 数平均分子量) が 1. 5〜4. 5、 1 X 10
3〜 1 X 10
4の領 域に少なくとも一つの分子量極大ピークを有することが好ましく、 更に 好ましくは重量平均分子量が 1000〜 2500、 Z平均分子量が 19
00〜 3000、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量 数平均分子量) が 1. 2〜 1. 8、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分子量/数平均分子量) が 1. 7〜2. 5、 1 X 1 0
3〜 3 X 1 0
3の領域に少なくとも一つの分子量極大ピークを有することである
t アルコールとしてはォク夕ノール、 ドデカノール、 ステアリルアルコ一 ル、 ノナコサノール、 ペンタデカノール等の長鎖のアルキル鎖を持つも のが使用できる。 またアミン類として N—メチルへキシルァミン、 ノニ ルァミン、 ステアリルァミン、 ノナデシルァミン等が好適に使用できる < フルォロアルキルアルコールとしては、 1—メトキシ一 (パーフルォロ 一 2—メチルー 1一プロペン) 、 へキサフルォロアセトン、 3 _パーフ ルォ口才クチル一 1 , 2 _エポキシプロパン等が好適に使用できる。 不 飽和多価カルボン酸又はその無水物としては、 マレイン酸、 無水マレイ ン酸、 ィタコン酸、 無水ィタコン酸、 シトラコン酸、 無水シトラコン酸 等が一種または二種以上使用できる。 なかでもマレイン酸、 無水マレイ ン酸がより好ましい。 不飽和炭化水素系ワックスとしては、 エチレン、 プロピレン、 ブチレン等の二重結合を有するォレフィンが好適に使用で きる。 不飽和多価カルボン酸又はその無水物をアルコールまたはァミン を用いて重合させ、 次にこれをジクルミパ一ォキサイドゃ夕一シャリー ブチルパーォキシィソプロピルモノ力ルポネート等の存在下で不飽和炭 化水素系ワックスに付加させることにより得ることができる。 添加量は 結着樹脂 1 00重量部に対し、 3〜20重量部が好ましい。 3重量未満 であると離型効果が出にくい。 20重量を超えるとトナーの流動性が低 下するばかりでなくそれ以上添加しても飽和して効果が向上しにくい。 また、 ワックスの結着樹脂中の分散平均粒子径が 0. 1〜 1. 5 m で、 分散粒子径分布が 0. 1 zm未満の粒子が 3 5個数%以下、 0. 1 〜2. 0 の粒子が 6 5個数%以上、 2. O mを越える粒子が 5個
数%以下であることが好ましい。 TEMによるトナーの断面写真から粒 径とその個数を求めた。 分散平均粒子径が 0. l
より小さく、 0. 1 m未満の粒子が 3 5個数%より多いとき、 離型剤としての離型効果 が小さく、 定着能力が発揮できない。 分散平均粒子径が 1. 5 wmより 大きく、 2. 0 mを越える粒子が 5個数%よりも多いとき、 樹脂中で のワックスの分散性が悪化し、 トナーの電荷作用による反発が緩和され にくくなる。 またカプリやトナー飛散の増大を招く。 また樹脂中でヮッ クスは線状または楕円状構造の場合、 長軸径が平均で 0. 5〜3 m、 0. 5 t m未満の粒子が 3 5個数%以下、 0. 5〜3. 5 mの粒子が 6 5個数%以上、 3. 5 zmを越える粒子が 5個数%以下であることが 好ましい。 平均径が 0. より小さく、 0. 5 ;tzm未満の粒子が 3
5個数%より多いとき、 離型剤としての離型効果が小さく、 定着能力が 発揮できない。 平均径が 3 mより大きく、 3. 5 mを越える粒子が 5個数%よりも多いとき、 樹脂中でのワックスの分散性が悪化し、 トナ 一の電荷作用による反発が緩和されにくくなる。 またカプリやトナ一飛 散の増大を招く。 現像器内でのハンドリング性が低下し、 また現像メモ リー性が低下する。
(3) 結着樹脂
本実施形態の結着樹脂として GP Cにおける分子量分布で、 2 X 1 0 3〜 3 X 1 04の領域に少なくとも一つの分子量極大ピークを有し、 か つ、 高分子量領域に存在する成分として 3 X 1 04以上の分子量成分を 結着榭脂全体に対し 5 %以上有し、 重量平均分子量が 1万〜 30万、 Z 平均分子量が 2万〜 5 00万、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重 量平均分子量 数平均分子量) が 3〜 1 0 0、 Z平均分子量と数平均分 子量の比 (Z平均分子量/数平均分子量) が 1 0〜2000、 定荷重押 出し形細管式レオメータフローテスタによる 1 Z 2法による溶融温度
(以下軟化点) が 8 0〜 1 50 :、 流出開始温度は 8 0〜 1 2 0t、 樹 脂のガラス転移点が 45〜68での範囲であるポリエステル樹脂を成分 とすることが好ましい。
好ましくは重量平均分子量が 1万〜 2 0万、 Z平均分子量が 2万〜 3 0 0万、 重量平均分子量 数平均分子量が 3〜 5 0、 Z平均分子量ノ数 平均分子量が 2 0〜 1 0 0 0、 軟化点が 9 0〜 1 40 、 流出開始温度 は 8 5〜 1 1 5で、 ガラス転移点が 5 2〜6 8 の範囲であるポリエス テル樹脂を成分とすることが好ましい。
より好ましくは重量平均分子量が 1万〜 1 5万、 Z平均分子量が 2万 〜 5 0万、 重量平均分子量/数平均分子量が 3〜 1 5、 Z平均分子量 数平均分子量が 5 0〜 1 0 0 0、 軟化点が 1 0 5〜 1 3 5 、 流出開始 温度は 9 0〜 1 2 0t、 ガラス転移点が 5 8〜6 6 の範囲であるポリ エステル樹脂を成分とすることが好ましい。
また高分子量領域に存在する成分として、 好ましくは I X 1 05以上 の分子量成分を結着樹脂全体に対し 3 %以上有することが好ましい。 さ らには高分子量領域に存在する成分として、 3 X 1 05以上の分子量成 分を結着樹脂全体に対し 0. 5 %以上有することが好ましい。
好ましくは高分子量領域に存在する成分として、 8 X 1 04〜 1 X 1 07の分子量成分を結着樹脂全体に対し 3 %以上有し、 かつ 1 X 1 07 以上の成分は含有しない構成が好ましい。
更に好ましくは、 高分子量領域に存在する成分として、 3 X 1 05〜 9 X 1 06の高分子量成分を結着樹脂全体に対し 1 %以上有し、 かつ 9 X 1 06以上の成分は含有しない構成である。
更に好ましくは、 高分子量領域に存在する成分として、 7 X 1 05〜 6 X 1 06の高分子量成分を結着樹脂全体に対し 1 %以上有し、 かつ 6 X 1 06以上の成分は含有しない構成である。
高分子量成分が多すぎると、 あるいは巨大すぎると混練時に巨大分子 量成分が残留し、 透光性を阻害する。 また樹脂自体の製造効率が低下す る。 現像ローラ供給ローラに不要な傷を付け画像に縦筋を生じさせる。 またワックスの分散性が低下する。
結着樹脂の重量平均分子量が 1万より小さく、 Z平均分子量が 2万よ り小さく、 重量平均分子量/数平均分子量が 3より小さく、 Z平均分子 量 数平均分子量が 1 0より小さく、 軟化点が 8 0 °Cより小さく、 流出 開始温度が 8 0でより小さく、 ガラス転移点が 4 5 t:より小さくとなる と、 混練時の分散性が低下し、 カプリの増加や耐久性の悪化を招く。 ま た混練時の混練ストレスが充分にかからず、 分子量を適正値に維持でき なくなる。 樹脂中でのワックスや電荷制御剤の分散性が悪化し、 トナー の電荷作用による反発が緩和されにくくなる。 またカプリやトナー飛散 の増大を招く。 また耐オフセッ ト性、 高温保存性の悪化、 さらには転写 体でのクリ一二ング不良、 感光体へのフイルミングが発生する。
結着樹脂の重量平均分子量が 3 0万より大きく、 Z平均分子量が 5 0 0万より大きく、 重量平均分子量 Z数平均分子量が 1 0 0より大きく、 Z平均分子量 数平均分子量が 2 0 0 0より大きく、 軟化点が 1 5 0で より大きく、 流出開始温度が 1 2 0 より大きく、 ガラス転移点が 6 8 T:より大きくとなると、 機械の処理中の負荷が過大となり生産性の極 端な低下や、 カラー画像での透光性の低下や定着強度の低下につながる また、 溶融混練処理された後のトナーの G P Cにおける分子量分布が、 2 X 1 0 3〜 3 X 1 0 4の領域に少なくとも一つの分子量極大ピークを 有し、 5 X 1 0 4〜 1 X 1 0 6の領域に少なくとも一つの分子量極大ピ ーク又はショルダーを有する構成とすることで、 より定着性が向上する。 トナーの低分子量側に存在する分子量極大ピークが、 好ましくは 3 X I 0 3〜 2 X 1 0 4の領域に少なくとも一つ有し、 さらに好ましくは 4 X
1 03〜 2 X 1 04の領域に少なくとも一つ有する構成である。
トナーの高分子量側に存在する分子量極大ピーク又はショルダーの位 置が、 好ましくは、 6 X 1 04〜 7 X 1 05の領域に少なくとも一つ有 し、 さらに好ましくは 8 X 1 04〜 5 X 1 05の領域に分子量極大ピー ク又はショルダーを少なくとも一つ有する構成である。
低分子量側に存在するトナーの分子量分布の分子量極大ピーク位置が、 2 X 1 03より小さくなると耐久性が悪化し、 3 X 1 04より大きくな ると定着性が悪化し、 透光性が低下する。
また、 高分子量側に存在するトナーの分子量分布の分子量極大ピーク 又はショルダーの位置が、 5 X 1 04より小さくなると、 耐オフセッ ト 性が低下し、 保存安定性が悪化する。 現像性が悪化しカプリが増大する。 1 X 1 06より大きくなると粉砕性が低下し、 生産効率の低下を招く。 さらに、 トナーの高分子量領域に存在する成分として、 5 X 1 05以 上の高分子量成分の含有量が結着樹脂全体に対し 1 Ow t %以下である ことが好ましい。 5 X 1 05以上の高分子量領域に存在する成分が多く なり、 あるいは巨大の状態は、 混練時にトナー構成材料に均一な混練ス トレスが加わらず、 混練状態が不具合となった結果である。 これにより 透光性が著しく阻害される。 また分散不良によるカプリの増大、 転写効 率の低下、 トナーの粉砕性が悪化し製造効率が低下する。
より好ましくは、 5 X 1 05以上の高分子量成分の含有量が結着樹脂 全体に対し 5 %以下であり、 さらに好ましくは、 1 X 1 06以上の高分 子量成分の含有量が結着樹脂全体に対し 1 %以下、 若しくは含有しない 構成である。
また、 トナーの GPCクロマトグラムにおける分子量分布で、 2 X 1 03〜 3 X 1 04の領域に存在する分子量極大ピークの分子量分布の高 さを H a、 5 X 1 04〜 1 X 1 06の領域に存在する分子量極大ピーク
又はショルダーの高さを Hbとすると、 HbZH aを 0. 1 5〜0. 9 とすることである。
HbZHaが、 0. 1 5より小さくなると耐オフセッ ト性が悪化し、 保存安定性も低下し、 現像ローラや感光体へのフイルミングを助長する 結果となる。 0. 9より大きくなると、 粉砕性が悪化し、 生産性が低下 しコストアップにつながる。 より好ましくは、 ?113/ 1^ &が0. 1 5〜 0. 7、 さらに好ましくは、 HbZH aが 0. 2〜0. 6である。
また、 トナーの GP Cにおける分子量分布で、 2 X 1 03〜 3 X 1 0 4の領域に少なくとも一つの分子量極大ピーク、 5 X 1 04〜 1 X 1 06 の領域に少なくとも一つの分子量極大ピーク又はショルダーを有する構 成で、 分子量 5 X 1 04〜 1 X 1 06の領域に存在する分子量分布の極 大ピーク又はショルダーに相当する分子量値よりも大きい領域にある分 子量曲線に着目し、 その分子量分布の極大ピーク又はショルダーの高さ を基準 1 00 %として、 その分子量極大ピーク又はショルダーの高さに 対して 90%の高さに相当する分子量を M90、 分子量極大ピーク又は ショルダーの高さの 1 0 %の高さに相当する分子量を M10とした場合、 M 1 0//M9 0が0. 5〜 8とすること、 さらには、 (M10-M90)/M90が 0. :!〜 7とすることで高透光性を確保できかつ定着オイルを必要とせ ずとも、 オフセッ ト防止できるオイルレス定着を実現できる。 またキヤ リァへのスベントの発生を抑制でき現像剤の長寿命化を可能とできる。 上記 M10/M90、 さらには、 (M10-M90)/M90の値 (分子量分布曲線の傾 き) を規定することは超高分子量成分の分子切断の状態を定量化できる ものであり、 この値が上記記載した範囲内 (分子量分布曲線の傾きが急 峻であることを示唆する) である場合には、 透光性を阻害している超高 分子量成分が混練時の切断により無くなり、 高透光性を有するようにな る。 さらには、 この高分子側に現れるピーク又はショルダーを形成する
高分子量成分が耐オフセッ ト性に寄与し、 オイルを使用せずともカラー トナーのオフセッ卜の発生を防ぐことが可能となる。 またキャリアへの スベントの発生を抑制でき現像剤の長寿命化を可能とできる。
さらにはこの超高分子量成分を分子切断する際に、 結着樹脂中でヮッ クス、 電荷制御剤の均一分散化処理を可能とすることができ、 帯電量が 均一化し、 鮮明な解像度を有し、 長期連続使用しても耐久性を悪化させ ることがない。 また転写体のクリーニング性が向上し、 現像器内でのハ ンドリング性が向上しトナー濃度の均一性が向上する。 現像メモリーの 発生も抑制できる。 転写時の画像乱れ、 中抜けを防止でき高効率な転写 性を得ることが可能となる。
M10/M90の値が 8を超え、 または(M1 0-M90) /M90が 7未満の場合には、 依然超高分子量成分が残存し、 透光性を阻害する。 M10/M90の値が 0 . 5未満、 または(M10-M90) /M90が 0 . 1未満の場合には、 混練時の機械 的負荷が過大となり生産性が低下する。 トナーの耐久性が低下する。 よ り好ましくは M1 0/M90の値が 0 . 5〜 6であり、 (Ml 0- M90) /M90が 0 . 1 〜4 . 5である。 さらに好ましくは、 M1 0/M90の値が 0. 5〜4. 5であり、 (M10- M90) /M90が 0 . :!〜 3 . 5である。
これにより、 デジタル高画質化、 高彩色再現性カラ一化、 二成分現像 におけるキャリアへのスベントを防止でき、 定着ローラにオフセッ ト防 止用のオイルを使用しないで高透光性と耐オフセッ ト性の両立を図れる。 さらにはクリーナプロセスの実現、 転写間短距離、 高速のタンデム転 写プロセスにおける転写工程での中抜け防止、 高転写性を実現すること ができる。
上記した結着樹脂を溶融混練処理において高せん断力にて混練するこ とで従来にない特性を発現することが可能となる。 オイルを用いない定 着でカラートナーの高い透光性と耐オフセッ ト性を両立させることがで
きる。 つまり超高分子量成分を付与した結着樹脂を高せん断力により、 超高分子量成分を低分子量化しそれにより高透光性が発現し、 さらには この低分子量化した超高分子量成分の存在により耐オフセット性も満足 できる。 また超高分子量成分を有するため、 混練時に高いせん断力がか かるため、 ワックスがより均一に分散させることが可能となり、 より透 光性が良化し、 非オフセット性、 高画質、 高彩色再現性、 良好な転写性 が得られる。 またキヤリアへのスベントの発生を抑制でき現像剤の長寿 命化を可能とできる。
溶融混練処理後のトナーの重量平均分子量が 8 0 0 0〜 1 8万、 Z平 均分子量が 1 8 0 0 0〜 1 0 0万、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量 Z数平均分子量) が 3〜 8 0、 Z平均分子量と数平均 分子量の比 (Z平均分子量 数平均分子量) が 1 0〜 1 0 0 0となるこ とである。 この適性範囲にトナーを高せん断力による混練処理すること により、 オイルを用いない定着でカラ一トナーの高透光性と耐オフセッ ト性を両立させることが可能となる。 好ましくは重量平均分子量が 8 0 0 0〜 1 0万、 τ平均分子量が 1 8 0 0 0〜 3 0万、 重量平均分子量 数平均分子量が 3〜 6 0、 Ζ平均分子量 数平均分子量が 1 0〜 5 0 0 であることが好ましい。 さらに好ましくは重量平均分子量が 1万〜 4万、 Ζ平均分子量が 2万〜 8万、 重量平均分子量 数平均分子量が 3〜 3 0、 Ζ平均分子量/数平均分子量が 1 0〜 5 0であることが好ましい。
重量平均分子量が 8 0 0 0より小さく、 Ζ平均分子量が 1 8 0 0 0よ り小さく、 重量平均分子量 数平均分子量が 3より小さく、 Ζ平均分子 量 数平均分子量が 1 0より小さくなると、 混練ストレスが充分にかか らず、 分子量を適正値に維持できなくなる。 ワックスの分散性が低下し 耐オフセット性、 高温保存性の悪化、 さらには中間転写体でのタリー二 ング不良、 感光体へのフィルミングが発生する。
重量平均分子量が 1 8万より大きく、 Z平均分子量が 1 0 0万より大 きく、 重量平均分子量 数平均分子量が 8 0より大きく、 Z平均分子量 /数平均分子量が 1 0 0 0より大きくなると、 逆に電荷制御剤等の内添 剤が相互に凝集を生じ、 分散性の低下につながり、 かぶりの増加、 画像 濃度の低下、 転写不良の発生を招く。 また定着強度の低下や、 透光性、 光沢度が低下する。
また結着樹脂は T H F不溶成分が 5重量%以下、 好ましくは T H F不 溶成分を有しないことである。 T H F不溶成分が 5重量%より多いと力 ラー画像の透光性を悪化させる要因となり、 画質を劣化させてしまう。 本実施形態に好適に使用される結着樹脂は、 アルコール成分と力ルポ ン酸、 カルボン酸エステル及びカルボン酸無水物等のカルボン酸成分と の重縮合によって得られるポリエステル樹脂が好適に使用される。
2価カルボン酸又は低級アルキルエステルとしては、 マロン酸、 コハ ク酸、 ダルタル酸、 アジピン酸、 へキサヒドロ無水フタル酸などの脂肪 族二塩基酸、 マレイン酸、 無水マレイン酸、 フマル酸、 ィタコン酸、 シ トラコン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、 及び無水フタル酸、 フタル酸、 テレフタル酸、 イソフタル酸などの芳香族二塩基酸、 及びこれらのメチ ルエステル、 ェチルエステル等を例示することが出来る。 この中でコハ ク酸、 フ夕ル酸、 テレフタル酸、 イソフ夕ル酸等の芳香族二塩基酸及び それらの低級アルキルエステルが好ましい。 コハク酸とテレフタル酸、 若しくはフ夕ル酸とテレフタル酸とを組合せた使用が好ましい。
3価以上のカルボン酸成分としては 1 , 2 , 4 _ベンゼントリカルボ ン酸、 1 , 2 , 5 —ベンゼントリカルボン酸、 1, 2 , 4 —シクロへキ サントリカルボン酸、 2 , 5 , 7 —ナフ夕レントリカルボン酸、 1 , 2 , 4 _ナフ夕レントリカルボン酸、 1 , 2 , 4—ブタントリカルボン酸、 1, 2 , 5—へキサトリカルボン酸、 1, 3—ジカルボキシルー 2 —メ
チルー 2—メチレンカルポキプロパン、 テトラ (メチレンカルボキシ ル) メタン、 1 , 2, 7, 8—オクタンテトラカルボン酸、 ピロメリッ ト酸、 ェンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、 アルキル (炭素数 1 〜1 2) エステル等が挙げられる。
2価アルコールとしては、 エチレングリコール、 1 , 2—プロピレン グリコール、 1, 3—プロピレングリコール、 1 , 3—ブチレングリコ —ル、 1, 4—ブチレングリコール、 1, 6—へキサンジオール、 ネオ ペンチルダリコール、 ジエチレングリコール、 ジプロピレングリコール, ビスフエノール Aエチレンォキサイ ド付加物、 ビスフエノール Aプロピ レンオキサイ ド付加物、 などのジオール、 グレセリン、 トリメチロール プロパン、 トリメチロールェタンなどのトリオール、 及びそれらの混合 物を例示することが出来る。 この中で特に(化 1)に示すビスフエノール A、 その誘導体、 そのアルキレンォキサイ ド付加物、 ネオペンチルグリ コール、 トチメチロールプロパンが好ましい。
(但し、 Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、 X, yは各々 1以上 の整数で、 かつ X + yの平均値は 2〜 1 0である。 )
3価以上のアルコール成分としては、 ソルビトール、 1 , 2, 3, 6 —へキサンテトロール、 1 , 4—ソルビタン、 ペンタエリスリ トール、 ジペンタエリスリ トール、 トリペン夕エリスリ トール、 1, 2 , 4—ブ タントリオール、 1 , 2, 5—ペンタントリオール、 グリセロール、 2 一メチルプロパントリオール、 2—メチル— 1 , 2, 4—ブタントリオ ール、 トリメチロールェタン、 トリメチロールプロパン、 1, 3, 5 -
トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
重合は公知の重縮合、 溶液重縮合等を用いることができる。 これによ つて耐塩ビマツ ト性ゃカラ一トナーの色材の色を損なうことなしに、 良 好なトナーを得ることができる。
多価カルボン酸と多価アルコールの使用割合は通常、 力ルポキシル基 数に対する水酸基数の割合 (OH/COOH) で 0. 8〜: I . 4が一般 的である。
樹脂、 ワックス及びトナーの分子量は、 数種の単分散ポリスチレンを 標準サンプルとするゲル浸透クロマトグラフィー (GP C) によって測 定された値である。
装置は東ソ一社製 HPLC8120シリーズ、 カラムは TSKgel superHM-H H4000/H3000/H2000 ( 7. 8 mm径、 1 5 0 mm X 3本) 、 溶離液 TH F (テトラヒ ドロフラン) 、 流量 0. 6m l Zm i n、 試料濃度 0. 1 %、 注入量 2 0 L、 検出器 R I、 測定温度 40t:、 測定前処理は試 料を THFに溶解後 0. 45 mのフィルターでろ過しシリカ等の添加 剤を除去した樹脂成分を測定する。 測定条件は、 対象試料の分子量分布 が、 数種の単分散ポリスチレン標準試料により得られる検量線における 分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される条件である。 また炭素数 4〜 3 0の長鎖アルキルアルコール、 不飽和多価カルボン 酸又はその無水物及び不飽和炭化水素系ワックスとの反応により得られ るワックスの測定は、 装置は WATER S製 GP C— l 50 C、 カラム は Shodex HT- 806M(8.0匪 I.D.- 30cmX2)、 溶離液は o—ジクロ口べンゼ ン、 流量は 1. OmL/m i n、 試料濃度は 0. 3 %、 注入量は 2 0 0 L, 検出器は R I、 測定温度は 1 30 :、 測定前処理は試料を溶媒に 溶解後 0. 5
の金属焼結フィルターでろ過処理した。 測定条件は、 対象試料の分子量分布が、 数種の単分散ポリスチレン標準試料により得
られる検量線における分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に 包含される条件である。 ,
また、 結着樹脂の軟化点は、 島津製作所の定荷重押出し形細管式レオ メ一夕フローテスタ (C FT 50 0 ) により、 1 cm3の試料を昇温速 度 6 分で加熱しながらプランジャーにより約 9. 8 X 1 05NZm
2 の荷重を与え、 直径 l mm、 長さ 1 mmのダイから押し出して、 こ のプランジャーのピストンストロ一クと温度との関係における昇温温度 特性との関係から、 ピストンストロークが立上がり始める温度が流出開 始温度 (T f b ) 、 曲線の最低値と流出終了点の差の 1 2を求め、 それと曲線の最低値を加えた点の位置における温度を 1 Z2法における 溶融温度 (軟化点 Tmt:) となる。
また樹脂のガラス転移点は示差走査熱量計を用い、 ASTMD3418-82に準 じて行う。 1 00°Cまで昇温し、 その温度にて 3分間放置した後、 降温 速度 1 O :Zm i nで室温まで冷却したサンプルを、 昇温速度 1 O :Z m i nで昇温して熱履歴を測定した際に、 ガラス転移点以下のベースラ ィンの延長線とピークの立上がり部分からピークの頂点までの間での最 大傾斜を示す接線との交点の温度を言う。
D S Cによる吸熱ピークの融点は、 島津製作所の示差熱量分析計 D S
C— 5 0を使用した。 5 m i nで 20 O :まで昇温し、 5分間保温 1 0 まで急冷後、 1 5分間放置後 5°CZm i nで昇温させ、 吸熱 (融 解) ピークから求めた。 セルに投入するサンプル量は 1 Omg ± 2mg とした。
本実施形態に好適に使用される結着樹脂には、 各種ビニル系モノマー による単独重合体または共重合体も好適に使用できる。 例えば、スチレ ン、 O—メチルスチレン、 m—メチルスチレン、 p—メチルスチレン、 p—ェチルスチレン、 2, 4—ジメチルァスチレン、 p— nブチルスチ
レン、 p— t e r t—ブチルスチレン、 P— n—へキシルスチレン、 p — n—ォクチルスチレン、 p _ n—へキシルスチレン、 P—クロルスチ レンなどのスチレンのおよびその誘導体があげられ、 とくにスチレンが 好ましい。
アクリル単量体としては、 アクリル酸、 メ夕クリル酸、 アクリル酸メ チル、 アクリル酸ェチル、 アクリル酸プチル、 アクリル酸一 2—ェチル へキシル、 アクリル酸シクロへキシル、 アクリル酸フエニル、メタクリ ル酸メチル、メ夕クリル酸へキシル、 メ夕クリル酸— 2 —ェチルへキシ ル、 /3—ヒドロキシアクリル酸ェチル、 ァーヒドロキシアクリル酸プロ ピルひ—ヒドロキシアクリル酸プチル、 )3—ヒドロキシメタクリル酸ェ チル、 ァ—アミノアクリル酸プロピル、 ァ— N, N—ジェチルアミノア クリル酸プロピル、 エチレングリコ一ルジメタクリル酸エステル、 テト ラエチレングリコールジメタクリル酸エステル等を挙げることができる t 本発明の目的に好適なスチレン一アクリル系共重合体としては、 スチレ ン/ブチルァクリレート共重合体であり、 特にスチレンを 7 5〜 8 5重 量%、 プチルァクリレートを 1 5〜 2 5重量%含有するものが好適に使 用される。
( 4 ) 電荷制御剤
本実施形態ではトナーの電荷制御の目的、 及びオイルレス定着をより 強固なものとするために、 電荷制御剤が添加される。 好ましい材料とし ては、 アクリルスルホン酸系の重合体で、 スチレン系モノマーと極性基 としてスルホン酸基を有するアクリル酸系モノマーとのビニル共重合体 が好ましい。 特にはァクリルアミ ドー 2—メチルプロパンスルホン酸と の共重合体が好ましい特性を発揮できる。 先述したキヤリアと組合わせ て使用することにより、 現像器内でのハンドリング性を向上し、 トナー 濃度の均一性が向上する。 さらに現像メモリーの発生を抑制できる。
また、 好ましい材料としては(ィヒ 2 )に示すサリチル酸誘導体の金属塩 が用いられる。
(化 2)
(但し、 R1, R 2及び R 3はそれぞれ独立して水素原子、 直鎖又は分岐 状の炭素数 1〜 1 0のアルキル基又はァリル基、 Yは亜鉛、 ニッケル、 コバルト、 銅及びクロムから選ばれた少なくとも一種を示す。 )
また、 好ましい材料としては(ィヒ 3)に示すベンジル酸誘導体の金属塩 が用いられる。
(化 3)
(但し、 R 1, R4はそれぞれ独立して水素原子、 直鎖又は分岐状の炭 素数 1〜 1 0のアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香環、 R2, R3は置換されていてもよい芳香環、 Xはアルカリ金属を示す。 )
サリチル酸誘導体の金属塩として、 炭素数 1〜 1 0のアルキル基とし ては例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 イソブチル基、 s e e—ブチル基、 t e r t—ブチル基 等が挙げられる。 金属 Yとしては亜鉛、 ニッケル、 コバルト、 銅、 クロ
ムが挙げられ、 亜鉛、 クロムが好ましい。 ベンジル酸誘導体の金属塩と しては、 Ri〜R4がベンゼン環、 アルカリ金属 Xとしてはリチウム、 ナトリウム、 カリウム等が挙げられ、 カリウムが好ましい。 この構成に より、 オイルレス定着において広範囲の非オフセッ ト温度域を確保でき ると共に、 定着時での帯電作用による画像乱れを防止できる。 これはヮ ックスのもつ酸価を有する官能基と金属塩の帯電極性の効果と思われる < また連続使用時での帯電量の低下を防止できる。 添加量は結着樹脂 1 0 0重量部に対し、 0. 5〜 5重量部が好ましい。 より好ましくは 1〜4 重量部、 さらに好ましくは 3〜4重量部である。 0. 5重量部よりも少 ないと、 帯電作用効果が無くなる。 5重量部よりも多くなるとカラー画 像での色濁りが目立ってくる。
(5) 顔料
また、 本実施形態に使用される顔料としては、 カーボンブラック、 鉄 黒、 グラフアイ ト、 ニグ口シン、 ァゾ染料の金属錯体、 C. I . ピグメ ント ·イェロー 1,3,74, 97, 98等のァセト酢酸ァリールアミ ド系モノァゾ 黄色顔料、 C. I . ピグメント 'イエロ一 12, 13, 14, 17等のァセト酢酸 ァリールアミ ド系ジスァゾ黄色顔料、 C. I . ソルベントイェロー 19,77,79、 C. I . デイスパース 'イエロ一 1 64が配合され、 特に好 ましくは C. I . ビグメント ·イェロー 93, 180, 185のべンズイミダゾロ ン系が感光体フイルミングに対して効果がある。
C . I . ビグメント ' レッ ド 48, 49:1, 53:1, 57, 57:1, 81, 122,5等の赤 色顔料、 C. I . ソルベント , レッ ド 49, 52, 58, 8等の赤色染料、 C. I . ピグネント · ブル一 1 5 : 3等のフタロシアニン及びその誘導体の青色 染顔料が 1種又は 2種類以上で配合される。 添加量は結着樹脂 1 00重 量部に対し、 3〜8重量部が好ましい。
(6) トナーの粉体物性
本実施形態では、 結着樹脂、 着色剤及びワックスを含む少なくとも結 着樹脂、 着色剤及びワックスを含むトナーの体積平均粒径が 3. 5〜6. 5 /zmであり、 個数分布における 5. 04 m以下の含有率が 3 0〜8 0個数%、 個数分布における 3. 1 7 m以下の含有率が 5〜 3 5個 数%、 6. 3 5〜 : 1 0. 1 mの粒径を有するトナー粒子が 3 5体積% 以下で含有する粒度分布とする構成である。 さらに好適な例は、 6. 3 5〜 1 0. 1 mの粒径を有するトナー粒子が 30体積%以下で含有し、 個数分布における 8 m以上の含有量が 5体積%以下で含有する粒度分 布とする構成である。 高解像度画質、 さらにはタンデ 転写における逆 転写の防止、 中抜けを防止し、 オイルレス定着との両立を図ることを可 能とできる。 画質体積平均粒径が 6. 5 mを超えると画質と転写の両 立が図れない傾向となる。 体積平均粒径が 3. 5 i m未満であると現像 でのトナー粒子のハンドリグ性が困難となる。 個数分布における 5. 0 4 m以下の含有率が 30個数%未満であると、 画質と転写の両立が図 れない傾向となる。 80個数%を超えると、 現像でのトナー粒子のハン ドリグ性が困難となり、 キャリア汚染が生じる傾向となる。 個数分布に おける 3. 1 7 /m以下の含有量が 5個数%を超えると、 画質と転写の 両立が図れない傾向となる。 3 5個数%を超えると、 現像でのトナー粒 子のハンドリグ性が困難となる傾向になる。 6. 3 5〜 1 0. l /mの 粒径を有するトナー粒子が 3 5体積%を超えると、 画質と転写の両立が 図れない傾向となる。 さらに 6. 3 5〜 1 0. l mの粒径を有するト ナ—粒子が 30体積%を超え、 個数分布における 8; umを超えるものの 含有量が 5体積%を超えると、 画質と転写の両立が図れない傾向となる。 体積平均粒子径から換算した真球相当の比表面積値 S t (S t = 6/ (真比重 X体積平均粒子径))と、 作成されたトナー母体の比表面積測定 値との比 S S t (S S t = (S t 粉砕されたトナーの比表面積値) が
0 . 4〜0 . 9 5の範囲が好ましい。 さらに好ましくは 0 . 5〜0 . 8 5、 より好ましくは 0 . 5 5〜0 . 8である。 0 . 9 5を超えると球形 化が進み、 連続使用時の帯電性の低下を招き、 転写時の飛び散り等の弊 害を招く傾向となる。 0 . 4未満であると形状が不定形になり過ぎるか, または過粉砕された微粉量が多い原因となる。
トナーの体積粒径分布の変動係数が 1 6〜 3 2 %、 個数粒径分布の変 動係数が 1 8〜 3 5 %であることが好ましい。 より好ましくは、 体積粒 径分布の変動係数が 1 8〜 2 4 %、 個数粒径分布の変動係数が 2 0〜 2 6 %、 さらに好ましくは、 体積粒径分布の変動係数が 1 8〜 2 2 %、 個 数粒径分布の変動係数が 2 0〜2 4 %である。
変動係数とはトナーの粒径における標準偏差を平均粒径で割ったもの である。 コール夕一カウンタ (コール夕一社) を使用して測定した粒子 径をもとにしたものである。 標準偏差は、 n個の粒子系の測定を行なつ た時の、 各測定値の平均値からの差の 2乗の和を (n— 1 ) で割った値 の平方根であらわされる。 つまり変動係数とは粒度分布の広がり具合を あらわしたもので、 体積粒径分布の変動係数が 1 6 %未満、 又は個数粒 径分布の変動係数が 1 8 %未満となると、 生産的に困難であり、 コスト アップの要因となる。 体積粒径分布の変動係数が 3 2 %より大、 または 個数粒径分布の変動係数が 3 5 %より大きくなると、 粒度分布がブロー ドとなるとトナーの凝集性が強くなり、 感光体へのフィルミング、 転写 不良、 クリーナーレスプロセスでの残留トナーの回収が困難となる。
トナー中の微粉はトナーの流動性、 画質、 貯蔵安定性、 感光体や現像 ローラ、 転写体へのフィルミング、 経時特性、 転写性、 特にタンデム方 式での多層転写性に影響する。 さらにはオイルレス定着での非オフセッ ト性、 光沢性、 透光性に影響する。 オイルレス定着実現のためにヮック ス等の離型剤を配合したトナーにおいて、 タンデム転写性との両立にお
いて微粉量が影響する。 微粉量が過大になると、 分散しきれないヮック スがトナー表面の露出が多くなり、 感光体、 転写体へのフィルミングが 発生する。 さらに、 微粉は熱ローラとの付着性も大きいためオフセッ ト しゃすい傾向にある。 またタンデム方式において、 トナーの凝集が強く なりやすく、 多層転写時に 2色目の転写不良を生じ易くなる。 微粉量が 少なくなると、 画質の低下を招く。
粒度分布測定は、 コールターカウン夕 TA— Π型 (コールターカウン 夕社) を用い、 個数分布、 体積分布を出力するインターフェイス (日科 機製) 及びパーソナルコンピュータを接続して測定する。 電解液は濃度 1重量%となるよう界面活性剤 (ラウリル硫酸ナトリウム) を加えたも の 5 Om 1程度に被測定トナーを 2 mg程度加え、 試料を懸濁した電解 液は超音波分散器で約 3分間分散処理を行い、 コール夕一カウンタ T A - Π型にてアパーチャ一 70 /mのアパーチャ一を用いた。 70 mの アパーチャ一系では、 粒度分布測定範囲は 1. 2 6 m〜 50. 8 m であるが、 2. 0 m未満の領域は外来ノイズ等の影響で測定精度や測 定の再現性が低いため実用的ではない。 よって測定領域を 2. 0 m〜 50. 8 ^ mとした。
また、 静嵩密度と動嵩密度から算出されるのが圧縮度で、 トナー流動 性の指標の一つである。 トナーの流動性はトナーの粒度分布、 トナー粒 子形状、 外添剤、 ワックスの種類や量に影響される。 トナーの粒度分布 が狭く微粉が少ない場合、 トナーの表面に凹凸が少なく形状が球形に近 い場合、 外添剤の添加量が多い場合、 外添剤の粒径が小さい場合は、 圧 縮度が小さくなり トナーの流動性は高くなる。 圧縮度は 5〜40 %が好 ましい。 より好ましくは、 1 0〜3 0 %である。 オイルレス定着と、 夕 ンデム方式多層転写との両立を図ることが可能となる。 5 %より小さい と、 定着性が低下し、 特に透光性が悪化しやすい。 現像ローラからトナ
一飛散が多くなりやすい。 40 %よりも大きい転写性が低下し、 夕ンデ ム方式での中抜け、 転写不良を生じる。
(7) キャリア
本実施形態の樹脂被覆キャリアは、 キャリア芯材に、 アミノシラン力 ップリング剤を含有したフッ素変性シリコーン系樹脂からなる被覆樹脂 層を有するキャリアが好適に使用される。 キャリア芯材には、 鉄粉系キ ャリア芯材、 フェライ ト系キャリア芯材、 マグネタイ ト系キャリア芯材、 また磁性体を樹脂中に分散した樹脂分散型キャリア芯材等がある。 ここ でフェライ ト系キヤリア芯材の例としては、 一般的に下記式で表される。
(MO) x (F e 203) γ
(但し、 Mは、 (;11,∑11 6^8^11, 3, ,1^,1^,511, 81" し8&,(0^0等から 選ばれる少なくとも 1種を含有する。 また X,Yは重量モル比を示し、 か つ条件 Χ+Υ=100を満たす。 )
フ ェ ライ ト 系キ ャ リ ア芯材は、 Fe203を主原料に、 Mは、 Cu, Zn, Fe, Mg, Mn, Ca, Li, Ti, Ni, Sn, Sr, Al, Ba, Co, Mo等から選ばれる少なく とも 1種の酸化物を混合して原料に用いる。 フェライ ト系キャリア芯材 の製造方法の例としては、 まず上記各酸化物等の原料を適量配合し、 湿 式ポールミルで 1 0時間粉碎、 混合し、 乾燥させた後、 9 5 0 で 4時 間保持する。 これを湿式ポールミルで 24時間粉砕し、 さらに結着剤と してポリビニルアルコール、 消泡剤、 分散剤等を加え、 原料粒子径が 5 m以下のスラリーとする。 このスラリーを造粒乾燥し、 造粒物を得て、 酸素濃度をコントロールしながら 1 3 0 0でで 6時間保持した後、 粉砕 し、 さらに所望の粒度分布に分級して得る。
本発明の樹脂被覆層に用いる樹脂としては、 フッ素変性シリコーン系 樹脂が必須である。 そのフッ素変性シリコーン系樹脂としては、 パ一フ ロロアルキル基含有の有機ケィ素化合物とポリオルガノシロキサンとを
反応させて得られた架橋性フッ素変性シリコーン樹脂が好ましい。 ポリ オルガノシロキサンとパーフロロアルキル基含有の有機ケィ素化合物と の配合比は、 ポリオルガノシロキサン 1 0 0重量部に対して、 パーフロ 口アルキル基含有の有機ケィ素化合物が 3重量部以上 2 0重量部以下で あるのが好ましい。
ポリオルガノシロキサンは下記 (化 4) 及び (ィ匕 5) から選ばれる少 なくとも一つの繰り返し単位を示すものが好ましい。
(但し、 R1, R2は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒドロキシ基、 メ トキ シ基、 炭素数 1〜4のアルキル基またはフエニル基、 R3, R4は炭素 数 1〜4のアルキル基またはフエ二ル基を示し、 mは平均重合度であり 正の整数 (好ましくは 2以上 500以下の範囲、 さらに好ましくは 5以 上 200以下の範囲) を示す。 )
R-0-Si-O-R6 R . . . (化 5)
(但し、 R 1, R2はそれぞれ水素原子、 ハロゲン原子、 ヒドロキシ基. メトキシ基、 炭素数 1〜 4のアルキル基、 フエニル基、 R3, R4, R5, R 6は炭素数 1〜 4のアルキル基またはフエ二ル基を示し、 nは平均重 合度であり正の整数 (好ましくは 2以上 5 00以下の範囲、 さらに好ま
しくは 5以上 2 0 0以下の範囲) を示す。 )
パーフロロアルキル基含有の有機ケィ素化合物の例としては、 CF3CH2CH2S i (0CH3) 3 、 C4F9CH2CH2S i (CH3) (0CH3) 2 、 C8F17CH2CH2S i (0CH3) 3 、 C8F17CH2CH2S i (OC2H5) 3、 (CF3) 2CF (CF2) 8CH2CH2S i (0CH3) 3等が挙げられるが、 特にトリフロロプロピル基を有するものが好ましい。
また、 本実施形態においては、 アミノシランカップリング剤を被覆樹 脂層に含有させる。 このアミノシランカツプリング剤としては公知のも のでよく、 例えばァ— (2—アミノエチル) ァミノプロビルトリメ トキ シシラン、 ァ— (2—アミノエチル) ァミノプロピルメチルジメトキシ シラン、 ォクタデシルメチル 〔3 _ (トリメトキシシリル) プロピル〕 アンモニゥムクロライ ド (上から SH6020, SZ6023,AY43-021:共に東レダ ゥコ一二ングシリコーン社製) 、 KBM602,KBM603, KBE903,KBM573 (信越 シリコーン社製) 等が挙げられるが、 特に 1級ァミンのものが好ましい £ メチル基、 ェチル基、 フエニル基等で置換された 2級または 3級のアミ ンでは極性が弱く、 トナーとの帯電立ち上がり特性に対して効果が少な レ^ また、 ァミノ基の部分が、 アミノメチル基、 アミノエチル基、 アミ ノフエ二ル基になると、 シランカップリング剤の最先端は、 1級ァミン であるが、 シランから伸びる直鎖の有機基中のアミノ基は、 トナーとの 帯電立ち上がり特性に寄与せず、 逆に高湿時に水分の影響を受けるため、 最先端のアミノ基により初期のトナーとの帯電付与能力は有するものの、 耐刷時に帯電付与能力が下がり、 最終的には寿命が短いものとなる。 そこでこのようなアミノシランカツプリング剤とフッ素変性シリコ一 ン榭脂を併用して用いることにより、 トナーに対してシャープな帯電量 分布を確保したまま、 負帯電性を付与でき、 かつ補給されたトナーに対 し、 早い帯電立ち上がり性を有し、 トナー消費量を低減させることがで きる。 さらに、 アミノシランカップリング剤が架橋剤の如き効果を発現
し、 ベース樹脂であるフッ素変性シリコーン樹脂層の架橋度を向上させ, 被膜樹脂硬度をさらに向上させ、 長期使用での摩耗 ·剥離等が低減でき, 耐スペント性を向上させ、 帯電付与能力の低下を抑えられ帯電の安定化 が図られ、 耐久性が向上する。 さらに特定の外添剤を一定量以上添加し たトナーと組合せて使用することにより、 現像器内でのハンドリング性 が向上し、 画像上において現像の奥側と手前側での濃度の均一性が向上 する。 またべ夕画像採取後に履歴が残るいわゆる現像メモリーも低減で きる。 またオイルレス定着実現のため低融点のワックスを一定量以上添 加したトナーを使用しても、 キヤリァのスベントを防止して寿命を向上 できる。 アミノシランカップリング剤の使用割合は、 樹脂に対して、 5 〜4 0重量%、 好ましくは 1 0〜 3 0重量%である。 5重量%未満であ るとアミノシランカツプリング剤の効果がなく、 4 0重量%を越えると 樹脂被覆層の架橋度が高くなり過ぎ、 チャージアップ現象を引き起こし 易くなり、 現像性不足等の画像欠陥の発生原因となることがある。
また、 帯電安定化のため, チャージアップを防止するため、 樹脂被覆 層には導電性微粒子を含有することも可能である。 導電性微粒子として は、 オイルファーネスカーボンやアセチレンブラックのカーボンブラッ ク、 酸化チタン、 酸化亜鉛などの半導電性酸化物、 酸化チタン、 酸化亜 鉛、 硫酸バリウム、 ホウ酸アルミニウム、 チタン酸カリウム等の粉末表 面を酸化スズゃ力一ポンプラック、 金属で被覆したもの等が挙げられ、 その固有抵抗が 1 0 1 ΰ Ω · c m以下のものが好ましい。 導電性微粒子 を用いる場合の含有量は 1〜 1 5重量%が好ましい。 導電性微粒子は、 樹脂被覆層に対し、 ある程度の含有量であれば、 フィラー効果により樹 脂被覆層の硬度の向上をもたらすが、 1 5重量%を越えると、 逆に樹脂 被覆層の形成を阻害し、 密着性 ·硬度の低下の原因となる。 さらには、 フルカラー現像剤における導電性微粒子の過剰の含有量は、 紙面上に転
写 ·定着されたトナーの色汚れの原因となる。
前述した無機微粉末を添加したトナーと組合せての使用により、 キヤ リァへのトナーの低融点成分のスベントがより低減され、 長寿命化が加 速される。 混合攪拌時の帯電立上がり性が良化し、 ドッ ト再現性、 カブ リの低減に効果がある。
本発明に用いるキャリアの平均粒径は 2 0〜 7 0 mが好ましい。 キ ャリアの平均粒径が 2 0 m未満では、 キヤリァ粒子の分布において微 粒子の存在率が高くなり、 それらのキヤリァ粒子はキヤリァ 1粒子当た りの磁化が低くなるため、 キャリアが感光体に現像されやすくなる。 ま た、 キャリアの平均粒子が 7 0 /z mを超えると、 キャリア粒子の比表面 積が小さくなり、 トナー保持力が弱くなるため、 トナー飛散が発生する また、 ベ夕部分の多いフルカラーでは、 特にベタ部の再現が悪く好まし くない。
キャリア芯材上に被覆層を形成する方法には、 特に制限はなく、 公知 の被覆方法、 例えば、 キャリア芯材である粉末を、 被膜層形成用溶液中 に浸漬する浸漬法、 被膜層形成用溶液をキヤリァ芯材の表面に噴霧する スプレー法、 キヤリァ芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層 形成用溶液を噴霧する流動床法、 ニーダ一コ一ター中でキヤリァ芯材と 被膜層形成用溶液を混合し、 溶剤を除去するニーダーコ一夕一法等の湿 式被覆方法の他、 粉末状の樹脂とキャリア芯材とを高速混合し、 その摩 擦熱を利用することで榭脂粉末をキヤリァ芯材表面に融着被覆する乾式 被覆方法等が挙げられ、 いずれも適用することができるが、 本発明にお けるアミノシランカップリング剤を含有するフッ素変性シリコ—ン系樹 脂の被覆においては、 湿式被覆方法が特に好ましく用いられる。
被膜層形成用塗布液に使用する溶剤は、 前記コート樹脂を溶解するも のであれば特に限定されるものではなく、 用いられるコート樹脂に適合
するように選択することができる。 一般的には、 例えば、 トルエン、 キ シレン等の芳香族炭化水素類、 アセトン、 メチルェチルケトン等のケト ン類、 テトラヒドロフラン、 ジォキサンなどのエーテル類が使用できる < 本発明における樹脂被覆量はキャリア芯材に対し、 0. 1〜 5. 0重 量%である。 樹脂の被覆量が 0. 5重量%未満になると、 キャリア表面 に均一な被覆を形成することができずキヤリァ芯材の特性の影響を大き く受けてしまい、 本発明のフッ素変性シリコーン樹脂とアミノシラン力 ップリング剤の効果を充分に発揮できない。 5. 0重量%を超えると被 覆層が厚くなり過ぎ、 キャリア粒子同士の造粒が発生し、 均一なキヤリ ァ粒子が得られない傾向にある。
このようにして、 キヤリァ芯材表面にァミノシラン力ップリング剤を 含有するフッ素変性シリコーン樹脂を被覆した後には、 焼き付け処理を 施すことが好ましい。 焼き付け処理を施す手段としては、 特に制限はな く、 外部加熱方式または内部加熱方式のいずれでもよく、 例えば、 固定 式または流動式電気炉、 ロータリーキルン式電気炉、 バーナー炉でもよ く、 もしくはマイクロ波による焼き付けでもよい。 ただし、 焼き付け処 理の温度に関しては、 樹脂被覆層の耐スベント性を向上させるというフ ッ素シリコーンの効果を効率よく発現させるために、 2 00〜 3 50 : の高温で処理することが好ましく、 より好ましくは、 2 20〜28 0Τ: である。 処理時間は 0. 5〜2. 5時間が適当である。 処理温度が低い と被膜樹脂自体の硬度が低下する。 処理温度が高すぎると帯電低下が生 じる。
(8) 混練工法
高せん断力による混練により、 添加するワックスをより微細分散化で きる。 そのロールの温度設定及び温度勾配、 回転数及び負荷電流の混練 条件と結着樹脂の軟化点、 ガラス転移点を最適な条件で処理させること
により高分散化処理を可能とできる。 高せん断力とは狭い間隙で対向さ せたロールを高速で回転させることにより結着樹脂等のトナー材料に作 用する混練力をいい、 狭い間隙に挟まれた時に生じる力と、 回転速度差 を有する回転ロールから受けるせん断力をいう。 従来の二軸押出し機で は発揮できない混練力を有する。 これにより結着樹脂の高分子量成分を 低分子量化することが可能となる。
具体的は、 異方向に回転し、 加熱または冷却が可能な対向する 2本の ロールを有し、 一方のロール (R L 1 ) のロール温度ともう一方の口一 ル (R L 2 ) のロール温度に温度差を設け、 かつ前記ロール (R L 1 ) と前記ロール (R L 2 ) とを異なる周速で回転させて 2本のロール間で 混練処理することにより実現できる。 さらには一方のロール (R L 1 ) が前半部と後半部で温度差を有する構成とすることである。
2本ロールの回転数比を 1 . 1倍〜 2 . 5倍の範囲内で行うことによ り混練時に適切なせん断力が生じ、 結着樹脂の分子切断、 着色剤等の内 部添加剤の分散性が向上し、 定着性、 現像性が向上する。 加熱してトナ 一を溶融し巻き付ける側のロールの回転比を高くする構成である。 1 . 1倍未満であると適切なせん断力が生じず、 分散性が向上せず、 透光性 が悪化する。 逆に 2 . 5倍を超えると、 生産性が急激に低下し、 また分 散性が向上せず、 現像性の悪化を招く。
またこのときの 2本のロールにかかる負荷電流値の比を 1 . 2 5〜 1 0の範囲となるような条件で混練することで、 適切なせん断力が加わり より内添剤の分散性が向上する。 この範囲よりも小さいと分散性が向上 せず、 透光性が悪化する。 また生産性も低下する。 逆にこの範囲よりも 大きいと、 ローラにかかる負荷が大きくなりすぎ、 超高分子量成分がよ り低分子量化しすぎるため、 非オフセット性が低下し、 オフセットが発 生するようになる。
図 3にトナー溶融混練処理の概略斜視図を、 図 4に上から見た平面図. 図 5に左側から見た側面図、 図 6に巻付いた状態での断面図を示す。 6 0 1はトナー原料の定量供給機、 6 02は口一ル (RL 1 ) 、 6 03は ロール (RL 2) 、 604はロール (RL 1) 上に巻きついたトナーの 溶融膜である。 図 3においてロール 60 2は時計回り、 60 3は反時計 回りに回転する。
図 4において 6.0 2 _ 1はロール (RL 1) の前半部 (原料の搬送方 向の上流部) 、 60 2 _ 2はロール (RL 1) の後半部 (原料の搬送方 向の下流部) 、 60 3— 1はロール (RL 2) の前半部 (原料の搬送方 向の上流部) 、 60 3— 2はロール (RL 2) の後半部 (原料の搬送方 向の下流部) 、 60 5はロール (R L 1 ) の前半部 60 2 - 1を加熱す るための熱媒体の流入口、 6 06はロール (RL 1 ) の前半部 6 02 - 1を加熱した熱媒体の流出口、 60 7はロール (尺 1 ) の後半部 60 2— 2を加熱又は冷却するための媒体の流入口、 608はロール (RL 1 ) の後半部 6 02 _ 2を加熱又は冷却した媒体の流出口、 6 1 8は口 ール (RL 2) の前半部 60 3 - 1を加熱又は冷却するための熱媒体の 流入口、 6 1 9はロール (RL 2) の前半部 6 0 3 - 1を加熱又は冷却 した熱媒体の流出口、 60 9はロール (RL 2) の後半部 6 03 _ 2を 加熱又は冷却するための媒体の流入口、 6 1 0はロール (RL 2) の後 半部 60 3 _ 2を加熱又は冷却した媒体の流出口である。
図 5において 6 1 1はロール表面のスパイラル状の溝で深さは 2〜 1 0 mm程度である。 6 1 1の螺旋状の溝はトナーの混練時に材料が原料 投入部の右端から排出部の左端にスムーズに搬送されるに好ましいもの である。 603 _ 1は原料をロールに効率よく巻付かせるために、 適当 な熱を付加させるためのものである。
定量供給機 6 0 1から排出された原料は、 原料供給フィーダ 6 1 3を
伝わりながら開口部 6 14からトナー原料が矢印 6 1 5のようにロール (RL 1) 6 0 2 - 1側の端部付近に落下させる。 供給フィーダの開口 部の長さは 6 1 6で表させる。 この長さはロール半径の 1/2〜4倍の 長さが好ましい。 短いと落下させる材料が溶融する前に 2本のローラの 隙間から下に落下する量が急増する。 長すぎると原料フィーダでの搬送 途中で原料が分離して均一な分散が得られない。
図 6において、 落下位置は矢印にて図示するようにロール (RL 1 ) 602の 2本のロールが最近接する点から 2 0 ° 〜 80 ° の範囲の地点 に落下させる。 2 0 ° 未満の角度であると 2本のロールの隙間から落下 する量が急増する。 8 0 ° を超えると落下させる際、 トナー粉末の舞上 りが多くなり周辺を汚染する。 またカバー 6 1 7は開口部長さ 6 1 6よ りも広い領域をカバーできるように設置する。 図 5ではカバーの図示は 省略している。
定量供給機 60 1からトナー原料は供給フィーダ 6 1 3を伝わりなが ら開口部 6 14から落下する。 落下したトナー原料はロール (RL 1 ) 602 - 1側の端部付近に投下される。 そして 602— 1の熱とロール (RL 2 ) 6 0 3 _ 1との圧縮せん断力により榭脂が溶融し、 ロール (RL 1) の前半部 602— 1に巻付くようになる。 ロール間でトナー 溜り 6 1 2が形成される。 その状態がロール (RL 1) の後半部 60 2 — 2の端部にまで広がり、 ロール (RL 1) の前半部 602— 1よりも 低い温度で加熱又は冷却されたロール (RL 2) の後半部 602— 2か らトナー魂として剥離される。 なお、 上記処理の間、 ロール 60 3— 2 は室温以下に冷却されている。 ロール (RL 1 ) 602とロール (RL 2 ) 60 3のクリアランスは 0. 1〜0. 9mmである。 本実施例では 原料投入量は 1 0 k g/h、 ロール (R L 1 ) (RL 2) の直径は 1 4 0mm、 長さは 8 0 0 mmで行った。
( 9 ) 粉碎
本実施形態に係る二成分現像剤は、 小粒径トナーを使用してもキヤリ ァへのスベントを防止でき、 オイルレス定着を実現することができる。 その粉砕の一手法として例示すると、 小粒径でかつ粒度分布をシャープ にするため、 トナー組成物を溶融混練した後、 表面に凹凸を有し高速に 回転する円筒状の回転体と、 回転体の外側に 0 . 5 mm〜4 0 mmの間 隙を存して嵌装され、 回転体と中心軸を共有する表面に凹凸を有する円 筒状の固定体と、 被トナー粉碎物を流入させる供給口と、 粉砕処理され たトナー粉砕物を排出する排出口とを具備する粉砕機により、 所定の粒 度分布に粉砕される。 このとき、 被トナー粉碎物を供給口から流入させ る前に、 被トナー粉砕物の凝集を緩和する手段を付加させ、 前記供給口 から流入させて所定の粒度分布へ粉砕させる構成とする。
被トナー粉砕物の凝集を緩和する手段としては、 被トナー粉砕物を供 給口から流入させる前に、 被トナー粉砕物に蒸発性の媒体、 例えば、 水 蒸気、 エタノール、 i s o —プロピルアルコール、 n —ブチルアルコ一 ル、 s e c—ブチルアルコール、 i s 0—ブチルアルコール等で粉体の 電荷を除去できることが目的である。 被トナー粉砕物に霧状に噴霧供給 して混合又は付着させ、 粉砕供給口から流入させる方法である。 また、 被トナー粉碎物を供給口から流入させる前に、 前記被トナー粉砕物に振 動手段を付加させて、 供給する方法で、 振動手段としては超音波振動、 バイブレーション振動等がある。 被トナー粉碎物が配管内を通過して粉 砕部供給口から流入させる前に配管部に振動装置を具備させ、 被トナー 粉砕物を分散させながら供給口から流入させる。 また、 被トナー粉砕物 を供給口から流入させる前に、 前記被トナー粉砕物に無機微粉末を前記 被トナー粉碎物に供給して混合させ、 前記供給口から流入させて粉砕す る方法がある。 無機微粉末としては前述した材料が適当である。 トナー
を粉砕処理する際、 被トナー粉砕物を供給口から流入させる前に、 被ト ナー粉砕物に無機微粉末を供給して混合させ、 供給口から流入させて所 定の粒度分布へ粉砕する構成をとる。 これにより被トナー粉砕物が均一 に分散した状態で回転体を有する粉砕部に突入し、 回転体の生ずる渦流 により被トナー粉砕物が均一に粉枠される。 これにより小粒径化粉砕と, 粗粉をシャープにカットされた状態での粉砕が可能となる。
このとき供給して混合させる無機微粉末が、 平均粒径 8〜4 0 n m、 強熱減量が 0 . 5〜 2 5 w t %であるシリカ又は酸化チタン微粉末が好 ましい。 さらには脂肪酸エステル、 脂肪酸アミ ド、 脂肪酸金属塩のいず れか 1種または 2種以上を表面処理したシリカ又は酸化チタン微粉末が 好ましい。 さらには、 無機微粉末が、 シリコーンオイルを表面処理した シリカ又は酸化チタン微粉末が好ましい材料である。 また被トナー粉碎 物の電荷を緩和する目的でトナー母体粒子の帯電極性と逆帯電極性を有 する無機微粉末も有効な手段である。 平均粒径が 8 n m未満であると、 定量切出しが不安定となる。 平均粒径が 4 0 n mを超えると均一粉砕性 が良くならない。 強熱減量が 0 . 5 w t %未満であると、 微粉末が飛散 してしまう。 強熱減量が 2 5 w t %を超えると微粉末の凝集が強くなり、 被トナー粉碎物の均一供給性が悪くなる。
この無機微粉末はトナー母体に固着されることなく静電気的な付着状 態でトナー表面に付着する。 無機微粉末の供給量としては被トナー粉砕 物の供給量の 0 . 1〜 5 w t %程度が好ましい。
回転体の凸部と、 固定体の凸部との間隙を 0 . 5〜4 0 mm、 好まし くは 0 . 5〜; L 0 mm、 より好ましくは 0 . 5〜 6 mmにすることによ り粉砕効率と球形化作用をより高めることができる。 0 . 5 mmより小 さいと粒子と回転体、 固定体との接触が著しく増大するので、 摩擦熱の 発生が著しくなり、 上記の先端部でトナーの融着が生じる。 4 0 mmよ
り大きいと高速気流の激しい流動を発生させることができず、 充分な粉 砕性が得られない。
この方式で行うと粉砕と同時に外添処理を施すことが可能であるため, 製造工程が短縮できるメリッ卜が大きい。 またトナーは粒子の角がきれ いに取られ球形化されるため、 流動性は向上する。
トナーの流動性が低いとべ夕画像部にムラが発生したり、 摩擦帯電性 が低下し、 逆極性トナーが増加し、 感光体の非画像部にトナーが強く付 着し除去できず、 地力プリとなって画像を劣化させるし、 また転写効率 が低下する。 外添剤シリカを増量してトナーの流動性を上げると、 摩擦 帯電が均一化し、 地力プリの減少と、 画像濃度の増加、 ベタ黒画像部の ムラが解消される傾向にある。 しかし感光体へのシリカやトナーのフィ ルミングや、 シリカ凝集物のベタ黒画像部への白点付着等の課題が発生 する。
そのため、 少量のシリカの添加量で高流動性が得られ、 浮遊シリカの 発生が抑えられ、 ベ夕黒画像部へのシリカの白点や、 中間転写体や感光 体へのシリカ、 トナーフィルミングの発生が抑えられる。 また低流動性 のトナーで見られるベ夕黒画像部のムラの発生が抑えられ、 均一な転写 性が得られ、 さらに逆極性トナーの発生を低く抑えられるため、 転写効 率が向上する要因となる。
さらに転写時において、 特に高温高湿時、 文字やライン等のトナーが 集中しているところで、 所定の押圧力で転写しても、 トナーの高流動性 のため、 トナー同士の凝集が起きにくく、 中抜けのない鮮明な画像が得 られる。
図 7に示した本実施形態のトナーの粉砕装置の 1実施例について説明 する。 混練物を粗粉砕によりメッシュ径約 1〜 5 mmパスした被トナー 粉碎物 5 0 3は定量供給機 5 0 8から投入され、 冷却器 5 0 9によって
供給される冷却エアー 5 1 1により、 粉砕供給部に送られ、 粉砕処理部 5 0 0で粉砕される。 原料 5 0 3は入口 5 0 4から投入され、 高速に回 転し表面に凹凸部 5 0 6を有する回転体 5 0 1と、 この回転体 5 0 1と 狭ギャップの間隙で位置している表面に凹凸部 5 0 7を有する固定体 5 0 2との空間に運ばれ、 高速に回転する回転体と固定体の間に発生する 高速気流の流動に伴って、 原料粒子相互が強力な衝突により粉砕されな がら球形化される。 球形化された粒子 5 1 0は排出口 5 0 5から出て、 粗粉分級機 5 1 3に送られ、 粗い粒子は再度エアー 5 1 1により、 入口 5 0 4に送られる。 製品はサイクロン 5 1 5に送られ、 補集容器 5 2 0 に回収される。 5 1 2は温度計、 5 1 4はバグフィルター、 5 1 6は風 量計、 5 1 7はブロアである。 5 1 9はバイブレータ振動装置、 5 1 8 は無機微粉末供給装置である。 粗粉分級にょリ分離され再度粉碎部に供 給されるとき、 無機微粉末供給をその後ろから供給することが好ましい c これにより無機微粉末が粉砕物への衝突の際に均一に混合される。 無機 微粉末の代わりに蒸発性の溶剤も供給できる。
図 8に図 7の 断面図を示す。 図 9は図 8の Bの箇所を拡大し たものである。 s 1は固定体 5 0 2の表面凹凸部 5 0 7の凸部の幅、 s 2は固定体 5 0 2の表面凹凸部 5 0 7の凸部間の距離、 s 3は固定体 5 0 2の表面凹凸部 5 0 7の凸部の高さ、 r 1は回転体 5 0 1の表面凹凸 部 5 0 6の凸部の幅、 r 2は 5 0 1は回転体の表面凹凸部 5 0 6の凸部 間の距離、 r 3は固定体 5 0 1の表面凹凸部 5 0 6の凸部の高さを示す。 回転体が高速に回転し、 シリカ等の無機微粉末の供給を受けながら効率 よく トナーを小粒径化しかつ球形化して粉砕するためには、 固定体 5 0 2の表面凹凸部 5 0 7の密度を回転体 5 0 1の表面凹凸部 5 0 6の密度 よりも高くする構成とすることにより実現できる。 凸部は周長 l c m当 り 1個以上とする構成が好ましい。 好ましくは 2 . 5個である。 さらに
は 0. 2≤ s l/ r l≤ 0. 7、 0. 2≤ s 2Z r 2≤ 0. 7の関係を 有することが好ましい。 特に無機微粉末を供給しながら粉砕処理する際, 被粉砕物が均一に分散された状態で投入されるため、 固定体の壁面との 衝突を安定化させるためには密度を高くする必要がある。 0. 2よりも 小さくなると、 表面加工の際のコストアップとなる。 0. 7よりも大き くなると、 渦流の流れが不均一となり小粒径への粉砕が困難となる。 (1 0) 重合方法
小粒径トナーの作成方法としては、 乳化重合法、 懸濁重合法なども好 適に使用できる。 乳化重合法では、 イオン性界面活性剤を含有する樹脂 微粒子分散液を調製し、 着色剤粒子分散液及びワックスの離型剤粒子分 散液と混合し、 前記イオン性界面活性剤とは反対の極性を有するイオン 性界面活性剤により凝集を生じさせることにより トナー径の凝集粒子を 形成させ、 その後樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記 凝集粒子を融合して、 洗浄、 乾燥する手段により トナーを作成すること ができる。 この時使用する界面活性剤を例示すると、 硫酸エステル塩系、 スルホン酸塩系、 リン酸エステル系、 せっけん系等のァニオン性界面活 性剤、 及びアミン塩型、 4級アンモニゥム塩型等のカチオン性界面活性 剤を使用することができる。 また、 ポリエチレングリコール系、 アルキ ルフエノールエチレンォキサイ ド付加物系、 多価アルコール系等の非ィ オン性界面活性剤を併用することも効果的である。 これらの分散手段と しては、 回転剪断型ホモジナイザ一やメディアを有するポールミル、 サ ンドミル、 ダイノミルなどの一般的なものを使用できる。
粒子生成後は、 任意の洗浄工程、 固液分離工程、 乾燥工程を経て所望 のトナーを得ることができるが、 洗浄工程は、 帯電性を発現 ·維持する ため、 十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。 また、 固液分離工程は、 特に制限はないが、 生産性の点から吸引濾過、 加圧濾
過等が好ましく用いられる。 さらに乾燥工程も特に制限はないが、 生産 性の点から凍結乾燥、 フラッシュジェッ ト乾燥、 流動乾燥、 振動型流動 乾燥等が好ましく用いられる。
また懸濁重合法では、 重合性単量体、 ワックス、 着色剤等の各種添加 剤を均一に溶解または分散させて加熱しホモジナイザー、 超音波分散機 等によって均一に溶解又は分散せしめ単量体組成物としたのち、 単量体 系を、 分散安定剤を含有する単量体系と同温の水相中に通常の攪拌機又 はホモミキサー · ホモジナイザー等により分散させる。
好ましくは、 単量体液滴が所定のトナー粒子のサイズの粒径を有する ように攪拌速度 ·時間を調整し、 その後は分散安定剤の作用により、 粒 子状態が維持され、 かつ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良 レ 重合温度は 4 0 以上、 一般には 5 0〜8 0での温度に設定させる。 このとき定着助剤の高分散化と、 定着助剤を包含したトナー粒子を小 さく均一な粒度分布とするためにも、 攪拌速度は 3 O mZ s e c以上が 好ましい。
反応終了後、 生成したトナー粒子を洗浄、 ろ過により回収し、 乾燥す る。 懸濁重合においては通常単量体系 1 0 0重量部に対して水 3 0 0〜 3 0 0 0重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
用いられる分散媒は、 いずれも適当な安定化剤、 有機化合物として、 ポリビエルアルコール、 ゼラチン、 メチルセルコロース、 メチルヒドロ キシプロピルセルロース、 ェチルセルロース、 カルポキシメチルセル口 —スのナトリウム塩、 ポリアクリル酸及びその塩、 デンプン、 無機化合 物としては、 りん酸三カルシウム、 リン酸マグネシウム、 リン酸アルミ 二ゥム、 リン酸亜鉛、 炭酸カルシウム、 炭酸マグネシウム、 硫酸バリゥ ム、 硫酸カルシウム、 水酸化アルミニウム、 水酸化マグネシウム、 メタ ゲイ酸カルシウム、 ベントナイ ト、 シリカ、 アルミナ等を水相に分散さ
せて使用できる。
分散安定剤の中で、 無機化合物を用いる場合、 より細かい粒子を得る ため、 水系媒体中で該無機化合物を生成させても良い。 例えば、 りん酸 カルシウムの場合高速攪拌下において、 リン酸ナトリゥム水溶液と塩化 カルシウム水溶液を混合すると良い。
またこれらの安定化剤の微細な分散のために、 0. 00 1〜0. 1重 量部の界面活性剤を使用しても良い。 これは上記分散安定剤の所期の作 用を促進するためのものであり、 その具体例として、 ドデシルベンゼン 硫酸ナトリウム、 テトラデシル硫酸ナトリウム、 ペン夕デジル硫酸ナト リウム、 ォクチル硫酸ナトリウム、 ォレイン酸ナトリウム、 ラウリル酸 ナトリウム、 ステアリン酸カリウム、 ォレイン酸カルシウム等が挙げら れる。 2, 2, —ァゾビス一 (2, 4—ジメチルバレロニトリル) 、 2, 2, —ァゾビスイソプチロニトリル、 1 , 1 ' —ァゾビス (シクロへキ サン一 1—カルボ二トリル) 、 2, 2, —ァゾビス一 4—メ トキシ一 2 , 4—ジメチルバレロニトリル、 ァゾビスイソプチロニトリル等のァゾ系 又はジァゾ系重合開始剤が使用できる。
( 1 1) 二成分現像
感光体と現像ローラ間には直流バイアスと共に交流バイアスを印加す る。 そのときの周波数が 5〜 1 0 kH z、 交流バイアスが 1. 0〜2. 5 kV (p _ p) であり、 かつ感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 1. 2〜 1 : 2であることが好ましい。 より好ましくは周波数が 5. 5 〜8 kH z、 交流バイアスが 1. 2〜2. 0 k V (p - p) であり、 か つ感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 1. 5〜 1 : 1. 8である。 更に好ましくは周波数が 5. 5〜 7 kH z、 交流バイアスが 1. 5〜 2. 0 k V (p _ p) であり、 かつ感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 1. 6〜 1 : 1. 8である。 この現像プロセス構成と本実施形態の
トナーの使用により、 ドットを忠実に再現でき、 現像ァ特性をねかせる 特性とできる。 高画質画像とオイルレス定着性を両立できる。 また高抵 抗キヤリァでも低湿下でのチャージアツプを防止でき、 連続使用におい ても高画像濃度を得ることができる。 これは高帯電性を発現できるトナ 一、 キャリア構成と交流バイアスとの併用により、 キャリアとの付着力 を低減でき画像濃度を維持できると共にカプリを低減でき、 ドッ トをも 忠実に再現できるものと思われる。
周波数が 5 k H zより小さいと、 ドッ ト再現性が悪化し、 中間調再現 性が悪化する。 周波数が 1 0 k H zより大きくなると、 現像領域での追 随ができず、 効果が現れない。 この周波数の領域では高抵抗キャリアを 使用した二成分現像において、 現像ローラと感光体間よりもキャリアと トナー間での往復作用に働き、 トナーをキヤリァから微少に遊離させる 効果があり、 これにより ドッ ト再現性、 中間調再現性が良好に行われ、 かつ高画像濃度を出すことが可能になる。
交流バイアスが 1 . O k V ( p - p ) より小さくなると、 チャージァ ップの抑制の効果が得られず、 交流バイアスが 2 . 5 k V ( p— p ) よ り大きくなるとカプリが増大する。 感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 1 . 2より小さいと (現像ローラが遅くなる) 画像濃度が得にくい。 感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 2より大きくなると (現像ロー ラ速度が上がる) とトナー飛散が多くなる。
( 1 2 ) タンデムカラープロセス
高速にカラ一画像を形成するために、 本実施形態では、 感光体と帯電 手段とトナー担持体を含むトナー像形成ステ一ションを複数個有し、 像 担持体上に形成した静電潜像を顕像化したトナー像を、 前記像担持体に 無端状の転写体を当接させて前記転写体に転写させる一次転写プロセス が順次連続して実行して、 前記転写体に多層の転写トナー画像を形成し、
その後前記転写体に形成した多層のトナー像を、 一括して紙や O H P等 の転写媒体に一括転写させる二次転写プロセスが実行されるよう構成さ れた転写プロセスにおいて、 第 1の一次転写位置から第 2の一次転写位 置までの距離を d l (mm) 、 感光体の周速度を v (mm/ s ) とした 場合、 d l Z v≤ 0 . 6 5となる転写位置構成を取る構成で、 マシンの 小型化と印字速度の両立を図るものである。 昨今マシンの高速化と小型 化の要求が厳しくなり毎分 1 6枚 (A 4 ) 以上処理でき、 かつマシンが S〇H〇用途として使用できる大きさの小型化を実現するためには、 複 数のトナー像形成ステーション間を短く、 かつプロセス速度を高める構 成が必須である。 その小型化と印字速度の両立のためには上記値が 0 . 6 5以下とする構成がミニマムと考えられる。 これ以上となると装置が 大型化、 処理速度の遅滞感が生じてしまうためである。
しかし、 この構成をとるとき、 例えば 1色目のイェロートナーが一次 転写された後、 次の 2色目のマゼン夕トナーが一次転写されるまでの時 間が極めて短く、 転写体の帯電緩和又は転写されたトナーの電荷緩和が 殆ど生じず、 イエロ一トナーの上にマゼン夕トナーを転写する際に、 マ ゼンタトナーがイェロートナーの電荷作用により反発され、 転写効率の 低下、 転写時の文字の中抜けという問題が生じる。 さらに第 3色目のシ アントナーの一次転写の時、 前のイェロー、 マゼン夕トナーの上に転写 される際にシアントナーの飛び散り、 転写不良、 転写中抜けが顕著に発 生する。 さらに繰り返し使用しているうちに特定粒径のトナーが選択的 に現像され、 トナー粒子個々の流動性が大きく異なると摩擦帯電する機 会が異なるため、 帯電量のバラツキが生じ、 より転写性の劣化を招いて しまう。
そこで、 本実施形態のトナー、 現像剤構成とすることにより、 樹脂中 でのワックス等の内添剤が均一分散化し、 帯電分布が安定化しトナーの
過帯電を抑えると共に、 流動性変動を抑えることができるため、 定着特 性を犠牲にすることなく、 転写効率の低下、 転写時の文字の中抜けを防 止することができる。
( 1 3 ) クリーナレスプロセス
また、 本実施形態では、 転写プロセス後に感光体上に残留したトナー をクリ一ニングにより回収するクリーニングプロセス工程を有さずに、 次の帯電、 露光、 現像プロセスを行うクリーナーレスプロセスを基本構 成とする電子写真装置に好適に使用される。
本実施形態のトナーの使用により、 トナーの凝集を抑え、 過帯電を防 止し、 帯電性の安定化が得られ、 高転写効率を得ることが可能となる。 また樹脂中での均一分散性の向上、 良好な帯電性、 材料の有する離型性 により、 非画像部に残留したトナーの現像での回収が良好に行える。 そ のため、 非画像部の前の画像パターンが残る現像メモリーも発生もない c
( 1 4 ) オイルレスカラー定着
本実施形態では、 トナーを定着する手段にオイルを使用しないオイル レス定着構成の定着プロセスを具備する電子写真装置に好適に使用され る。 その加熱手段としては電磁誘導加熱がウォームアップ時間の短縮、 省エネの観点から好ましい構成である。 磁場発生手段と、 電磁誘導によ り発生する発熱層及び離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、 該回 転加熱部材と一定の二ップを形成している回転加圧部材とを少なくとも 有する加熱加圧手段を使用して、 回転加熱部材と回転加圧部材間にトナ 一が転写された複写紙等の転写媒体を通過させ、 定着させる構成である。 回転加熱部材のウォームアツプ時間が従来のハロゲンランプを使用して いる場合に比べて、 非常に早い立ち上がり性を示す。 そのため回転加圧 部材が十分に昇温していない状態で複写の動作に入るため、 低温定着と 広範囲な耐オフセッ ト性が要求される。
加熱部材と定着部材を分離した定着ベルトを使用した構成も好ましく 使用される。 そのベルトとしては耐熱性と変形自在性とを有するニッケ ル電铸ベルトゃポリイミドベルトの耐熱ベルトが好適に用いられる。 離 形性を向上するために表面層としてシリコーンゴム、 フッ素ゴム、 フッ 素樹脂を用いる構成である。
これらの定着においてはこれまでは離型オイルを塗布してオフセット を防止してきた。 オイルを使用せずに離型性を有するトナーにより、 離 型オイルを塗布する必要はなくなつた。 しかし離型オイルを塗布しない と帯電しやすく、 未定着のトナー像が加熱部材又は定着部材と近接する と帯電の影響により、 トナー飛びが生じる場合がある。 特に低温低湿下 において発生しやすい。
そこで、 本実施形態のトナーの使用により、 オイルを使用せずとも低 温定着と広範囲な耐オフセット性を実現でき、 カラー高透光性を得るこ とができる。 またトナーの過帯電性を抑制でき加熱部材又は定着部材と の帯電作用によるトナーの飛びを抑えられる。
実施例
次に、 実施例により本発明を更に詳細に説明する。 ただし本発明はこ れに限定されるものではない。
(キヤリア製造例 1 )
Mn〇換算で 3 9. 7mo 1 %、 MgO換算で 9. 9mo 1 %、 F e 2〇3換算で 49. 6 mo 1 %及び S r〇換算で 0. 8mo l %湿式ポ —ルミルで、 1 0時間粉砕し、 混合し、 乾燥させた後、 9 50 で 4時 間保持し、 仮焼成を行った。 これを湿式ポールミルで 24時間粉砕し、 次いでスプレードライヤにより造粒し、 乾燥し、 電気炉にて、 酸素濃度 2 %雰囲気の中で 1 2 7 で 6時間保持し、 本焼成を行った。 その後、 解砕し、 さらに分級して平均粒径 50 m、 印加磁場が 300 0ェルス
テツトの時の飽和磁化が 6 5 emuZgのフェライ ト粒子の芯材を得た < 次に、 下記 (化 6) で示される(CH3)2SiO-単位が 1 5. 4mo l %、 (ィ匕 7) で示される CH3Si03/2-単位が 8 4. 6mo l %であるポリオル ガノシロキサン 2 5 0 gと、 CF3CH2CH2Si (0CH3)3を 2 1 g反応させ、 フ ッ素変性シリコーン樹脂を得た。 この反応は脱メ トキシ反応であり、 こ れによりポリオルガノシロキサンにパーフロロアルキル基含有の有機ケ ィ素化合物分子が導入される。 さらにそのフッ素変性シリコーン樹脂を 固形分換算で 1 00 gとアミノシランカップリング剤 (ァ—ァミノプロ ピルトリエトキシシラン) 1 0 gとを抨量し、 3 0 0mlのトルエン溶 剤に溶解させた。
(但し、 R1, R2, R3 R4はメチル基、 mは平均重合度であり 0 0である。 )
R-0-Si-O-R6
R . · · (化 7)
(但し、 R1, R2, R3, R4, R5, R6はメチル基、 nは平均重合度 であり 8 0である。 )
前記フェライ ト粒子 1 0 k gに対し、 液浸乾燥式被覆装置を用い、 上 記被覆樹脂溶液を 20分間攪拌することによりコーティングを行った。
その後 2 60 で 1時間焼き付けを行い、 キヤリァ A 1を得た。
(キャリア製造例 2)
C F 3 CH2 CH2 S i (O CH3) 3を C 8 F丄 7 C H 2 C H 2 S i (O CH3) 3に変更した以外は、 製造例 1と同様の工程でコア材を製造し, コ一ティングを行い、 キャリア A 2を得た。
(キヤリァ製造例 3)
導電性カーボン (ケッチェンブラックイン夕—ナショナル社製 E C) を樹脂固形分に対し 5 w t %をポールミルにて分散した以外は、 製 造例 1と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キャリア A 3を得た。
(キヤリァ製造例 4)
アミノシランカップリング剤の添加量を 30 gに変更した以外は、 製 造例 3と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キャリア A 4を得た。
(キャリア製造例 5)
アミノシランカップリング剤の添加量を 50 gに変更した以外は、 製 造例 3と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キャリア b 1を得た。
(キャリア製造例 6)
被覆樹脂をストレートシリコーン (東レ · ダウコ一ニング社製 S R - 24 1 1) に変更した以外は、 製造例 1と同様の工程でコア材を製造 し、 コーティングを行い、 キャリア b 2を得た。
(キャリア製造例 7)
被覆樹脂をパ一フルォロォクチルェチルァクリレート メタクリレー ト共重合体に変更した以外は、 製造例 3と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キャリア b 3を得た。
(キャリア製造例 8)
被覆樹脂をアクリル変性シリコーン樹脂 (信越化学社製 KR— 9 7 0 6) に変更した以外は、 キャリア製造例 3と同様の工程でコア材を製 造し、 コーティングを行い、 キャリア b 4を得た。
表 1に実施例で使用するトナーの結着樹脂の特性を示す。 樹脂はビス フエノール Aプロピルォキシド付加物、 テレフタル酸、 トリメリッ ト酸, コハク酸、 フマル酸を主成分としたポリエステル樹脂を使用し、 配合比, 重合条件により熱特性を変えた樹脂を使用した。 この 2価のアルコール と 2価のカルボン酸、 3価のカルボン酸の構成が定着性、 分散性、 キヤ リァのスベント性、 粉砕性を両立させるために好適な構成である。
樹脂はビスフエノール Aプロピルォキシド付加物、 テレフタル酸、 ト リメリッ ト酸、 コハク酸、 フマル酸を主成分としたポリエステル樹脂を 使用し、 配合比、 重合条件により熱特性を変えた樹脂を使用した。 この 2価のアルコールと 2価のカルボン酸、 3価のカルボン酸の構成が定着 性、 分散性、 キャリアのスベント性、 粉砕性を両立させるために好適な 構成である。 Mn f は結着樹脂の数平均分子量、 Mw f は結着樹脂の重 量平均分子量、 Mz f は結着樹脂の Z平均分子量、 Wm f は重量平均分 子量 Mw f と数平均分子量 Mn f との比 Mw f ZMn f , Wz f は結着 樹脂の Z平均分子量 M z f と数平均分子量 Mn f の比 M z f /Mn f 、
M >p f はピーク分子量、 T g (°C) はガラス転移点、 Tm C)は軟化点. o
T f b C)は流出開始温度、 AV (mgKOH/g) は樹脂酸価を示す, 表 2、 表 3、 表 4に本実施例で使用するワックス及びその物性値を示 す。 Tw ( ) は D S C法による融点、 C t (%) は融点 + l Ot:での 容積増加率 (%) 、 C k (w t % ) は 2 2 O :の加熱減量, Mn rはヮ ックスの数平均分子量、 Mw rはワックスの重量平均分子量、 Mz rは ヮックスの Z平均分子量, p e a kは分子量のピーク値を示す。
表 2
(備考) ヨウ素価の単位はヨウ素 g/100g、 けん化価の単位は mgK0H/g。 表 3
表 4
Mnr Mwr Mzr wr/Mnr ΜΖΓ/ΜΠΓ Peak
WA-1 1009 1072 1118 1.06 1.11 1.02 X 103
WA-2 1100 1198 1290 1.09 1.17 1.2 X 103
WA-3 1015 1078 1124 1.06 1.11 1.03 x 103
WA-4 1500 2048 3005 1.37 2.00 3.2 103
WA-5 1000 1050 1200 1.05 1.20 1.8 x 103
WA-6 1002 1100 1350 1,10 1.35 1.9 103
WA-7 1050 1205 1400 1.15 1.33 2.1 x 103
WA-8 1100 1980 3050 1.80 2.77 3.5 x 103
WA-9 1400 2030 2810 1.45 2.01 2.1 103
1400 3250 5200 2.32 3.71 3.1 10
3
表 5に本実施例で使用する顔料を示す
( 表 5
表 6に本実施例で使用する電荷制御剤を示す ( 表 6
表 7に本実施例で使用する外添剤を示す < 表 7
その帯電量( CZg)はノンコートのフェライ トキャリアとの摩擦帯 電のブローオフ法により測定したものである。 25 : 45 % RHの環境 下で、 100m lのポリエチレン容器にキヤリア 50 gとシリカ等 0. 1 gを混合し、 縦回転にて 10 Om i n
1の速度で 5分、 30分間攪 拌した後、 0. 3 g採取し、 窒素ガス 1. 96 X 1 0
4 (P a) で 1分 間ブローした。
負帯電性では 5分値が— 100〜― 900 / CZgで、 30分の値が — 50〜― 700 CZgであることが好ましい。 高い帯電量のシリカ では少量の添加量で機能を発揮できる。 30分値での帯電量が 5分値で の帯電量の 40 %以上を維持しているシリカが好ましい。 低下率が大き いと長期連続使用中での帯電量の変化が大きく、 一定の画像を維持でき なくなる。
正帯電性では 5分間攪拌後の 5分値が + 100〜+ 900 /CZgで、 30分間攪拌後の 30分の値が + 50〜十 500 CZgであることが 好ましい。 30分値での帯電量が 5分値での帯電量の 40 %以上を維持 しているシリカが好ましい。 低下率が大きいと長期連続使用中での帯電 量の変化が大きく、 一定の画像を維持できなくなる。
本実施例での混練条件を表 8に示す。
表 8
T r j 1 (で) はロール (R L 1 ) の前半部の加熱温度、 T r k 1 CC) はロール (R L 1 ) の後半部の加熱温度、 T r 2 CC) ロール (R L 2 ) の前後両部の加熱または冷却温度、 Rwlはロール (RL
1 ) の回転数、 Rw2はロール (RL 2) の回転数、 ロール (RL 1) の回転時の負荷電流値を D r 1、 ロール (RL 2) の負荷電流値を D r 2と示している。 原料投入量は 1 5 k gZh、 ロール (RL 1 ) (RL 2 ) の直径は 1 40mm、 長さは 8 00 mmで行った。
下記表 9及び表 1 0に本実施例での粉砕条件を示す。
表 1 0
本実施例では、 粉砕条件 KM 1は、 回転体と固定体の間隙: 1. 5m m、 回転体の周速: 1 3 OmZs、 被トナー粉砕物の供給量: 5 k gZ h、 冷却空気温度: 0°C、 排出部温度: 45 、 粉砕条件 KM 2は、 回 転体と固定体の間隙 : lmm、 回転体の周速: 1 2 0m s、 被トナー 粉碎物供給量: 5 k gZh、 冷却空気温度: 0 t:、 排出部温度 : 40 で ίί つた。 s 1は 1 mm、 s 2は 4 mm、 s 3は 3 mm、 r 1は 4 mm, r 2は 7mm、 r 3は 3mm、 固定体の周長は 57 cmとした。 粉砕前 に供給される無機微粉末とその供給量、 バイブレータ振動付与、 溶剤噴 霧処理を施している。
表 1 1に本実施例で使用したトナー材料組成、 物性値を示す。
表 1 1
顔料、 電荷制御剤、 ワックスの配合量比は結着樹脂 1 00重量部に対 する配合量 (重量部) 比を括弧内に示す。 外添剤はトナー母体 1 00重 量部に対する配合量 (重量部) を示している。 外添処理は FM20 Bに おいて、 攪拌羽根 Z O S O型、 回転数 2 0 0 Om i n 処理時間 5 m i n、 投入量 1 k gで行った。
図 1は本実施例で使用したフルカラー画像形成用の画像形成装置の構 成を示す断面図である。 図 1において、 カラー電子写真プリン夕の外装 筐は省略している。 転写ベルトユニッ ト 1 7は、 転写ベルト 1 2、 弾性
体よりなる第 1色 (イエロ一) 転写ローラ 1 0 Y、 第 2色 (マゼン夕) 転写ローラ 1 0Μ、 第 3色 (シアン) 転写ローラ 1 0 C、 第 4色 (ブラ ック) 転写ローラ 1 0 K、 アルミローラよりなる駆動ローラ 1 1、 弾性 体よりなる第 2転写ローラ 14、 第 2転写従動ローラ 1 3、 転写ベルト 1 2上に残ったトナー像をクリーニングするベルトクリーナブレード 1 6、 クリ一ナブレ一ドに対向する位置にローラ 1 5を設けている。
このとき、 第 1色 (Υ) 転写位置から第 2色 (Μ) 転写位置までの距離 は 7 Omm (第 2色 (M) 転写位置から第 3色 (C) 転写位置、 第 3色 (C) 転写位置から第 4色 (K) 転写位置も同様距離) 、 感光体の周速 度は 1 2 5 mm/ sである。 転写ベルト 1 2は、 絶縁性ポリカーポネ一 ト樹脂中に導電性のフィラーを混練して押出機にてフィルム化して用い る。 本実施例では、 絶縁性樹脂としてポリ力一ポネート樹脂 (たとえば 三菱ガス化学製, ユーピロン Z 300) 95重量部に、 導電性カーボン (たとえばケッチェンブラック) 5重量部を加えてフィルム化したもの を用いた。 また、 表面にフッ素樹脂をコートし、 厚みは約 1 0 0 zm、 体積抵抗は 1 07〜 1 012 Ω · c m、 表面抵抗は 1 07〜 1 012 ΩΖ口 である。 ドッ ト再現性を向上させるためもある。 転写ベルト 1 2の長期 使用による弛みや, 電荷の蓄積を有効に防止できるようにするためであ り、 また、 表面をフッ素樹脂でコートしているのは、 長期使用による-転 写ベルト表面へのトナーフィルミングを有効に防止できるようにするた めである。 体積抵抗が 1 07Ω · cm未満であると、 再転写が生じ易く、 1 012Ω · cmを超えると転写効率が悪化する。
第 1転写ローラは外径 1 Ommのカーボン導電性の発泡ウレタンロー ラで、 抵抗値は 1 02〜 1 06Ωである。 第 1転写動作時には、 第 1転 写ローラ 1 0は、 転写ベルト 1 2を介して感光体 1に 1. 0〜 9. 8 (Ν) の押圧力で圧接され、 感光体上のトナーがベルト上に転写される。
抵抗値が 1 02 Ωよりも小さいと、 再転写が生じ易い。 1 06 Ωを超え ると転写不良が生じ易くなる。 1. 0 (Ν) よりも小さいと転写不良を 生じ、 9. 8 (Ν) よりも大きいと転写文字抜けが生じる。
第 2転写ローラ 1 4は外径 1 5 mmのカーボン導電性の発泡ウレタン ローラで、 抵抗値は 1 02〜 1 06 Ωである。 第 2転写ローラ 1 4は、 転写ベルト 1 2及び紙、 ΟΗΡ等の転写媒体 1 9とを介して転写ローラ 1 3に圧接される。 この転写ローラ 1 3は転写ベルト 1 2に従動回転可 能に構成している。 第 2次転写での第 2転写ローラ 1 4と対向転写口一 ラ 1 3とは 5. 0〜 2 1. 8 (Ν) の押圧力で圧接され、 紙等の記録材 上 1 9に転写ベルトから トナーが転写される。 抵抗値が 1 02Ωよりも 小さいと、 再転写が生じ易い。 1 06 Ωよりも大きいと転写不良が生じ 易くなる。 5. 0 (Ν) より も小さいと転写不良となり、 2 1 . 8 (Ν) よりも大きいと負荷が大きくなり、 ジッ夕が出やすくなる。 イェロー (Υ) 、 マゼンタ (Μ) 、 シアン (C) 、 黒 (Β) の各色用 の 4組の像形成ユニット 1 8 Y、 1 8 M、 1 8 C、 1 8 Kが、 図のよう に直列状に配置されている。
各像形成ユニッ ト 1 8 Y、 1 8M、 1 8 C、 1 8 K、 中に入れた現像 剤を除きそれぞれ同じ構成部材よりなるので、 説明を簡略化するため Υ 用の像形成ュニッ ト 1 8 Υについて説明し、 他色用のュニッ 卜の説明に ついては省略する。
像形成ユニッ トは以下のように構成されている。 1は感光体、 3は画 素レーザ信号光、 4は内部に 1 2 0 0ガウスの磁力を有する磁石を有す るアルミよりなる外径 1 2mmの現像ローラで、 感光体とギャップ 0. 3mmで対向し、 矢印の方向に回転する。 6は攪拌ローラで現像器内の トナーとキャリアを攪拌し、 現像ローラへ供給する。 キャリアとトナー の配合比を透磁率センサーにより読み取り(図示せず)、 トナーホッパー
(図示せず)から適時供給される構成である。 5は金属製の磁性ブレード で現像ローラ上に現像剤の磁気フ'ラシ層を規制する。 現像剤量は 1 50 g 投入している。 ギャップは 0. 4mmとした。 電源は、 省略しているが, 現像ローラ 4には一 500 Vの直流と、 1. 5 kV (p _p) 、 周波数 6 kH zの交流電圧が印加される。 感光体と現像ローラ間の周速度比は 1 : 1. 6とした。 またトナーとキャリアの混合比は 9 3 : 7とし、 現 像器中の現像剤量は 1 50 gで行った。
2はェピクロルヒドリンゴムよりなる外径 1 2 mmの帯電ローラで直 流バイアス一 1. 2 kVが印加される。 感光体 1表面を— 600 Vに帯 電する。 8はクリーナ、 9は廃トナーボックス、 7は現像剤である。 紙搬送は転写ュニッ ト 1 7の下方から搬送され、 転写ベルト 1 2と第 2転写ローラ 1 4との圧接されたニップ部に紙給送ローラ(図示せず)に より紙 1 9が送られてくるように、 紙搬送路が形成されている。
転写ベルト 1 2上のトナーは第 2転写ローラ 14に印加された + 1 0 00 Vにより紙 1 9に転写され、 定着ローラ 20 1、 加圧ローラ 202、 定着ベルト 20 3、 加熱媒体ローラ 2 04、 インダクションヒー夕部 2 05から構成される定着部に搬送され、 ここで定着される。
図 2にその定着プロセス図を示す。 定着ローラ 20 1とヒートローラ 204との間にベル卜 203がかけられている。 定着ローラ 20 1と加 圧ローラ 202との間に所定の加重がかけられており、 ベルト 20 3と 加圧ローラ 20 2との間で二ップが形成される。 ヒー卜ローラ 204の 外部周面にはフェライ トコア 206、 とコイル 2 07よりなるインダク ションヒータ部 20 5が設けられ、 外面には温度センサー 208が配置 されている。
ベルトは 30 mの N iを基体としてその上にシリコーンゴムを 1 5 0 ^m, さらにその上に P FAチューブ 30 mの重ねあわせた構成で
ある。 加圧ローラ 2 0 2は加圧バネ 2 0 9により定着ローラ 2 0 1に押 しつけられている。 トナ一 2 1 0を有する記録材 1 9は、 案内板 2 1 1 に沿って動く。 定着部材としての定着ローラ 2 0 1は、 長さが 2 5 O m m、 外径が 1 4 mm、 厚さ 1 mmのアルミニウム製中空ローラ芯金 2 1 3の表面に、 J I S規格によるゴム硬度 ( J I S— A ) が 2 0度のシリ コーンゴムからなる厚さ 3 mmの弾性層 2 1 4を設けている。 この上に シリコーンゴム層 2 1 5が 3 mmの厚みで形成され外径が約 2 0 mmと なっている。 図示しない駆動モー夕から駆動力を受けて 1 2 5 mm/ s で回転する。 ヒートローラ 2 0 4は肉厚 1 mm、 外径 2 O mmの中空パ イブからなっている。 定着ベルト表面温度はサーミス夕を用いて表面温 度 1 7 0 に制御した。 加圧部材としての加圧ローラ 2 0 2は、 長さが 2 5 0 mm、 外径 2 0 mmである。 これは外径 1 6 mm、 厚さ 1 mmの アルミニウムからなる中空ローラ芯金 2 1 6の表面に J I S規格による ゴム硬度 ( J I S - A ) が 5 5度のシリコーンゴムからなる厚さ 2 mm の弾性層 2 1 7を設けている。 この加圧ローラ 2 0 2は、 回転可能に設 置されており、 片側 1 4 7 Nのバネ加重のバネ 2 0 9によって定着ロー ラ 2 0 1との間で幅 5 . O mmの二ップ幅を形成している。
以下、 動作について説明する。 フルカラーモードでは Y , M , C , K のすベての第一転写ローラ 1 0が押し上げられ、 転写ベルト 1 2を介し て像形成ユニッ トの感光体 1を押圧している。 この時第一転写ローラに は + 8 0 0 Vの直流バイアスが印加される。 画像信号がレーザ光 3から 送られ、 帯電ローラ 2により表面が帯電された感光体 1に入射し、 静電 潜像が形成される。 感光体 1と接触し回転する現像ローラ 4上のトナー が感光体 1に形成された静電潜像を顕像化する。
このとき像形成ユニッ ト 1 8 Yの像形成の速度 (感光体の周速に等し い 1 2 5 mm/ s ) と転写ベルト 1 2の移動速度は感光体速度が転写べ
ルト速度よりも 0 . 5〜 1 . 5 %遅くなるように設定されている。
像形成工程により、 Yの信号光 3 Yが像形成ュニッ ト 1 8 Yに入力さ れ、 Yトナーによる像形成が行われる。 像形成と同時に第 1転写ローラ 1 0 Yの作用で、 Yトナー像が感光体 1 Yから転写ベルト 1 2に転写さ れる。 このとき第 1転写ローラ 1 0 Yには + 8 0 0 Vの直流電圧を印加 した。
第 1色 (Y ) 第一転写と第 2色 (M) 第一転写間のタイムラグを持た せて、 Mの信号光 3 Mが像形成ユニット 1 8 Mに入力され、 Mトナーに よる像形成が行われ、 像形成と同時に第 1転写ローラ 1 0 Mの作用で、 Mトナー像が感光体 1 Mから転写ベルト 1 2に転写される。 このとき第 一色 (Y ) トナーが形成されている上に Mトナーが転写される。 同様に C (シアン) 、 K (ブラック) トナーによる像形成が行われ、 像形成と 同時に第 1転写ローラ 1 0 C、 1 0 Bの作用で、 Y M C Kトナ一像が転 写ベルト 1 2上に形成される。 いわゆるタンデム方式と呼ばれる方式で ある。
転写ベルト 1 2上には 4色のトナー像が位置的に合致して重ね合わさ れカラー像が形成された。 最後の B トナー像の転写後、 4色のトナー像 はタイミングを合わせて給紙カセッ ト (図示せず) から送られる紙 1 9 に、 第 2転写ローラ 1 4の作用で一括転写される。 このとき転写ローラ 1 3は接地し、 第 2転写ローラ 1 4には + 1 k Vの直流電圧を印加した。 紙に転写されたトナー像は定着ローラ対 2 0 1 · 2 0 2により定着され た。 紙はその後排出ローラ対 (図示せず) を経て装置外に排出された。 中間転写ベルト 1 2上に残った転写残りのトナーは、 クリーニングブレ —ド 1 6の作用で清掃され次の像形成に備えた。
表 1 2に図 1の電子写真装置により、 画像出しを行った結果を示す。 表 1 3にはトナーが 3色重なったフルカラ一画像における文字部での転
写不良の状態、 及び定着での定着ベルトへの紙の巻付き性を評価した結 果を示す。 帯電量はフェライトキャリアとの摩擦帯電のブローオフ法に より測定したものである。 2 5で 4 5 %RHの環境下で、 耐久性評価の サンプルを 0. 3 g採取し、 窒素ガス 1. 9 6 X 1 04 (P a) で 1分 間ブローした。
表 1 2
現像剤 トナー キヤリ感光体上画像濃度(ID)/ カフ'リ 全面ベタ画転写時の定着時の ァ フィルミンク' 初期テスト後 像均一性 文字飛びトナ-乱れ
DM1 TM1 A1 未発生 1.42/1.48 o o なし 発生なし
DM2 TM2 A2 未発生 1.41/1.50 o o なし 発生なし
DM3 TM3 A3 未発生 1.44/1.48 〇 〇 なし 発生なし
DM4 TM4 A4 未発生 1.40/1.48 〇 o なし 発生なし
DM5 TM5 A1 未発生 1.48/1.46 o o なし 発生なし
DM6 TM6 A2 未発生 1.41/1.51 〇 o なし 発生なし dm7 tm7 b1 発生 1.21/1.03 X X 発生 トナ-飛び発生
DY1 TY1 A1 未発生 1.49/1.39 〇 〇 なし 発生なし
DY2 TY2 A2 未発生 1.41/1.38 〇 〇 なし 発生なし
DY3 TY3 A3 未発生 1.48/1.45 O o なし 発生なし
DY4 TY4 A4 未発生 1.41/1.39 O 〇 なし 発生なし
DY5 TY5 A1 未発生 1.47/1.42 O o なし 発生なし
DY6 TY6 A2 未発生 1.48/1.44 o o なし 発生なし dy7 Ty7 b2 発生 1.28/1.03 X X 発生 トナ-飛び発生
DC1 TC1 A1 未発生 1.38/1.42 o o なし 発生なし
DC2 TC2 A2 未発生 1.47/1.53 〇 o なし 発生なし
DC3 TC3 A3 未発生 1.46/1.42 o o なし 発生なし
DC4 TC4 A4 未発生 1.47/1.42 o o なし 発生なし
DC5 TC5 A1 未発生 1.48/1.42 o o なし 発生なし
DC6 TC6 A2 未発生 1.49/1.41 o o なし 発生なし dc7 Tc7 b3 発生 1.21/1.02 X X 発生 け-飛び発生
DB1 TB1 A1 未発生 1.45/1.41 o o なし 発生なし
DB2 TB2 A2 未発生 1.42/1.36 o o なし 発生なし
DB3 TB3 A3 未発生 1.42/1.41 〇 o なし 発生なし
DB4 TB4 A4 未発生 1.47/1.42 〇 〇 なし 発生なし
DB5 TB5 A1 未発生 1.48/1.42 o o なし 発生なし
DB6 TB6 A2 未発生 1.41/1.37 o o なし 発生なし db7 Tb7 b4 発生 1.24/1.03 X X 発生 トナ-飛び発生
表 1 3
現像剤を用いて画像出しを行ったところ、 横線の乱れやトナーの飛び 散り、 文字の中抜けなどがなくべ夕黒画像が均一で、 1 6本 Zmmの画 線をも再現した極めて高解像度高画質の画像が得られ、 画像濃度 1 . 3 以上の高濃度の画像が得られた。 また、 非画像部の地かぶりも発生して いなかった。 更に、 A 4用紙 1 0万枚の長期耐久テストにおいても、 流 動性、 画像濃度とも変化が少なく安定した特性を示した。 また現像時の 全面ベタ画像を取ったときの均一性も良好であった。 現像メモリ一も発 生していない。 連続使用時においても、 縦筋の異常画像は発生しなかつ た。 キャリアへのトナー成分のスベントもほとんど生じていない。 キヤ リア抵抗の変化、 帯電量の低下も少なく、 カプリの発生はない。 高温高 湿下、 低温低湿下での帯電量の変動はほとんど生じていない。 また転写 においても中抜けは実用上問題ないレベルであり、 転写効率は 9 5 %程 度を示した。 また、 感光体、 転写ベルトへのトナーのフィルミングも実 用上問題ないレベルであった。 転写ベルトのクリーニング不良も未発生 であった。 また定着時のトナーの乱れやトナー飛びもほとんど生じてい ない。 また 3色の重なったフルカラ一画像においても、 転写不良は発生 せず、 定着時において、 定着ベルトへの紙の巻付きは発生しなかった。
しかし、 t m 7、 t y 7、 t c 7、 t b 7のトナー、 現像剤はプロセ ス速度 1 0 0 mmZ s、 感光体間の距離が Ί 0 mmでは転写時の文字の 飛び散り、 転写文字中抜け、 逆転写性はなんとか許容できるレベルであ
つたが、 プロセス速度が 1 2 5 mm/ sに上げた時や、 感光体間の距離 を 6 0 mmとしたときには転写時の文字の飛び散り、 転写文字中抜け、 逆転写が発生し、 実用上問題とされるレベルであった。 感光体のフィル ミングゃ転写不良や、 カプリも多く発生した。
また、 キャリアへのスベントが多く、 キャリア抵抗の変化が大きく、 帯電量の低下、 カプリの増大する傾向が見られた。 高温高湿下での帯電 量の低下によるカプリの増大、 低温低湿下での帯電量の増大による画像 濃度の低下が見られた。 転写効率は 6 0〜 7 0 %程度まで低下した転写 ベルトのフィルミングゃ、 クリーニング不良も発生した。 現像時の全面 ベタ画像を取ったときに後半部にかすれが生じた。 連続使用時に現像ブ レードにワックスが融着し、 縦筋の異常画像が発生した。 3色重ねの画 像出力時には定着ベルトへの紙の巻付きが発生した。 定着時にトナー飛 びが発生した。
次に表 1 4に〇H P用紙に付着量 1 . 2 m g Z c m 2以上のベタ画像 をプロセス速度 1 0 0 mmZ s、 オイルを塗布しないベルトを用いた定 着装置にて非オフセット性試験を行った。 定着ニップ部で O H Pのジャ ムは発生しなかった。 普通紙の全面べタグリーン画像では、 オフセット は 1 2 2 0 0 0枚目までは全く発生しなかった。 シリコン又はフッ素系 の定着ベルトでオイルを塗布せずともベルトの表面劣化現象はみられな い。
透過率と、 高温でのオフセット性を評価した。 プロセス速度は 1 0 0 mm/ s , 定着温度 1 8 0でで透過率は分光光度計 U— 3 2 0 0 (日立 製作所) で、 7 0 0 n mの光の透過率を測定した。 定着性、 耐オフセッ ト性、 保存安定性の結果を示す。
表 1 4
O H P透光性が 8 0 %以上を示しており、 また非オフセット温度幅も 4 0 〜 6 0 とオイルを使用しない定着ローラにおいて良好な定着性を 示した。 また 6 0 :、 5時間の保存安定性においても凝集はほとんど見 られなかった。
しかし t m 7、 t c 7のトナーは保存安定性テス卜で固まりが生じ、 また非オフセッ ト温度域も狭い結果となった。
産業上の利用可能性
本発明は、 脂肪酸、 脂肪酸エステル、 脂肪酸アミ ド及び脂肪酸金属塩 のいずれか 1種または 2種以上と、 ポリシロキサンとを表面に処理した 無機微粉末を含む外添処方を有するトナー、 又はアミノシランカツプリ ング剤を含有するフッ素変性シリコーン樹脂を被覆樹脂とするキヤリァ と組合せた二成分現像剤により、 オイルを塗布せずとも、 O H P透光性 を維持しながらオフセッ ト性を防止するオイルレス定着を実現でき、 か つキャリアへのトナー成分のスペントもなく長寿命化を図ることができ る。 また転写時の中抜け低減し、 高転写効率を得ることが可能となる。