JPH06207474A - 立体駐車設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】狭い土地に車両収容台数が多い立体駐車設備を
構築する。 【構成】車両をパレット１１〜１４に載せて駐車させる
多数の駐車部８を備えた階層状の第１駐車エリア１の１
階部位に沿って上記駐車部８の並設方向に延びる車両搬
送路３を設け、該車両搬送路３の上方に、上記第１駐車
エリア１の２階以上の駐車部８から車両が移載される複
数の駐車部１８を有する第２駐車エリア２を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は立体駐車設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】立体駐車設備として、各階に車両をパレ
ットに載せて駐車させるための複数の駐車部が並設され
た立体車庫と、該立体車庫の傍らを上記駐車部の並設方
向に延びる車両搬送路とを備え、該車両搬送路の台車に
よって車両を上記立体車庫の１階の各駐車部横に搬送す
るようにしたものは一般に知られている（実開平４−８
２２６２号公報参照）。

【０００３】上記立体車庫では、車両をパレットに載せ
て各駐車部に駐車させるようになっているとともに、該
パレットは立体車庫の各階に昇降可能に且つ各階で駐車
部並設方向に横移動可能に設けられている。そして、車
両を上記台車によって１階の駐車部横に搬送し、該駐車
部に降ろされたパレットに移して所望階の駐車部に上昇
させるようになっている。その際、当該車両の昇降路上
に位置する他のパレットを横移動によって退避させるよ
うになっている。

【０００４】このような立体駐車設備の場合、立体車庫
の１階の各駐車部に対しては搬送台車を介して車両の乗
り入れ及び乗り出しを行なうから、１階の各駐車部の前
方には搬送台車の走行スペースを確保すればよく、幅が
狭い細長い土地でも収容台数を多くすることが可能にな
る。つまり、道路から車両を上記１階の駐車部のパレッ
トに直接乗り入れる方式にした場合には、当該駐車部の
前方に車両の方向転換を行なうための広いスペースが必
要になるが、それが不要になる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、確かに狭い土地でも車両収容台数が多い立体駐車設
備を構築することができるが、車両収容台数をさらに多
くするには立体車庫を高層にする他はない。しかし、そ
れは立体車庫の強度を増す必要がある。

【０００６】すなわち、本発明の課題は、上述の如き立
体駐車設備を改良してさらに車両の収容台数を増やすこ
とができるようにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、上記従来の立体駐車設備では利用されてい
なかった車両搬送路の上方部位に着目し、該当部位を駐
車スペースに利用することによって、当該課題の解決を
図るものである。

【０００８】すなわち、上記課題を解決する第１手段
（請求項１に記載の発明）は、各階に車両をパレットに
載せて駐車させるための複数の駐車部が並設され、且つ
上記パレットを１階の駐車部と上階の各駐車部との間で
昇降させる昇降手段を有する階層状に形成された第１駐
車エリアと、上記第１駐車エリアの１階部位に沿って上
記駐車部の並設方向に延びる車両搬送路と、上記車両搬
送路を移動し、車両を上記第１駐車エリアの１階の各駐
車部横に駐車のために搬送する車両搬送手段と、上記車
両搬送路の上方に設けられ、上記第１駐車エリアの２階
以上の駐車部から車両が移載される複数の駐車部を有す
る第２駐車エリアとを備えていること特徴とする立体駐
車設備である。

【０００９】上記課題を解決する第２の手段（請求項２
に記載の発明）は、上記第１の課題解決手段をさらに発
展させてなるものであって、上記第１駐車エリアには、
上記昇降手段によるパレットの昇降路上に位置する他の
パレットを各駐車階で駐車部並設方向に横移動させるこ
とにより退避させる横移動手段が設けられている点に特
徴がある。

【００１０】

【作用】上記第１の課題解決手段においては、車両搬送
路の上方が第２駐車エリアとして車両の駐車に利用され
ているから、車両の収容台数が多くなるものである。

【００１１】また、上記第２の課題解決手段の場合、昇
降手段によるパレットの昇降路上に位置する他のパレッ
トを各駐車階で横移動手段によって駐車部並設方向に横
移動させて退避させることができるから、第１駐車エリ
アの上階駐車部よりも先に下階駐車部に車両を入庫した
り、あるいは上階の駐車部に入庫されている車両を下階
駐車部の車両よりも先に出庫させる、というランダム入
出庫を行なうことができる。

【００１２】

【発明の効果】従って、第１の課題解決手段（請求項１
に記載の発明）によれば、車両搬送路の上方に、第１駐
車エリアの２階以上の駐車部から車両が移載される複数
の駐車部を有する第２駐車エリアを形成したから、車両
の収容台数を増やすことができる。

【００１３】また、第２の課題解決手段（請求項２に記
載の発明）によれば、第１駐車エリアにパレット昇降手
段の他にパレット横移動手段を設けたから、車両のラン
ダム入出庫を行なうことができるようになる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１５】−全体構成− 図１に示す立体駐車設備において、１は第１駐車エリ
ア、２は第２駐車エリア、３は車両搬送路であり、これ
らは柱４と梁５とによって箱型に組み上げられた鉄骨構
造の４階建て立体車庫６に組み込まれている。この立体
車庫６は、図２及び図３に示すように、一般道路７に開
口した間口の狭い細長の土地に立設されている。

【００１６】まず、上記第１駐車エリア１は、図４に示
すように、１階〜４階の各階に車両Ｗをパレット１１〜
１４に載せて駐車させるための複数の駐車部８が並設さ
れたものである。１階のパレット１１は図４に白抜き矢
符で示すように駐車部並設方向に横移動自在に設けら
れ、２階及び３階のパレット１２，１３は各々の階と１
階との間で昇降自在に且つ駐車部並設方向に横移動自在
に設けられ、４階のパレット１４は当該階と１階との間
で昇降自在に設けられている。昇降手段及び横移動手段
の具体的な構造については後に説明する。１階乃至３階
のパレット１１〜１３は、各々の階の駐車部８の数より
も１つ少なく設けられ、４階のパレット１４は当該階の
駐車部８と同数設けられている（図２参照）。

【００１７】次に上記車両搬送路３について先に説明す
ると、これは図２に示すように上記第１駐車エリア１の
１階部位に沿って上記駐車部８の並設方向に延びてお
り、且つ基端部が第１駐車エリアの側面よりも上記一般
道路７側へ突出した入出庫部１５に形成されている。そ
して、当該車両搬送路３には、車両Ｗを搭載し上記入出
庫部１５と上記第１駐車エリア１の１階の各駐車部８の
横との間で搬送する搬送台車１６が走行するレール１７
が設けられている。搬送台車１６は、駆動モータ（図示
省略）を備えた自走式のものである。

【００１８】上記第２駐車エリア２は、上記車両搬送路
３の上方に設けられていて、上記第１駐車エリア１の２
階から４階の各駐車部８に対応する各駐車部１８を備え
ている。この駐車部１８には上記鉄骨構造物に固定され
た固定駐車棚１９が設けられている。

【００１９】−パレット横移動手段及び昇降手段− 上記第１駐車エリア１のパレット横移動手段及び昇降手
段について説明する。１階のパレット１１に対しては横
移動手段のみが設けられている。すなわち、図２に示す
ように、パレット１１は、駐車部並設方向に延びるレー
ル２１に車輪によって支持されていて、当該パレット１
１に設けられた車輪駆動モータの作動により同方向に移
動可能に構成されている。

【００２０】２階のパレット１２に対しては昇降手段と
横移動手段とが設けられている。すなわち、図５に示す
ように、パレット１２は、その四隅が横行台２２にワイ
ヤ２３によって吊り下げられていて、ワイヤ２３の巻上
げ及び繰出しによって昇降するようになっているととも
に、上記横行台２２と共に駐車部並設方向に移動するよ
うになっている。横行台２２は、上記駐車部並設方向と
直交する方向に延びる左右のビーム２２ａ，２２ａと、
この両ビーム２２ａ，２２ａの一端同士を連結する連結
杆２２ｂと、上記両ビーム２２ａ，２２ａの他端同士を
連結する渡り板２２ｃとによって矩形状に形成されてい
る。渡り板２２ｃは、上記第１駐車エリア１の駐車部８
と第２駐車エリア２の駐車部１８との間での車両Ｗの移
動のためのものである。

【００２１】上記昇降手段について具体的に説明する
と、上記横行台２２の各ビーム２２ａの両端にはスプロ
ケット２４，２４が枢着されていて、該スプロケット２
４，２４にエンドレスのコンベヤチェーン２５が巻き掛
けられている。この場合、図６に示すように、左右のビ
ーム２２ａ，２２ａの一方の端に設けられたスプロケッ
ト２４，２４は、１本の回転軸２６に結合されている。
そうして、上記パレット１２の四隅に一端が連結された
各ワイヤ２３は、横行台２２のビーム２２ａの下面に支
持された第１シーブ２７、当該ビーム２２ａの一端に支
持された第２シーブ２８に巻き掛けられていて、他端が
上記コンベヤチェーン２５に結合具２９によって結合さ
れている。

【００２２】また、上記左右のコンベヤチェーン２５を
駆動するために、横行台２２の上に減速機付の昇降用モ
ータ３１が設けられている。そして、該モータ３１の出
力軸に結合されたスプロケット３２と、上記回転軸２６
に結合されたスプロケット３３とに駆動チェーン３４が
巻き掛けられている。さらに、上記パレット１２と横行
台２２とには、互いに嵌合する位置決め用のガイドロッ
ド３８とロッド受け３９とが設けられている。

【００２３】従って、上記昇降手段においては、上記昇
降用モータ３１の作動によって左右のコンベヤチェーン
２５，２５が同期して走行し、この走行に伴って４本の
ワイヤ２３が同時に巻上げられ、あるいは繰り出され
て、パレット１２が昇降することになる。

【００２４】上記横移動手段について説明すると、上記
横行台２２の下面四隅には車輪３５が支持されている一
方、立体車庫６の柱４には駐車部並設方向に延びるレー
ル３６が固定されている。そして、横行台２２は、上記
レール３６に車輪３５によって支持されていて、横行台
２２に設けられた車輪駆動モータ３７の作動によりパレ
ット１２と共に駐車部並設方向に移動するように構成さ
れている。

【００２５】３階のパレット１３の昇降手段及び横移動
手段は上記２階のパレット１２のそれと同じ構成であ
る。４階のパレット１４には２階のパレット１２のもの
と同様の昇降手段のみが設けられている。

【００２６】−車両の入出庫− 上記車両Ｗの入庫に際しては、搬送台車１６を入出庫部
１５に移動させておいて、該搬送台車１６に対して車両
Ｗを図２に矢符で示すように移動させて乗り入れる。

【００２７】第１駐車エリア１の１階の駐車部８への入
庫の場合、上記搬送台車１６を入庫予定の駐車部８の横
に移動させて、当該駐車部８のパレット１１に車両Ｗを
乗り入れる。

【００２８】第１駐車エリア１の２階の駐車部８への入
庫の場合は、図２に示すように、入庫予定の駐車部８の
真下に位置する１階の駐車部８がパレット１１のない空
きスペースになるように、１階のパレット１１を横移動
させる。そして、２階の当該駐車部８からパレット１２
を１階の駐車部８の空きスペースに降ろし、これに車両
Ｗを乗り入れてから、当該パレット１２を２階の駐車部
８に上昇させることになる。３階及び４階の駐車部８に
車両Ｗを入庫する場合も同様であり、各々の下の階の駐
車部８に同様の空きスペースを形成することになる。

【００２９】第２駐車エリア２の駐車部１８への入庫の
場合は、まず、上記第１駐車エリア１における当該第２
駐車エリア２の駐車部１８と同じ階の対応する駐車部８
に当該車両Ｗをパレットに載せて上昇させ、そこから第
２駐車エリア２の予定の駐車部１８に車両Ｗを乗り入れ
ることになる。

【００３０】車両Ｗの出庫は上記入庫の逆の態様にな
る。

【００３１】以上の説明から明らかなように、上述の駐
車設備によれば、第１駐車エリア１を利用して車両搬送
路３の上方の第２駐車エリア２の各駐車部１８に車両Ｗ
を入庫し、あるいは該駐車部１８から車両Ｗを出庫させ
ることができ、第２駐車エリア２への車両Ｗの入出庫は
容易である。そして、車両搬送路３の上方部位を駐車ス
ペースとして利用することができるため、狭い土地でも
従来よりも多数の車両Ｗを駐車させることができるよう
になる。さらに、第１駐車エリア１、第２駐車エリア２
及び車両搬送路３は、柱４及び梁５を共用する１つ立体
車庫６に組み込まれているから、当該車庫６は底面が幅
広の強度が高いものになり、その高層化が容易になって
駐車台数を増やす上で有利になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】立体駐車設備を一部断面で示す側面図

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図

【図４】第１駐車エリアを一部断面で示す正面図

【図５】パレット及び横行台を示す一部断面にした側面
図

【図６】パレット及び横行台を示す平面図

【符号の説明】

１ 第１駐車エリア ２ 第２駐車エリア ３ 車両搬送路 ６ 立体車庫 ８ 第１駐車エリアの駐車部 １１〜１４ パレット １５ 入出庫部 １６ 搬送台車（車両搬送手段） １７ レール １８ 第２駐車エリアの駐車部 １９ 駐車棚 ２１，３６ パレット横移動用のレール ２２ 横行台 ２３ ワイヤ ３１ 昇降用モータ ３７ 車輪駆動モータ（横移動用）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各階に車両をパレットに載せて駐車させる
   ための複数の駐車部が並設され、且つ上記パレットを１
   階の駐車部と上階の各駐車部との間で昇降させる昇降手
   段を有する階層状に形成された第１駐車エリアと、 上記第１駐車エリアの１階部位に沿って上記駐車部の並
   設方向に延びる車両搬送路と、 上記車両搬送路を移動し、車両を上記第１駐車エリアの
   １階の各駐車部横に駐車のために搬送する車両搬送手段
   と、 上記車両搬送路の上方に設けられ、上記第１駐車エリア
   の２階以上の駐車部から車両が移載される複数の駐車部
   を有する第２駐車エリアとを備えていること特徴とする
   立体駐車設備。
2. 【請求項２】上記第１駐車エリアには、上記昇降手段に
   よるパレットの昇降路上に位置する他のパレットを各駐
   車階で駐車部並設方向に横移動させることにより退避さ
   せる横移動手段が設けられている請求項１に記載の立体
   駐車設備。