JP7217241B2 - 陰圧創傷治療装置 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月30日に出願された米国仮出願第62/527,457号と、2017年7月5日に出願された米国仮出願第62/528,914号と、2017年7月5日に出願された米国仮出願第62/528,893号の優先権を主張するものであり、これらはその全体が参照によって本明細書に援用され、本開示の一部を成す。
本明細書に記載の実施形態は、例えば、陰圧創傷療法と組み合わせて被覆材を使用する、創傷を治療する装置、システム、及び方法に関する。
関連技術の説明
大きすぎて自然には閉じられない、もしくはそうでなければ、創傷の部位への陰圧の適用では治癒しない、開放または慢性創傷の治療は、当該技術分野で周知である。現在当該技術分野で知られている陰圧創傷療法(NPWT)システムは、創傷の上に流体に対して不透過性または半透過性の被覆を置くことと、創傷を囲む患者の組織に対して被覆を封止する、様々な手段を使用することと、陰圧を被覆の真下に作り出し維持するような手法で、陰圧の源(真空ポンプなど)を被覆に接続することとを伴う。このような陰圧は、創傷部位における肉芽組織の形成を促進し、かつ人体の通常の炎症プロセスを補助しながら、同時に有害なサイトカインおよび/またはバクテリアを含む可能性がある過剰な流体を除去することにより、創傷の治癒を促進すると考えられている。しかしながら、治療の便益を完全に実現するには、NPWTのさらなる改良が必要とされる。
NPWTシステムに役立つ、多くの異なるタイプの創傷被覆材が知られている。これらの異なる種類の創傷被覆材には、様々な種類の材料及び層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。多層創傷被覆材の一例は、Smith&Nephew社製のPICO被覆材であり、これは、裏当て層の下に超吸収層を含み、NPWTによって創傷を治療するためのキャニスターレスシステムをもたらしている。創傷被覆材は、一本のチューブに接続する吸引ポートに対して封止され得、その吸引ポートは、被覆材から流体を吸い出し、および/または、ポンプから創傷被覆材に陰圧を伝達するのに使用され得る。
陰圧で使用するための創傷被覆材は、被覆材の液体吸収能力と関連した創傷被覆材の寿命を有しうる。寿命の短縮は、被覆材が完全吸収容量に至る前に、ポートへの流体経路が閉塞する問題によって観察することできる。一部の状況では、被覆材の完全寿命が達成されるまでポートの閉塞を防止または減少させる流体経路を提供することが望ましい場合がある。
本開示の実施形態は、創傷治療のための装置および方法に関する。本明細書に記載の創傷治療装置のうちのいくつかは、創傷に陰圧をかけるための陰圧源又はポンプシステムを含む。また、創傷治療装置は、本明細書に記載の陰圧源及びポンプアセンブリと組み合わせて使用され得る創傷被覆材を含み得る。
一部の実施形態では、創傷治療装置は創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材を含むことができる。創傷被覆材は、創傷滲出液を吸収するための吸収層を含むことができ、吸収層は、吸収材の少なくとも第一の部分、および第一の部分と物理的に分離し、かつ同一平面上で第一の部分に隣接する吸収材の第二の部分、吸収層上にあり、かつ少なくとも一つのオリフィスを含む裏当て層、および創傷被覆材を通して創傷部位に陰圧を提供するように構成された少なくとも一つのオリフィス上に位置付けられた流体コネクタを含む。
前述の段落の装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、以下の段落に記載される特徴の、任意の組み合わせを含みうる。また、以下の段落に記載される特徴はそれぞれ、別の実施形態の一部であってもよく、その別の実施形態は、必ずしも前の段落の特徴すべてを含む必要はない。
吸収材の第一の部分は、吸収材の第二の部分から空間によって分離され得る。
吸収層は、吸収材の各々の物理的に分離した部分を分離する1~10mmの間隙を含むことができる。
裏当て層は、少なくとも部分的に空間内に延在することができる。
裏当て層は、吸収材の第一の部分と第二の部分との間の空間内に延在するように構成された折り目を含むことができる。
裏当て層は、吸収層の上に形成された真空であって、それによって吸収材の第一の部分と第二の部分との間の空間を充填することができる。
創傷治療装置は、吸収層の下に第一の透過層をさらに含むことができる。
裏当て層は、吸収材の第一の部分と第二の部分との間の空間の透過層に接触することができる。
第一の部分は、第二の部分よりも大きくてもよい。
吸収層は複数の第二の部分をさらに含むことができ、複数の第二の部分のそれぞれは物理的に相互の第二の部分および第一の部分から分離される。
吸収層は、それぞれ正方形、長方形、円形、五角形、六角形、八角形、および三角形から成る群から選択される形状を有する複数の物理的に分離した部分を含むことができる。
吸収層は、長方形の形状を有する複数の物理的に分離した部分を含むことができる。
吸収層は、その全てが同一の形状およびサイズを有する複数の部分を含むことができる。
吸収層は、異なる形状およびサイズを有する複数の部分を含むことができる。
吸収層は、規則的な反復グリッドパターンで配置される複数の部分を含むことができる。
吸収材の第一の部分は、裏当て層のオリフィスの下に位置付けることができる。
創傷治療装置は、吸収層の下に創傷接触層をさらに含むことができ、裏当て層に封止することができる。
創傷治療装置は、創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含むことができる。
創傷被覆材装置は、吸収層の上方に第二の透過層をさらに含むことができる。
流体コネクタはフィルタを含むことができる。
一部の実施形態では、創傷部位の治療のための創傷治療装置が提供される。創傷治療装置は、創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材を含む。創傷被覆材は、創傷滲出液を吸収するための吸収層を含み、吸収層は、それを通る流体の流れを阻害するように構成された少なくとも一つの圧縮部分を含む。創傷被覆材は、吸収層上に裏当て層も含む。
前述の段落の装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、以下の段落に記載される特徴の、任意の組み合わせを含みうる。また、以下の段落に記載される特徴はそれぞれ、別の実施形態の一部であってもよく、その別の実施形態は、必ずしも前の段落の特徴すべてを含む必要はない。
圧縮部分は、圧縮部分に隣接する吸収層の部分間の流体の流れを阻害し得る。
圧縮部分は、それを通る流体の流れを遮断し得る。
圧縮部分は、圧縮部分に隣接する吸収層の部分間の流体の流れを遮断し得る。
吸収層は、長さおよび幅を有し得、圧縮部分は、吸収層の幅全体にわたって延在する。
創傷治療装置は、それを通る流体の流れを阻害するように構成された少なくとも第一の圧縮部分および第二の圧縮部分を含み得る。
吸収層は、長さおよび幅を有し、第一の圧縮部分および第二の圧縮部分は、吸収層の幅全体にわたってそれぞれ延在する。
吸収層は、裏当て層の開口部の下に位置付けられた縦穴を含み得る。
圧縮部分は、吸収層の縦穴を囲み得る。
吸収層は、超吸収材を含み得る。
吸収層は、不織布材料を含み得る。
吸収層は発泡体を含み得る。
圧縮部分は、吸収材をカレンダー加工することによって形成され得る。
裏当て層は、少なくとも一つのオリフィスを含み得る。
創傷治療装置は、裏当て層のオリフィス上に位置付けられた流体コネクタをさらに含み得る。
創傷治療装置は、吸収層の下に創傷接触層をさらに含み得、裏当て層に封止し得る。
創傷治療装置は、創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含み得る。
一部の実施形態では、創傷部位の治療のための創傷治療装置は、創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材を含むことができる。創傷被覆材は、スペーサー層と、創傷滲出液を吸収するための吸収層であって、吸収層とスペーサー層は隣合って位置付けられる、吸収層と、吸収層とスペーサー層の上にあって、吸収層上に位置付けられた少なくとも一つのオリフィスを含む裏当て層と、創傷被覆材を通して創傷部位に陰圧を提供するように構成された少なくとも一つのオリフィスの上に位置付けされた流体コネクタと、を含むことができる。
前述の段落の装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、以下の段落に記載される特徴の、任意の組み合わせを含みうる。また、以下の段落に記載される特徴はそれぞれ、別の実施形態の一部であってもよく、その別の実施形態は、必ずしも前の段落の特徴すべてを含む必要はない。
スペーサー層は、陰圧を創傷に分配できる。
スペーサー層は裏当て層と接触することができ、裏当て層は、創傷滲出液からの液体が裏当て層を通って移動し、裏当て層の外表面から蒸発することができるように構成される。
吸収層は、スペーサー層の外周を囲むことができる。
吸収層は、スペーサーの外側の周りに漏洩保護を提供するように構成することができる。
吸収層は、裏当て層のオリフィスの下に位置付けられた縦穴を含むことができる。
吸収層は、超吸収材を含むことができる。
吸収層は、不織布材料を含むことができる。
吸収層は発泡体を含むことができる。
創傷治療装置は、吸収層とスペーサー層の下に創傷接触層をさらに含むことができ、裏当て層に封止することができる。
吸収層およびスペーサー層は、創傷接触層とカバー層との間に位置付けられた唯一の層である。
創傷治療装置は、吸収層とスペーサー層の下に隣り合わせて位置付けられた一つ以上の追加的なスペーサー層をさらに含むことができる。
創傷治療装置は、吸収層とスペーサー層の上に隣り合わせて位置付けられた一つ以上の追加的なスペーサー層をさらに含むことができる。
創傷治療装置は、吸収層とスペーサー層の下に隣り合わせて位置付けられた一つ以上の追加的な吸収層をさらに含むことができる。
創傷治療装置は、吸収層とスペーサー層の上に隣り合わせて位置付けられた一つ以上の追加的な吸収層をさらに含むことができる。
創傷治療装置は、創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含むことができる。
流体コネクタは吸収層上に位置付けることができ、スペーサー層は流体コネクタから離れて、吸収層の隣に位置付けられる。
以下に開示されるポンプの実施形態のいずれも、および、陰圧創傷療法の実施形態のいずれも含むがこれらに限定しないものとし、本出願に開示された配置または実施形態のいずれかの特徴、構成要素、または詳細のいずれも、新しい配置および実施形態を形成するよう本明細書に開示された配置または実施形態のいずれかのその他の特徴、構成要素、または詳細のいずれとも相互に組み合わせ可能である。
本開示の実施形態は、単に例示として、添付図面を参照して、ここで以下に記載される。
図1Aは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図1Bは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図2Aは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図2Bは、創傷被覆材に接続された流体コネクタの一実施形態の断面を図示する。 図3Aは、患者への創傷治療システムの使用および適用の一実施形態を図示する。 図3Bは、患者への創傷治療システムの使用および適用の一実施形態を図示する。 図3Cは、患者への創傷治療システムの使用および適用の一実施形態を図示する。 図3Dは、患者への創傷治療システムの使用および適用の一実施形態を図示する。 図4Aは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の上面図を示す。 図4Bは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の層を示す。 図4Cは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の横断側面図を示す。 図4Dは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図4Eは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図4Fは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図5Aは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図5Bは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図5Cは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図5Dは、陰圧創傷治療システム内で使用するための吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。 図6Aは、陰圧創傷治療システムにおける創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットの断面図を示す。 図6Bは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の横断側面図を示す。 図7は、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離した部分および/または吸収材のユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の層を示す。 図8は、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するためのスリットまたは切欠を有する被覆材層の一実施形態を示す。 図9Aは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図9Bは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図9Cは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図9Dは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図10Aは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図10Bは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図10Cは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するための分離した部分および/または材料ユニットから形成される層で使用するための幾何学的形状の実施形態を示す。 図11は、創傷滲出液を吸収および貯蔵することができる創傷被覆材の一実施形態の上面図を示す。 図12Aは、吸収層の部分間の流体の流れを阻害するように構成された圧縮部分を含む創傷被覆材の一実施形態の吸収層を示す。 図12Bは、図12Aの吸収層の側面図である。 図12Cは、吸収層の部分間の流体の流れを阻害するように構成された圧縮部分を含む創傷被覆材の一実施形態の吸収層を示す。 図13は、吸収層の部分間の流体の流れを阻害するように構成された圧縮部分を含む陰圧創傷被覆材の一実施形態の使用を示す。 図14は、創傷滲出液を吸収および貯蔵することができる創傷被覆材の一実施形態の上面図を示す。 図15Aは、吸収層の部分間の流体の流れを阻害するように構成された圧縮部分を含む創傷被覆材の一実施形態の吸収層を示す。 図15Bは、図15Aの吸収層の側面斜視図である。 図16Aは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態の使用を示す。 図16Bは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態の使用を示す。 図16Cは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態の使用を示す。 図16Dは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態の使用を示す。 図17Aは、創傷滲出液を吸収および貯蔵することができる創傷被覆材の一実施形態の画像である。 図17Bは、創傷滲出液を吸収および貯蔵することができる創傷被覆材の一実施形態の断面図を示す。 図18は、隣り合った吸収材とスペーサー材料を含む創傷被覆材、および積み重ねられた吸収層とスペーサー層を含む創傷被覆材の実施形態の画像である。 図19A~19Bは、スペーサー層の外側の周りに吸収材を有する、隣り合った吸収材とスペーサー材料を含む創傷被覆材の一実施形態を示す。
本明細書に開示された実施形態は、陰圧源および創傷被覆材構成要素および装置を含む、減圧によって創傷を治療する装置および方法に関する。創傷に重ね、パッキングする材料を含む装置および構成要素があれば、本明細書では集合的に被覆材として称される場合がある。
本明細書で開示される好ましい実施形態は、ヒトまたは動物の体に対する創傷療法に関連する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。本明細書で使用される用語「創傷」は、幅広い通常の意味を有するのに加えて、陰圧を使用して治療されてもよい、患者のいかなる体の一部を含む。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
そのような創傷の治療は、陰圧創傷療法を使用して実施することができ、減圧または陰圧が、創傷の治癒を容易にして促進するように、創傷に適用され得る。本明細書に開示される創傷被覆材および方法は、身体の他の部分に適用されてもよく、創傷の治療に必ずしも限定されないことも、理解されるであろう。
本開示の実施形態は、概して、局所陰圧(「TNP(topical negative pressure)」)療法システムで使用するように適用可能であることは理解されるであろう。手短に言えば、陰圧創傷治療は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを補助し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を低減してもよい。加えて、治療によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNP療法システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援してもよい。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片及びフラップにおいて見出すことができる。
本明細書に使用する通り、-XmmHgなど、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。さらに、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低い)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高い)。いくつかの実施形態では、局所的な周囲気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。
本開示の一部の実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHg、または約-20mmHgから-200mmHgの間であり得る。これらの圧力は、760mmHgであり得る、平常の周囲気圧に対して相対的であることには留意されたい。それゆえ、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHgと-150mmHgとの間であり得る。あるいは、-75mmHg以下、-80mmHg以下、または-80mmHg超過の圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧デバイスにより供給され得る。
本明細書に記載する創傷閉鎖デバイスの一部の実施形態では、創傷収縮の増加が、囲んでいる創傷組織における組織拡張の増加につながり得る。この影響は、場合により、創傷閉鎖デバイスの実施形態によって創傷に適用される引張力の増加と連動して、組織に適用される力を変化させること、例えば、時間と共に創傷に適用される陰圧を変化させることによって増大する場合がある。一部の実施形態では、陰圧は、例えば正弦波、方形波を使用して、及び/又は、一つ又は複数の患者の生理的指標(例えば、心拍)と同期して、経時的に変化させられ得る。前述に関するさらなる開示のそのような適用の例には、2012年8月7日に発行された名称「Wound treatment apparatus and method」の米国特許第8,235,955号、および2010年7月13日に発行された名称「Wound cleansing apparatus with stress」の米国特許第7,753,894号に見出すことができる。これら両特許の開示は、参照することによりその全体が本明細書に援用される。
本明細書に記載する創傷被覆材、創傷被覆材構成要素、創傷治療装置および方法の実施形態は、また、2013年5月22日に国際出願番号第PCT/IB2013/001469号で出願され、2013年11月28日に国際公開第2013/175306A2号として公開された、名称「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」、2015年1月30日に米国特許出願第14/418874号で出願され、2015年7月9日に米国特許出願公開第2015/0190286A1号として公開された、名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、それらの開示は、参照することによりその全体が本明細書に援用される。本明細書に記載する創傷被覆材、創傷治療装置および方法の実施形態は、また、2011年4月21日に米国特許出願第13/092,042号で出願され、米国特許第2011/0282309号として公開された、名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF USE」、および2015年5月18日に米国特許出願第14/715,527号で出願され、米国特許出願公開第2016/0339158号として公開された、名称「FLUIDIC CONNECTOR FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、それらの開示は、創傷被覆材、創傷被覆材の構成要素および原理、ならびに創傷被覆材に使用される材料の実施形態に関するさらなる詳細を含め、参照することによりその全体が本明細書に援用される。
加えて、本明細書に記載するポンプおよび/または関連電子機器と組み合わせて、創傷被覆材を含むTNP創傷治療に関係する一部の実施形態はまた、2016年4月26日に国際出願第PCT/EP2016/059329号で出願され、2016年11月3日に第WO2016174048A1号として公開された、名称「REDUCED PRESSURE APPARATUS AND METHODS」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよい。
図1A~図1Bは、流体コネクタ110とともに創傷被覆材100を用いた、陰圧創傷治療システム10の実施形態を図示する。図中、流体コネクタ110は細長い導管を含んでよく、より好ましくは、近位端130および遠位端140を有するブリッジ120、およびブリッジ120の遠位端140にアプリケータ180を含んでもよい。任意のカップリング160がブリッジ120の近位端130に配置されることが好ましい。キャップ170が、システムに提供されてもよい(一部の場合、図示する通り、連結器160に取り付けられ得る)。キャップ170は、近位端130から流体が漏洩するのを阻害するときに有用であり得る。システム10は、ポンプまたは陰圧を供給できる陰圧ユニット150など、陰圧の源を含んでもよい。ポンプは、創傷滲出液、および創傷から除去されてもよい他の流体を貯蔵する、キャニスタまたは他の容器を備えてもよい。キャニスタまたは容器はまた、ポンプとは別に提供されてもよい。一部の実施形態では、図1A~図1Bに図示するように、ポンプ150は、Smith&Nephewより販売される、PICO(商標)ポンプなど、キャニスタなしのポンプであり得る。ポンプ150は、管190を介して連結器160に接続してもよく、またはポンプ150は、連結器160に直接、もしくはブリッジ120に直接接続してもよい。使用中、被覆材100は、一部の場合、発泡体またはガーゼなどの創傷パッキング材料で満たされてもよい、好適に準備された創傷の上に置かれる。流体コネクタ110のアプリケータ180は、被覆材100の隙間の上に置かれ、被覆材100の最上表面に封止される、封止面を有する。流体コネクタ110の被覆材100への接続の前、間、または後のいずれかに、ポンプ150は、管190を介して連結器160へ接続されるか、または連結器160もしくはブリッジ120へ直接接続される。その後ポンプが起動され、それによって陰圧を創傷に供給する。陰圧の適用は、所望するレベルの創傷治癒を達成するまで行われてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプは小形化され、持ち運び可能とすることができるが、より大きな従来のポンプを被覆材100と共に使用してもよい。いくつかの実施形態では、ポンプは、被覆材100上に、又は、被覆材100に隣接して取り付けられ得るか、又は装着され得る。
一部の実施形態では、陰圧源(ポンプ等)及び、電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(ボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン、等)等といった、TNPシステムのいくつか又はすべてのその他の構成要素は、創傷被覆材と一体になり得る。創傷被覆材は、創傷被覆材の層の上に位置付けるためのカバー層を含み得る。カバー層は、被覆材の最も上の層とすることができる。いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、創傷被覆材の層、および統合された構成要素のいずれの上に、位置決め用第二のカバー層を含み得る。第二カバー層は、被覆材の一番上の層であることができ、または局所陰圧システムの統合された構成要素を取り囲む別個の外皮であり得る。
図2Aに示す通り、流体コネクタ110は、以下にさらに詳細に記載する通り、被覆材100と流体連通する拡大遠位端または頭部140を含むことが好ましい。一実施形態では、拡大遠位端は丸い形または円形を有する。頭部140は、図中、被覆材100の端近くに位置するように示しているが、被覆材上のいずれの場所に配置されてもよい。例えば、一部の実施形態は、被覆材100の端または角上または近くではない、中心または中心から外れた場所に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、被覆材100は、二つ以上の流体コネクタ110を備えてもよく、各々、それと流体連通する一つ以上の頭部140を備える。好ましい実施形態では、頭部140は、最も幅の広い縁に沿って30mmあり得る。頭部140は、上に記載した、創傷被覆材の最上表面に対して封止されるように構成される、アプリケータ180を少なくとも一部形成する。
図2Bは、図1Bに示され、2013年5月22日に出願された、国際特許公開第WO2013175306 A2号、名称「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」に記載される創傷被覆材100と類似した創傷被覆材100を通した断面図を図示しており、その開示は参照によりその全体が流体コネクタ110とともに本明細書に組み込まれる。代替として、本明細書に開示するいずれの創傷被覆材の実施形態、または本明細書に開示する創傷被覆材の実施形態のいずれの数の特徴のいかなる組み合わせでもあり得る、創傷被覆材100は、治療される創傷部位の上に置かれ得る。被覆材100は、創傷部位の上に密封された空洞を形成するために設置されてもよい。好ましい実施形態では、被覆材100は、最上層もしくはカバー層、または任意の創傷接触層222に取り付けられる裏当て層220を備え、それらの両方について以下により詳細に記載する。これら二つの層220、222は、内部空間またはチャンバを画定するために、共に接合または封止されることが好ましい。この内部空間またはチャンバは、陰圧を分配または伝達し、創傷滲出液および創傷から除去された他の流体を貯蔵するように適応してもよい追加構造と、以下により詳細に説明するであろう他の機能とを備えてもよい。以下に記載するそのような構造の例は、透過層226および吸収層221を含む。
本明細書で使用される通り、上部層、最上層または上方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面から最も遠い層を指す。したがって、下面、下部層、最下層または下方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面に最も近い層を指す。
図2Bに図示するように、創傷接触層222は、ポリウレタン層、ポリエチレン層、または、例えば、ホットピンプロセス、レーザアブレーションプロセス、または超音波プロセスを介すか、またはその他のいくつかの方法で穴加工された、あるいは別の方法で液体および気体が透過するようにしたその他の可撓性のある層であってもよい。創傷接触層222は、下面224と上面223とを有する。パーフォレーション225は、創傷接触層222において貫通孔を含み、それによって流体が層222を通って流れることが可能となるのが好ましい。創傷接触層222は、創傷被覆材の他の材料中への組織内殖を防ぐのに役立つ。パーフォレーションは、その中を通って流体が流れるのを可能にしつつ、この要件を満たすのに十分小さいことが好ましい。例えば、0.025mmから1.2mmの範囲の寸法を有するスリットまたは孔として形成された穿孔は、創傷滲出液が被覆材内に流れるのを可能にしつつ、創傷被覆材内に組織が内部成長するのを防止する一助となるには十分小さいと考えられる。一部の構成では、創傷接触層222は、陰圧を創傷に維持するために、吸収性パッドの周りに気密状態をも作り出しながら、被覆材100全体の完全性を維持するのに役立つ場合がある。
創傷接触層222の一部実施形態はまた、任意の上部および下部接着層(図示せず)用の担体として働いてもよい。例えば、下部感圧接着剤が、創傷被覆材100の下面224上に提供されてもよい一方、上部感圧接着層は、創傷接触層の上面223上に提供されてもよい。シリコーン、ホットメルト、親水コロイドもしくはアクリルをベースとする接着剤、または他のそのような接着剤であってもよい感圧接着剤は、創傷接触層の両側面上、もしくは任意で選択された片側面上に形成されてもよく、または創傷接触層のどちらの側面上に形成されなくてもよい。下部感圧接着層を利用することが、創傷被覆材100を創傷部位の周りの皮膚に接着させる助けになってもよい。一部の実施形態では、創傷接触層は穿孔ポリウレタンフィルムを含んでもよい。フィルムの下面はシリコーン感圧接着剤を提供されてもよく、上面はアクリル感圧接着剤を提供されてもよく、それによって被覆材がその完全性を維持するの助けてもよい。いくつかの実施形態では、ポリウレタンフィルム層の上面および下面の両面上に接着層を提供してもよく、全三層は共に穴加工されていてもよい。
多孔質材料の層226は、創傷接触層222の上方に置かれ得る。この多孔質層または透過層226により、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。特に、透過層226によって、吸収層が相当量の滲出液を吸収しても創傷エリアの上に陰圧を伝えるよう、外気チャネルが確実に維持され得ることが好ましい。層226は、好ましくは、上述の通り、陰圧創傷療法時に適用されることになる通常の圧力の下で開放されたままになるべきであり、それによって、創傷部位全体が等しい陰圧を受ける。層226は、三次元構造を有する材料から形成されてもよい。例えば、編みもしくは織りスペーサー布(例えば、Baltex 7970の横編みポリエステル)、または不織布が使用され得る。
いくつかの実施形態では、透過層226は、84/144で織られたポリエステルである最上層(すなわち、使用中、創傷床から遠位の層)と、10デニールの平坦なポリエステルである最下層(すなわち、使用中、創傷床に近接して置かれる層)と、編みポリエステルビスコース、セルロースまたは類似のモノフィラメント繊維により画定される領域である、これら二つの層の間に挟まれて形成される第三層とを含む、3Dポリエステルのスペーサー布層を含む。他の材料、および他の線質量密度の繊維ももちろん使用され得る。
本開示を通して、モノフィラメント繊維への言及がなされるものの、もちろん多糸の代替物が利用され得ることは理解されるであろう。それゆえ、最上部スペーサー布は、それを形成するのに使用される一本の糸において、最下部スペーサー布層を形成するのに使用される糸を構成するフィラメントの数よりも多くのフィラメントを有する。
間隔を置いて配置された層におけるフィラメント数のこの差は、透過層を横切る水分の流れを制御する一助となる。具体的には、最上層のフィラメント数をより多くすることによって、すなわち、最上層が、最下層に使用される糸よりも多くのフィラメントを有する糸から作られることによって、液体は、最下層よりも最上層に沿ってより多く吸われる傾向がある。使用中、この差異によって、液体が創傷床から引き離され、被覆材の中心領域中に引き寄せられるようになり、中心領域では、吸収層221が液体を閉じ込めるのに役立つか、または液体を放出させ得るカバー層に向かって、それ自体で液体を前方へ吸い上げる。
好ましくは、透過層226を横切る(すなわち、最上部および最下部スペーサー層の間に形成されるチャネル領域と垂直に)液体の流れを改善するために、3D織物は、ドライクリーニング剤(限定するものではないが、パークロロエチレンなど)で処理されて、透過層の親水能力を邪魔する可能性がある、前に使用された鉱油、油脂および/またはワックスなどの、いかなる工業製品をも除去するのに役立ってもよい。いくつかの実施形態では、続いて、3Dスペーサー布が親水性剤(限定するものではないが、Rudolph Groupから市販されている30g/lのFeran Iceなど)で洗われる、追加の製造ステップに進んでもよい。このプロセスステップは、水などの液体が3D編物に接触するとすぐに織物に進入し得るほど、材料の表面張力が低くなることを保証するのに役立つ。またこのステップは、いかなる滲出液の液状侵襲成分(liquid insult component)の流れを制御するのにも役立つ。
吸収材の層221は、透過層226の上に提供される。発泡体もしくは不織りの自然または合成材料を含み、任意で超吸収材を含んでもよい吸収材は、流体、具体的には、創傷部位から除去される液体用の貯留部を形成する。一部の実施形態では、層10もまた、流体を裏当て層220の方へ引き寄せるのに役立ってもよい。
吸収層221の材料はまた、創傷被覆材100内に収集された液体が被覆材内で自由に流れるのを防止し得、好ましくは、収集されたいかなる液体も被覆材内に含むよう作用する。吸収層221はまた、流体を創傷部位から引き寄せ、吸収層中に渡って貯蔵するように、吸い上げ作用によって層全体に流体を分配するのを助ける。これによって、吸収層の範囲における凝集を防止するのを補助する。吸収材の容量は、陰圧を適用するとき、創傷の滲出液が流れる速度を管理するのに充分でなくてはならない。使用中、吸収層は陰圧を経験するため、吸収層の材料は、そのような状況下で液体を吸収するように選ばれる。例えば、超吸収体材料といった、陰圧下にあるとき液体を吸収できる、いくつかの材料が存在する。吸収層221は通常、ALLEVYN(商標)発泡体のFreudenberg114-224-4および/またはChem-Posite(商標)11C-450より製造されてもよい。一部の実施形態では、吸収層221は、超吸収性粉末、セルロースなどの繊維材料、および結合繊維を含む複合材を含んでもよい。好適な実施形態では、合成物は、風成(airlaid)の、熱結合合成物である。
一部の実施形態では、吸収層221は、層中に渡って分散する乾燥粒子の形態である超吸収材を有する、不織りセルロース繊維の層である。セルロース繊維の使用によって、被覆材により吸収される液体を素早くかつ均等に分配するのに役立つ、高速吸い上げ要素が導入される。多数の撚糸様繊維を並列させることが、液体を分配するのに役立つ繊維パッドの、強い毛細管作用につながる。このように、超吸収材に液体を効率的に供給する。また、吸い上げ作用によって、被覆材の蒸散率を増加させるのに役立つように、液体を上部カバー層と接触させるように支援する。
陰圧を被覆材100に適用することが可能になるように、隙間、孔またはオリフィス227が、好ましくは、裏当て層220に設けられる。流体コネクタ110は、被覆材100の中に作られるオリフィス227の上で、裏当て層220の最上部に取り付けられるか、または封止され、オリフィス227を通って陰圧を伝えることが好ましい。長いチューブが、被覆材から流体を汲み上げることが可能になるように、第一端部で流体コネクタ110に、第二端部でポンプユニット(図示せず)に連結されてもよい。流体コネクタが創傷被覆材の最上層に接着する場合、長いチューブは、チューブまたは導管が、流体コネクタから離れて平行に、または実質的に被覆材の最上表面へ延在するような、流体コネクタの第一端部で連結されてもよい。流体コネクタ110は、アクリル、シアノアクリレート、エポキシ、UV硬化性またはホットメルト接着剤などの接着剤を使用して、裏当て層220に接着および封止してもよい。流体コネクタ110は、ショアAスケールで30から90の硬度を有する、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーンまたはポリウレタンといった柔らかいポリマーから形成されてもよい。一部の実施形態では、流体コネクタ110は、柔らかい材料または適合する材料から作られてもよい。
好ましくは、吸収層221は、流体コネクタ110の下にあるように配置される、少なくとも一つの貫通孔228を含み得る。貫通孔228は、一部の実施形態では、裏当て層の開口部227と同じサイズであってもよく、またはより大きいもしくは小さくてもよい。図2Bに図示する通り、単一の貫通孔は、流体コネクタ110の下にある開口部をもたらすように使用され得る。複数の開口部が、代替として利用され得ることは理解されるであろう。加えて、二つ以上のポートが、本開示の特定の実施形態に従って利用されるべき場合、一つまたは複数の開口部が、各流体コネクタと位置を合わせて、吸収層および不明瞭化層に作られてもよい。本開示の特定の実施形態には必須ではないものの、超吸収層に貫通孔を使用することで、吸収層が飽和に近いとき特に、遮断されないままの流体流路を提供し得る。
アパーチャまたは貫通孔228は、図2Bに示す通り、オリフィスが透過層226に直接接続するように、オリフィス227の下方の吸収層221に提供され得る。これによって、流体コネクタ110に適用される陰圧を、吸収層221を通過することなく、透過層226へ伝えることが可能になる。これで、吸収層が創傷滲出液を吸収しても、創傷部位に適用される陰圧が、吸収層によって阻害されないことが保証される。他の実施形態では、隙間は吸収層221に提供されなくてもよく、または、代替として、オリフィス227の下にある複数の隙間が提供されてもよい。さらなる代替の実施形態では、別の透過層などの追加層、または参照することによりその全体が援用される、米国特許公開第2015/0190286A1号に記載されるような不明瞭化層が、吸収層221の上および裏当て層220の下方に提供されてもよい。
裏当て層220は、ガスを透過させないが、水蒸気を透過させるのが好ましく、創傷被覆材100の幅を横切って延在し得る。例えば、片方の側面に感圧接着剤を有するポリウレタンフィルム(例えば、Elastollan SP9109)であってもよい、裏当て層220は、気体に対して不透過性であり、それゆえ、この層は創傷を被覆し、上に創傷被覆材が置かれる創傷空洞を封止するように動作する。このように、効果的なチャンバが、陰圧が確立され得る、裏当て層220と創傷部位との間に作られる。裏当て層220は、被覆材の周囲の境界領域内において、創傷接触層222に対して封止され、例えば接着技術または溶接技術を介して、境界領域に空気が吸い込まれないようにするのが好ましい。裏当て層220によって、創傷が外部の細菌汚染から保護され(細菌バリア)、層を通って創傷滲出液からの液体を移動させ、フィルム外表面から蒸発させることが可能になる。裏当て層220は、二つの層、すなわちポリウレタンフィルムとこのフィルム上に広げられた接着パターンとを含むのが好ましい。ポリウレタンフィルムは透湿性であるのが好ましく、かつ、濡れると透水率が高くなる材料から製造されてもよい。一部の実施形態では、裏当て層が濡れると、裏当て層の透湿性が増大する。濡れた裏当て層の透湿性は、乾いた裏当て層の透湿性の最大約10倍であってもよい。
吸収層221は、透過層226の縁と重複するように、透過層226よりも大きい範囲から成ってもよく、そのため、吸収層が透過層226の縁部に重なり、それによって透過層が裏当て層220に接触しないことが確実となる。これにより、創傷接触層222と直接接触する、吸収層221の外側チャネルが提供され、滲出液の吸収層へのより急速な吸収に役立つ。さらに、この外側チャネルによって、液体が、被覆材の周囲の封止部から染み出して、漏洩の形成につながる場合がある、創傷空洞の外周に貯留できないことが保証される。図2A~図2Bに図示する通り、吸収層221によって、境界線または境界領域が、吸収層221の端と裏当て層220の端との間に画定されるように、裏当て層220の周囲よりも小さい周囲を画定してもよい。
図2Bに示す通り、創傷被覆材100の一実施形態は、流体コネクタ110の下方に置かれる吸収層221に、アパーチャ228を備える。使用中、例えば、陰圧が被覆材100に適用されるとき、流体コネクタの創傷に面する部分は、透過層226と接触してもよく、それゆえ、吸収層221が創傷流体で満たされているときでさえ、創傷部位に陰圧を伝達するのに役立ち得る。一部の実施形態によって、裏当て層220を透過層226に少なくとも一部接着させてもよい。いくつかの実施形態では、アパーチャ228は、流体コネクタ110の創傷に面する部分またはオリフィス227の直径よりも、少なくとも1~2mm大きい。
特に、単一流体コネクタ110および貫通孔を伴う実施形態では、図2Aに図示する通り、流体コネクタ110および貫通孔が、中心から外れた位置に置かれるのが好ましい場合がある。そのような場所では、流体コネクタ110が被覆材100の残余部と比較して持ち上げられるように、被覆材100を患者の上に配置することが可能になってもよい。そのように配置すると、流体コネクタ110およびフィルタ214(以下に説明)は、創傷部位への陰圧の伝達を減じるために、時期を早めてフィルタ214を閉塞させ得る創傷流体と、接触する可能性が低くなる場合がある。
ここで流体コネクタ110に目を転じると、好ましい実施形態は、封止面216と、近位端130および遠位端140を伴うブリッジ211(図1A~図1Bのブリッジ120に相当)と、フィルタ214とを含む。封止面216は、創傷被覆材の最上表面に封止される、前に記載したアプリケータを形成し得る。一部の実施形態では、流体コネクタ110の最下層は、密封表面216を含み得る。流体コネクタ110はさらに、一部の実施形態では、流体コネクタの別個の上部層により画定される、密封表面216から垂直に間隙を介した上表面を備えてもよい。他の実施形態では、上面および下面は、材料の同じ一片から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、密封表面216は、創傷被覆材と連通するように、その中に少なくとも一つのアパーチャ229を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ214は、封止面の開口部229を横切って配置されてもよく、開口部229全体にわたってもよい。密封表面216は、創傷被覆材のカバー層に流体コネクタを封止するように構成されてもよく、接着剤または溶接部を含んでもよい。一部の実施形態では、封止面216は、カバー層のオリフィスの上に置かれてもよい。他の実施形態では、密封表面216は、カバー層のオリフィスおよび吸収層220の隙間の上に位置してもよく、流体コネクタ110によって透過層226を通る気流を提供することが可能になる。一部の実施形態では、ブリッジ211は、陰圧の源と連通する第一の流体通路212を含んでもよく、第一の流体通路212は、3D編み材料など、前に記載した多孔質層226と同じでもよく、または異なってもよい、多孔質材料を含む。ブリッジ211は、近位端および遠位端を有し、第一流体通路212を囲むように構成される、少なくとも一つの可撓性フィルム層208、210によって被包されることが好ましく、可撓性フィルムの遠位端は、封止面216に接続する。フィルタ214は、創傷滲出液がブリッジに侵入するのを実質的に阻害するように構成される。
一部の実施形態はさらに、第一の流体通路212の上方に位置する、任意の第二の流体通路を含み得る。例えば、いくつかの実施形態は、2011年12月30日出願の、「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」と題された米国特許第8,801,685号に記載される吸引アダプタに類似する、第一流体通路212および被覆材100中への空気経路を提供するように構成され、最上層208の近位端に配置される可能性がある、空気漏れ部を提供し得るが、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
好ましくは、流体通路212は、スペーサーがねじれるかまたは折り重なる場合でも、流体が通過することを可能にする、可撓性のある、規格に準拠した材料から構築される。流体通路212の好適な材料には、ポリエチレンまたはポリウレタン発泡体など、連続気泡発泡体を含む発泡体、メッシュ、3D編み繊維、不織材料および流体チャネルを含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、流体通路212は、透過層226に関して上に記載したものと、類似の材料から構築されてもよい。有利なことに、流体通路212に使用されるそのような材料によって、患者の快適性をより増すことが可能になるだけでなく、ねじれるか、または曲がっている間でも、依然として流体通路212が流体を創傷から陰圧の源の方へと移動できるような、より大きなねじれ抵抗を提供してもよい。
一部の実施形態では、流体通路212は、例えば、編みもしくは織りスペーサー布(ポリエステルで編み3D織物Baltex 7970(登録商標)またはGehring 879(登録商標))といったウィッキング生地、または不織布から成ってもよい。選択されたこれらの材料は、好ましくは、創傷滲出液を創傷から離すように導き、陰圧および/または吐出された空気を創傷部位へ伝達するために置くことができ、また、ある程度のねじれ抵抗または閉塞抵抗を、流体通路212に与えてもよい。いくつかの実施形態では、ウィッキング生地は、いくつかの事例では、流体の吸い上げまたは陰圧の伝達に役立つ場合がある、三次元構造を有してもよい。特定の実施形態では、ウィッキング生地を含むある実施形態では、これらの材料は、開放されたままで、例えば、40から150mmHgの間の陰圧療法で使用される通常圧力下において、変わらず陰圧を創傷エリアに伝えることができる。一部の実施形態では、ウィッキング生地は、互いの上に積み重なった、または積層された材料のいくつかの層を含んでもよく、一部の場合には、陰圧適用状況下において、流体通路212が崩れるのを阻害するのに有用であってもよい。その他の実施形態では、流体通路212に使用されるウィッキング生地は、1.5mmと6mmとの間であってもよく、より好ましくは、ウィッキング生地は、3mmと6mmとの間の厚さであってもよく、一つまたはいくつかの個別のウィッキング生地層から成ってもよい。他の実施形態では、流体通路212は1.2~3mmの間の厚さであってもよく、好ましくは1.5mmよりも厚い。一部の実施形態、例えば、創傷滲出液などの液体を保持する被覆材と共に使用される吸引アダプタは、流体通路212に疎水性の層を用いてもよく、気体のみが流体通路212を通って動いてもよい。さらに、既に記載した通り、システムに使用される材料は、快適で柔らかいものであることが好ましく、それにより患者の皮膚に押し付けられる創傷治療システムに起因する場合がある、圧迫性褥瘡およびその他の合併症を回避するのに役立つ場合がある。
フィルタ要素214は、液体に対して不透過性であるが、ガスに対しては透過性があり、液体バリアとして働き、液体が創傷被覆材100から漏れ出ることができないことを保証するように設けられる。フィルタ要素214はまた、細菌バリアとして機能してもよい。通常、管孔サイズは0.2μmである。フィルタ要素214のフィルタ材料に好適な材料には、MMT範囲からの0.2ミクロンのGore(商標)拡張PTFE、PALL Versapore(商標)200RおよびDonaldson(商標)TX6628を含む。より大きな管孔サイズも使用され得るが、これらは、二次フィルタ層が、完全な生物汚染の封じ込めを保証することを必要とする場合がある。創傷流体は脂質を含有するため、必須ではないものの、例えば、0.2ミクロンのMMT-323の前に1.0ミクロンのMMT-332といった、撥油性フィルタ膜を使用することが好ましい。これにより、脂質が疎水性フィルタを遮断するのを防げる。フィルタ要素は、オリフィスの上のポートおよび/または被覆フィルムに取り付けられるか、または封止され得る。例えば、フィルタ要素214は、流体コネクタ110に成型されてもよく、または限定するものではないが、UV硬化接着剤などの接着剤を使用して、カバー層の最上部および吸引アダプタ110の最下部の一方または両方に接着してもよい。
他のタイプの材料がフィルタ要素214に使用され得ることは、理解されるであろう。より広くは、薄く平坦な一枚のポリマー材料である、微多孔膜を使用することができ、これは数十億もの微細な管孔を包含する。選んだ膜に応じて、これらの管孔は、0.01マイクロメートルから10マイクロメートルより大きいサイズの範囲にあり得る。微多孔膜は、親水性(水のフィルタリング)および疎水性(撥水)形態の両方で利用可能である。本発明の一部の実施形態では、フィルタ要素214は、支持層と、支持層上に形成されるアクリルコポリマー膜とを備える。本発明の特定の実施形態に従う創傷被覆材100は、好ましくは、疎水性微多孔膜(MHM:microporous hydrophobic membrane)を使用する。多数のポリマーを用いて、MHMを形成してもよい。例えば、MHMは、PTFE、ポリプロピレン、PVDFおよびアクリルコポリマーの一つまたは複数から形成されてもよい。これら任意のポリマーのすべてが、疎水性および撥油性の両方であり得る、特定の表面特性を得るために処理され得る。これらによって、マルチビタミン注入物、脂質、界面活性剤、油および有機溶媒など、表面張力の低い液体を追い払うであろう。
MHMは、空気が膜を通って流れることを可能にしながら、液体を遮断する。MHMはまた、潜在的感染エアロゾルおよび粒子を排除する、非常に効率的なエアフィルタである。MHMの単一片は、機械式バルブまたはベントを交換する選択肢として、よく知られる。それゆえ、MHMの組込みによって製品組立費を削減し、利益、および患者に対する費用/利得の割合を改善し得る。
フィルタ要素214はまた、例えば、活性炭、炭素繊維布もしくはVitec Carbotec-RT Q2003073発泡体、または類似のものといった臭気吸収材を含んでもよい。例えば、臭気吸収材は、フィルタ要素214の層を形成してもよく、またはフィルタ要素内の疎水性微多孔膜間に挟まれてもよい。それゆえ、フィルタ要素214によって、オリフィスを通して気体を排出することが可能になる。しかしながら、液体、微粒子および病原体は被覆材に包含される。
上記の創傷被覆材の実施形態に類似して、一部の創傷被覆材は、皮膚接触面上にシリコーン接着剤、および裏面上にアクリル接着剤を伴う穿孔創傷接触層を含む。この縁取られた層の上方には、透過層または3Dスペーサー布パッドが存在する。透過層の上方には吸収層が存在する。吸収層は超吸収不織(NW:non-woven)パッドを含み得る。吸収層は、周囲をおよそ5mm越えて透過層に接し得る。吸収層は、一つの端部の方に向かう隙間または貫通孔を有し得る。隙間は直径約10mmであり得る。透過層および吸収層の上に、裏当て層がある。裏当て層は、アクリル接着剤で被覆された模様である、高水蒸気透過率(MVTR)フィルムであり得る。高MVTRフィルムおよび創傷接触層は、透過層および吸収層を被包して、およそ20mmの周囲境界を作り出す。裏当て層は、吸収層の隙間の上に重なる、10mmの隙間を有し得る。孔の上方には、前述した隙間の上に重なる、液体不透過性、気体透過性の半透過性膜(SPM:semi-permeable membrane)またはフィルタを含む、流体コネクタを結合し得る。
図3A~図3Dは、患者の創傷部位を治療するように使用される、陰圧療法創傷療法システムの一実施形態の使用を図示する。図3Aは、治療のために清潔にされ準備されている、創傷部位1000を示す。図中、創傷部位1000を囲む健康な皮膚は清潔にされ、過度の毛は除去または剪毛されることが好ましい。創傷部位1000はまた、必要な場合、無菌食塩水で洗浄されてもよい。任意で、皮膚保護剤が創傷部位1000を囲む皮膚に塗布されてもよい。必要な場合、発泡体またはガーゼなどの創傷パッキング材料が、創傷部位1000の中に設置されてもよい。これは、創傷部位1000がより深い創傷の場合に好ましい場合がある。
ここで図3Bを参照すると、創傷部位1000を囲む皮膚が乾いた後、創傷被覆材1100は、創傷部位1000の上に位置し設置されてもよい。いくつかの実施形態では、創傷被覆材1100は、創傷部位1000の上にまたはそこに接触して、創傷接触層と共に設置される。いくつかの実施形態では、接着層は、創傷接触層の下表面上に提供され、一部の場合、創傷部位1000の上に創傷被覆材1100を設置する前に除去されるように、任意の放出層によって保護されてもよい。被覆材1100は、流体がポートの周りに貯留するのを回避するために、流体コネクタ1110が、被覆材1100の残余部に対して持ち上げられた位置にあるように位置することが好ましい。いくつかの実施形態では、被覆材1100は、流体コネクタ1110が創傷の上に直接重ならないように位置し、創傷と同じ高さまたは創傷よりも高い地点にある。TNPに対する適正な密封を保証するのに役立つように、被覆材1100の縁は、縦溝または襞を回避するように滑らかであることが好ましい。
ここで図3Cを参照すると、被覆材1100はポンプ1150に接続している。ポンプ1150は、被覆材1100を介して、通常、導管によって創傷部位へ陰圧を適用するように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する通り、流体コネクタ1110は、導管1190をポンプから被覆材1100に接合するように使用されてもよい。流体コネクタが創傷被覆材の最上層に接着する場合、長いチューブは、チューブ、すなわち導管が、流体コネクタから離れて被覆材の最上層と平行に延在するように、流体コネクタの第一端部で連結されてもよい。いくつかの実施形態では、導管は流体コネクタを備えてもよい。導管は柔らかいブリッジ、硬質管、または流体を輸送する働きをしてもよい、いかなる他の装置であってもよいと明確に考えられる。ポンプ1150による陰圧の適用の際、一部の実施形態では、被覆材1100は、被覆材1100下方の空気の一部またはすべてが取り除かれた結果として、一部が崩れ、皺の寄った様子を提示してもよい。一部の実施形態では、ポンプ1150は、いずれかの漏洩が、被覆材1100と創傷部位1000を囲む皮膚との間の界面など、被覆材1100の中に存在するかを検出するように構成されてもよい。漏洩が見つかった場合、そのような漏洩は、治療を継続する前に是正されることが好ましい。
図3Dに目を転じると、追加の固定ストリップ1010がまた、被覆材1100の縁の周りに取り付けられてもよい。そのような固定ストリップ1010は、創傷部位1000を囲む患者の皮膚に対して、追加の密封を提供するために、一部の状況では好都合であってもよい。例えば、固定ストリップ1010は、患者がより動けるときに、追加の密封を提供してもよい。一部の場合、固定ストリップ1010は、具体的には被覆材1100が、到達するのが困難なまたは起伏のある領域の上に設置される場合に、ポンプ1150の起動前に使用されてもよい。
創傷部位1000の治療は、創傷が所望の治癒レベルに到達するまで続けられ得る。いくつかの実施形態では、ある一定期間が経過した後、または被覆材が創傷流体で一杯の場合に、被覆材1100を交換するのが望ましい場合がある。そのような交替中、ポンプ1150は維持され、被覆材1100のみが替えられてもよい。
図2Bに関して既に述べたような特定の実施形態では、流体(例えば、創傷滲出液)は、穴加工された創傷接触層222を通過することによって、被覆材100によって対処され、透過層226に入って、次いで吸収層221によって吸収されて保持される。次いで、流体は通気性のある裏当て層220を通して蒸発することができる。しかしながら、一部の実施形態では、上述のものなどの創傷被覆材は、標準的インビトロ創傷モデルで試験した場合、たった3日間だけの寿命を有し得る。これらの試験中、標的真空レベル(例えば、-80mmHg)が維持され、試験中または取り外しの際の真空故障時に流動性の液体が見られない場合、被覆材が正常に機能するとみなされる。不具合モードは、液体の導入による流体コネクタの半透過性膜の遮断によって引き起こされ得る。
被覆材は、被覆材がその液体容量が一杯になる前に、湿潤吸収層が流体コネクタへの流体経路を塞ぐ手段を提供しないことが望ましい。被覆材の一部の実施形態は、例えば、流体コネクタへの流体経路の遮断により、3日目に不具合となる。吸収層は、被覆材の残りの部分を充填する前に、ポートでまたはポートの付近で優先的に飽和することができ、それにより被覆材が飽和する前に閉塞を引き起こす。したがって、上述のように、吸収層のその他の特定の領域が、ポートまたは流体コネクタの近くの領域より先に、優先的に飽和されることを確実にすることが望ましい場合がある。
一部の実施形態では、ポート付近の吸収層の流体飽和度は、二つ以上の物理的に分離した部分および/またはユニットに分割された吸収層を利用することによって、阻害または制御され得る。例えば、吸収層は、本明細書に記載の少なくとも第一の部分および物理的に分離した第二の部分を含み得る。これら二つ以上の物理的に分離した部分は、創傷被覆材がその層の厚さによって画定される鉛直高さを有するとみなされ、創傷被覆材の長さおよび幅が水平面に対して平行であるとき、同一水平面など、同一平面に位置付けられてもよい。
本明細書および本明細書全体を通して使用される場合、「物理的に分離した(physically separate)」という用語は、互いに一体的に接続していない二つの部分または部品を指すために使用される。
用語、吸収材の部(parts)、片(pieces)、ユニット(units)、および/または部分(portions)は、吸収層を構成する物理的に分離した材料の部分を指し、これらの用語は本明細書および本明細書全体を通して互換的に使用され得る。物理的に分離した部、ユニット、または部分は、触れ、または互いに接触し得る。例えば、吸収層の二つの物理的に分離した部分は、側面または端部に沿って相互に接触し得るが、一体的に形成されない、または実質的に接続しない。
一部の実施形態では、物理的に分離した部品または部分は、互いに独立して形成される部分を含み得る。しかしながら、一部の他の実施形態では、吸収性ユニットは、切断された、または別の方法で実質的に分離した元の同一の全体の一部分であってもよい。これらの実施形態では、比較的少量の残りの材料は、物理的に分離したユニットを接続することができるが、こうした材料は、物理的に分離した部分の間の流体連通経路に寄与またはそれを作り出さない。一部の実施形態ではシリコーンゲルは、ユニット間の流体移動を阻害するために使用できる。その他の実施形態では、物理的に分離したユニットは、例えば、ユニット間の流体移動を阻害するためのスペーサー層など、ユニットの上または下の被覆材層と密着することができる。
創傷滲出液を吸収する吸収層の所与の部分は引き続きそれを実施してもよく、当該滲出液は、単一片の吸収層内の移動と比較して、吸収層の隣接部分への進行または流れを阻害され得る。隣接する部分への流体の流れは、例えば、スペーサーまたは透過層などの吸収層の下の層を通る流体の流れに依存する。流体がスペーサー層を通って移動すると、流体を含むスペーサー層と接触する吸収体の部分が飽和し始める。その部分が飽和すると、流体はそのユニットの隣接するまたは隣の各独立したユニットに進行を開始することができる。その後、隣接する部分は、飽和すると、と少なくとも吸収層の所与の部分を介して流体を吸収し得、それによって他の隣接する部分に追加的な流体流路を作り出す。したがって、所与の部分に隣接した吸収層の部分は、流体が陰圧を創傷被覆材400に供給しているポートまたは流体コネクタの近くの隣接する部分へと自由に流れる、または進行することができる前に、滲出液などの流体を吸収し始めてもよい。したがって、吸収層の物理的に分離した単位は、吸収層を通した各独立したユニットへの流体の進行を制限することができる。したがって、吸収層421は、単一片の吸収層を含む創傷被覆材と比較して、ポート110が滲出液によって遮断または塞がれる前に、より多くの流体を吸収し得る。
図4Aは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材の物理的に分離したユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の上面図を示す。図4Aは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、創傷被覆材400を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。一部の実施形態では、創傷被覆材は、小さなユニットに切断された吸収性パッド421を利用することができ、ユニットまたは部分は、被覆材の可撓性、なじみ性、および/または流体処理を支援するために物理的に分離され得る。一部の実施形態では、吸収層を物理的に分離した吸収材のユニットで形成することができる。本明細書で使用される場合、吸収層の切断された(cut)、分離した(separated)、または物理的に分離した(physically separated)吸収材は互換的に使用することができ、図2A~2Bを参照に記載された吸収層221に類似した機能を有する被覆材の吸収層を形成するために、互いに隣接して提供された吸収材の複数の片を含む、吸収層を指す。
一部の実施形態では、吸収層421は、図4Aに示すように、3ユニット×5ユニット(幅×長さ)構成で形成され得る。一部の実施形態では、吸収層421は、2ユニット×5ユニット(幅×長さ)構成で形成され得る。吸収材のユニットは、任意の配置および任意の数のユニットとすることができる。一部の実施形態では、吸収層は、図4A~図4Cに示すように、ポート110の近くおよび/またはポート110から最も遠い、異なる形状および/または異なるサイズの吸収材ユニットを有し得る。一部の実施形態では、吸収層は、図7に示すとおり、すべて同じサイズユニットである吸収材のユニットを有する。一部の実施形態では、吸収層は、様々なサイズの吸収材のユニットを有する。その他の実施形態では、吸収材部分のサイズおよび数は、部分が吸収層421の全長および幅全体にわたって実質的に延在するならば、変化してもよい。例えば、より多くのおよび/またはより小さな吸収材部分、またはより少ないおよび/またはより大きな吸収材部分は、治療される創傷からの滲出液の予想される量および/または流量に応じて、吸収層421を含み得る。
図4Bおよび図4Cは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の物理的に分離した吸収材のユニットから形成された吸収層を採用する陰圧療法システムの一実施形態の層を示す。図4Cは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の吸収材のユニットを採用する陰圧療法システムの一実施形態の横断側面図を示す。特に記載のない限り、図4Cの参照番号及び同一名称の構成要素は、図2Bの構成要素と同一、又は、一般的に類似した構成要素を指す。
図4Bおよび図4Cに示すように、創傷被覆材400は、創傷接触層422を含み得る。創傷接触層は、図2A~図2Bを参照して説明した創傷接触層222と類似してもよい。一部の実施形態では、創傷接触層422は、両面コーティング(シリコーン-アクリル)穿孔接着創傷接触層であり得る。透過層426aは、創傷接触層422の上方に提供され得る。透過層426aは、図2A~図2Bを参照して記述される創傷被覆材の透過層226と類似していてもよい。吸収層421は、透過層426aの上方に提供され得る。吸収層421は、図2A~図2Bを参照して記載した吸収層221と類似し得るが、吸収層421は、図4A~図4Cに示すように、吸収材の別個のユニットに物理的に分離され得る。一部の実施形態では、吸収層421を形状に成形して、患者の身体の外形に適合する被覆材の能力を向上、および/または被覆材の流体処理を改善および制御し得る。
一部の実施形態では、吸収層421の物理的に分離した部分は、吸収材の各ユニットを分離する1~10mmの間隙を有し得る。この間隙は、吸収材の隣接するユニットが位置するユニットのすべての面に沿って位置し得る。一部の実施形態では、正方形、長方形、円形、五角形、六角形、八角形、三角形、および/またはその他任意の規則的または不規則な形状であり得る。
裏当て層420は、吸収層421の上に位置する。裏当て層420は、流体コネクタ140の連結を可能にするオリフィス427を含み、被覆材に陰圧を伝達することができる。裏当て層420は、図2A~2Bを参照して説明した裏当て層220に類似し得る。裏当て層420の周囲は、透過層426aおよび吸収層421を囲む創傷接触層422の周囲に封止することができる。
図4D~図4Fおよび図5A~図5Dは、陰圧創傷治療システム内で使用するための物理的に分離した吸収材のユニットから形成された吸収層を有する創傷被覆材の実施形態を示す。
図5Aは、送達される流体の前の複数の吸収材のユニットから成る吸収層の一実施形態を示す。図4Dおよび図5Bは、流体が被覆材に入り始める状態の、複数の吸収材のユニットから成る吸収層の一実施形態を示す。一部の実施形態では、ポートが創傷から離れて配置された時、陰圧が適用されると、図4Dおよび図5Bに示したように、流体は創傷の上の位置で、かつポートから最も遠い位置で、吸収層に入り始める。流体が被覆材に入り続けると、図4E~図4Fおよび図5C~図5Dに図示した通り、流体がポートに向かって進行し、被覆材はユニット毎に充填される。
このように、例えば、ポートまたは流体コネクタ110の下にある吸収層領域への吸収層421を通した流体の進行は阻害され得、またはさもなければ複数の別個の部分を含む吸収層を含まない本明細書に記載される実質的に類似した創傷被覆材と比較して減少され得る。
一部の実施形態では、陰圧が被覆材400に適用されると、被覆材400および/または裏当て層420が折り畳まれ、吸収層421の部分が互いに接触し得る。一部のその他の実施形態では、吸収層421の部分は、陰圧の適用前、互いに接触してもよい。
被覆材が、ポートが創傷から最も遠いように位置付けられると、物理的に分離した吸収層のユニットは、ポートへの流体進行を制御または緩和できる。このように、吸収性部分の別個のユニットは、吸収層全体の流体分配および取扱いを支援することができる。物理的に分離した吸収材のユニットは、図4D~図4Fおよび図5A~図5Dに示されるように正方形のユニットであり得る。吸収層を形状に切断し、各ユニット間の空間で分離することにより、吸収層内の流体の均一な取り込みをもたらし得る。流体の均一な取り込みは、流体がポートまで材料層を通して進行する能力を無効にすることによって達成される。一部の実施形態ではシリコーンゲルは、ユニット間の流体移動を阻害するために使用できる。その他の実施形態では、物理的に分離したユニットは、例えば、ユニット間の流体移動を阻害するためのスペーサー層など、ユニットの上または下の被覆材層と密着することができる。流体がポートへと進行するのを阻害するまたは緩和する能力は、早すぎるポート領域の閉塞と療法の停止を防止できる。
図6Aは、陰圧創傷療法システムにおける創傷被覆材内の複数の吸収材の片またはユニットの断面図を示す。図6Aは、創傷被覆材の吸収層を形成する物理的に分離した吸収材のユニットを有する被覆材の断面の一実施形態を示す。図6Aに示した通り、吸収層を形成する吸収材のユニットは、スペーサー層926の上方に位置付けることができ、被覆材の吸収層およびスペーサー層を覆う上部フィルムまたはカバー層920によって覆うことができる。吸収層を形成する吸収材のユニットは、図6Aに示すように互いに分離されるか、または離間され得る。カバー層920は、図2A~図2Bおよび図4A~図4Cを参照して記載したカバー層220、420と類似し得るが、カバー層920は、吸収層921のユニット間の空間内に形成された真空である。一部の実施形態では、スペーサー層926は、図2A~図2Bおよび図4A~図4Cを参照してそれぞれ記載したように、創傷接触層222および422と類似した創傷接触層(図示せず)の上方に位置付けられる。
図6Bは、図4Cに記載の被覆材に類似した、吸収層421の部分またはユニット421a、421bの間の空間内に少なくとも部分的に延在する裏当て層420を備えた、一部の大体的な実施形態による、例示的創傷被覆材400の断面を示す。上述のように、吸収層421の部分またはユニットの間の空間は、流体がポートまたは流体コネクタ411に向かって吸収層421を通って進行する能力を低減または阻害し得る。図6Bに示す例示的な実施形態では、創傷カバー420は、少なくとも部分的に部分421a、421bの間の空間内に延在して、それにより吸収層421の隣接する部分421a、421bの間の流体経路の形成をさらに低減または防止し得る。上述のように、例えば、図1A~図2Bの創傷被覆材に関して、裏当て層420は、流体不浸透性であってもよく、したがって裏当て層は、流体が、裏当て層が前述の部分421a、421bの間の空間内に延在する吸収層421の隣接部分421a、421b間を流れることを許容しない。
裏当て層420が、吸収層421の部分421a、421bの間の空間内に少なくとも部分的に延在する時に形成され得る折り目またはくぼみを構成するために、カバー層420は類似の裏当て層220よりも大きな表面積を有し得る。一部の実施形態では、裏当て層420は、被覆材400の組立中、吸収層421に形成される真空であり得る。
図7は、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の物理的に分離した吸収材のユニットの採用する陰圧療法システムの一実施形態の層を示す。図7に示すように、創傷被覆材700は、創傷接触層722を含みうる。創傷接触層は、図2A~図2Bおよび図4A~図4Cをそれぞれ参照して記載した創傷接触層222および422と類似してもよい。一部の実施形態では、創傷接触層722は、両面コーティング(シリコーン-アクリル)穿孔接着創傷接触層であり得る。透過層726aおよび吸収層721は、図2A~図2Bを参照して記載した被覆材に類似して提供され得るが、吸収層は、図7に示すように、吸収材の別個の部分またはユニットに切断され、物理的に分離される。吸収層の複数のユニットは、図6を参照して記載した吸収材の片またはユニットと類似し得る。創傷被覆材700は、吸収層721とカバー層または裏当て層720との間に第二の透過層726bを含み得る。裏当て層720は、第二の透過層726b上に配置され、裏当て層は、流体コネクタの連結を可能とし、被覆材に陰圧を伝達することができるオリフィス727を含み得る。一部の実施形態では、第一および第二の透過層726aおよび726bは、吸収性層のユニットを間に挟むまたは包囲する吸収層のユニットをオーバーボーダーすることができる。一部の実施形態では、透過層またはスペーサー層は、吸収層721のユニットを取り囲むおよび/または囲むスペーサー層の連続的な片であり得る。前述に関連する追加の開示が記載され得るそのような出願の例は、2016年12月22日に出願された、「NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY APPARATUS」と題する国際特許出願第PCT/EP2016/082353号に見いだされ、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
図8は、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内で使用するためのスリットまたは切欠を有する被覆材層の一実施形態を示す。一部の実施形態では、創傷被覆材は、材料層が患者の身体の外形に適合するように材料層を屈曲させることができるスリットおよび/または切欠801を有する材料800の一つ以上の層を含み得る。一部の実施形態では、図4A~図4F、図5A~図5D、図6、および図7に記載の吸収材の間隙を介したユニットの代わりに、スリットおよび/または切欠801を有する吸収層を使用し得る。一部の実施形態では、スリットおよび/または切欠801を有する吸収層は、より頑丈な空気経路を作り出すことにより、被覆材全体にわたる陰圧の伝達を補助することができる。
図9A~図9Dおよび図10A~図10Cは、創傷滲出液を吸収および貯蔵できる創傷被覆材内の間隙を介した吸収材のユニットのために使用され得る幾何学的形状の実施形態を示す。図9A~9Dおよび図10A~図10Cは、被覆材層内に成形された吸収材のユニットを有し、創傷被覆材に対するなじみ性および可撓性の向上を可能にする、陰圧療法システムの実施形態を示す。可撓性の被覆材は、吸収材の複数のユニットを利用して、患者の身体の凹凸部分に適合することができる吸収層および/またはスペーサー層を形成し得る。一部の実施形態では、間隙を介した吸収材のユニットは、図9A~図9Dに示したように長方形または正方形の部分から形成され得る。一部の実施形態では、間隙を介した吸収材のユニットは、図10A~図10Cに示されるように、限定するものではないが、三角形、六角形、または八角形を含むモザイク形状であり得る。一部の実施形態では、形状によって様々な角度で被覆材層を曲げることを可能にするために六角形を使用し得る。
図2Bに関して既に述べたような特定の実施形態では、流体(例えば、創傷滲出液)は、穴加工された創傷接触層222を通過することによって、被覆材100によって対処され、透過層226に入って、次いで吸収層221によって吸収されて保持される。次いで、流体は通気性のある裏当て層220を通して蒸発することができる。前述の通り、被覆材の不具合モードは、液体の導入による流体コネクタの半透過性膜の遮断によって引き起こされ得る。
前述の通り、被覆材は、被覆材がその液体容量が一杯になる前に、湿潤吸収層が流体コネクタへの流体経路を塞ぐ手段を提供しないことが望ましい。被覆材の一部の実施形態は、例えば、流体コネクタへの流体経路の遮断により、3日目に不具合となる。吸収層は、先にポートで、またはその近くで優先的に飽和し、それによって閉塞をもたらし得る。したがって、上述のように、吸収層のその他の特定の領域が、ポートまたは流体コネクタの近くの領域より先に優先的に飽和されること、またはポートに隣接した吸収層の領域は全く飽和されないことを確実にすることが望ましい場合がある。
一部の実施形態では、吸収層は、それを通る流体経路を阻害または閉塞するように構成された一つ以上の部分を含み得る。例えば、それを通る流体の流れを阻害するように構成された圧縮部分を含む吸収層を使用し得る。一部の実施形態では、この一つの部分または複数の部分は、吸収層の残りの部分と同じ材料を含み得るが、それを通る流体の流れを阻害するために、例えば製造中、当該部分は圧縮され得る。一部の他の実施形態では、この一つの部分または複数の部分は、吸収材の残部と比較して低減された流量を有する吸収層の残部よりも第二の、異なる材料を含み得る。
吸収層は、発泡体または、流体の吸収と流れを可能とする、本明細書に記載されるその他のそのような吸収材を含み得、吸収体の圧縮部分は、その中の流体の吸収および/または流れを許容しない、または阻害する構造を有し得る。例えば、一部の実施形態では、圧縮部分は、吸収層の残部と同じ材料を含み得るが、材料内のあらゆる空隙または空間を圧縮するために、製造中に圧力および/または熱に曝されてもよい。
一部の実施形態では、圧縮部分は、吸収層の二つ以上の未圧縮部分を分離するように機能し、これらの非圧縮部分の間の流体の流れを阻害し得る。したがって、一部の実施形態では、吸収層の優先的な流体飽和は、吸収層を二つ以上の未圧縮部分に分割し得る圧縮部分を含む吸収層を利用することによって阻害または制御され得る。
図11は、図1A~図2Bに記載の被覆材と類似した創傷被覆材1200の上面図を示す。しかしながら、この実施形態では、吸収層1221は、複数の圧縮部分1221aおよび吸収材、または非圧縮部分1221bを含む。一部の実施形態では、一つ以上の圧縮部分1221aは、吸収層の長さまたは幅全体にわたって延在し得、それによって、それによって圧縮部分1221aに隣接した吸収層の部分を流体的に分割する。圧縮部分1221aが吸収層1221の長さまたは幅全体にわたって延在する一部の実施形態では、創傷部位から流体コネクタ1211まで吸収層1221を通る流体連通経路は、圧縮部分1221aによって流体的に中断され得る。このように、例えば、ポートまたは流体コネクタ1211の下にある吸収層領域への吸収層1221を通した流体の進行は、非圧縮部分1221bを通して進行し得るが、阻害され得、またはさもなければ一つ以上の圧縮部分1221aを含む吸収層を含まない本明細書に記載される実質的に類似した創傷被覆材と比較して、流れの減少を経験する。
一部の実施形態では、吸収層1221は、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ以上の圧縮部分1221aを含み得る。一部の実施形態では、圧縮部分1221aは、おおよそ長方形の形状を含み得る。一部の実施形態では、圧縮部分1221aは、吸収層の全長または幅全体にわたって延在し、「ストライプ」または「バー」を形成し得る。一部の実施形態では、複数の圧縮部分1221aを含み、圧縮部分は、互いに平行に配置されて、それによって吸収層1221を複数の非圧縮吸収性部分1221bに流体的に分割し得る。複数の圧縮部分1221aは、規則的な繰り返しパターンまたは不規則な繰り返しパターンで配置され得る。例えば、圧縮部分1221aは、ストライプまたはグリッドパターンで配置され得る。一つ以上の圧縮部分1221aのその他の形状および配置が、ポート1211で、またはその近くの吸収層領域への流体進行を阻害するように機能する圧縮部分のこうした配置を含みながら、明示的に意図される。
一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1221aは、約1mm~約2cmの幅を有し得る。一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1221aは、約5mm~約1.5cmの幅を有し得る。一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1221aは、約1cmの幅を有し得る。一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1221aは、第一の非圧縮部分から第二の隣接した非圧縮部分への流体の流れを、第一の圧縮部分が創傷滲出液などの流体で実質的に飽和するまで、防止または実質的に低減するのに十分な幅を有し得る。
図12A~図12Bに示すように、圧縮部分1221aは長方形の形状を含み、吸収層1221の幅全体にわたって配置される。4つの圧縮部分1221aは、吸収層1221を5つの非圧縮または吸収性部分1221bに流体的に分割する役割を果たし、そのため、これらの部分のそれぞれの間の流体の流れは、圧縮部分を含まない吸収層と比較して、制限または阻害される。図12Bは、吸収層1221の側面図を示す。図示されるように、圧縮部分1221aは、非圧縮部分1221bと比較して実質的に減少した厚さを有し、それを通る流体の流れを阻害する役割を果たす。
その他の実施形態では、圧縮部分1221aのサイズと数および非圧縮部分1221bのサイズと数は、部分が吸収層1221の全長および幅全体にわたって実質的に延在するならば、変化してもよい。例えば、より多くのおよび/またはより小さな圧縮部分1221a、またはより少ないおよび/またはより大きな圧縮部分1221aは、治療される創傷からの滲出液の予想される量および/または流量に応じて、吸収層1221を含み得る。図12Cに図示するように、代替的な実施形態は、三つの圧縮部分1221aを含み得る。
吸収層の圧縮部分1221aは、吸収層1221の非圧縮部分1221bを通る流体流路を遮断し得る。例えば、圧縮部分を含まない吸収層221を含み得る創傷被覆材100および200など、本明細書に記載の一部の実施形態では、流体経路は、吸収層の任意の所与の部分から、ポートまたは流体コネクタの下にある吸収層領域に直接的に存在してもよい。これらの流体流路は、吸収層によって吸収される創傷滲出液が吸収層を通って進行または流れ、ポートまたは流体コネクタで、またはその近くで優先的に蓄積することを可能とし得る。しかしながら、吸収層1221が複数の圧縮部分1221aを含む場合、これらの流体流路は、吸収層の各非圧縮部分1221bの間で圧縮部分1221aによって遮断される。
一般に、および以下でさらに詳細に説明するように、流体は、初めの部分が滲出液で実質的に飽和しない限り、吸収層の一つの非圧縮部分1221bから隣接部分1221bに進行しない。例えば、図13に図示するように、圧縮部分1221aは、第一の非圧縮部分1221bにおいて、創傷滲出液などの流体を閉じ込める役目を果たし、これによってポートの下にある非圧縮部分1221bに向かう急速な流体流または進行を防止する。
すなわち、創傷滲出液を吸収する吸収層の所与の部分はそれを継続して行ってもよく、前述の滲出液はそこから進行または流れ得ず、または、所与の部分1221bが創傷滲出液で実質的に飽和するまで、吸収層1221の隣接した非圧縮部分1221b内への進行または流れが実質的に阻害され得る。隣接した部分1221bは、それが飽和されるまで、少なくとも吸収層の所与の部分1221bを介して流体を吸収し得、当該プロセスは追加的な非圧縮部分1221bで繰り返される。したがって、吸収層の非圧縮部分1221bは、創傷滲出液などの流体が隣接する非圧縮部分1221bに自由に流れるまたは進行することができる前に、実質的に飽和し得る。隣接する部分1221bは、創傷被覆材1200に陰圧を供給するポートまたは流体コネクタに近位にあってもよく、したがって吸収層1221は、圧縮部分1221aを含まない吸収層を含む創傷被覆材を含む創傷被覆材と比べて、ポート1211が滲出液で遮断されるか閉塞する前により多くの流体を吸収し得る。
図14は、図1A~図2Bに記載の被覆材と類似した創傷被覆材1600の上面図を示す。しかしながら、この実施形態では、吸収層1621は、ポートまたは流体コネクタ1611の下にある非圧縮部分1621bを囲む圧縮部分1621aを含む。一部の実施形態では、圧縮部分1621aは、図14に示すように、長方形の形状を含み得るが、一部の実施形態では、圧縮部分1621aは、流体コネクタのポートの下にある非圧縮部分1621bを囲むように機能する任意の他の形状を含み得る。上述の吸収層321と同様に、吸収層1621の圧縮部分1621aは、圧縮部分1621aに隣接した吸収層の部分1621bを流体的に分割する役目を果たす。したがって、流体は、吸収層1621の第一の非圧縮部分1621bを通って自由に流れるまたは進行し得るが、第一の非圧縮部分1621bが創傷滲出液などの流体で実質的に飽和するまで、ポート1611の下にある非圧縮部分1621bへの流れや進行が実質的に阻害され得る。したがって、圧縮部分1621aは、使用中、ポート1611で、またはその近くで吸収された流体の量を防止または低減させる流体バリアとして機能し得、それによって被覆材の有用な寿命を延長する。
図15A~図15Bは、創傷被覆材に含まれるとき、ポートの下にある非圧縮部分1621bを囲む圧縮部分1621aを含む吸収層1621を示す。一部の実施形態では、こうした圧縮部分は、例えば、カレンダー加工を介して、吸収層1621の所望の領域に熱および/または圧力を加えることによって形成され得る。一部の実施形態では、圧縮部分1621aは、圧縮部分1621aの形状に対応する形状を有する単一のスタンプまたはダイによって形成され得る。しかしながら、一部の他の実施形態では、圧縮部分1621aは、例えば、長方形の圧縮部分1621aの各側部を別々に圧縮することなど、複数の工程プロセスによって形成され得る。
圧縮部分が吸収層の非圧縮部分を囲む一部の実施形態では、圧縮部分は、約1mm~約2cmの線幅を有する二次元形状として理解され得る。一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1621aは、約5mm~約1.5cmの線幅を有し得る。一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1621aは、約1cmの線幅を有し得る。一部の実施形態では、吸収層の圧縮部分1621aは、第一の非圧縮部分から第二の隣接した非圧縮部分への流体の流れを、第一の圧縮部分が創傷滲出液などの流体で実質的に飽和するまで、防止または実質的に低減するのに十分な線幅を有し得る。
図16A~図16Dは、例えば、図14~図15Bの創傷被覆材のような、ポートまたは流体コネクタの下にある非圧縮部分を囲む圧縮部分を含む吸収層を備えた創傷被覆材の一実施形態を示す。
図16Aは、ポートまたは流体コネクタ1611の下にある非圧縮部分1621bを囲む、圧縮部分1621aを含む吸収層1621を含む、創傷被覆材の一実施形態を示す。図16Bは、流体が被覆材に侵入し始めたときの、ポートまたは流体コネクタ1611の下にある非圧縮部分1621bを囲む、圧縮部分1621aを含む吸収層1621を含む、創傷被覆材の一実施形態を示す。一部の実施形態では、ポートが創傷から離れて配置された時、陰圧が適用されると、図16Bに示したように、流体は創傷の上の位置で、かつポートから最も遠い位置で、吸収層に入り始める。流体が被覆材への侵入を続けると、被覆材は一杯になるか、または飽和して、図16C~図16Dに示されるように、流体は、吸収層の非圧縮部分通ってポートに向かって進行する。
このように、例えば、ポートまたは流体コネクタ1611の下にある吸収層領域への吸収層1621を通した流体の進行は阻害され得、またはさもなければポートまたは流体コネクタの下にある非圧縮部分を囲む圧縮部分を含む吸収層を含まない本明細書に記載される実質的に類似した創傷被覆材と比較して減少され得る。
被覆材が、ポートが創傷から最も遠いように位置付けられると、吸収層の一つの圧縮部分または複数の圧縮部分は、ポートへの流体進行を制御または緩和できる。このように、吸収層の流体的に分離した非圧縮部分は、吸収層全体の流体分配および取扱いを支援することができる。吸収層の圧縮部分は、吸収層における流体の均一な取り込みをもたらし得る。流体の均一な取り込みは、流体がポートまで材料層を通して進行する能力を無効にすることによって達成される。流体がポートへと進行するのを防止する能力は、早すぎるポート領域の閉塞と療法の停止を防止できる。
上述の通り、図2Bに関して既に述べたような特定の実施形態では、流体(例えば、創傷滲出液)は、穴加工された創傷接触層222を通過することによって、被覆材100によって対処され、透過層226に入って、次いで吸収層221によって吸収されて保持される。次いで、流体は通気性のある裏当て層220を通して蒸発することができる。被覆材の不具合モードは、流体の進行、および液体の導入による流体コネクタの半透過性膜の早すぎる遮断によって引き起こされ得る。加えて、吸収層における流体の蓄積およびタンパク質クラスト形成は、被覆材が不具合モードの前に流体を裏当て層を通して効果的に蒸発させる能力を阻害し得る。
被覆材は、被覆材がその液体容量一杯になる前に、吸収層を早期に遮断することなくNPWTを送達できることが望ましい。被覆材の一部の実施形態は、例えば、流体コネクタへの流体経路の遮断により、3日目に不具合となる。吸収層は、先にポートで、またはその近くで優先的に飽和し、それによって閉塞をもたらし得る。したがって、上述のように、流体が被覆材から効果的に蒸発し、吸収層のその他の特定の領域が、ポートまたは流体コネクタの近くの領域より先に優先的に飽和されること、またはポートに隣接した吸収層の領域は全く飽和されないことを確実にすることが望ましい場合がある。
図17A~図17Bは、図1A~図2Bに記載した被覆材と類似した、創傷被覆材1700の一実施形態を示す。吸収層1721およびスペーサー層1726は、図2Bを参照して記載した吸収層221およびスペーサー層226と類似し得る。しかしながら、この実施形態では、吸収層1721およびスペーサー層または透過層1726が、隣り合わせて配置される。これら隣り合った吸収層1721およびスペーサー層または透過層1726は、創傷被覆材がその層の厚さによって画定される鉛直高さを有するとみなされ、被覆材の長さおよび幅が水平面に対して平行であるとき、同一水平面など、同一平面に位置付けられてもよい。吸収材は、図2Bに記載したように、スペーサー層の上部ではなく、スペーサー材料(気流層または透過層)の一方の側に配置され得る。
図17A~図17Bに示すように、カバー層または裏当て層1720は、吸収層1721およびスペーサー層1726の上に位置付けられ得る。カバー層1720は、図2A~図2Bを参照して説明した裏当て層220に類似し得る。カバー層1720は、間に吸収層1721およびスペーサー層1726を囲む被覆材の周囲で創傷接触層1722に封止され得る。創傷接触層1722は、図2Bを参照して記載した創傷接触層222と類似し得る。カバー層1720は、吸収層1721の上方にオリフィスまたはアパーチャを有し得る。
流体コネクタ1711は、オリフィスの上方に位置付けられ、陰圧源と流体連通し得る。流体コネクタ1711は、図2A~図2Bを参照しながら記載した流体コネクタ110と類似し得る。
被覆材は、図2A~図2Bを参照しながら記載したフィルタ要素と類似したフィルタ要素を含み得る。フィルタ要素はまた、例えば、活性炭、炭素繊維布もしくはVitec Carbotec-RT Q2003073発泡体、または類似のものといった臭気吸収材を含んでもよい。例えば、臭気吸収材は、フィルタ要素の層を形成してもよく、またはフィルタ要素内の疎水性微多孔膜間に挟まれてもよい。それゆえ、フィルタ要素によって、オリフィスを通して気体を排出することが可能になる。しかしながら、液体、微粒子および病原体は被覆材に包含される。一部の実施形態では、被覆材は、活性炭、シクロデキストリン、および/またはゼオライトを含む臭気フィルタまたは臭気吸収材を含み得る。一部の実施形態では、臭気フィルタおよび/または臭気吸収材は、本明細書に記載の任意の材料層に一体化されるか、またはその中に埋め込まれ得る。その他の実施形態では、臭気フィルタおよび/または臭気吸収材は、別個の層として被覆材に一体化され得る。
陰圧は、流体コネクタ1711および創傷被覆材1700を通して創傷部位に適用され得る。陰圧が適用されると、創傷滲出液はスペーサー層1726に引き込まれ、可能な場合、カバー層または裏当て層を通して被覆材から蒸発し得る。被覆材から蒸発しない過剰な流体は、吸収層1721に移動し得る。一部の実施形態では、吸収層1721は超吸収粒子または超吸収材を含み得る。一部の実施形態では、吸収層1721は、図2Bに示す穴228と類似した、裏当て層のオリフィスの下に位置付けられた縦穴(図示せず)を含み得る。その他の実施形態では、吸収層1721は、吸収材1721に穴を含まず、吸収層1721はオリフィスの下に位置付けられる。
吸収材がスペーサー層の上部に位置付けられる時、創傷流体は被覆材の吸収材によって吸収され、その後カバー層から蒸発し得る。スペーサー層の横に、またはスペーサー層と隣り合わせに吸収層を位置付けることにより、吸収層の早期遮断なしに、陰圧を被覆材を通して創傷に送達することを可能とし得る。スペーサー層は創傷上に置くことができる。裏当て層またはカバー層は、創傷滲出液からの液体が層を通って移動し、裏当て層の外表面から蒸発するようにすることができる。裏当て層の外表面は、被覆材が創傷上に配置された時、創傷部位に面しない表面、または創傷部位から最も遠い表面であり得る。従って、創傷流体は、創傷接触層を通ってスペーサー層内に入り、その後、カバー層を通して蒸発することができる。この構成では、創傷流体は、吸収材によって吸収され得る前に被覆材から蒸発し得る。
一部の実施形態では、液体量が蒸発し得る量を超える場合、過剰な流体は吸収材によって吸収される。一部の実施形態では、タンパク質クラスト形成または被覆材の吸収材のポートに進行する流体はほとんどないか全くないが、それは入る流体が少なく、吸収材によって吸収されるためである。
一部の実施形態では、隣り合った吸収層1721およびスペーサー層1726が、創傷接触層1722とカバー層1720の間の唯一の被覆材層とすることができる。その他の実施形態では、創傷被覆材は、隣り合った吸収層1721およびスペーサー層1726の上および/または下の追加的な層を含み得る。例えば、創傷被覆材は、隣り合った吸収層1721およびスペーサー層1726の上および/または下に位置付けられた複数の吸収層を含み得る。一部の実施形態では、創傷被覆材は、隣り合った吸収層1721およびスペーサー層1726の上および/または下に位置付けられた一つ以上のスペーサー層を含み得る。
図18は、隣り合った吸収材とスペーサー材料(左)を含む創傷被覆材、および積み重ねられた吸収層とスペーサー層(右)を含む創傷被覆材の実施形態の画像である。図18は、隣り合った吸収材およびスペーサー材料を有する創傷被覆材が、スペーサー層の上方に積み重ねられた吸収層を有する創傷被覆材と比較して、創傷流体に対してどのように異なった処理をするか、について示す。図18に示すように、隣り合った吸収層およびスペーサー層を有する被覆材内の流体は、吸収体を通ってポートの方へ移動しないが、その代わりにスペーサー層内に貯留する。右の被覆材は、積み重ねられた吸収層およびスペーサー層を含む。図18に示すように、積み重ねられた吸収層およびスペーサー層を有する被覆材は、吸収層内に収集された流体を示す。
図19A~図19Bは、スペーサー層の外側の周りに吸収体を有する、隣り合った吸収材とスペーサー材料を含む創傷被覆材の一実施形態を示す。吸収層1921およびスペーサー層1926は、隣り合わせに、または同一水平面に位置し得る。図19A~19Bに示すように、吸収層1921は、スペーサー層1926の外周の周りに位置し得る。一部の実施形態では、図19Aに示すように、スペーサー層1926は、吸収材によって囲まれ、創傷被覆材の複数の側面に配置され得る。その他の実施形態では、スペーサー層1926は、図19Bに示すように、スペーサー層1926の外周の周りに位置する吸収層1921を有する被覆材の中央に位置付けられ得る。一部の実施形態では、図示した通り、吸収層は、単一のオリフィスを含み、スペーサー層を受け得る。他の実施形態では、複数のオリフィスが提供され得る。吸収層およびスペーサー層は、類似した形状または相互に異なる形状を有し得る。図示したように、吸収層およびスペーサー層は両方とも長方形の形状を有し、随意に丸みのある角を有してもよい。
吸収層1921がスペーサー層1926の外周の周りに位置する時、設計は被覆材に漏洩保護も提供し得る。一部の実施形態では、吸収層は、被覆材の縁から漏れ出る流体ではなく、被覆材の縁部で過剰な流体を吸収することによって漏洩保護を提供し得る。一部の実施形態では、吸収層1921は超吸収粒子または超吸収材を含み得る。一部の実施形態では、超吸収粒子は、被覆材の漏洩保護の提供を支援することができる。
図19A~図19Bに示すように、カバー層1920は、吸収層1921およびスペーサー層1926の上に位置付けられ得る。カバー層1920は、間に吸収層1921およびスペーサー層1926を囲む被覆材の周囲で創傷接触層(図示せず)に封止され得る。カバー層1920は、オリフィスまたはアパーチャ(図示せず)を有し得る。オリフィスまたはアパーチャ(図示せず)は、吸収層1921の上方に位置付けられ得る。一部の実施形態では、吸収層1921は、図2Bに示す穴228と類似した、裏当て層のオリフィスの下に位置付けられた縦穴(図示せず)を含み得る。流体コネクタを吸収層上のカバー層のオリフィス上に適用して、陰圧を創傷被覆材に適用することができる。縦穴は、流体が吸収層によって吸収された時に流体コネクタの早すぎる閉塞を防止することができる。その他の実施形態では、吸収層1921は、裏当て層のオリフィスの下に縦穴を含まない。いくつかの実施形態では、カバー層1920は、スペーサー層1926の上に位置付けられたオリフィスまたはアパーチャ(図示せず)を有し得、流体コネクタをスペーサー層1926上のオリフィス上に適用し得る。
被覆材が、ポートが創傷から最も遠いように位置付けられる時、吸収層は創傷から遠くに位置付けられ、吸収層の隣のスペーサー層の構成は、ポートへの流体進行を制御または緩和し得る。スペーサー層は、創傷の上に配置されてもよく、創傷流体は、吸収材に接触する前に、創傷接触層を通過してスペーサー層に入り、被覆材から蒸発することができる。このように、隣り合ったスペーサー層および吸収層は、図2Bを参照して記載した積み重ねられた構成で見られるよりも、被覆材の不具合の前により多くの流体を被覆材から蒸発させることを可能にし得る。吸収層に到達する前にスペーサー層から流体を直接蒸発させる能力は、流体がポートに進行することを防止し、早すぎるポート領域の遮断と療法の停止を防止できる。
一部の実施形態では、陰圧の源(ポンプなど)、ならびに電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(例えば、ボタン、スイッチ、スピーカ、画面など)および同類のものなど、局所陰圧システムの他の構成要素の一部またはすべては、創傷被覆材と一体化し得る。一部の実施形態では、構成要素は、裏当て層の最上部下方、最上部内、最上部上、および/または裏当て層に隣接して統合され得る。一部の実施形態では、創傷被覆材は、創傷被覆材の層、および/または統合された構成要素のいずれの上に、位置決め用第二のカバー層または第二のフィルタ層を含み得る。第二カバー層は、被覆材の一番上の層であることができ、または局所陰圧システムの統合された構成要素を取り囲む別個の外皮であり得る。
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。(あらゆる特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)本明細書において開示されるすべての特徴、および/またはそのように開示されるあらゆる方法もしくはプロセスのすべての工程は、そのような特徴および/または工程のうち少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。一部の実施形態では、図示および/または開示されたプロセスにおいて実施される実際の工程は、図に示された工程とは異なり得ることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
本開示には、一定の実施形態、例、および適用例が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態および/または使用ならびにその明らかな変更形およびその等価物にまでおよび、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるはずである。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定されうる。
[付記項1]
創傷治療装置であって、
創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材であって、
創傷滲出液を吸収するための吸収層であって、前記吸収層が、吸収材の少なくとも第一の部分、および前記第一の部分から物理的に分離し、同一平面で前記第一の部分に隣接する吸収材の第二の部分を含む吸収層と、
前記吸収層上にあって、少なくとも一つのオリフィスを含む裏当て層と、
前記少なくとも一つのオリフィス上に位置付けられて、前記創傷部位に前記創傷被覆材を通して陰圧を供給するように構成された流体コネクタと、を含む、創傷被覆材を含む、創傷療法装置。
[付記項2]
前記吸収材の第一の部分が、前記吸収材の第二の部分から空間によって分離される、付記項1に記載の創傷治療装置。
[付記項3]
前記吸収層が、吸収材のそれぞれの物理的に分離した部分を分離する1~10mmの間隙を含む、付記項2に記載の創傷被覆材装置。
[付記項4]
前記裏当て層が、前記空間内に少なくとも部分的に延在する、付記項1~3のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項5]
前記裏当て層が、前記吸収材の第一の部分と第二の部分との間の空間内に延在するように構成された折り目を含む、付記項4に記載の創傷治療装置。
[付記項6]
前記裏当て層が、前記吸収層上に形成された真空であって、それによって前記吸収材の前記第一の部分と第二の部分との間の前記空間を充填する、付記項5に記載の創傷治療装置。
[付記項7]
前記吸収層の下に第一の透過層をさらに含む、付記項1~6のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項8]
前記裏当て層が、前記吸収材の第一の部分と第二の部分との間の空間内の透過層に接触する、付記項7に記載の創傷治療装置。
[付記項9]
前記第一の部分が前記第二の部分よりも大きい、付記項1~8のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項10]
前記吸収層が、複数の第二の部分をさらに含み、前記複数の第二の部分のそれぞれが、互いに第二の部分および前記第一の部分から物理的に分離している、付記項1~9のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項11]
前記吸収層は、それぞれ正方形、長方形、円形、五角形、六角形、八角形、および三角形から成る群から選択される形状を有する複数の物理的に分離した部分を含む、付記項1~10のいずれかに記載の創傷被覆材装置。
[付記項12]
前記吸収層が、長方形の形状を有する複数の物理的に分離した部分を含む、付記項1~11のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項13]
前記吸収層が、全てが同一の形状およびサイズを有する複数の部分を含む、付記項1~8および10~12のいずれかに記載の創傷被覆材装置。
[付記項14]
前記吸収層が、異なる形状およびサイズを有する複数の部分を含む、付記項1~8および10~12のいずれかに記載の創傷被覆材装置。
[付記項15]
前記吸収層が、規則的な繰り返しのグリッドパターンで配置された複数の部分を含む、付記項1~14のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項16]
前記吸収材の第一の部分が、前記裏当て層の前記オリフィスの下に位置付けられる、付記項1~15のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項17]
前記吸収層の下に創傷接触層をさらに含み、前記裏当て層に封止される、付記項1~16のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項18]
前記創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含む、付記項1~17のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項19]
前記吸収層の上に第二の透過層をさらに含む、付記項1~18のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項20]
前記流体コネクタがフィルタを含む、付記項1~19のいずれかに記載の創傷治療装置。
[付記項21]
創傷部位の治療のための創傷治療装置であって、
創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材であって、
創傷滲出液を吸収するための吸収層であって、それを通る流体の流れを阻害するように構成された少なくとも一つの圧縮部分を含む、吸収層と、
前記吸収層上の裏当て層と、を含む、創傷被覆材を含む、創傷治療装置。
[付記項22]
前記圧縮部分が、前記圧縮部分に隣接する前記吸収層の部分間の流体の流れを阻害する、付記項21に記載の創傷治療装置。
[付記項23]
前記圧縮部分がそれを通る流体の流れを遮断する、付記項21~22のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項24]
前記圧縮部分が、前記圧縮部分に隣接する前記吸収層の部分間の流体の流れを遮断する、付記項21~23のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項25]
前記吸収層が長さおよび幅を有し、前記圧縮部分が前記吸収層の幅全体にわたって延在する、付記項21~24のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項26]
それを通る前記流体の流れを阻害するように構成された少なくとも第一の圧縮部分および第二の圧縮部分を含む、付記項21~25のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項27]
前記吸収層が、長さおよび幅を有し、前記第一の圧縮部分および前記第二の圧縮部分が、前記吸収層の幅全体にわたってそれぞれ延在する、付記項26に記載の創傷治療装置。
[付記項28]
前記吸収層が、前記裏当て層の開口部の下に位置付けられた縦穴を含む、付記項21~27のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項29]
前記圧縮部分が吸収層の縦穴を囲む、付記項28に記載の創傷治療装置。
[付記項30]
前記吸収層が超吸収材を含む、付記項21~29のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項31]
前記吸収層が不織布材料を含む、付記項21~30のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項32]
前記吸収層が発泡体を含む、付記項21~29のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項33]
前記圧縮部分が、前記吸収材をカレンダー加工することによって形成される、付記項21~32のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項34]
前記裏当て層が少なくとも一つのオリフィスを含む、付記項21~33のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項35]
前記裏当て層の前記オリフィス上に位置付けられた流体コネクタをさらに含む、付記項34に記載の創傷治療装置。
[付記項36]
前記吸収層の下に創傷接触層をさらに含み、前記裏当て層に封止される、付記項21~35のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項37]
前記創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含む、付記項21~36のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項38]
創傷部位の治療のための創傷治療装置であって、
創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材であって、
スペーサー層と、
創傷滲出液を吸収するための吸収層であって、前記吸収層およびスペーサー層が隣り合わせに位置づけられる、吸収層と、
前記吸収層および前記スペーサー層上にあり、前記吸収層上に位置付けられた少なくとも一つのオリフィスを含む、裏当て層と、
前記少なくとも一つのオリフィス上に位置付けられて、前記創傷部位に前記創傷被覆材を通して陰圧を供給するように構成された流体コネクタと、を含む、創傷被覆材を含む、創傷療法装置。
[付記項39]
前記スペーサー層が前記創傷に陰圧を分配する、付記項38に記載の創傷治療装置。
[付記項40]
前記スペーサー層が、前記裏当て層と接触し、前記裏当て層が、創傷滲出液からの液体が前記裏当て層を通って移動し、前記裏当て層の外表面から蒸発することができるように構成される、付記項38~39のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項41]
前記吸収層が、前記スペーサー層の外周を囲む、付記項38~40のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項42]
前記吸収層が、前記スペーサーの外側の周りに漏洩保護を提供するように構成される、付記項41に記載の創傷治療装置。
[付記項43]
前記吸収層が、前記裏当て層の前記オリフィスの下に位置付けられた縦穴を含む、付記項38~42のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項44]
前記吸収層が超吸収材を含む、付記項38~43のいずれか一項に記載の陰圧創傷治療装置。
[付記項45]
前記吸収層が不織布材料を含む、付記項38~44のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項46]
前記吸収層が発泡体を含む、付記項38~43のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項47]
前記吸収層およびスペーサー層の下に創傷接触層をさらに含み、前記裏当て層に封止される、付記項38~46のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項48]
前記吸収層およびスペーサー層が、前記創傷接触層と前記カバー層との間に位置付けられた唯一の層である、付記項47に記載の創傷治療装置。
[付記項49]
前記隣り合った吸収層およびスペーサー層の下に位置付けられた一つ以上の追加的なスペーサー層をさらに含む、付記項38~47のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項50]
前記隣り合った吸収層およびスペーサー層の上に位置付けられた一つ以上の追加的なスペーサー層をさらに含む、付記項38~47および49のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項51]
前記隣り合った吸収層およびスペーサー層の下に位置付けられた一つ以上の追加的な吸収層をさらに含む、付記項38~47および49~50のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項52]
前記隣り合った吸収層およびスペーサー層の上に位置付けられた一つ以上の追加的な吸収層をさらに含む、付記項38~47および49~51のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項53]
前記創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含む、付記項38~52のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項54]
前記流体コネクタが前記吸収層上に位置付けられ、前記スペーサー層が前記流体コネクタから離れて、前記吸収層の隣に位置付けられる、付記項38~53のいずれか一項に記載の創傷治療装置。
[付記項55]
実質的に示されおよび/または説明されるような装置。
[付記項56]
創傷を治療するための、実質的に示されおよび/または説明されるような装置を使用する方法。

Claims (17)

  1. 創傷部位上に位置付けられるように構成された創傷被覆材(400、1200)であって、
    創傷滲出液を吸収するための吸収層(421、1221)であって、前記吸収層が、吸収材の少なくとも第一の部分、および前記第一の部分から物理的に分離し、同一平面で前記第一の部分に隣接する前記吸収材の第二の部分を含む吸収層と、
    前記吸収層上にあって、前記第一の部分上に位置付けられた少なくとも一つのオリフィスを含む裏当て層と、
    前記少なくとも一つのオリフィス上に位置付けられて、前記創傷部位に前記創傷被覆材を通して陰圧を供給するように構成された流体コネクタと、を含む、創傷被覆材を含み、
    前記吸収層の前記第二の部分が、規則的な繰り返しのグリッドパターンで配置された複数の部分を含む、創傷治療装置。
  2. 前記吸収材の前記第一の部分が、前記吸収材の前記第二の部分から空間によって分離される、請求項1に記載の創傷治療装置。
  3. 前記吸収層が、吸収材のそれぞれの物理的に分離した部分を分離する1mm~10mmの間隙を含む、請求項2に記載の創傷治療装置
  4. 前記裏当て層が、前記空間内に少なくとも部分的に延在する、請求項2または3に記載の創傷治療装置。
  5. 前記裏当て層が、前記吸収材の前記第一の部分と前記第二の部分との間の前記空間内に延在するように構成された折り目を含む、請求項4に記載の創傷治療装置。
  6. 前記裏当て層が、前記吸収層上に形成された真空によって前記吸収材の前記第一の部分と前記第二の部分との間の前記空間を充填する、請求項5に記載の創傷治療装置。
  7. 前記吸収層の下に第一の透過層をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の創傷治療装置。
  8. 前記裏当て層が、前記吸収材の前記第一の部分と前記第二の部分との間の空間内の透過層に接触する、請求項7に記載の創傷治療装置。
  9. 前記第一の部分が前記第二の部分よりも大きい、請求項1~8のいずれかに記載の創傷治療装置。
  10. 前記第二の部分の前記複数の部分のそれぞれが、当該部分と互いに、および、前記第一の部分から、物理的に分離している、請求項1~9のいずれかに記載の創傷治療装置。
  11. 前記吸収層が、長方形の形状を有する複数の物理的に分離した部分を含む、請求項1~10のいずれかに記載の創傷治療装置。
  12. 前記吸収層が、全てが同一の形状およびサイズを有する複数の部分を含む、請求項1~8、10、11のいずれかに記載の創傷治療装置
  13. 前記吸収層が、異なる形状およびサイズを有する複数の部分を含む、請求項1~8、10、11のいずれかに記載の創傷治療装置
  14. 前記吸収層の下に創傷接触層をさらに含み、前記裏当て層に封止される、請求項1~13のいずれかに記載の創傷治療装置。
  15. 前記創傷被覆材を通して創傷部位と流体連通するように構成された陰圧源をさらに含む、請求項1~14のいずれかに記載の創傷治療装置。
  16. 前記吸収層の上に第二の透過層をさらに含む、請求項1~15のいずれかに記載の創傷治療装置。
  17. 前記流体コネクタがフィルタを含む、請求項1~16のいずれかに記載の創傷治療装置。
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