JP6543514B2 - モール - Google Patents

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本発明は、車両のウィンドガラスなどに取り付けられるモールに関する。
特許文献1などにより、車両に設けられるモールが知られている。このモールは、例えば、ウィンドガラスの外周部に設けられ、ウィンドガラスとボディパネルとの間の隙間を埋めている。このモールには、長手方向に延びる取付溝が形成された取付部が設けられている。ウィンドガラスの外周部をこの取付溝に嵌め込むことにより、モールがウィンドガラスに取り付けられている。
特開2002−307940号公報
ところで、特許文献1に記載のモールは、ウィンドガラスの外周部の直線的な部位に取り付けられている。しかし、近年では車両のデザインの要請上、湾曲したウィンドガラスの外周部の曲線的な部位にモールを取り付けることがある。湾曲した部位に特許文献1に記載のモールを取り付けると、モールが該湾曲形状に沿って変形しにくく、モールがウィンドガラスから外れてしまう恐れがあった。
そこで本発明は、車両の取付部品から外れにくいモールを提供することを目的とする。
本発明によれば、
(1)車両に取り付けられる取付部品の外周部が挿入される取付溝が長手方向に形成された取付部を有する長尺のモールであって、
少なくとも一部が前記取付部品の外縁より内周側に設けられた係止部より前記取付部品の内周側に位置して、前記係止部に係止される被係止部を備えている、モールが提供される。
本発明に係るモールによれば、被係止部が、取付溝に挿入された外周部の外縁より内周側に設けられた係止部に係止される。取付溝と被係止部とが協働してモールが取付部品の外周部に取り付くため、取付部品の外周部が湾曲していても、その湾曲形状に合わせてモールが変形しやすく、モールが取付部品から外れにくい。
(2)上記本発明に係るモールにおいて、
前記係止部を前記被係止部に誘い込むテーパ部を有してもよい。
上記本発明に係るモールによれば、モールを取付部品に取り付ける際に係止部がテーパ部によって被係止部に誘い込まれる為、モールが取付部品から外れにくくかつモールを取付部品に取り付けやすい構造とすることができる。
(3)上記本発明に係るモールにおいて、
前記被係止部には、前記取付部品と線接触可能なリブが、前記モールの長手方向と直交する方向に延びるように設けられていてもよい。
上記本発明に係るモールによれば、リブによってモールが取付部品に対して線接触するため、モールの取付部品に対する姿勢が安定しやすい。
(4)上記本発明に係るモールにおいて、
前記モールの長手方向において前記取付部と前記被係止部の間に、前記モールの剛性が低減された変形容易部が設けられていてもよい。
上記本発明に係るモールによれば、変形容易部を利用してモールを取付部品の外周部の湾曲に沿って変形させやすい。
(5)上記本発明に係るモールにおいて、
前記係止部が前記外周部から突き出す凸状であり、前記被係止部は挿通された前記係止部を囲む孔であってもよい。
取付部品の外周部の湾曲形状によっては、モールが取付部品に対して離間しようとして、様々な方向に弾性復元力が作用する。しかし、上記本発明に係るモールによれば、被係止部が係止部を囲む孔であるため、モールの弾性復元力がいずれの方向に作用しても、被係止部が該弾性復元力に抗して取付部品の外周部の湾曲形状に沿ってモールを変形させることができる。これにより、取付部品から外れにくいモールが提供される。
(6)上記本発明に係るモールにおいて、
前記モールの長手方向と直交する断面において、前記取付部品の前記外周部と対向して延びる意匠部と、
前記モールの長手方向と直交する断面において、前記意匠部の裏面から突き出て、前記意匠部と対向して延びる壁部を有し、前記壁部と前記意匠部との間に、前記取付部品の前記外周部が嵌め込まれる前記取付溝が形成された前記取付部と、を有してもよい。
上記本発明に係るモールによれば、意匠部の裏面に取付部が設けられているため、モールを取付部品に取り付けた状態で、取付部が露出されず、モールの意匠性を損なわない。
本発明によれば、車両の取付部品から外れにくいモールが提供される。
本発明の実施形態に係るモールが搭載された車両を示す図である。 モールを示す図である。 図2の(b)のIII部分の拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 取付クリップを裏側から見た斜視図である。 図3のVI−VI線断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るモール1を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るモール1が搭載された車両Vを示す図である。図1に示すように、例えば、モール1は、車両Vに取り付けられるクォーターガーニッシュと呼ばれる樹脂部品10(取付部品の一例)の外周部11に取り付けられる。モール1は、車両Vの意匠性を高めたり、樹脂部品10と車両Vとの隙間を埋めて水密性や気密性を高めている。
本実施形態のモール1は、樹脂部品10の下端の外周部11に取り付けられる。樹脂部品10は、車両Vの車体ボディBに取り付けられている。この樹脂部品10の下端の外周部11は、前後方向に延びている。この樹脂部品10は、車両の前方から後方へ向かって車両の室内側に向かって湾曲した形状を有している。
図2は、モール1を示す図である。図2の(a)はモール1の上面図である。図2の(b)は、樹脂部品10に取り付けられたモール1を車両Vの室内側から見た側面図である。図2の(c)は、(a)におけるc−c線断面図である。
樹脂部品10の下端の外周部11は、図2の(a)に示すように上面視で車両Vの前方から後方に向かって車両Vの外方から内方に向かって湾曲し、かつ、図2の(b)に示すように側面視で略直線的な形状をしている。図2の(c)に示すように、モール1は、樹脂部品10の下端の外周部11に沿って延びる長尺状の部材である。
図2の(c)に示したように、モール1は、モール本体20と、上リップ30と、下リップ40と、取付クリップ50とを備えている。
モール本体20は樹脂やゴムなどにより形成されている。モール本体20は、樹脂部品10の下端の外周部11に沿って延びる長尺状の部材である。
取付クリップ50は、モール本体20の後端に設けられている。取付クリップ50はインジェクション成形でモール本体20に形成されている。
上リップ30は、モール本体20よりも弾性変形が容易な樹脂やゴムにより形成されている。上リップ30は、押出成形でモール本体20に成形されている。上リップ30は、モール本体20と樹脂部品10との間に設けられて、モール本体20と樹脂部品10との間を埋めている。
下リップ40は、モール本体20よりも弾性変形が容易な樹脂やゴムにより形成されている。下リップ40は、押出成形でモール本体20に成形されている。下リップ40は、モール本体20と車体ボディBとの間に設けられて、モール本体20と車体ボディBとの間を埋めている。
モール本体20は、樹脂部品10への取付時に表面に露出される意匠部21と、意匠部21の裏側(車両Vの内方)に設けられた取付部22を有する。モール本体20の長手方向と直交する断面において、意匠部21は、樹脂部品10の外周部11と対向して延びている。この断面において、取付部22は、意匠部21の裏面21aから突き出している。
取付部22は、意匠部21と対向して延びる壁部23を有している。意匠部21と壁部23との間に取付溝24が形成されている。この取付溝24には、樹脂部品10の外周部11が嵌め込まれる。取付溝24は、図2の(b)に示すように、モール本体20の長手方向に沿って延びている。
次に、モール1の取付クリップ50について、図3から図6を用いて詳細に説明する。図3は、図2の(b)のIII部分の拡大図である。図4は、図3のIV−IV線断面図である。
取付クリップ50は、インジェクション成形でモール本体20に形成されている。図3に示すように、取付クリップ50は、樹脂部品10の係止部12に係合される被係止部51を備えている。
図4に示すように、樹脂部品10の係止部12は、樹脂部品10の外縁rより内周側に設けられている。係止部12は、樹脂部品10から車両Vの内方に向かって突き出している。
取付クリップ50の被係止部は、モール本体20の意匠部21から意匠部21の反対側に突き出た被係止部51を備えている。被係止部51と意匠部21との間に、樹脂部品10の外周部11が挿入されるクリップ側取付溝52が設けられている。このクリップ側取付溝52は、上記した取付溝24と同様の形状をしている。
被係止部51の少なくとも一部51aは、係止部12よりも樹脂部品10の内周側に位置している。被係止部51は、樹脂部品10の外周部11から突き出た係止部12が挿入可能な孔56を有している。取付クリップ50の被係止部51が樹脂部品10の係止部12に係止されることにより、モール1が樹脂部品10に取り付けられる。
被係止部51は意匠部21の裏側に設けられている。モール1が樹脂部品10に取り付けられたときに、被係止部51が外部に露出しないので、モール1の意匠性を損ねることがない。
取付クリップ50の上端面には、係止部12を被係止部51に誘い込むテーパ部53が設けられている。図示の例では、係止部12にも、テーパ部53に対応する傾斜部14が設けられている。
モール1を樹脂部品10に取り付ける際には、図4の矢印A方向にモール1を樹脂部品10に対して移動させる。このとき、取付クリップ50のテーパ部53が樹脂部品10の傾斜部14に当接して、被係止部51が車両Vの内方へ弾性変形し、係止部12が被係止部51の孔56に誘い込まれるため、モール1が樹脂部品10から外れにくく、かつ、モール1を樹脂部品10へ取り付けやすい構造とすることができる。
図3に戻り、取付クリップ50の後端部は、装飾部54とされている。この装飾部54は、モール1が樹脂部品10に取り付けられたときに車両Vの表面に露出される。端部を装飾する装飾部54がモール1に一体的に形成されているため、装飾用の部品を別途設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
図5は、取付クリップ50を車内側から見た斜視図である。図6は、図3のIV−IV線断面図である。図5に示すように、取付部22の意匠部21と対向する面には、細長いリブ55が設けられている。このリブ55は、モール1の長手方向と直交する方向に延びている。一対のリブ55が、孔56の両側に設けられている。
図6に示すように、リブ55は、モール1が樹脂部品10に取り付けられた状態で、樹脂部品10と線接触する。このため、モール1が樹脂部品10に取り付けられた状態において、モール1の樹脂部品10に対する取付姿勢が安定する。
本実施形態に係るモール1は、図3に示したように、少なくとも一部51aが樹脂部品10の外縁rより内周側に設けられた係止部12より樹脂部品10の内周側に位置して、係止部12に係止される被係止部51を備えている。このため、被係止部51が、取付溝24に挿入された外周部11の外縁rより内周側(根本側)に設けられた係止部12に係止される。取付溝24と被係止部51とが協働してモール1が樹脂部品10の外周部11に取り付くため、モール1が樹脂部品10から外れにくい。
特に、本実施形態に係るモール1は、湾曲した取付対象に対しても、強固に取り付けることができる。
例えば、樹脂部品10は、前方から後方へかけて車両の内方に向かって湾曲している。このため、この樹脂部品10にモール1を取り付けると、モール1の後部が樹脂部品10に沿って変形しにくく、モール1の後部が樹脂部品10から離れようとする力がモール1に作用する。
しかし、本実施形態に係るモール1は、意匠部21の裏側に被係止部51を備えている。このため、係止部12と被係止部51の係合により、モール1の後部を車両の内方へ向かって湾曲した姿勢が維持されやすい。このように、本実施形態に係るモール1は、湾曲した樹脂部品10に強固に取り付けられる。
本実施形態に係るモール1は、変形容易部57を備えている。図2の(a)および(b)に戻り、モール1の長手方向において取付部22と被係止部51との間に、モール1の剛性が低減された変形容易部57が設けられている。
図示の例においては、モール1の前端から後方へ向かって取付部22が連続的に設けられており、この変形容易部57で取付部22が途切れている。また、変形容易部57からモール1の後端に至る位置に被係止部51を有する取付クリップ50が設けられている。つまり、変形容易部57は、意匠部21の裏面に取付部22と被係止部51が設けられていない領域である。
この変形容易部57を利用して、取付部22と取付クリップ50の間を変形させやすく、モール1を樹脂部品10の外周部11の湾曲に沿って変形させやすい。
また、本実施形態に係るモール1において、係止部12が外周部11から突き出す凸状であり、被係止部51は挿通された係止部12を囲む孔56である。
樹脂部品10の外周部11の湾曲形状によっては、モール1が樹脂部品10に対して離間しようとして、様々な方向に弾性復元力が作用する。しかし、本実施形態に係るモール1によれば、被係止部51が係止部12を囲む孔56であるため、モール1の弾性復元力がいずれの方向に作用しても、被係止部51が該弾性復元力に抗して樹脂部品10の外周部11の湾曲形状に沿ってモール1を変形させることができる。これにより、樹脂部品10から外れにくいモール1が提供される。
また、上述した実施形態において、被係止部51が長手方向の端部に設けられた例を説明したが、本発明はこれに限られず、長手方向のどこに設けられていてもよい。例えば、モールのうち、ガラス部品の湾曲部分に対応する位置に被係止部を設けると、モールのガラス部品に対する取り付け強度を高めやすい。
また、上述の実施形態では、前方から後方へ向かって車両の内方へ湾曲した樹脂部品10の外周部11に取り付けられるモール1を説明したが、本発明はこれに限られない。本発明は、次に説明するように、上下方向に湾曲したガラス部品へも強固に取り付けることができる。
図2の(c)に示したように、本実施形態のモール1の意匠部21は、厚みが比較的薄く、幅広の形状をしている。本実施形態では、意匠部21の厚み方向は車両Vの内外方向である。また、意匠部21は、前後方向に延びる長手方向、および意匠部21の上下方向に延びる幅方向に広がっている。このため、モール1は、意匠部21の厚み方向には剛性が低く変形しやすいが、意匠部21の幅方向には剛性が高く変形しにくい。つまり、図2の(c)において、モール1は上下方向に変形しにくい。
このため、樹脂部品10の外周部11が上下方向に湾曲している場合、例えば、樹脂部品10の外周部11の下部が、前方から後方に向かうにつれて、下方から上方に向かって湾曲している場合には、モール1の意匠部21が樹脂部品10の外周部11に沿って変形しにくい。しかし、本実施形態に係るモール1は、被係止部51を備えているので、被係止部51を樹脂部品10の係止部12に係止させることにより、モール1の後端部が上方に湾曲した姿勢でモール1を保持することができる。
なお、本発明に係るモール1は、上記したように車両の内外方向や上下方向に湾曲している部位に限らず、さまざまに湾曲した部位に好適に取り付けることができることは言うまでもない。
上述した実施形態において、モール1が樹脂部品10の下方の外周部に取付られる例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、クォーターガーニッシュの上方の外周部、前方の外周部、後方の外周部に取り付けることができる。また、本発明に係るモールは、クォーターガーニッシュなどの樹脂部品に限らず、フロントドアに設けられるウィンドガラス、リアドアに設けられるウィンドガラス、フロントガラス、リアガラス、ルーフガラスなどのガラス部品や、クォーターガーニッシュ以外の車両に取り付けられるガーニッシュなどの取付部品に取り付けてもよい。
なお、上述の実施形態では、係止部12が外周部11から突き出す凸状であり、被係止部51は挿通された係止部12を囲む孔56である例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、被係止部51が係止部12に向かって突き出す凸状であり、係止部12が挿通された凸状の被係止部51を囲む孔であってもよい。あるいは、係止部12または被形成部51の孔が貫通孔であっても有底の孔であってもよい。
なお、上述の実施形態では、取付クリップ50がインジェクション成形でモール本体20に形成されている例を説明したが、本発明はこれに限られない。取付クリップ50をモール本体20と別体に形成しておき、取付クリップ50を接着剤、カシメ、熱溶着などでモール本体20に固定してもよい。
また、上リップ30や下リップ40が押出成形でモール本体20に成形されている例を説明したが、本発明はこれに限られない。上リップ30や下リップ40をモール本体20と別体に形成しておき、上リップ30や下リップ40を接着剤、熱溶着などでモール本体20に固定してもよい。
1 モール
10 樹脂部品
11 外周部
12 係止部
13 車体ボディ
14 傾斜部
20 モール本体
21 意匠部
21a 意匠部の裏面
22 取付部
23 壁部
24 取付溝
30 上リップ
40 下リップ
50 取付クリップ
51 被係止部
52 クリップ側取付溝
53 テーパ部
54 装飾部
55 リブ
56 孔
57 変形容易部
V 車両
B 車体ボディ
r ガラス部品の外縁

Claims (7)

  1. 車両に取り付けられる取付部品の外周部が挿入される取付溝が長手方向に形成された取付部を有する長尺のモールであって、
    少なくとも一部が前記取付部品の外縁より内周側に設けられた係止部より前記取付部品の内周側に位置して、前記係止部に係止される被係止部を備えており
    前記被係止部には、前記取付部品と線接触可能なリブが、前記モールの長手方向と直交する方向に延びるように設けられている、モール。
  2. 前記モールの長手方向において前記取付部と前記被係止部の間に、前記モールの剛性が低減された変形容易部が設けられている、請求項1に記載のモール。
  3. 車両に取り付けられる取付部品の外周部が挿入される取付溝が長手方向に形成された取付部を有する長尺のモールであって、
    少なくとも一部が前記取付部品の外縁より内周側に設けられた係止部より前記取付部品の内周側に位置して、前記係止部に係止される被係止部を備えており、
    前記モールの長手方向において前記取付部と前記被係止部の間に、前記モールの剛性が低減された変形容易部が設けられている、モール。
  4. 前記被係止部には、前記取付部品と線接触可能なリブが、前記モールの長手方向と直交する方向に延びるように設けられている、請求項3に記載のモール。
  5. 前記係止部を前記被係止部に誘い込むテーパ部を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のモール。
  6. 前記係止部が前記外周部から突き出す凸状であり、前記被係止部は挿通された前記係止部を囲む孔である、請求項1からのいずれか一項に記載のモール。
  7. 前記モールの長手方向と直交する断面において、前記取付部品の前記外周部と対向して延びる意匠部と、 前記モールの長手方向と直交する断面において、前記意匠部の裏面から突き出て、前記意匠部と対向して延びる壁部を有し、前記壁部と前記意匠部との間に、前記取付部品の前記外周部が嵌め込まれる前記取付溝が形成された前記取付部と、を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のモール。
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