JP5081045B2 - 投写用ズームレンズおよび投写型表示装置 - Google Patents

投写用ズームレンズおよび投写型表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、プロジェクタ等に搭載される5群構成で3群ズーム移動タイプの投写用ズームレンズおよびその投写用ズームレンズを搭載した投写型表示装置に関し、特に、透過型あるいは反射型の液晶表示装置やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)表示装置等のライトバルブからの映像情報を担持した光束をスクリーン上に拡大投影する投写用ズームレンズおよび投写型表示装置に関するものである。
近年のプロジェクタにおいては、RGB3原色の照明光に対応した3枚のライトバルブを用い、個々のライトバルブで変調された光をプリズム等で合成し、投写用レンズを介してスクリーンに画像を表示する構成をとるものが広く利用されている。
上述したライトバルブにおいては小型化・高精細化が急激に進み、また、パソコンの普及と相俟って、このようなプロジェクタを用いてプレゼンテーションを行うことの需要も増加しているため、プロジェクタに対して、より高性能で、より小型・軽量なものへの要求が高まってきており、これに伴い投写用レンズに関しても、そうした要求に見合ったものが必要とされている。
ところで、3枚のライトバルブからの変調光を色合成光学系で合成して投写するタイプのプロジェクタにおいて、投写用レンズにはプリズム等を配置するための長いバックフォーカスが必要になる。また、色合成光学系では入射光の入射角度に応じて分光特性が変化するため、投写用レンズは縮小側から見た入射瞳が十分遠方に位置するという特性、すなわちテレセントリック性を有することが要求される。また、レンズの明るさと、撮像デバイスの解像度に見合った収差補正も必要とされる他、フロント投写型の場合は、設置性の観点からズーム機能と広画角も要求される。さらに、ライトバルブの小型化、モバイル用途の需要増加、および装置の低価格化などに応じ、投写用レンズも他の部材と同様に小型化・軽量化を強く求められている。
このような要求にある程度応えた投写用レンズとしては、拡大側から順に負−正−正−正または負−正の5群構成とし、変倍時には、第1群と第5群を固定とする一方、第2群と第3群と第4群を各々光軸方向に可動させる、下記特許文献1、2などに開示されたタイプのものが知られている。
特許第3954736号公報 特開2006−162734号公報
しかしながら、上記特許文献1、2記載のものでは、諸収差のバランスという観点において、投写用レンズに要求される昨今の高い要求に十分応えたものとはされていなかった。
ところで、例えばレンズ枚数を増やす、あるいはズーム移動群を増やす、ということで光学設計の自由度を増やせばレンズの性能を向上させることはできる。しかし、レンズの性能の向上をこのような部品点数の増加に頼れば、大型化やコスト増に直結し、さらにはレンズ系全体での硝材の厚みが増加することで分光透過率の低下を招く。分光透過率の低下は、とりわけ短波長側において顕著であり、投写用レンズを通過した後の投影画像を直接調整できないプロジェクタにおいては特に不利な要素となる。
また、非球面の使用は収差補正の有力な手段であり、1枚の非球面レンズに複数枚の球面レンズを代替させて性能を維持しながら光学系を小型化することも可能である。
しかし、その一方で非球面レンズは、高い部品精度、組立精度が必要となるため多用すると製造の難易度が上がり、さらに、小ロット生産ではコスト面で不利になるといった問題がある。
したがって、実際のレンズ設計においては、小型化、低コスト化、量産適性といった多種多様な要求を満足させつつ、投写用レンズに求められている高い光学性能を得ることのできるレンズ構成を構築していく必要がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、昨今の投写用レンズに求められている小型化、低コスト化、量産適性等の要求を満足させつつ、高い光学性能を得ることのできる投写用レンズおよびこれを用いた投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明の投写用ズームレンズは、
拡大側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、および正の屈折力の第5レンズ群からなり、
前記第1レンズ群が非球面を有するとともに、前記第4レンズ群中の最も拡大側のレンズが非球面を有し、前記第5レンズ群が1枚の正レンズからなり、
変倍時には、前記第1レンズ群と前記第5レンズ群が固定とされる一方、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群は各々可動とされ、かつ広角端から望遠端への変倍時において、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が、光軸に沿って拡大側に移動するように構成され、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とするものである。
0.8<d34/fw (1)
ただし、
fw :広角端における全系の焦点距離
d34:広角端における、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の空気間隔
この場合において、前記第4レンズ群は、拡大側から順に、拡大側に凹面を向けた負レンズ、拡大側に凹面を向けた負レンズと縮小側に凸面を向けた正レンズを接合してなる接合レンズ、および縮小側に凸面を向けた正レンズからなることが好ましい。なお、上記接合レンズは、負レンズが拡大側に位置することが、より好ましい。
また、前記第4レンズ群中で最も拡大側に位置する非球面レンズの拡大側の面は、光軸上で該面と接する、該面と同一符号かつ同一曲率を有する球面よりも、光軸上以外の領域において、縮小側に位置する曲面とされていることが好ましい。
また、上記投写用ズームレンズにおいて下記条件式(2)〜(4)を満足することが好ましい。
0<|d/fw|<1.00 (2)
1.75<ndp (3)
1.75<ndn (4)
ただし、
d:前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の、広角端における合成レンズ群の拡大側焦点位置から、前記第4レンズ群の最も拡大側に位置するレンズの拡大側面頂点までの距離
ndp:前記第2レンズ群中の各正レンズのd線に対する屈折率の平均値
ndn:前記第4レンズ群中の各負レンズのd線に対する屈折率の平均値
また、前記第1レンズ群中の最も拡大側のレンズが拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズであり、該負のメニスカスレンズの縮小側の面が非球面とされてなることが好ましい。
そして、この場合において、前記第1レンズ群中の最も拡大側のレンズは、ガラスレンズの表面に樹脂層を付設し、該樹脂層の、該ガラスレンズ側とは反対側の面を非球面とした、複合型非球面レンズであることが好ましい。
また、本発明の投写型表示装置は、光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、上述したいずれかの投写用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投写用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とするものである。
なお、上記において、「拡大側」とは投影面側(final image側)のことを意味し、また、「縮小側」とは光源側(original image側)のことを意味する。
本発明の投写用ズームレンズによれば、レンズ系全体を、拡大側から順に負−正−正−正−正の5群に分割するとともに、中間に位置する3つのレンズ群を変倍時に可動とし、また、第1レンズ群に非球面を設けるとともに、第4レンズ群中の最も拡大側のレンズに非球面を設け、第5レンズ群を1枚の正レンズで構成するようにしている。さらに、上記条件式(1)を満足するようにして、広角端における、第3レンズ群と第4レンズ群の間の空気間隔を所定値以上に大きくとるように構成している。
これにより、レンズのパワーを適切に配分することができ、また、収差補正を行うための非球面を効率よく配置することができ、少ない非球面レンズによって諸収差を良好に補正することができる。特に、第4レンズ群を正の屈折力とするとともに、このレンズ群中に配した、上記非球面を設けたレンズの拡大側に大きな空気間隔を設けるようにしているから、全系で最も拡大側のレンズを凹レンズとすることができ、歪曲を良好に補正できるとともに諸収差のバランスを極めて良好にでき、1.2倍程度の変倍比を有することが可能であるにも拘わらず、小型で明るく広角なズームレンズを構築することが可能である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示す実施形態(実施例1のものを代表させて示している)の投写用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G、各々正の屈折力を有する第2レンズ群G〜第5レンズ群Gを備え、縮小側が略テレセントリックに構成されており、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設される。なお、図中zは光軸を表している。
ここで第1レンズ群Gは、拡大側に凸面を向けた非球面負レンズ(各実施例のものでは複合非球面レンズ)よりなる第1レンズLおよび負レンズよりなる第2レンズLからなる。また、第2レンズ群Gは、正レンズよりなる第3レンズLおよび正レンズよりなる第4レンズLからなる。また、第3レンズ群Gは、正レンズよりなる第5レンズLと、負レンズよりなる第6レンズLとを接合してなる接合レンズからなる。また、第4レンズ群Gは、拡大側から順に、拡大側に凹面を向けた非球面負レンズ(以下の各実施例において、少なくとも光軸近傍で負の屈折力を有する)よりなる第7レンズLと、拡大側に凹面を向けた負レンズよりなる第8レンズLおよび縮小側に凸面を向けた正レンズよりなる第9レンズLを接合してなる接合レンズと、正レンズよりなる第10レンズL10からなる。また、第5レンズ群Gは、正レンズよりなる第11レンズL11のみからなる。
また、第1レンズ群G中の最も拡大側の第1レンズLが拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとされ、該第1レンズLの縮小側の面が非球面とされてなることが好ましい。このように第1レンズ群G中の最も拡大側に非球面レンズを配設したことにより、各画角毎に歪曲を独立して補正することができるので、効率的に収差補正を行うことができ、また、レンズ系の小型化を図ることができる。
また、この第1レンズLを、ガラスレンズの表面に樹脂層を付設し、該樹脂層の、該ガラスレンズ側とは反対側の面を非球面とした、複合型非球面レンズとすることにより、上述した歪曲補正の効率化とレンズ系の小型化を、より促進することができる。
また、第4レンズ群G中で最も拡大側に位置する非球面レンズである第7レンズLは両面が非球面とされていることが好ましく、拡大側の面は、図2に示すように、光軸z上にて該面に接する、該面と同一符号かつ同一曲率(R13)を有する球面Pよりも、光軸z上以外の領域において、より縮小側に位置する曲面とされていることが好ましい。このように、第7レンズLの拡大側の非球面が、球面Pよりも縮小側に位置するような形状とされたことにより、球面収差の補正をより良好なものとすることが可能である。
また、第4レンズ群Gは、拡大側から順に、拡大側に凹面を向けた負の非球面レンズ(各実施例のものでは第7レンズL)、拡大側に凹面を向けた負レンズ(各実施例のものでは第8レンズL)と縮小側に凸面を向けた正レンズ(各実施例のものでは第9レンズL)を接合してなる接合レンズ、および縮小側に凸面を向けた正レンズ(各実施例のものでは第10レンズL10)からなることが好ましい。第4レンズ群Gをこのような構成とすることにより、球面収差の補正において有利となり、また軸上、倍率いずれの色収差の補正においても有利となり、さらに全系縮小側におけるテレセントリック性を確保することが容易となる。
また、本実施形態の投写用ズームレンズは、変倍時において、3つのレンズ群G、G、Gを光軸z方向に移動させることにより、ズーム機能を有する構成とされている。このように変倍時の移動群を、第2レンズ群G、第3レンズ群Gおよび第4レンズ群Gの3つのレンズ群とすることにより、収差補正をより良好なものとすることができる。
また、広角端から望遠端への変倍に際し、移動レンズ群は、いずれも拡大側に移動するように構成することが好ましい。本実施形態のものでは、このように構成することにより、より変倍比を大きく設定することが可能となる。
ただし、これは、上記移動レンズ群の各々について、広角端での位置よりも望遠端での位置の方が、より拡大側に設定されていることを意味しているのであって、中間領域において一旦縮小側に移動することを排除するものではない。
また、フォーカス調整は、一般には、第1レンズ群Gを光軸方向に移動させることにより行われる。
なお、本実施形態の投写用ズームレンズの明るさは、ズーミング時において、第3レンズ群Gと第4レンズ群Gとの間の構造的なフレーム形状によって定まっているが、適宜絞り(マスクとすることも可)を所定位置に配置して調整することも可能である。
また、本実施形態に係る投写用ズームレンズは、下記条件式(1)を満足するように構成されており、さらに、下記条件式(2)〜(4)を満足することが好ましい。
0.8<d34/fw (1)
0<|d/fw|<1.00 (2)
1.75<ndp (3)
1.75<ndn (4)
ただし、
fw :広角端における全系の焦点距離
d34:広角端における、第3レンズ群Gと第4レンズ群Gの空気間隔
d :第4レンズ群Gと第5レンズ群Gの広角端における合成レンズ群の拡大側焦点位置から、第4レンズ群Gの最も拡大側のレンズの拡大側面頂点までの距離
ndp:第2レンズ群G中の各正レンズのd線に対する屈折率の平均値
ndn:第4レンズ群G中の各負レンズのd線に対する屈折率の平均値
ここで、上述した条件式(1)〜(4)の技術的意義について説明する。
まず、条件式(1)は、広角端における全系の焦点距離に対する、広角端における、第3レンズ群Gと第4レンズ群Gの空気間隔の比を規定したもので、歪曲を良好に補正するための条件式である。条件式(1)の下限を下回った場合は、負の歪曲が増大し、拡大側の糸巻き歪曲を悪化させる要因となる。
なお、条件式(1)に替えて、下記条件式(1´)を満足するように設定することにより、上記作用効果がより良好なものとなる。
0.8<d34/fw<1.3 (1´)
また、条件式(2)は、設計上の瞳の位置を適切に規定するための条件式であり、条件式(2)の範囲を外れると、第4レンズ群G中の非球面によって球面収差を効果的に補正することが難しくなる。
なお、条件式(2)に替えて、下記条件式(2´)を満足するように設定することにより、上記条件式(2)の作用効果がより良好なものとなる。
0.30<|d/fw|<0.70 (2´)
また、条件式(2´)に替えて、下記条件式(2´´)を満足するように設定することにより、上記条件式(2)の作用効果がさらに良好なものとなる。
0.45<|d/fw|<0.60 (2´´)
また、条件式(3)は、第2レンズ群G中の各正レンズのd線に対する屈折率の平均値を規定したもので、像面湾曲を良好に補正するための条件式である。
この条件式(3)の下限を下回った場合は、ペッツバール和が増大し、像面の倒れを招く要因となる。
また、条件式(4)は、第4レンズ群G中の各負レンズのd線に対する屈折率の平均値を規定したもので、球面収差と色収差を良好に補正するための条件式である。この条件式(4)の下限を下回った場合は、球面収差と色収差を良好に補正することが難しくなる。
ここで、下記各実施例の投写用ズームレンズは、いずれも非球面レンズを含むものであり、その非球面形状は下記非球面式により表わされる。
Figure 0005081045
次に、上述した投写用ズームレンズを搭載した投写型表示装置の一例を図10により説明する。図10に示す投写型表示装置は、ライトバルブとして透過型液晶パネル11a〜cを備え、投写用ズームレンズ10として上述した実施形態に係る投写用ズームレンズを用いている。また、光源20とダイクロイックミラー12の間には、フライアイ等のインテグレータ(図示を省略)が配されており、光源20からの白色光は照明光学部を介して、3つの色光光束(G光、B光、R光)にそれぞれ対応する液晶パネル11a〜cに入射されて光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により、色合成され投写用ズームレンズ10により図示されないスクリーン上に投影される。この装置は、色分解のためのダイクロイックミラー12、13、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14、コンデンサレンズ16a〜c、全反射ミラー18a〜cを備えている。本実施形態の投写型表示装置は、本実施形態に係る投写用ズームレンズを用いているので、広角、かつ投写画像の画質が良好であり、明るく、小型かつ軽量な投写型表示装置とすることができる。
なお、本発明の投写用ズームレンズは透過型の液晶表示パネルを用いた投写型表示装置の投写用ズームレンズとしての使用態様に限られるものではなく、反射型の液晶表示パネルあるいはDMD等の他の光変調手段を用いた装置の投写用ズームレンズ等として用いることも可能である。
以下、具体的な実施例を用いて、本発明の投写用ズームレンズをさらに説明する。
<実施例1>
この実施例1にかかる投写用ズームレンズは、前述したように図1に示す如き構成とされている。すなわちこの投写用ズームレンズは、拡大側から順に、第1レンズ群Gが、縮小側に凹面を向けた負のメニスカス形状のガラスレンズLの縮小側に樹脂層Lを付設し、該樹脂層Lの縮小側の面を非球面とした複合型非球面レンズよりなる第1レンズLと、両凹レンズよりなる第2レンズLとからなる。また、第2レンズ群Gは、縮小側を凸面とされた平凸レンズよりなる第3レンズLおよび拡大側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる第4レンズLからなる。また、第3レンズ群Gは、両凸レンズよりなる第5レンズLと、縮小側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第6レンズLを接合してなる接合レンズからなる。また、第4レンズ群Gは、拡大側から順に、拡大側に凹面を向けた両面非球面の負レンズよりなる第7レンズLと、両凹レンズよりなる第8レンズLおよび両凸レンズよりなる第9レンズLを接合してなる接合レンズと、縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる第10レンズL10からなる。また、第5レンズ群Gは、両凸レンズよりなる第11レンズL11のみからなる。
また、第4レンズ群G中の両面が非球面の第7レンズLは、拡大側の面は、先に図2をもって説明したように、光軸z上にて該面に接する、該面と同一符号かつ同一曲率(R13)を有する球面Pよりも、光軸z上以外の領域において、より縮小側に位置する曲面とされている。
また、変倍時には、広角端から望遠端への移動に伴い、第2レンズ群G、第3レンズ群Gおよび第4レンズ群Gが、互いに独立して拡大側に移動する(図1のズーム移動軌跡を参照(以下の各実施例における図2〜4も同様))。
この実施例1における各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(mm)、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表1の上段に示す。なお、この表1および後述する表2〜4において、各記号R、D、Nd、νdに対応させた数字は拡大側から順次増加するようになっている。
また、表1の最上段には、焦点距離f(広角端〜望遠端)、広角端でのバックフォーカスBfw、Fナンバー Fno.(広角端〜望遠端)、画角2ω(広角端〜望遠端)が示されており、表1の下段には各非球面に対応する各定数K、A〜A16の値が示されている。
Figure 0005081045
また、表5に実施例1における上記各条件式(1)〜(4)に対応する数値を示す。
図6は実施例1の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。なお、図6および以下の図7〜9において、各球面収差図には546.07nm、460.0nm、615.0nmの各波長の光に対する収差が示されており、各非点収差図にはサジタル像面およびタンジェンシャル像面についての収差が示されており、各倍率色収差図には546.07nmの光に対する460.0nmおよび615.0nmの光についての収差が示されている。
この図6から明らかなように、実施例1の投写用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが73.8度と広角で、広角端でのF値が1.58と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表5に示すように実施例1の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)〜(4)が満足され、さらに条件式(1´)、(2´)、(2´´)についても満足されている。
なお、最も拡大側の面(第1面)からスクリーンまでの距離は1280mmである(以下の各実施例において同じ)。
<実施例2>
実施例2に係る投写用ズームレンズの概略構成を図3に示す。この実施例2にかかる投写用ズームレンズは、実施例1のものと略同様の構成とされているので、データのみを示し、詳細な説明は省略する。
この実施例2における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表2の上段に示す。
また、表2の最上段には、焦点距離f(広角端〜望遠端)、広角端でのバックフォーカスBfw、FナンバーFno.(広角端〜望遠端)、画角2ω(広角端〜望遠端)が示されており、表2の下段には各非球面に対応する各定数K、A〜A16の値が示されている。
Figure 0005081045
また、表5に実施例2における上記各条件式に対応する数値を示す。
図7は実施例2の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図7から明らかなように、実施例2の投写用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが74.0度と広角で、広角端でのF値が1.58と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表5に示すように実施例2の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)〜(4)が満足され、さらに条件式(1´)、(2´)、(2´´)についても満足されている。
<実施例3>
実施例3に係る投写用ズームレンズの概略構成を図4に示す。この実施例3にかかる投写用ズームレンズは、実施例1のものと略同様の構成とされているので、データのみを示し、詳細な説明は省略する。
この実施例3における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表3の上段に示す。
また、表3の最上段には、焦点距離f(広角端〜望遠端)、広角端でのバックフォーカスBfw、FナンバーFno.(広角端〜望遠端)、画角2ω(広角端〜望遠端)が示されており、表3の下段には各非球面に対応する各定数K、A〜A16の値が示されている。
Figure 0005081045
また、表5に実施例3における上記各条件式に対応する数値を示す。
図8は実施例3の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図8から明らかなように、実施例3の投写用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが74.0度と広角で、広角端でのF値が1.58と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表5に示すように実施例3の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)〜(4)が満足され、さらに条件式(1´)、(2´)、(2´´)についても満足されている。
<実施例4>
実施例4に係る投写用ズームレンズの概略構成を図5に示す。この実施例4にかかる投写用ズームレンズは、第2レンズ群Gを構成する第3レンズLが、縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとされている点において、実施例1のものとは相違しているが、その他は実施例1のものと略同様の構成とされているので、データのみを示し、詳細な説明は省略する。
この実施例4における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表4の上段に示す。
また、表4の最上段には、焦点距離f(広角端〜望遠端)、広角端でのバックフォーカスBfw、FナンバーFno.(広角端〜望遠端)、画角2ω(広角端〜望遠端)が示されており、表4の下段には各非球面に対応する各定数K、A〜A16の値が示されている。
Figure 0005081045
また、表5に実施例4における上記各条件式に対応する数値を示す。
図9は実施例4の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図9から明らかなように、実施例4の投写用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが74.0度と広角で、広角端でのF値が1.58と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表5に示すように実施例4の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)〜(4)が満足され、さらに条件式(1´)、(2´)、(2´´)についても満足されている。
なお、本発明の投写用広角ズームレンズとしては、上記実施例のものに限られるものではなく種々の態様の変更が可能であり、例えば各レンズの曲率半径Rおよび軸上面間隔Dを適宜変更することが可能である。
また、本発明の投写型表示装置としても、上記構成のものに限られるものではなく、本発明の投写用広角ズームレンズを備えた種々の装置構成が可能である。ライトバルブとしては、例えば、透過型または反射型の液晶表示素子や、傾きを変えることができる微小な鏡が略平面上に多数形成された微小ミラー素子(例えば、テキサス・インスツルメント社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることができる。また、照明光学系としても、ライトバルブの種類に対応した適切な構成を採用することができる。
Figure 0005081045
本発明の実施例1に係る投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における構成を示す概略図 第4レンズ群G中で最も拡大側に位置する非球面レンズ(第7レンズL)の拡大側の非球面形状を説明するための概略図 本発明の実施例2に係る投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における構成を示す概略図 本発明の実施例3に係る投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における構成を示す概略図 本発明の実施例4に係る投写用ズームレンズの広角端(WIDE)および望遠端(TELE)における構成を示す概略図 実施例1の投写用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 実施例2の投写用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 実施例3の投写用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 実施例4の投写用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 本発明の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図
符号の説明
〜G レンズ群
〜L11 レンズ
〜R23 レンズ面等の曲率半径
〜D22 レンズ面間隔(レンズ厚)
z 光軸
1 画像表示面
2 ガラスブロック(フィルタ部を含む)
10 投写用ズームレンズ
11a〜c 透過型液晶パネル
12、13 ダイクロイックミラー
14 クロスダイクロイックプリズム
15a、b 倍率色補正手段(レンズ)
16a〜c コンデンサレンズ
18a〜c 全反射ミラー
20 光源

Claims (8)

  1. 拡大側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、および正の屈折力の第5レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群が非球面を有するとともに、前記第4レンズ群中の最も拡大側のレンズが非球面を有し、前記第5レンズ群が1枚の正レンズからなり、
    変倍時には、前記第1レンズ群と前記第5レンズ群が固定とされる一方、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群は各々可動とされ、かつ広角端から望遠端への変倍時において、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が、光軸に沿って拡大側に移動するように構成され、
    前記第4レンズ群は、拡大側から順に、拡大側に凹面を向けた負の非球面レンズ、拡大側に凹面を向けた負レンズと縮小側に凸面を向けた正レンズを接合してなる接合レンズ、および縮小側に凸面を向けた正レンズからなり、
    以下の条件式(1)を満足することを特徴とする投写用ズームレンズ。
    0.8<d34/fw (1)
    ただし、
    fw :広角端における全系の焦点距離
    d34:広角端における、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の空気間隔
  2. 前記第4レンズ群中で最も拡大側に位置する非球面レンズの拡大側の面は、光軸上で該面と接する、該面と同一符号かつ同一曲率を有する球面よりも、光軸上以外の領域において、縮小側に位置する曲面とされていることを特徴とする請求項記載の投写用ズームレンズ。
  3. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の投写用ズームレンズ。
    0<|d/fw|<1.00 (2)
    ただし、
    d:前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の、広角端における合成レンズ群の拡大側焦点位置から、前記第4レンズ群の最も拡大側に位置するレンズの拡大側面頂点までの距離
  4. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズ。
    1.75<ndp (3)
    ただし、
    ndp:前記第2レンズ群中の各正レンズのd線に対する屈折率の平均値
  5. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズ。
    1.75<ndn (4)
    ただし、
    ndn:前記第4レンズ群中の各負レンズのd線に対する屈折率の平均値
  6. 前記第1レンズ群中の最も拡大側のレンズが拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズであり、該負のメニスカスレンズの縮小側の面が非球面とされてなることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズ。
  7. 前記第1レンズ群中の最も拡大側のレンズは、ガラスレンズの表面に樹脂層を付設し、該樹脂層の、該ガラスレンズ側とは反対側の面を非球面とした、複合型非球面レンズであることを特徴とする請求項記載の投写用ズームレンズ。
  8. 光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、請求項1〜のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投写用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とする投写型表示装置。
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