JP4912270B2 - 画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は画像処理方法および装置に関し、特に多値の入力データに対して擬似中間調処理を行う画像処理方法および装置に関する。
従来、電子写真プリンタ等の画像処理装置は、記録紙上のドットのオン/オフ、すなわち、ドットを形成する/しないを示す2値信号を生成し、この2値信号に従って画像を記録している。画像の階調は、単位面積当たりの形成されたドット数で表現される。このための2値化処理は、一般に、擬似中間調処理と呼ばれる。
ドットのオン・オフを決定する擬似中間調処理には、ハーフトーンスクリーンまたは網点が用いられている。デジタル化された画像処理装置におけるハーフトーンスクリーン処理では、2次元の閾値マトリクスを用い、ドットのオン・オフを決定するための2値化処理を行う。具体的には、この閾値マトリクス内の各閾値と、入力した多値画像の該当する画素値とを比較し、閾値以上、閾値未満を{0、1}の2値で表現するものである。
ところで、従来から、低解像度のプリンタ等で発生するジャギーを改善する技術が、いくつか提案されている。ここでいうジャギーとは、文字画像のエッジ部などで発生するガタツキ(ギザギザ)のことである。その様子の一例を図11に示した。同図は複数の升目があり、この1つ1つが1画素に相当する。なお、図11では、300DPIの例である。図11のように画像解像度が300DPIのように低いと、特に斜めの輪郭のエッジ部にジャギーが発生する。
このようなジャギーに対して、従来の技術では、パターンマッチングをおこなってパターンに一致した箇所に画像データを付加またはジャギーの原因となる画素を除去し、ジャギーを改善していた。ここでいうパターンマッチングの詳細については、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。特許文献1にはスムージング処理技術の一例が開示されている。
図12に、そのジャギーを改善する例を示す。図12(a)は、パターンマッチングで一致した画素の近傍に、図示の斜線部で示す淡い濃度のハーフトーンのデータを付加した例を示している。この結果、ジャギーの発生箇所にハーフトーンデータが付加され、視覚上、ジャギーの発生を抑制できる。
一方、図12(b)は、パターンマッチングで一致した画素を、更に分割する例を示している。画素分割とは、上記例では300DPIの1画素を複数に部分領域に分割し、各部分領域にドットのオン・オフを行う技術である。画素分割の技術についても公知であるため(例えば特許文献2)、ここでの詳細な説明は省略する。
特開平4−341060号公報 特開平9−321986号公報
上記のような手法では、以下のような問題が残る。
図13(a)に示すような、淡い濃度(もしくは輝度でも良い)の文字画像に対して、擬似中間調処理、例えばスクリーン処理を施すと、印刷された結果は図13(b)のようになることがある。つまり、淡い濃度文字画像の場合、プリンタ解像度である300DPI以上に粗いスクリーン解像度で擬似中間調処理を施すため、文字や細線が途切れた状態になってしまう。これは、プリンタの画素(ドット)を複数画素まとめて、擬似的にスクリーン解像度を表現することになり、プリンタの解像度より高いスクリーン解像度を用いて擬似中間調処理を実施することはないためである。例えば、印刷業界での通常のスクリーン解像度(スクリーン線数)は85線から175線、高くても268線程度である。200線以上の高い線数は、電子写真プリンタの場合、機械の特性により、安定した画質が得られ難い。そのため、プリンタ解像度とスクリーン線数の関係により、擬似中間調処理を施した中間調の文字や細線は途切れてしまう。結果、前述したパターンマッチングによるスムージング処理ではジャギーおよび途切れを抑制することができず、未だ改善の余地が残る。
また、マクロに見た文字画像の一部を図14に示す。同図から明らかなように、問題にしているジャギー部が、中間調画像に対してスクリーン処理を施した画像のエッジ部に現れる場合がある。このように、スクリーン処理で発生する低線数のジャギーの問題は以前として残っている。
そこで本発明の目的は、スクリーン処理を施した画像のエッジ部にジャギーが発生することを抑制することにある。
かかる課題を解決するため、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
本願請求項1記載の発明は、入力画像データのエッジ部を検出するエッジ検出手段と、前記入力画像データに対してスクリーン処理を施すスクリーン処理手段と、入力画像データの注目画素に対して、視覚特性を有する第1のフィルタを用いてフィルタ処理する第1のフィルタ処理手段と、前記エッジ検出手段によって前記注目画素がエッジであると検出された場合、前記第1のフィルタ処理手段による結果に応じて該注目画素の前記スクリーン処理手段による結果を補正し、該注目画素の出力値を決定する補正手段とを備える。
本願請求項3に記載の発明は、入力画像データのエッジ部を検出するエッジ検出手段と、前記入力画像データ中の、予め定められた幅以下の細線を検出する細線検出手段と、前記入力画像データに対してスクリーン処理を施すスクリーン処理手段と、前記入力画像データの注目画素に対して、視覚特性を有する第2のフィルタを用いてフィルタ処理する第2のフィルタ処理手段と、前記エッジ検出手段によって前記注目画素がエッジであることが検出され、かつ前記細線検出手段によって該注目画素が非細線であると検出された場合、前記第2のフィルタ処理手段による処理結果に応じて、前記注目画素の前記スクリーン処理手段による結果を補正する補正手段と、前記細線検出手段によって前記注目画素が細線の画素であると検出された場合、前記注目画素の入力画像データをPWM変換するPWM変換手段とを備える。
請求項1に係る発明によれば、スクリーン処理を施した画像におけるエッジ部のジャギーを抑制できる。また請求項3に係る発明によれば、エッジ部のジャギーおよび細線の途切れを適切に抑制することができる。
以下、添付図面に従って、M階調の画像データからプリンタエンジンが再現可能なN階調への変換する実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における画像処理装置(複合機)の構成と、画像処理装置が接続されるネットワークシステムを示す図である。
図1において、画像処理装置100は、リーダ部200、プリンタ部300、制御装置110、および操作部180を備える。リーダ部200、プリンタ部300、および操作部180は、制御装置110にそれぞれ接続されている。制御装置110は、ネットワーク400を介して、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCという)401、402等の外部装置に接続されている。画像処理装置100は、以下に説明するように、複写機、ネットワークプリンタ、ネットワークスキャナとして機能する。
操作部180は、各種スイッチ、ボタン、及び、液晶タッチパネルで構成され、画像処理装置100を操作するためのユーザインタフェースとして機能する。リーダ部200は、スキャナユニット210、および原稿給紙ユニット250を備える。原稿給紙ユニット250は、原稿をスキャナユニット210へ搬送する。スキャナユニット210は、搬送された原稿から画像を光学的に読み取り、読取ったアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する。
プリンタ部300は、給紙ユニット360、プリントエンジン部310、および排紙ユニット370を備える。給紙ユニット360は、複数種類の記録媒体(記録紙)を保持するカセットを有し、記録媒体をプリントエンジン部310へ搬送する。プリントエンジン部310は、画像データ(実施形態では8ビット=256階調)に従って、可視画像として記録材を記録媒体上に転写することで印刷する。排紙ユニット370は、印刷された転写材にソート、ステイプル等の後処理を施すためのシート処理装置により構成され、画像処理装置100の外部へ排紙する。なお、実施形態におけるプリンタエンジン部310は、レーザビームプリンタエンジンであり、1画素分の量子化された濃度値に基づき、PWM方式に従って記録する。
例えば、感光ドラム上の、1画素分のレーザ光の走査露光の範囲をN分割し、N個の領域中の幾つを露光するかを示すデータを生成する。N分割するわけであるから、0乃至NのN+1階調で1ドットを表わすことになる。このN個の個々の領域毎に露光する/露光しない2値データ(すなわち、0、1の値)を決めることを本実施形態では2値化という。なお、実施形態では、説明を簡単なものとするため、N=4、すなわち、1画素分の走査露光範囲を4分割するものとして説明する。
画像処理装置100が複写機として機能する場合(複写モード)、制御装置110は、リーダ部200を制御して、原稿を読み取らせる。リーダ部200は、原稿を光学的に読み取り、読み取って得られた画像信号を制御部110に出力する。制御装置110は、リーダ部200からの画像信号をデジタルの画像データ(実施形態では、1画素につき8ビット)に変換し、所定の画像処理を行い、プリンタ部300に出力する。プリンタ部300は、受信した画像データに基づき、記録媒体(記録紙)に画像を形成し、外部に排出する。これにより、本装置が複写機として機能する。
また、画像処理装置100がネットワークスキャナとして機能する場合、リーダ部200から受信した画像データをコードデータに変換し、そのコードデータをネットワーク400を介して外部装置であるPC401又は402に送信する。
なお、複写モード、ネットワークスキャナモードのいずれで動作するかは、ユーザが操作部180によって選択することで決定される。
また、制御装置110は、外部装置からネットワーク400を介して受信したコードデータ(印刷データ)を画像データに変換し、プリンタ部300に出力する処理も行う。すなわち、ネットワークプリンタとして機能する。このネットワークプリンタとしての機能は、制御装置110がネットワークからの印刷データを受信した場合に実行されるものである。なお、印刷データを受信した際、他のモードでプリンタ部300が動作中であった場合には、制御装置110は、不図示のバッファメモリ(記憶装置)に受信したデータを一時的に格納する。そして、制御装置110は、プリンタ部300が未使用状態になったことに応じて、一時記憶した印刷データを読出し、印刷処理を行う。
図2に、制御装置110の詳細構成を示す。図2において、スキャナユニット210は、原稿を例えば300DPIで読み取り、読み取られたRGBの各信号出力を制御装置110に供給する。制御装置110内のA/D変換器111は、入力されるRGBの各信号出力をデジタル信号(画像データ)に変換する。実施形態におけるA/D変換器111は、入力したRGBの各アナログ信号を、8ビット(256階調)のデータに変換するものとする。
シェーディング補正部112は、照明光量やレンズ光学系で発生するスキャナユニット210の受光面上の光量ムラおよびスキャナユニット210の各画素の感度ムラに応じて、画像データを補正する。入力マスキング部113は、読み取りRGB信号の色味をRGBマトリクス演算により正しく補正する。
入力マスキング部113は、補正後の画像データを外部I/F部410、又は、LOG変換部114に出力する。いずれに出力するかは、制御装置110が決定する。
この外部I/F部410には、画像データをコードに変換する回路、ネットワークに送信するネットワークインタフェース、及び、ネットワークから受信した印刷データから画像データを生成する回路が接続されている。
本装置がネットワークスキャナとして機能する場合、入力マスキング部113による補正結果の画像データは外部I/F部410に出力される。そして、画像データのコード化処理、及び、そのコードデータをネットワークインタフェースを介してネットワーク400上のPCに送信する処理が行われる。
また、複写モードの場合には、入力マスキング部113による補正処理後の画像データはLOG変換部114に出力される。なお、本装置がネットワークプリンタとして機能する場合、外部I/Fから、その印刷データに基づくレンダリング結果の画像データがLOG変換部114に供給されることになる。
LOG変換部114は、RGBの各色成分データから、記録色成分であるCMYの各濃度データに変換する。UCR・出力マスキング部115は、入力したCMYデータをUCR(Under Color Removal;下色除去)処理して、CMY及びK(黒)データ(各8ビット)を内部的に生成する。また、UCR・出力マスキング部115は、内部的に生成したCMYKデータをプリンタ部300の色再現性を補正するためのマトリクス演算し、その結果を2値化部116、及びエッジ検出部3100に出力する。このエッジ検出部3100の詳細は後述する。
2値化処理部116は、入力したCMYKの画像データを2値化し、その2値化結果をプリンタ部300内のプリンタエンジン部310に出力する。
なお、実施形態におけるプリンタエンジン部310は、C,M,Y,Kの各記録色成分の画像を、1つの記録紙上に順番に重ねて記録するタイプであるものとする。つまり、1つの記録色成分の画像データを形成するための、上記処理を計4回行い、UCR・出力マスキング部115は、各回毎に、C,M,Y,Kのいずれか1つの色成分のデータを順番に出力する。従って、2値化部116、エッジ検出部3100は、1つの成分のデータについて処理する構成であれば良い。
但し、プリンタ部300は、複数の色成分の画像を同時に印刷するタイプの場合、2値化部116、エッジ検出部3100は、以下に示す構成を、色成分の数だけ備えればよい。
以下、制御装置110内のエッジ検出部3100および2値化処理部116について更に詳細に説明する。
図3は、本実施形態の特徴である2値化処理部116のブロック構成を示すと共に、エッジ検出部3110と2値化処理部116との接続関係を示す図である。
ここで、UCR・出力マスキング部115からの注目色成分の画像データはラスタースキャン順に入力されるものとする。2値化処理部116は、上記のようにラスタースキャン順に入力する画素データ(8ビット)を1画素単位に処理する。
エッジ検出部3100は、注目画素のエッジ量を検出し、注目画素がエッジ位置にある画素(以下、エッジ画素)であるか、非エッジ位置にある画素(以下、非エッジ画素)であるか判定する。そして、エッジ検出部3100は、その判定結果をエッジ判定信号としてスクリーン処理部3210、補正2値化演算部3230、及び、セレクタ部3240に出力する。
スクリーン処理部3210は、エッジ検出部3100より出力されたエッジ検出結果が非エッジ画素である場合、注目画素データから、所定の閾値マトリクス3220を用いて、2値画像データを出力する。実施形態の場合、1画素分の走査露光範囲を4分割するものであるから、各分割領域毎に露光する/しないを示す1ビットの計4ビットのデータをスクリーン処理部3210が生成し、出力することになる。4ビット中、どのビットが“1”(露光する)か、“0”(露光しない)かは、入力される多値画素データと閾値マトリクスに依存したものとなる。
補正2値化演算部3230は、エッジ検出部3100より出力されたエッジ検出結果がエッジ画素である場合、注目画素データに対し、後述する補正演算の処理を行い、2値画像データ(スクリーン処理部3210と同様に4ビット)を出力する。
また、セレクタ部3240は、エッジ検出部3100より出力されたエッジ検出結果が非エッジ画素である場合にはスクリーン処理部3210、エッジ画素である場合には補正2値化演算部3230からの2値画像データを選択し、出力する。
すなわち、本実施形態の2値化処理部116は、2値化処理部116では、注目画素データがエッジ画素であるか、非エッジ画素であるかによって、2つの2値化処理結果の一方を選択し、出力する。
図5はエッジ検出部3100で使用する入力された多値画像データ(注目画素Aを中心とする3×3個の画素値)と、エッジ検出フィルタ(3×3)を示している。周囲画素とエッジ検出フィルタの積和で求められた算出値Eを求める。この算出値Eを、予め設定されたエッジ判定閾値TEを比較し、E≧TEの場合、注目画素がエッジ画素であると判定し、E<TEの場合、注目画素は非エッジ画素であると判定する。なお、図示では参照する画素領域及びフィルタのサイズを3×3としたが、このサイズによって本発明が限定されるものではなく、且つ、エッジ検出フィルタの係数値も図示に限定されものではない。また、本実施形態ではエッジ検出方法として、図5に示した線形フィルタを用いたが、Sobelフィルタを使用するなど他の方法でエッジ検出を行っても良い。また、エッジ判定閾値は、固定値だけでなく、LUT(ルックアップテーブル)データとして持ち、注目画素データなどに応じて可変値に設定しても良いし、関数として定義しても良いことは言うまでもない。
次に、図4のフローチャートに従い、エッジ検出部3100より、注目画素データがエッジ画素であると判定された場合の補正2値化演算部3230の処理内容の説明をする。ここで、注目多値画素の値を図5にしたがい「A」とする。
先ず、入力された多値画像データから、注目画素値Aおよびその周辺画素値を読み込む(ステップS400)。
次に、注目画素の目標値A’を算出する(ステップS401)。
目標値A’は、注目画素Aを中心とする11×11画素領域の画像データと視覚特性フィルタ(サイズは11×11とする)を用いてフィルタリング処理、すなわち、画像データとフィルタの係数の積和を求める。図6(a)は目標値A’を算出するために使用する視覚特性フィルタ(第1のフィルタ)の周波数特性を示したものの一例である。同図は、横軸に周波数、縦軸に人間の目の周波数応答値を示している。
次に、注目画素及びその周辺画素を2値化する(ステップS402)。2値化方法は、前述した非エッジ画素を2値化する場合と同様、閾値マトリクス3220を用いて、比較演算することで2値化する。
次に、周辺画素の出力値B’を算出する(ステップS403)。
周辺画素の出力値B’の算出方法は、注目画素を中心とする11×11画素領域の周辺画素の2値化データ(注目画素の2値化データBを含む)と、画像処理装置のエンジン特性および視覚特性の2つの特性をあわせたフィルタの積和を求めることで算出する。ここで、注意する点は、2値化データは、1画素分に相当する4つの領域の各領域毎の“1”の個数を表わすことに注意されたい。図6(b)は、画像処理装置のエンジン特性および視覚特性の2つの特性をあわせたフィルタ(第2のフィルタ)の周波数特性を示した一例である。図6(a)同様、横軸に周波数、縦軸に人間の目の周波数応答値を示している。図示の如く、フィルタの縦軸は、最大値“1”とする実数で示されているので、B’の値は小数点を含む値となる。
次に、注目画素の補正量C’を算出する(ステップS404)。補正量C’の算出方法は、以下の式で算出する。
C’=A’−B’
次に、注目画素Aの2値化結果Bに、補正量C’を加算した加算結果を着目画素の2値化結果Dとして出力する(S405)。注目画素の2値化結果Dは以下の式で算出する。
D=B+C’
ここで、仮に、注目画素の2値化結果Bが、4つの領域中の1つを走査露光するものとして2値化され、補正値C’が“1.1”であったとする。この場合、D=1+1.1=2.1となるが、小数点以下を切り捨て、もしくは四捨五入した結果を、注目画素の出力値Dとして決定する。この場合、注目画素は4つの領域中、2つを露光するものとして決定することになる。
以上の如く、注目画素Aを2値化した値Bに補正量C’を加えることで、目標値A’に近づくため、視覚的にエッジ部のジャギーや途切れが目立ち難くなる。
最後に、注目画素の出力値を更新する(ステップS406)。多値画像データは主走査、副走査方向に順次入力され、あるバンド領域(第1の実施形態では注目画素周囲の11×11画素)を読み込み、注目画素を1画素単位ずつ処理する。補正2値化演算部3230では、注目画素を中心とする周囲画素11×11の入力値および2値化結果を参照するため、周囲画素内で複数のエッジ画素があると、周囲画素がエッジ画素として処理された場合と、非エッジ画素として処理された場合で値が異なるため、周辺画素の出力値B’を正確に算出することができなくなる。そこで、ステップS406で補正した注目画素の出力値を更新することで、周囲画素11×11に複数のエッジ画素がある場合でもエッジ画素の補正処理を次のエッジ画素の補正処理を正確に行うことができる。
以上のように、注目画素データがエッジ画素であるか、非エッジ画素であるかによって、セレクタ3240において2値化処理内容を切替え、2値画像データを出力する。そして、視覚特性および画像処理装置のエンジン特性を考慮して、エッジ画素の出力値を補正することで、ジャギーや細線の途切れが目立ち難い高画質な出力画像を得ることができる。
なお、本実施形態では補正2値化演算部での周囲画素の参照範囲を11×11画素としたが、このサイズに限定されるものではない。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、中間調の画像データにスクリーン処理を施し、2値化する画像処理方法および装置において、注目画素がエッジ画素であるか、非エッジ画素であるかによって、2値化処理内容を切替え、2値画像データを出力することとした。具体的には、注目画素が非エッジ画素の場合は、スクリーン処理により2値化を行う。一方、注目画素がエッジ画素の場合は、前述した補正2値化演算部で、エッジ補正処理を行うことで2値化を行った。
しかし、補正2値化演算部でのエッジ補正処理では、補正後の出力値を参照するため、出力値を記憶するメモリが必要である。ハードウェア構成を実現しようとすると、より少ないメモリ容量となる。また、スクリーン処理を施した画像データのエッジ部に発生するジャギーや細線の途切れを防止する必要もある。
そこで、本第2の実施形態では、中間調の画像データにスクリーン処理を施した画像データのエッジに発生するジャギーや細線の途切れを防止しつつ、より少ないメモリ容量で、ハードウェア構成を実現するものについて説明する。
図7は、前述した画像処理装置における本第2の実施形態の特徴である2値化処理の一手法を示す構成図である。
なお、図7の構成において、第1の実施形態の図2と同一の構成要素については、同一の符号を付加し、その詳細については説明を省略する。
図7において、図2と異なる点は、セレクタ3240で出力する2値画像データを補正2値化演算部3230にフィードバックする系統を取り除いた点と、後述で説明する細線検出部6300およびPWM処理部6250を追加した点である。
つまり、前述した出力結果である2値画像データをフィードバックする系統を取り除くことで、出力値を記憶するメモリが不要となり、より少ないメモリでハードウェア構成が実現できる。また、エッジ検出部および細線検出部の結果に応じて、2値化処理内容を切替えることで、スクリーン処理を施した画像データのエッジ部に発生するジャギーや細線の途切れを防止することができる。
以下、第2の実施形態の詳細な説明をする。
PWM処理部6250は、入力された注目画素データに対して、周囲画素を参照せず、単純に注目画素の値から2値画像データ(1×4ビット)を出力する。
PWM変換方法は、入力された多値のデジタルデータをD/A変換によって一旦電圧変動信号に変換する。そして、この変換信号の電圧レベルと入力データの入力周期と同じ周期の参照波の電圧レベルとを比較し、変換信号が大きけれ発光素子をオン、小さければ発光素子をオフとする方法である。この方法によれば、比較対照の参照波を画像処理制御信号に応じて切替えることで、画素の主走査方向の大きさおよびドット形成位置を制御することができる。
図8は、PWM処理による具体的な入力画像と出力画像の関係を示した一例である。図示では、1ドットで表わす領域を4分割することで、濃度を0乃至4の5段階で表わす例を示している。
細線検出部6300は、入力された多値画像データが細線かどうかを検出する。ここでいう細線とは、線の幅が2ドットの幅以下で構成されるような細い線画像データのことである。
図9(a)、(b)は細線検出部6300で使用する線形フィルタの一例である。第1の実施形態のエッジ検出部3100と同様、入力された多値画像データと線形フィルタの積和を算出する。その算出値と細線判定閾値を比較することで、細線画素あるいは非細線画素かを判定する。なお、図9(a)は垂直方向の細線検出フィルタを示し、同図(b)は水平方向の細線検出フィルタを示している。
なお、本第2の実施形態では細線検出方法として、図9(a),(b)に示した線形フィルタの2種類を示したが、他の方法で細線検出を行っても良い。また、細線判定において、入力画像データと線形フィルタの積和結果を正規化しても良い。また、細線判定閾値は、固定値だけでなく、LUTデータとして持ち、注目画素データに応じて可変の値に設定しても良いし、関数として定義しても良い。
以下、図7における処理の流れを説明する。
まず、エッジ検出部3100において、入力された多値画像データの注目画素がエッジ画素あるいは非エッジ画素かを判定する。
次に、細線検出部6300において、入力された多値画像データの注目画素が細線画素あるいは非細線画素かを判定する。
すなわち、本第2の本実施形態では、エッジ検出結果と細線検出結果に応じて、注目画素の2値化処理を切替える。つまり、注目画素が非エッジ画素かつ非細線画素の場合は、スクリーン処理部3210にて2値化処理を行う。注目画素がエッジ画素かつ非細線画素の場合は、補正2値化演算部3230にて2値化処理を行う。更に、注目画素がエッジ画素且つ細線画素の場合は、PWM処理部6250にて2値化処理を行う。
図10は、エッジ判定結果および細線判定結果に対応する2値化の処理内容をまとめた表を示す。
図15は、本第1実施形態および本第2の実施形態で出力された2値画像データを示している。画像のエッジ部が補正されている。
このように、エッジ検出部および細線検出部の結果に応じて、2値化処理内容を切替えることで、スクリーン処理を施した画像データのエッジ部に発生するジャギーや細線の途切れを防止することができる。また、第1の実施形態で使用していた出力結果である2値画像データをフィードバックする系統を取り除くことで、出力値を記憶するメモリが不要となり、より少ないメモリでハードウェア構成が実現できる。
なお、本第2の実施形態では注目画素が細線画素の場合は、PWM処理を行うことで2値化データを生成していたが、高線数のスクリーンを用いたスクリーン処理を行って2値化データを生成しても、同等の結果を得ることができる。
実施形態における画像処理装置の概略構成を示す図である。 実施形態の制御装置の詳細構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における2値化処理部の構成とその周辺の構成を示す図である。 第1の実施形態の補正2値化演算部の処理内容を示すフローチャートである。 実施形態におけるエッジ検出部で使用する入力多値画像データとエッジ検出フィルタからエッジ量を演算する式の一例を示す図である。 本実施形態の補正2値化演算部で使用するフィルタ特性を示す図である。 第2の実施形態における2値化処理部の構成とその周辺の構成を示す図である。 PWM処理による入力画像と出力画像の関係を示す図である。 第2の実施形態の細線検出部で使用する細線検出フィルタを示す図である。 第2の実施形態におけるエッジ判定結果と細線判定結果に対応した2値化の処理内容をまとめたテーブルを示す図である。 ジャギーの一例を示す図である。 従来のスムージング処理でジャギーの改善を示す例を示す図である。 従来の中間調画像データにスクリーン処理を施した例を示す図である。 従来のスクリーン処理により発生したジャギーを示す図である。 本実施形態の処理で発生したジャギーの改善例を示す図である。

Claims (5)

  1. 入力画像データのエッジ部を検出するエッジ検出手段と、
    前記入力画像データに対してスクリーン処理を施すスクリーン処理手段と、
    前記入力画像データに対して、視覚特性を有する第1のフィルタを用いてフィルタ処理する第1のフィルタ処理手段と、
    前記エッジ検出手段によって前記入力画像データの注目画素がエッジであると検出された場合、該注目画素に対応する前記第1のフィルタ処理手段による結果に応じて、該注目画素の前記スクリーン処理手段による結果を補正し、該注目画素の出力値を決定する補正手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補正手段は、該注目画素に対応する前記第1のフィルタ処理手段による結果を用いて目標値を算出し、該注目画素の値が該目標値に近づくように補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 入力画像データのエッジ部を検出するエッジ検出手段と、
    前記入力画像データの細線を検出する細線検出手段と、
    前記入力画像データに対してスクリーン処理を施すスクリーン処理手段と、
    前記入力画像データに対して、視覚特性を有する第2のフィルタを用いてフィルタ処理する第2のフィルタ処理手段と、
    前記エッジ検出手段によって前記入力画像データの注目画素がエッジであることが検出され、かつ前記細線検出手段によって該注目画素が非細線であると検出された場合、該注目画素に対応する前記第2のフィルタ処理手段による処理結果に応じて、前記注目画素の前記スクリーン処理手段による結果を補正する補正手段と、
    前記細線検出手段によって前記注目画素が細線の画素であると検出された場合、前記注目画素をPWM変換するPWM変換手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  4. 像処理装置の制御方法であって、
    入力画像データのエッジ部を検出するエッジ検出工程と、
    前記入力画像データに対してスクリーン処理を施すスクリーン処理工程と、
    前記入力画像データに対して、視覚特性を有する第1のフィルタを用いてフィルタ処理する第1のフィルタ処理工程と、
    前記エッジ検出工程によって前記入力画像データの注目画素がエッジであることが検出された場合、該注目画素に対応する前記第1のフィルタ処理工程による結果に応じて該注目画素の前記スクリーン処理工程による結果を補正し、該注目画素の出力値を決定する補正工程と
    を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  5. 画像処理装置の制御方法であって、
    入力画像データのエッジ部を検出するエッジ検出工程と、
    前記入力画像データの細線の細線を検出する細線検出工程と、
    前記入力画像データに対してスクリーン処理を施すスクリーン処理工程と、
    前記入力画像データに対して、視覚特性を有する第2のフィルタを用いてフィルタ処理する第2のフィルタ処理工程と、
    前記エッジ検出工程によって前記入力画像データの注目画素がエッジであることが検出され、かつ前記細線検出工程によって該注目画素が非細線であると検出された場合、該注目画素に対応する前記第2のフィルタ処理工程による処理結果に応じて、前記注目画素の前記スクリーン処理工程による結果を補正する補正工程と、
    前記細線検出工程によって前記注目画素が細線の画素であると検出された場合、前記注目画素の入力画像データをPWM変換するPWM変換工程と
    を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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