以下、本発明の編集操作の実施の形態について説明する。
この実施の形態としての例は光磁気ディスク(ミニディスク)を記録媒体として用い、編集装置としての機能を備えた記録再生装置とする。
説明は次の順序で行なう。
<1.記録再生装置の構成>
<2.クラスタフォーマット>
<3.U−TOCセクター>
<4.U−TOCによる管理例>
<5.区間デリート処理>
<6.区間デリート処理におけるリハーサル機能>
<7.リハーサル動作を伴う区間デリート処理>
(a.区間デリート動作例1)
(b.区間デリート動作例2)
(c.区間デリート動作例3)
(d.区間デリート動作例4)
(e.区間デリート動作例5)
(f.区間デリート動作例6)
(g.区間デリート動作例7)
(h.区間デリート動作例8)
<8.他の区間デリート処理例>
<1.記録再生装置の構成>
まず図1、図2によりミニディスク記録再生装置の構成について説明する。
図1は記録再生装置の外観例を示すものである。
この記録再生装置の前面パネルには液晶表示装置等による表示部20が形成されている。この表示部20には記録/再生しているディスクの動作状態、トラックナンバ、記録時間/再生時間、編集動作状態、再生モード等が示される。さらにミニディスクシステムではディスクに文字情報が記録できるが、その文字情報の入力の際の入力文字の表示や、ディスクから読み出した文字情報の表示などが実行される。
電源キー33は記録再生装置の電源オン/オフの操作のために設けられる。
また前面パネルには記録再生装置にディスクを挿入し、またイジェクトキー34の操作に応じてディスクが脱却されるディスク挿入部22が設けらる。
またこの前面パネルには記録/再生に関する操作のための各種操作手段が設けられる。すなわち、再生キー24、一時停止キー23、停止キー25、録音キー26、頭だしアクセス動作を実行させるAMS操作ダイヤル27(以下、ジョグダイヤルという)、高速再生動作を実行させるサーチキー28などが設けられる。これらはいわゆる音声の記録/再生動作に関する基本的な操作キーとなる。
ジョグダイヤル27は、その回転操作により、AMS(頭だしサーチ)を指示する操作部となるが、エディット(編集)モードの1つである文字入力モード(ディスクネーム入力モードもしくはトラックネーム入力モード)においては、ジョグダイヤル27の回転操作が、文字選択のためのインクリメント/デクリメント操作となる。
また特に本例の場合、区間デリートという機能がエディットモードの1つとして用意されるものであるが、この区間デリートモードにおいては、ジョグダイヤル27の回転操作が、区間デリート処理の始点ポイント、終点ポイントの指定操作の際における、ポイント調整操作に用いられる。詳細は後述する。
また、ジョグダイヤル27は押圧操作可能とされ、この押圧操作はディスクネーム入力モード、トラックネーム入力モード、プログラム設定モード、マルチアクセス設定モードなどにおけるエンター操作として機能する。さらにジョグダイヤル26は押圧操作は、再生キー24の操作と同様に再生操作を兼ねるようにしてもよい。また、ジョグダイヤル27は押圧操作が、区間デリートモードにおける始点ポイント、終点ポイントの指定操作についてのエンター操作として機能するようにしてもよい。
これらの操作手段とともに、数字キー39が設けられる。
この数字キー39は例えば『1』キーから『25』キー、及び26以上の数字を入力するための『>25』キーが設けられる。
数字キー39は、再生させるトラックナンバをダイレクトに選択する場合や、プログラム再生モード、マルチアクセス再生モードでのトラックナンバ選択などに用いることができる。
エディットモードの操作のためのキーとしてエディットキー29、イエスキー30、キャンセルキー31が設けられる。
エディットキー29は各種エディットモードの呼出し及び終了の操作のために用いられ、またイエスキー30、キャンセルキー31がエディット中の操作に用いられる。例えばイエスキー30はエンター操作として、またキャンセルキー31は取消操作として用いられる。
エディットモードとしては、各トラックに対して曲名などの文字を入力するトラックネーム入力モード、ディスクに対して名称などの文字を入力するディスクネーム入力モード、登録されている文字情報を消去するネームイレーズモード、1つのトラックを複数のトラックに分割するディバイドモード、複数のトラックを1つのトラックに連結するコンバインモード、トラックを消去するイレーズモードなどがある。
そして本例の場合さらに区間デリートモードが用意される。また区間デリートモードにおける始点ポイント、終点ポイントの指定操作に用いるための区間デリートポイント指定キー39(以下、『指定キー』という)が設けられる。
なお、本例ではポイントの指定操作をこの指定キー39で行なうようにして説明するが、例えばイエスキー30に指定キー39の機能を兼用させ、イエスキー30の1回目の操作が指定操作、2回目の操作がエンター操作として機能させるようにすることも考えられる。もちろん、他のキー又は操作部に指定キー39の機能を持たせてもよい。
再生モードの操作のためのキーとして連続再生キー35、プログラムキー36、シャッフルキー37、マルチアクセスキー38が設けられる。
これらのキーを操作することで、再生モードが、連続再生モード、プログラム再生モード、シャッフル再生モード、マルチアクセス再生モードのいずれかが設定される。
なお本例では説明上これらの操作手段を記録再生装置の前面パネルに配するようにしているが、例えば記録再生装置を赤外線などによるリモートコマンダーにより操作可能とし、そのリモートコマンダー上にこれらの操作手段を設けるようにしてもよい。
図1のようなミニディスク記録再生装置の内部構成を図2で説明する。
音声データが記録されている光磁気ディスク1は、スピンドルモータ2により回転駆動される。そして光磁気ディスク1に対しては記録/再生時に光学ヘッド3によってレーザ光が照射される。
光学ヘッド3は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行ない、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行なう。
このため、光学ヘッド3にはレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。対物レンズ3aは2軸機構4によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
また、ディスク1を挟んで光学ヘッド3と対向する位置に磁気ヘッド6aが配置されている。磁気ヘッド6aは供給されたデータによって変調された磁界を光磁気ディスク1に印加する動作を行なう。
光学ヘッド3全体及び磁気ヘッド6aは、スレッド機構5によりディスク半径方向に移動可能とされている。
再生動作によって、光学ヘッド3によりディスク1から検出された情報はRFアンプ7に供給される。RFアンプ7は供給された情報の演算処理により、再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(光磁気ディスク1にプリグルーブ(ウォブリンググルーブ)として記録されている絶対位置情報)GFM等を抽出する。
抽出された再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部8に供給される。また、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEはサーボ回路9に供給され、グルーブ情報GFMはアドレスデコーダ10に供給される。
サーボ回路9は供給されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEや、マイクロコンピュータにより構成されるシステムコントローラ11からのトラックジャンプ指令、アクセス指令、スピンドルモータ2の回転速度検出情報等により各種サーボ駆動信号を発生させ、2軸機構4及びスレッド機構5を制御してフォーカス及びトラッキング制御を行ない、またスピンドルモータ2を一定線速度(CLV)に制御する。
アドレスデコーダ10は供給されたグルーブ情報GFMをデコードしてアドレス情報を抽出する。このアドレス情報はシステムコントローラ11に供給され、各種の制御動作に用いられる。
また再生RF信号についてはエンコーダ/デコーダ部8においてEFM復調、CIRC等のデコード処理が行なわれるが、このときアドレス、サブコードデータなども抽出され、システムコントローラ11に供給される。
エンコーダ/デコーダ部8でEFM復調、CIRC等のデコード処理された音声データ(セクターデータ)は、メモリコントローラ12によって一旦バッファメモリ13に書き込まれる。なお、光学ヘッド3によるディスク1からのデータの読み取り及び光学ヘッド3からバッファメモリ13までの系における再生データの転送は1.41Mbit/secで、しかも通常は間欠的に行なわれる。
バッファメモリ13に書き込まれたデータは、再生データの転送が0.3Mbit/sec となるタイミングで読み出され、エンコーダ/デコーダ部14に供給される。そして、音声圧縮処理に対するデコード処理等の再生信号処理を施され、44.1KHZ サンプリング、16ビット量子化のデジタルオーディオ信号とされる。 このデジタルオーディオ信号は例えばデジタル信号処理回路21でイコライジング、リバーブ、ゲインなどの調整処理が行われた後、D/A変換器15によってアナログ信号とされ、出力端子16から所定の増幅回路部へ供給されて再生出力される。例えばL,Rアナログオーディオ信号として出力される。
デジタル信号処理回路は、いわゆるDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などで形成され、各種の多様な処理を行うことができる。例えば各種モードの音響設定でのイコライジング処理だけでなく、徐々にゲイン(出力音量レベル)を変化させることでフェードイン、フェードアウトなどの処理等も可能である。
なお、このような処理部をD/A変換器15の後段に設け、アナログ処理により行うようにしてもよい。
光磁気ディスク1に対して記録動作が実行される際には、入力端子17に供給された記録信号(アナログオーディオ信号)は、A/D変換器18によってデジタルデータとされた後、エンコーダ/デコーダ部14に供給され、音声圧縮エンコード処理を施される。
なお図示していないがデジタルインターフェース部を設けてデジタルオーディオデータの入出力を行なうことももちろん可能である。
エンコーダ/デコーダ部14によって圧縮された記録データはメモリコントローラ12によって一旦バッファメモリ13に書き込まれ、また所定タイミングで読み出されてエンコーダ/デコーダ部8に送られる。そしてエンコーダ/デコーダ部8でCIRCエンコード、EFM変調等のエンコード処理された後、磁気ヘッド駆動回路6に供給される。
磁気ヘッド駆動回路6はエンコード処理された記録データに応じて、磁気ヘッド6aに磁気ヘッド駆動信号を供給する。つまり、光磁気ディスク1に対して磁気ヘッド6aによるN又はSの磁界印加を実行させる。また、このときシステムコントローラ11は光学ヘッドに対して、記録レベルのレーザ光を出力するように制御信号を供給する。
操作部19はユーザー操作に供される部位を示し、これは図1で説明したような各種操作キーやダイヤルに相当する。これらの操作キーやダイヤルによる操作情報はシステムコントローラ11に供給され、システムコントローラ11は操作情報に応じた動作制御を実行することになる。
また表示部20は図1のように筺体上に設けられるもので、この表示動作はシステムコントローラ11によって制御される。
システムコントローラ11は、CPU、プログラムROM、ワークRAM、インターフェース部等を備えたマイクロコンピュータとされるが、図示するワークRAM11aは、本例の区間デリートモードの動作においては、始点ポイント、終点ポイントの指定操作が行なわれた際の、そのポイント(指定位置)のアドレスの保持に用いられる。
ところで、ディスク1に対して記録/再生動作を行なう際には、ディスク1に記録されている管理情報、即ちP−TOC(プリマスタードTOC)、U−TOC(ユーザーTOC)を読み出す必要がある。システムコントローラ11はこれらの管理情報に応じてディスク1上の記録すべきエリアのアドレスや、再生すべきエリアのアドレスを判別することとなる。
この管理情報はバッファメモリ13に保持される。
そして、システムコントローラ11はこれらの管理情報を、ディスク1が装填された際に管理情報の記録されたディスクの最内周側の再生動作を実行させることによって読み出し、バッファメモリ13に記憶しておき、以後そのディスク1に対する記録/再生/編集動作の際に参照できるようにしている。
また、U−TOCはデータの記録や各種編集処理に応じて書き換えられるものであるが、システムコントローラ11は記録/編集動作のたびに、U−TOC更新処理をバッファメモリ13に記憶されたU−TOC情報に対して行ない、その書換動作に応じて所定のタイミングでディスク1のU−TOCエリアについても書き換えるようにしている。
<2.クラスタフォーマット>
ここで、クラスタという単位について説明する。
ミニディスクシステムにおける記録動作の単位となるクラスタのフォーマットは図3に示される。
ミニディスクシステムでの記録トラックとしては図3のようにクラスタCLが連続して形成されており、1クラスタが記録時の最小単位とされる。1クラスタは2〜3周回トラック分に相当する。
そして1クラスタCLは、セクターSFC〜SFFとされる4セクターのリンキング領域と、セクターS00〜S1Fとして示す32セクターのメインデータ領域から形成されている。
1セクターは2352バイトで形成されるデータ単位である。
セクターSFC〜SFFの4セクターはサブデータの記録やリンキングエリアとしてなどに用いられ、TOCデータ、オーディオデータ等の記録は32セクターのメインデータ領域に行なわれる。
なお、アドレスは1セクター毎に記録される。
また、セクターはさらにサウンドグループという単位に細分化され、2セクターが11サウンドグループに分けられている。
つまり図示するように、セクターS00などの偶数セクターと、セクターS01などの奇数セクターの連続する2つのセクターに、サウンドグループSG00〜SG0Aが含まれる状態となっている。1つのサウンドグループは424バイトで形成されており、11.61msec の時間に相当する音声データ量となる。
1つのサウンドグループSG内にはデータがLチャンネルとRチャンネルに分けられて記録される。例えばサウンドグループSG00はLチャンネルデータL0とRチャンネルデータR0で構成され、またサウンドグループSG01はLチャンネルデータL1とRチャンネルデータR1で構成される。
なお、Lチャンネル又はRチャンネルのデータ領域となる212バイトをサウンドフレームとよんでいる。
<3.U−TOCセクター>
上記したように、ディスク1に対して記録/再生動作を行なう際には、システムコントローラ11は、ディスク1に記録されている管理情報としてP−TOC、U−TOC(ユーザーTOC)を読み出し、これを参照することになる。
ここで、ディスク1においてトラック(楽曲等)の記録/再生動作などの管理を行なう管理情報として、U−TOCセクターについて説明する。
なおTOC情報としてはU−TOCとP−TOCが設けられているが、このP−TOCはディスク1の最内周側のピットエリアに形成されるもので、読出専用の情報である。そして、P−TOCによってディスクの記録可能エリア(レコーダブルユーザーエリア)や、リードアウトエリア、U−TOCエリアなどの位置の管理等が行なわれる。なお、ミニディスクシステムでは、全てのデータがピット形態で記録されている再生専用の光ディスクも使用できるが、再生専用ディスクの場合は、P−TOCによってROM化されて記録されている楽曲の管理も行なうことができるようにされ、U−TOCは形成されない。
P−TOCについては詳細な説明を省略し、ここでは記録可能な光磁気ディスクに設けられるU−TOCについて説明する。
図4はU−TOCセクター0のフォーマットを示すものである。
なお、U−TOCセクターとしてはセクター0〜セクター7まで設けることができ、後述するようにセクター1,セクター4は文字情報、セクター2は録音日時を記録するエリアとされる。
まず最初に、ディスク1の記録/再生動作に必ず必要となるU−TOCセクター0について説明する。
U−TOCセクター0は、主にユーザーが録音を行なった楽曲や新たに楽曲が録音可能なフリーエリアについての管理情報が記録されているデータ領域とされる。
例えばディスク1に或る楽曲の録音を行なおうとする際には、システムコントローラ11は、U−TOCセクター0からディスク上のフリーエリアを探し出し、ここに音声データを記録していくことになる。また、再生時には再生すべき楽曲が記録されているエリアをU−TOCセクター0から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行なう。
U−TOCセクター0のデータ領域(4バイト×588 の2352バイト)は、先頭位置にオール0又はオール1の1バイトデータが並んで形成される同期パターンが記録される。
続いてクラスタアドレス(Cluster H) (Cluster L) 及びセクターアドレス(Sector)となるアドレスや、モード情報(MODE)が4バイト付加され、以上でヘッダとされる。
セクターとは、上述のように2352バイトのデータ単位であり、36セクターが1クラスタとなる。同期パターンやアドレスについては、このU−TOCセクター0に限らず、P−TOCセクターや、実際に音声データが記録されるデータセクターでも、そのセクター単位に記録されている。
クラスタアドレスは、上位アドレス(Cluster H) と下位アドレス(Cluster L) の2バイトで記され、セクターアドレス(Sector)は1バイトで記される。
続いて所定バイト位置に、メーカーコード、モデルコード、最初のトラックのトラックナンバ(First TNO)、最後のトラックのトラックナンバ(Last TNO)、セクター使用状況(Used sectors)、ディスクシリアルナンバ、ディスクID等のデータが記録される。
さらに、ユーザーが録音を行なって記録されているトラック(楽曲等)の領域やフリーエリア等を後述する管理テーブル部に対応させることによって識別するため、対応テーブル指示データ部として各種のテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) が記録される領域が用意されている。
そしてテーブルポインタ(P-DFA〜P-TNO255) に対応させることになる管理テーブル部として(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられ、それぞれのパーツテーブルには、或るパーツについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、そのパーツのモード情報(トラックモード)が記録されている。さらに各パーツテーブルで示されるパーツが他のパーツへ続いて連結される場合があるため、その連結されるパーツのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルを示すリンク情報が記録できるようにされている。
なお本明細書において『h』を付した数値はいわゆる16進表記のものである。また、パーツとは1つのトラック内で時間的に連続したデータが物理的に連続して記録されているトラック部分のことをいう。
この種の記録再生装置では、1つの楽曲のデータを物理的に不連続に、即ち複数のパーツにわたって記録されていてもパーツ間でアクセスしながら再生していくことにより再生動作に支障はないため、ユーザーが録音する楽曲等については、録音可能エリアの効率使用等の目的から、複数パーツにわけて記録する場合もある。
そのため、リンク情報が設けられ、例えば各パーツテーブルに与えられたナンバ(01h) 〜(FFh) によって、連結すべきパーツテーブルを指定することによってパーツテーブルが連結できるようになされている。
つまりU−TOCセクター0における管理テーブル部においては、1つのパーツテーブルは1つのパーツを表現しており、例えば3つのパーツが連結されて構成される楽曲についてはリンク情報によって連結される3つのパーツテーブルによって、そのパーツ位置の管理はなされる。
なお、実際にはリンク情報は所定の演算処理によりU−TOCセクター0内のバイトポジションとされる数値で示される。即ち、304+(リンク情報)×8(バイト目)としてパーツテーブルを指定する。
U−TOCセクター0の管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) によって、以下のようにそのパーツの内容が示される。
テーブルポインタP-DFA は光磁気ディスク1上の欠陥領域に付いて示しており、傷などによる欠陥領域となるトラック部分(=パーツ)が示された1つのパーツテーブル又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、欠陥パーツが存在する場合はテーブルポインタP-DFA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、欠陥パーツがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、他にも欠陥パーツが存在する場合は、そのパーツテーブルにおけるリンク情報として他のパーツテーブルが指定され、そのパーツテーブルにも欠陥パーツが示されている。そして、さらに他の欠陥パーツがない場合はリンク情報は例えば『(00h) 』とされ、以降リンクなしとされる。
テーブルポインタP-EMPTY は管理テーブル部における1又は複数の未使用のパーツテーブルの先頭のパーツテーブルを示すものであり、未使用のパーツテーブルが存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY として、(01h) 〜(FFh) のうちのいづれかが記録される。未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY によって指定されたパーツテーブルからリンク情報によって順次パーツテーブルが指定されていき、全ての未使用のパーツテーブルが管理テーブル部上で連結される。
テーブルポインタP-FRA は光磁気ディスク1上のデータの書込可能なフリーエリア(消去領域を含む)について示しており、フリーエリアとなるトラック部分(=パーツ)が示された1又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、フリーエリアが存在する場合はテーブルポインタP-FRA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、フリーエリアであるパーツがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、このようなパーツが複数個有り、つまりパーツテーブルが複数個有る場合はリンク情報により、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで順次指定されている。
図5にパーツテーブルにより、フリーエリアとなるパーツの管理状態を模式的に示す。これはパーツ(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) がフリーエリアとされている時に、この状態がテーブルポインタP-FRA に引き続きパーツテーブル(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) のリンクによって表現されている状態を示している。なお上記した欠陥領域や未使用パーツテーブルの管理形態もこれと同様となる。
ところで、全く楽曲等の音声データの記録がなされておらず欠陥もない光磁気ディスクであれば、テーブルポインタP-FRA によってパーツテーブル(01h) が指定され、これによってディスクのレコーダブルユーザーエリアの全体がフリーエリアであることが示される。そして、この場合残る(02h) 〜(FFh) のパーツテーブルは使用されていないことになるため、上記したテーブルポインタP-EMPTY によってパーツテーブル(02h) が指定され、また、パーツテーブル(02h) のリンク情報としてパーツテーブル(03h) が指定され・・・・・・、というようにパーツテーブル(FFh) まで連結される。この場合パーツテーブル(FFh) のリンク情報は以降連結なしを示す『(00h) 』とされる。
なお、このときパーツテーブル(01h) については、スタートアドレスとしてはレコーダブルユーザーエリアのスタートアドレスが記録され、またエンドアドレスとしてはリードアウトスタートアドレスの直前のアドレスが記録されることになる。
テーブルポインタP-TNO1〜P-TNO255は、光磁気ディスク1にユーザーが記録を行なった楽曲などのトラックについて示しており、例えばテーブルポインタP-TNO1では第1トラックのデータが記録された1又は複数のパーツのうちの時間的に先頭となるパーツが示されたパーツテーブルを指定している。
例えば第1トラックとされた楽曲がディスク上でトラックが分断されずに、つまり1つのパーツで記録されている場合は、その第1トラックの記録領域はテーブルポインタP-TNO1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されている。
また、例えば第2トラックとされた楽曲がディスク上で複数のパーツに離散的に記録されている場合は、その第2トラックの記録位置を示すため各パーツが時間的な順序に従って指定される。つまり、テーブルポインタP-TNO2に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結される(上記、図5と同様の形態)。
このように例えば2曲目を構成するデータが記録された全パーツが順次指定されて記録されていることにより、このU−TOCセクター0のデータを用いて、2曲目の再生時や、その2曲目の領域への上書き記録を行なう際に、光学ヘッド3及び磁気ヘッド6をアクセスさせ離散的なパーツから連続的な音楽情報を取り出したり、記録エリアを効率使用した記録が可能になる。
以上のように、書換可能な光磁気ディスク1については、ディスク上のエリア管理はP−TOCによってなされ、またレコーダブルユーザーエリアにおいて記録された楽曲やフリーエリア等はU−TOCにより行なわれる。
次に、図6にU−TOCセクター1のフォーマットを示す。このセクター1は録音された各トラックにトラックネームをつけたり、ディスクタイトルをつける場合に、入力された文字情報を記録するデータ領域とされる。
このU−TOCセクター1には、記録された各トラックに相当する文字スロット指示データ部としてスロットポインタP-TNA1〜P-TNA255が用意され、またこのスロットポインタP-TNA1〜P-TNA255によって指定される文字スロット部が1単位8バイトで255単位のスロット(01h) 〜(FFh) として用意されており、上述したU−TOCセクター0とほぼ同様の形態で文字データを管理する。
スロット(01h) 〜(FFh) にはディスクタイトルやトラックネームとしての文字情報がアスキーコードで記録される。なお、スロット(01h) の前の8バイトはディスクネームの専用エリアとされている。
そして、例えばスロットポインタP-TNA1によって指定されるスロットには第1トラックに対応してユーザーが入力した文字が記録されていることになる。また、スロットがリンク情報によりリンクされることで、1つのトラックに対応する文字入力は7バイト(7文字)より大きくなっても対応できる。
なお、このU−TOCセクター1でもスロットポインタP-EMPTY は使用していないパーツテーブルを管理するものである。
次に、図7はU−TOCセクター2のフォーマットを示しており、このセクター2は、主にユーザーが録音を行なった楽曲の録音日時を記録するデータ領域とされる。
このU−TOCセクター2には、記録された各楽曲に相当する日時スロット指示データ部としてスロットポインタP-TRD1〜P-TRD255が用意され、またこのスロットポインタP-TRD1〜P-TRD255によって指定される日時スロット部が用意される。日時スロット部には1単位8バイトで255単位のスロット(01h) 〜(FFh) が形成されており、上述したU−TOCセクター0とほぼ同様の形態で日時データを管理する。
スロット(01h) 〜(FFh) には楽曲(トラック)の録音日時が6バイトで記録される。6バイトはそれぞれ1バイトづつ、年、月、日、時、分、秒に相当する数値が記録される。また、残りの2バイトはメーカーコード及びモデルコードとされ、その楽曲を録音した記録装置の製造者を示すコードデータ、及び録音した記録装置の機種を示すコードデータが記録される。
なお、スロット(01h) の前の8バイトのスロットはディスクに対しての録音日時データのためのエリアとされている。
例えばディスクに曲が第1曲目としてが録音されると、スロットポインタP-TRD1によって指定されるスロットにはその録音日時及び録音装置のメーカーコード、モデルコードが記録される。録音日時データはシステムコントローラ11が内部時計11aを参照して自動的に記録することになる。
なお、このU−TOCセクター2でもスロットポインタP-EMPTY は使用していないスロットを管理するものである。使用されていないスロットについては、モデルコードに代えてリンク情報が記録されており、スロットポインタP-EMPTY を先頭に各未使用のスロットがリンク情報でリンクされて管理されている。
U−TOCセクター4は、上記したセクター1と同様に、ユーザーが録音を行なった楽曲に曲名をつけたり、ディスクタイトルをつける場合に、入力された文字情報を記録するデータ領域とされ、フォーマットは図6とほぼ同様であるため図示を省略する。
ただし、このセクターは漢字や欧州文字に対応するコードデータが記録されるものであり、図6のセクター1のデータに加えて、所定バイト位置にキャラクタコードとして使用する文字コードの属性が記録される。
このU−TOCセクター4の文字情報の管理は、セクター1と同様に文字スロット指示データ部としてスロットポインタP-TNA1〜P-TNA255及びスロットポインタP-TNA1〜P-TNA255によって指定される255単位のスロット(01h) 〜(FFh) によって行なわれる。
<4.U−TOCによる管理例>
ここで、光磁気ディスク1のエリア構造を説明し、P−TOC、U−TOCにより管理される記録状態例を述べる。
図8(a)はディスク1のエリア構造をその半径方向に模式的に示したものである。
光磁気ディスクの場合、大きくわけて図8(a)にピットエリアとして示すようにエンボスピットによりデータが記録されているエリアと、いわゆる光磁気エリアとされてグルーブ(溝)が設けられているグルーブエリアに分けられる。
ここでピットエリアとしてはP−TOCが繰り返し記録されており、このP−TOCにおいて、U−TOCの位置がU−TOCスタートアドレスUSTA として示され、また、リードアウトスタートアドレスLOA 、レコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA 、パワーキャリブレーションエリアスタートアドレスPCA 等、図8(a)に示す各位置についてのアドレスが示されていることになる。
この光磁気ディスク1の最内周側のピットエリアに続いてグルーブエリアが形成されるが、このグルーブエリア内のうちP−TOC内のリードアウトスタートアドレスLOA として示されるアドレスまでのエリアが、記録可能なレコーダブルエリアとされ、以降はリードアウトエリアとされている。
さらにこのレコーダブルエリアのうち、実際に音楽等のデータが記録されるレコーダブルユーザーエリアは、レコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA から、リードアウトスタートアドレスLOA の直前の位置までとなる。
そして、グルーブエリア内においてレコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA より前となるエリアは、記録再生動作のための管理エリアとされ、上記したU−TOCが記録され、またパワーキャリブレーションエリアスタートアドレスPCA として示される位置から1クラスタ分がレーザーパワーのキャリブレーションエリアとして設けられる。
U−TOCはこの記録再生動作のための管理エリア内においてU−TOCスタートアドレスUSTA に示される位置から3クラスタ(1クラスタ=36セクター)連続して記録される。
実際の音声データは例えば図8(a)に例示するように、レコーダブルユーザーエリアに記録される。この例では、4トラック(楽曲)M1 〜M4 が記録されている場合を示している。
まずアドレスA0 〜A1 のパーツとして第1曲目となるトラックM1 が記録され、また第2曲目となるトラックM2 はアドレスA2 〜A3 に記録された前半部分のパーツM2-1 とアドレスA6 〜A7 に記録された後半部分のパーツM2-2 にわかれて記録されている。また、第3曲目となるトラックM3 はアドレスA4 〜A5 のパーツに記録され、第4曲目となるトラックM4 はアドレスA8 〜A9 のパーツに記録されている。
この状態で、まだ楽曲の記録されていないフリーエリアF1 はアドレスA10〜A11のパーツとなる。
この図8(a)の状態を管理するU−TOCセクター0のデータ例を図9に示す。
なお、この図9において、U−TOC内のテーブルポインタやリンク情報としての1バイトデータが『00h』とされている部分、及びスタートアドレス、エンドアドレスとしての3バイトデータが『000000h』とされている部分については、『−』と表記して示している。
また各パーツテーブルの右側に、対応するパーツ/トラックを示している。
さらに、光磁気ディスク1上でのレコーダブルユーザーエリアに欠陥は無いものとし、従ってテーブルポインタP-DFA は『00h』とされている。
図8(a)の記録状態では、テーブルポインタP-FRA はフリーエリアを管理するため、例えばこの場合、テーブルポインタP-FRA に(06h)というパーツテーブルが示されているとすると、これに対応してパーツテーブル(06h)には、図8(a)でのフリーエリアF1 となるパーツについての情報が示されている。つまりアドレスA10がスタートアドレス、アドレスA11がエンドアドレスとして示される。なお、この場合他のフリーエリアパーツは存在しないため、パーツテーブル(06h)のリンク情報は『00h』とされる。
また第1トラックM1 についてはテーブルポインタP-TNO1に示される(01h)のパーツテーブルにおいてそのスタートアドレスA0 及びエンドアドレスA1 が示される。トラックM1 は1つのパーツとして記録されているため、パーツテーブル(01h)のリンク情報は『00h』とされている。
第2トラックM2 については、テーブルポインタP-TNO2に示される(02h)のパーツテーブルにおいてそのスタートアドレスA2 及びエンドアドレスA3 が示されている。ただしトラックM2 は2つのパーツ(M2-1 とM2-2 )に別れて記録されており、アドレスA2 及びアドレスA3 はトラックM2 の前半部分のパーツM2-1 を示すのみである。そこでパーツテーブル(02h)のリンク情報として例えばパーツテーブル(04h)が示され、パーツテーブル(04h)には後半部分のパーツM2-2 のパーツを示すべく、スタートアドレスA6 及びエンドアドレスA7 が記録されている。以降リンクは不要であるためパーツテーブル
(04h)のリンク情報は『00h』とされている。
第3トラックM3 ,第4トラックM4 についてもそれぞれテーブルポインタP-TNO3,P-TNO4を起点として得られるパーツテーブルによってそのパーツ位置が管理されている。なお、4曲しか録音されていないため、テーブルポインタP-TNO5〜P-TNO255までは使用されておらず『00h』とされている。
また、使用していないパーツテーブルを示すテーブルポインタP-EMPTY は、この場合パーツテーブル(07h)を示しており、パーツテーブル(07h)からパーツテーブル(FFh)までの全ての未使用のパーツテーブルがリンク情報によってリンクされている。
<5.区間デリート処理>
上述のようにU−TOCデータの更新による各種編集動作が可能であるが、本例においては特に区間デリートという編集処理を実現することで、トラック内の一部をデリートする編集作業の簡易化を実現する。
この区間デリート編集という編集モードについて図8(b)(c)及び図10で説明する。
上述の図8(a)の記録状態において、ユーザーがトラックM3 内の一部として、図8(b)に斜線を付した区間を削除したいと思ったとする。
この場合、本例では、ユーザーは区間デリートモードとする操作を行なった後、区間デリート処理の対象となる区間の開始位置となる始点ポイントを指定する始点ポイント指定操作DSを行ない、また区間デリート処理の対象となる区間の終点位置となる終点ポイントを指定する終点ポイント指定操作DEを行なう。
ここで始点ポイント指定操作DSで指定されたディスク1上のアドレス(区間デリート開始アドレス)がアドレスA22であったとする。また終点ポイント指定操作DEで指定されたディスク1上のアドレス(区間デリート終了アドレス)がアドレスA23であったとする。
するとシステムコントローラ11は、この区間デリート開始アドレスA22から区間デリート終了アドレスA23までの区間が削除された状態になるようにU−TOCを更新する。
つまり図8(c)に示すようにトラックM3 が、アドレスA4 からA21までのパーツM3-1 と、アドレスA24からA5 までのパーツM3-2 という2つのパーツにより構成されたトラックとなるようにし、また区間デリート開始アドレスA22から区間デリート終了アドレスA23までの区間はフリーエリアF2 となるようにする。
一例としては、上述した図9のようなデータ例によって管理されていた図8(a)の状態から、区間デリートモードでの始点ポイント指定操作DS、終点ポイント指定操作DEに応じて、U−TOCセクター0が図10のように更新され、これによって図8(c)の状態が実現されることになる。
なお、図10において斜線を付した部分は、図9の状態から更新された部分を示している。
即ち、アドレスA4 からA21までをトラックM3 を構成するパーツM3-1 とするため、パーツテーブル(03h)のエンドアドレスが『A21』に書き換えられ、またパーツM3-2 をリンクさせるためにリンク情報として例えばパーツテーブル(08h)が指定される。そしてパーツテーブル(08h)においてパーツM3-2 としてのスタートアドレス『A24』とエンドアドレス『A5 』が記述され、リンク情報は『00h』とされる。
一方、フリーエリアとして2つのフリーエリアF1 ,F2 が発生することになるため、図9でフリーエリアF1 を管理していたパーツテーブル(06h)においてリンク情報で例えばパーツテーブル(07h)が指定される。そしてパーツテーブル(07h)では、新たに発生したフリーエリアF2 としてのスタートアドレス『A22』とエンドアドレス『A23』が記述され、リンク情報は『00h』とされる。
また新たにパーツテーブル(07h)(08h)が使用されたことにともなって、テーブルポインタP-EMPTY の値が『09h』に更新され、パーツテーブル(09h)〜(FFh)までが未使用パーツテーブルとして管理される。
このようにU−TOCセクター0が更新されることで、図8(c)のようにトラックM3 の中の一部が削除された状態が実現される。即ちトラックM3 の再生動作としては下部に矢印PBM3 として示すように、パーツM3-1 とパーツM3-2 という2つのパーツが時間的に連続して行なわれることになる。
即ち本例ではこのような区間デリート処理が行なわれることで、図39で説明したような煩雑な編集作業は不要となり、削除したい区間を指定するのみという簡単な動作で所望のトラックにおける部分的な削除が可能となる。
<6.区間デリート処理におけるリハーサル機能>
ところで、上記したように区間デリートモードにおいてユーザーは、区間デリート処理の対象となる区間の開始位置となる始点ポイントを指定する始点ポイント指定操作DSと、区間デリート処理の対象となる区間の終点位置となる終点ポイントを指定する終点ポイント指定操作DEを行なうことになるが、音楽などにおける特定のポイントをタイミングよく指定することは容易ではない。
例えば、イントロ→1番→2番→3番→エンディングと続く曲の内の2番だけを削除したい場合には、その1番と2番の繋ぎ目について始点ポイント指定操作DSを行ない、また2番と3番の繋ぎ目において終点ポイント指定操作DEを行なうが、その始点、終点の指定がかなり厳密に行なわれないと、区間デリート後においてイントロ→1番→3番→エンディングという再生を行なった際に、1番と3番の繋ぎ目の音がぎこちなくなったり、リズムが乱れたりする。
もちろん、曲以外のナレーションなどをカットしたような場合でも、ユーザーが再生音声を聞きながら丁度よいタイミングで区間デリートの始点ポイント、終
点ポイントを指定することは難しい。
そこで本例では、区間デリートモードにおいて始点ポイント、終点ポイントの指定操作の際に、そのポイントを基準として所要の再生動作を実行させるリハーサル機能を設けるようにしている。そしてそのリハーサル再生音声を聞きながら始点ポイント、終点ポイントの指定位置を前後に調整できるようにし、それによって最も好適な区間のデリートが容易に実行できるようにしている。
このリハーサル機能の動作を図11、図12で説明する。ここではユーザーが始点ポイント指定操作DSを行なった際のリハーサル動作として説明するが、終点ポイント指定操作DEを行なった際のリハーサル動作も同様に実行できる。また、終点ポイント指定操作DEを行なった際のリハーサル動作としてはさらに多様な例も考えられるが、これらは後述する各区間デリート動作例において説明することとする。
図11では、ユーザーが始点ポイント指定操作DSを行なった際に、その指定されたアドレスを起点として所定時間分だけの区間を繰り返しリハーサル再生させるようにしている。
ユーザーが再生音声を聞きながら所要のタイミングで指定キー39を押すという始点ポイント指定操作DSを行なったとする。この操作で指定されたディスク上のアドレスが、図11(a)に示すようにアドレスAX1であったとすると、システムコントローラ11はこのアドレスAX1を区間デリート開始アドレスAdsとして取り込む。
するとシステムコントローラ11は、アドレスAX1から時間T(例えば4秒〜10秒程度)の期間だけ再生動作を実行させる。これが即ち図中矢印で示すリハーサル再生RHであり、ユーザーはこのリハーサル再生音声を聞くことで始点ポイント指定操作DSで指定したポイントが適切か否かを確認できる。
もし適切でないと思った場合は、ジョグダイヤル27を操作して指定ポイントの変更を行なう。
例えばジョグダイヤル27が+方向に回されれば時間的に進む方向に指定ポイントが変更され、逆にジョグダイヤル27が−方向に回されれば時間的に戻る方向に指定ポイントが変更されるようにする。
例えば図11(a)の状態からジョグダイヤル27が−方向に回されたとする。するとシステムコントローラ11は、その回転操作量に応じて図示するように始点ポイント指定操作DSとして指定された位置を時間的に戻る方向に変更させ、つまり区間デリート開始アドレスAdsの値をアドレスAX2に変更する。
そしてシステムコントローラ11は、アドレスAX2から時間Tの期間だけリハーサル再生RHを実行させ、ユーザーに指定したポイントが適切か否かを判断させる。
また、例えば図11(b)の状態からジョグダイヤル27が+方向に回されたとする。するとシステムコントローラ11は、その回転操作量に応じて図示するように始点ポイント指定操作DSとして指定された位置を時間的に進む方向に変更させ、つまり区間デリート開始アドレスAdsの値をアドレスAX3に変更する。
そしてシステムコントローラ11は、アドレスAX3から時間Tの期間だけリハーサル再生RHを実行させ、ユーザーに指定したポイントが適切か否かを判断させる。
ユーザーはこのようにジョグダイヤル27を操作して指定ポイントを調整していくことができるとともに、そのたびにリハーサル再生音声で指定ポイントを確認できる。そして、適切なポイントを指定できたと思ったら、例えばイエスキー30を押すなどのエンター操作を行なう。するとシステムコントローラ11は、その時点での区間デリート開始アドレスAdsを、区間デリート処理の起点となるアドレスとして確定する。
図12の例は、ユーザーが始点ポイント指定操作DS(もしくは終点ポイント指定操作DE)を行なった際に、その指定されたアドレスに対して所定時間前からの区間を繰り返しリハーサル再生させるようにするものである。
ユーザーが再生音声を聞きながら所要のタイミングで指定キー39を押すという始点ポイント指定操作DSを行なったとする。この操作で指定されたディスク上のアドレスが、図12(a)に示すようにアドレスAX1であったとすると、システムコントローラ11はこのアドレスAX1を区間デリート開始アドレスAdsとして取り込む。
するとシステムコントローラ11は、アドレスAX1から例えば4秒〜10秒程度とされる或る特定の時間Tに相当するアドレス量AdtをアドレスAX1から減算するなどして、アドレスAX1からT秒前の位置のアドレス(AX1−Adt)を求める。そして時間Tに相当する、アドレス(AX1−Adt)からアドレスAX1までのリハーサル再生RHを繰り返し実行させ、ユーザーに指定ポイントが適切か否かを確認させる。
ここでユーザーがジョグダイヤル27が−方向に回したとする。するとシステムコントローラ11は、その回転操作量に応じて図12(b)に示すように始点ポイント指定操作DSとして指定された位置を時間的に戻る方向に変更させ、つまり区間デリート開始アドレスAdsの値をアドレスAX2に変更する。
そしてシステムコントローラ11は、アドレスAX2から時間Tに相当するアドレス量AdtをアドレスAX2から減算するなどして、アドレスAX2からT秒前の位置のアドレス(AX2−Adt)を求める。そして時間Tとなるアドレス(AX2−Adt)からアドレスAX2までのリハーサル再生RHを繰り返し実行させ、ユーザーに指定ポイントが適切か否かを確認させる。
また、例えば図12(b)の状態からジョグダイヤル27が+方向に回されたとする。するとシステムコントローラ11は、その回転操作量に応じて図示するように始点ポイント指定操作DSとして指定された位置を時間的に進む方向に変更させ、つまり区間デリート開始アドレスAdsの値をアドレスAX3に変更する。
そしてシステムコントローラ11は、アドレスAX3から時間Tに相当するアドレス量AdtをアドレスAX3から減算するなどして、アドレスAX3からT秒前の位置のアドレス(AX3−Adt)を求める。そして時間Tとなるアドレス(AX3−Adt)からアドレスAX3までのリハーサル再生RHを繰り返し実行させ、ユーザーに指定ポイントが適切か否かを確認させる。
この場合でも、ユーザーはジョグダイヤル27を操作して指定ポイントを調整していくことができ、しかも、そのたびにリハーサル再生音声で指定ポイントを確認できる。そして、適切なポイントを指定できたと思ったら、例えばイエスキー30を押すなどのエンター操作を行なう。するとシステムコントローラ11は、その時点での区間デリート開始アドレスAdsを、区間デリート処理の起点となるアドレスとして確定する。
なお、ミニディスクシステムの場合、上述のように1つのトラックが複数パーツに別れている場合がある。この場合、再生動作でみる場合の時間的な位置とディスク上の物理的な位置の関係は必ずしも一致しない。
従って、ディスク上の物理的な位置を示す或るアドレスAX よりT秒前の位置のアドレスは、単純に(AX −Adt)で求めることができない場合がある。
このため実際には、或るアドレスAX が或るパーツの先頭よりT秒以内のポイントのアドレスであった場合は、そのT秒に満たない時間分を、当該パーツがリンクされている前のパーツの終端からさかのぼったアドレスを探す必要がある。このようなアドレスの算出は時間量とアドレス量の換算を行なう演算と、U−TOCにおける各パーツのアドレスを参照し、アドレスAX が含まれるパーツのスタートアドレスと、その前のパーツのエンドアドレスを用いた演算で可能である。
具体的には、アドレスAX を含むパーツのスタートアドレスをAP1STとし、スタートアドレスAXST からアドレスAX までのアドレス量(AX −AXST )がT秒分のアドレス量Adtに満たない場合は、T秒前の音声データは当該パーツをリンクしている前のパーツに記録されていることになる。従って当該パーツ内ではさかのぼれない時間分は、前のパーツのエンドアドレスからさかのぼっていく必要がある。当該パーツ内ではさかのぼれない時間分とは、当該パーツ内でのアドレス量(AX −AXST )がT秒分のアドレス量Adtに満たない量であるため、アドレス量(Adt−(AX −AXST ))となる。
従って、前のパーツのエンドアドレスをAP0EDとすると、アドレスAX よりT秒前のポイントのアドレスは、
AP0ED−(Adt−(AX −AXST ))
で求められることになる。
以上の図11、図12の例のように、ユーザーは始点ポイントもしくは終点ポイントの指定操作の際に、その指定ポイントからの再生音声もしくは指定ポイントまでの再生音声など、指定ポイントを基準とした区間のリハーサル再生により、指定ポイントが適切であるか否かを確認し、必要に応じて指定ポイントを修正できる。これによって、適切な区間を指定して区間デリート処理を実行させることができるとともに、不適切な区間を指定した区間デリートが実行されることを防止できる。
ところで、ジョグダイヤル27による調整量の単位は例えばセクター単位の微調整を行なうことができるようにしてもよいし、またさらに細かくサウンドグループ単位で実行できるようにしてもよい。
また、本例ではジョグダイヤル27を用いるようにしたが、もちろん操作キーなど他の形態の操作手段を用いるものでもよい。
<7.リハーサル動作を伴う区間デリート処理>
(a.区間デリート動作例1)
以下、リハーサル動作を伴う区間デリート処理の動作例として動作例1〜8をそれぞれ説明していく。各動作例の説明にはそれぞれ図13〜図20のイメージ図と図21〜図36のフローチャートを用いる。図13〜図20のイメージ図は特にリハーサル再生区間のイメージであり、また図21〜図36のフローチャートは区間デリートモードとされた際のシステムコントローラ11の処理を示している。
まず動作例1を図13のイメージ図及び図21、図22のフローチャートで説明する。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図21の処理を開始する。
この区間デリートモードでは、ユーザーはまず始点ポイント指定操作DSを行なうことが必要になるが、このために再生音声を聞きながら始点ポイント指定操作DS(つまり指定キー39の操作)を行なうべきポイントを探さなければならない。
このため、まずユーザーは再生操作/サーチ操作/ポーズ(一時停止)操作等を必要に応じて実行し、区間デリートを実行する始点としての所望のポイントを探していくことになる。このようなユーザーの操作に対応して、システムコントローラ11はステップF101で再生/サーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズなどの動作を実行させることになる。
ユーザーはこのように所望のポイントを探していき、区間デリートを実行する始点としてのポイントの音声が再生出力されたタイミングに合わせて指定キー39を押す。即ち始点ポイント指定操作DSを行なう。するとシステムコントローラ11の処理はステップF102からF103に進み、その始点ポイント指定操作DSで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート開始アドレスAdsとして記憶する。
次にステップF104から、区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsからの再生動作を開始させるとともに、ステップF105で内部タイマーとしてT時間(例えば4〜10秒程度)をカウントするタイマをセットし、カウントをスタートさせる。
これは即ち、図13におけるリハーサル再生RH1としての動作が開始されることになる。このリハーサル再生RH1の動作は、図11で説明した例に相当する動作となる。
そしてステップF106,F107,F108,F109 の、T時間のタイムオーバー、ジョグダイヤル27の操作、イエスキー30などによるエンター操作のそれぞれを監視するループに入る。
リハーサル再生RH1は、ジョグダイヤル27の操作もしくはエンター操作があるまでは繰り返し行なわれる。即ちステップF106でタイムオーバーが検出される時点とは、図13のリハーサル再生RH1としてのT秒間の再生が終了した時点であり、このときはステップF104に戻って区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、再生動作を開始させるとともに、ステップF105で内部タイマーとしてT時間(例えば4〜10秒程度)をカウントするタイマをセットし、カウントをスタートさせる。即ち、T秒間のリハーサル再生RH1を再び開始することになる。
リハーサル再生RH1の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を+方向に回したとすると、処理はステップF107からF110に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート開始アドレスAdsの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の+方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート開始アドレスAdsの値に加えて新たな区間デリート開始アドレスAdsとする。そしてステップF104,F105 に戻って、その新たな区間デリート開始アドレスAdsを基準としたリハーサル再生を開始させる。即ち図11(c)で説明したように始点ポイント指定操作DSでの指定ポイントを時間的に進む方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
またリハーサル再生RH1の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を−方向に回したとすると、処理はステップF108からF111に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート開始アドレスAdsの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の−方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート開始アドレスAdsの値からアドレス量JGを減算して新たな区間デリート開始アドレスAdsとする。そしてステップF104,F105 に戻って、その新たな区間デリート開始アドレスAdsを基準としたリハーサル再生を開始させる。即ち図11(b)で説明したように始点ポイント指定操作DSでの指定ポイントを時間的に戻る方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
なお上述のとおり、1つのトラックが複数パーツに別れている場合、再生動作でみる場合の時間的な位置とディスク上の物理的な位置の関係は一致しない。
説明の煩雑化を避けるため、ステップF110,F111 における区間デリート開始アドレスAdsの変更処理は、単純に加算もしくは減算処理として示しているが、変更させる量がパーツ分割点を越えるような場合は、それに応じたアドレス算出のための演算処理が必要になることになる。例えば区間デリート開始アドレスAdsがほぼ或るパーツのスタートアドレス近辺であったような場合に、時間的に戻るように区間デリート開始アドレスAdsが変更操作された場合は、新たな区間デリート開始アドレスAdsとしては、その前のパーツのエンドアドレスから所要の時間分だけさかのぼったアドレス値に更新されることになる。
このような事情は図22におけるステップF122,F123 でも同様であり、また後述する動作例2〜8における同内容の処理ステップにおいても同様となるが、説明上、単純な加算もしくは減算処理として説明することとする。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが始点ポイント指定操作DSで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF109から図22のステップF112に進む。そしてその時点で確定された区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。この再生動作は、次にユーザーが終点ポイント指定操作DE(指定キー39の操作)を行なうべきポイントを探させるための動作となる。
ユーザーは、そのまま再生音声を聞きながら、また必要に応じてサーチ操作/ポーズ(一時停止)/再生操作等を実行していき、区間デリートを実行する終点としての所望のポイントを探していくことになる。このようなユーザーの操作に対応して、システムコントローラ11はステップF113でサーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズ/再生などの動作を実行させることになる。
ユーザーはこのように所望のポイントを探していき、区間デリートを実行する終点としてのポイントの音声が再生出力されたタイミングに合わせて指定キー39を押す。即ち終点ポイント指定操作DEを行なう。するとシステムコントローラ11の処理はステップF114からF115に進み、その終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート終了アドレスAdeとして記憶する。
次にステップF116から、区間デリート終了アドレスAdeに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdeからの再生動作を開始させるとともに、ステップF117で内部タイマーとしてT時間(例えば4〜10秒程度)をカウントするタイマをセットし、カウントをスタートさせる。なお、このタイムカウントする時間Tは、上記図21のステップF105での時間と同じ時間としてもよいし、異なる時間としてもよい。
このステップF116,F117 の処理により、図13におけるリハーサル再生RH2としての動作が開始されることになる。そしてこのリハーサル再生RH2の動作は、図11で説明した例に相当する動作となる。
そしてステップF118,F119,F120,F121 の、T時間のタイムオーバー、ジョグダイヤル27の操作、イエスキー30などによるエンター操作のそれぞれを監視するループに入る。
リハーサル再生RH2も、ジョグダイヤル27の操作もしくはエンター操作があるまでは繰り返し行なわれる。即ちステップF118でタイムオーバーが検出される時点とは、図13のリハーサル再生RH2としてのT秒間の再生が終了した時点であり、このときはステップF116に戻って区間デリート終了アドレスAdeに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、再生動作を開始させるとともに、ステップF105で内部タイマーとしてT時間をカウントするタイマをセットし、カウントをスタートさせる。即ち、T秒間のリハーサル再生RH2を再び開始することになる。
リハーサル再生RH2の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を+方向に回したとすると、処理はステップF119からF122に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の+方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート終了アドレスAdeの値に加えて新たな区間デリート終了アドレスAdeとする。そしてステップF116,F117 に戻って、その新たな区間デリート開始アドレスAdsを基準としたリハーサル再生を開始させる。即ち図11(c)で説明した場合と同様に終点ポイント指定操作DEでの指定ポイントを時間的に進む方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
またリハーサル再生RH2の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を−方向に回したとすると、処理はステップF120からF123に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の−方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート終了アドレスAdeの値からアドレス量JGを減算して新たな区間デリート終了アドレスAdeとする。そしてステップF116,F117 に戻って、その新たな区間デリート終了アドレスAdeを基準としたリハーサル再生を開始させる。即ち図11(b)で説明した場合と同様に始点ポイント指定操作DSでの指定ポイントを時間的に戻る方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが終点ポイント指定操作DEで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF121からF124に進み、システムコントローラ11はその時点でRAM11aに保持されている区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAde、つまり入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて、その区間デリート開始アドレスAdsから区間デリート終了アドレスAdeまでの区間を削除するべくU−TOCデータの更新を行なう。これは図10で説明したような更新処理となる。
この更新処理はまずバッファメモリ13に保持されているU−TOCデータに対して行ない、その後、そのU−TOCデータを記録データとして転送し、ディスク1のU−TOCエリアの更新を行なうことになる。
そして、ステップF124の更新処理を終えたら、区間デリートが完了したことになり、区間デリートモードを終了する。
なお、ステップF124での更新処理はバッファメモリ13に保持されているU−TOCデータに対して行なうのみとし、ディスク1上でのU−TOC更新は、その後の所定タイミング(例えば電源オフ操作時やディスクイジェクト操作時)などに行なうようにしてもよい。
以上の動作例1では図13のように、始点ポイント指定操作DS、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)、区間デリート開始アドレスAdsと区間デリート終了アドレスAdeのそれぞれについて、そのアドレスからT秒間のリハーサル再生(RH1,RH2)が行なわれることになる。
(b.区間デリート動作例2)
次に区間デリート動作例2を図14のイメージ図と図23、図24のフローチャートで説明する。
この動作例2では、図14からわかるように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスからT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれ、一方、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについては、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH2が行なわれるようにするものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図23の処理を開始する。この図23の処理で、始点ポイント指定操作DSに応じた区間デリート開始アドレスAdsの設定及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生と、必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート開始アドレスAdsの変更及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート開始アドレスAdsが決定される。
これらの処理がステップF201〜F211として実行されるが、これは上記動作例1の処理として図21に示したステップF101〜F111の処理と同様であるため説明を省略する。
ステップF209のエンター操作によって区間デリート開始アドレスAdsが決定されたら、システムコントローラ11の処理は図24のステップF212に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
ユーザーは、そのまま再生音声を聞きながら、また必要に応じてサーチ操作/ポーズ(一時停止)/再生操作等を実行していき、区間デリートを実行する終点としての所望のポイントを探していくことになる。このようなユーザーの操作に対応して、システムコントローラ11はステップF213でサーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズ/再生などの動作を実行させることになる。
ユーザーはこのように所望のポイントを探していき、区間デリートを実行する終点としてのポイントの音声が再生出力されたタイミングに合わせて指定キー39を押す。即ち終点ポイント指定操作DEを行なう。するとシステムコントローラ11の処理はステップF214からF215に進み、その終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート終了アドレスAdeとして記憶する。
次にステップF216では、区間デリート終了アドレスAdeから例えば4秒〜10秒程度である時間Tに相当するアドレス量Adtを減算するなどして、区間デリート終了アドレスAdeでの音声データよりT秒前の音声データを記録しているアドレス(Ade−Adt)を求める。そしてアドレス(Ade−Adt)に対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレス(Ade−Adt)からの再生動作を開始させる。
このステップF216の処理により、図14におけるリハーサル再生RH2としての動作が開始されることになる。このリハーサル再生RH2の動作は、図12で説明した例に相当する動作となる。なお、パーツ分割されている場合に、区間デリート終了アドレスAdeから再生音声としてT秒分だけさかのぼったポイントのアドレスは、単純に(Ade−Adt)の演算で求められずに、パーツ分割点に応じた演算が必要になることは上述の通りである。
ステップF217では、1回のリハーサル再生の終了、つまりリハーサル再生が区間デリート終了アドレスAdeに達したかを監視する。またステップF218,F219,F220では、それぞれジョグダイヤル27の操作、イエスキー30などによるエンター操作のそれぞれを監視する。
リハーサル再生RH2も、ジョグダイヤル27の操作もしくはエンター操作があるまでは繰り返し行なわれる。即ちステップF217で1回のリハーサル再生の終了が検出されると、ステップF216に戻って、再びアドレス(Ade−Adt)に対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレス(Ade−Adt)からの再生動作を開始させる。即ち、T秒間のリハーサル再生RH2を再び開始することになる。
リハーサル再生RH2の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を+方向に回したとすると、処理はステップF218からF221に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の+方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート終了アドレスAdeの値に加えて新たな区間デリート終了アドレスAdeとする。そしてステップF216に戻って、その新たな区間デリート終了アドレスAdeを基準とした、アドレス(Ade−Adt)からのリハーサル再生を開始させる。即ち図12(c)で説明した場合と同様に終点ポイント指定操作DEでの指定ポイントを時間的に進む方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
またリハーサル再生RH2の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を−方向に回したとすると、処理はステップF219からF222に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の−方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート終了アドレスAdeの値からアドレス量JGを減算して新たな区間デリート終了アドレスAdeとする。そしてステップF216に戻って、その新たな区間デリート終了アドレスAdeを基準とした、アドレス(Ade−Adt)からのリハーサル再生を開始させる。即ち図12(b)で説明した場合と同様に終点ポイント指定操作DEでの指定ポイントを時間的に戻る方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが終点ポイント指定操作DEで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF220からF223に進み、その時点でRAM11aに保持されている区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAde、つまり入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新を行なう。この更新処理はまずバッファメモリ13に保持されているU−TOCデータに対して行ない、その後、そのU−TOCデータを記録データとして転送し、ディスク1のU−TOCエリアの更新を行なうことになる。そして、ステップF223の更新処理を終えたら、区間デリートが完了したことになり、区間デリートモードを終了する。
以上の処理により、図14のように、デリートする区間の最初の部分と最後の部分をリハーサル再生の対象とする動作例2として区間デリートが実行されることになる。
(c.区間デリート動作例3)
次に区間デリート動作例3を図15のイメージ図と図25、図26のフローチャートで説明する。
この動作例3では、図15に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにし、一方、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについては、そのアドレスからT秒間のリハーサル再生RH2が行なわれるようにするものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図25の処理を開始する。
ユーザーはまず始点ポイント指定操作DSを行なうために再生操作/サーチ操作/ポーズ(一時停止)操作等を必要に応じて実行し、区間デリートを実行する始点としての所望のポイントを探していくことになる。このようなユーザーの操作に対応して、システムコントローラ11はステップF301で再生/サーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズなどの動作を実行させる。
ユーザーはこのように所望のポイントを探していき、区間デリートを実行する始点としてのポイントの音声が再生出力されたタイミングに合わせて指定キー39を押す。即ち始点ポイント指定操作DSを行なう。するとシステムコントローラ11の処理はステップF302からF303に進み、その始点ポイント指定操作DSで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート開始アドレスAdsとして記憶する。
次にステップF304では、区間デリート開始アドレスAdsから例えば4秒〜10秒程度とされる或る特定の時間Tに相当するアドレス量Adtを減算するなどして、区間デリート開始アドレスAdsでの音声データよりT秒前の音声データを記録しているアドレス(Ads−Adt)を求める。そしてアドレス(Ads−Adt)に対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレス(Ads−Adt)からの再生動作を開始させる。
このステップF304の処理により、図15におけるリハーサル再生RH1としての動作が開始されることになる。このリハーサル再生RH1の動作は、図12で説明した例に相当する動作となる。なお、パーツ分割されている場合に、区間デリート開始アドレスAdsから再生音声としてT秒分だけさかのぼったポイントのアドレスは、単純に(Ads−Adt)の演算で求められずに、パーツ分割点に応じた演算が必要になることは上述の通りである。
ステップF305では、1回のリハーサル再生の終了、つまりリハーサル再生が区間デリート開始アドレスAdsに達したかを監視する。またステップF306,F307,F308では、それぞれジョグダイヤル27の操作、イエスキー30などによるエンター操作のそれぞれを監視する。
リハーサル再生RH1は、ジョグダイヤル27の操作もしくはエンター操作があるまでは繰り返し行なわれる。即ちステップF305で1回のリハーサル再生の終了が検出されると、ステップF304に戻って、再びアドレス(Ads−Adt)に対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレス(Ads−Adt)からの再生動作を開始させる。即ち、T秒間のリハーサル再生RH1を再び開始することになる。
リハーサル再生RH1の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を+方向に回したとすると、処理はステップF305からF309に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート開始アドレスAdsの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の+方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート開始アドレスAdsの値に加えて新たな区間デリート開始アドレスAdsとする。そしてステップF216に戻って、その新たな区間デリート開始アドレスAdsを基準とした、アドレス(Ads−Adt)からのリハーサル再生を開始させる。即ち図12(c)で説明した場合と同様に終点ポイント指定操作DEでの指定ポイントを時間的に進む方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
またリハーサル再生RH1の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を−方向に回したとすると、処理はステップF307からF310に進み、システムコントローラ11はRAM11aに記憶している区間デリート開始アドレスAdsの値を更新する。即ちジョグダイヤル27の−方向の回動操作量に応じたアドレス量JGを算出し、記憶されている区間デリート開始アドレスAdsの値からアドレス量JGを減算して新たな区間デリート開始アドレスAdsとする。そしてステップF304に戻って、その新たな区間デリート開始アドレスAdsを基準とした、アドレス(Ads−Adt)からのリハーサル再生を開始させる。即ち図12(b)で説明した場合と同様に始点ポイント指定操作DSでの指定ポイントを時間的に戻る方向に変更し、その位置を基準としたリハーサル再生を行なう動作となる。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが始点ポイント指定操作DSで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF308から図26のステップF311に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
以降、この図26の処理で、終点ポイント指定操作DEに応じた区間デリート終了アドレスAdeの設定及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生と、必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート終了アドレスAdeの変更及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート終了アドレスAdeが決定される。
そして、入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新が行なわれ、区間デリートモードが終了する。
これらの処理がステップF311〜F323として実行されるが、これは上記動作例1の処理として図22に示したステップF112〜F124の処理と同様であるため説明を省略する。
以上の処理により、図15のように、デリートする区間の前のT秒間の部分とデリートする区間の後のT秒間の部分をリハーサル再生の対象とする動作例3として区間デリートが実行されることになる。
(d.区間デリート動作例4)
次に区間デリート動作例4としての動作及び処理を図16のイメージ図と図27、図28のフローチャートに示す。
この動作例4は、図16に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれ、また、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについても、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH2が行なわれるものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図27の処理を開始する。この図27の処理で、始点ポイント指定操作DSに応じた区間デリート開始アドレスAdsの設定及びそのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生と、必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート開始アドレスAdsの変更及びそのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート開始アドレスAdsが決定される。
これらの処理がステップF401〜F410として実行されるが、これは上記動作例3の処理として図25に示したステップF301〜F310の処理と同様である。
ステップF408のエンター操作によって区間デリート開始アドレスAdsが決定されたら、システムコントローラ11の処理は図28のステップF411に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
以降、この図28の処理で、終点ポイント指定操作DEに応じた区間デリート終了アドレスAdeの設定及びそのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生と、必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート終了アドレスAdeの変更及びそのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート終了アドレスAdeが決定される。
そして、入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新が行なわれ、区間デリートモードが終了する。
これらの処理がステップF411〜F422として実行されるが、これは上記動作例2の処理として図24に示したステップF212〜F223の処理と同様となる。
以上の図27、図28の処理により、図16のように、デリートする区間の直前のT秒間の部分とデリートする区間のうちの最後のT秒間の部分をリハーサル再生の対象とする動作例4としての区間デリートが実行されることになる。
(e.区間デリート動作例5)
次に区間デリート動作例5を図17のイメージ図と図29、図30のフローチャートで説明する。
この動作例5では、図17に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスからT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにし、一方、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについては、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから、その時点で入力されている区間デリート終了アドレスAdeまでのリハーサル再生RH2が行なわれるようにするものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図29の処理を開始する。この図29の処理で、始点ポイント指定操作DSに応じた区間デリート開始アドレスAdsの設定及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生、及び必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート開始アドレスAdsの変更及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート開始アドレスAdsが決定される。
これらの処理がステップF501〜F511として実行されるが、これは上記動作例1の処理として図21に示したステップF101〜F111の処理と同様であるため説明を省略する。
なお、この動作例5における変形例として、図17の括弧内に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについて、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにすることも考えられる。
ステップF509のエンター操作によって区間デリート開始アドレスAdsが決定されたら、システムコントローラ11の処理は図30のステップF512に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
ユーザーは、そのまま再生音声を聞きながら、または必要に応じてサーチ操作/ポーズ(一時停止)/再生操作等を実行していきながら、区間デリートを実行する終点としての所望のポイントを探していくことになる。このようなユーザーの操作に対応して、システムコントローラ11はステップF513でサーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズ/再生などの動作を実行させる。
ユーザーはこのように所望のポイントを探していき、区間デリートを実行する終点としてのポイントの音声が再生出力されたタイミングに合わせて指定キー39を押す。即ち終点ポイント指定操作DEを行なう。するとシステムコントローラ11の処理はステップF514からF515に進み、終点ポイント指定操作DEによって指定されたポイントが再生時間軸上でみて、確定されている区間デリート開始アドレスAdsよりも後ろの時点に相当するポイントであるかどうかを判別する。そして時間的に後ろでなければ、その終点ポイント指定操作DEは無効としてステップF513に戻るようにする。即ちユーザーが区間デリート開始アドレスAdsとして確定されているポイントよりも再生時間的に前のポイントとなるアドレスを指定してしまった場合は、その操作を無効とし、区間デリートのための正しい終点ポイント指定操作DEを待つようにする。
なお、上述してきた動作例1〜4では、このような処理は付加しなかったが、もちろん動作例1〜4において、当該ステップF515と同様の処理を加えるようにしてもよい。また、動作例1〜4においてこのステップF515と同様の処理が存在しないということは、換言すれば、ユーザーはデリートしたい区間について開始ポイントと終了ポイントの順序を考えずに指定できることにもなる。つまり先に終了ポイントを指定し、次に開始ポイントを指定するという操作に対応した区間デリート処理を可能とするものである。つまり上述の動作例1〜4においては、このような順不同の操作手順も許容できるようにすることもできる。
終点ポイント指定操作DEが時間的に区間デリート開始アドレスAdsよりも後ろの時点に相当するポイントで行なわれたら、処理はステップF516に進む。そしてその終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート終了アドレスAdeとして記憶する。
次にステップF517では、区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsからの再生動作を開始させる。
このステップF517の処理により、図17におけるリハーサル再生RH2としての動作が開始される。つまりこの場合のリハーサル再生RH2は、確定されている区間デリート開始アドレスAdsから、入力されている区間デリート終了アドレスAdeまでである区間、即ち削除されることになる全区間について行なわれる。
ステップF518では、1回のリハーサル再生の終了、つまりリハーサル再生が区間デリート終了アドレスAdeに達したかを監視する。またステップF519,F520,F521では、それぞれジョグダイヤル27の操作、イエスキー30などによるエンター操作のそれぞれを監視する。
リハーサル再生RH2は、ジョグダイヤル27の操作もしくはエンター操作があるまでは繰り返し行なわれる。即ちステップF518で1回のリハーサル再生の終了が検出されると、ステップF517に戻って、再び区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsから区間デリート終了アドレスAdeまでの再生動作を再び開始させる。
リハーサル再生RH2の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を+方向もしくは−方向に回した場合は、処理はステップF519からF522、もしくはステップF520からF523に進み、上述してき各動作例の場合と同様に、操作に応じてRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値が更新される。
そしてステップF517に戻って、再び区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsから区間デリート終了アドレスAdeまでの再生動作を再び開始させる。つまりジョグダイヤル17の操作により区間デリート終了アドレスAdeが変更されると、リハーサル再生RH2については、その再生終了ポイントが変更されることになる。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが終点ポイント指定操作DEで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF521からF524に進み、その時点でRAM11aに保持され、入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新を行なう。この更新処理はまずバッファメモリ13に保持されているU−TOCデータに対して行ない、その後、そのU−TOCデータを記録データとして転送し、ディスク1のU−TOCエリアの更新を行なうことになる。そして、ステップF524の更新処理を終えたら、区間デリートが完了したことになり、区間デリートモードを終了する。
以上の処理により、図17のように、デリートする区間の終了ポイントを指定入力している時点では、そのデリート区間の全部をリハーサル再生の対象とする動作例5として区間デリートが実行されることになる。
(f.区間デリート動作例6)
次に区間デリート動作例6を図18のイメージ図と図31、図32のフローチャートで説明する。
この動作例6では、図18に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスからT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにし、一方、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについては、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから、その時点で入力されている区間デリート終了アドレスAdeまでのリハーサル再生RH2が行なわれるようにする。ただしリハーサル再生RH2については、例えば区間デリート開始アドレスAdsからT秒分と、区間デリート終了アドレスAdeまでのT秒分という部分のみとする。
すなわち、上記動作例5ではリハーサル再生RH2はデリートされることになる全区間を再生対象とするものとしたが、この動作例6では、デリートされることになる区間のうち、最初の部分と最後の部分のみを再生対象とするものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図31の処理を開始する。この図31の処理で、始点ポイント指定操作DSに応じた区間デリート開始アドレスAdsの設定及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生、及び必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート開始アドレスAdsの変更及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート開始アドレスAdsが決定される。
これらの処理がステップF601〜F611として実行されるが、これは上記動作例5の処理として図29に示したステップF501〜F511の処理と同様である。
なお、この動作例6における変形例として、図18の括弧内に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについて、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにすることも考えられる。
ステップF609のエンター操作によって区間デリート開始アドレスAdsが決定されたら、システムコントローラ11の処理は図32のステップF612に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
またユーザーのサーチ操作/ポーズ(一時停止)/再生操作等に対応して、システムコントローラ11はステップF613でサーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズ/再生などの動作を実行させる。
ユーザーはこのように所望のポイントを探していき、区間デリートを実行する終点としてのポイントの音声が再生出力されたタイミングに合わせて指定キー39を押す。即ち終点ポイント指定操作DEを行なう。するとシステムコントローラ11の処理はステップF614からF615に進み、終点ポイント指定操作DEによって指定されたポイントが再生時間軸上でみて、確定されている区間デリート開始アドレスAdsよりも後ろの時点に相当するポイントであるかどうかを判別する。そして時間的に後ろでなければその終点ポイント指定操作DEは無効としてステップF513に戻る。以上は上記動作例5のステップF515と同様の処理である。
終点ポイント指定操作DEが時間的に区間デリート開始アドレスAdsよりも後ろの時点に相当するポイントで行なわれたら、処理はステップF616に進む。そしてその終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート終了アドレスAdeとして記憶する。
次にステップF617では、区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsからの再生動作を開始させる。
このステップF617の処理により、図18におけるリハーサル再生RH2としての動作が開始される。
ステップF618ではリハーサル再生RH2が区間デリート開始アドレスAdsから再生時間としてT秒経過したアドレス(Ads+Adt)に達したか否かを監視する。またT秒経過したアドレス(Ads+Adt)に達していない時点でも、ステップF620,F621 でジョグダイヤル27の操作を監視し、またステップF622でエンター操作を監視する。
この監視ループはステップF626で肯定結果が得られている間、継続される。ステップF626のアクセス前とは、図18に破線で示すアクセス、即ちT秒経過したアドレス(Ads+Adt)に達した後に行なわれるアクセスの実行前か否かということである。
この監視ループにおいてユーザーがジョグダイヤル27を+方向もしくは−方向に回した場合は、処理はステップF620からF623、もしくはステップF621からF624に進み、上述してき各動作例の場合と同様に、操作に応じてRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値が更新される。
そしてステップF617に戻って、再び区間デリート開始アドレスAdsに対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsからのリハーサル再生RH2を再び開始させる。つまりジョグダイヤル17の操作により区間デリート終了アドレスAdeが変更されると、リハーサル再生RH2については、その再生終了ポイントが変更されることになる。
ステップF618で区間デリート開始アドレスAdsよりT秒経過したアドレス(Ads+Adt)に達したことが判別されたら、ステップF627に進み、光学ヘッド3の読出位置を、区間デリート終了アドレスAdeよりも再生時間的にT秒前のデータが記録されているアドレス(Ade−Adt)にアクセスさせ、その位置から再生出力を開始させる。
そしてステップF619ではリハーサル再生RH2が区間デリート終了アドレスAdeに達したか否かを監視する。またアドレスAdeに達していない時点では、ステップF620,F621 でジョグダイヤル27の操作を監視し、またステップF622でエンター操作を監視する。
この監視ループはステップF626で否定結果が得られている間、継続されることになる。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが終点ポイント指定操作DEで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF622からF625に進み、その時点でRAM11aに保持され、入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新を行なう。そしてその更新処理を終えたら、区間デリートが完了したことになり、区間デリートモードを終了する。
以上の処理により、図18のように、デリートする区間の終了ポイントを指定入力している時点では、そのデリートされることになる区間のうちの最初のT秒と最後のT秒をリハーサル再生の対象とする動作例6として区間デリートが実行されることになる。
(g.区間デリート動作例7)
次に区間デリート動作例7を図19のイメージ図と図33、図34のフローチャートで説明する。
この動作例7では、図19に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスからT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにし、一方、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについては、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsまでのT秒間と、その時点で入力されている区間デリート終了アドレスAdeからのT秒間のリハーサル再生RH2が連続して行なわれるようにするものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図33の処理を開始する。この図33の処理で、始点ポイント指定操作DSに応じた区間デリート開始アドレスAdsの設定及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生、及び必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート開始アドレスAdsの変更及びそのアドレスからT秒間のリハーサル再生とが行なわれ、エンター操作に応じて区間デリート開始アドレスAdsが決定される。
これらの処理がステップF701〜F711として実行されるが、これは上記動作例1の処理として図21に示したステップF101〜F111の処理と同様である。
リハーサル再生RH1での再生音声を聞いてユーザーが始点ポイント指定操作DSで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF709から図34のステップF712に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
そしてステップF713でユーザーのサーチ操作/ポーズ(一時停止)/再生操作等に対応して、システムコントローラ11はステップF714でサーチ(アクセス又は早送り又は早戻し)/再生ポーズ/再生などの動作を実行させ、またステップF702での終点ポイント指定操作DEを監視する。
そして終点ポイント指定操作DEによって指定されたポイントが再生時間軸上でみて、確定されている区間デリート開始アドレスAdsよりも後ろの時点に相当するポイントであれば、ステップF715からF716に進み、その終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート終了アドレスAdeとして記憶する。
次にステップF717では、区間デリート開始アドレスAdsよりも再生時間軸上でT秒前となるアドレス(Ads−Adt)を算出し、そのアドレス(Ads−Adt)に対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレス(Ads−Adt)からの再生動作を開始させる。
このステップF717の処理により、図19におけるリハーサル再生RH2としての動作が開始される。
ステップF717の時点からはリハーサル再生RH2として、ディスク1からの高速レートでのデータ読出及びその読出データのバッファメモリ13への蓄積、さらには低速レートでのバッファメモリ13からの読出及び再生音声出力動作が開始されることになるが、ステップF718では、ディスク1からのデータ読出及びその読出データのバッファメモリ13への蓄積動作が、区間デリート開始アドレスAdsにまで達したか否かを監視する。
そして区間デリート開始アドレスAdsにまでの音声データがバッファメモリ13へ書き込まれた時点でステップF719に進み、光学ヘッド3を区間デリート終了アドレスAdeまでアクセスさせる。そしてアドレスAdeからのデータ読出/バッファメモリ13への書込を開始させる。
ディスク1からバッファメモリ13までのデータ転送レートとバッファメモリ13から音声出力段階までのデータ転送レートの差により、ステップF719の処理を終えた時点では、まだ実際の再生音声は区間デリート開始アドレスAdsの音声データにまでは達していない。
ところが、すでに区間デリート終了アドレスAdeからの音声データはステップF719以降、すでにディスク1から読み出されて区間デリート開始アドレスAdsの音声データに続く音声データとしてバッファメモリ13に蓄積されていっている。従ってバッファメモリ13からの読出及び再生出力がそのまま通常通り継続されていくことで、区間デリート開始アドレスAdsの音声データによる音声に続いて、区間デリート終了アドレスAdeからの音声データによる音声がとぎれなく出力されることになる。
再生音声が区間デリート開始アドレスAdsの音声データによる音声となった時点ではステップF720からF721に進み、T秒間をカウントするタイマTをセット/スタートさせる。
そしてステップF722でタイマTのタイムオーバーを監視し、またステップF723,F724 でジョグダイヤル27の操作を監視し、さらにステップF725でエンター操作を監視する。
ステップF722でタイマTのタイムオーバーが検出されたら、ステップF717に戻って区間デリート開始アドレスAdsに対してT秒前となるアドレス(Ads−Adt)からのリハーサル再生RH2としての動作を再度開始させる。
リハーサル再生RH2の実行中にユーザーがジョグダイヤル27を+方向もしくは−方向に回した場合は、処理はステップF723からF726、もしくはステップF724からF727に進み、上述してき各動作例の場合と同様に、操作に応じてRAM11aに記憶している区間デリート終了アドレスAdeの値が更新される。
そしてステップF717に戻って、再び区間デリート開始アドレスAdsのT秒前となるアドレス(Ads−Adt)に対して光学ヘッド3のアクセスを行なわせ、そのアドレスAdsからのリハーサル再生RH2を再び開始させる。
このようにジョグダイヤル17の操作により区間デリート終了アドレスAdeが変更されると、リハーサル再生RH2については、ステップF719でのアクセスポイントが変更されることになる。
リハーサル再生音声を聞いてユーザーが終点ポイント指定操作DEで指定したポイントが適切であると判断したら、ユーザーはエンター操作を行なうことになる。このときシステムコントローラ11の処理はステップF725からF728に進み、その時点でRAM11aに保持され、入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新を行なう。そしてその更新処理を終えたら、区間デリートが完了したことになり、区間デリートモードを終了する。
以上の処理により、図19のように、デリートする区間の終了ポイントを指定入力している時点では、そのデリートされることになる区間の直前のT秒部分と直後のT秒部分がリハーサル再生の対象とされ、しかも、これらがとぎれなく継続して再生される動作例7として区間デリートが実行されることになる。
つまりこの場合は、リハーサル再生RH2は、区間デリート編集を実行した後における再生状態をユーザーに提示することになり、ユーザーは区間デリート編集実行前において、区間デリート編集実行後の状態を確認できる。
(h.区間デリート動作例8)
次に区間デリート動作例8を図20のイメージ図と図35、図36のフローチャートで説明する。
この動作例8では、図20に示すように、始点ポイント指定操作DSにより指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート開始アドレスAdsについては、そのアドレスを終点とするT秒間のリハーサル再生RH1が行なわれるようにし、一方、終点ポイント指定操作DEで指定入力された(もしくはジョグダイヤル27の操作による変更された)区間デリート終了アドレスAdeについては、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsまでのT秒間と、その時点で入力されている区間デリート終了アドレスAdeからのT秒間のリハーサル再生RH2が連続して行なわれるようにするものである。
ユーザーがエディットキー29を操作することで区間デリートモードとされると、システムコントローラ11は図35の処理を開始する。この図35の処理で、始点ポイント指定操作DSに応じた区間デリート開始アドレスAdsの設定及びそのアドレスを終点としたT秒間のリハーサル再生が行なわれ、また必要に応じてユーザーが行なうジョグダイヤル27の操作に応じた区間デリート開始アドレスAdsの変更及びそのアドレスを終点としたT秒間のリハーサル再生とが行なわれる。そしてエンター操作に応じて区間デリート開始アドレスAdsが決定される。
これらの処理がステップF801〜F810として実行されるが、これは上記動作例3の処理として図25に示したステップF301〜F310の処理と同様である。
ステップF808のエンター操作によって区間デリート開始アドレスAdsが決定されたら、システムコントローラ11の処理は図36のステップF811に進む。そしてユーザーが終点ポイント指定操作DEを行なうべきポイントを探させるための動作として、その時点で確定されている区間デリート開始アドレスAdsから再生動作を開始させる。
そして以降の処理として、ユーザーのサーチ操作/ポーズ(一時停止)/再生操作等経の対応(F812)、終点ポイント指定操作DEの監視(F813)を行なう。
終点ポイント指定操作DEによって指定されたポイントが再生時間軸上でみて、確定されている区間デリート開始アドレスAdsよりも後ろの時点に相当するポイントであれば、ステップF814からF815に進み、その終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントのアドレスを内部RAM11aにおいて区間デリート終了アドレスAdeとして記憶する。
その後ステップF816〜F827において、デリートされることになる区間の直前のT秒部分と直後のT秒部分が連続して再生出力されるリハーサル再生RH2が行なわれ、またジョグダイヤル27の操作に応じて区間デリート終了アドレスAdeが変更されるとともに、それに応じたリハーサル再生RH2が行なわれていく。そしてユーザーがエンター操作を行なうことに応じて、その時点でRAM11aに保持され、入力決定された区間デリート開始アドレスAds,区間デリート終了アドレスAdeに基づいて規定される区間を削除するべくU−TOCデータの更新が行なわれる。そしてその更新処理を終えたら、区間デリートが完了したことになり、区間デリートモードを終了する。以上の処理は上記動作例7として図34に示したステップF712〜F728の処理と同様である。
以上の図35、図36の処理により、図20のように、デリートする区間の終了ポイントを指定入力している時点では、そのデリートされることになる区間の直前のT秒部分と直後のT秒部分がリハーサル再生の対象とされ、しかも、これらがとぎれなく継続して再生される動作例7として区間デリートが実行されることになる。
つまりこの場合もリハーサル再生RH2は、区間デリート編集を実行した後における再生状態をユーザーに提示することになり、ユーザーは区間デリート編集実行前において、区間デリート編集実行後の状態を確認できる。
<8.他の区間デリート処理例>
ところで以上の説明では、区間デリート処理は或るトラックにおける一部を削除する動作モードとして説明してきたが、上記各動作例における処理により、複数トラックにまたがった区間を削除することもできる。
図37にそのような区間デリート処理の様子を示す。
図27(a)のように第1トラックM1 〜第4トラックM4 が記録されている場合に、ユーザーが第2トラックM2 の途中で始点ポイント指定操作DSを行ない、また第4トラックM4 の途中で終点ポイント指定操作DEを行なったとする。このような場合、再生時間軸で見て始点ポイント指定操作DSで指定されたポイントから終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントまでを削除するようにすればよい。
即ち図37(b)のように第2トラックM2 の後半部分、第3トラックM3 、第4トラックM4 の途中までの部分としての区間を削除し、フリーエリアF1 として扱われるようにU−TOCセクター0のデータを更新する。
このような複数トラックにまたがった区間デリートも可能とすることで、ユーザーにとってより編集作業の効率化が実現されることになる。
また図38も複数トラックにまたがった区間デリート処理の様子を示している。この場合、図38(a)のように、ディスク上では物理的には、第1トラックM1 、第3トラックM3 、第5トラックM5 、第2トラックM2 、第4トラックM4 という順序で記録が行なわれている。もちろん再生は第1トラックM1 、第2トラックM2 、第3トラックM3 、第4トラックM4 、第5トラックM5 の順序で行なわれる。
このような場合に、ユーザーが第2トラックM2 の途中で始点ポイント指定操作DSを行ない、また第3トラックM34の途中で終点ポイント指定操作DEを行なったとする。すると、再生時間軸で見て始点ポイント指定操作DSで指定されたポイントから終点ポイント指定操作DEで指定されたポイントまでを削除するようにすればよいため、図38(b)に斜線を付した部分である、第2トラックM2 の後半部分と、第3トラックM3 の前半部分がそれぞれ削除され、フリーエリアF1 ,F2 として扱われるようにU−TOCセクター0のデータが更新されることになる。
なお実施の形態としてはミニディスクシステムにおいて本発明を適用した例をあげたが、本発明は音声データや映像データなど、時間的に連続するデータが記録されると共に、そのデータの記録/再生動作を管理するための管理情報が記録される各種の記録媒体システムに対する編集装置として実現可能である。
1 ディスク、3 光学ヘッド、6a 磁気ヘッド、8 エンコーダ/デコーダ部、11 システムコントローラ、11a RAM、12 メモリコントローラ、13 バッファメモリ、14 エンコーダ/デコーダ部、19 操作部、20 表示部、27 ジョグダイヤル、29 エディットキー、31 イエスキー、39 指定キー