JP2779176B2 - 半導体レーザ製造方法 - Google Patents

半導体レーザ製造方法

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JP2779176B2 JP63227738A JP22773888A JP2779176B2 JP 2779176 B2 JP2779176 B2 JP 2779176B2 JP 63227738 A JP63227738 A JP 63227738A JP 22773888 A JP22773888 A JP 22773888A JP 2779176 B2 JP2779176 B2 JP 2779176B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光通信、光計測等の光源となる半導体レーザ
の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 光電子集積回路は光デバイスとその周辺の電子回路を
同一基板上に集積することで配線などによる寄生容量、
寄生インダクタンス等を低減して光デバイスをより高速
に動作させることができるだけでなく、集積化による装
置の小型化、高信頼性化等が行なえるなどの利点があり
各方面で研究開発が行なわれている。しかし光デバイス
と電子デバイスを集積化するには構造の違い等による製
造上の制約が種々存在する。特に光通信、光計測等の光
源となる半導体レーザは原理上共振器面を必要とするた
めのその成形方法が問題となる。従来単体の半導体レー
ザの場合には結晶のへき開により共振器面が得られてい
たが光電子集積回路ではチップの長さが半導体レーザの
共振器長で制限されるとともに配線パターンが制限され
るため複数の半導体レーザを集積することができなかっ
た。そのためへき開以外の方法で共振器面を形成する必
要が生じエッチングによる方法が行なわれてきている。
エッチングによる共振器面形成法にはウエットエッチン
グによるものとイオンによる反応またはスパッタリング
を用いるドライエッチングがあるが制御性、微細加工性
の点で後者が注目されている。そのドライエッチングに
より端面(共振器面)を形成する従来の半導体レーザの
製造方法を第11図ないし第20図に基づいて説明する。ま
ずn型InPよりなる基板1の(100)面上に、n型InPよ
りなるバッファ層2、アンドープIn0.76Ga0.24As0.56
0.44よりなる活性層3、P型InP層よりなるクラッド層
4を順次結晶成長させ、第11図に示すようなウェーハ5
を製作する。さらに第12図に示すように前記クラッド層
4の上にSiO2膜を堆積させフォトリソグラフィにより<
01>方向にSiO2膜のストライプ6を形成し、これをマ
スクとしてBr−メタノール溶液によりバッファ層2まで
エッチングを行ない、第13図に示すような逆メサ状のダ
ブルヘテロ構造7aを形成する。次いで第14図に示すよう
に該逆メサ状のダブルヘテロ構造7aのエッチングした部
分にp型InP層8、n型InP層9、p型InP10を順次埋め
込み電流狭窄層11を形成し、マスクとなったSiO2膜のス
トライプ6をBHFによりドライエッチングして除去する
ことにより第14図に示すような埋込型のダブルヘテロ構
造7を得る。次いで第15図及び第16図に示すように前記
埋込型のダブルヘテロ構造7の両面に前記活性層3の長
手方向と直角の方向(<011>方向)に所望の幅をも
ち、長手方向(<01>方向)に所望の長さをもつ複数
の電極25を幅方向、長さ方向共に所望の間隔をあけて前
記活性層3上に沿って形成する。次いで第17図に示すよ
うに前記埋込型のダブルヘテロ構造7のクラッド層4側
の面にレジストを塗布焼成して厚膜レジスト16を形成
し、さらにその上に第2のSiO2膜17を堆積させ、前記活
性層3の長手方向に隣り合う電極25と電極25の間に所望
の幅をもち、前記活性層3の長手方向と直角の方向(<
011>方向)に所望の長さをもつ第3の窓18を、その長
さのほぼ中央を前記活性層3が通過するようにフォトリ
ソグラフィにより形成する。次いで第18図に示すように
前記第3の窓18から基板面〔(100)面〕に垂直に酸素
イオンビームを入射させて厚膜レジスト16に基板面
〔(100)面〕に垂直な側壁19をもつ第4の窓20を形成
した後第2のSiO2膜17をCF4ガスによりドライエッチン
グして除去する。次いで基板温度を室温付近に保ち基板
面〔(100)面〕に垂直な軸を中心にして基板を回転さ
せながら基板面〔(100)面〕に対して所望の入射角度
をつけて塩素イオンビームを第4の窓20に入射させると
第19図に示すように基板面〔(100)面〕に垂直で滑ら
かな端面(共振器面)23をもち、かつ、端面下部にテー
パ状のすそを有する溝穴21aを得ることができる。最後
に溝穴21aに沿って切断することにより第20図に示すよ
うな半導体レーザをつくることができる。またこの溝穴
21aを切断せずに同一のチップ内に複数の半導体レーザ
を集積することも可能である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の方法はイオンヒームを基板面〔(100)面〕に
対して所望の入射角度をつけて入射させるため結晶の面
方位に依存せずに基板面〔(100)面〕に垂直で滑らか
な端面(共振器面)を得ることができるが第20図に示す
ように端面下部にテーパ状のすそが生じる。またレーザ
光の遠視野像の乱れを防ぐために前記活性層3の端面23
から出射されたレーザ光が前記溝穴21aの底面で反射し
ない程度に溝穴21aの深さを深くする必要がある。第21
図において端面23から溝穴21aの切断箇所までの距離を
x、活性層3から溝穴21aの底面までの距離をy、レー
ザ光の拡がり角をθとするとy>x×tan(θ/2)
なる条件が必要となる。例えばx=10μm、θ=60゜
とするとy>5.7μmとなり埋込型のダブルヘテロ構造
7の上面から活性層3までの距離を約5μmとすると溝
穴21aの深さは約12μm以上必要となる。従って溝穴の
深さに対する垂直部分の長さの割合は約40%と小さく、
例えば埋込型のダブルヘテロ構造7の上面から約5μm
下に位置する活性層3まで垂直で滑らかな端面を形成す
るために室温で約2時間のエッチング時間がかかってい
た。一方InPのエッチングレートは第22図に示すように
原理上高温になるほど増加するので高温でエッチングを
行なえば厚膜レジストのかわりにSiO2膜をマスクした場
合でも十分深い溝穴を短い時間で得ることができるがそ
の断面形状は温度により変化し端面の表面状態は荒れた
ものとなってしまう。
本発明の目的は従来の方法で得ていた垂直で滑らかな
端面と同等の表面状態をもつ端面を従来よりも短い時間
で得ることのできる半導体レーザの製造方法を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもの
で、基板上に形成されたストライプ状の活性層と直交す
るように前記活性層およびその下の基板の一部をエッチ
ングにより除去し、残された活性層の端面に共振器面を
形成する半導体レーザの製造方法において、始めに前記
エッチング部分を高エッチングレートのドライエッチン
グにより逆メサ状にエッチングし、次いで低エッチング
レートのドライエッチングにより基板に垂直にエッチン
グすることを特徴とするものである。
〔作用〕
従来長さ方向の電極と電極との間に所望の幅をもち前
記活性層の長手方向と直角の方向に所望の長さをもつ部
分に低エッチングレートにより基板面に垂直で滑らかな
端面を形成していたかわりにまず高エッチングレートの
ドライエッチングにより逆メサ状の溝穴を高速度で形成
し、その後低エッチングレートのドライエッチングによ
り逆メサ状の溝穴のエッジ部分を基板面に垂直で滑らか
な端面に仕上げる方法としたため結果的に垂直で滑らか
な端面を短い時間でつくることができる。
〔実施例〕
以下本発明の半導体レーザの製造方法の実施例を第1
図ないし第14図に基づいて説明する。まずキャリア濃度
が1×1018cm-3のn型InPよりなる厚さ150μmの基板1
の(100)面上に、キャリア濃度が5×1017cm-3のn型I
nPよりなる厚さ1μmのバッファ層2、アンドープIn
0.76Ga0.24As0.560.44よりなる厚さ0.2μmの活性層
3、キャリア濃度が1×1018cm-3のp型InPよりなる厚
さ2μmのクラッド層4を順次結晶成長させ第11図に示
すようなウェーハ5を製作する。さらに第12図に示すよ
うに前記クラッド層4の上にSiO2膜を2000Å堆積させフ
ォトリソグラフィにより<01>方向に幅3μmのSiO2
膜のストライプ6を形成し、これをマスクとしてBr−メ
タノール溶液によりバッファ層2までエッチングを行な
い第13図に示すような逆メサ状のダブルヘテロ構造7aを
形成する。次いで該逆メサ状のダブルヘテロ構造7aのエ
ッチングした部分にp型InP層8、n型InP層9、p型In
P層10を順次埋め込み電流狭窄層11を形成し、マスクと
なったSiO2膜のストライプ6をCF4ガスによりドライエ
ッチングして除去することにより第14図に示すような埋
込型のダブルヘテロ構造7を得る。次いで第1図に示す
ようにこの上に第1のSiO2膜12を3000Å堆積し、該第1
のSiO2膜12に前記活性層3の長手方向と直角の方向(<
011>方向)に幅5μm、長手方向(<01>方向)に
長さ300μmの電流狭窄用の第1の窓13を前記活性層3
上に沿って複数個、フォトリソグラフィにより設ける。
次いで第2図に示すように幅310μmのAuZnよりなるス
トライプ状のp型電極14を前記活性層3の長手方向と直
角の方向<011>方向)に長手方向(<01>方向)に4
0μmの間隔をあけて形成し、前記第1の窓13を覆う。
次いで第3図及び第4図に示すように長手方向(<01
>方向)にとなり合うp型電極14間の前記第1のSiO2
12に前記活性層3の長手方向(<011>方向)に沿って
前記第1の窓から15μm離して幅20μm、前記活性層3
の長手方向と直角の方向(<011>方向)に沿って長さ2
50μmの第2の窓15をその長さのほぼ中央が前記活性層
3上にくるようにフォトリソグラフィにより設ける。次
いで第5図に示すようにその上全面に厚さ5μmのレジ
ストを塗布して230℃×30分間焼成し厚膜レジスト16を
形成し、さらにその上に1500Åの第2のSiO2膜17を堆積
させ、該第2のSiO2膜17に前記窓2の窓15よりも幅、長
さ共に5μm大きい第3の窓18をフォトリソグラフィに
より形成する。次いで第6図に示すように前記第3の窓
18から基板面〔(100)面〕に垂直に酸素イオンビーム
を入射させ、前記厚膜レジスト16に基板面〔(100)
面〕に垂直な側壁19をもつ第4の窓20を形成した後、前
記第2のSiO2膜17をCF4ガスによりドライエッチングし
て除去する。次いで第7図に示すように第1のSiO2膜12
をマスクとし、基板温度を150℃以上にして基板面〔(1
00)面〕に垂直な軸を中心にして基板を回転させながら
基板面〔(100)面〕に対して入射角度50゜をつけてCl2
イオンビームを第4の窓20に入射させて高エッチングレ
ートによるエッチングを行ない、深さ12μm以上の逆メ
サ状の溝穴21を形成する。次いで第8図に示すように厚
膜レジスト16をマスクとし第4の窓20に露出している逆
メサ状の溝穴21のエッジ部分22の上の第1のSiO2膜12を
CF4ガスによるドライエッチングで除去し、p型InPより
なるクラッド層4を露出させる。次いで第9図に示すよ
うに基板温度を室温付近に保ち、基板面〔(100)面〕
に垂直な軸を中心にして、基板を回転させながら基板面
〔(100)面〕に対して入射角度40゜をつけてCl2イオン
ビームを第4の窓20に入射させ、低エッチングレートに
よるエッチングを行なう。これにより前記逆メサ状の溝
穴21のエッジ部分22に基板面〔(100)面〕に垂直な端
面23を形成する。その後厚膜レジスト16を除去する。次
いで基板1の裏面を研磨して厚さ110μmとし、前記基
板1の裏面にAnGe/Niよりなるn型電極24を形成する。
最後に逆メサ状の溝穴21の中央で切断することにより
第10図に示すような半導体レーザを得ることができる。
なお本実施例ではInP系の埋込型のダブルヘテロ構造の
半導体レーザを用いたがGaAs系においてもまた他のどの
ような構造の半導体レーザに対しても適用可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の製造方法は、活性層の長
手方向(<01>方向)の電極と電極との間に所望の幅
をもち前記活性層の長手方向と直角の方向(<011>方
向)に所望の長さをもつ部分をまず高エッチングレート
のドライエッチングにより逆メサ状の溝穴を高速度で形
成した後、低エッチングレートのドライエッチングによ
り前記逆メサ状の溝穴のエッジ部分を基板面に垂直で滑
らかな端面に仕上げる方法であるため従来よりも短い時
間で半導体レーザを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第9図は本発明の半導体レーザの製造方法
を示す説明図、第10図は本発明の方法により得られた半
導体レーザの断面図、第11図ないし第19図は従来の半導
体レーザの製造方法を示す説明図、第20図は従来の方法
により得られた半導体レーザの断面図、第21図は活性層
から溝穴の底面までの距離と端面(共振器面)から切断
面までの距離の関係を示す模式図、第22図は基板温度に
対するInPのエッチングレートを示すグラフである。 1……基板、2……バッファ層、3……活性層、4……
クラッド層、5……ウェーハ、6……SiO2膜のストライ
プ、7a……逆メサ状のダブルヘテロ構造、7……埋込型
のダブルヘテロ構造、8……p型InP層、9……n型InP
層、10……p型InP層、11……電流狭窄層、12……第1
のSiO2膜、13……第1の窓、14……p型電極、15……第
2の窓、16……厚膜レジスト、17……第2のSiO2膜、18
……第3の窓、19……側壁、20……第4の窓、21a……
溝穴、21……逆メサ状の溝穴、22……エッジ部分、23…
…端面、24……n型電極。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成されたストライプ状の活性層
    と直交するように前記活性層およびその下の基板の一部
    をエッチングにより除去し、残された活性層の端面に共
    振器面を形成する半導体レーザの製造方法において、始
    めに前記エッチング部分を高エッチングレートのドライ
    エッチングにより逆メサ状にエッチングし、次いで低エ
    ッチングレートのドライエッチングにより基板に垂直に
    エッチングすることを特徴とする半導体レーザの製造方
    法。
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1988年(昭和63年)春季第35回応物学会予稿集 28p−ZP−13 P.834

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