JP2571939B2 - シクロペンテノン誘導体及びその製造法 - Google Patents

シクロペンテノン誘導体及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は,構造式(I) で示されるシクロペンテノン誘導体及びその製造法に関
する。
上記構造式(I)で示されるシクロペンテノン誘導体
は本発明者により初めて合成された新規化合物であり,
香料や医薬品の中間体として価値ある化合物である。
構造式(II) で示される3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチルピ
ラン−2−オンのメチルアルコール中での反応を検討し
たところ、構造式(I)で示されるシクロペンテノン誘
導体の生成を見いだし,本発明を完成するに至った。
すなわち,本発明の要旨は,上記構造式(II)で示さ
れる3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチルピラン−
2−オンを,メチルアルコールと反応させることを特徴
とする構造式(I)で示されるシクロペンテノン誘導体
及びその製造方法である。
かかる反応は,本発明者によって初めて明らかにされ
た新規な反応である。
この反応において,原料として用いられる構造式(I
I)で示される3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチ
ルピラン−2−オンは,例えばD−グルコフラヌロノ−
6,3−ラクトンを無水酢酸−酢酸ナトリウム系で処理す
ることによって容易に合成することができる。
構造式(II)で示される3−アセトキシ−6−ジアセ
トキシメチルピラン−2−オンとメチルアルコールとの
反応は,塩基化合物の共存下に実施される。
塩基化合物としては,例えば,水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどの無機塩基類のほか,4−ジメチルアミ
ノピリジンなどの通常の有機塩基化合物を用いることが
可能であるが,水酸化ナトリウムを用いることが望まし
い。
塩基化合物の使用量は特に制限されないが,通常原料
である構造式(II)の化合物に対して,1〜1.2倍モル程
度が望ましい。
反応温度は,−10℃〜100℃の間で任意であるが,望
ましくは0℃〜40℃の範囲であり反応時間は用いる塩基
化合物により,1時間〜40時間の間で任意である。
このような反応によって,本発明の化合物である構造
式(I)で示されるシクロペンテノン誘導体が得られ,
通常の分離手段,例えば抽出,分液,濃縮,薄層クロマ
トグラフィー,カラムクロマトグラフィーなどにより,
反応混合物から単離精製することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の方法を具体的に説明す
るが,本発明はこれによって何等制限されるものではな
い。
実施例1. 3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチルピラン−2
−オン0.477gを30mlの乾燥メチルアルコールに溶解さ
せ,氷冷下で10〜15分間撹拌する。そこに4−ジメチル
アミノピリジン0.204gを10mlの乾燥メチルアルコールに
溶解させた溶液を1時間掛けて滴下したのち0℃〜室温
で22時間撹拌し反応させる。反応終了後,酸性イオン交
換樹脂(DOWEX 50W−X2)を加え、しばらく撹拌した後
イオン交換樹脂を濾取する。瀘液を減圧下に濃縮し,エ
ーテル可溶物を抽出して薄層クロマトグラフィーによっ
て,4−ヒドロキシ−4−メトキシカルボニル−5−アセ
トキシ−2−シクロペンテノンを単離した。(収率11.4
%) 以下に当該化合物の赤外線吸収スペクトルデーターを
示す。
IR(NaCl);3450,3080,2950,2845,1730,1585,1432,13
69,1218,1098,1060,1035,958,880,812,764,740cm-1 実施例2. 3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチルピラン−2
−オン0.200gを8mlの乾燥メチルアルコールに溶解さ
せ,氷冷下で10〜15分間撹拌する。そこに水酸化ナトリ
ウム0.028gを10mlの乾燥メチルアルコールに溶解させた
溶液を40分掛けて滴下,さらに0℃で1.5時間撹拌しな
がら反応させる。反応終了後,氷冷下にメチルアルコー
ルに懸濁させた酸性イオン交換樹脂(DOWEX 50W−X2)
を加え、しばらく撹拌した後イオン交換樹脂を濾取す
る。瀘液を減圧下に濃縮し,エーテル可溶物を抽出して
薄層クロマトグラフィーによって,4−ヒドロキシ−4−
メトキシカルボニル−5−アセトキシ−2−シクロペン
テノンを単離した。(収率46.4%) 実施例3 3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチルピラン−2
−オン0.156gを6mlのメチルアルコールに溶解させ,氷
冷下で10〜15分間撹はんする。そこに水酸化カリウム0.
031gを3mlの乾燥メチルアルコールに溶解させた溶液を4
0分掛けて滴下,さらに0℃で1.5時間撹拌しながら反応
させる。反応終了後,氷冷下にメチルアルコールに懸濁
させた酸性イオン交換樹脂(DOWEX 50W−X2)を加え、
しばらく撹拌した後イオン交換樹脂を濾取する。瀘液を
減圧下に濃縮し,エーテル可溶物を抽出して薄層クロマ
トグラフィーによって,4−ヒドロキシ−4−メトキシカ
ルボニル−5−アセトキシ−2−シクロペンテノンを単
離した。(収率33.8%)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式 で示されるシクロペンテノン誘導体。
  2. 【請求項2】構造式 で示される3−アセトキシ−6−ジアセトキシメチルピ
    ラン−2−オンを,メチルアルコールと塩基化合物の共
    存下に反応させることを特徴とする構造式 で示されるシクロペンテノン誘導体の製造法。
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