JP2504388B2 - 密閉形スクロ―ル流体装置 - Google Patents
密閉形スクロ―ル流体装置Info
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- JP2504388B2 JP2504388B2 JP6022514A JP2251494A JP2504388B2 JP 2504388 B2 JP2504388 B2 JP 2504388B2 JP 6022514 A JP6022514 A JP 6022514A JP 2251494 A JP2251494 A JP 2251494A JP 2504388 B2 JP2504388 B2 JP 2504388B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍、空調用の冷媒用
圧縮機として用いられる密閉形スクロール流体装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】密閉形スクロール流体装置の従来構造に
ついては、特開昭53−35840号にて開示されてい
る。この引用例では、スクロール流体装置を密閉容器内
にフランジを介して固定している。また、スクロール流
体装置の圧縮要素部である固定スクロール中央部の吐出
ポ−トから、吐出配管を介して冷媒ガスが密閉容器外へ
直接導かれ吐出される構造が開示されている。なお、密
閉容器内部の空間は吸入ガスが導かれており、電動機の
周囲も含めて低圧圧力となる吸入圧力の雰囲気にある構
造である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】密閉形スクロール流体
装置の技術課題として、上記引用例においては、スクロ
ール流体装置の圧縮要素部である固定スクロール中央部
の吐出ポ−トから、吐出配管を介して冷媒ガスが密閉容
器外へ直接導かれ吐出される構造となっているため、吐
出圧力の圧力脈動が大きく、吐出配管の振動を助長し、
配管の亀裂や騒音が生じる等の問題があった。 【0004】本発明は上記問題点に鑑みて発明されたも
ので、本発明の目的は、吐出圧力の圧力脈動を軽減せし
め、かつ吐出配管の振動を小さくして、該吐出配管の亀
裂等を防止すると共に、圧力脈動に起因する騒音の発生
を抑え、ひいては圧縮機の信頼性を向上することを図っ
た密閉形スクロール流体装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による密閉形スクロール流体装置は、密閉容
器内に、スクロール圧縮要素部と電動機とを主軸を介し
て連設して収納するとともに、スクロール圧縮要素部
は、渦巻状のラップを内側にしてかみ合せた固定スクロ
ールおよび旋回スクロールと、旋回スクロールの自転を
阻止し旋回運動させるための自転阻止部材と、前記固定
スクロールが結合されたフレームと、フレームに軸受を
介して回転自在に支持され電動機に連設した主軸と、を
備え、固定スクロールには中心部に開口する吐出口と外
周部に開口する吸入口とを設け、吸入口からガスを吸入
し両スクロールにより形成される密閉空間を中心部に移
動させつつ容積を減小させてガスを圧縮する密閉形スク
ロール流体装置において、前記密閉容器内を前記フレー
ムにより固定スクロールの反ラップ側の吐出室と電動機
が収納された電動機室とに区画し、吐出室と電動機室と
を連通する流路をフレームの外縁部にあって密閉容器の
内壁に沿って設け、電動機室に密閉容器外に吐出する吐
出管を設け、該吐出管を介して密閉容器外にガスを吐出
するよう構成したことを特徴とするものである。 【0006】 【作用】上記した本発明の構成により、両スクロールに
て形成される圧縮空間から吐出口2dを経た冷媒ガス
は、一旦比較的広いガス域となる空間の吐出室20に吐
出されるので、ガス流速が大幅に低下すると共に、吐出
圧力の圧力脈動幅を大きく軽減することができ、さら
に、該吐出室20に吐出された冷媒ガスは、フレ−ム4
の外縁部にあって、密閉容器1の内壁に沿って設けた連
通流路21(21aなど)を通って、より広い空間の電
動機室22へと移動することになる。このような密閉容
器内で2つの空間をはさんで絞り作用をなす連通流路2
1という構成により、二段階による吐出圧力の圧力脈動
の低減作用が得られ、吐出圧力の圧力脈動幅を大幅に低
減できる。このため、電動機室22から器外にガスを導
く吐出配管13の振動振幅が大きく低下することにな
る。また、吐出配管13の根元部の配管応力の減少も図
られ、配管亀裂事故を未然に防止できるようになる。さ
らに、吐出圧力の圧力脈動幅の低減作用から密閉容器自
体の振動も小さくなり、圧縮機の騒音低減が図れ、製品
の品質向上が図れる効果もある。また、吐出配管内の圧
力脈動が低減することにより、吐出配管とつながってい
る熱交換器等に対しても振動発生と騒音発生を抑制し、
かつ未然に防止できる効果も得られる。 【0007】 【実施例】以下この発明の一実施例を図1から図4によ
り説明する。図1および図2は、この発明の一実施例を
示すものである。 【0008】密閉容器1は2つの部分1a,1bに分割
され、、これら二つの部分があとで結合され一体の気密
容器を形成している。固定スクロール2は、端板2a、
この端板2aに直立しているラップ2bからなる。また
固定スクロール2は、その外周部に吸入口2cを、その
中央部に吐出口2dを備えている。この吐出口2dは密
閉容器室1内で開口し、密閉容器1内を吐出圧力に保持
している。旋回スクロール3は、円板状の端板3aに直
立しているラップ3b,反ラップ側の面(背面)に形成
されたスクロールボス3cからなる。両スクロール2,
3の各ラップ2b,3bは、インボリュ−ト曲線あるい
はこれに類似する曲線に成形されている。これら固定ス
クロール2と旋回スクロール3とは互いにラップ2b,
3bが向き合った状態で噛み合っている。フレ−ム4
は、旋回スクロール3及び後述する自転阻止部材5を納
める空間を有し、固定スクロール2の外周部分に数本の
ボルト(図示せず)によって結合され、またそのフレ−
ム4の外周面は、前記密閉容器1の内壁にぴったり密着
して結合されている。 【0009】旋回スクロール3の端板3aは、背面がフ
レ−ム4に支えられ、端板3aが固定スクロール2の端
板2aからそれほどはなれることなく運動できるように
なっている。自転阻止部材5は、一方の面と他方の面に
溝(図示せず)を有するリングと各溝に嵌合するオルダ
ムキ−からなり、前記の各溝は互いに直交している。一
方の溝にはフレ−ム4に固定されたオルダムキ−6がは
め込まれている。主軸(クランクシャフト)7は、フレ
−ム4に取り付けた軸受8に支持されている。このクラ
ンクシャフト7の頭部には偏心軸(クランクピン)7a
がクランクシャフト7の軸心から旋回半径εに相当する
距離だけはなれた位置に設けられ、このクランクピン7
aが旋回スクロールボス3cに嵌め込まれ係合してい
る。この両者の係合部には、クランクピン7aの上端面
の上方に軸方向に延びた空間(軸方向隙間)が形成され
ている。給油孔9は、クランクシャフト6に、その下端
面から頭部にわたって形成され、クランクピン部の上端
面に開口している。なお、符号11は電動機であり、そ
のステ−タは、前記密閉容器1の内壁にぴったり密着し
て結合されている。符号12は吸入管、符号13は吐出
管である。密閉容器内は、空間を前記フレ−ム4により
固定スクロール2の反ラップ側の吐出室20と電動機1
1側の電動機室22とに区画し、吐出室20と電動機室
22とを連通する流路21(21a,21b,21c,
21d,21e)をフレ−ム外縁部にあって密閉容器1
aの内壁に沿って設けている。電動機室22側からガス
を吐出する吐出管13を設けている。該吐出管13は、
電動機室22の上方部でフレ−ム4の外縁部近傍にあっ
て、上記連通流路21と軸方向に重ならない密閉容器1
aの壁部に設置している。図1において、両スクロール
2、3にて形成される圧縮空間から吐出口2dを経た冷
媒ガスは、一旦比較的広いガス域となる空間の吐出室2
0に吐出される。吐出20に吐出された冷媒ガスのガス
流速は、大幅に低下すると共に、吐出圧力の圧力脈動幅
は大きく軽減されることになる。 【0010】次に、給油通路10は、旋回スクロール3
に設けられており、旋回スクロール3の中心部から放射
状に延びている。これら給油通路10の中心部と給油孔
9とは、スクロールボス3cとクランクシャフト7の係
合部に形成された空間(軸方向隙間)にそれぞれ連通し
ている。また、給油通路10の油の放出端は固定スクロ
ール2と旋回スクロール3との摺動面に開口している。 【0011】図3は、給油通路10の別の実施態様を示
すもので、給油通路10の油の放出端をラップ3bの端
面に開口したものである。他は、図1、図2と同じであ
る。図4は、給油通路10のさらに別の実施態様を示す
もので、給油通路10の油の放出端を密閉空間V1に開
口したものである。その他は図1、図2と同じである。
密閉容器1の底部に溜められている油は、吐出圧を受
け、給油孔9を上昇して係合部の空間(軸方向隙間)に
流入し、ここから給油通路10に入り、固定スクロール
2と旋回スクロール3との摺動面、ラップ3bと固定ス
クロール2の端板2aとの摺動面または密閉空間V1に
圧送される。 【0012】冷媒ガスは吸入管12を経て密閉容器内の
圧縮要素部に導入され、ここで圧縮されると共に、上記
摺動部及び軸受などに供給される潤滑油が圧縮要素部
2、3に導かれ混合される。この潤滑油を混入した冷媒
ガスは高温、高圧となって密閉空間から固定スクロール
中央部の吐出口2dより吐出室20へ吐出される。一旦
比較的広いガス域となる吐出室20に吐出された冷媒ガ
スは、さらにフレーム4の外縁部にあって、密閉容器1
の内壁に沿って設けた連通流路21(21aなど)を通
って、さらに広い空間の電動機室22へと移動すること
になる。このような容器内で2つの空間をはさんで絞り
作用をなす連通流路21という構成により、二段階によ
る吐出圧力の圧力脈動の低減作用が得られ、吐出圧力の
圧力脈動幅を更に大巾に低減できる。このため、電動機
室22から器外にガスを導く吐出配管13の振動振幅が
大きく低下することになる。また、吐出配管13の根元
部の配管応力の減少も図られ、配管亀裂事故を未然に防
止できるようになる。 【0013】このほかの効果として、図1の構成におい
て上記した潤滑油を混入した冷媒ガスは密閉空間から固
定スクロール中央部の吐出口2dより比較的広いガス域
となる吐出室20へ吐出され、カバー1bの内壁面に衝
突作用と四方に広がるガス流の方向変換作用とガス速度
の低下により、冷媒ガス中に混合した油の一部は冷媒ガ
スから分離されることになる。また、吐出室20で分離
した油は比較的油状(液状)なので、電動機室22に流
れ込むときの冷媒ガスには油が最も多く混入し、電動機
室22に圧縮ガスを下向きに混入して油に作用する重力
効果を油分離作用に有効に活用できる。これによって冷
媒ガス中から油が除去され、油上り量を抑制できると共
に、圧縮冷媒ガスが電動機室22を通って外部に取出さ
れるので、その冷媒ガスにより電動機11が冷却され
る。 【0014】油を各摺動面、密閉空間V1 に供給する
際、吐出圧を利用したが、給油孔9を、その下方端を軸
心に開口し、頭部を軸心から離れた位置に開口すれば、
細孔9自体にポンプ作用を持たせることができ、このポ
ンプ作用と吐出圧を兼用することもできる。前記の実施
によれば、クランクシャフト及び旋回スクロールに常時
連通している給油孔を設けたので、旋回スクロールと固
定スクロールとの摺動面密閉空間に強制給油が可能とな
り給油が確実となる。従って各摺動面の潤滑を良くして
摩擦損傷を大幅に軽減すると共に焼き付きを防止するこ
とができる。 【0015】 【発明の効果】本発明によれば、次のような効果があ
る。 【0016】(1)吐出圧力の脈動幅の低減が図られ、
吐出管の振動振幅の低下・配管応力の減少が図られる。 【0017】(2)吐出圧力の圧力脈動幅の低減作用か
ら密閉容器自体の振動も小さくなり、圧縮機の騒音低減
が図られ、製品の品質向上が図られる。 【0018】(3)吐出配管内の圧力脈動が低減するこ
とにより、吐出配管とつながっている熱交換器等に対し
ても振動発生と騒音発生を抑制し、かつ未然に防止でき
る効果も得られる。
圧縮機として用いられる密閉形スクロール流体装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】密閉形スクロール流体装置の従来構造に
ついては、特開昭53−35840号にて開示されてい
る。この引用例では、スクロール流体装置を密閉容器内
にフランジを介して固定している。また、スクロール流
体装置の圧縮要素部である固定スクロール中央部の吐出
ポ−トから、吐出配管を介して冷媒ガスが密閉容器外へ
直接導かれ吐出される構造が開示されている。なお、密
閉容器内部の空間は吸入ガスが導かれており、電動機の
周囲も含めて低圧圧力となる吸入圧力の雰囲気にある構
造である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】密閉形スクロール流体
装置の技術課題として、上記引用例においては、スクロ
ール流体装置の圧縮要素部である固定スクロール中央部
の吐出ポ−トから、吐出配管を介して冷媒ガスが密閉容
器外へ直接導かれ吐出される構造となっているため、吐
出圧力の圧力脈動が大きく、吐出配管の振動を助長し、
配管の亀裂や騒音が生じる等の問題があった。 【0004】本発明は上記問題点に鑑みて発明されたも
ので、本発明の目的は、吐出圧力の圧力脈動を軽減せし
め、かつ吐出配管の振動を小さくして、該吐出配管の亀
裂等を防止すると共に、圧力脈動に起因する騒音の発生
を抑え、ひいては圧縮機の信頼性を向上することを図っ
た密閉形スクロール流体装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による密閉形スクロール流体装置は、密閉容
器内に、スクロール圧縮要素部と電動機とを主軸を介し
て連設して収納するとともに、スクロール圧縮要素部
は、渦巻状のラップを内側にしてかみ合せた固定スクロ
ールおよび旋回スクロールと、旋回スクロールの自転を
阻止し旋回運動させるための自転阻止部材と、前記固定
スクロールが結合されたフレームと、フレームに軸受を
介して回転自在に支持され電動機に連設した主軸と、を
備え、固定スクロールには中心部に開口する吐出口と外
周部に開口する吸入口とを設け、吸入口からガスを吸入
し両スクロールにより形成される密閉空間を中心部に移
動させつつ容積を減小させてガスを圧縮する密閉形スク
ロール流体装置において、前記密閉容器内を前記フレー
ムにより固定スクロールの反ラップ側の吐出室と電動機
が収納された電動機室とに区画し、吐出室と電動機室と
を連通する流路をフレームの外縁部にあって密閉容器の
内壁に沿って設け、電動機室に密閉容器外に吐出する吐
出管を設け、該吐出管を介して密閉容器外にガスを吐出
するよう構成したことを特徴とするものである。 【0006】 【作用】上記した本発明の構成により、両スクロールに
て形成される圧縮空間から吐出口2dを経た冷媒ガス
は、一旦比較的広いガス域となる空間の吐出室20に吐
出されるので、ガス流速が大幅に低下すると共に、吐出
圧力の圧力脈動幅を大きく軽減することができ、さら
に、該吐出室20に吐出された冷媒ガスは、フレ−ム4
の外縁部にあって、密閉容器1の内壁に沿って設けた連
通流路21(21aなど)を通って、より広い空間の電
動機室22へと移動することになる。このような密閉容
器内で2つの空間をはさんで絞り作用をなす連通流路2
1という構成により、二段階による吐出圧力の圧力脈動
の低減作用が得られ、吐出圧力の圧力脈動幅を大幅に低
減できる。このため、電動機室22から器外にガスを導
く吐出配管13の振動振幅が大きく低下することにな
る。また、吐出配管13の根元部の配管応力の減少も図
られ、配管亀裂事故を未然に防止できるようになる。さ
らに、吐出圧力の圧力脈動幅の低減作用から密閉容器自
体の振動も小さくなり、圧縮機の騒音低減が図れ、製品
の品質向上が図れる効果もある。また、吐出配管内の圧
力脈動が低減することにより、吐出配管とつながってい
る熱交換器等に対しても振動発生と騒音発生を抑制し、
かつ未然に防止できる効果も得られる。 【0007】 【実施例】以下この発明の一実施例を図1から図4によ
り説明する。図1および図2は、この発明の一実施例を
示すものである。 【0008】密閉容器1は2つの部分1a,1bに分割
され、、これら二つの部分があとで結合され一体の気密
容器を形成している。固定スクロール2は、端板2a、
この端板2aに直立しているラップ2bからなる。また
固定スクロール2は、その外周部に吸入口2cを、その
中央部に吐出口2dを備えている。この吐出口2dは密
閉容器室1内で開口し、密閉容器1内を吐出圧力に保持
している。旋回スクロール3は、円板状の端板3aに直
立しているラップ3b,反ラップ側の面(背面)に形成
されたスクロールボス3cからなる。両スクロール2,
3の各ラップ2b,3bは、インボリュ−ト曲線あるい
はこれに類似する曲線に成形されている。これら固定ス
クロール2と旋回スクロール3とは互いにラップ2b,
3bが向き合った状態で噛み合っている。フレ−ム4
は、旋回スクロール3及び後述する自転阻止部材5を納
める空間を有し、固定スクロール2の外周部分に数本の
ボルト(図示せず)によって結合され、またそのフレ−
ム4の外周面は、前記密閉容器1の内壁にぴったり密着
して結合されている。 【0009】旋回スクロール3の端板3aは、背面がフ
レ−ム4に支えられ、端板3aが固定スクロール2の端
板2aからそれほどはなれることなく運動できるように
なっている。自転阻止部材5は、一方の面と他方の面に
溝(図示せず)を有するリングと各溝に嵌合するオルダ
ムキ−からなり、前記の各溝は互いに直交している。一
方の溝にはフレ−ム4に固定されたオルダムキ−6がは
め込まれている。主軸(クランクシャフト)7は、フレ
−ム4に取り付けた軸受8に支持されている。このクラ
ンクシャフト7の頭部には偏心軸(クランクピン)7a
がクランクシャフト7の軸心から旋回半径εに相当する
距離だけはなれた位置に設けられ、このクランクピン7
aが旋回スクロールボス3cに嵌め込まれ係合してい
る。この両者の係合部には、クランクピン7aの上端面
の上方に軸方向に延びた空間(軸方向隙間)が形成され
ている。給油孔9は、クランクシャフト6に、その下端
面から頭部にわたって形成され、クランクピン部の上端
面に開口している。なお、符号11は電動機であり、そ
のステ−タは、前記密閉容器1の内壁にぴったり密着し
て結合されている。符号12は吸入管、符号13は吐出
管である。密閉容器内は、空間を前記フレ−ム4により
固定スクロール2の反ラップ側の吐出室20と電動機1
1側の電動機室22とに区画し、吐出室20と電動機室
22とを連通する流路21(21a,21b,21c,
21d,21e)をフレ−ム外縁部にあって密閉容器1
aの内壁に沿って設けている。電動機室22側からガス
を吐出する吐出管13を設けている。該吐出管13は、
電動機室22の上方部でフレ−ム4の外縁部近傍にあっ
て、上記連通流路21と軸方向に重ならない密閉容器1
aの壁部に設置している。図1において、両スクロール
2、3にて形成される圧縮空間から吐出口2dを経た冷
媒ガスは、一旦比較的広いガス域となる空間の吐出室2
0に吐出される。吐出20に吐出された冷媒ガスのガス
流速は、大幅に低下すると共に、吐出圧力の圧力脈動幅
は大きく軽減されることになる。 【0010】次に、給油通路10は、旋回スクロール3
に設けられており、旋回スクロール3の中心部から放射
状に延びている。これら給油通路10の中心部と給油孔
9とは、スクロールボス3cとクランクシャフト7の係
合部に形成された空間(軸方向隙間)にそれぞれ連通し
ている。また、給油通路10の油の放出端は固定スクロ
ール2と旋回スクロール3との摺動面に開口している。 【0011】図3は、給油通路10の別の実施態様を示
すもので、給油通路10の油の放出端をラップ3bの端
面に開口したものである。他は、図1、図2と同じであ
る。図4は、給油通路10のさらに別の実施態様を示す
もので、給油通路10の油の放出端を密閉空間V1に開
口したものである。その他は図1、図2と同じである。
密閉容器1の底部に溜められている油は、吐出圧を受
け、給油孔9を上昇して係合部の空間(軸方向隙間)に
流入し、ここから給油通路10に入り、固定スクロール
2と旋回スクロール3との摺動面、ラップ3bと固定ス
クロール2の端板2aとの摺動面または密閉空間V1に
圧送される。 【0012】冷媒ガスは吸入管12を経て密閉容器内の
圧縮要素部に導入され、ここで圧縮されると共に、上記
摺動部及び軸受などに供給される潤滑油が圧縮要素部
2、3に導かれ混合される。この潤滑油を混入した冷媒
ガスは高温、高圧となって密閉空間から固定スクロール
中央部の吐出口2dより吐出室20へ吐出される。一旦
比較的広いガス域となる吐出室20に吐出された冷媒ガ
スは、さらにフレーム4の外縁部にあって、密閉容器1
の内壁に沿って設けた連通流路21(21aなど)を通
って、さらに広い空間の電動機室22へと移動すること
になる。このような容器内で2つの空間をはさんで絞り
作用をなす連通流路21という構成により、二段階によ
る吐出圧力の圧力脈動の低減作用が得られ、吐出圧力の
圧力脈動幅を更に大巾に低減できる。このため、電動機
室22から器外にガスを導く吐出配管13の振動振幅が
大きく低下することになる。また、吐出配管13の根元
部の配管応力の減少も図られ、配管亀裂事故を未然に防
止できるようになる。 【0013】このほかの効果として、図1の構成におい
て上記した潤滑油を混入した冷媒ガスは密閉空間から固
定スクロール中央部の吐出口2dより比較的広いガス域
となる吐出室20へ吐出され、カバー1bの内壁面に衝
突作用と四方に広がるガス流の方向変換作用とガス速度
の低下により、冷媒ガス中に混合した油の一部は冷媒ガ
スから分離されることになる。また、吐出室20で分離
した油は比較的油状(液状)なので、電動機室22に流
れ込むときの冷媒ガスには油が最も多く混入し、電動機
室22に圧縮ガスを下向きに混入して油に作用する重力
効果を油分離作用に有効に活用できる。これによって冷
媒ガス中から油が除去され、油上り量を抑制できると共
に、圧縮冷媒ガスが電動機室22を通って外部に取出さ
れるので、その冷媒ガスにより電動機11が冷却され
る。 【0014】油を各摺動面、密閉空間V1 に供給する
際、吐出圧を利用したが、給油孔9を、その下方端を軸
心に開口し、頭部を軸心から離れた位置に開口すれば、
細孔9自体にポンプ作用を持たせることができ、このポ
ンプ作用と吐出圧を兼用することもできる。前記の実施
によれば、クランクシャフト及び旋回スクロールに常時
連通している給油孔を設けたので、旋回スクロールと固
定スクロールとの摺動面密閉空間に強制給油が可能とな
り給油が確実となる。従って各摺動面の潤滑を良くして
摩擦損傷を大幅に軽減すると共に焼き付きを防止するこ
とができる。 【0015】 【発明の効果】本発明によれば、次のような効果があ
る。 【0016】(1)吐出圧力の脈動幅の低減が図られ、
吐出管の振動振幅の低下・配管応力の減少が図られる。 【0017】(2)吐出圧力の圧力脈動幅の低減作用か
ら密閉容器自体の振動も小さくなり、圧縮機の騒音低減
が図られ、製品の品質向上が図られる。 【0018】(3)吐出配管内の圧力脈動が低減するこ
とにより、吐出配管とつながっている熱交換器等に対し
ても振動発生と騒音発生を抑制し、かつ未然に防止でき
る効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の縦断図面。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】旋回スクロールに設けた給油通路の別の実施態
様を示す図。 【図4】同じく給油通路のさらに別の実施態様を示す
図。 【符号の説明】 1…密閉容器 2…固定スクロール 3…旋回スクロール 4…フレ−ム 5…自転阻止部材 7…クランクシャフト 8…軸受 9…給油孔 10…給油通路 20…吐出室 21…連通流路 22…電動機室
様を示す図。 【図4】同じく給油通路のさらに別の実施態様を示す
図。 【符号の説明】 1…密閉容器 2…固定スクロール 3…旋回スクロール 4…フレ−ム 5…自転阻止部材 7…クランクシャフト 8…軸受 9…給油孔 10…給油通路 20…吐出室 21…連通流路 22…電動機室
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【1】 密閉容器内に、スクロール圧縮要素部と電動機
とを主軸を介して連設して収納するとともに、スクロー
ル圧縮要素部は、渦巻状のラップを内側にしてかみ合せ
た固定スクロールおよび旋回スクロールと、旋回スクロ
ールの自転を阻止し旋回運動させるための自転阻止部材
と、前記固定スクロールが結合されたフレームと、フレ
ームに軸受を介して回転自在に支持され電動機に連設し
た主軸と、を備え、固定スクロールには中心部に開口す
る吐出口と外周部に開口する吸入口とを設け、吸入口か
らガスを吸入し両スクロールにより形成される密閉空間
を中心部に移動させつつ容積を減小させてガスを圧縮す
る密閉形スクロール流体装置において、 前記密閉容器内を前記フレームにより固定スクロールの
反ラップ側の吐出室と電動機が収納された電動機室とに
区画し、吐出室と電動機室とを連通する流路をフレーム
の外縁部にあって密閉容器の内壁に沿って設け、電動機
室に密閉容器外に吐出する吐出管を設け、該吐出管を介
して密閉容器外にガスを吐出するよう構成したことを特
徴とする密閉形スクロール流体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6022514A JP2504388B2 (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 密閉形スクロ―ル流体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6022514A JP2504388B2 (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 密閉形スクロ―ル流体装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7186795A Division JP2703521B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | 密閉形スクロール流体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06341390A JPH06341390A (ja) | 1994-12-13 |
JP2504388B2 true JP2504388B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=12084880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6022514A Expired - Lifetime JP2504388B2 (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 密閉形スクロ―ル流体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2504388B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5546081A (en) * | 1978-09-29 | 1980-03-31 | Mitsubishi Electric Corp | Scroll compressor |
-
1994
- 1994-02-21 JP JP6022514A patent/JP2504388B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06341390A (ja) | 1994-12-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |