JP2018052593A - 吐出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか否かを容易に判断できる吐出容器を提供すること。【解決手段】下降端位置に位置する押下ヘッド13が係止され、押下ヘッド13及びステム31の上方移動を規制する有頂筒状の規制筒14を備え、押下ヘッド13の周壁部46には、下方に向けて突出すると共に、下方に向かうにしたがって容器軸Oに直交する径方向外側に漸次延びる係止突片48が形成されており、規制筒14には、係止突片48が離脱可能に挿入された挿入孔51Aが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、吐出容器に関する。
この種の吐出容器として、内容物が収容された容器本体と、容器本体の口部に装着される装着キャップと、装着キャップの内側に上方付勢状態で下方移動自在に支持されたステムを有するポンプと、ステムの上端に装着され、内容物の吐出孔が形成された有頂筒状の押下ヘッドと、押下ヘッドを径方向の外側から覆うカバー筒と、下降端位置に位置する押下ヘッドが係止され、押下ヘッド及びステムの上方移動を規制する規制筒と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような吐出容器では、カバー筒を破断して除去することにより、押下ヘッドを露出させる。そして、押下ヘッドと規制筒との係止を解除することにより、押下ヘッド及びステムを上昇移動させる。ここで、カバー筒の有無により、吐出容器が開封されたか否かを判断することが可能となる。
特開2006−89110号公報
しかしながら、上記従来の吐出容器では、カバー筒の有無だけによっては押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか判断することが困難であった。
そこで、本発明は、押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか否かを容易に判断できる吐出容器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の吐出容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、前記装着キャップの内側に、上方付勢状態で下方移動自在に支持されたステムを有するポンプと、前記ステムの上端に装着され、内容物の吐出孔が形成された有頂筒状の押下ヘッドと、下降端位置に位置する前記押下ヘッドが係止され、前記押下ヘッド及び前記ステムの上方移動を規制する規制筒と、を備え、前記押下ヘッドの周壁部には、下方に向けて突出すると共に、下方に向かうにしたがって容器軸に直交する径方向に漸次延びる係止突片が形成されており、前記装着キャップ、前記規制筒及び前記容器本体のうちのいずれか1つには、前記係止突片が離脱可能に挿入された挿入孔が形成されていることを特徴とする。
この発明では、下降端位置にある押下ヘッドと規制筒との係止を解除し、上方付勢力によって押下ヘッド及びステムを上昇移動させ、係止突片を挿入孔から上方に離脱させて押下ヘッドを押下操作可能な待機位置に位置させると、この押下ヘッド及びステムを装着キャップに対して押し込んでも、係止突片が装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち挿入孔が形成されている1つに突き当たり、挿入孔内に進入しない。そのため、例えば押下ヘッドの上下方向の位置が上記下降端位置より上方に位置していることや押下ヘッドが規制筒に再装着できないことなどによって、押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか否かを視覚的に容易に判断できる。
また、本発明の吐出容器では、前記係止突片が、前記周壁部から下方に向けて突出し、前記挿入孔に離脱可能に挿入された接続部を介して前記周壁部に接続されてもよい。
この発明では、係止突片が装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち上記1つに突き当たったときに、係止突片だけではなく接続部によっても装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち上記1つと押下ヘッドとの間に上下方向の隙間が形成されるので、この隙間を大きく確保でき、押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか否かを視覚的により確実に判断できる。
また、本発明の吐出容器では、前記係止突片が、下方に向かうにしたがって前記径方向のうちの一方向に漸次延びており、前記挿入孔における前記径方向のうち前記一方向を向く内面が、上方から下方に向かうにしたがって漸次前記一方向に向けて延びてもよい。
この発明では、吐出容器の組立時において初期的に上下方向に延在する係止突片を挿入孔に挿入するにしたがって、係止突片が挿入孔の内面によって径方向のうちの一方向に向けて案内されて曲げられる。これにより、下方に向かうにしたがって径方向の一方向に漸次延びる係止突片を形成することが容易になる。
また、本発明の吐出容器では、前記係止突片が、前記容器軸回りの周方向に等間隔をあけて複数形成されてもよい。
この発明では、押下ヘッドを装着キャップに対して押し込んだときに、係止突片が装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち上記1つに対して周方向で等間隔に当接するので、押下ヘッドの押込力をこれら係止突片を介して装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち上記1つに周方向に均等に分散して受け止めさせることができる。これにより、押下ヘッドの押込操作を安定させることができる。また、複数の係止突片に対して押込力が均等にかからないことによって、一部の係止突片に上下方向に真っ直ぐ延びるように変形させる力が加わり、この係止突片が挿入孔内に進入してしまうことをより確実に規制できる。
また、本発明の吐出容器では、前記押下ヘッド及び前記規制筒が、多条ネジにより螺合してもよい。
この発明では、1条ネジと比較して容器軸回りの少ない回転数で押下ヘッドと規制筒を螺着及び螺着解除できる。
また、本発明の吐出容器では、前記係止突片の数及び前記多条ネジの条数のうちのいずれか一方が、他方の整数倍であってもよい。
この発明では、吐出容器の組立時において係止突片を挿入孔に挿入する際に、押下ヘッドと規制筒との周方向の位置を特別に合わせることなく、押下ヘッドを規制筒に対して螺着させることによって係止突片を挿入孔に挿入させることができるので、吐出容器の組立を容易にすることができる。
この発明に係る吐出容器によれば、押下ヘッド及びステムを装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち挿入孔が形成されている1つに対して押し込んだときに、係止突片が装着キャップ、規制筒及び容器本体のうち上記1つに突き当たって挿入孔内に進入しないので、押下ヘッドの上下方向の位置の変化や押下ヘッドを規制筒に再装着できないことなどにより、押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか否かを視覚的に容易に判断できる。
本発明の一実施形態における吐出容器を示す部分軸方向断面図である。 図1の吐出容器における係止突片と規制筒との関係を示す概略図である。 図1の吐出容器の使用状態を示す部分軸方向断面図である。 図3の押下ヘッドを示す上面図である。 図1の吐出容器の使用状態を示す側面図である。 図5の吐出ポンプを示す上面図である。
以下、本発明による吐出容器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能とするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態にかかる吐出容器1は、図1に示すように、内容物が収容された有底筒状の容器本体2と、容器本体2の円筒状の口部3に装着された吐出ポンプ4と、を備える。
吐出ポンプ4は、容器本体2の口部3に螺着される有頂円筒状の装着キャップ11と、装着キャップ11の内側に配設されたポンプ12と、ポンプ12に装着され、内容物の吐出孔13Aが形成された有頂円筒状の押下ヘッド13と、下降端位置に位置する押下ヘッド13が螺着されて押下ヘッド13及び後述するステム31の上下移動を規制する有頂円筒状の規制筒14と、を備える。
これら装着キャップ11、押下ヘッド13及び規制筒14は、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置させた状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oと称し、図1において容器軸Oに沿う押下ヘッド13側を上側、その反対側を下側とし、容器軸Oから見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向、容器軸O回りで周回する方向を周方向と称する。また、径方向において後述するノズル筒部44のうち吐出孔13Aが形成された先端側を前側、ノズル筒部44の基端側を後側と称する。
吐出ポンプ4の押下ヘッド13は、未使用時などの段階では、図1に示すように、下降端位置に位置しており、押下ヘッド13が規制筒14に螺着、保持されることによって、上昇移動が規制された状態となっている。また、押下ヘッド13は、使用段階において、図3に示すように、上昇端位置に位置し、押下のために待機した状態に移行する。
装着キャップ11は、図1に示すように、上面視で円環状の頂壁部21と、頂壁部21の外周縁から下方に連設された円筒状の側壁部22と、を有する。これら頂壁部21及び側壁部22は、容器軸Oと同軸に配設されている。
側壁部22の内周面には、容器本体2の口部3の外周面に形成された雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成されている。また、側壁部22の下端縁には、円環状のピルファープルーフ部23が破断可能な容易破断部24を介して連結されている。容易破断部24は、周方向に間隔をあけて複数配設されている。なお、容易破断部24の構造は、周方向の全周にわたって連続して延びる薄肉部などであってもよい。ピルファープルーフ部23の内周面には、径方向内側に向かうにしたがって漸次上方に向けて延びる爪部25が周方向に間隔をあけて複数形成されている。爪部25の上端縁は、容器本体2の口部3に形成された円環状の突起部3Aに突起部3Aの下方から係止している。これにより、装着キャップ11を口部3から螺着解除すると容易破断部24が破断されるので、装着キャップ11を口部3から螺着解除したか否かを判断できる。
ポンプ12は、装着キャップ11の内側に上方付勢状態で下方移動自在に挿入されたステム31と、容器本体2の口部3内に挿入された状態で装着キャップ11により保持され、ステム31が上方に向けて立設されたシリンダ32と、ステム31に連係すると共にシリンダ32内に上下摺動可能に嵌合されたピストン(図示略)と、押下ヘッド13が下降端位置に位置しているときにシリンダ32の後述する空気孔32Aを閉塞する円筒状のシール筒33と、を有する。これらステム31、シリンダ32、上記ピストン及びシール筒33は、容器軸Oと同軸に配設されている。
シリンダ32は、上方から下方に向かうにしたがって段階的に縮径した多段円筒状に形成されている。
シリンダ32の上端部には、径方向外側に向けて突出するフランジ部34が全周にわたって環状に形成されている。フランジ部34は、容器本体2の口部3の上端開口縁上にパッキン35を介して配置されており、装着キャップ11の頂壁部21と口部3とによって上下方向に挟まれている。これにより、シリンダ32は、容器本体2の口部3内に挿入した状態で支持されている。
シリンダ32には、フランジ部34の内周縁部から上方に向けて延びた円筒状の突出筒部36が形成されている。
また、シリンダ32のうちフランジ部34よりも下方に位置する部分には、容器本体2内とシリンダ32内とを連通する空気孔32Aが形成されている。さらに、シリンダ32の下端部には、下方に向けて延びる円筒状の吸込筒部37が形成されており、吸込筒部37内には、内容物を吸い上げるチューブ38が嵌合されている。
シリンダ32内には、シリンダ32の下端開口を開閉する弁部材(図示略)及びステム31を上方に向けて付勢するコイルバネなどの付勢手段(図示略)が配設されている。
上記弁部材は、チューブ38の上方に位置するように配置されている。この弁部材は、逆止弁とされており、シリンダ32内の加圧時に、シリンダ32の下端開口を閉塞した状態を維持し、シリンダ32内の減圧時に、シリンダ32の下端開口を開放する。これにより、シリンダ32内の加圧時に、シリンダ32内の内容物がシリンダ32の下端開口を通して容器本体2内に戻ることが規制され、シリンダ32内の減圧時に、容器本体2内の内容物がシリンダ32の下端開口を通してシリンダ32内に流入することが許容される。
上記ピストンは、シリンダ32の内周面に密に摺接されており、ステム31に伴ってシリンダ32内を上下動する。また、上記付勢手段は、例えば上記ピストンと上記弁部材との間に配設されており、上記ピストンを介してステム31を上方に付勢している。シリンダ32内におけるステム31上には、ステム31とシリンダ32内との間に画成され、空気孔32Aに連通する環状空間が形成されている。
押下ヘッド13は、有頂円筒状の本体筒部41と、本体筒部41の天板部42から下方に向けて延設され、ステム31の上端に装着される円筒状の装着筒部43と、本体筒部41から前方に突出すると共に内部が装着筒部43内に連通し、先端に吐出孔13Aが形成されたノズル筒部44と、装着筒部43よりも径方向外側において本体筒部41の天板部42から下方に向けて延設された円筒状のネジ筒部45と、を有する。本体筒部41、装着筒部43及びネジ筒部45は、容器軸Oと同軸に配設されている。
本体筒部41の周壁部46の下端縁には、図1及び図2に示すように、接続部47を介して係止突片48が周方向に等間隔をあけて複数(本実施形態では3つ)延設されている。
係止突片48は、図1に示すように、接続部47の下端から下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向かうように延びている。また、係止突片48の上面は、規制筒14の天壁部51の下面に上下方向で対向している。なお、係止突片48の上端は、薄肉部を介して接続部47に連結されており、上端を起点として折曲げ変形可能となっている。また、係止突片48は、図1において仮想線で示すように、押下ヘッド13を規制筒14に係止させる前の状態において、上下方向に延在している。
ネジ筒部45の下端は、規制筒14の天壁部51の上面に近接または当接している。また、ネジ筒部45の内周面には、第1多条ネジ45A(本実施形態では3条ネジ)が形成されている。なお、第1多条ネジ45Aは、周方向の全長にわたって連続的に形成されている必要はなく、断続的に形成されていてもよい。
規制筒14は、上面視で円環状の天壁部51と、天壁部51の内周縁部から上下双方向に突出し、押下ヘッド13のネジ筒部45に螺着される円筒状の取付筒部52と、天壁部51の外周縁部から下方に延びる円筒状の外壁部53と、取付筒部52と外壁部53との間に配設された円筒状の内壁部54と、を有する。これら天壁部51、取付筒部52、外壁部53及び内壁部54は、容器軸Oと同軸に配設されている。
天壁部51には、本体筒部41の天板部42よりも大径に形成されており、図2に示すように、係止突片48が挿通された上面視で円弧状の複数(本実施形態では3つ)の挿入孔51Aが周方向に等間隔をあけて形成されている。挿入孔51Aの内面のうち径方向内側に位置して径方向外側を向く内側面51Bは、図1に示すように、下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向かうように傾斜している。他方、挿入孔51Aの内面のうち径方向外側に位置して径方向内側を向く外側面51Cは、上下方向に延在している。
また、天壁部51の下面は、挿入孔51A内に挿入された係止突片48の上面と上下方向で対向しており、天壁部51の上面には、ネジ筒部45の下端が近接または当接している。
取付筒部52のうち天壁部51よりも上方に位置する部分の外周面には、ネジ筒部45に形成された第1多条ネジ45Aと螺合可能な第2多条ネジ52A(本実施形態では3条ネジ)が形成されている。なお、第2多条ネジ52Aは、周方向の全長にわたって連続的に形成されている必要はなく、断続的に形成されていてもよい。
取付筒部52のうち天壁部51よりも上方に突出する部分の上下方向の長さは、接続部47の下端縁を天壁部51の上面に当接または近接させた状態で、ネジ筒部45を螺着させることができる程度となっている。これにより、係止突片48が径方向外側に折れ曲がって天壁部51に突き当たっている状態であっても、押下ヘッド13を規制筒14に螺着させ、押下ヘッド13の不意の動作を規制した状態で吐出ポンプ4を取り付けた容器本体2を持ち運ぶなどをすることができる。
外壁部53の下端は、装着キャップ11の頂壁部21から上方に若干の隙間をあけて離間している。
内壁部54は、装着キャップ11の頂壁部21の内周縁部よりも径方向内側に配設されている。また、内壁部54の内周面には、突出筒部36が例えばアンダーカット嵌合により内嵌されている。
次に、以上のような構成の吐出容器1の組立方法を説明する。
最初に、吐出容器1の組立方法を説明する。まず、ポンプ12のステム31の上端部に押下ヘッド13の装着筒部43を嵌合させ、ステム31に対して押下ヘッド13を装着する。次に、上記付勢手段の付勢力に抗してステム31を押し下げるように押下ヘッド13を下方移動させながら、押下ヘッド13を固定した状態で規制筒14の取付筒部52を容器軸O回りに回転させて押下ヘッド13のネジ筒部45と規制筒14の取付筒部52とを螺合させる。なお、押下ヘッド13と取付筒部52とを相対的に容器軸O回りに回転させればよく、押下ヘッド13を取付筒部52に対して容器軸O回りに回転させることによって押下ヘッド13のネジ筒部45と規制筒14の取付筒部52とを螺合させてもよい。
ネジ筒部45を取付筒部52に螺合させていくにしたがって、押下ヘッド13及びステム31が装着キャップ11に対して下方に移動する。そして、係止突片48は、規制筒14の天壁部51に形成された挿入孔51A内に挿入され、天壁部51の下面から突出する。このとき、天壁部51において挿入孔51Aの内面のうち内側面51Bが下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向かうように傾斜しているので、係止突片48は、挿入孔51A内に進入するにしたがって、係止突片48の上端を起点として径方向外側に向けて曲げられる。これにより、係止突片48の上面は、規制筒14の天壁部51の下面に対向する。また、第1及び第2多条ネジ45A、52Aの条数が係止突片48の数と一致しているので、押下ヘッド13と規制筒14との周方向の位置を特に合わせることなく、係止突片48は、押下ヘッド13を規制筒14に対して螺着させることによって挿入孔51Aに挿入される。
これにより、押下ヘッド13は、下降端位置で規制筒14の天壁部51に突き当たった状態となる。
その後、容器本体2に内容物を充填した後、装着キャップ11を容器本体2の口部3に例えば打栓などすることによって装着することで、吐出ポンプ4を容器本体2に一体に組み合わせる。
以上のようにして、吐出容器1を組み立てる。
続いて、吐出容器1の使用方法を説明する。
未使用状態において、押下ヘッド13は、下降端位置にあり、係止突片48及び接続部47は、規制筒14の内側に位置しており、押下ヘッド13の周壁部46の下端縁は、規制筒14の天壁部51に当接または近接している。
そして、押下ヘッド13を装着キャップ11に対して容器軸O回りに回転させてネジ筒部45と取付筒部52との螺合を解除していくと、係止突片48及び接続部47は、挿入孔51Aから上方に引き抜かれ、図3及び図4に示すように、規制筒14から離脱される。
押下ヘッド13の螺着が解除されると、上記付勢手段の付勢力によってステム31及び押下ヘッド13は、一体となって上方移動して待機位置に移動する。これにより、押下ヘッド13を押し下げ可能な状態に移行させることができる。この状態で、押下ヘッド13を押し下げてステム31と共に下降移動させると、シリンダ32内で上記ピストンが下方移動するので、シリンダ32内の圧力が上昇する。これにより、シリンダ32内の内容物は、ノズル筒部44内に供給され、吐出孔13Aを通じて外部に吐出される。なお、押下ヘッド13の押下に伴ってネジ筒部45の第1多条ネジ45Aが取付筒部52の第2多条ネジ52Aに当接することにより、押下ヘッド13のさらなる押下を規制する。
そして、押下ヘッド13の押下を解除すると、上記付勢手段の付勢力によってステム31及び押下ヘッド13が待機位置に復元移動する。この復元移動により、シリンダ32内が負圧になるので、容器本体2内の内容物は、シリンダ32内に吸い上げられる。これにより、次回の押下ヘッド13による吐出操作に備える。
ここで、押下ヘッド13を押下した状態で規制筒14に対して回転させることにより、押下ヘッド13を規制筒14に螺着させることができる。しかし、押下ヘッド13を規制筒14に対して回転させていくことによって押下ヘッド13を下降端位置まで下方移動させようとしても、係止突片48が規制筒14の天壁部51に突き当たる。そして、図5及び図6に示すように、係止突片48は、押下ヘッド13の下方移動に伴って、その上端部を起点として径方向外側に折り曲げられ、挿入孔51A内に進入しない。また、接続部47は、天壁部51に当接または近接する。そのため、係止突片48及び接続部47は、規制筒14の外側に露出し、折り曲げられた係止突片48及び接続部47によって、押下ヘッド13の周壁部46の下端縁と規制筒14の天壁部51との間には、隙間が形成される。また、押下ヘッド13は、下降端位置よりも上方に位置する。
そして、押下ヘッド13が下降端位置よりも上方に位置していることを視認することにより、下降端位置にある押下ヘッド13と規制筒14との係止が解除されたか否かを判断する。
以上、本実施形態に係る吐出容器1によれば、押下操作可能とされた押下ヘッド13及びステム31を装着キャップ11に対して押し込んだときに、係止突片48が規制筒14の天壁部51に突き当たって径方向外側に折り曲げられ、挿入孔51A内に進入せず、また、接続部47の下端が規制筒14の天壁部51に近接または当接する。そのため、押下ヘッド13が下降端位置よりも上方に位置していることを視認することにより、押下ヘッド13と規制筒14との係止が解除されたか否かを視覚的に容易に判断できる。ここで、係止突片48だけではなく接続部47によっても規制筒14の天壁部51と押下ヘッド13の下端縁との間に上下方向の隙間が形成され、この隙間を大きく確保できるので、押下ヘッド13と規制筒14との係止が解除されたか否かを視覚的により確実に判断できる。
また、組立時の当初において上下方向に延在する係止突片48を挿入孔51Aに挿入していくにしたがって、係止突片48が内側面51Bに沿って径方向外側に向けて案内されて曲げられるので、組立後において下方に向かうにしたがって径方向外側に漸次延びる係止突片48を形成することが容易になる。
さらに、3つの係止突片48が周方向で等間隔に形成されているので、係止突片48が規制筒14の天壁部51に係止しているときに押下ヘッド13の押込力を規制筒14の天壁部51で均等に分散させて受け止めることができる。これにより、押下ヘッド13の押下操作を安定させ、係止突片48が挿入孔51A内に意図せず進入することをより確実に規制できる。
その上、押下ヘッド13のネジ筒部45と規制筒14の取付筒部52とが多条ネジにより螺合しており、1条ネジと比較して少ない回転数で押下ヘッド13と規制筒14とを螺着及び螺着解除できる。ここで、係止突片48の数が多条ネジの条数と同じであるため、吐出容器1の組立時において上下方向に延在する係止突片48を挿入孔51Aに挿入させる際に、押下ヘッド13と規制筒14との周方向の位置を特に合わせることなく、押下ヘッド13を規制筒14に対して螺着させることができるので、吐出容器1の組立が容易になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、係止突片は、規制筒の天壁部に係止する際に折り曲げられる必要はない。また、係止突片は、下方に向かうにしたがって径方向外側に向けて延在するように形成されているが、下方に向かうにしたがって径方向内側に向けて延在するように形成されてもよい。さらに、係止突片は、軸方向断面視で直線状に延在する必要はなく、曲線状に延在してもよい。その上、複数の係止突片を設ける場合には、一部の係止突片が下方に向かうにしたがって径方向外側に向けて延在するように形成され、残りの係止突片が下方に向かうにしたがって径方向内側に向けて延在するように形成されてもよい。
係止突片は、少なくとも1つ形成されていればよく、2つや4つ以上形成されていてもよい。また、係止突片は、周方向に等間隔に形成されている必要はない。
係止突片は、押下ヘッドの周壁部の下端縁から下方に向けて突出しているが、周壁部の下端縁以外の他の箇所から突出してもよい。また、係止突片は、接続部を介して周壁部に接続されているが、周壁部に直接接続されてもよい。
係止突片は、組立時の当初において上下方向に延在し、その後下方に向かうにしたがって径方向に向けて延在するように形成されているが、組立時の当初から下方に向かうにしたがって径方向に向けて延在するように形成されてもよく、治具などを用いて組立時に挿入孔に挿入されてもよい。
挿入孔は、係止突片の数と同数形成されているが、1対1に対応している必要はなく、1つの挿入孔に複数の係止突片を挿入させてもよい。
挿入孔の内面は、下方に向かうにしたがって径方向に向けて延在するように傾斜しているが、傾斜していなくてもよい。
挿入孔は、規制筒の天壁部に限らず、装着キャップの頂壁部や容器本体など、他の部材に形成されてもよい。また、挿入孔は、規制筒、装着キャップ及び容器本体のうちの2以上に形成されてもよい。
押下ヘッド及び規制筒は、3条ネジにより螺合しているが、2条や4条以上の多条ネジにより螺合してもよく、多条ネジではない1条ネジにより螺合してもよい。ここで、係止突片の数は、多条ネジの条数と同じでなくてもよく、多条ネジの条数の整数倍または整数分の1であってもよい。また、係止突片の数は、多条ネジの条数の整数倍または整数分の1でなくてもよい。
押下ヘッドは、規制筒に対して螺着されている必要はなく、螺着以外の他の方法によって規制筒に対して係止されてもよい。
規制筒は、装着キャップと別部材として形成されているが、装着キャップと一体に形成されてもよい。
この発明によれば、押下ヘッドと規制筒との係止が解除されたか否かを容易に判断できる吐出容器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
1 吐出容器、2 容器本体、3 口部、11 装着キャップ、12 ポンプ、13 押下ヘッド、13A 吐出孔、14 規制筒、31 ステム、45A 第1多条ネジ(多条ネジ)、46 周壁部、47 接続部、48 係止突片、51A 挿入孔、51B 内側面(内面)、52A 第2多条ネジ(多条ネジ)

Claims (6)

  1. 内容物が収容される容器本体と、
    前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、
    前記装着キャップの内側に、上方付勢状態で下方移動自在に支持されたステムを有するポンプと、
    前記ステムの上端に装着され、内容物の吐出孔が形成された有頂筒状の押下ヘッドと、 下降端位置に位置する前記押下ヘッドが係止され、前記押下ヘッド及び前記ステムの上方移動を規制する規制筒と、を備え、
    前記押下ヘッドの周壁部には、下方に向けて突出すると共に、下方に向かうにしたがって容器軸に直交する径方向に漸次延びる係止突片が形成されており、
    前記装着キャップ、前記規制筒及び前記容器本体のうちのいずれか1つには、前記係止突片が離脱可能に挿入された挿入孔が形成されていることを特徴とする吐出容器。
  2. 前記係止突片が、前記周壁部から下方に向けて突出し、前記挿入孔に離脱可能に挿入された接続部を介して前記周壁部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記係止突片が、下方に向かうにしたがって前記径方向のうちの一方向に漸次延びており、
    前記挿入孔における前記径方向のうち前記一方向を向く内面が、上方から下方に向かうにしたがって漸次前記一方向に向けて延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出容器。
  4. 前記係止突片が、前記容器軸回りの周方向に等間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出容器。
  5. 前記押下ヘッド及び前記規制筒が、多条ネジにより螺合していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出容器。
  6. 前記係止突片の数及び前記多条ネジの条数のうちのいずれか一方が、他方の整数倍であることを特徴とする請求項5に記載の吐出容器。
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